JPH10325726A - 静電型振動アクチュエータ - Google Patents

静電型振動アクチュエータ

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JPH10325726A
JPH10325726A JP9150433A JP15043397A JPH10325726A JP H10325726 A JPH10325726 A JP H10325726A JP 9150433 A JP9150433 A JP 9150433A JP 15043397 A JP15043397 A JP 15043397A JP H10325726 A JPH10325726 A JP H10325726A
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shaped
vibrator
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Kazufumi Moriya
和文 森屋
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電型振動アクチュエータにおいて、小さな
電圧で振動子を大きく振動させる。 【解決手段】 角速度センサ21の振動子26を矢示a
方向に振動させるために、くし型振動発生部35を可動
側のくし状電極27と固定側のくし状電極31とから構
成し、平板型振動発生部36を可動側の平板状電極28
と固定側の平板状電極32とから構成する。まず、くし
型振動発生部35から発生する初期振動力により、平板
状電極28,32間の隙間を小さくする。そして、平板
状電極28,32間の接近により、平板型振動発生部3
6からは大きな追加振動力を発生し、初期振動力に引き
継ぎ振動子26に大きな振動力を与える。これにより、
小さな電圧で振動子26を大きく振動でき、角速度セン
サ21の検出感度を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば角速度セン
サのように振動子を振動させるのに用いて好適な静電型
振動アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、静電型振動アクチュエータを用
いたものとして角速度センサが広く知られている。ここ
で、この角速度センサは、X軸,Y軸,Z軸の3軸方向
において、振動子をある方向軸、例えばX軸に対して一
定の振動を与えた状態で、外部からZ軸周りの回転力を
加えると、振動子にコリオリ力(慣性力)が作用して該
振動子はY軸方向に振動する。そして、このコリオリ力
に振動子のY軸方向の変位を圧電抵抗、静電容量等の変
化として検出するのが角速度センサである。その一例と
して、特開平6−123632号公報等に記載された両
持梁形式の角速度センサが知られている。
【0003】そして、角速度センサでは、振動子に予め
一定方向の振動を与えておく必要があるが、この振動を
与えるための振動発生手段としてくし状電極を用いたく
し型振動発生手段と、平板状電極を用いた平板型振動発
生手段とが知られている。
【0004】ここで、従来技術による両持梁式の角速度
センサのうち、くし型振動発生手段を用いた角速度セン
サについて、図5ないし図6を参照しつつ、説明する。
【0005】1は角速度センサ、2は該角速度センサ1
の基台となる矩形状に形成された基板をそれぞれ示し、
該基板2は例えば高抵抗なシリコン材料によって形成さ
れている。
【0006】3は基板2上にP,B,Sb等がドーピン
グされた低抵抗なポリシリコンまたは単結晶シリコン等
によって形成された可動部を示し、該可動部3は基板2
の四隅に位置して該基板2上に設けられた4個の支持部
4と、該各支持部4から中央部に向け、X軸と平行にな
る部分とY軸と平行になる部分を有するようにL字状に
折曲して形成された4本の支持梁5と、該各支持梁5に
よってX軸とY軸方向に変位可能に前記基板2の表面か
ら離間した状態で支持された矩形状の振動子6とからな
る。
【0007】また、前記振動子6は、そのX軸方向とな
る左,右両側面には、それぞれ4枚の電極板7Aからな
る可動側振動用くし状電極7,7が突出形成され、Y軸
方向となる前,後両側面にはそれぞれ4枚の電極板8A
からなる可動側検出用くし状電極8,8が突出形成され
ている。
【0008】そして、可動部3は各支持部4のみが基板
2に固着され、各支持梁5と振動子6は前記基板2から
所定間隔を離間した状態で4点支持されている。また、
各支持梁5はL字状に形成されているから、Y軸に平行
な部分を撓ませることにより振動子6をX軸方向に変位
させ、X軸に平行な部分を撓ませることにより振動子6
をY軸方向に変位させることができる。
【0009】9,9は振動用固定部で、該各振動用固定
部9は振動子6を左,右両側で挟むように基板2上に設
けられている。
【0010】10,10は固定側振動用くし状電極を示
し、該各固定側振動用くし状電極10は、前記可動側振
動用くし状電極7の各電極板7Aと隙間をもって交互に
対面するように、該各固定部9に突出形成された4枚の
電極板10Aからなる。
【0011】11,11は検出用固定部で、該各検出用
固定部11は振動子6を前,後両側で挟むように基板2
上に設けられている。
【0012】12,12は固定側検出用くし状電極を示
し、該各固定側検出用くし状電極12は、前記可動側検
出用くし状電極8の各電極板8Aと隙間をもって交互に
対面するように、該各固定部11に突出形成された4枚
の電極板12Aからなる。
【0013】13,13はくし型振動発生手段となるく
し型振動発生部を示し、該各くし型振動発生部13は可
動側振動用くし状電極7と固定側振動用くし状電極10
とから構成され、該可動側のくし状電極7の各電極板7
