JP2000055670A - 振動式検出器 - Google Patents

振動式検出器

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JP2000055670A
JP2000055670A JP10236331A JP23633198A JP2000055670A JP 2000055670 A JP2000055670 A JP 2000055670A JP 10236331 A JP10236331 A JP 10236331A JP 23633198 A JP23633198 A JP 23633198A JP 2000055670 A JP2000055670 A JP 2000055670A
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vibrator
electrode
electrodes
vibration
control
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Tomoyoshi Tsuchiya
智由 土屋
Hirobumi Funabashi
博文 船橋
Jiro Sakata
二郎 坂田
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Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】振動式検出器の振動子の変位に対する復元力の
非線形性を補償すること 【解決手段】基板1上に可動部としてマス部10、支持
ビーム21、22、23、24、櫛歯電極60、61、
振動子電極800、801を形成し、固定部分としてア
ンカー51、52、53、54、駆動電極70及び検出
電極71、制御電極81及び82、83及び84を形成
する。駆動電極70に交流電圧を印加すると櫛歯電極6
0との間の静電力により支持ビーム21、22、23、
24が湾曲し可動部が振動するが、マス部10の変位
が、支持ビーム21、22、23、24の復元力が非線
形性を示すほど大きくても、制御電極81及び82、8
3及び84と振動子電極800、801との間隙a及び
電位差Vを設計・調整することで、制御電極81及び8
2、83及び84と振動子電極800、801との間の
静電力により支持ビームの復元力の非線形性を補償する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の微細加工
により形成され、角速度を振動子に生起されるコリオリ
力に関連して検出するようにした振動式検出器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコンマイクロマシニング技術
の発達により、特開平7−43166号公報に記載の両
端支持梁型の振動子をもった振動式検出器や特開平10
−122867号公報に記載の折り返し梁型の振動子を
もった振動式検出器が提案されている。
【0003】両端支持梁型の振動式検出器111は図8
に示す構造を持っている。すなわち、基板1上に半導体
の微細加工により形成される慣性質量をもったマス部1
0、マス部10を振動可能に支持する支持ビーム21、
22、23、24、支持ビーム21、22、23、24
を基板1に固定するアンカー51、52、53、54、
振動子側の櫛歯電極60、61、固定部側の駆動櫛歯電
極70及び検出櫛歯電極71から構成される。駆動櫛歯
電極70に交流電圧を印加すると振動子側の櫛歯電極6
0との間の静電力によりマス部10が振動する。この
時、振動子側の櫛歯電極61と検出櫛歯電極71との間
の静電容量を測定することで振動子の変位を測定するこ
とができ、駆動櫛歯電極70に印加された交流電圧との
関係から振動特性を測定し、共振周波数を探すことがで
きる。
【0004】また、折り返し梁型の振動式検出器112
は図9に示す構造を持っている。すなわち、基板1上に
半導体の微細加工により形成される慣性質量をもったマ
ス部10、マス部10を振動可能に支持する支持ビーム
