JP2000292174A - ジャイロスコープ - Google Patents
ジャイロスコープInfo
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- JP2000292174A JP2000292174A JP11103628A JP10362899A JP2000292174A JP 2000292174 A JP2000292174 A JP 2000292174A JP 11103628 A JP11103628 A JP 11103628A JP 10362899 A JP10362899 A JP 10362899A JP 2000292174 A JP2000292174 A JP 2000292174A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】周囲温度の変化による検出感度のレベルの変動
分を補償して素子感度を一定レベルに保持した安価なジ
ャイロスコープを提供する。 【解決手段】支持基板1と、該支持基板1と熱膨張係数
の異なる素子基板を加工して形成したジャイロ素子とか
らなり、該ジャイロ素子は、支持基板1に形成されたア
ンカー8b〜11bに結合している駆動用梁7a〜7d
により振動可能に支持されている振動体2と、該振動体
2の駆動手段と、コリオリ力の検出手段と、を備えてい
るジャイロスコープにおいて、前記アンカー8b〜11
bと駆動用梁7a〜7dとの間に、該駆動用梁7a〜7
dと平行する折り返し部8a〜11aを設け、駆動用梁
7a〜7dの応力の温度変化に基づいて駆動共振周波数
を変化させて、温度変化による検出感度のレベルの変動
分を補償して素子感度のレベルを一定に保持したジャイ
ロスコ−プ。
分を補償して素子感度を一定レベルに保持した安価なジ
ャイロスコープを提供する。 【解決手段】支持基板1と、該支持基板1と熱膨張係数
の異なる素子基板を加工して形成したジャイロ素子とか
らなり、該ジャイロ素子は、支持基板1に形成されたア
ンカー8b〜11bに結合している駆動用梁7a〜7d
により振動可能に支持されている振動体2と、該振動体
2の駆動手段と、コリオリ力の検出手段と、を備えてい
るジャイロスコープにおいて、前記アンカー8b〜11
bと駆動用梁7a〜7dとの間に、該駆動用梁7a〜7
dと平行する折り返し部8a〜11aを設け、駆動用梁
7a〜7dの応力の温度変化に基づいて駆動共振周波数
を変化させて、温度変化による検出感度のレベルの変動
分を補償して素子感度のレベルを一定に保持したジャイ
ロスコ−プ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーナビゲーショ
ン装置、手振れ防止カメラなどに使用される振動型のジ
ャイロスコープに関する。
ン装置、手振れ防止カメラなどに使用される振動型のジ
ャイロスコープに関する。
【0002】
【従来の技術】以下に、図8および図9を参照して、従
来の振動型のジャイロスコープ200について説明す
る。21は支持基板で、S0I(Silicon On Insulato
r)基板のシリコン基板よりなる。22はS0I基板の
酸化シリコン膜の中央部をエッチング除去し、周辺部を
残して形成した凸部である。この酸化シリコン膜の上ま
たはその除去された部分の上には、ジャイロスコープの
後述するジャイロ素子がSOI基板の活性層を加工して
形成される。
来の振動型のジャイロスコープ200について説明す
る。21は支持基板で、S0I(Silicon On Insulato
r)基板のシリコン基板よりなる。22はS0I基板の
酸化シリコン膜の中央部をエッチング除去し、周辺部を
残して形成した凸部である。この酸化シリコン膜の上ま
たはその除去された部分の上には、ジャイロスコープの
後述するジャイロ素子がSOI基板の活性層を加工して
形成される。
【0003】23は長方形状の振動体で、説明の便宜の
ために、その全長を10割と仮定する。振動体23の両
端から2割方の両側面に、一部コ字形に屈曲した駆動用
梁24a〜24dの一端が結合し、それらの他端はアン
カー25a〜25dに結合している。このアンカー25
a〜25dは、酸化シリコン膜を介して支持基板21に
固定されている。
ために、その全長を10割と仮定する。振動体23の両
端から2割方の両側面に、一部コ字形に屈曲した駆動用
梁24a〜24dの一端が結合し、それらの他端はアン
カー25a〜25dに結合している。このアンカー25
a〜25dは、酸化シリコン膜を介して支持基板21に
固定されている。
【0004】また、振動体23の両端から0割と1割方
の両側面に、駆動用可動櫛歯電極26a〜26hが結合
している。また、振動体23の両端から3割方中央寄り
の両側面に、それぞれ片側に5本ずつの検出用可動櫛歯
電極28a、28bが結合している。
の両側面に、駆動用可動櫛歯電極26a〜26hが結合
している。また、振動体23の両端から3割方中央寄り
の両側面に、それぞれ片側に5本ずつの検出用可動櫛歯
電極28a、28bが結合している。
【0005】駆動用可動櫛歯電極26a、26bに間隙
を介して噛み合う駆動用固定櫛歯電極27a、駆動用可
動櫛歯電極26c、26dに間隙を介して噛み合う駆動
用固定櫛歯電極27b、駆動用可動櫛歯電極26e、2
6fに間隙を介して噛み合う駆動用固定櫛歯電極27c
および駆動用可動櫛歯電極26g、26hに間隙を介し
て噛み合う駆動用固定櫛歯電極27dが酸化シリコン膜
を介して支持基板21の上に形成される。また、検出用
可動櫛歯電極28a、28bに間隙を介して噛み合う検
出用固定櫛歯電極29a、29bが、酸化シリコン膜を
介して支持基板21の上に形成される。
を介して噛み合う駆動用固定櫛歯電極27a、駆動用可
動櫛歯電極26c、26dに間隙を介して噛み合う駆動
