JP5093405B2 - 振動ジャイロ素子 - Google Patents

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Description

この発明は、振動体を主面に垂直な方向に屈曲振動させ、振動体の主面に平行な方向に作用するコリオリの力から、振動体の回転を検出する振動ジャイロ素子に関する。
振動ジャイロ素子は、水晶・ニオブ酸リチウム・タンタル酸リチウムなどの圧電単結晶や圧電単結晶を貼り付けた振動板を振動体として利用する。振動体の形状としては、音叉形・正方形断面音片形・正三角形断面音片形・円形音片形・H字形などの様々な形状がある(例えば、非特許文献1〜3および特許文献4参照。)。
非特許文献1〜3に記載された振動ジャイロ素子は、回転を検出する検出軸を一つ有する。そのため複数の検出軸で回転を検出するには、複数の素子が必要である。一方、特許文献4に記載された振動ジャイロ素子は、複数の検出軸を有する。
図1は、特許文献4を参考にした振動ジャイロ素子の構成例を説明する図である。
この振動ジャイロ素子101は、振動板104と8つの検出用振動体と1つの駆動用振動体とを備える。駆動用振動体は駆動電極106と圧電基板107と駆動電極108とを備え、振動板104に主面法線方向の屈曲振動を励起させる。検出用振動体は検出電極102と圧電基板103と検出電極105とを備える。
この振動ジャイロ素子101では、直交する2つの検出軸(X軸・X軸)それぞれを中心に各検出用振動体が対称となるように配置される。検出軸を挟んで配置される一組の検出用振動体には、振動板104にコリオリの力が作用しない場合に互いに同相で交番電圧が励起し、コリオリの力が作用する場合に交番電圧の位相が逆極性の変化量で変化する。そのため、検出回路で一組の検出用振動体に励起する交番電圧の差分を取得することで、それらの振動体に挟まれる検出軸を中心とした回転により生じるコリオリの力を検出することが可能になる。
複数の検出軸を有する振動ジャイロ素子では、駆動特性や検出特性が検出軸ごとに相似すれば、各検出軸回りの回転を検出する検出回路が同一の回路構成であっても各検出軸回りの回転を検出できる。駆動特性は屈曲振動の振幅の分布、検出特性は励起電圧の振幅の分布に関する特性である。
「圧電形振動ジャイロスコープ」,日本音響学会誌45巻5号pp.402-408,1989 「圧電形振動ジャイロスコープ角速度センサ」,電子情報通信学会論文誌Vol.J78-C-I pp.547-556,1995年2月 「ニオブ酸リチウム及びタンタル酸リチウム圧電単結晶を用いた電子機構デバイス」,電子情報通信学会論文誌Vol.J87-C No.2 pp.216-224,2004年2月
特許第3218702号公報
検出軸毎の駆動特性や検出特性には温度依存性があり、環境温度が可動温度範囲から外れることで検出軸毎の駆動特性や検出特性の相似性は崩れる。検出軸毎の駆動特性や検出特性の相似性が崩れても、各検出軸に対応する検出回路などで補償を行うことで励起電圧の相似性を確保することは可能である。しかしながら、その場合には振動ジャイロ素子全体としての回路構成が複雑化する問題がある。
本願発明者は鋭意研究を進めた結果、駆動特性や検出特性における相似性の崩れが、圧電基板と電極との間の線膨張係数差に依存するという知見を得て、本願発明の技術的思想の創作に至った。
本発明の目的は、各検出軸に対応する検出回路が同一の回路構成であっても、広い可動温度範囲を確保できる振動ジャイロ素子の提供を目的とする。
この発明の振動ジャイロ素子は、主面に平行で互いに直交する2つの検出軸それぞれを中心として線対称な形状で構成した圧電基板と、圧電基板の主面表裏に設けた複数の主面電極対とを備える。そして、少なくともいずれかの主面電極対の間に周波数信号を印加することで、主面法線方向に圧電基板を振動させる。また、少なくともいずれかの主面電極対に励起する電圧に基づいて、検出軸回りの回転によって圧電基板に作用するコリオリの力を検出する。ここで、圧電基板は、枠状の振動部と振動部を支持する支持梁とを備え、支持梁は2つの検出軸の間を等分する軸に沿って延設されており、三方晶系の点群3mに分類される単結晶からなり、結晶座標系(X,Y,Z)の結晶軸Xを2つの検出軸の間を等分する軸に一致させる。