Aと、固定側のくし状電極10の各電極板10Aとの間
にはそれぞれ等しい隙間が形成されている。ここで、可
動側のくし状電極7と固定側のくし状電極10との間に
逆位相となる周波数fのパルス波または正弦波等の振動
駆動信号を印加すると、左,右に位置した各電極板7
A,10A間には静電力が交互に発生し、各くし型振動
発生部13で接近,離間を交互に繰り返す。これによ
り、各くし型振動発生部13は、振動子6をX軸となる
矢示a方向に振動させる。
【0014】14,14は変位検出部を示し、該各変位
検出部14は可動側検出用くし状電極8と固定側検出用
くし状電極12とから構成され、該可動側のくし状電極
8の各電極板8Aと、固定側のくし状電極12の各電極
板12Aとの間にはそれぞれ離間した空間が形成され、
該可動側のくし状電極8と固定側のくし状電極12は、
検出用の平行平板コンデンサとして構成され、当該各変
位検出部14は各電極板8A,12A間の有効面積の変
化を静電容量の変化として検出する。
【0015】このように構成される角速度センサ1にお
いては、各くし型振動発生部13に逆位相となる周波数
fの振動駆動信号を印加すると、各電極板7A,10A
間には静電力が左,右のくし型振動発生部13,13に
対して交互に作用し、振動子6はX軸となる矢示a方向
に接近,離間を繰返して振動する。
【0016】この状態で角速度センサ1にZ軸周りの角
速度Ωが加わると、Y軸方向に下記の数2に示すような
コリオリ力(慣性力)Fが発生し、振動子6をY軸方向
に振動させる。
【0017】ここで、各くし型振動発生部13によって
振動子6をX軸方向に移動させる変位xとその速度vと
の関係は、次の数1によって表わされる。
【0018】
【数1】 x=Asinωt v=Aωcosωt 但し、A :振動子6の振幅 ω :駆動モードの角周波数 t :時間
【0019】さらに、振動子6をX軸方向に変位x,速
度vで振動させたときに、Z軸周りに加わる角速度Ωか
ら発生するY軸方向のコリオリ力Fは数2として表わさ
れる。
【0020】
【数2】F=2mΩv 但し、m :振動子6の質量
【0021】そして、振動子6は数2のコリオリ力Fに
よってY軸方向に振動し、この振動子6による振動変位
を、各変位検出部14では可動側のくし状電極8と固定
側のくし状電極12との間の静電容量の変化として検出
し、Z軸周りの角速度Ωを検出することができる。
【0022】なお、各くし型振動発生部13は、各電極
板7Aからなる可動側のくし状電極7と、各電極板10
Aからなる固定側のくし状電極10とから構成したか
ら、可動側のくし状電極7と固定側のくし状電極10と
の間の対面する有効面積を大きく確保することができ
る。これにより、各くし型振動発生部13に振動駆動信
号を印加したときには、各電極板7A,10A間に発生
する静電力を大きくして振動子6を矢示a方向に大きく
振動させることができる。
【0023】一方、各変位検出部14は、各電極板8A
からなる可動側のくし状電極8と、各電極板12Aから
なる固定側のくし状電極12とから構成したから、該可
動側のくし状電極8と固定側のくし状電極12との間の
対面する有効面積を大きくできる。これにより、振動子
26のY軸方向への変位を、各変位検出部14によって
静電容量の大きな変化として検出することができる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術に
よる角速度センサ1のうち、くし型振動発生部を用いた
角速度センサは、角速度Ωの検出感度を高めようとする
と、前記数1と数2に示すように振動子6の振幅を大き
くすればよく、可動側のくし状電極7と固定側のくし状
電極10からなる各くし型振動発生部13によって発生
する静電力を大きくすればよいことがわかる。
【0025】ここで、くし型振動発生部13の可動側の
くし状電極7と固定側のくし状電極10によって発生す
る静電力Fk は、数3によって表わされる。
【0026】
【数3】 但し、n :電極板の数 d :電極板の厚さ ε :雰囲気の誘電率 g :電極板間のギャップ V :印加される電圧
【0027】この静電力Fk を大きくしようとすると、
印加される電圧Vが一定の条件下では、電極板の数nを
増やす方法、電極板の厚さdを大きくする方法、電極板
間のギャップgを狭くする方法しかなく、シリコン材料
によって形成される角速度センサ1においては、電極板
間のギャップgの寸法が限定されしまう。
【0028】このため、静電力Fk を容易に高めること
ができず、振動用くし状電極7と10を用いたくし型振
動発生部13では振動子26を大きく振動させることが
できないという問題がある。
【0029】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は小さな電圧で振動子を大きく振
動させることのできる静電型振動アクチュエータを提供
することを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による静電型振動アクチュエー
タは、基台上に位置して該基台に水平な所定軸方向に振
動可能に設けられた振動子と、可動側くし状電極と固定
側くし状電極とによって構成され、該振動子を所定軸方
向に初期振動力をもって振動を与えるくし型振動発生手
段と、可動側平板状電極と固定側平板状電極とによって
構成され、該くし型振動発生手段によって前記振動子に
初期振動を与えている状態で、前記振動子に追加振動力
をもって振動を与える平板型振動発生手段とから構成し
たことにある。
【0031】このように構成することにより、くし型振
動発生手段と平板型振動発生手段に同じ電圧を印加する
と、まずくし型振動発生手段には初期振動力となる静電
力が発生する。振動子がこの初期振動力によって、可動
側平板状電極と固定側平板状電極との間の距離が近づく
