JP2007017224A - ジャイロセンサ - Google Patents

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JP2007017224A JP2005197425A JP2005197425A JP2007017224A JP 2007017224 A JP2007017224 A JP 2007017224A JP 2005197425 A JP2005197425 A JP 2005197425A JP 2005197425 A JP2005197425 A JP 2005197425A JP 2007017224 A JP2007017224 A JP 2007017224A
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Abstract

【課題】 感度に優れると共に、容易に形成できるジャイロセンサを形成すること。
【解決手段】 支持枠1と、支持枠1の内側に配置された基部2との間を第1乃至第4の梁3,4,5,6で連結する。第1の梁3と第2の梁4を、基部2を介して同一直線上に配置し、第3の梁5と第4の梁6を、基部2を介して同一直線上に配置する。また、第1の梁3と第3の梁5を平行に配置する。基部2を介して同一直線上に位置すると共に、基部2の側面から突出するように第1および第2の振動子支持軸8,9を形成する。第1振動子支持軸8の先端に第1振動子11を固定し、第2振動子支持軸9の先端に第2振動子12を固定する。基部2の表面上に基部2の変位の変位を検出する変位検出部13を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、振動によって角速度を検知する振動型ジャイロセンサに関する。
近年、ジャイロセンサは、カムコーダやデジタルスチルカメラの手ぶれ検知、自動車等の運動検知をはじめとして、ロボット技術やバーチャルリアリテイ技術等にも用いられ、益々その使用対象が拡大してきている。また、携帯電話等に代表されるモバイル機器には、小型カメラが搭載されるようになり、更に、ズーム機構までも搭載されるようになってきている。このことから、今後、手ぶれ補正機構を携帯電話用カメラへ搭載することも間近であると考えられる。ここで、カムコーダ等と比較してサイズが小さい携帯電話においては、カムコーダ等と比較して、より小型のジャイロセンサが必要になる。
図11は、特開平11−248465号公報(特許文献1)に記載されているジャイロセンサを示す図である。
このジャイロセンサは、第1の振動系144a,144b,144c,144dと、第2の振動系146a,146b,146c,146dとを有している。第1の振動系144a,144b,144c,144dは、基部150の周縁部から突出する支持部と、支持部の先端側から支持部に直交する方向に延びる屈曲振動片とからなっている。上記第1の振動系144aおよび144bは、支持部を共有すると共に、第1の振動系144cおよび144dは、支持部を共有している。上記第1の振動系144a,144b,144c,144dの夫々の振動の重心は、所定面内で振動する面内振動成分を含んでいる。一方、上記第2の振動系146a,146b,146c,146dは、直方体の基部150の対向する端面の縁部から突出している。上記第2の振動系146a,146b,146c,146dの夫々は、基部150を介して連結している。また、上記第2の振動系146a,146b,146c,146dの夫々は、基部平面に対して垂直な方向に振動する面垂直振動成分を含んでいる。上記屈曲振動片の夫々に、駆動電極を設けていると共に、記第2の振動系146a,146b,146c,146dの夫々に検出電極を設けている。
上記従来のジャイロセンサは、上記駆動電極に交流電圧を印加することにより、第1の振動系を振動させ、第2の振動系の振動を検出電極によって検出することにより、第1および第2の振動子に垂直な平面の回転に対するジャイロモーメントを検出している。上記従来のジャイロセンサは、上記のように、第1の振動系と第2の振動系とを分離形成することにより、ノイズ振動を低減し、S/N比を向上するようにしている。