21、22、23、24、支持ビーム21、22、2
3、24に連結されたリンク31、32、リンク31、
32に連結された折り返しビーム41、42、43、4
4、折り返しビーム41、42、43、44を基板1に
固定するアンカー51、52、53、54、振動子側の
櫛歯電極60、61、固定部側の駆動櫛歯電極70及び
検出櫛歯電極71から構成される。振動式検出器112
は振動式検出器111と全く同様に、駆動櫛歯電極70
に交流電圧を印加すると振動子側の櫛歯電極60との間
の静電力によりマス部10が振動し、振動子側の櫛歯電
極61と検出櫛歯電極71との間の静電容量を測定する
ことで振動子の変位を測定することができ、駆動櫛歯電
極70に印加された交流電圧との関係から振動特性を測
定して共振周波数を探すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが図8のような
両端支持梁型の振動式検出器111では、アンカー51
と52の間、53と54の間のy軸方向に働く張力が大
きいため、支持ビームのx軸、z軸方向への変位が大き
い場合、支持ビームの復元力が変位の高次項に比例する
非線形性が無視できなくなる。この結果、その方向での
振動特性が図3のようなヒステリシスをもったものとな
り、共振周波数付近の振幅が大きい領域(図3のABC
Dの範囲)では共振周波数を特定できず、安定した作動
が保証できなくなる。
【0006】両端支持梁型の振動式検出器111の駆動
櫛歯電極の出力を変えたときの周波数特性を図4の
(Q1)、(Q2)に示す。(Q1)は駆動櫛歯電極の出力を抑えた
もので、最大振幅は 0.3μm、共振周波数は26.8kHz 、
(Q2)は駆動櫛歯電極の出力を上げたもので、最大振幅は
0.95μm、その時の周波数は27.4kHz である。図4から
明らかなように、従来の両端支持梁型の振動式検出器は
周波数特性のヒステリシスを抑えるため振幅の小さい範
囲でしか使用できず、また共振周波数は駆動電力の大小
すなわち共振時の振幅の大小によって変動する。
【0007】一方、図9の折り返し梁型の振動式検出器
112では、図8の両端支持梁型の振動式検出器111
のような非線形性は現れにくい。なぜならば、両端支持
梁型の振動式検出器111では、固定されたアンカー5
1、52、53、54とビーム21、22、23、24
からの張力がマス部10を拘束する方向であるのに対
し、折り返し梁型の振動式検出器112では、固定され
たアンカー51、52、53、54からの4つの張力は
マス部10を拘束する方向ではないからである。
【0008】しかし、マス部10の拘束が弱いことは他
の問題を起こす。折り返し梁型の振動式検出器112
は、マス部10の拘束が弱いため基板その他に固着する
スティッイキングが起こりやすい。また、図9のy軸、
z軸方向の剛性や、ビームのねじり剛性が低いため、x
軸、z軸方向の入出力の信頼性が乏しくなってしまう。
【0009】本発明は図8のようなマス部10の拘束が
強い構造の両端支持梁型の振動式検出器において、振動
子の変位が大きい場合でも支持ビームの復元力の非線形
性を補償することを目的とし、更には、非線形性が共振
周波数を振幅によって変化させることを防ぐことを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明の構成は、基板面上に半導体の微細加工により形
成され、ビームにより振動可能に支持された振動子を前
記ビーム長手軸に垂直方向に振動させる検出器におい
て、前記振動子の一部を挟む一対以上の電極又は前記振
動子の一部を取り巻く一以上の電極を持ち、前記振動子
の一部と前記電極の間の静電力が、前記振動子の変位に
対するビームの復元力の非線形性を補償することを特徴
とする。
【0011】振動子の変位に対するビームの復元力の非
線形性とは以下に示す、変位の3乗に比例するビームの
復元力の増加によるものが最も重要である。
【0012】図10に示す両端支持梁型の振動式検出器
100について、基板に平行で振動方向にx軸、ビーム
に平行にy軸、基板に垂直にz軸をとる。Eを構造材の
ヤング率、σを構造材の内部応力とし、tを振動子及び
