JPH0854240A - 角速度センサおよび角速度検出装置 - Google Patents

角速度センサおよび角速度検出装置

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JPH0854240A
JPH0854240A JP6191654A JP19165494A JPH0854240A JP H0854240 A JPH0854240 A JP H0854240A JP 6191654 A JP6191654 A JP 6191654A JP 19165494 A JP19165494 A JP 19165494A JP H0854240 A JPH0854240 A JP H0854240A
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Hiroyoshi Suzuki
尋善 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い駆動電圧でも検出感度を高くでき、駆動
による角速度検出誤差をなくし、これを簡単な構造にて
実現可能にする。 【構成】 振動片2の水平方向の振動に対し相互に重な
り合う面積が不変な駆動電極4,5と、振動片2の水平
方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する対の
検出電極6a,7a、6b,7bとを備え、上記振動片
2を振動させた時の上記各対の検出電極6a,7a、6
b,7b間の容量差の上記周波数成分より上記振動片2
の軸線回りの角速度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体プロセス等に
より形成した微小の振動片を振動させ、この振動片に加
わる角速度を、この振動片に生ずる変形により検出する
振動ジャイロ方式の角速度センサおよび角速度検出装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図43は例えば特開昭62−93668
号公報に示された従来の振動ジャイロ方式の角速度セン
サを示す分解斜視図であり、図において、60は基板、
61,62は基板60の一部に形成された平板状の振動
片、63,64は同じく基板60の一部に、この基板6
0の基部と各振動片61,62とを結ぶよう形成された
支持片、65,66は基板60を挟持して接着される電
極板、67a,67bは各々電極板65,66上に形成
された駆動電極、68a,69aは電極板65上に、6
8b,69bは電極板66上に形成された検出電極であ
る。
【0003】基板60はシリコン単結晶ウエハから切り
出された基板であり、その振動片61,62および支持
片63,64は基板60からエッチング等の2次元的加
工方法により切り出されて形成される。支持片63,6
4は細いビーム状に形成されてX方向およびY方向に所
定の曲げ剛性をもたせている。
【0004】駆動電極67a,67bは振動片61,6
2を挟み、振動片61,62の向かい合った側端部から
等しい面積を覆うように対向配置され、検出電極68
a,68bは振動片61を挟み、振動片61により電極
が覆われるように対向配置され、検出電極69a、69
bは振動片62を挟み、振動片62により電極が覆われ
るように対向配置されている。
【0005】図44は上記角速度センサを用いた角速度
検出装置を示す接続図であり、図において、71は振動
片61,62に接続された定電圧回路、72は駆動電極
67a,67bに接続された駆動回路、73,74は各
々検出電極68a,68bおよび振動片61間の静電容
量を各々電圧V1,V2に変換する電圧変換回路、7
5,76は各々検出電極69b,69aおよび振動片6
2間の静電容量を各々電圧V3,V4に変換する電圧変
換回路である。
【0006】次に動作について説明する。駆動電極67
a,67bおよび振動片61,62間に電圧を印加する
と、振動片61,62は静電力によりY方向に互いに逆
向きに駆動電極の中心に向かい引き寄せられる。従っ
て、駆動回路72より駆動電極67a,67bに角周波
数ωの交番電圧を印加すると振動片61,62はY方向
に互いに逆向きに振動する。
【0007】振動片61(62)の共振周波数ω0 は振
動片61(62),支持片63(64)の形状,質量お
よび支持片63(64)のY方向曲げ剛性によりきま
り、共振時、上記交番電圧の角周波数はω0 /2とな
る。この状態でXY平面に垂直なZ軸回りに角速度Ωが
生じると、振動している振動片61,62に角速度Ωに
比例したコリオリ力FcがX方向に作用する。
【0008】この場合駆動電圧による振動片61(6
2)の駆動時のY方向変位は、Y=a(k1,k2)si
n ω0 tとなる。ここで、k1は支持片63(64)の
バネ剛性,等価長等により決まる定数であり、k2は駆
動電圧Vo,駆動電極間の距離D,振動片の厚さT,断
面積S等で決まる定数である。最大振幅を決める係数a
はこれらのVo,T/D,Sが大きいほど、またDが小
さいほど大きくなる。
【0009】また、上記式より振動片のY方向の速度v
Y は、vY =aω cos ω0tとなり、振動片61(6
2)と支持片63(64)を合わせた等価質量をmとす
ると、コリオリ力Fcは、Fc=2mΩ×vY =2ma
ω cos3 ω0t ・Ωとなり、コリオリ力Fcにより振動
片61(62)はX方向に振動し、その振幅は角速度Ω
に比例する。
【0010】かかるX方向の振動により振動片61(6
2)および検出電極68a(69a),68b(69
b)間の距離が変化するため、かかる距離変化による静
電容量変化を、各電圧変換回路73,74,75,76
の電圧V1,V2,V3,V4で測定することにより角
速度Ωを求める。
【0011】ここで、振動片61,62のY軸方向への
振動は互いに逆向きであるから、コリオリ力Fcによる
X軸方向への振動も図22の如く互いに逆向きとなり、
図示の状態、即ち振動片61が検出電極68bに近いと
き、振動片62は対岸の検出電極69aに近くなり、電
圧V2,V4が増加し、電圧V1,V3が低下する。
【0012】従って、両辺の電圧差を差し引いた電圧Δ
Vは、ΔV=(V2−V1)−(V3−V4)となり、
このΔVは角速度Ωに比例した値となる。かかるΔVは
コリオリ力Fcに比例し、上記Fcの式に示す如く係数
aに比例するため、前述と同様Vo,T/D,Sが大き
いほど、またDが小さいほど大きくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の角速度センサは
以上のように構成されているので、駆動電圧に対するY
方向の静電力が小さいため、駆動電圧/角速度検出感度
比が大きく、十分な検出感度を得るためには駆動電圧を
高くとらねばならないなどの問題点があった。
【0014】また、検出感度を上げるためには、振動片
61(62)の厚さを大きくしたり、その断面積を大き
くすることも考えられるが、振動片61(62)を薄膜
等で形成することが不可能であるなどの問題点があっ
た。
【0015】さらに、コリオリ力Fcにより振動片61
(62)がX方向に振動することにより、駆動電極67
a,67bと振動片61(62)との距離が変わるた
め、振動片61(62)と駆動電極67a,67b間の
静電力の差ΔFが振動片61(62)にかかり、X方向
のコリオリ力Fcに、静電力差ΔFが重畳することによ
り、角速度検出誤差が大きくなるなどの問題点があっ
た。
【0016】さらに、振動片61(62)を各電極間で
挟んだ構成のため構造が複雑となるなどの問題点があっ
た。
【0017】請求項1の発明は上記のような問題点を解
消するためになされたもので、低い駆動電圧でも検出感
度が高くとれ、しかも駆動による角速度検出誤差を生じ
ない、簡単な構造の角速度センサを得ることを目的とす