と、平板型振動発生手段には2つの平板状電極間で追加
振動力となる静電力が発生し、この追加振動力が振動子
に加わる。これにより、くし型振動発生手段によって振
動子に初期振動力を与えると、平板型振動発生手段から
はこの初期振動を引き継ぐように、大きな追加振動を振
動子に与え、小さな電圧であっても振動子を大きく振動
させることができる。
【0032】請求項2の発明では、くし型振動発生手段
の可動側くし状電極を振動子側に形成し、固定側くし状
電極を該可動側くし状電極と対向させる基台側に形成
し、平板型振動発生手段の可動側平板状電極を振動子側
に形成し、固定側平板状電極を該可動側平板状電極と対
向させて基台側に形成したことにある。
【0033】このように構成することにより、可動側く
し状電極と固定側くし状電極との間、可動側平板状電極
と固定側平板状電極との間にそれぞれ電圧を印加する
と、くし型振動発生手段には初期振動力となる静電力が
発生する。振動子がこの初期振動力によって、可動側平
板状電極と固定側平板状電極と間の距離が近づくと、平
板型振動発生手段には2つの平板状電極間で追加振動力
となる静電力が発生し、この追加振動力が振動子に加わ
る。これにより、くし型振動発生手段によって振動子に
初期振動力を与えると、平板型振動発生手段からはこの
初期振動を引き継ぐように、大きな追加振動を振動子に
与え、小さな電圧であっても振動子を大きく振動させる
ことができる。
【0034】請求項3の発明では、くし型振動発生手段
によって振動子に与える振幅は、平板型振動発生手段に
よって前記振動子に与える振幅の2/3以下となるよう
に電極間の離間寸法を設定したことにある。
【0035】このように構成することにより、まずくし
型振動発生手段によって静電力(初期振動力)が発生し
て振動子に初期振動を与え、これが起因となって平板型
振動発生手段を構成する可動側平板状電極と固定側平板
状電極との間の距離が近づくと、該平板型振動発生手段
によって発生する静電力(追加振動力)が振動子に加わ
って、振動子を大きな力で振動させる。このとき、くし
型振動発生手段による振動子の振幅を平板型振動発生手
段による振動子の振幅の2/3以下になるように離間寸
法を設定しているから、平板型振動発生手段の平板状電
極が2/3近づく前にくし型振動発生手段を接触させる
ことによって、該くし型振動発生手段を平板型振動発生
手段に対するストッパとして機能させることができる。
【0036】請求項4の発明では、平板型振動発生手段
を、可動側平板状電極の表面を三角波状に形成し、かつ
該可動側平板状電極と対向する固定側平板状電極の表面
も、三角波状に形成したことにある。
【0037】このように構成することにより、平板型振
動発生手段による各平板状電極間の有効面積を大きく確
保でき、静電力を増大させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態
を、図1ないし図4の図面に従って詳細に説明する。な
お、実施の形態では前述した従来技術と同一の構成要素
に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0039】まず、図1と図2に第1の実施例に本発明
による振動アクチュエータを用いた角速度センサを示
し、21は本実施例による角速度センサ、22は該角速
度センサ21の基台となる長方形状に形成された基板を
それぞれ示し、該基板22は例えば高抵抗なシリコン材
料によって形成されている。
【0040】23は基板22上にP,B,Sb等がドー
ピングされた低抵抗なポリシリコンまたは単結晶シリコ
ン等によって形成された可動部を示し、該可動部23は
基板22の四隅に位置して該基板22上に設けられた4
個の支持部24と、基端側が該各支持部24に固着され
て先端側が中央部に向け、X軸と平行になる部分とY軸
と平行になる部分を有するようにL字状に折曲して形成
された4本の支持梁25と、該各支持梁25の先端側に
位置してX軸とY軸方向に変位可能に、前記基板22の
表面から離間した状態で支持された棒状の振動子26と
から構成されている。
【0041】また、前記振動子26は、X軸方向に延び
る棒状に形成され、そのX軸方向の左,右両側には、
左,右に2個ずつで合計4個の可動側振動用くし状電極
27がY軸方向外側に向けて突出形成され、前記振動子
26の両端部には可動側振動用平板状電極28がY軸方
向に延びるように形成されている。また、振動子26の
中央部には、Y軸方向外側に延びる6枚の電極板29A
からなる可動側検出用くし状電極29,29が突出形成
されている。
【0042】ここで、前記各可動側振動用くし状電極2
7は、振動子26からY軸方向外側に向けて形成された
腕部27Aと、該腕部27Aに均等間隔でX軸方向外側
に向けてそれぞれ形成された7枚の電極板27Bとから
構成されている。ここで、該各可動側振動用くし状電極
27は、後述するくし型振動発生部35の可動側電極と
なる。
【0043】また、振動子26の両端部に位置した可動
側振動用平板状電極28は、後述する平板型振動発生部
36の可動側電極となる。
【0044】そして、前記可動部23は、各支持部24
のみが基板22に固着され、各支持梁25と振動子26
は前記基板22から所定間隔を離間した状態で4点支持
されている。また、各支持梁25はL字状に形成されて
いるから、Y軸に平行な部分を撓ませることにより振動
子26をX軸方向に変位させ、X軸に平行な部分を撓ま
せることにより振動子26をY軸方向に変位させること
ができる。
【0045】30,30は基板22の左,右両側位置に
固定して設けられた振動用固定部で、該各振動用固定部
30は振動子26を左,右両側に位置して略コ字状に形
成されている。また、該各振動用固定部30は後述する
固定側振動用くし状電極31を固定的に支持し、また固