支持ビームの膜厚、wを支持ビームの幅、l1を支持ビー
ムの長さ、xをマス部10のx軸方向への変位とおく。
4本の支持ビーム21、22、23、24によるマス部
10の変位xに対するビームの復元力Fを、以下の3つ
に分けて考える。
【0013】今、マス部10を剛体とすれば、支持ビー
ム21と22はアンカー51、52に両端を固定された
長さ2l1の1本の梁と考えてよいから、張力の無い両端
固定の梁の中央での、加重Wと変位xについて考える
と、数1が成り立つ(新機械工学便覧等参照)。
【数1】x=Wl1 3l1 3/3E(tw3 /12)(2l1)3 ∴W=2Etw3 x/l1 3 … (1)
【0014】4本の支持ビーム21、22、23、24
では式(1)の2倍である。よって、復元力と変位の符
号は逆だから、復元力Fの張力によらない弾性部分F1
は数2となる。
【数2】F1 =−4Etw3 x/l1 3
【0015】シリコンマイクロマシニングによる振動子
には薄膜形成の際、内部応力が生じる。この内部応力は
振動子の支持ビームの張力として働き、マス部がx軸方
向に変位すると、支持ビームの張力のx軸方向の成分が
復元力となる。4本のビームの張力のx軸方向の成分を
2 とすれば、F2 は数3で表現できる。
【数3】F2 =−π2 σtwx/2l1
【0016】マス部が変位することにより支持ビームが
伸び、支持ビームの張力による復元力は増加するので、
その増加分をF3 とすると、F3 は数4で表現できる。
【数4】F3 =−4CEtwx3 /3l1 3
【0017】ここでCは定数で、マス部が剛体ならばC
=π4/128 と置くことができる。
【0018】ビームの復元力FはこれらF1,F2,F3
和であるから数5となる。
【数5】 F=−4Etw3 x/l1 3 −π2 σtwx/2l1−4CEtwx3 /3l1 3 =−(4Etw3 /l1 3 )(1+π2 σl1 2 /8Ew2 )x −(4CEtw/3l1 3 )x3
【0019】ここで、復元力Fのばね定数をkとおけ
ば、k=−dF/dxであるから数6となる。
【数6】k=(4Etw3 /l1 3 ){1+π2 σl1 2
8Ew2 +C(x/w)2
【0020】x/w>0.1のとき、第3項の影響が顕
著となる。
【0021】振動式検出器100について、図10のよ
うに、振動子電極800、801をマス部10のy軸に
垂直な2面からそれぞれy軸方向に延設し、x軸に垂直
な両側の面が電極面であるように設ける。この振動子電
極800の両側の電極面と間隙aを隔てて挟むように、
板状の制御電極81、82を基板とx軸に垂直に設け
る。振動子電極801についても同様に、両側の電極面
と間隙aを隔てて挟むよう、板状の制御電極83、84
を基板とx軸に垂直に設ける。マス部10の振動ととも
に振動子電極800、801は振動する。振動子が釣合
いの位置からx軸方向にxだけ変位(ただしxの絶対値
はaより小さい)すると、振動子電極800と制御電極
81、82との間隙はa+xとa−xに、振動子電極8
01と制御電極83、84との間隙もa+xとa−xに
なる。振動子電極800、801よりも制御電極81、
82、83、84を電位Vだけ高く保てば、2対の制御
電極から振動子電極800、801が静電力を受け、こ
れによりマス部10は、変位xに応じて制御電極81及
び82、83及び84からの静電力を受ける。
【0022】振動子電極800の厚さを支持ビームの厚
さと同じくt、制御電極81、82の長さをl2とすされ
ば、制御電極81、82から静電力を受ける振動子電極
800の電極面の面積はl2tである。ε0 を真空の誘電
率とし、制御電極81、82から振動子電極800が受
ける静電力をFa+x 、Fa-x とすると、一対の制御電極
81、82から振動子電極800とマス部10が受ける
静電力は数7のとおりである。
【数7】 Fa+x +Fa-x =ε0 l2tV2 {−1/2(a+x)2 +1/2(a−x)2} =2ε0 l2tV2 ax/(a2 −x2)2 …(2)
【0023】よって2対の制御電極81及び82、83