る。
【0018】請求項2の発明は片持梁基部の振動を抑え
て、片持梁先部との振動モードの分離を行えるととも
に、片持梁の寸法設計の自由度を高めることができる角
速度センサを得ることを目的とする。
【0019】請求項3の発明は検出電極のX軸方向変位
を大きくして、角速度検出感度をさらに向上できる角速
度センサを得ることを目的とする。
【0020】請求項4の発明は電極数を少なくして、配
線の容易化,電極形成時のマスキングの単純化およびリ
ード間の浮遊容量の低減を図ることができる角速度セン
サを得ることを目的とする。
【0021】請求項5の発明は支持片における片持梁の
弾性支持により検出電極による変位検出を高感度に行う
ことができる角速度センサを得ることを目的とする。
【0022】請求項6の発明は衝撃に対して機械的強度
を高めることができる角速度センサを得ることを目的と
する。
【0023】請求項7の発明は支持片を通る検出電極部
からのリードの本数を少なくでき、配線の単純化および
電極形成時のマスキングの単純化を図ることができ、か
つ上記リード間の浮遊容量の低減を図ることができる角
速度センサを得ることを目的とする。
【0024】請求項8の発明は水平軸回りの2軸の角速
度を同時に検出できる角速度センサを得ることを目的と
する。
【0025】請求項9の発明は水平軸回りの2軸の角速
度を同時に検出できるほか、電極面積を広くとってS/
N比の向上を図ることができる角速度センサを得ること
を目的とする。
【0026】請求項10の発明は検出電極と駆動電極と
の共通化により、リードの本数の削減,配線およびマス
キングの単純化さらには上記リード間の浮遊容量の低減
を図ることができる角速度センサを得ることを目的とす
る。
【0027】請求項11の発明は振動片の形状で決まる
共振周波数を適切に調整できる角速度センサを得ること
を目的とする。
【0028】請求項12の発明は小形の角速度センサを
用いて、低い駆動電圧でも検出感度が高くとれ、しかも
駆動による角速度検出誤差を生じないで、より角速度を
高精度に演算出力することができる簡単な構造の角速度
検出装置を得ることを目的とする。
【0029】請求項13の発明は片持梁基部の振動を抑
えて、片持梁先部との振動モードの分離を行えるととも
に、片持梁の寸法設計の自由度を高めることができ、し
かも角速度演算を高精度に実施できる角速度検出装置を
得ることを目的とする。
【0030】請求項14の発明は電極数を少なくして、
配線の容易化,電極形成時のマスキングの単純化および
リード間の浮遊容量の低減を図りながら、演算によって
角速度検出を高精度に実施できる角速度検出装置を得る
ことを目的とする。
【0031】請求項15の発明は水平軸回りの2軸の角
速度を同時に検出しながら、所期の角速度演算を高精度
に実施できる角速度検出装置を得ることを目的とする。
【0032】請求項16の発明は水平軸回りの2軸の角
速度を同時に検出し、電極面積を広くしてS/N比の向
上を図るとともに、角速度演算を高精度に実施できる角
速度検出装置を得ることを目的とする。
【0033】請求項17の発明は低い駆動電圧でも検出
感度を高くとることができるとともに、駆動による角速
度検出誤差の発生を抑えることができる角速度センサを
得ることを目的とする。
【0034】請求項18の発明は検出電極間における静
電容量の変化量を高感度に検知できる角速度センサを得
ることを目的とする。
【0035】請求項19の発明は振動片の機械的支持強
度を高めることができる角速度センサを得ることを目的
とする。
【0036】請求項20の発明は片持梁基部のX軸方向
の振動を抑え、振動モードを分離可能にできるととも
に、片持梁の寸法設計上の自由度を高めることができる
角速度センサを得ることを目的とする。
【0037】請求項21の発明は矩形の振動片と4対の
検出電極を用いて水平軸回りの2軸の角速度を同時に検
出できる角速度センサを得ることを目的とする。
【0038】請求項22の発明は水平軸回りの2軸の角
速度を同時に検出できるほか、電極面積を広くとって、
S/N比の向上を図れる角速度センサを得ることを目的
とする。
【0039】請求項23の発明は振動片の形状で決まる
共振周波数を適切に調整できる角速度センサを得ること
を目的とする。
【0040】請求項24の発明は検出電極の共通化によ
り、該検出電極のマスクパターンの単純化およびリード
線数の削減を図ることができる角速度センサを得ること
を目的とする。
【0041】請求項25の発明は駆動振幅に対する駆動
電力を小さくすることで、振動片を薄くまたは小さくし
ても角速度検出感度を上げることができ、しかも角速度
を正確に検出できる角速度検出装置を得ることを目的と
する。
【0042】請求項26の発明は駆動振幅に対する駆動
電力を小さくすることで、振動片を薄くまたは小さくし
ても角速度検出感度を上げることができ、しかも角速度
を正確に検出できるとともに、2軸の上記角速度検出を
検出誤差を生じることなく同時かつ正確に行うことがで
きる角速度検出装置を得ることを目的とする。
【0043】請求項27の発明はS/N比の高い角速度
検出を検出誤差を生じることなく実施できる角速度検出
装置を得ることを目的とする。
【0044】請求項28の発明は細長の振動板を用いて
角速度検出感度/駆動電圧の比を大きくとり、正確な角
速度検出を実現できる角速度センサを得ることを目的と
する。
【0045】請求項29の発明は角速度検出処理の簡素
化と、電極数の削減を図り、かつマスクパターンの単純
化を実現できる角速度センサを得ることを目的とする。
【0046】請求項30の発明は圧電素子の電極の共通
化により、この圧電素子の電極数を削減および接続回路
の簡素化を実現できる角速度センサを得ることを目的と
する。
【0047】請求項31の発明は圧電素子の圧電膜中に
中性領域を作らずに、圧電素子の面積あたりの電気機械
変換効率を上げて、検出感度の向上を図ることができる
角速度センサを得ることを目的とする。
【0048】請求項32の発明は検出電極間における静
電容量の変化量を高感度に検知できる角速度センサを得
ることを目的とする。
【0049】請求項33の発明は振動片の機械的支持強
度を高めることができる角速度センサを得ることを目的
とする。
【0050】請求項34の発明は振動片の基部が軸方向
に振動するのを抑えることで、振動モードの分離を可能
にし、これにより片持梁としての寸法設計自由度を高く
とることができる角速度センサを得ることを目的とす
る。
【0051】請求項35の発明は片持梁としての振動片
の水平方向の実質剛性を下げることで、検出感度を著し
く向上できる角速度センサを得ることを目的とする。
【0052】請求項36の発明は圧電素子の振動により
生じる振動片の垂直方向振動を各対の検出電極の垂直方
向変位による容量和の変化により求めて、この容量和変
化の周波数成分から上記振動片の幅方向の中心軸回りの
角速度を求めることができる角速度検出装置を得ること
を目的とする。
【0053】請求項37の発明は検出電極の対向面積が
不変の場合でも、振動片の幅方向の中心軸回りの角速度
を求めることができる角速度検出装置を得ることを目的
とする。
【0054】請求項38の発明は1対の検出電極間の容
量和および容量差の比から、振動片の水平方向屈曲振動
の振動速度を所定値に維持することができる角速度検出
装置を得ることを目的とする。
【0055】請求項39の発明は圧電素子の制動アドミ
ッタンスと圧電素子に印加される電圧,電流とを用い
て、振動片の水平方向の振動速度を所定値に維持するこ
とができる角速度検出装置を得ることを目的とする。
【0056】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る角
速度センサは、振動片とこれに対向する基板に設けられ