圧電基板と主面電極対とは線膨張係数が相違するため、熱応力が作用することで圧電基板に歪みが生じる。この歪みの分布は三方晶系の点群3mに分類される単結晶では結晶軸Xを中心に対称となる。したがって、2つの検出軸の間を等分する軸に結晶軸Xを一致させることで、圧電基板における各検出軸上に生じる圧電基板の歪みの分布を対称に近づけられる。これにより、環境温度の変化により検出軸上に圧電基板の歪みが生じても、検出軸毎の駆動特性や検出特性の相似性を維持できる。
また、枠状の振動部と振動部を支持する支持梁とを備え、支持梁は2つの検出軸の間を等分する軸に沿って延設されることにより、振動部の支持梁に支持される位置は屈曲振動の節となり、振動部の検出軸上の位置が屈曲振動の腹となる。したがって、検出軸上で振動部の屈曲振動の振幅を最大化でき、検出感度が高まる。また、枠状の振動部を支持梁で支持する構成のため、振動部の屈曲振動を最大限、拘束せずに支持でき、検出軸ごとの線膨張係数差の相似性を確保できる。したがって、理想的な振動形態を実現できる。

この発明の圧電ジャイロ素子は、三方晶系の点群3mに分類される単結晶からなり、2つの検出軸の間を等分する前記軸に結晶座標系(X,Y,Z)の結晶軸Xが一致する支持基板をさらに備え、この支持基板で圧電基板を支持すると好適である。これにより、検出軸毎の駆動特性や検出特性の相似性を高められる。
この発明の圧電基板は、右手系のオイラー角表示のθを0°から180°まで変化させた場合に電気機械結合係数が第1の極大値、極小値、第2の極大値の順に変化するとともに、第1の極大値よりも第2の極大値が大きい特性を有するものであり、電気機械結合係数が第1の極大値よりも大きくなる範囲に右手系のオイラー角表示のθが収まるように構成すると好適で有る。また、この発明の圧電基板は、右手系のオイラー角表示のθを電気機械結合係数がほぼ第2の極大値になる範囲に設定すると好適で有る。圧電基板を上述のように構成することで、電気機械結合係数を大きくして振動ジャイロ素子の感度を高められる。また、θに誤差があっても、極値付近では電気機械結合係数の安定性が向上する。
この発明の圧電基板は、右手系のオイラー角表示のθを0°から180°まで変化させた場合に、共振周波数が極値を示して変化する特性を有するものであり、この圧電基板を、共振周波数がほぼ極値になる範囲にオイラー角表示のθが収まるように構成すると好適で有る。θに誤差があっても、極値付近では共振周波数の安定性が向上する。
この発明の圧電基板は、ニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムとすると好適である。ニオブ酸リチウムを採用することで電気機械結合係数とQ値とを大きくでき良好な感度特性が得られる。タンタル酸リチウムを採用することで感度と温度特性のバランスを改善できる。
この発明によれば、熱応力の作用で生じる圧電基板の歪みの分布が2つの検出軸上で対称になり、広い温度範囲で、2つの検出軸それぞれを基準とした駆動特性や検出特性の相似性を確保できる。したがって、各検出軸を中心とした回転を検出する検出回路として同一の回路構成を用いても、広い可動温度範囲を確保できる。
従来の振動ジャイロ素子の構成例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る振動ジャイロ素子の構成例を説明する図である。 右手系のオイラー角表示について説明する図である。 図2に示す振動ジャイロ素子の回路構成を説明する図である。 図2に示す振動ジャイロ素子の動作を説明する図である。 線膨張係数の面内回転角依存性を説明する図である。 オイラー角のθと電気機械結合係数との関係を説明する図である。 温度変化と周波数変化率の変動との関係を説明する図である。
本発明の実施形態に係る振動ジャイロ素子について説明する。