定側振動用平板状電極32の一部を構成している。
【0046】31,31,…は振動用固定部30のコ字
状部先端に設けられた固定側振動用くし状電極を示し、
該各固定側振動用くし状電極31は、前記可動側振動用
くし状電極27の各電極板27Bと隙間をもって交互に
対面して前記固定部30の両側先端部に位置してY軸方
向の中央に向けて延びる腕部31Aと、該腕部31Aに
均等間隔でX軸方向内側にそれぞれ延びる6枚の電極板
31Bとからなり、該各固定側振動用くし状電極31は
くし型振動発生部35の固定側電極を構成している。
【0047】32,32は振動用固定部30のうち可動
側振動用平板状電極28と対面する平面をもって形成さ
れた固定側振動用平板状電極で、該各固定側振動用平板
状電極32は前記可動側振動用平板状電極28と平行状
態で対向し、該各固定側振動用平板状電極32は平板型
振動発生部36の固定側電極を構成している。
【0048】33,33は検出用固定部で、該各検出用
固定部33は振動子26を前,後両側で挟むように基板
22上に固定して設けられている。
【0049】34,34は固定側検出用くし状電極を示
し、該各固定側検出用くし状電極34は、前記可動側検
出用くし状電極29の各電極板29Aと隙間をもって交
互に対面するように、該各固定部33からY軸方向に突
出形成された5枚の電極板34Aから構成されている。
【0050】35,35はくし型振動発生手段となるく
し型振動発生部を示し、該くし型振動発生部35は可動
側振動用くし状電極27と固定側振動用くし状電極31
とから構成されている。ここで、該可動側のくし状電極
27の各電極板27Bと、固定側のくし状電極31の各
電極板31Bとの間にはそれぞれ等しい隙間が形成され
ている。そして、固定側のくし状電極31の電極板31
B先端と可動側のくし状電極27の腕部27Aとの間の
距離、可動側のくし状電極27の電極板27B先端と固
定側のくし状電極31の腕部31Aとの間の距離は、振
動子26の振幅を機械的に規制する離間寸法d1 に設定
されている。
【0051】ここで、くし型振動発生部35では、可動
側のくし状電極27と固定側のくし状電極31との間に
逆位相となる周波数fの正弦波または方形波からなる振
動駆動信号を印加すると、左,右に位置した各電極板2
7B,31B間には静電力が発生し、左,右に位置した
各振動発生部35で接近,離間を交互に繰り返す。これ
により、振動子26をX軸となる矢示a方向に振動させ
る。
【0052】36,36は平板型振動発生手段となる平
板型振動発生部を示し、該各平板型振動発生部36は可
動側振動用平板状電極28と固定側振動用平板状電極3
2とから構成されている。そして、可動側の平板状電極
28と固定側の平板状電極32との間は等しい離間寸法
d2 を有し、この離間寸法d2 は各振動発生部36によ
る振動子26の振幅を機械的に規制する距離に設定され
ている。
【0053】ここで、平板型振動発生部36では、可動
側の平板状電極28と固定側の平板状電極32との間に
逆位相となる周波数fの振動駆動信号を印加すると、
左,右に位置した可動側の平板状電極28と固定側の平
板状電極32との間には静電力が交互に発生し、各振動
発生部36で接近,離間を交互に繰り返す。これによ
り、振動子26をX軸をなす矢示a方向に振動させるよ
うになっている。
【0054】37,37は変位検出部を示し、該各変位
検出部37は可動側検出用くし状電極29と固定側検出
用くし状電極34とから構成されている。そして、可動
側のくし状電極29の各電極板29Aと、固定側のくし
状電極34の各電極板34Aとの間にはそれぞれ離間し
た空間が形成され、該可動側のくし状電極29と固定側
のくし状電極34は、検出用の平行平板コンデンサとな
している。従って、各変位検出部37は、Y軸方向の振
動子26の変位を、各電極板29A,34A間の有効面
積の変化を静電容量の変化として検出するものである。
【0055】次に、前記各くし型振動発生部35による
振動子26の振幅を規定する離間寸法d1 と、各平板型
振動発生部36による振動子26の振幅を規定する離間
寸法d2 との関係について説明する。
【0056】まず、くし型振動発生部35から発生する
静電力Fk は、数3のようになり、くし型振動発生部3
5は離間寸法d1 に関係なく常に一定の静電力Fk を可
動側のくし状電極27と固定側のくし状電極31との間
に発生する。
【0057】次に、平板型振動発生部36に電圧Vを印
加したときに発生する静電力Fh は、数4のようにな
り、可動側の平板状電極28と固定側の平板状電極32
との間のギャップδから振動子26の変位xを差算した
ものが実際のギャップとなるから、これを考慮すると、
静電力Fh は下記の数4のようになる。
【0058】
【数4】
【0059】また、振動子26は支持梁25を介して支
持部24に弾性的に支持されているから、可動する振動
子26には常にばね力Wが作用することになる。従っ
て、このばね力Wは、下記数5によって表わされる。
【0060】
【数5】W=kx 但し、k :ばね定数 x :変位(ばねの伸び)[0≦x≦δ]
【0061】従って、平板型振動発生部36から発生す
る数5で表わされる静電力Fh と、数5で表わされるば
ね力Wとの関係から、数6のようになる。
【0062】
【数6】 そして、数7により変位xの極限値を求めると、x=
0,δ/3となる。この時、極値δ/3を数6に代入し
て整理したときの値は数7の左辺のようになり、またば
ね力Wと静電力Fh が釣り合うための条件は、数7とな
る。
【0063】
【数7】
【0064】この数7の条件のときに、変位xは2解を
持ち、この2解のうち、大きい解よりも変位すると静電
力Fh がばね力Wに打ち勝って、各平板状電極が接触す
る。この大きい値を求めると、およそギャップδの2/
3となる。