て、上記振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合
う面積が不変な1対の駆動電極と、上記振動片の上記水
平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が相互に変化
する少なくとも2対の検出電極とを設けたものである。
【0057】請求項2の発明に係る角速度センサは、基
板に固定された保持部を有し、該保持部以外では上記基
板に対向して近接配置され、かつ上記基板面に対し水平
方向に曲げ変形する支持片を中途に有すると共に該支持
片より保持部側で上記基板面に対し垂直方向に曲げ変形
する片持梁と、上記保持部側における上記片持梁とこれ
に対向する位置の上記基板にそれぞれ設けられた1対の
駆動電極と、上記支持片より先端部側の上記片持梁およ
びこれに対向する位置の上記基板にそれぞれ設けられ、
上記先端部側の水平方向の振動に対し相互に重なり合う
面積が変化する少なくとも2対の検出電極とを設けたも
のである。
【0058】請求項3の発明に係る角速度センサは、検
出電極を駆動電極に対して振動片または片持梁の先端部
側に配置したものである。
【0059】請求項4の発明に係る角速度センサは、振
動片とこれに対向する基板との間に、上記振動片の水平
方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する2対
の駆動検出電極を設けたものである。
【0060】請求項5の発明に係る角速度センサは、振
動片を片持梁とし、支持片をその片持梁の一端または途
中に該片持梁の軸線方向に設けたものである。
【0061】請求項6の発明に係る角速度センサは、振
動片を両持梁とし、支持片をその両持梁の両端にこれの
軸線方向に設け、駆動電極および検出電極、または駆動
検出電極を上記両持梁の幅方向の中心垂直面に対し対称
に配置したものである。
【0062】請求項7の発明に係る角速度センサは、振
動片または両持梁に形成される複数の検出電極、および
これらに対応して基板側に形成される複数の検出電極の
いずれかを共通検出電極としたものである。
【0063】請求項8の発明に係る角速度センサは、基
板に固定された保持部を有し、該保持部以外では上記基
板に対向して近接配置され、かつ該基板面に対し垂直方
向に曲げ変形する矩形の振動片と、該矩形の振動片の各
角部に設けられ、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形
する支持片と、上記矩形の振動片およびこれに対向する
上記基板にそれぞれ設けられて、上記矩形の振動片の上
記水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が不変な
駆動静電容量部と、上記矩形の振動片の上記水平方向の
振動に対し相互に重なり合う面積が相互に変化する2水
平軸方向の4対の検出電極とを設けたものである。
【0064】請求項9の発明に係る角速度センサは、矩
形の振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面
積が変化する、上記矩形の振動片の中心軸に対し点対称
となる4つの駆動検出電極を設けたものである。
【0065】請求項10の発明に係る角速度センサは、
振動片または両持梁に形成される駆動電極および検出電
極、およびこれらに対応して基板側に形成される駆動電
極および検出電極の少なくともいずれか一方を共通電極
としたものである。
【0066】請求項11の発明に係る角速度センサは、
振動片上面の一部に共振周波数を調整する重錘を設けた
ものである。
【0067】請求項12の発明に係る角速度検出装置
は、振動片およびこれに対向する基板に設けられて、上
記振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積
が不変な1対の駆動電極と、上記振動片の上記水平方向
の振動に対し相互に重なり合う面積が相互に変化する少
なくとも2対の検出電極とを設けて、上記振動片を垂直
方向に共振周波数近傍で振動させた時の、上記各検出電
極間の容量差の上記周波数成分より、角速度検出回路に
よって上記振動片の軸線回りの角速度を検出するように
したものである。
【0068】請求項13の発明に係る角速度検出装置
は、基板に固定された保持部を有し、該保持部以外では
上記基板に対向して近接配置され、かつ該基板面に対し
水平方向に曲げ変形する支持片を中途に有すると共に該
支持片より保持部側で上記基板面に対し主に垂直方向に
曲げ変形する片持梁と、上記保持部側における上記片持
梁およびこれに対向する位置の上記基板にそれぞれ設け
られた1対の駆動電極と、上記支持片より先端部側の上
記片持梁およびこれに対向する位置の上記基板にそれぞ
れ設けられ、上記先端部側の水平方向の振動に対し相互
に重なり合う面積が相互に変化する少なくとも2対の検
出電極とを設けて、上記片持梁を垂直方向に共振周波数
近傍で振動させた時の、上記各検出電極間の容量差の上
記周波数成分より、角速度検出回路に上記片持梁の軸線
回りの角速度を検出させるようにしたものである。
【0069】請求項14の発明に係る角速度検出装置
は、振動片およびこれに対向する基板との間に、上記振
動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変
化する2対の駆動検出電極を設け、該2対の駆動検出電
極を同相駆動して上記振動片を垂直方向に共振周波数近
傍で振動させた時の、上記2対の駆動検出電極間の容量
差の上記周波数成分より、角速度検出回路によって上記
振動片の軸線回りの角速度を検出させるようにしたもの
である。
【0070】請求項15の発明に係る角速度検出装置
は、基板に固定された保持部を有し、該保持部以外では
上記基板に対向して近接配置され、該基板面に対し垂直
方向に曲げ変形する矩形の振動片と、該矩形の振動片の
各角に設けられて、上記基板面に対し水平方向に曲げ変
形する支持片と、上記矩形の振動片およびこれに対向す
る上記基板にそれぞれ設けられて、上記矩形の振動片の
上記水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が不変
な駆動電極と、上記矩形の振動片の上記水平方向の振動
に対し相互に重なり合う面積が相互に変化する2水平軸
方向の4対の検出電極とを設けて、上記各対の検出電極
間の容量差の上記周波数成分より、角速度検出回路に上
記矩形の振動片の各水平軸回りの角速度を検出させるよ
うにしたものである。
【0071】請求項16の発明に係る角速度検出装置
は、矩形の振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり
合う面積が変化する、上記矩形の振動片の中心軸に対し
点対称となる4対の駆動検出電極を設け、該各駆動検出
電極を同相駆動して、上記矩形の振動片を垂直方向に共
振周波数近傍で振動させた時の、水平軸方向の2対の駆
動検出電極の容量和を一組とした各組の容量差の上記周
波数成分より、角速度検出回路に上記矩形の振動片の各
水平軸回りの角速度を検出させるようにしたものであ
る。
【0072】請求項17の発明に係る角速度センサは、
振動片の片面に設けられ、該振動片を水平方向に伸縮変
位するよう分極された圧電素子を有し、上記振動片下面
と基板に、上記振動片の水平方向の振動に対し相互に重
なり合う面積が変化する少なくとも2対の検出電極を設
けたものである。
【0073】請求項18の発明に係る角速度センサは、
支持片を振動片の片持支持側に設けると共に、検出電極
を上記振動片の自由端側に設けたものである。
【0074】請求項19の発明に係る角速度センサは、
支持片を振動片の両持支持側に設けると共に、検出電極
を上記振動片の幅方向の中心垂直面に対し対称に設けた
ものである。