図2は振動ジャイロ素子の構成例を示す図である。図2(A)は平面図、図2(B)は中央断面図、図2(C)はA−A’断面図、図2(D)はB−B’断面図である。
振動ジャイロ素子1は、直交2軸(X軸およびX軸)を検出軸として、検出軸回りの回転を検出する。そのため、振動ジャイロ素子1はX軸を対称軸として線対称な形状、且つ、X軸を対称軸として線対称な形状で構成している。また、X−X面に垂直なX軸に沿って下から順に、支持基板5、下主面電極4、圧電基板3、および上主面電極2を積層して構成している。
支持基板5および圧電基板3はニオブ酸リチウム(LiNbO3)の圧電単結晶基板またはタンタル酸リチウム(LiTaO3)の圧電単結晶基板であり、支持基板5は0.34mm厚、圧電基板3は1μm厚である。下主面電極4は電極厚500nmのタングステン(W)電極であり、上主面電極2はアルミニウム(Al)電極である。タングステン電極は融点が高いため熱負荷による電極の拡散を抑えられ、比重が大きく固有音響インピーダンスが大きいため圧電振動子に励起する弾性波機械振動のダンピングを抑えられる。アルミニウム電極は比抵抗が小さいので、圧電振動子の直列等価抵抗を抑えられる。
圧電基板3は、圧電基板3の結晶座標系(X,Y,Z)からの右手系のオイラー角表示(φ,θ,ψ)=(0°,θ°,45°)で規定される変換座標系(X,X,X)で、X−X面が主面となるように構成する。これにより、結晶軸Xが、検出軸X,Xの間を45°で等分する軸と一致することになる。図3は右手系のオイラー角表示(φ,θ,ψ)と変換座標系(X,X,X)との関係を示す図である(例えば、弾性波素子技術ハンドブック 日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会編,オーム社,1991;P.549参照。)。
圧電基板3は圧電基板主面(X−X面)をX軸から見て、内側領域3Aと枠状領域3Bと外側領域3Cとに区分される。枠状領域3Bは内径400μmm、外径500μmの円形内形・円形外形の枠状である。内側領域3Aは直径300μmの円形である。外側領域3Cは内径600μmの円形内形・矩形外形である。内側領域3Aと枠状領域3Bとの間には4つの内側開放孔31と4つの内側梁部32とを設けていて、外側領域3Cと枠状領域3Bとの間には4つの外側開放孔33と4つの内側梁部32とを設けている。内側梁部32と外側梁部34とは、X−X面におけるX軸正方向を0°として、45°、135°、225°、315°の方向に沿う幅20μmの梁状の領域としている。これら内側梁部32と外側梁部34とは、枠状領域3Bを支持基板5から浮かせた状態に支持する。
下主面電極4は、圧電基板3の下主面の少なくとも枠状領域3Bを覆う領域に設けていて、基準電位に接続される。各駆動検出電極2Aは下主面電極4に対向して、本発明の主面電極対を構成する。
支持基板5は、支持基板主面(X−X面)をX軸から見て、内側領域5Aと振動領域5Bと外側領域5Cとに区分される。振動領域5Bは内形300μm、外形600μmの円形内形・円形外形の枠状に支持基板5を上主面から深さ3μmで掘り下げて振動空間を設けた領域であり、圧電基板3の枠状領域3Bと内側開放孔31と内側梁部32と外側開放孔33と内側梁部32とに対面する位置に設けている。振動空間は、内側開放孔31および外側開放孔33に連通していて、枠状領域3Bと支持基板5との干渉を防ぐ。内側領域5Aは直径300μmの領域であり、圧電基板3の内側領域3Aが重なる領域である。外側領域5Cは内径600μmの領域であり、圧電基板3の外側領域3Cが重なる領域である。支持基板5には、圧電基板3と同じ圧電性材料を用いることで線膨脹係数差を抑制できる。なお、支持基板5として圧電基板3と熱膨張係数が異なるが耐熱性に優れ入手が容易で安価なSiやガラスを用いてもよい。