【0065】なお、実施例においては、ギャップδは可
動側の平板状電極28と固定側の平板状電極32との離
間寸法はd2 となり、振動子26の振動に伴う実際の離
間寸法は(d2 −x)となる。
【0066】従って、平板型振動発生部36では、可動
側の平板状電極28と固定側の平板状電極32との離間
寸法d2 が2d2 /3だけ変化すると、静電力Fh がば
ね力Wより勝り、可動側の平板状電極28と固定側の平
板状電極32が接触することになる。このため、平板型
振動発生部36においては、振動子26が離間寸法d2
の2/3以上変位しないようにするストッパ機構が与え
る必要がある。
【0067】本実施例では、上述したように平板型振動
発生部36の特性を踏まえた上で、くし型振動発生部3
5による離間寸法d1 を、下記数8のように設定する。
【0068】
【数8】
【0069】これにより、くし型振動発生部35では、
平板型振動発生部36から発生する静電力Fh によっ
て、離間寸法d2 が2/3よりも変化して可動側の平板
状電極28と固定側の平板状電極32とが一気に接触し
ようとする前に、くし型振動発生部35の可動側のくし
状電極27と固定側のくし状電極31とを接触させるこ
とができ、該くし型振動発生部35は平板型振動発生部
36のストッパ機構として用いることができる。
【0070】しかも、くし型振動発生部35において
は、可動側のくし状電極27の電極板27B先端が固定
側のくし状電極31の腕部31Aに接触し、固定側のく
し状電極31の電極板31B先端が可動側のくし状電極
27の腕部27Aに接触するだけであり、その接触面積
は小さくなっているから、短絡は防止できる。
【0071】さらに、振動子26の左,右にはくし型振
動発生部35がそれぞれ配設され、該各くし型振動発生
部35には交互に振動駆動信号が印加されるため、右側
に位置したくし型振動発生部35が接触するときには、
右側に位置した振動発生部35,36への電圧は低減
し、左側に位置した振動発生部35,36への電圧は増
加しているから、右側は静電力が低減し、左側は静電力
が増加する。このため、くし型振動発生部35では、可
動側の電極板27Bと固定側の電極板31Bとの先端が
接触するかしないか程度で離間でき、電気的な短絡を防
止できる。
【0072】本実施例による角速度センサ21はこのよ
うに構成されるが、前述した従来技術と同様に、振動子
26を矢示a方向に振動させた状態で、Z軸周りの角速
度Ωが加わると、コリオリ力Fによって振動子26がF
方向に変位し、この変位を変位検出部37をなす検出用
くし状電極29,34との間の静電容量の変化として検
出することができる。従って、角速度Ωの検出動作につ
いては従来技術と変わるところはない。
【0073】然るに、本実施例では、振動子26に振動
を与える振動発生手段を、可動側のくし状電極27と固
定側のくし状電極31とからなるくし型振動発生部35
と、可動側の平板状電極28と固定側の平板状電極32
とからなる平板型振動発生部36とから構成している。
そして、くし型振動発生部35を構成する可動側のくし
状電極27と固定側のくし状電極31との間に電圧を印
加すると、該くし型振動発生部35からは振動子26の
変化に拘らず一定の静電力Fk となる初期振動力を発生
する。そして、振動子26がこの初期振動力によって、
可動側の平板状電極28と固定側の平板状電極32との
間の距離が近づくと、平板型振動発生部36には可動側
の平板状電極28と固定側の平板状電極32との間に、
離間寸法d2 の変位によって変化する静電力Fk を追加
振動力として発生し、振動子26にこの追加振動力を与
える。
【0074】これにより、くし型振動発生部35と平板
型振動発生部36に電圧を印加すると、まずくし型振動
発生部35から発生する静電力Fk (初期振動力)によ
って振動子26を変位させ、可動側の平板状電極28と
固定側の平板状電極32との離間寸法d2 を小さくす
る。このとき、平板型振動発生部36から発生する静電
力Fh (追加振動力)は、数5に示すように振動子26
の接近に伴って指数的に大きくなり、この静電力Fh に
より振動子26を矢示a方向に大きく振動させることが
できる。
【0075】しかも、平板型振動発生部36は、くし型
振動発生部35で振動子26を近づけることにより静電
力Fh を大きくし、振動子26を大きく振動させるよう
にしたから、平板型振動発生部36において振動子26
を近づけるために必要であった大きな電圧は必要なく、
小さな電圧であってもくし型振動発生部35の初期振動
力によって振動子26を容易に近づけ、その後に平板型
振動発生部36の追加振動力によって大きく振動させる
ことができる。
【0076】また、振動子26を中心として、左,右に
くし型振動発生部35と平板型振動発生部36とをそれ
ぞれ配設したから、左,右に位置したくし型振動発生部
35と平板型振動発生部36に振動駆動信号を交互に印
加することにより、振動子26の駆動力を増加させ、振
動子26をX軸方向に大きな振幅で振動させることがで
きる。
【0077】また、くし型振動発生部35の可動側のく
し状電極27と固定側のくし状電極31との離間寸法d
1 と平板型振動発生部36の振動用可動側の平板状電極
28と固定側の平板状電極32との離間寸法d2 との関
係は数8のように設定したから、この離間寸法の関係か
ら、くし型振動発生部35と平板型振動発生部36によ
り規制される振動子26の振幅を大きくすることができ
る。
【0078】しかも、振動子26がa方向に振動して平
板型振動発生部36による離間寸法d2 が2d2 /3以
上に変化しそうになったときには、くし型振動発生部3
5では、可動側のくし状電極27の電極板27B先端が
固定側のくし状電極31の腕部31Aに接触し、固定側
のくし状電極31の電極板31B先端が可動側のくし状