しかしながら、上記従来のジャイロセンサでは、第2の振動子系を片持ち梁で形成しているため、第2の振動系の厚さ方向の強度が弱く、第2の振動子系が厚さ方向の力によって破損し易いという問題がある。したがって、第2の振動子系の側面への変形検知用電極の形成が難しいという問題がある。
特開平11−248465号公報
そこで、本発明の課題は、感度に優れると共に、容易に形成できるジャイロセンサを形成することにある。
上記課題を解決するため、この発明のジャイロセンサは、
支持枠と、
上記支持枠の内側に配置された板状の基部と、
上記基部の側面と上記支持枠の内面とを連結している第1の梁と、
上記基部の側面と上記支持枠の内面とを連結すると共に、上記第1の梁と同一直線上に位置する第2の梁と、
上記基部の側面と上記支持枠の内面とを連結すると共に、上記第1の梁と略平行に配置された第3の梁と、
上記基部の側面と上記支持枠の内面とを連結すると共に、上記第3の梁と同一直線上に位置する第4の梁と、
上記基部の側面から突出すると共に、上記第1の梁と略平行な第1振動子支持軸と、
上記基部の側面から突出すると共に、上記第2の梁と略平行な第2振動子支持軸と、
上記第1振動子支持軸の先端に固定された第1振動子と、
上記第2振動子支持軸の先端に固定された第2振動子と、
上記基部の変位または上記第1乃至第4の梁のうちの少なくとも一つの変位を検出する変位検出部と
を備えることを特徴としている。
本発明によれば、変位検出部を梁の側面や基部の側面に形成する必要がなく、変位検出部を梁の上面や基部の上面へ形成することができる。したがって、簡単安価な加工法であるシリコン加工を用いて変位検出部を簡便に形成することができて、簡単安価にジャイロセンサを製造することができる。
また、本発明によれば、梁の両端が固定される形式であるので、機械強度を大きくすることができる。
また、一実施形態のジャイロセンサは、上記第1振動子支持軸と上記第2振動子支持軸は、同一直線上に位置している。
上記実施形態によれば、上記第1振動子支持軸と上記第2振動子支持軸は、同一直線上に位置しているので、角速度による基部または梁の変位を、上記板状の基部の表面の略法線方向に限定することができて、上記基部または上記梁の変位を正確に検出できる。
また、一実施形態のジャイロセンサは、上記第1振動子支持軸は、上記第1の梁と上記第3の梁に挟まれていると共に、上記第2振動子支持軸は、上記第2の梁と上記第4の梁に挟まれている。
上記実施形態によれば、上記第1および第2振動子支持軸を安定させることができて、上記基部または上記梁の変位を更に正確に検出できる。
また、一実施形態のジャイロセンサは、上記第1振動子が、上記第1振動子支持軸に対して略垂直方向に延在し、かつ、上記第2振動子が、上記第2振動子支持軸に対して略垂直方向に延在している。
上記実施形態によれば、軸力を最も大きくすることができて、感度を最も高くすることができる。
また、一実施形態のジャイロセンサは、上記変位検出部が、上記第1乃至第4の梁のうちの少なくとも一つに固定されている。
上記実施形態によれば、上記変位検出部が、上記第1乃至第4の梁のうちの少なくとも一つに固定されているので、ジャイロセンサをコンパクトにすることができる。
また、一実施形態のジャイロセンサは、上記変位検出部が、ピエゾ抵抗である。
上記実施形態によれば、上記変位検出部が、安価なピエゾ抵抗であるので、ジャイロセンサの製造コストを低減できる。
また、一実施形態のジャイロセンサは、上記第1乃至第4の梁が、上記基部の側面における上記基部の厚さ方向の略中央から延在している。
上記実施形態によれば、基部の厚さと梁の厚さとに相関がないので、基部の厚さを梁の厚さに無関係に厚くすることができて、ジャイロセンサの強度を大きくすることができる。また、梁の変形方向の差異を検出することによって、加速度と角速度とを容易に分離でき、角速度を正確に検出できる。
本発明のジャイロセンサによれば、変位検出部を梁の側面や基部の側面に形成する必要がなくて、変位検出部を梁の上面や基部の上面へ形成することができるので、簡単安価な加工法であるシリコン加工を用いて変位検出部を簡便に形成することができて、簡単安価にジャイロセンサを製造することができる。