用固定櫛歯電極27b、駆動用可動櫛歯電極26e、2
6fに間隙を介して噛み合う駆動用固定櫛歯電極27c
および駆動用可動櫛歯電極26g、26hに間隙を介し
て噛み合う駆動用固定櫛歯電極27dが酸化シリコン膜
を介して支持基板21の上に形成される。また、検出用
可動櫛歯電極28a、28bに間隙を介して噛み合う検
出用固定櫛歯電極29a、29bが、酸化シリコン膜を
介して支持基板21の上に形成される。
【0006】そして、振動体23などの斜線塗りつぶし
部分は、可動部分を構成し、駆動用固定櫛歯電極27a
などの点集合塗りつぶし部分は、固定部分を構成する。
また、この可動部分(振動体23など)の下部の酸化シ
リコン膜はエッチングにより除去されて凹部22aとな
り可動部分の自由振動空間を与える。
部分は、可動部分を構成し、駆動用固定櫛歯電極27a
などの点集合塗りつぶし部分は、固定部分を構成する。
また、この可動部分(振動体23など)の下部の酸化シ
リコン膜はエッチングにより除去されて凹部22aとな
り可動部分の自由振動空間を与える。
【0007】つぎに、従来のジャイロスコープ200の
動作について説明する。ジャイロスコープ200の左側
にある駆動用固定櫛歯電極27a;27dと駆動用可動
櫛歯電極26a、26b;26g、26hとの間、およ
びジャイロスコープ200の右側にある駆動用固定櫛歯
電極27b;27cと駆動用可動櫛歯電極26c、26
d;26e、26fとの間に、それぞれ直流電圧を重畳
した互いに180゜位相の異なる交流電圧を印加して、
振動体23をX軸方向に振動させる。そして、ジャイロ
スコープ200がその中心を通るZ軸回わりに回転する
と、コリオリ力により振動体23はY軸方向にも角速度
に比例して振動するようになる。すると、検出用固定櫛
歯電極29aと検出用可動櫛歯電極28aとの間に形成
される合成静電容量と、検出用固定櫛歯電極29bと検
出用可動櫛歯電極28bとの間に形成される合成静電容
量とが、一方は増加し他方は減少するようになる。この
増減する合成静電容量を電圧変換して、それらの差動増
幅を行うことにより角速度を求める。
動作について説明する。ジャイロスコープ200の左側
にある駆動用固定櫛歯電極27a;27dと駆動用可動
櫛歯電極26a、26b;26g、26hとの間、およ
びジャイロスコープ200の右側にある駆動用固定櫛歯
電極27b;27cと駆動用可動櫛歯電極26c、26
d;26e、26fとの間に、それぞれ直流電圧を重畳
した互いに180゜位相の異なる交流電圧を印加して、
振動体23をX軸方向に振動させる。そして、ジャイロ
スコープ200がその中心を通るZ軸回わりに回転する
と、コリオリ力により振動体23はY軸方向にも角速度
に比例して振動するようになる。すると、検出用固定櫛
歯電極29aと検出用可動櫛歯電極28aとの間に形成
される合成静電容量と、検出用固定櫛歯電極29bと検
出用可動櫛歯電極28bとの間に形成される合成静電容
量とが、一方は増加し他方は減少するようになる。この
増減する合成静電容量を電圧変換して、それらの差動増
幅を行うことにより角速度を求める。
【0008】この場合、振動体23の振動の振幅を大き
くするために、振動体23(可動部分)の駆動の共振周
波数fdからなる交流電圧が用いられる。これにより、
振動体23のX軸方向の駆動振幅は、静電力だけの場合
のQd(可動部分の駆動共振時の機械的Q)倍となり、
検出感度もこれに比例してQd倍となる。
くするために、振動体23(可動部分)の駆動の共振周
波数fdからなる交流電圧が用いられる。これにより、
振動体23のX軸方向の駆動振幅は、静電力だけの場合
のQd(可動部分の駆動共振時の機械的Q)倍となり、
検出感度もこれに比例してQd倍となる。
【0009】また、振動体23の検出の共振周波数fs
を駆動の共振周波数fdの近くで動作するように設計す
ることにより振動体23のY軸方向の検出振幅を大きく
して検出感度をQs(可動部分の検出共振時の機械的
Q)倍とすることができる。このように、駆動と検出の
それぞれの共振周波数を近接させて動作させることによ
り、ジャイロスコープの素子感度をQd×Qs倍とする
ことができる。
を駆動の共振周波数fdの近くで動作するように設計す
ることにより振動体23のY軸方向の検出振幅を大きく
して検出感度をQs(可動部分の検出共振時の機械的
Q)倍とすることができる。このように、駆動と検出の
それぞれの共振周波数を近接させて動作させることによ
り、ジャイロスコープの素子感度をQd×Qs倍とする
ことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ジャイロスコープ200においては、周囲温度が変化し
て気体の粘性が増すと、振動体23などの可動部分の駆
動と検出の振幅が減衰して、駆動のQ値および検出のQ
値とも低下し、素子感度が悪くなっていた。そのため、
従来、可動部分を真空封入したり、駆動振幅一定回路を
用いたり、また、温度センサ又は温度補償回路を用いた
りしてジャイロスコープの素子感度を補償する手段が取
られていたが、コストが高くなるという問題があった.
そこで、本発明は、周囲温度の変化による検出感度のレ
ベルの変動分を補償して素子感度のレベルを一定に保持
した安価なジャイロスコープを提供することを目的とす
る。
ジャイロスコープ200においては、周囲温度が変化し
て気体の粘性が増すと、振動体23などの可動部分の駆
動と検出の振幅が減衰して、駆動のQ値および検出のQ
値とも低下し、素子感度が悪くなっていた。そのため、
従来、可動部分を真空封入したり、駆動振幅一定回路を
用いたり、また、温度センサ又は温度補償回路を用いた
りしてジャイロスコープの素子感度を補償する手段が取
られていたが、コストが高くなるという問題があった.