上主面電極2は、8つの駆動検出電極2Aと、8つの回路接続電極2Bと、4つの基準電位接続電極2Cと、8つの配線2Dとを備えている。駆動検出電極2Aは枠状領域3Bの上面にパターニングしている。回路接続電極2Bおよび基準電位接続電極2Cは外側領域3Cの上面にパターンニングしている。配線2Dは、枠状領域3Bから外側領域3Cに架けて外側梁部を経由して設けている。駆動検出電極2Aは、2つずつ、正方向のX軸両側、負方向のX軸両側、正方向のX軸両側、負方向のX軸両側に約5μmの間隔で配置している。具体的には、各駆動検出電極2AはX−X面におけるX軸正方向を0°として、約0°〜30°、60°〜90°、90°〜120°、150°〜180°、180°〜210°、240°〜270°、270°〜300°、330°〜360°の範囲を占めている。なお、隣接する駆動検出電極2A間は約5μmの間隔を隔てている。回路接続電極2Bは詳細を後述する駆動検出回路に接続される。基準電位接続電極2Cはスルーホールを介して下主面電極4に接続される。配線2Dは駆動検出電極2Aと回路接続電極2Bとの間を接続し、絶縁層2Eを介して圧電基板3に接合されている。
以上の構成では、圧電基板3における枠状領域3Bの上主面に駆動検出電極2Aを設けるとともに枠状領域3Bの下主面に下主面電極4と誘電体層5とを積層して振動部を構成している。振動部は周波数信号が印加されることで屈曲振動する。
図4は、振動ジャイロ素子1の回路構成例を説明する回路図である。振動ジャイロ素子1は、周波数信号発生回路6と差動回路7A,7Bと平滑回路8A,8Bとを備える。基準電位接続電極2Cにはグランドを接続する。
周波数信号発生回路6は駆動抵抗Rを介して8つの回路接続電極2Bに接続され、8つの駆動検出電極2Aそれぞれに周波数信号を与える。各駆動検出電極2Aに与える周波数信号は、それぞれ同相・同振幅である。また周波数は、枠状領域の共振周波数とする。共振周波数では、枠状領域3BのX軸方向の振動が、X−X面におけるX軸上およびX軸上の位置(0°、90°、180°、270°)に振動の腹を形成し、梁部により支持される位置(45°、135°、225°、315°)の位置に振動の節を形成する。
軸の両側に配置された4つの駆動検出電極2AのうちX軸負方向(図中左側)に配置された2つの駆動検出電極2Aは、差動回路7Aの第一の入力端に接続される。また、X軸正方向(図中右側)に配置された2つの駆動検出電極2Aは、差動回路7Aの第二の入力端に接続される。また、X軸の両側に配置された4つの駆動検出電極2AのうちX軸負方向(下側)に配置された2つの駆動検出電極2Aは、差動回路7Bの第一の入力端に接続される。X軸正方向(上側)に配置された2つの駆動検出電極2Aは、差動回路7Bの第二の入力端に接続される。
差動回路7A,7Bの出力端は平滑回路8A、8Bに接続され、差動回路7A,7Bはそれぞれの第一の入力端と第二の入力端との電圧差を出力する。平滑回路8A、8Bは差動回路7A,7Bの出力電圧を平滑する。
図5は、振動ジャイロ素子1の動作を説明する図である。図5(A)はX軸回りに回転する例を、図5(B)はX軸回りに回転する例を示す。
上記共振周波数で屈曲振動する際には、振動ジャイロ装置にX軸回りの角速度が加わると、X軸方向にコリオリの力が加わる。すると、X軸の両側に配置された4つの駆動検出電極2Aに印加されている周波数信号の位相が、X軸正方向に配置された駆動検出電極2Aと、X軸負方向に配置された駆動検出電極2Aとで逆方向に変化する。このため、差動回路7Aによる差分出力は、コリオリの力の大きさに応じた電圧となる。
また、振動ジャイロ装置にX軸回りの角速度が加わると、X軸方向にコリオリの力が加わる。すると、X軸の両側に配置された4つの駆動検出電極2Aに印加されている周波数信号の位相が、X軸正方向に配置された駆動検出電極2Aと、X軸負方向に配置された駆動検出電極2Aとで逆方向に変化する。このため、差動回路7Bによるそれらの差分出力は、コリオリの力の大きさに応じた電圧となる。
なお、振動ジャイロ素子1が回転していない状態では、周波数信号は同相・同振幅なので差動回路7A,7Bによって取り除かれることになる。また、振動ジャイロ装置に衝撃などが作用する際に各駆動検出電極に励起する信号や、X軸回りの回転の際にX軸に沿って配置された駆動検出電極に励起する信号、X軸回りの回転の際にX軸に沿って配置された駆動検出電極に励起する信号は、やはり同相・同振幅となるので差動回路7A,7Bによって取り除かれることになる。