また、本発明のジャイロセンサによれば、梁の両端が固定される形式であるので、機械強度を大きくできる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のジャイロセンサの上面図である。
このジャイロセンサは、支持枠1と、基部2と、第1の梁3、第2の梁4、第3の梁5および第4の梁6と、変位検出部13とを備える。図1において、上記支持枠1は、外縁および内縁が略長方形状になっている。また、基部2は、略正方形状をしており、支持枠1の内側の略中央に配置されている。上記基部2の対向する一対の縁は、支持枠1における長手方向に延びている内縁部分に略平行になっている。第1乃至第4の梁3,4,5,6は、同一の形状を有している。上記第1乃至第4の梁3,4,5,6の夫々は、基部2を支持枠1に連結している。
上記第1乃至第4の梁3,4,5,6の夫々は、支持枠1における長手方向に延びている内縁部分に略平行になっている。支持枠1の長手方向をx方向とし、支持枠の幅方向をy方向と定義したとき、第1の梁3および第2の梁4は、x方向に延びる略同一直線上に配置され、同様に、第3の梁5および第4の梁6も、x方向に延びる略同一直線上に配置されている。また、第3の梁5は、第1の梁3をy方向に平行移動した位置に配置され、第4の梁6は、第2の梁4をy方向に平行移動した位置に配置されている。
第1の梁3と第3の梁5に囲まれる基部2の側面の略中央に、基部2よりx方向に突出する振動子支持軸8を設けると共に、第2の梁4と第4の梁6に囲まれる基部2の側面の略中央に、基部2よりx方向に突出する振動子支持軸9を設けている。また、上記振動子支持軸8の先端に、略y方向に延びる振動子11を形成していると共に、振動子支持軸9の先端に、略y方向に延びる振動子12を形成している。振動子11と振動子12とは、y軸10(基部2の中心を通るy方向の軸)に対して略線対称に配置されている。また、上記振動子11,12の夫々は、x軸(基部2の中心を通るx方向の軸)に対して略対称な形状をしている。
y軸10に対称に形成された振動子11,12の夫々は、図示しない駆動手段、例えば、静電吸引力を利用した駆動手段等によって力が付与されて、ある周波数でy軸10に対称に図1に矢印aまたは矢印bで示す方向に振動するようになっている。図1は、上記振動子11,12が、図示しない駆動手段によってx方向に反っている状態を示している。また、二点鎖線で示したものは、それとは逆向きに反った状態を示している。振動子11,12の夫々は、図1に実線で示されている状態と、二点鎖線で示されている状態とを繰り返すように振動するようになっている。
図2〜3は、図1のAA線断面図であり、角速度の検出を説明するための図である。詳細には、図2は、図1にωで示す角速度が発生した時の図1のAA線断面図を示す図であり、図3は、図1にωで示す角速度が発生した直後の図1のAA線断面図を示す図である。また、図4は、図1にωで示す角速度が発生した直後の図1のBB線断面図を示す図である。
図1および図2に示すように、上記変位検出部13は、y軸10に対して対称になるように、基部2の表面に形成された電極14および15と、キャップ20の内側における電極14に対向する部分に形成された電極21と、キャップ20の内側における電極15に対向する部分に形成された電極22とを有する。
上記電極14、15、21および22は、全て略同じ表面形状および同じ表面積を有している。電極14と電極21とは第1コンデンサを構成し、電極15と電極22とは第2コンデンサを構成している。第1、第2コンデンサの夫々には、図示しない容量検出器が接続されている。第1、第2コンデンサおよび第1、第2コンデンサの夫々に接続されている容量検出器は、変位検出部を構成している。
このジャイロセンサは、コンデンサの容量の変動を検出することによって、コンデンサの電極間距離の変動、すなわち、基部2の傾きを検出し、角速度を検知するようになっている。以下に、この発明のジャイロセンサの動作説明について説明する。