そこで、本発明は、周囲温度の変化による検出感度のレ
ベルの変動分を補償して素子感度のレベルを一定に保持
した安価なジャイロスコープを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持基板と、
該支持基板と熱膨張係数の異なる素子基板を加工して形
成したジャイロ素子とからなり、該ジャイロ素子は、前
記支持基板に形成されたアンカーに結合している駆動用
梁により振動可能に支持されている振動体と、該振動体
を駆動する駆動手段と、前記振動体のコリオリ力に基づ
く変位により角速度を検出する検出手段と、を備えてい
るジャイロスコープにおいて、前記アンカーと駆動用梁
との間に、該駆動用梁と平行する折り返し部を設け、前
記駆動用梁の応力の温度変化に基づいて駆動共振周波数
を変化させて、該温度変化による検出感度のレベルの変
動分を補償して素子感度のレベルを一定に保持したもの
である。
該支持基板と熱膨張係数の異なる素子基板を加工して形
成したジャイロ素子とからなり、該ジャイロ素子は、前
記支持基板に形成されたアンカーに結合している駆動用
梁により振動可能に支持されている振動体と、該振動体
を駆動する駆動手段と、前記振動体のコリオリ力に基づ
く変位により角速度を検出する検出手段と、を備えてい
るジャイロスコープにおいて、前記アンカーと駆動用梁
との間に、該駆動用梁と平行する折り返し部を設け、前
記駆動用梁の応力の温度変化に基づいて駆動共振周波数
を変化させて、該温度変化による検出感度のレベルの変
動分を補償して素子感度のレベルを一定に保持したもの
である。
【0012】本発明は、支持基板に対し熱膨張係数の異
なる素子基板を加工して駆動用梁、検出用梁などのジャ
イロ素子を形成した場合に、周囲温度が変化すると、気
体の粘性抵抗の変化のため、検出の機械的Qが変動(低
下または上昇)して、検出(素子)感度も変動する。ア
ンカ−に設けた折り返し部の長さを検出感度の変動分の
長さを適宜の長さに設定することにより、駆動用梁にか
かる引っ張り応力あるいは圧縮応力を適宜緩和して、検
出感度の変動分を補償する。この折り返し部の長さを長
く設定すると、対をなすアンカ−間の距離が短く設定さ
れて、熱膨張係数の異なる支持基板から受ける応力が小
さくなる。したがって、駆動用梁は周囲温度の変化によ
り、応力が変化し、この変化する応力により駆動時の共
振周波数が変化する。この応力および駆動共振周波数の
温度変化率は、折り返し部の長さによって異なる。即
ち、折り返し部の長さが長いと、対をなすアンカ−間の
距離が短くなり、応力および駆動共振周波数の温度変化
率は小さくなる。これに反して、折り返し部の長さが短
い又は折り返し部がない場合には、対をなすアンカ−間
の距離が長くなり、応力および駆動共振周波数の温度変
化率は大きくなる。このことは、駆動用梁に加わる引っ
張り応力および圧縮応力のいずれの場合も、温度変化に
よる駆動の共振周波数が一方は高くなり、一方は低くな
るという違いはあるにしても、同様である。
なる素子基板を加工して駆動用梁、検出用梁などのジャ
イロ素子を形成した場合に、周囲温度が変化すると、気
体の粘性抵抗の変化のため、検出の機械的Qが変動(低
下または上昇)して、検出(素子)感度も変動する。ア
ンカ−に設けた折り返し部の長さを検出感度の変動分の
長さを適宜の長さに設定することにより、駆動用梁にか
かる引っ張り応力あるいは圧縮応力を適宜緩和して、検
出感度の変動分を補償する。この折り返し部の長さを長
く設定すると、対をなすアンカ−間の距離が短く設定さ
れて、熱膨張係数の異なる支持基板から受ける応力が小
さくなる。したがって、駆動用梁は周囲温度の変化によ
り、応力が変化し、この変化する応力により駆動時の共
振周波数が変化する。この応力および駆動共振周波数の
温度変化率は、折り返し部の長さによって異なる。即
ち、折り返し部の長さが長いと、対をなすアンカ−間の
距離が短くなり、応力および駆動共振周波数の温度変化
率は小さくなる。これに反して、折り返し部の長さが短
い又は折り返し部がない場合には、対をなすアンカ−間
の距離が長くなり、応力および駆動共振周波数の温度変
化率は大きくなる。このことは、駆動用梁に加わる引っ
張り応力および圧縮応力のいずれの場合も、温度変化に
よる駆動の共振周波数が一方は高くなり、一方は低くな
るという違いはあるにしても、同様である。
【0013】したがって、周囲温度の変化により、素子
感度が変動した場合に、検出共振曲線の温度変化前の感
度レベルと同じレベルの周波数まで駆動の共振周波数を
変位(変化)させることにより、検出感度の変動を温度
変化前の一定レベルに補償することができる。この駆動
の共振周波数を補償レベルの周波数まで変位させる手段
が、アンカ−に折り返し部を設け、この折り返し部の長
さを適宜の長さに設定することである。
感度が変動した場合に、検出共振曲線の温度変化前の感
度レベルと同じレベルの周波数まで駆動の共振周波数を
変位(変化)させることにより、検出感度の変動を温度
変化前の一定レベルに補償することができる。この駆動
の共振周波数を補償レベルの周波数まで変位させる手段
が、アンカ−に折り返し部を設け、この折り返し部の長
さを適宜の長さに設定することである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、図1、図2および図3を
参照して、本発明の一実施例のジャイロスコープ100
について説明する。1はパイレックスガラス基板よりな
る支持基板で、上面の周辺部1cと、後述のアンカー、
駆動用固定櫛歯電極の根元固定部、および検出用固定櫛