及び84から振動子電極800と振動子電極801をと
おしてマス部10が受ける静電力Fc は式(2)の2倍
で数8のとおりである。
【数8】 Fc =2(Fa+x +Fa-x ) =4ε0 l2tV2 ax/(a2 −x2)2
【0024】よって静電力Fc による「見かけのばね定
数」kc は数9のとおりである。
【数9】 kc =−dFc /dx =−4ε0 l2tV2 a(a2 +3x2 )/(a2 −x2 3
【0025】これは静電力Fc のばね定数kc が支持ビ
ームの復元力のばね定数kとは符号が逆で、kがxの2
乗に比例する項をもつようにkc がxの2乗に関係する
項をもつことを示す。特にa≫xでは、−4ε0 l2tV
2 (a-3+6a-52 )とおくことができる。
【0026】これより、2対の電極(制御電極81及び
82、83及び84)とそれに挟まれた振動子電極80
0、801との釣合いの位置での間隙aと、電極と振動
子との電位差Vを調整することで、変位xが小さいとき
はビームの復元力Fの変位xの3乗に比例する項を完全
に打ち消すことが可能である。実際kとkc の関係を数
10の数値(電位差Vを一定に保つ)で調べると図2に
示すとおりとなり、変位xが小さいときは制御時のばね
定数(k+kc )はほぼ一定であり、変位xが1μmま
で増えても、非制御時に比較すると大変安定しているこ
とがわかる。
【数10】E= 160 GPa, σ= 30 MPa, t= 2 μm, w
= 2 μm, l1= 200μm,l2= 50 μm, a= 3 μm, V=
43V
【0027】この電極は支持ビームに垂直な方向の振動
に対してはどの方向にも設けてよく、例えば図1の振動
式検出器がz軸方向のコリオリ力による振動を検出する
角速度検出器である場合、図1のx軸方向の振動の非線
形性を補償する制御電極81及び82、83及び84に
加え、z軸方向に垂直な電極面を持つ振動子電極と一対
以上の制御電極を設けてもよい。この際、x軸方向の振
動の制御電極とz軸方向の振動の制御電極を等電位とす
るならば、それらを合わせ、振動子の一部を取り巻く1
の電極とする形でもよい。例えば支持ビーム21の、マ
ス部10に近い側の一部を間隙aを空けて角柱状に取り
巻くような制御電極にすることも有効である。振動子電
極との制御電極の組は1組以上任意に配設してよい。
【0028】一対以上の電極に印加する電圧を一定では
なく、共振周波数が振幅によってずれないよう、すなわ
ち、振動子の共振周波数が一定となるよう変化させれば
更に非線形性を取り除くことも可能である。
【0029】
【発明の作用及び効果】本発明により、両端支持梁型の
振動式検出器において支持ビーム長手軸に垂直に振動を
起こすとき、その振動の変位が大きく支持ビームの復元
力が変位の高次に比例する項が大きくなったとしても、
それを打ち消す静電力を電位一定の制御電極に発生さ
せ、振動子の振動を線形に保つことができる。更に、振
動子の共振周波数が一定となるように制御電極に印加す
る電圧をフィードバック制御させた状態で電力を与える
ことで、駆動電力を大きくし振動子が大きな振幅をとっ
た場合でも完全な線形振動をさせることができる。こう
して振動式検出器の共振周波数を、振幅にかかわらず一
定とさせることができ、振動特性を振幅が非常に大きい
場合でも飛躍的に安定させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 《実施例1》図1は本発明の具体的な第1実施例にかか
る振動式検出器100とその検出器100を駆動させる
ための各電気回路を示している。振動式検出器100は
図11に示す半導体の微細加工技術により作製され、こ
の製造方法は公知の技術である。尚、図11は図1のB
B’での断面を示している。図11の(a)に示すよう
に、シリコン基板1の上にシリコン窒化膜4を形成し、
このシリコン窒化膜4の上にシリコン酸化膜2を形成
し、このシリコン膜2をフォトリソグラフにより所定形
状にパターンニングする。
【0031】このシリコン酸化膜2の上に不純物を添加
して導電性を持たせたシリコン層3を形成する(図11