電極27の腕部27Aに接触し、振動子26の変位を規
制することができる。
【0079】これにより、平板型振動発生部36に対し
ては、可動側の平板状電極28と固定側の平板状電極3
2とが一気に接触するのを防止でき、短絡を防止できる
と共に、可動部23等の破損を防止できる。
【0080】かくして、本実施例による角速度センサ2
1では、小さな電圧で振動子26をX軸方向に大きく振
動させることにより、前記数1と数2に示すように、振
動子26に加わるコリオリ力Fを大きくし、さらに振動
子26のY軸方向の変位を大きくして、Z軸周りに加わ
る角速度Ωを高精度に検出することができる。
【0081】次に、図3と図4に本発明による第2の実
施例を示すに、本実施例の特徴は、くし状電極のくし型
振動発生手段を振動子の両側に4個ずつ配設し、平板型
振動発生手段をなす平板状電極の表面形状を三角波状の
凹凸状に形成したことにある。なお、本実施例では前述
した第1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0082】41は本実施例による角速度センサ、42
は該角速度センサ41の基台となる長方形状に形成され
た基板をそれぞれ示し、該基板42は例えば高抵抗なシ
リコン材料によって形成されている。
【0083】43は基板22上にP,B,Sb等がドー
ピングされた低抵抗なポリシリコンまたは単結晶シリコ
ン等によって形成された可動部を示し、該可動部43は
基板42の四隅に位置して該基板42上に設けられた4
個の支持部44と、基端側が該各支持部44に固着され
て先端側が中央部に向き、X軸と平行になる部分とY軸
と平行になる部分を有するようにL字状に折曲して形成
された4本の支持梁45と、該各支持梁45の先端側に
位置してX軸とY軸方向に変位可能に、前記基板42の
表面から離間した状態で支持された棒状の振動子46と
から構成されている。
【0084】ここで、前記振動子46は、X軸方向に延
びる棒状に形成され、そのX軸方向の左,右両側には、
左,右に4個ずつで合計8個の可動側振動用くし状電極
47がY軸方向外側に向けて突出形成され、前記振動子
46の両端部には可動側振動用平板状電極48がY軸方
向に延びるように形成されている。また、前記振動子4
6の中央部には、Y軸方向外側に延びる8個の可動側検
出用くし状電極49が突出形成されている。
【0085】また、前記各可動側振動用くし状電極47
は、振動子46からY軸方向外側に向けて形成された腕
部47Aと、Y軸方向に延びる該腕部47Aに均等間隔
でX軸方向外側に向けてそれぞれ形成された7枚の電極
板47Bとから構成されている。ここで、該各可動側振
動用くし状電極47は、後述するくし型振動発生部55
の可動側電極を構成している。
【0086】また、振動子46の両端部に位置した前記
可動側振動用平板状電極48は、その側面が三角波状の
凹凸状に形成され、後述する平板型振動発生部56の可
動側電極を構成している。
【0087】さらに、前記各可動側検出用くし状電極4
9は、振動子46からY軸方向外側に向けて形成された
腕部49Aと、Y軸方向に延びる該各腕部49Aに均等
間隔でX軸方向に向けてそれぞれ形成された6枚の電極
板49Bとからなる。ここで、該各可動側検出用くし状
電極49は後述する変位検出部57の可動側電極を構成
している。
【0088】そして、可動部43は各支持部44のみが
基板42に固着され、各支持梁45と振動子46は前記
基板42から所定間隔を離間した状態で4点支持されて
いる。また、各支持梁45はL字状に形成されているか
ら、Y軸に平行な部分を撓ませることにより振動子46
をX軸方向に変位させ、X軸に平行な部分を撓ませるこ
とにより振動子46をY軸方向に変位させることができ
る。
【0089】50,50は基板42の左,右力側位置に
固定して設けられた振動用固定部で、該各振動用固定部
50は振動子46を左,右両側に位置した略コ字状に形
成されている。そして、この振動用固定部50は後述の
固定側振動用くし状電極51を固定的に支持し、また固
定側振動用平板状電極52の一部を構成している。
【0090】51,51,…は振動用固定部50のコ字
状部先端に設けられた固定側振動用くし状電極を示し、
該各固定側振動用くし状電極51は、前記可動側振動用
くし状電極47の各電極板47Bと隙間をもって交互に
対面して前記固定部50の両側先端部に位置してY軸方
向の中央に向けて延びる腕部51Aと、該腕部51Aに
均等間隔でX軸方向内側にそれぞれ延びる6枚の電極板
51Bとからなり、該各固定側振動用くし状電極51は
くし型振動発生部55の固定側電極を構成している。
【0091】52,52は振動用固定部50のうち可動
側振動用平板状電極48と対面する平面をもって形成さ
れた固定側振動用平板状電極で、該各固定側振動用平板
状電極52は前記可動側振動用平板状電極48と平行状
態で対向し、それぞれその表面は三角波状に形成されて
いる。また、該各固定側振動用平板状電極52は平板型
振動発生部56の固定側電極を構成している。
【0092】53,53は検出用固定部で、該各検出用
固定部53は振動子46を前,後両側で挟むように基板
42上に固定して設けられている。
【0093】54,54,…は固定側検出用くし状電極
を示し、該各固定側検出用くし状電極54は、各検出用
固定部53からY軸方向の中央に向けて延びる4本の腕
部54Aと、該腕部54Aに均等間隔でX軸方向内側に
それぞれ延びる6枚の電極板54Bとからなり、該各固
定側検出用くし状電極54は変位検出部57の固定側電
極を構成している。
【0094】55,55,…はくし型振動発生手段とな
るくし型振動発生部を示し、該各振動発生部55は可動
側振動用くし状電極47と固定側振動用くし状電極51
とから構成されている。ここで、該可動側のくし状電極