歯電極の根元固定部の下側の凸部1bを残して、中央部
に、サンドブラスト、エッチングなどにより形成された
凹部1aを有する。このように加工された支持基板1の
上面側にシリコン基板よりなる素子基板を陽極接合す
る。そして、この素子基板をフォトエッチングすること
により以下のようなジャイロ素子が形成される。
参照して、本発明の一実施例のジャイロスコープ100
について説明する。1はパイレックスガラス基板よりな
る支持基板で、上面の周辺部1cと、後述のアンカー、
駆動用固定櫛歯電極の根元固定部、および検出用固定櫛
歯電極の根元固定部の下側の凸部1bを残して、中央部
に、サンドブラスト、エッチングなどにより形成された
凹部1aを有する。このように加工された支持基板1の
上面側にシリコン基板よりなる素子基板を陽極接合す
る。そして、この素子基板をフォトエッチングすること
により以下のようなジャイロ素子が形成される。
【0015】2はジャイロスコープ100の中心部に位
置する矩形状の振動体で、Y軸方向に長く、そのY軸方
向の両端部がそれぞれX軸方向の左右に伸長して柄とな
り、該柄からそれぞれ5本の両櫛歯電極が一定間隔をお
いてY軸方向で、一方側は上方に他方側は下方に伸びて
それぞれ検出用可動櫛歯電極3、4を形成している。
置する矩形状の振動体で、Y軸方向に長く、そのY軸方
向の両端部がそれぞれX軸方向の左右に伸長して柄とな
り、該柄からそれぞれ5本の両櫛歯電極が一定間隔をお
いてY軸方向で、一方側は上方に他方側は下方に伸びて
それぞれ検出用可動櫛歯電極3、4を形成している。
【0016】また、振動体2のY軸方向の両端部の近傍
側面からそれぞれX軸方向の左右へ検出用梁5a〜5d
が伸びて、それらの先端部はそれぞれT字形の結合桿6
a、6bの第一画部61a、61bの両端部に結合して
いる。また、この第一画部61a、61bの両端部か
ら、駆動用梁7a〜7dがY軸方向の上下へ伸び、それ
らの先端部は折り返し部8a〜11aの一端部に結合し
ている。この折り返し部8a〜11aは、駆動用梁7a
〜7dよりも幅広の長方形状をしており、前記一端部か
ら駆動用梁7a〜7dに沿って間隔を置いて駆動用梁7
a〜7dのほぼ中央部まで折り返えし、その他端部は、
支持基板1の凸部1bに固定されたアンカー8b〜11
b(黒色塗り潰し部)に結合している。なお、折り返し
部8a〜11aは、支持基板1とは非接触となってい
る。
側面からそれぞれX軸方向の左右へ検出用梁5a〜5d
が伸びて、それらの先端部はそれぞれT字形の結合桿6
a、6bの第一画部61a、61bの両端部に結合して
いる。また、この第一画部61a、61bの両端部か
ら、駆動用梁7a〜7dがY軸方向の上下へ伸び、それ
らの先端部は折り返し部8a〜11aの一端部に結合し
ている。この折り返し部8a〜11aは、駆動用梁7a
〜7dよりも幅広の長方形状をしており、前記一端部か
ら駆動用梁7a〜7dに沿って間隔を置いて駆動用梁7
a〜7dのほぼ中央部まで折り返えし、その他端部は、
支持基板1の凸部1bに固定されたアンカー8b〜11
b(黒色塗り潰し部)に結合している。なお、折り返し
部8a〜11aは、支持基板1とは非接触となってい
る。
【0017】結合桿6a、6bのT字形の第2画部61
a、61bの両側面からそれぞれ片側2本ずつ駆動用可
動櫛歯電極12a〜12hがY軸方向の上下へ伸びてい
る。以上説明した振動体2などの斜線塗り潰し部分は、
アンカー8〜11を除いて、ジャイロスコープ100の
可動部分を構成する。
a、61bの両側面からそれぞれ片側2本ずつ駆動用可
動櫛歯電極12a〜12hがY軸方向の上下へ伸びてい
る。以上説明した振動体2などの斜線塗り潰し部分は、
アンカー8〜11を除いて、ジャイロスコープ100の
可動部分を構成する。
【0018】つぎに、ジャイロスコープ100のその他
の固定部分について説明する。互いに隣接する駆動用可
動櫛歯電極12a、12bには、それらと間隙を介して
噛み合うコ字形の駆動用固定櫛歯電極13aが設けられ
る。また、互いに隣接する駆動用可動櫛歯電極12c、
12dには、それらと間隙を介して噛み合うコ字形の駆
動用固定櫛歯電極13bが設けられる。また、互いに隣
接する駆動用可動櫛歯電極12e、12fには、それら
と間隙を介して噛み合うコ字形の駆動用固定櫛歯電極1
3cが設けられる。更に、互いに隣接する駆動用可動櫛
歯電極12g、12hには、それらと間隙を介して噛み
合うコ字形の駆動用固定櫛歯電極13dが設けられる。
これらの駆動用固定櫛歯電極13a〜13dの根元固定
部は支持基板1の凸部1bにそれぞれ固定される。
の固定部分について説明する。互いに隣接する駆動用可
動櫛歯電極12a、12bには、それらと間隙を介して
噛み合うコ字形の駆動用固定櫛歯電極13aが設けられ
る。また、互いに隣接する駆動用可動櫛歯電極12c、
12dには、それらと間隙を介して噛み合うコ字形の駆
動用固定櫛歯電極13bが設けられる。また、互いに隣
接する駆動用可動櫛歯電極12e、12fには、それら
と間隙を介して噛み合うコ字形の駆動用固定櫛歯電極1
3cが設けられる。更に、互いに隣接する駆動用可動櫛
歯電極12g、12hには、それらと間隙を介して噛み
合うコ字形の駆動用固定櫛歯電極13dが設けられる。
これらの駆動用固定櫛歯電極13a〜13dの根元固定
部は支持基板1の凸部1bにそれぞれ固定される。
【0019】また、検出用可動櫛歯電極3、4にそれぞ
れ間隙を介して噛み合う、片歯櫛電極と両歯櫛電極とか
らなる検出用固定櫛歯電極14、15がそれぞれ形成さ
れる。これらの検出用固定櫛歯電極14、15の根元固
定部は支持基板1の凸部1bにそれぞれ固定される。