先ず、定性的な説明を行う。図1に示すように、振動子11,12が図示しない駆動手段によってy軸10に対称に変形(変位)して振動していると共に、y軸10の回りに角速度が発生していない時には、振動子11,12の変形によって左右の振動子支持軸8,9には、振動子支持軸8,9の延在方向に平行な図1にFsで示す軸力が作用している。この振動子支持軸8,9の延在方向に平行な軸力Fsは、地球の自転に起因するコリオリ力よりも格段に大きな力になっている。
例えば、振動子11,12として、単結晶シリコン材料で50μm□の断面を有し、片側の長さが250μmである振動子を用いた場合、振動子11,12の先端部が、たかだか1μmの変形でも、軸力Fsは、0.017Nと非常に大きな力になるのに対し、コリオリ力は、この軸力に対して10−10〜10−11オーダーの非常に小さい値である。このため地球の自転に起因するコリオリ力は、無視できる。
また、左右の振動子11,12が同一面内でy軸10に対して対称に作用しているため、互いの軸力は相反して、基部2および梁3,4,5,6には何の変化も与えず、外観上何の変化も生じない。したがって、基部2が傾くことがなくて、第1および第2コンデンサの極板間距離が変化することもないので、コンデンサ容量の変化はなく、角速度ωが検出されることがない(角速度ωは0の値を示す)。
一方、y軸10方向に角速度ωが作用した場合、振動子11,12が振動駆動しているために、振動子11,12の質量m、振動子11,12の移動速度vおよび振動子11,12の角速度ωに比例したコリオリ力Fcが、左右の振動子支持軸8,9に対して逆向きに作用する。例えば、y軸10方向に図2に示す角速度ωが作用すると、振動子支持軸8には上向きのコリオリ力Fcが作用し、振動子支持軸9には、下向きにコリオリ力Fcが作用する。そして、このコリオリ力Fcによって、右側の振動子支持軸8は上向きに曲げられ、左側の振動子支持軸9は下向きに曲げられる。
すなわち、角速度ωが発生しない時には、軸力Fsは同一面内で作用し、y軸10に対して左右で互いに相反するように作用していたが、図2に示すような角速度ωが生じた場合、この角速度ωに起因するコリオリ力Fcによって、右側の振動子支持軸8は上向きに曲げられると共に、左側の振動子支持軸9は下向きに曲げられ、コリオリ力が同一面内で作用しているという条件が崩れる。そして、図2および3に示すように、振動子支持軸9と水平面との傾斜角をθとしたとき、振動軸8,9の延在方向に作用する軸力Fsのsinθ成分であるFszが基部2に生じ、基部2に偶力が作用することになる。このFszに起因して基部に作用するトルクの腕の長さは、図1にRで示す基部2のX方向の長さの半分であり、Fsz×Rの回転トルクによって基部2を回転させることとなる。
この時、図4に示すように、支持枠1と基部2とを連結している梁3,4,5,6が、基部2から力を受けて変形する。また、この変形に起因して基部2およびキャップ20に設けた第1および第2コンデンサの極板距離が変動して、第1および第2コンデンサの静電容量が変化する。このことから、上記容量検出器で第1および第2コンデンサの静電容量の変化を検出することによって、角速度ωを検出することができるのである。
次に定量的な説明を行う。振動子11,12の振幅をaとし、振動子11,12を駆動してから時刻t経過した時の移動角度をω×tとすると、振動子11,12の移動速度vは、v=a×sin(ω×t)と表すことができ、コリオリ力Fcは、振動子11,12の質量をmとしたとき、Fc=2×m×ω×vとなる。また、振動子支持軸8,9の撓み角θ(図2および図3参照)は、コリオリ力Fcに比例し、比例定数をk1とすると、θ=k1×Fc=k1×2×m×ω×a×sin(ω×t)と表すことができる。
一方、振動子支持軸8,9に作用する軸力Fsは、振動子11,12の撓みをδとし、振動子11,12のバネ定数をk2とすると、Fs=k2×δで表すことができる。振動11,12の撓みδは、振動子11,12の移動速度を積分したものであるので、δ=(−a/ω)×cos(ω×t)で表すことができ、軸力Fsは、Fs=k2×(−a/ω)×cos(ω×t)で表すことができる。