【0075】請求項20の発明に係る角速度センサは、
支持片を振動片の中途に設けると共に、圧電素子を上記
支持片より保持部側の上記振動片に設け、検出電極を上
記支持片より先端部側の、上記振動片の幅方向の中心垂
直面に対して対称に配置したものである。
【0076】請求項21の発明に係る角速度センサは、
基板に固定された保持部を有し、該保持部以外では上記
基板の片面に対向して近接配置され、かつ該基板面に対
し主に垂直方向に曲げ変形する矩形の振動片と、該矩形
の振動片の各角部に設けられ、上記基板面に対し水平方
向に変形する支持片と、上記矩形の振動片の片面に設け
られこれの中心から周囲方向に伸縮変位するよう分極さ
れた圧電素子とを設け、上記矩形の振動片および上記基
板に、それぞれ上記矩形の振動片の各水平方向の振動に
対し各水平方向に相互に重なり合う面積が変化する2水
平軸方向の4対の検出電極を設けたものである。
【0077】請求項22の発明に係る角速度センサは、
矩形の振動片の水平軸方向の振動に対し相互に重なり合
う面積が変化する、上記矩形の振動片の中心軸に対し点
対称となる4対の検出電極を設けたものである。
【0078】請求項23の発明に係る角速度センサは、
振動片の一部に共振周波数を調整する重錘を設けたもの
である。
【0079】請求項24の発明に係る角速度センサは、
片持梁や両持梁または矩形の振動片に形成される複数の
検出電極を共通電極としたものである。
【0080】請求項25の発明に係る角速度検出装置
は、振動片の片面に設けられ該振動片を所定方向に伸縮
変位するよう分極された圧電素子と、上記振動片と基板
に設けられ、上記振動片の水平方向の振動に対し相互に
重なり合う面積が変化する少なくとも2対の検出電極と
を設けて、上記圧電素子を駆動して上記振動片を垂直方
向に共振周波数近傍で振動させた時の、上記各検出電極
間の容量差の上記周波数成分より、角速度検出回路によ
って上記振動片の軸線回りの角速度を検出するようにし
たものである。
【0081】請求項26の発明に係る角速度検出装置
は、基板に固定された保持部を有し、該保持部以外では
上記基板の片面に対向して近接配置され、かつ該基板面
に対し主に垂直方向に変形する矩形の振動片と、該矩形
の振動片の各角部に設けられた、上記基板面に対し水平
方向に変形する支持片と、上記矩形の振動片の片面に設
けられこれの中心から周囲方向に伸縮変位するよう分極
された圧電素子とを設け、該圧電素子を駆動し上記振動
片を垂直方向に共振周波数近傍で振動させた時の、各対
の検出電極間の容量差の上記周波数成分より、角速度検
出回路によって上記矩形の振動片の各水平軸回りの角速
度を検出するようにしたものである。
【0082】請求項27の発明に係る角速度検出装置
は、矩形の振動片の水平軸方向の振動に対し相互に重な
り合う面積が変化する、上記矩形の振動片の中心軸に対
し点対称となる4対の検出電極を設け、圧電素子を駆動
して上記矩形の振動片を垂直方向に共振周波数近傍で振
動させた時の、上記各水平軸方向の2対の検出電極間の
容量和を一組とした各組の容量差の上記周波数成分よ
り、角速度検出回路によって上記矩形の振動片の各水平
軸回りの角速度を検出するようにしたものである。
【0083】請求項28の発明に係る角速度センサは、
細長の振動片の片面に該振動片の軸方向の中心垂直面に
対称に設けられ、上下2対の電極により圧電膜を挟持す
るよう積層されて、上記振動片を水平方向に伸縮変位す
るように分極された圧電素子を設け、上記振動片および
上記基板に、上記振動片の水平方向の振動に対し相互に
重なり合う面積が変化する2対の検出電極をそれぞれ設
けたものである。
【0084】請求項29の発明に係る角速度センサは、
振動片および基板に、上記振動片の水平方向の振動に対
し対向面積が不変な1対の検出電極をそれぞれ形成した
ものである。
【0085】請求項30の発明に係る角速度センサは、
圧電素子の2対の電極のうち、圧電素子の少なくとも片
面側の電極を共通化したものである。
【0086】請求項31の発明に係る角速度センサは、
圧電素子を、各1対の電極間に各一の圧電膜を挟持する
ように積層し、かつ振動片の幅方向の中心垂直面に対称
に配置したものである。
【0087】請求項32の発明に係る角速度センサは、
振動片を片持梁とし、支持片を上記振動片の片持支持側
に設けると共に、検出電極を上記振動片の自由端側に設
けたものである。
【0088】請求項33の発明に係る角速度センサは、
振動片を両持梁とし、支持片を上記振動片の両持支持側
に設けると共に、検出電極を上記振動片の幅方向の中心
垂直面に対称に設けたものである。
【0089】請求項34の発明に係る角速度センサは、
振動片を片持梁とし、支持片を上記振動片の中途に設け
て、該支持片より先端部側の垂直方向曲げ剛性を、該支
持片より保持部側の垂直方向曲げ剛性より小にすると共
に、圧電素子を上記保持部側に設け、検出電極を上記先
端部側に設けたものである。
【0090】請求項35の発明に係る角速度センサは、
振動片の一部に、該振動片の幅方向の中心垂直面に沿っ
て貫通部を設けたものである。
【0091】請求項36の発明に係る角速度検出装置
は、振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面
積が変化する2対の検出電極を設け、角速度検出回路
に、圧電素子を駆動して上記振動片を水平方向に共振周
波数近傍で屈曲振動させた時の、各対の検出電極間の容
量和の上記周波数成分より上記振動片の軸線回りの角速
度を検出するさせるようにしたものである。
【0092】請求項37の発明に係る角速度検出装置
は、振動片の水平方向の振動に対し対向面積が不変な1
対の検出電極を設け、角速度検出回路に、圧電素子を駆
動して上記振動片を水平方向に共振周波数近傍で屈曲振
動させた時の、上記検出電極間の容量の上記周波数成分
より、上記振動片の軸線回りの角速度を検出させるよう
にしたものである。
【0093】請求項38の発明に係る角速度検出装置
は、角速度検出回路に、各対の検出電極間の容量和に対
する容量差の比が一定となるように、駆動電圧あるいは
駆動電流を制御して圧電素子を所定振動速度で駆動させ
るようにしたものである。
【0094】請求項39の発明に係る角速度検出装置
は、角速度検出回路に、圧電素子に印加される電流と、
上記圧電素子に印加される電圧および該圧電素子の制動
アドミッタンスの積との差が所定値となるように、上記
電圧あるいは電流を制御して、上記圧電素子を所定振動
速度で駆動させるようにしたものである。
【0095】
【作用】請求項1の発明における角速度センサは、駆動
電極を駆動して振動片を基板面に対し垂直方向にその振
動片の共振周波数近傍で振動させ、上記振動片の軸線回
りにかかる角速度と上記垂直方向の振動に基づくコリオ
リ力により支持片の弾性に依存して生ずる振動片の軸線
に直角な水平軸方向振動を、検出電極間の容量差として
取り出せるようにする。
【0096】請求項2の発明における角速度センサは、
片持梁の基部をX軸方向に振動しないようにし、一方、
片持梁の先部を支持片のX方向曲げ弾性によりX軸方向
のコリオリ力で振動可能にすることで、振動モードの分
離を可能にする。
【0097】請求項3の発明における角速度センサは、
片持梁のX軸方向に屈曲振動する支持片から検出電極ま
での距離を長くとることで、振動時の検出電極のX軸方
向変位を大きくし、検出電極間の容量の差を大きくす
る。
【0098】請求項4の発明における角速度センサは、
2対の駆動検出電極を同相で駆動して振動片を基板面に
対し垂直方向に共振周波数近傍で振動させ、振動片の軸
線回りにかかる角速度と上記垂直方向振動に基づくコリ
オリ力により振動片の支持片の弾性に依存して生ずる振
動片の軸線に直角な水平方向の振動を、上記2対の駆動
検出電極間の容量差として取り出せるようにする。