以下、振動ジャイロ素子の線膨張係数について説明する。
図6(A)は、オイラー角のψ=45°であるニオブ酸リチウムの圧電単結晶基板での線膨張係数の面内回転角依存性、即ち、ニオブ酸リチウム基板の線膨張係数をテンソルの変換則に従って変換したマトリクス成分と、右手系のオイラー角表示のθ°との関係を示す図である。ニオブ酸リチウム基板ではオイラー角のθに関わらず、常にα11=α22、かつ、α12=α21となる。これは、X軸方向とX軸方向に関わる線膨張係数が等しくなり、温度による変形がこの2軸に対して等しくなることを示している。したがって、圧電基板3や支持基板5における各検出軸上に生じる歪みの分布を対称にできる。これにより、広い温度範囲で、2つの検出軸それぞれを基準とした駆動特性や検出特性の相似性を確保できる。
図6(B)は、オイラー角のψ=45°であるタンタル酸リチウムの圧電単結晶基板での線膨張係数の面内回転角依存性、即ち、タンタル酸リチウム基板の線膨張係数をテンソルの変換則に従って変換したマトリクス成分と、右手系のオイラー角表示のθ°との関係を示す図である。この場合にも、オイラー角のθに関わらず、常にα11=α22、かつ、α12=α21でX軸方向とX軸に関わる線膨張係数が等しくなり、温度による変形がこの2軸に対して等しくなる。したがって、圧電基板3や支持基板5における各検出軸上に生じる歪みの分布を対称にでき、広い温度範囲で2つの検出軸それぞれを基準とした駆動特性や検出特性の相似性を確保できる。
なお、少なくとも圧電基板3として三方晶系の点群3mに分類され、右手系のオイラー角表示で(0°,θ°,45°)となる圧電単結晶基板を用いれば、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムの圧電単結晶基板と同様に、広い温度範囲で2つの検出軸それぞれを基準とした駆動特性や検出特性の相似性を確保できる。また、支持基板5はどのような材質であってもよいが、支持基板5にも三方晶系の点群3mに分類され、右手系のオイラー角表示で(0°,θ°,45°)となる圧電単結晶基板を用いることで、駆動特性や検出特性の相似性をさらに高められる。
次に、圧電基板3における右手系のオイラー角表示のθの好適な設定例について説明する。
図7(A)は、ニオブ酸リチウム基板およびタンタル酸リチウム基板におけるオイラー角のθと電気機械結合係数との関係を説明する図である。電気機械結合係数は、圧電基板3、上部主面電極、下部主面電極、誘電体層、支持基板の材料定数と振動体の構造を考慮して有限要素法解析を行い、自由容量Cfと着目した振動モードの等価値容量Cnを用いてkv=(Cn/Cf)^(1/2)として定義される。具体的には両端子間の自由容量Cfと等価値容量Cnは、下部電極を0V、上部電極のX軸に隣接する電極を並列に接続した端子と、X軸に隣接する電極を並列に接続した端子とにそれぞれ逆極性の電圧を印加し求めることができる。
図示するように、ニオブ酸リチウム基板およびタンタル酸リチウム基板は、オイラー角θを0°から180°まで変化させた場合に、約θ=40°で電気機械結合係数が第1の極大値、約θ=70°で極小値、約θ=120°で第2の極大値を示す。電気機械結合係数は第1の極大値よりも第2の極大値のほうが大きい。振動ジャイロ素子1の感度は電気機械結合係数が大きいほど高まるので、圧電基板3の電気機械結合係数が第2の極大値となるようにオイラー角のθを設定すると好適である。製造過程でオイラー角のθの設定に誤差が生じても、第2の極大値付近では電気機械結合係数の変化率は小さいので、電気機械結合係数および感度の個別製品バラツキを抑えられる。
図7(B)は、ニオブ酸リチウム基板およびタンタル酸リチウム基板におけるオイラー角のθと共振周波数との関係を説明する図である。共振周波数は、圧電基板3の材料定数と振動体の構造を考慮したものである。