ここで、Fsmax=k2×(−a/ω)とすると、Fs=Fsmax×cos(ω×t)であり、上記Fszは、Fsz=Fsmax×cos(ω×t)×sinθと表すことができる。5%の誤差を許容するとθが30°以下の時、sinθ≒θとできるので、軸力Fsのsinθ成分であるFszを、Fsz=Fsmax×cos(ω×t)×θ=Fsmax×cos(ω×t)×k1×2×m×ω×a×sin(ω×t)と表現することができる。
ここで、k1×2×m×ω×a/2=k3(定数)とすると、2cos(ω×t)sin(ω×t)=sin{2(ω×t)}の公式を使って、Fsz=k3×Fsmax×sin{2(ω×t)}となる。したがって、軸力Fsのsinθ成分であるFszの振幅は、コリオリ力に比べて1010〜1011程度も大きい軸力Fsmaxに比例した大きな力になり、その周波数は振動子11,12の周波数の2倍となる。このようなFszによって基部2は回転力を受けることとなる。ところで、基部2は、コリオリ力Fcの下向きのモーメントと軸力Fsのsinθ成分であるFszのモーメントの差で回転することになるが、コリオリ力Fcのモーメントの腕の長さは、Fszによるモーメントの腕の長さRのせいぜい数倍程度であり、結局、基部2を、軸力Fsmaxに起因する大きな回転モーメントで回転させることができる。
上記第1実施形態のジャイロセンサによれば、振動子11,12が振動子支持軸8,9に対して垂直に配置されている、すなわち、振動子11が振動子支持軸8に垂直に配置されていると共に、振動子12が振動子支持軸9に垂直に配置されているので、最も大きな軸力を発生させることができて、ジャイロセンサの感度を最も高くすることができる。したがって、角速度の測定を正確に行うことができる。尚、振動子支持軸と振動子とのなす角を(90−30)度以上(90+30)度以下に設定すると、振動子支持軸と振動子とのなす角が90度のときと比較して、85%以上の軸力を出すことができる一方、この角度の範囲外の領域では、軸力が急激に減少する。このため、振動子支持軸と振動子とのなす角は、(90−30)度以上(90+30)度以下に設定されることが好ましく、更に、この範囲内において90度近傍の角度になることが好ましい(振動子が振動子支持軸に対して略垂直になっていることが好ましい)。
図5は、本発明の第2実施形態のジャイロセンサの上面図である。
第2実施形態のジャイロセンサは、変位検出部が基部2上ではなくて梁3,4,5,6上に形成されている点が、第1実施形態のジャイロセンサと異なる。
第2実施形態のジャイロセンサでは、第1実施形態のジャイロセンサの構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第2実施形態のジャイロセンサでは、第1実施形態のジャイロセンサと共通の作用効果および変形例については説明を省略することにし、第1実施形態のジャイロセンサと異なる構成、作用効果および変形例についてのみ説明を行うことにする。
第2実施形態では、基部2の上面および図示しないキャップに電極が形成されない構成が第1実施形態と異なる一方、それ以外の構成については、第1実施形態と同様な構成となっている。
図5に示すように、梁3の上面の支持枠1側の端部には、矩形の表面を有する圧電体50が形成され、梁3の上面の基部2側の端部には、矩形の表面を有する圧電体51が形成されている。また、梁4の上面の基部2側の端部には、矩形の表面を有する圧電体52が形成され、梁4の上面の支持枠1側の端部には、矩形の表面を有する圧電体53が形成されている。また、梁5の上面の支持枠1側の端部には、矩形の表面を有する圧電体54が形成され、梁5の上面の基部2側の端部には、矩形の表面を有する圧電体55が形成されている。また、梁6の上面の基部2側の端部には、矩形の表面を有する圧電体56が形成され、梁6の上面の支持枠1側の端部には、矩形の表面を有する圧電体57が形成されている。上記圧電体50〜57は、変位検出部を構成している。
角速度の不作用時には、上記第1実施形態で記述したように、図5にFsで示す互いに反対向きで、かつ、同じ大きさの軸力が発生して、梁2,3,4,5が変形することがない一方、角速度作用時には、上記第1実施形態で記述したように、基部22が傾くことになる。