【0099】請求項5の発明における角速度センサは、
支持片が片持梁の変位を許容し、検出電極によるこの変
位検出を高感度で行えるようにする。
【0100】請求項6の発明における角速度センサは、
2つの支持片で両持梁を支承することで、衝撃に対して
この両持梁の機械的強度を十分に確保できるようにす
る。
【0101】請求項7の発明における角速度センサは、
振動片,片持梁または両持梁、および基板のそれぞれに
形成される各検出電極を共通化することで、支持片など
を通るリードの本数を少なくして、配線を簡単にすると
ともに、電極形成時のマスキングを単純化し、リード間
の浮遊容量を低減可能にする。
【0102】請求項8の発明における角速度センサは、
駆動電極を駆動して矩形の振動片を基板面に対し垂直方
向に矩形の振動片の共振周波数近傍で振動させ、矩形の
振動片の各水平軸回りにかかる角速度と上記垂直方向の
振動に基づくコリオリ力により矩形の振動片の支持片の
弾性に依存して生ずる矩形の振動片の各水平軸に各々直
角な水平軸方向の振動を、各対の検出電極間の容量差と
して取り出せるようにする。
【0103】請求項9の発明における角速度センサは、
矩形の振動片の中心軸に対し点対称となる4対の駆動検
出電極を同相で駆動して、上記矩形の振動片を基板面に
対し垂直方向にその矩形の振動片の共振周波数近傍で振
動させ、矩形の振動片の各水平軸方向回りにかかる角速
度と上記垂直方向振動に基づくコリオリ力により矩形の
振動片の支持片の弾性に依存して生ずる矩形の振動片の
各水平軸に各々直角な水平軸方向振動を、各水平軸方向
の2対の駆動検出電極間の容量和を一組とした各組の容
量差として取り出せるようにする。
【0104】請求項10の発明における角速度センサ
は、振動片,両持梁あるいは基板に形成される駆動電極
および検出電極を共通電極とすることで、電極数を削減
し、配線を簡単にするとともに、電極形成時のマスキン
グの単純化およびリード間の浮遊容量の低減を図れるよ
うにする。
【0105】請求項11の発明における角速度センサ
は、振動片または矩形の振動片に設けた重錘により、こ
れらの各振動片の共振周波数を調整可能にする。
【0106】請求項12の発明における角速度検出装置
は、駆動電極を駆動して振動片を基板面に対し垂直方向
に振動片の共振周波数近傍で振動させ、その振動片の軸
線回りにかかる角速度と上記垂直方向の振動に基づくコ
リオリ力により支持片の弾性に依存して生ずる振動片の
軸線に直角な水平軸方向の振動を、角速度検出回路を用
いて、各検出電極間の容量差の上記周波数成分により検
出して、振動片の軸線回りの角速度を検出する。
【0107】請求項13の発明における角速度検出装置
は、片持梁の基部をX軸方向に振動しないようにし、一
方、片持梁の先部を支持片のX方向曲げ弾性によりX軸
方向のコリオリ力で振動可能にすることで、振動モード
の分離を可能にし、演算処理によって角速度を高精度に
検出する。
【0108】請求項14の発明における角速度検出装置
は、2対の駆動検出電極を同相で駆動して振動片を基板
面に対し垂直方向に共振周波数近傍で振動させ、振動片
の軸線回りにかかる角速度と上記垂直方向振動に基づく
コリオリ力により振動片の支持片の弾性に依存して生ず
る振動片の軸線に直角な水平方向の振動を、角速度検出
回路を用いて、上記2対の駆動検出電極間の容量差の上
記周波数成分により検出して、振動片の軸線回りの角速
度を検出する。
【0109】請求項15の発明における角速度検出装置
は、駆動電極を駆動して矩形の振動片を基板面に対し垂
直方向に矩形の振動片の共振周波数近傍で振動させ、矩
形の振動片の各水平軸回りにかかる角速度と上記垂直方
向の振動に基づくコリオリ力により矩形の振動片の支持
片の弾性に依存して生ずる矩形の振動片の各水平軸に各
々直角な水平軸方向の振動を、角速度検出回路を用い
て、各対の検出電極間の容量差の上記周波数成分により
検出して、矩形の振動片の各水平軸回りの角速度を検出
する。
【0110】請求項16の発明における角速度検出装置
は、矩形の振動片の中心軸に対し点対称となる4対の駆
動検出電極を同相で駆動して、上記矩形の振動片を基板
面に対し垂直方向にこの矩形の振動片の共振周波数近傍
で振動させ、矩形の振動片の各水平軸回りにかかる角速
度と上記垂直方向の振動に基づくコリオリ力により支持
片の弾性に依存して生ずる矩形の振動片の各水平軸に各
々直角な水平軸方向の振動を、角速度検出回路によっ
て、各水平軸方向の2対の駆動検出電極間の容量和を一
組とした各組の容量差の上記周波数成分により検出し
て、矩形の振動片の各水平軸回りの角速度を検出する。
【0111】請求項17の発明における角速度センサ
は、圧電素子を駆動して、振動片の所定方向への圧電素
子の伸縮振動により、上記振動片を基板面に対し垂直に
該振動片の共振周波数近傍で振動させ、該振動片の軸線
回りにかかる角速度と上記垂直方向振動に基づくコリオ
リ力により、支持片の弾性に依存して生ずる振動片の軸
線に直角な水平軸方向振動を、該振動片の水平方向変位
により生じる検出電極間の容量差として求める。
【0112】請求項18の発明における角速度センサ
は、支持片が片持梁の変位を助長し、検出電極間におけ
る静電容量の変化を高感度検出を可能にする。
【0113】請求項19の発明における角速度センサ
は、2つの支持片にて振動片を支持するため、この振動
片の変位を助けながら機械的支持強度を高めるように機
能する。
【0114】請求項20の発明における角速度センサ
は、振動が抑えられている片持梁基部に対して片持梁先
部の振動モードを分離可能にし、正確な振動変位の容量
変化による検出を行えるようにするとともに、片持梁の
寸法上の設計自由度を向上する。
【0115】請求項21の発明における角速度センサ
は、圧電素子を駆動して、矩形の振動片の中心から周囲
方向への圧電素子の伸縮運動により、その矩形の振動片
を基板面に対し垂直方向に矩形の振動片の共振周波数近
傍で振動させ、上記矩形の振動片の2水平軸回りにかか
る角速度と垂直方向振動に基づくコリオリ力により支持
片の弾性に依存して生ずる矩形の振動片の各水平軸に各
々直角な水平軸方向振動を、上記矩形の振動片の水平方
向変位により生じる各対の検出電極間の容量差として求
める。
【0116】請求項22の発明における角速度センサ
は、矩形の振動片の2水平軸の各々に直角な水平軸方向
振動を、各水平軸方向の2対の検出電極間の容量和をと
ることにより一軸方向の容量差を除去し、次に上記容量
和の容量差として求める。
【0117】請求項23の発明における角速度センサ
は、振動片の片面に設けた重錘により、該振動片の共振
周波数を調整する。
【0118】請求項24の発明における角速度センサ
は、検出電極を共通化することで、支持片などを通るリ
ードの本数を少なくして、配線作業を容易化し、配線を
簡素化するとともに、上記検出電極形成時のマスキング
を単純化し、さらにリード間の浮遊容量を低減する。
【0119】請求項25の発明における角速度検出装置
は、支持片の弾性に依存して生ずる振動片の軸線に直角
な水平軸方向振動を、角速度検出回路による演算によ
り、該振動片の水平方向変位により生じる各対の検出電
極間の容量差として求める。
【0120】請求項26の発明における角速度検出装置
は、支持片の弾性に依存して生ずる矩形の振動片の各水
平軸に各々直角な水平軸方向振動を、角速度検出回路に
よる演算により、上記矩形の振動片の水平方向変位によ
り生じる各対の検出電極間の容量差として求め、この容
量差の上記周波数成分より、矩形の振動片の各水平軸回
りの角速度を検出する。
【0121】請求項27の発明における角速度検出装置
は、矩形の振動片の各水平軸に各々直角な水平軸方向振
動を、角速度検出回路による演算により、各水平軸方向
の2対の検出電極間の容量和として求めることにより一