図示するように、ニオブ酸リチウム基板およびタンタル酸リチウム基板は、オイラー角θを0°から180°まで変化させた場合に、約θ=120°で共振周波数が極値を示す。製造過程でオイラー角のθの設定に誤差が生じても、極値付近では共振周波数の変化率は小さいので、圧電基板3の共振周波数が極値となるようにオイラー角のθを設定すると、共振周波数の個別製品バラツキを抑えられる。
図8は、圧電基板3および支持基板5を右手系のオイラー角表示で(0°,120°,45°)とした場合の温度変化と、25℃を基準とした周波数変化率の変動との関係を説明する図である。図8(A)は圧電基板3としてニオブ酸リチウム基板を採用する例を、図8(B)は圧電基板3としてタンタル酸リチウム基板を採用する例を示す。ニオブ酸リチウム基板の場合、温度変動1℃当たりの周波数変化率の変動は−35.1ppmであった、一方、タンタル酸リチウムの場合、温度変動1℃当たりの周波数変化率の変動は−9.0ppmであった。このことから、共振周波数の温度特性を改善するためには、振動体の電気機械結合係数とQ値とを大きくでき良好な感度特性が得られるニオブ酸リチウム基板を採用するよりも、タンタル酸リチウム基板を採用することが望ましいといえる。
以上の実施形態では、枠状領域の形状として円形のものを示したが、本発明はそれ以外にも、正方形、長円形、長方形、多角形など、様々な形状であっても実施できる。また、圧電基板の内側領域や外側領域の一方を省いた構成でも良く、両方を省いた構成でも良い。
1…振動ジャイロ素子
2…上主面電極
2A…駆動検出電極
2B…回路接続電極
2C…基準電位接続電極
2D…配線
2E…絶縁層
3…圧電基板
31…内側開放孔
32…内側梁部
33…外側開放孔
34…外側梁部
3A…内側領域
3B…枠状領域
3C…外側領域
4…下主面電極
5…支持基板
5A…内側領域
5B…振動領域
5C…外側領域
6…周波数信号発生回路
7A,7B…差動回路
8A,8B…平滑回路

Claims (6)

  1. 主面に平行で互いに直交する2つの検出軸それぞれを中心として線対称な形状で構成した圧電基板と、前記圧電基板の主面表裏に設けた複数の主面電極対とを備え、少なくともいずれかの主面電極対の間に周波数信号を印加して主面法線方向に前記圧電基板を振動させ、少なくともいずれかの主面電極対に励起する電圧に基づいて、前記検出軸回りの回転によって前記圧電基板に作用するコリオリの力を検出する振動ジャイロ素子であって、
    前記圧電基板は、
    枠状の振動部と前記振動部を支持する支持梁とを備え、前記支持梁は2つの検出軸の間を等分する軸に沿って延設されており
    三方晶系の点群3mに分類される単結晶からなり、2つの検出軸の間を等分する軸のいずれかに結晶座標系(X,Y,Z)の結晶軸Xが一致している、
    振動ジャイロ素子。
  2. 三方晶系の点群3mに分類される単結晶からなり、2つの検出軸の間を等分する前記軸に結晶座標系(X,Y,Z)の結晶軸Xが一致し、前記圧電基板を支持する支持基板を備える、請求項1に記載の振動ジャイロ素子。
  3. 前記圧電基板は、右手系のオイラー角表示のθを0°から180°まで変化させた場合に電気機械結合係数が第1の極大値、極小値、第2の極大値の順に変化するとともに、第1の極大値よりも第2の極大値が大きい特性を有するものであり、電気機械結合係数が第1の極大値よりも大きくなる範囲に右手系のオイラー角表示のθが収まるように構成する、請求項1または2に記載の振動ジャイロ素子。
  4. 前記圧電基板は、右手系のオイラー角表示のθを電気機械結合係数がほぼ第2の極大値になる範囲に設定する、請求項3に記載の振動ジャイロ素子。
  5. 前記圧電基板は、右手系のオイラー角表示のθを0°から180°まで変化させた場合に、共振周波数が極値を示して変化する特性を有するものであり、この圧電基板を、共振周波数がほぼ極値になる範囲にオイラー角表示のθが収まるように構成する、請求項1〜4のいずれかに記載の振動ジャイロ素子。
  6. 前記圧電基板は、ニオブ酸リチウム、または、タンタル酸リチウムからなる、請求項1〜5のいずれかに記載の振動ジャイロ素子。
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