図6は、図4に対応する第2実施形態のジャイロセンサの図であり、図5にωで示す角速度が発生した直後の図5のDD線断面図を示す図である。
図5にωで示す角速度が発生した直後(コリオリ発生直後)においては、上記第1実施形態で説明したように、梁5,6は、図6に示すように変位する(図4参照)。すると、梁3,4,5,6の上面に貼り付けられた圧電体50〜57がその変位量を検出し、この変位量と相関がある角速度を検出するようになっている。
第2実施形態のジャイロセンサによれば、変位検出部である圧電体50〜57が、第1乃至第4の梁3〜6に固定されているので、変位検出部が基部に固定されている場合と比較してジャイロセンサをコンパクトにすることができる。
尚、上記第2実施形態では、変位検出部として圧電体50〜57を採用したが、この発明では、変位検出部としてピエゾ抵抗や金属箔等、圧電体以外の歪みゲージを採用しても良い。変位検出部として高価な圧電体でなくてピエゾ抵抗を採用した場合、安価にジャイロセンサを構成することができる。
図7は、第3実施形態のジャイロセンサの上面図であり、図8は、図7にωで示す角速度が発生した時のEE線断面図を示す図であり、図9は、図7にωで示す角速度が発生した直後のFF線断面図を示す図である。
第3実施形態のジャイロセンサは、基部62の厚さを厚くして基部62の強度を確保している点と、梁73〜76が基部62の側面における厚さ方向の略中央に設けられている点が、第2実施形態のジャイロセンサと異なる。第3実施形態のジャイロセンサでは、第1実施形態のジャイロセンサの構成部と同一構成部には同一参照番号を付して説明を省略することにする。また、第3実施形態のジャイロセンサでは、第1および第2実施形態のジャイロセンサと共通の作用効果については説明を省略することにし、第1および第2実施形態のジャイロセンサと異なる構成および作用効果についてのみ説明を行うことにする。
上記第1実施形態で述べたように、角速度の不作用時には、梁73〜76は変形することがない一方、角速度の作用時には、基部62が傾くことになる。すなわち、図8に示す軸力Fsのsinθ成分であるFszが、基部62を回転させるように作用する。第3実施形態のジャイロセンサでは、コリオリ発生直後、梁5,6は、図9に示すように変形する。この時、第2実施形態と同様に梁3〜6の表面に貼り付けられると共に、変位検出部を構成する圧電体50〜57に、歪みが作用することになる。具体的には、図7にωで示す角速度が生成すると、その直後、梁5上における支持枠61側の端部に固体された圧電体54および梁6上における基部62側の端部に固定された圧電体56には、引張り歪みが作用する一方、梁5上における基部62側の端部に固体された圧電体55および梁6上における支持枠61側の端部に固定された圧電体57には、圧縮ひずみが作用する。第3実施形態のジャイロセンサは、これらの圧縮および引張歪みを検出することにより角速度を検出するようになっている。
第1または第2実施形態の構成で、基部2の強度を確保するために基部2を厚くした場合、基部2が加速度の影響を受け、角速度と加速度の影響を分離区別できないという問題が生じる。しかしながら、第3実施形態のように、梁3〜6を、基部62の厚さ方向の側面の中央に設けるようにすると、加速度作用時と角速度作用時を分離区別することができる。
すなわち、加速度αが、梁5,6の延在方向に作用した場合、図10に示すように、加速度αによって、基部62と支持枠61との間が狭くなる方の隙間に配置されている梁5は、座屈によって曲げられ、y軸を境に反対側に配置されている梁6には、引張力が作用する。この時、梁6の両端部に配置されている圧電体56と圧電体57の両方に、同じ力である引張力が作用する。
一方、角速度が作用した場合には、上述のようにコリオリ力で基部62が回転するため、梁6上の圧電体56と圧電体57には、互いに逆の力、すなわち、引張力と圧縮力が作用する。このように、加速度作用時と角速度作用時に梁6の変形のモードが異なるために、圧電体56と圧電体57の出力モードが異なり、加速度と角速度を区別することができるのである。