の(b))。次に、マス部10、支持ビーム21、2
2、23、24からなる振動子を形成するために、フォ
トレジストをシリコン層3の表面に一様に塗布してパタ
ーンニングし、シリコン層3の上にマスクパターン7を
形成する(図11の(c))。次に、マスクパターン7
をマスクとして、ドライエッチングによりシリコン層3
をエッチングし、シリコン層3を所望形状にパターンニ
ングする(図11の(d))。次にシリコン層3の上に
アルミニウムを蒸着して、図11の(e)に示すよう
に、フォトリソグラフにより所定形状にパターンニング
して、配線層を形成する(図1、5、6、7、8、9で
は配線層は省略してあり、図11では配線層76)。次
に犠牲層エッチング技術を用いて、振動子の下部のシリ
コン酸化膜2を除去する。この犠牲層エッチングでは、
基板1をフッ酸溶液に浸すことでシリコン酸化膜2が除
去される。この時、アンカー部51、52、53、54
は基板に固定され、振動子と駆動櫛歯電極70及び検出
櫛歯電極71の下部のシリコン酸化膜が除去される(図
11の(f))。
【0032】尚、基板1の材料は特に限定されない。シ
リコンのほか、他の半導体、セラミックス、ガラス等を
用いることもできる。また、エッチング犠牲層として
は、シリコン酸化膜のほか、窒化シリコン膜等を用いる
こともできる。更に、可動部を形成するための機能層と
しては、主として弾性があれば良く、単結晶、多結晶の
シリコンのほか、ニッケル等の金属、他の弾性材料を用
いることができる。シリコンを用いた場合には、シリコ
ン膜3により可動櫛歯電極60、61、駆動櫛歯電極7
0、検出櫛歯電極71、制御電極81及び82、83及
び84、振動子電極800、801を形成し、支持ビー
ム21、22、23、24が配線としての機能も有する
関係上、導電率が大きいほど望ましく、ドナー、アクセ
プタ不純物を添加することが望ましい。更に近年では、
シリコン酸化膜2の犠牲層エッチング技術としてフッ酸
蒸気によるドライエッチング手法も用いられている。
【0033】マス部10は紙面垂直方向の貫通したエッ
チングホールを持ってもよい。マス部10は支持ビーム
21、22、23、24で振動可能に支持されており、
これらからなる振動子を基板1に固定するアンカー5
1、52、53、54を設ける。こうして、アンカー5
1、52、53、54が固定されたまま、マス部10は
支持ビーム21、22、23、24が横振動することに
より振動可能となっている。
【0034】マス部10には櫛歯電極60、61が設け
られ、駆動櫛歯電極70及び検出櫛歯電極71が櫛歯電
極60、61と相対するよう設けられる。駆動櫛歯電極
70は配線層を介して発振回路90に接続され、検出櫛
歯電極71は配線層を介して振動検出回路91と接続さ
れる。このマス部10に、x軸に垂直な電極面をもつ振
動子電極800、801がy軸方向に延設され、基板1
に固定した制御電極81及び82、83及び84を振動
子電極800、801とわずかな間隙aを空けて挟むよ
うに設けられる。制御電極81及び82、83及び84
には配線層を通して、基板1より電位をVだけ高める制
御電圧発生回路92が接続される。発振回路90は駆動
櫛歯電極70に出力する電力を一定として、振動検出回
路91が検出する振幅が最大となるように印加電圧が制
御されている。これにより、前記振動子が共振するよう
に電力が供給される。
【0035】このように、前述の数10の設計値で作製
された振動式検出器100について周波数特性を調べ
た。図4の(P) はその実測値であり、振幅を1μmとし
ても周波数特性にヒステリシスは現れなかった。
【0036】《実施例2》図5は本発明の具体的な第2
実施例にかかる振動式検出器101の平面図である。基
板1上に、慣性質量をもったマス部10、マス部10を
振動可能に支持する支持ビーム21、22、23、2
4、支持ビーム21、22、23、24を基板1に固定
するアンカー51、52、53、54、振動子側の櫛歯
電極60、61、固定部側の駆動櫛歯電極70及び検出
櫛歯電極71が半導体の微細加工により形成される。基
板1に固定した制御電極81、82、83、84、8