軸方向の容量差を除去し、上記容量和の容量差を求め
て、この容量差の上記周波数成分より、上記矩形の振動
片の各水平軸回りの角速度を検出する。
【0122】請求項28の発明における角速度センサ
は、圧電素子の駆動により細長の振動片を基板面に対し
水平方向に共振周波数で屈曲振動させ、上記振動片の軸
線回りに作用する角速度によるコリオリ力により、振動
片が上記軸線に直角に垂直方向に振動変位し、この振動
変位による検出電極間に静電容量の変化を生じさせ、こ
の変化を角速度データとして利用可能にする。
【0123】請求項29の発明における角速度センサ
は、検出電極間の静電容量を各電極間距離に対してのみ
変化するようにし、かつ検出電極の出力数を少なくする
ことで、角速度検出回路の構成を簡略化できるほか、リ
ード線数の削減により電極形成時のマスクパターンを単
純化可能にする。
【0124】請求項30の発明における角速度センサ
は、圧電素子を同一方向に分極し、2つの電極と圧電体
を挟んで対向する共通電極との間に互いに逆方向の電圧
を印加するか、あるいは、2つの電極と対向する共通電
極間の圧電体の分極を逆向きに設定し同一の電圧を印加
するかして、細長の振動片を水平方向に屈曲振動させ
る。
【0125】請求項31の発明における角速度センサ
は、同一方向に分極した1対の圧電素子に互いに逆方向
の電圧を印加するか、あるいは、互いに逆方向に分極し
た1対の圧電素子に同一の電圧を印加するかして、細長
の振動片を水平方向に屈曲振動させる。
【0126】請求項32の発明における角速度センサ
は、片持梁である振動片を、これの上に設けた圧電素子
により基板面に水平に屈曲振動させ、振動片の軸線回り
の角速度印加時に、振動片の固定端側に設けられた支持
片の垂直方向弾性に依存して生ずる振動片の垂直方向振
動を、その振動片の自由端側に設けた検出電極間の静電
容量により検知して、角速度を検出する。
【0127】請求項33の発明における角速度センサ
は、両持梁を、これの上に設けた圧電素子により基板面
に水平に屈曲振動させ、その両持梁の軸線回りの角速度
印加時に、両持梁の固定端側に設けられた支持片の垂直
方向弾性に依存して生ずる両持梁の垂直方向振動を、両
持梁の軸線に垂直な中心線に対称に設けた検出電極間の
静電容量により検知して、角速度を検出する。
【0128】請求項34の発明における角速度センサ
は、片持梁の基部を、その上に設けられた圧電素子によ
り基板面に水平に屈曲振動させ、その片持梁の軸線回り
の角速度印加時に、片持梁の中途に設けられた支持片の
垂直方向弾性に依存して生ずる片持梁の先部の垂直方向
振動を、その片持梁の先部に設けた検出電極間の静電容
量により検知して、角速度を検出する。
【0129】請求項35の発明における角速度センサ
は、細長の振動片の延長軸に沿って設けた貫通部によ
り、その振動片の水平方向の実効剛性を低下させる。
【0130】請求項36の発明における角速度検出装置
は、圧電素子を角速度検出回路の駆動制御回路により駆
動して、振動片の軸線を境界としてこの軸線方向に互い
に反対向きに伸縮する圧電素子の振動により、細長の上
記振動片を基板面に水平に、振動片の共振周波数近傍で
屈曲振動させ、その振動片の上記軸線回りにかかる角速
度と上記水平方向振動に基づくコリオリ力により、振動
片の支持片の弾性に依存して生ずる振動片の垂直方向振
動を、この振動片の垂直方向変位により生じる1対の検
出電極間の容量和変化により求め、この容量和変化の上
記周波数成分を検出して、振動片の軸線回りの角速度を
検出する。
【0131】請求項37の発明における角速度検出装置
は、圧電素子を角速度検出回路の駆動制御回路により駆
動して、細長の振動片を基板面に水平に振動片の共振周
波数近傍で屈曲振動させ、その振動片の軸線回りの角速
度印加時に生ずる振動片の垂直方向振動を、振動片の水
平方向振動に対し対向面積が不変な1対の検出電極間の
容量変化により求め、この容量変化の上記周波数成分を
検出して、振動片の軸線回りの角速度を検出する。
【0132】請求項38の発明における角速度検出装置
は、1対の検出電極間の容量和に対する容量差の比によ
り、振動片の垂直方向振動を検出して、この比が一定と
なるよう圧電素子の駆動電圧あるいは駆動電流を制御し
て圧電素子を駆動し、上記振動片の水平方向の屈曲振動
の振動速度を所定値に維持する。
【0133】請求項39の発明における角速度検出装置
は、圧電素子に印加される電圧V,電流Iを検出し、圧
電素子の制動アドミッタンスをYdとして、I−Yd×
Vが所定値となるよう、圧電素子の駆動電圧あるいは駆
動電流を制御して圧電素子を駆動し、細長の振動片の水
平方向屈曲振動の振動速度を所定値に維持する。
【0134】
【実施例】 実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1,図2および図3において、1はX―Z座標
面内に水平に配置された基板としてのシリコン基板(以
下、Si基板という)、2はこのSi基板1と平行に近
接配置され、少なくとも一部がSi基板1に対し主に垂
直方向、すなわちY軸方向に曲げ変形する振動片として
の平板状の片持梁(振動片)、3はこの片持梁2の一端
にこれの軸線G方向、すなわち、片持梁2の幅方向の中
心を通る中心方向に設けられ、Si基板1に対し水平方
向、すなわちX軸方向に曲げ変形する支持片、3aはこ
の支持片3を介して片持梁2を保持する保持部で、下面
はSi基板1上に固定されている。4は片持梁2の先側
のSi基板1との対向面に設けられた片側の駆動電極、
5はSi基板1上に駆動電極4と対向して設けられた他
側の駆動電極である。なお、図1では振動の方向を、X
軸およびZ軸のX―Z座標系を、図2ではY軸およびX
軸のY―X座標系をそれぞれ用いて示してあり、図3以
下ではこれらの座標系を中心に構成,動作を述べる。
【0135】また、6a,6bは片持梁2の保持部3a
側のSi基板1との対向面に設けられた片側の検出電
極、7a,7bはSi基板1上に各々検出電極6a,6
bと対向して設けられた他側の検出電極であり、6a,
7aで第1の検出電極対が、6b,7bで第2の検出電
極対がそれぞれ構成される。
【0136】ここで、駆動電極5は駆動電極4の全体を
覆うように幅、長さ共大きく形成されており、X軸方向
への片持梁2の振動に対し静電容量が変化せず、駆動静
電容量部Pとしての駆動電極4,5間の静電容量Cd
は、駆動電極4,5間の距離をD、各電極4,5間の媒
質の誘電率をε、電極間の対向面積をSとすると、材
質,形状によって決定されるεSを定数Kとおいて、C
d=εS/D=K/Dとなり、距離Dのみに依存する。
【0137】また、片側の検出電極6a,6bは幅Lが
他側の検出電極7a,7bの幅より狭く、長さ方向はX
軸方向に互いに反対方向にずらせて静止時同一重なり長
さXoとなるように形成されており、検出静電容量部Q
としての第1の検出電極対6a,7a間および第2の検
出電極対6b,7b間の各静電容量Cma,Cmbは、
片持梁2のX方向変位に対し各々大きさが異なり、静止
位置からのX方向変位をΔXとすると、Cma=εL
(Xo−ΔX)/D,Cmb=εL(Xo+ΔX)/D
となる。従って、各電極6a,7a間および電極6b,
7b間の静電容量の差ΔCmは、ΔCm=Cmb−Cm
a=2εLΔX/Dとなり、片持梁2のX方向変位ΔX
に比例する。
【0138】図4は角速度センサの製造工程図であり、
表面マイクロマシニング技術を用いてSi基板1上に薄
膜を積層して片持梁2を形成した検出部の例を示してい
る。まず、工程(A)においてSi基板1上に絶縁層と
なる第1のシリコン酸化膜(以下、SiO2 膜という)
40aをCVD法により形成し、工程(B)において第
1のSiO2 膜40a上にAl等の金属電極を蒸着法あ
るいはスパッタ法を用いて積層し、電極5,7a,7b
を形成する。