上記第1乃至第3実施形態のジャイロセンサによれば、梁や基部の側面に電極を形成しない構造であるので、電極を簡単安価に形成できて、簡単安価な加工法であるシリコン加工を用いてジャイロセンサを形成することができる。また、ジャイロセンサをコンパクトにできる。
本発明のジャイロセンサによれば、支持枠と、基部と、支持枠と基部とを連結する両持ちの複数の梁と、基部と同一面内に伸びると共に、同一面内で振動する振動子とを有する構成であるので、基部の上面や梁の上面に形成した変位検出部で角速度を検知することが可能となり、変位検出部を容易に形成できる。
本発明の第1実施形態のジャイロセンサの上面図である。 図1にωで示す角速度が発生した時の図1のAA線断面図を示す図である。 図1にωで示す角速度が発生した直後の図1のAA線断面図である。 図1にωで示す角速度が発生した直後の図1のBB線断面図を示す図である。 本発明の第2実施形態のジャイロセンサの上面図である。 図5にωで示す角速度が発生した直後の図5のDD線断面図を示す図である。 第3実施形態のジャイロセンサの上面図である。 図7にωで示す角速度が発生した時の図7のEE線断面図を示す図である。 図7にωで示す角速度が発生した直後の図7のFF線断面図を示す図である。 梁の延在方向に加速度が作用した場合における第3実施形態のジャイロセンサを示す図である。 従来のジャイロセンサを示す図である。
符号の説明
1,61 支持枠
2,62 基部
3,4,5,6 梁
8,9 振動子支持軸
11,12 振動子
13 変位検出部
14,15,21,22 電極
20 キャップ
50,51,52,53,54,55,56,57 圧電体

Claims (7)

  1. 支持枠と、
    上記支持枠の内側に配置された板状の基部と、
    上記基部の側面と上記支持枠の内面とを連結している第1の梁と、
    上記基部の側面と上記支持枠の内面とを連結すると共に、上記第1の梁と同一直線上に位置する第2の梁と、
    上記基部の側面と上記支持枠の内面とを連結すると共に、上記第1の梁と略平行に配置された第3の梁と、
    上記基部の側面と上記支持枠の内面とを連結すると共に、上記第3の梁と同一直線上に位置する第4の梁と、
    上記基部の側面から突出すると共に、上記第1の梁と略平行な第1振動子支持軸と、
    上記基部の側面から突出すると共に、上記第2の梁と略平行な第2振動子支持軸と、
    上記第1振動子支持軸の先端に固定された第1振動子と、
    上記第2振動子支持軸の先端に固定された第2振動子と、
    上記基部の変位または上記第1乃至第4の梁のうちの少なくとも一つの変位を検出する変位検出部と
    を備えることを特徴とするジャイロセンサ。
  2. 請求項1に記載のジャイロセンサにおいて、
    上記第1振動子支持軸と上記第2振動子支持軸は、同一直線上に位置していることを特徴とするジャイロセンサ。
  3. 請求項1に記載のジャイロセンサにおいて、
    上記第1振動子支持軸は、上記第1の梁と上記第3の梁に挟まれていると共に、上記第2振動子支持軸は、上記第2の梁と上記第4の梁に挟まれていることを特徴とするジャイロセンサ。
  4. 請求項1に記載のジャイロセンサにおいて、
    上記第1振動子は、上記第1振動子支持軸に対して略垂直方向に延在し、かつ、上記第2振動子は、上記第2振動子支持軸に対して略垂直方向に延在していることを特徴とするジャイロセンサ。
  5. 請求項1に記載のジャイロセンサにおいて、
    上記変位検出部は、上記第1乃至第4の梁のうちの少なくとも一つに固定されていることを特徴とするジャイロセンサ。
  6. 請求項5に記載のジャイロセンサにおいて、
    上記変位検出部は、ピエゾ抵抗であることを特徴とするジャイロセンサ。
  7. 請求項1に記載のジャイロセンサにおいて、
    上記第1乃至第4の梁は、上記基部の側面における上記基部の厚さ方向の略中央から延在していることを特徴とするジャイロセンサ。
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