5、86、87、88を、全ての支持ビーム21、2
2、23、24のマス部10に近い側に、支持ビームを
わずかな間隙を空けて挟むように設ける。制御電極8
1、82、83、84、85、86、87、88は基板
1に対して高電位を印加する制御電圧発生回路92に接
続されている。このように作製された振動式検出器10
1について周波数特性を調べたが、図4(P) と同様な特
性を示し、周波数特性にヒステリシスは現れなかった。
【0037】《実施例3》図6は本発明の具体的な第3
実施例にかかる振動式検出器102の平面図とAA’に
おける断面図である。基板1上に、慣性質量をもったマ
ス部10、マス部10を振動可能に支持する支持ビーム
21、22、23、24、支持ビーム21、22、2
3、24を基板1に固定するアンカー51、52、5
3、54、振動子側の櫛歯電極60、61、固定部側の
駆動櫛歯電極70及び検出櫛歯電極71が、半導体の微
細加工により形成される。基板1に固定した制御電極8
1、82、83、84を、全ての支持ビーム21、2
2、23、24のマス部10に近い側に、支持ビームを
わずかな間隙を空けて角柱状に取り巻くように設ける。
制御電極81、82、83、84は基板1に対して高電
位を印加する制御電圧発生回路92に接続されている。
このように作製された振動式検出器102について周波
数特性を調べたが、図4(P) と同様な特性を示し、周波
数特性にヒステリシスは現れなかった。
【0038】《実施例4》図7は本発明の具体的な第4
実施例にかかる振動式検出器100と、共振周波数を一
定とするように制御電極の電位を変化させるためのフィ
ードバック制御手段の回路構成とを示している。実施例
1の振動式検出器100の、駆動櫛歯電極70に発振回
路90が、検出櫛歯電極71に振動検出回路91が接続
される。振動検出回路91により検出された共振周波数
を電圧に変換する周波数−電圧変換回路93が設けられ
る。共振周波数の変換された電圧と、設定周波数を示す
目標電圧94を比較するための比較回路95に続いて、
制御電圧発生回路92が制御電極81、82に接続され
る。あらかじめ小振幅での共振周波数を測定し、設定周
波数として目標電圧94に入力される。制御電圧発生回
路92の電圧の初期値は、この小振幅で、共振周波数が
設定周波数と一致するように設定される。
【0039】発振回路90から印加されるの交流駆動電
力により、駆動櫛歯電極70と櫛歯電極60の間の静電
力の変化と支持ビーム21、22、23、24の復元力
によりマス部10が振動する。櫛歯電極61と検出櫛歯
電極71の間の静電容量の変化からマス部10の変位が
振動検出回路91により検出される。共振が得られるよ
うに発振回路90から印加される交流駆動電力の位相を
変化させることにより共振状態となり、振動検出回路9
1から共振周波数が検出される。これは周波数−電圧変
換回路93によって電圧に変換され、比較回路95によ
り設定周波数を示す目標電圧94と比較される。比較し
た結果、共振周波数が設定周波数より高い場合は、支持
ビーム21、22、23、24の復元力の非線形性を制
御電極81及び82、83及び84と振動子電極80
0、801との間の静電力が補償しきれていないことを
意味するので、制御電圧発生回路92が制御電極81及
び82、83及び84に印加する直流電圧を増大させ、
制御電極81及び82、83及び84と振動子電極80
0、801との間の静電力が支持ビーム21、22、2
3、24の復元力の非線形性を補償するようにする。逆
に共振周波数が設定周波数より低い場合は、制御電極8
1及び82、83及び84と振動子電極800、801
との間の静電力がビームの復元力の非線形性を越えてい
るので制御電圧発生回路92が制御電極81及び82、
83及び84に印加する直流電圧を減少させる。このよ
うに、フィードバック制御手段を持たせた振動式検出器
100について様々な駆動電力をかけ周波数特性を調べ
たが、駆動電力の大小すなわち共振時の振幅の大小にか
かわらず、周波数特性にヒステリシスは現れず、また共
振周波数は一定に保たれていた。
【0040】以上の例で見るとおり、電極の数が任意で