れ間隙を介して噛み合う、片歯櫛電極と両歯櫛電極とか
らなる検出用固定櫛歯電極14、15がそれぞれ形成さ
れる。これらの検出用固定櫛歯電極14、15の根元固
定部は支持基板1の凸部1bにそれぞれ固定される。
【0020】つぎに、折り返し部8a〜11aの作用に
ついて説明する。例えば、陽極接合により接合された支
持基板(パイレックスガラス)1の熱膨張係数が素子基
板(シリコン)の熱膨張係数より大きいとする。そし
て、これらの熱膨張係数を示す直線は、温度20℃を基
点にして交差している。すると、温度が上昇して20℃
以上になると、素子基板(シリコン)は引っ張り応力を
受ける。図6において、ジャイロスコープ100が、振
幅一定の駆動の共振曲線dに対する検出の共振曲線sの
関係において、駆動の共振周波数foで動作していたと
する。このときの素子感度は、駆動の感度レベルp1と
検出の感度レベルp2との積(p1×p2)で与えられ
る。そして、温度の上昇に伴い、気体の粘性抵抗が増し
て検出のQが低下し、検出の共振曲線がsからs1に変
化したとする。すると、素子感度が(p2−p3)倍だ
け低下することになる。本実施例は、この素子感度の変
動分(降下分)を補償するために、駆動の共振曲線d
(共振周波数fo)を、温度変化後の検出の共振曲線s
1上の検出感度レベルp2を与える駆動の共振曲線c1
(共振周波数f1)まで変位(変化)させものである。
この駆動の共振周波数の変位(fo→f1)により、検
出感度のレベルは温度の変化前も変化後もp2の同一レ
ベルに保持されて変わらない。これにより、検出感度が
温度変化の前後において一定のレベルに維持される。な
お、駆動の感度レベルは、振幅一定回路を用いることに
より温度変化の前後において一定のレベルp1としてい
る。
ついて説明する。例えば、陽極接合により接合された支
持基板(パイレックスガラス)1の熱膨張係数が素子基
板(シリコン)の熱膨張係数より大きいとする。そし
て、これらの熱膨張係数を示す直線は、温度20℃を基
点にして交差している。すると、温度が上昇して20℃
以上になると、素子基板(シリコン)は引っ張り応力を
受ける。図6において、ジャイロスコープ100が、振
幅一定の駆動の共振曲線dに対する検出の共振曲線sの
関係において、駆動の共振周波数foで動作していたと
する。このときの素子感度は、駆動の感度レベルp1と
検出の感度レベルp2との積(p1×p2)で与えられ
る。そして、温度の上昇に伴い、気体の粘性抵抗が増し
て検出のQが低下し、検出の共振曲線がsからs1に変
化したとする。すると、素子感度が(p2−p3)倍だ
け低下することになる。本実施例は、この素子感度の変
動分(降下分)を補償するために、駆動の共振曲線d
(共振周波数fo)を、温度変化後の検出の共振曲線s
1上の検出感度レベルp2を与える駆動の共振曲線c1
(共振周波数f1)まで変位(変化)させものである。
この駆動の共振周波数の変位(fo→f1)により、検
出感度のレベルは温度の変化前も変化後もp2の同一レ
ベルに保持されて変わらない。これにより、検出感度が
温度変化の前後において一定のレベルに維持される。な
お、駆動の感度レベルは、振幅一定回路を用いることに
より温度変化の前後において一定のレベルp1としてい
る。
【0021】つぎに、この駆動の共振周波数fo(共振
曲線d)を共振周波数f1(共振曲線c1)に変化させ
る手段について以下に説明する。
曲線d)を共振周波数f1(共振曲線c1)に変化させ
る手段について以下に説明する。
【0022】例えば、上述のように、温度が上昇してジ
ャイロ素子が引っ張り応力を受けた場合に、図4に示す
ように、対をなして結合桿6bを介して直線的に結合し
ている駆動用梁7c、7dも同様に引っ張り応力を受け
る。
ャイロ素子が引っ張り応力を受けた場合に、図4に示す
ように、対をなして結合桿6bを介して直線的に結合し
ている駆動用梁7c、7dも同様に引っ張り応力を受け
る。
【0023】図4Aは、駆動用梁7c、7dがアンカー
9b、10bに直接結合している場合で、後述の図4
B、4Cに図解する折り返し部9a、10aが全然設け
られておらず、折り返し部9a、10aの長さがゼロ
(Lo)である。そして、アンカー9b、10b間の距
離Lは、同図B、Cの場合に比べて最も長い。
9b、10bに直接結合している場合で、後述の図4
B、4Cに図解する折り返し部9a、10aが全然設け
られておらず、折り返し部9a、10aの長さがゼロ
(Lo)である。そして、アンカー9b、10b間の距
離Lは、同図B、Cの場合に比べて最も長い。
【0024】図4Bの場合は、駆動用梁7c、7dが結
合している折り返し部9a、10aの長さがそれぞれL
1である。そして、アンカー9b、10b間の距離L
は、同図AとCの中間にある。
合している折り返し部9a、10aの長さがそれぞれL
1である。そして、アンカー9b、10b間の距離L
は、同図AとCの中間にある。
【0025】図4Cの場合は折り返し部9a、10aの
長さがそれぞれL2(L2>L1)である。そして、ア
ンカー9b、10b間の距離Lは、同図A、Bの場合に
比べて最も短い。
長さがそれぞれL2(L2>L1)である。そして、ア
ンカー9b、10b間の距離Lは、同図A、Bの場合に
比べて最も短い。
【0026】図4Aの場合のように、折り返し部9a、
10aがなくて、アンカー9b、10b間の距離Lが長
いと、駆動用梁7c、7dは温度変化による支持基板1
の熱膨張の差を大きく受け、その引張り応力も大きくな
る。図4Cの場合は、この反対に、折り返し部9a、1
0aの長さL2が最も長く、アンカー9b、10b間の