47の各電極板47Bと、固定側のくし状電極51の各
電極板51Bとの間にはそれぞれ等しい隙間が形成され
ている。そして、固定側のくし状電極51の電極板51
B先端と可動側のくし状電極47の腕部47Aとの間の
距離、可動側のくし状電極47の電極板47B先端と固
定側のくし状電極51の腕部51Aとの間の距離、振動
子46の振幅を機械的に規制する離間寸法d3 に設定さ
れている。
【0095】ここで、くし型振動発生部55では、可動
側のくし状電極47と各固定側のくし状電極51との間
に逆位相となる周波数fの正弦波または方形波からなる
振動駆動信号を印加すると、前,後に位置した各電極板
47B,51B間には静電力が発生し、左,右に位置し
た各振動発生部55で接近,離間を交互に繰り返す。こ
れにより、振動子46をX軸となる矢示a方向に振動さ
せる。
【0096】56,56は平板型振動発生手段となる平
板型振動発生部を示し、該各平板型振動発生部56は可
動側振動用平板状電極48と固定側振動用平板状電極5
2とから構成されている。そして、可動側の平板状電極
48と固定側の平板状電極52との間は等しい離間寸法
d4 を有し、この離間寸法d4 は各振動発生部56によ
る振動子46の振幅を機械的に規制する距離に設定され
ている。
【0097】ここで、平板型振動発生部56では、可動
側の平板状電極48と固定側の平板状電極52との間に
逆位相となる周波数fの振動駆動信号を印加すると、
左,右に位置した可動側の平板状電極48,52間には
静電力が交互に発生し、各振動発生部56で接近,離間
を交互に繰り返す。これにより、振動子46をX軸をな
す矢示a方向に振動させるようになっている。
【0098】57,57,…は変位検出手段となる変位
検出部を示し、該各変位検出部57は可動側のくし状電
極49と固定側のくし状電極54とから構成されてい
る。そして、該可動側のくし状電極49の各電極板49
Bと固定側のくし状電極54の各電極板54Bとの間に
はそれぞれ離間した空間が形成され、該可動側のくし状
電極49と固定側のくし状電極54は検出用の平行平板
コンデンサをなしている。従って、変位検出部57は、
Y軸方向の振動子46の変位を各電極板49B,54B
間の有効面積の変化、即ち静電容量の変化として検出す
るものである。
【0099】ここで、前記各くし型振動発生部55によ
る振動子46の振幅を規定する離間寸法d3 と、各平板
型振動発生部56による振動子46の振幅を規定する離
間寸法d4 との関係については、前述した第1の実施例
と同様に、下記数9のように設定されている。
【0100】
【数9】
【0101】本実施例による角速度センサ41はこのよ
うに構成されるが、前述した第1の実施例と同様に、振
動子46を矢示a方向に振動させた状態で、Z軸周りの
角速度Ωが加わると、コリオリ力Fによって振動子46
がF方向に変位し、この変位を変位検出部57をなす可
動側のくし状電極49と固定側のくし状電極54との間
の静電容量の変化として検出することができる。
【0102】また、第2の実施例においても、第1の実
施例と同様に、各くし型振動発生部55から発生する初
期振動力で振動子46を変位させ、平板型振動発生部5
6では離間寸法d4 を小さくすることにより、該平板型
振動発生部56から発生する静電力Fh (追加振動力)
を大きくし、振動子46を矢示a方向に大きく振動させ
ることができる。これにより、角速度センサ41の検出
感度を高めることができる。
【0103】しかも、くし型振動発生部55の離間寸法
d3 と平板型振動発生部56のd4との関係を、数9の
ように設定することにより、各くし型振動発生部55
は、平板型振動発生部56から発生する静電力Fh によ
って、離間寸法d4 が2/3よりも変位して振動側の平
板状電極48と固定側の平板状電極52とが接触する前
に、各くし型振動発生部55を構成する振動用のくし状
電極47と固定側のくし状電極51とを接触させて、平
板型振動発生部56のストッパとして使用することがで
き、振動発生部56,支持梁45等の破損を防止するこ
とができる。
【0104】また、くし状電極からなるくし型振動発生
部55の個数を左,右に4個ずつ配設し、平板状電極か
らなる平板型振動発生部56を構成する可動側の平板状
電極48と固定側の平板状電極52との表面を三角波状
にしたから、各くし型振動発生部55による静電力Fk
と平板型振動発生部56による静電力Fh とを大きく
し、振動子46における振幅を大きくして、角速度セン
サ41の検出感度をより高めることができる。
【0105】なお、第1実施例の平板型振動発生部36
に第2実施例による平板状電極の表面を三角波状にした
平板型振動発生部56を用いてもよく、逆に第2の実施
例による平板型振動発生部56に平板状電極の表面を平
面とした平板型振動発生部36を用いてもよい。
【0106】また、第2の実施例では、くし型振動発生
部55を左,右に4個ずつ配設したが、これに限らず、
左,右に2個、6個,…を設けるようにしてもよく、変
位検出部57においても上,下に4個ずつ配設したが、
上,下に1個,2個,3個,…を設けるようにしてもよ
いことは勿論である。
【0107】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の本発明に
よれば、振動子を所定軸方向に変位させるための振動発
生手段を、振動子の所定軸方向に初期振動力をもって振
動を与えるくし型振動発生手段と、該くし型振動発生手
段によって振動子に初期振動を与えている状態で、振動
子に追加振動力をもって振動を与える平板型振動発生手
段とから構成したから、くし型振動発生手段と平板型振
動発生手段に同じ電圧を印加すると、まずくし型振動発
生手段によって発生する静電力が初期振動力として発生
し、この初期振動によって、可動側平板状電極と固定側