【0139】次に、工程(C)で片持梁2とSi基板1
との間隙を形成する犠牲層としての第1のポリSi層4
1を片持梁2の保持部3a部分を残してCVD法により
積層した後、工程(D)でこの第1のポリSi層41上
に電極4,6a,6bを工程(B)と同様の方法で形成
し、工程(E)でこの上に片持梁2の下層を形成する第
2のSiO2 膜40bを図1の平面外形形状のマスクを
用いて積層する。
【0140】さらに、工程(F)でかかる第2のSiO
2 膜40b上に片持梁2の中心層となる第2のポリSi
層42を上記マスクより若干面積の狭いマスクを用いて
積層し、工程(G)で再度工程(E)のマスクを用いて
第3のSiO2 膜40cを、第2のポリSi層42を包
むように積層して、片持梁2の上層を形成する。
【0141】最後に工程(H)でHF系水溶液等のエッ
チャントにより犠牲層である第1のポリSi層41を選
択エッチングし、駆動,検出静電容量部となる間隙43
を形成し、保持部3a側に支持片3を有する片持梁2を
作製する。
【0142】かかる方式によれば、例えば振動片の幅数
十μ、長さ数百μ、厚さ数μ以内の微小な角速度検出部
を作製できると共に、静電容量部を形成する間隙が振動
片の片側面のみにあるため構造も簡単で工程数も少なく
てすむという利点がある。
【0143】上記実施例では、ポリSiで犠牲層および
振動片の中心層を、SiO2 で振動片の外殻と電極絶縁
層を形成したが、実施例とは逆に犠牲層および振動片の
中心層をSiO2 で、振動片の外殻と電極絶縁層をポリ
Siで形成しても良い。但し、この場合金属電極に接す
るポリSiは絶縁性を上げるためにP型不純物を高濃度
で添加したPドープドポリSiを使用する。さらに、S
iO2 の代わりにシリコン窒化膜(Si34 膜)を用
いてもよいし、Si基板1の代わりにサファイア基板等
他の材質の基板を用いても良い。
【0144】また、上記実施例では表面マイクロマシニ
ング技術を用いて基板1上に薄膜を積層して片持梁2を
形成する例を示したが、バルクマイクロマシニング技術
を用いて同様の構造を得る事もできる。
【0145】例えば、図示しないがSi基板1の片持梁
2との対向部をエッチングして間隙43となる段差を形
成した後、この段差の低部に電極5,7a,7bをn型
不純物ドープ、金属蒸着等で形成した下部部材と、他の
Si基板上に電極4,6a,6bを同様な方法で形成し
た後エッチングして片持梁2の形状に切り出した上部部
材を接合する等の方法によっても作製できる。
【0146】かかる方法では、片持梁2の大きさは上記
薄膜積層方式の場合ほど小さくはできないが、薄膜積層
方式の場合と比較し構造が簡単で工程数も少なくてすむ
という利点がある。
【0147】次に、かかる実施例の角速度センサを持つ
角速度検出装置について、図5を用いて説明する。図に
おいて、50は駆動電極4,5に接続された駆動回路、
51は検出電極6a,6bに接続された電源回路、52
aは第1の検出電極対6a,7aに接続された第1の容
量/電圧変換回路、52bは第2の検出電極対6b,7
bに接続された第2の容量/電圧変換回路、53は加算
回路、54は駆動制御回路、55は差動回路、56は検
波回路、57は出力調整回路である。Qは検出電極6
a,7a間および6b,7b間の検出静電容量部を示
す。また、Rは角速度検出回路である。
【0148】次に動作について説明する。まず、駆動回
路50は駆動電極4,5間に交番電圧を印加し、これら
の各駆動電極4,5間に駆動力Fdを発生させ、片持梁
2を図のY方向にその共振周波数で振動させる。この
時、Y方向の駆動による変位は上記の式のYで与えら
れ、k1は片持梁2とその支持片3のバネ剛性,等価長
等により決まる定数であり、k2は駆動電圧Vo,駆動
電極間の距離D,対向面積Sで決まる定数となる。
【0149】かかるY方向振動により検出電極6a,7
a間および検出電極6b,7b間の静電容量Cma,C
mbは電極間隔Dの変化に従い変化する。かかる静電容
量Cma,Cmbの変化は電源回路51から上記各静電
容量に供給される微小な検出電流により各容量/電圧変
換回路52a,52bで検出され、各々電圧Vma,V
mbに変換される。
【0150】このような状態において、片持梁2の軸
線、即ち図のZ軸回りに角速度Ωが作用すると、片持梁
2にはその等価質量mとして図のX軸方向に上記式で示
されるコリオリ力Fcが働く。このコリオリ力Fcによ
り片持梁2はその支持片3のX軸方向剛性に依存してX
方向に振動し、その振動変位ΔXは角速度Ωに比例す
る。片持梁2がX軸方向に振動変位すると、静電容量C
ma,Cmbが上記式に示すように変化し、静電容量の
差ΔCmは上記式に示すように振動変位ΔX即ち角速度
Ωに比例する。
【0151】ここで、各静電容量Cma,Cmbに相当
する電圧Vma,Vmbは、加算回路53で加算され、
片持梁2の振動振幅ΔDに相当する電圧(Vma+Vm
b)が求められ、駆動制御回路54はこの加算結果が所
定の一定値となるよう駆動回路50を帰還制御して、片
持梁2の上記式で示されるY方向振動速度vY が常に一
定値vC となるよう制御するとともに、静電容量の差に
相当する電圧ΔVm(=Vma−Vmb)を差動回路5
5で求める。
【0152】さらに、検波回路56で駆動回路50より
の信号を基に検波を行って角速度Ωに比例したX方向振
動変位ΔXを求め、出力調整回路57で適当な出力範囲
となるよう増幅を行い、角速度信号VΩとして出力す
る。ここで、駆動速度vY を制御する帰還信号(Vma
+Vmb)は、ΔXに依存せず、コリオリ力Fcには影
響されない。
【0153】かかる実施例においては、駆動電極間の電
界方向と駆動による振動方向が一致するため、駆動電圧
に対するY方向の静電力が大きく、角速度検出感度/駆
動電圧比が大きいという利点がある。また、従来と異な
り片持梁2の厚さや断面積は検出感度に関係しないた
め、片持梁2を薄く、小さく構成できるという利点もあ
る。さらには、従来の如くX軸方向振動時にコリオリ力
Fcへの駆動力Fdの成分重畳がないため、角速度Ωが
正確に検出できる。
【0154】実施例2.図6は角速度センサの他の実施
例を示し、ここでは、検出電極6a,7a間および検出
電極6b,7b間の検出静電容量部Qを、実施例1と異
なり片持梁2の先端側に配したものである。かかる実施
例によれば、X軸方向に屈曲振動する支持片3から上記
検出静電容量部Qまでの距離が長くとれるため、振動時
の検出電極のX軸方向変位ΔXが大となり、検出電極間
容量Qの差ΔCmが大きくなって角速度検出感度をさら
に向上できる。
【0155】実施例3.図7は角速度センサのさらに他
の実施例を示し、ここでは片側の検出電極を共通化した
例を示している。図において、8は片持梁2に配置した
上記のような検出電極6aと6bを一つにまとめた共通
検出電極であり、図5の電源回路51,容量/電圧変換
回路52a,52bに接続され、この共通検出電極8と
検出電極7a,7b間に形成される静電容量の差ΔCm
により角速度Ωが検出される。
【0156】即ち、かかる実施例によれば検出電極の一
方を共通化したため、支持片3を通るリードの本数を少
なくでき、配線が簡単になると共に、電極形成時のマス
キングを単純化でき、リード間の浮遊容量の影響も低減
できるという利点がある。
【0157】実施例4.図8は角速度センサのさらに他
の実施例を示し、ここでは片側の駆動電極および検出電
極を共通化した例を示している。図において、9は片持
梁2に配置した上記のような駆動電極4と検出電極6
a,6bを一つにまとめた共通電極である。図示しない
が、共通電極9はアースに接続され、他側の駆動電極5
は駆動回路50に、他側の検出電極7a,7bは各々電
源回路51,容量/電圧変換回路52a,52bに接続
される。かかる実施例においては、さらに配線が簡単に
なると共に、電極形成時のマスキングをさらに一段と単