距離Lは最も短いので、駆動用梁7c、7dは温度変化
による支持基板1の熱膨張の差を最も受けず、その引張
り応力も小さい。図4Bの場合は、折り返し部9a、1
0aの長さL1およびアンカー9b、10b間の距離L
は、同図A、Cの場合の中間の値となる。
10aがなくて、アンカー9b、10b間の距離Lが長
いと、駆動用梁7c、7dは温度変化による支持基板1
の熱膨張の差を大きく受け、その引張り応力も大きくな
る。図4Cの場合は、この反対に、折り返し部9a、1
0aの長さL2が最も長く、アンカー9b、10b間の
距離Lは最も短いので、駆動用梁7c、7dは温度変化
による支持基板1の熱膨張の差を最も受けず、その引張
り応力も小さい。図4Bの場合は、折り返し部9a、1
0aの長さL1およびアンカー9b、10b間の距離L
は、同図A、Cの場合の中間の値となる。
【0027】図5はX軸に折り返し部9a、10aの長
さをとり、Y軸に駆動共振周波数の温度変化率をとった
もので、図4Aの場合が図5の曲線のa点により与えら
れ、図4Bの場合が図5の曲線のb点により与えられ、
図4Cの場合が図5の曲線のc点により与えられる。折
り返し部のない図4Aの場合(a点)が引っ張り応力が
最も大きくなって、駆動共振周波数の温度変化率も大き
くなる。折り返し部9a、10aの最も長い図4Cの場
合(c点)が、引っ張り応力が最も小さくなって、駆動
共振周波数の温度変化率も最も小さくなる。図4Bの場
合(b点)は、図4Aと図4Cの中間の値となる。
さをとり、Y軸に駆動共振周波数の温度変化率をとった
もので、図4Aの場合が図5の曲線のa点により与えら
れ、図4Bの場合が図5の曲線のb点により与えられ、
図4Cの場合が図5の曲線のc点により与えられる。折
り返し部のない図4Aの場合(a点)が引っ張り応力が
最も大きくなって、駆動共振周波数の温度変化率も大き
くなる。折り返し部9a、10aの最も長い図4Cの場
合(c点)が、引っ張り応力が最も小さくなって、駆動
共振周波数の温度変化率も最も小さくなる。図4Bの場
合(b点)は、図4Aと図4Cの中間の値となる。
【0028】図6に、この駆動の共振周波数の温度変化
による変化前(実線)と変化後(破線)の駆動の共振曲
線が示される。共振曲線dは変化前の状態を示し、共振
曲線c1は変化後で図4Cに示す折り返し部L2を有す
る状態を示し、共振曲線b1は同じく変化後で図4Bに
示す折り返し部L1を有する状態を示し、共振曲線a1
は同じく変化後で図4Aに示す折り返し部Loの折り返
し部がない状態を示す。
による変化前(実線)と変化後(破線)の駆動の共振曲
線が示される。共振曲線dは変化前の状態を示し、共振
曲線c1は変化後で図4Cに示す折り返し部L2を有す
る状態を示し、共振曲線b1は同じく変化後で図4Bに
示す折り返し部L1を有する状態を示し、共振曲線a1
は同じく変化後で図4Aに示す折り返し部Loの折り返
し部がない状態を示す。
【0029】図6において、温度変化後における駆動の
共振曲線c1の共振周波数f1における検出感度のレベ
ルはp2で、前述のように、温度変化前における駆動の
共振曲線dの検出感度のレベルp2と同じレベルであ
る。したがって、温度変化の前後において検出感度を一
定レベルに維持することができる。
共振曲線c1の共振周波数f1における検出感度のレベ
ルはp2で、前述のように、温度変化前における駆動の
共振曲線dの検出感度のレベルp2と同じレベルであ
る。したがって、温度変化の前後において検出感度を一
定レベルに維持することができる。
【0030】また、温度変化後における駆動の共振曲線
b1の検出感度のレベルはp4で、温度変化前の検出感
度のレベルp2より高くなり温度変化前と同等の検出感
度を維持することができない。しかしながら、図4Bの
折り返し部の配置構造は、温度変化後の検出感度の共振
曲線が共振曲線s1より低下した場合には採用される。
b1の検出感度のレベルはp4で、温度変化前の検出感
度のレベルp2より高くなり温度変化前と同等の検出感
度を維持することができない。しかしながら、図4Bの
折り返し部の配置構造は、温度変化後の検出感度の共振
曲線が共振曲線s1より低下した場合には採用される。
【0031】更に、温度変化後における駆動の共振曲線
a1の検出感度のレベルはp5で、温度変化前の検出感
度のレベルp2より低くなり悪くなっている。
a1の検出感度のレベルはp5で、温度変化前の検出感
度のレベルp2より低くなり悪くなっている。
【0032】このように、折り返し部8a〜11aの長
さを適宜設定することにより、温度の変化する前後にお
ける駆動用梁7a〜7dの応力の変化に伴う駆動共振周
波数の変化を利用して、該駆動共振周波数を温度変化前
の検出感度のレベルと同一レベルに合わせることによ
り、該温度変化の前後における検出感度を一定のレベル
に保持することができる。
さを適宜設定することにより、温度の変化する前後にお
ける駆動用梁7a〜7dの応力の変化に伴う駆動共振周
波数の変化を利用して、該駆動共振周波数を温度変化前
の検出感度のレベルと同一レベルに合わせることによ
り、該温度変化の前後における検出感度を一定のレベル
に保持することができる。
【0033】本実施例のジャイロスコープ100は、以
上のような構成よりなり、つぎに動作について説明す
る。ジャイロスコープ100の左側にある駆動用固定櫛
歯電極13a、13bと駆動用可動櫛歯電極12a〜1
2dとの間、およびジャイロスコープ100の右側にあ
る駆動用固定櫛歯電極13c、13dと駆動用可動櫛歯
電極12e〜12hとの間に、それぞれ直流電圧を重畳
した互いに180゜位相の異なる交流電圧を印加して、