平板状電極との間の距離を近づける。このように、くし
状振動発生手段によって振動子に初期振動を与えると、
平板型振動発生手段がこの初期振動を引き継ぐように、
大きな追加振動を振動子に与え、小さな電圧であっても
振動子を大きく振動させることができる。従って、角速
度センサの振動子を振動させる振動アクチュエータに用
いた場合には、小さな電圧で振動子を大きく振動させる
ことにより、角速度の検出感度を高めることができる。
【0108】請求項2の発明では、くし型振動発生手段
の可動側くし状電極を振動子側に形成し、固定側くし状
電極を基台側に形成し、平板型振動発生手段の可動側平
板状電極を振動子側に形成し、固定側平板状電極を基台
側に形成したから、可動側くし状電極と固定側くし状電
極との間、可動側平板状電極と固定側平板状電極との間
に電圧を印加すると、くし型振動発生手段をなすくし状
電極間には、初期振動力となる静電力が発生し、可動側
平板状電極と固定側平板状電極との間の距離が近づく。
これにより、平板型振動発生手段では、振動子に追加振
動力を与え、振動子を大きく振動させる。これにより、
小さな電圧であっても振動子を大きく振動させることが
できる。
【0109】請求項3の発明では、くし型振動発生手段
による振動子の振幅を、平板型振動発生手段による振動
子の振幅の2/3以下となるように電極間の離間寸法を
設定したから、平板型振動発生手段によって発生する静
電力で振動子を引き寄せるとき、くし型振動発生手段に
よるくし状電極を接触させて、平板型振動発生手段によ
る平板状電極の接触を防止できる。
【0110】請求項4の発明では、平板型振動発生手段
を構成する可動側平板状電極の表面と固定側平板状電極
の表面を、三角波状に形成したから、平板型振動発生手
段による各平板状電極間の有効面積を大きく確保でき、
静電力を増大でき、振動子をより大きく振動させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例による角速度センサを示す平面図
である。
【図2】図1中の振動発生部を示す要部拡大図である。
【図3】第2の実施例による角速度センサを示す平面図
である。
【図4】図3中の振動発生部を示す要部拡大図である。
【図5】従来技術による角速度センサを示し斜視図であ
る。
【図6】従来技術による角速度センサを示す平面図であ
る。
【符号の説明】
21,41 角速度センサ 22,42 基板(基台) 23,43 可動部 26,46 振動子 27,47 可動側振動用くし状電極 28,48 可動側振動用平板状電極 31,51 固定側振動用くし状電極 32,52 固定側振動用平板状電極 35,55 くし型振動発生部(くし型振動発生手段) 36,56 平板型振動発生部(平板型振動発生手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台上に位置して該基台に水平な所定軸
    方向に振動可能に設けられた振動子と、可動側くし状電
    極と固定側くし状電極とによって構成され、該振動子を
    所定軸方向に初期振動力をもって振動を与えるくし型振
    動発生手段と、可動側平板状電極と固定側平板状電極と
    によって構成され、該くし型振動発生手段によって前記
    振動子に初期振動を与えている状態で、前記振動子に追
    加振動力をもって振動を与える平板型振動発生手段とか
    ら構成してなる静電型振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記くし型振動発生手段の可動側くし状
    電極は振動子側に形成し、固定側くし状電極は該可動側
    くし状電極と対向させる基台側に形成し、前記平板型振
    動発生手段の可動側平板状電極は振動子側に形成し、固
    定側平板状電極は該可動側平板状電極と対向させる基台
    側に形成してなる請求項1記載の静電型振動アクチュエ
    ータ。
  3. 【請求項3】 前記くし型振動発生手段によって振動子
    に与える振幅は、前記平板型振動発生手段によって前記
    振動子に与える振幅の2/3以下となるように電極間の
    離間寸法を設定してなる請求項1または2記載の静電型
    振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記平板型振動発生手段は、可動側平板
    状電極の表面を三角波状に形成し、かつ該可動側平板状
    電極と対向する固定側平板状電極の表面も、三角波状に
    形成してなる請求項1,2または3記載の静電型振動ア
    クチュエータ。
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KR100379206B1 (ko) * 2000-06-02 2003-04-08 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 감도가 향상된 정전용량형 외력 검출 장치
US6568267B2 (en) 2000-05-22 2003-05-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Sensing device and sensor apparatus
JP2007017224A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Sharp Corp ジャイロセンサ
JP2017166974A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 株式会社東芝 角速度取得装置及び角速度取得用の電子部品

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