あることは明らかで、制御電極及び振動子の間隙と電極
電位との関係において設計時に考慮すればよい。また以
上の例では、主に駆動電極からの強制振動に対する支持
ビームの非線形性を制御するものを取り上げたが、駆動
電極からの強制振動とは垂直な方向に他の検出電極を設
けて振動を検出する際の非線形性制御についても全く同
様に本発明を適用することができる。また、実施例3で
は各電極が2方向の制御にかかわっているが、各電極が
一方向の制御で、制御する方向の違う電極を複数組み合
わせてもよい。更に、ビームを組み合わせた複雑な振動
子においても、実質的に両端支持梁型となっている振動
部分については本発明を適用することができ、実質的に
両端支持梁型となっている振動部分が複数組ある振動子
については、その組それぞれについて独立に本発明を適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例にかかる両端支持梁型の振動式検出
器100の平面図とその検出器100を駆動させるため
の各電気回路を示したブロック図。
【図2】第1実施例にかかる両端支持梁型の振動式検出
器100の、振動子の変位に対する、非制御時及び電極
による制御時のばね定数の変化を示したグラフ。
【図3】制御されない状態の、ヒステリシスを持った両
端支持梁型の振動子111の周波数特性のグラフ。
【図4】第1実施例にかかる両端支持梁型の振動式検出
器100の、非制御時及び電極による制御時の周波数特
性を示したグラフ。
【図5】第2実施例にかかる両端支持梁型の振動式検出
器101を示した平面図。
【図6】第3実施例にかかる両端支持梁型の振動式検出
器102を示した平面図と断面図。
【図7】第4実施例にかかる両端支持梁型の振動式検出
器100を示した平面図と、フィードバック制御手段を
示した電気回路のブロック図。
【図8】従来の、両端支持梁型の振動式検出器111を
示した平面図。
【図9】従来の、折り返し梁型の折振動式検出器112
を示した平面図。
【図10】第1実施例にかかる両端支持梁型の振動式検
出器100の制御電極付近を示した斜視図。
【図11】第1実施例の製法にかかるシリコンマイクロ
マシニングにおけるプロセスフロー。
【符号の説明】
1…基板 10…マス部 21、22、23、24…支持ビーム 31、32…リンク 41、42、43、44…折り返しビーム 51、52、53、54…アンカー 60、61…櫛歯電極 70…駆動櫛歯電極 71…検出櫛歯電極 76…配線層 800、801…振動子電極 81、82、83、84、85、86、87、88…制
御電極 90、91、92、93、94、95…外部回路 100、101、102…本発明の振動式検出器 111…従来の両端支持梁型の振動式検出器 112…従来の折り返し梁型の振動式検出器
フロントページの続き (72)発明者 坂田 二郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2F105 BB07 CC04 CD03 CD05 CD13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体の微細加工により形成され、ビー
    ムとビームにより振動可能に支持されたマス部とから成
    る振動子を前記ビーム長手軸に垂直方向に振動させる検
    出器において、 前記振動子の一部を挟む一対以上の制御電極又は前記振
    動子の一部を取り巻く一以上の制御電極を設け、 前記振動子の一部と前記制御電極の間の静電力が、 前記振動子の変位に対するビームの変位に関する復元力
    の非線形性を補償することを特徴とする振動式検出器。
  2. 【請求項2】 前記振動子の共振周波数をあらかじめ設
    定した周波数に一致させるように前記制御電極の電位を
    フィードバック制御する制御手段を設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の振動式検出器。
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