振動体2をX軸方向に振動させる。この振動は、駆動用
梁7a〜7dの撓みにより可能となる。そして、ジャイ
ロスコープ100がその中心を通るZ軸回わりに回転す
ると、コリオリ力により振動体2、検出用可動櫛歯電極
3、4はY軸方向にも角速度に比例して振動するように
なる。この振動は、検出用梁5a〜5dの撓みにより可
能となる。そして、検出用固定櫛歯電極14と検出用可
動櫛歯電極3との間に形成される静電容量と、検出用固
定櫛歯電極15と検出用可動櫛歯電極4との間に形成さ
れる静電容量とが、一方は増加し他方は減少するように
なる。この増減する静電容量を電圧変換して、それらの
差動増幅を行うことにより角速度を求める。
上のような構成よりなり、つぎに動作について説明す
る。ジャイロスコープ100の左側にある駆動用固定櫛
歯電極13a、13bと駆動用可動櫛歯電極12a〜1
2dとの間、およびジャイロスコープ100の右側にあ
る駆動用固定櫛歯電極13c、13dと駆動用可動櫛歯
電極12e〜12hとの間に、それぞれ直流電圧を重畳
した互いに180゜位相の異なる交流電圧を印加して、
振動体2をX軸方向に振動させる。この振動は、駆動用
梁7a〜7dの撓みにより可能となる。そして、ジャイ
ロスコープ100がその中心を通るZ軸回わりに回転す
ると、コリオリ力により振動体2、検出用可動櫛歯電極
3、4はY軸方向にも角速度に比例して振動するように
なる。この振動は、検出用梁5a〜5dの撓みにより可
能となる。そして、検出用固定櫛歯電極14と検出用可
動櫛歯電極3との間に形成される静電容量と、検出用固
定櫛歯電極15と検出用可動櫛歯電極4との間に形成さ
れる静電容量とが、一方は増加し他方は減少するように
なる。この増減する静電容量を電圧変換して、それらの
差動増幅を行うことにより角速度を求める。
【0034】以上の説明においては、駆動用梁7a〜7
dが温度上昇により引っ張り応力を受ける場合について
説明したが、本発明は、温度降下により駆動用梁7a〜
7dが圧縮応力を受ける場合にも適用できる。即ち、図
4Aの折り返し部のない構造では、図5に示す駆動共振
周波数の温度変化率がa点の値となって大きくなり、図
7に示すように、駆動の共振曲線a2は温度変化前の駆
動の共振曲線dから大きく下方にずれて、その共振点で
の検出感度も低下している。
dが温度上昇により引っ張り応力を受ける場合について
説明したが、本発明は、温度降下により駆動用梁7a〜
7dが圧縮応力を受ける場合にも適用できる。即ち、図
4Aの折り返し部のない構造では、図5に示す駆動共振
周波数の温度変化率がa点の値となって大きくなり、図
7に示すように、駆動の共振曲線a2は温度変化前の駆
動の共振曲線dから大きく下方にずれて、その共振点で
の検出感度も低下している。
【0035】また、図4Bに示す短い折り返し部9a、
10aが設けられている構造は、図5に示す駆動共振周
波数の温度変化率がb点の値となって、図7に示すよう
に、駆動の共振曲線もb2と変化し、温度変化後におけ
る検出感度のレベルの程度により採用される。
10aが設けられている構造は、図5に示す駆動共振周
波数の温度変化率がb点の値となって、図7に示すよう
に、駆動の共振曲線もb2と変化し、温度変化後におけ
る検出感度のレベルの程度により採用される。
【0036】更に、図4Cに示す長い折り返し部9a、
10aが設けられている構造は、図5に示す駆動共振周
波数の温度変化率がc点の値となって、図7に示すよう
に、駆動の共振曲線もc2と小さく変化し、温度変化後
における検出感度のレベルの程度により採用される。
10aが設けられている構造は、図5に示す駆動共振周
波数の温度変化率がc点の値となって、図7に示すよう
に、駆動の共振曲線もc2と小さく変化し、温度変化後
における検出感度のレベルの程度により採用される。
【0037】なお、素子感度は、ジャイロ素子以外に
も、ジャイロ素子のパッケージ、C−V変換回路、増幅
回路などの温度特性によっても変化するが、これらの変
化による素子感度の変動に対しても、前記折り返し部の
長さを適宜の長さに設定することにより、それらの温度
変化による素子感度の変動分を補償することができる。
も、ジャイロ素子のパッケージ、C−V変換回路、増幅
回路などの温度特性によっても変化するが、これらの変
化による素子感度の変動に対しても、前記折り返し部の
長さを適宜の長さに設定することにより、それらの温度
変化による素子感度の変動分を補償することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、アンカ−に設けた折り返し部
の作用により、温度変化による検出感度の変動分を補償
して、温度の変化する前後において、一定レベルの検出
感度を得ることができるので、簡単な構造により検出感
度の温度変化を小さく抑えることができる。
の作用により、温度変化による検出感度の変動分を補償
して、温度の変化する前後において、一定レベルの検出
感度を得ることができるので、簡単な構造により検出感
度の温度変化を小さく抑えることができる。
【0039】これにより、また本発明は、パッケージ、
C−V変換回路、増幅回路などの温度特性から受ける検
出感度のレベルの変動の改善にも併せて対処できるの
で、従来、温度特性の改善のために用いていた高価な温
度センサ、温度補償回路などを必要としなくなり、安価
なジャイロスコ−プを実現することができる。
C−V変換回路、増幅回路などの温度特性から受ける検
出感度のレベルの変動の改善にも併せて対処できるの
で、従来、温度特性の改善のために用いていた高価な温
度センサ、温度補償回路などを必要としなくなり、安価
なジャイロスコ−プを実現することができる。
【図1】 本発明の一実施例のジャイロスコープの平面
図
図
【図2】 図1のX−X線断面形態図
【図3】 図1のY−Y線断面形態図
【図4】 駆動用梁の結合しているアンカーの折り返し
部の有無および長さを示すもので、Aは折り返し部がな
い場合、Bは折り返し部が短い場合、Cは折り返し部が
長い場合を示す図
部の有無および長さを示すもので、Aは折り返し部がな
い場合、Bは折り返し部が短い場合、Cは折り返し部が
長い場合を示す図
【図5】 折り返し部の長さに対する駆動共振周波数の
温度変化率を示す図
温度変化率を示す図
【図6】 周波数に対する検出感度を示す図
【図7】 同じく、周波数に対する検出感度を示す図
【図8】 従来のジャイロスコープの平面図
【図9】 図8のZ−Z線断面形態図
1 支持基板 1a 凹部 1b 凸部 2 振動体 3、4 検出用可動櫛歯電極 5a〜5d 検出用梁 6a、6b T字形の結合桿 7a〜7d 駆動用梁 8a〜11a 折り返し部 8b〜11b アンカー 12a〜12h 駆動用可動櫛歯電極 13a〜13d コ字形の駆動用固定櫛歯電
極 14、15 検出用固定櫛歯電極 p1 駆動の感度レベル p2〜p5 検出の感度レベル
極 14、15 検出用固定櫛歯電極 p1 駆動の感度レベル p2〜p5 検出の感度レベル
Claims (1)
- 【請求項1】支持基板と、該支持基板と熱膨張係数の異
なる素子基板を加工して形成したジャイロ素子とからな
り、該ジャイロ素子は、前記支持基板に形成されたアン
カーに結合している駆動用梁により振動可能に支持され
ている振動体と、該振動体を駆動する駆動手段と、前記
振動体のコリオリ力に基づく変位により角速度を検出す
る検出手段と、を備えているジャイロスコープにおい
て、 前記アンカーと駆動用梁との間に、該駆動用梁と平行す
る折り返し部を設け、前記駆動用梁の応力の温度変化に
基づいて駆動共振周波数を変化させて、該温度変化によ
る検出感度のレベルの変動分を補償して素子感度のレベ
ルを一定に保持したジャイロスコ−プ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11103628A JP2000292174A (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | ジャイロスコープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11103628A JP2000292174A (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | ジャイロスコープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000292174A true JP2000292174A (ja) | 2000-10-20 |
Family
ID=14359043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11103628A Pending JP2000292174A (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | ジャイロスコープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000292174A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2007071677A (ja) * | 2005-09-07 | 2007-03-22 | Hitachi Ltd | コンバインドセンサとその製造方法 |
JP2008292426A (ja) * | 2007-05-28 | 2008-12-04 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 静電容量式センサ |
JP2012215583A (ja) * | 2008-08-18 | 2012-11-08 | Hitachi Ltd | 微小電気機械システム |
WO2013047933A1 (ko) * | 2011-09-30 | 2013-04-04 | (주)마이크로인피니티 | 초소형 공진형 가속도계 |
US9123883B2 (en) | 2012-03-26 | 2015-09-01 | Seiko Epson Corporation | Vibration device |
CN109883565A (zh) * | 2019-03-13 | 2019-06-14 | 中国电子科技集团公司第四十九研究所 | 一种基于soi的硅微谐振式温度敏感芯片 |
-
1999
- 1999-04-12 JP JP11103628A patent/JP2000292174A/ja active Pending
Cited By (12)
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CN109883565A (zh) * | 2019-03-13 | 2019-06-14 | 中国电子科技集团公司第四十九研究所 | 一种基于soi的硅微谐振式温度敏感芯片 |
CN109883565B (zh) * | 2019-03-13 | 2020-10-13 | 中国电子科技集团公司第四十九研究所 | 一种基于soi的硅微谐振式温度敏感芯片 |
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