純化できるという利点がある。
【0158】実施例5.図9は角速度センサの他の実施
例を示し、ここでは支持片を片持梁の中途に設けた例を
示している。図において、21はSi基板1と平行に近
接配置され、このSi基板1に対し主に垂直方向に曲げ
変形する片持梁2の一部としての平板状の片持梁基部、
22は同様にSi基板1と平行に近接配置された曲げに
対する剛性の高い、片持梁2の一部としての平板状の片
持梁先部、31は片持梁基部21と片持梁先部22とを
結び水平方向に曲げ変形する支持片である。また、片持
梁基部21はこれを支持する保持部21a側に一体連設
されている。
【0159】また、駆動電極4は片持梁基部21のSi
基板1との対向面に設けられ、検出電極6a,6bは片
持梁先部22のSi基板1との対向面に片持梁の軸線G
に対称に設けられており、他側の駆動電極4,検出電極
7a,7bは各々駆動電極4,検出電極6a,6bに対
応してSi基板1上に対向配置される。
【0160】かかる実施例では、駆動電極4,5間に交
番電圧を加えて片持梁基部21をSi基板1に対し垂直
方向(Y方向)に振動させ、片持梁先部22をこれに連
動させて同様にY方向に振動させる。この状態で振動片
2の軸線G回りに角速度Ωが作用すると、片持梁先部2
2は支持片31のX方向曲げ弾性によりX軸方向のコリ
オリ力で変位して振動するため、検出電極6a,7a間
と6b,7b間の静電容量が相互に変化する。従って、
同様に図5に示す検出回路を用いて上記静電容量の差よ
り角速度Ωを検出できる。
【0161】かかる実施例においては、片持梁基部21
がX軸方向に振動しないため、振動モードの分離ができ
るとともに、振動片2の寸法設計自由度が高くなるとい
う利点がある。
【0162】実施例6.図10は角速度センサ片持梁検
出部のさらに他の実施例を示し、ここでは片持梁2の一
部である片持梁基部21の駆動電極4と上記片持梁2の
一部である片持梁先部22の検出電極6a,6bをまと
めて共通電極9としたものである。かかる実施例におい
ても、上記実施例5と同様に角速度Ωを検出できると共
に、実施例4と同様の効果がある。
【0163】実施例7.図11はこの発明の角速度セン
サの検出部が両持梁である場合の実施例を示し、図にお
いて、23はSi基板1と平行に近接配置され、該Si
基板1に対し主に垂直方向に曲げ変形する振動片として
の平板状の両持梁、32はこの両持梁23の両端と各保
持部32aとを結び、上記Si基板1に対し垂直方向に
曲げ変形すると共に水平方向にも曲げ変形する支持片で
ある。
【0164】検出電極6aと6bは両持梁23のSi基
板1に対向する面の中央にその両持梁23の軸線Gに対
し対称に配置され、駆動電極4は検出電極6a,6bを
挟み両持梁23の両端側に分離して設けられる。他側の
検出電極7a,7b、他側の駆動電極5は、各々実施例
1と同様にSi基板1上に両持梁23上の各電極6a,
6b,4に対して対向配置される。なお、かかる角速度
センサも図4と同じ製造工程にて作製できる。
【0165】また、角速度Ωの検出は、図5の検出回路
を用いて行われ、分離した駆動電極4,5には同じ駆動
電圧が与えられる。かかる実施例においても実施例1と
同様な効果があると共に、衝撃に対する機械的強度が得
られる点で有利である。
【0166】実施例8.図12は角速度センサの検出部
が両持梁である他の実施例を示し、ここでは、実施例4
と同様に、図11の両持梁23側の駆動電極4,検出電
極6a,6bを共通化して共通電極9とした例を示して
いる。この例ではさらにSi基板1側の左右に分離した
駆動電極5を中央でつないで一体化している。かかる実
施例では、実施例4と同様にリード配線の簡素化および
成形時のマスキングの単純化を実現できる。
【0167】なお、実施例3,実施例4,実施例6,実
施例8では電極の共通化をいずれも振動片である片持梁
2,両持梁23側の電極で行った場合を示したが、Si
基板1側の電極で行ってもよい。ただ、振動片側の電極
を共通化した方が狭い支持片を通る電極リードの本数が
減るため効果的である。
【0168】実施例9.図13および図14はこの発明
の角速度センサのまた他の実施例を示すもので、図13
は片持梁検出部を示し、図14はこの角速度センサを持
つ角速度検出装置のブロック図を示す。
【0169】図13において、14a,14bは実施例
1と同じくSi基板1上に近接対向して形成された片持
梁2のSi基板1との対面に、振動片である片持梁2の
軸線Gに対し対称に配置された片側の共通電極としての
駆動検出電極、15a,15bはSi基板1上に各々駆
動検出電極14a,14bに対応して対向配置された他
側の共通電極としての駆動検出電極である。
【0170】ここで、片側の駆動検出電極14a,14
bは実施例1の場合と同様、他側の駆動検出電極15
a,15bとX軸方向に互いに反対方向にずらせて形成
されており、片持梁2のX方向変位に対し、駆動検出静
電容量部Sを構成する各一の駆動検出電極14a,15
a間と駆動検出電極14b,15b間の静電容量の差Δ
Cmが、上記式に示すような片持梁2のX方向変位ΔX
に比例するようにしている。
【0171】また、図14においては、駆動検出電極1
4a,14bが駆動回路50に接続され、駆動検出電極
14a,15aが容量/電圧変換回路52aに、駆動検
出電極14b,15bが第2の容量/電圧変換回路52
bに接続されている。まず、駆動回路50は駆動検出電
極14a,15a間および駆動検出電極14b,15b
間に同相の交番電圧を印加し各電極間に駆動力Fdを発
生させ、片持梁2を図のY方向にその共振周波数で振動
させる。
【0172】このような状態において、Z軸回りに角速
度Ωが作用すると、片持梁2に働くコリオリ力Fcによ
り片持梁2が支持片3のX軸方向剛性に依存してX方向
に角速度Ωに比例した変位ΔXで振動し、電極間に上記
式に示す静電容量の差ΔCmが生ずる。ここで、各静電
容量Cma,Cmbに相当する電圧Vma,Vmbは、
加算回路53で加算され、駆動制御回路54はこの加算
結果が所定の一定値となるよう駆動回路50を帰還制御
して、片持梁2の上記式で示されるY方向振動速度vY
が常に一定値vC となるよう制御する。
【0173】また、上記静電容量の差ΔCmに相当する
電圧ΔVmを差動回路55で求め、検波回路56で駆動
回路50よりの信号を基に検波を行った後、出力調整回
路57で適当な出力範囲となるよう増幅を行い角速度信
号VΩとして出力する。ここで、駆動速度vY を制御す
る帰還信号Vma+Vmbは、実施例1と同様、ΔXに
依存せず、コリオリ力Fcには影響されない。かかる実
施例によっては、実施例1と同様の効果があると共に、
電極数が少なくてすむため、リード数を少なくでき、配
線が簡単になるとともに、電極形成時のマスキングを単
純化でき、リード間の浮遊容量を低減できるという利点
もある。
【0174】なお、図示しないが駆動検出電極14a,
14bを共通化すればさらに電極数を少なくできる。
【0175】実施例10.図15は両持梁の角速度セン
サの他の実施例を示す。ここでは、両持梁23に図13
に示すような駆動検出電極14a,14bを共通化した
共通駆動検出電極16を設けると共に、これに対向する
Si基板1上に両持梁23の軸線Gに対し対称に配置さ
れ共通駆動検出電極(共通電極)16に対応した駆動検
出電極15a,15bを設けたものである。かかる実施
例においても、実施例9と同様の効果があると共に、両
持梁であるため衝撃に対する機械的強度の点で有利であ
る。
【0176】実施例11.図16は二軸の角速度を同時
に検出する角速度センサの一実施例を示し、24はSi
基板1に平行に近接配置され、このSi基板1に対し主
に垂直方向に曲げ変形する振動片としての略正方形の矩
形の振動片、33はこの矩形の振動片24の四隅に四角
形枠状の保持部33aと連絡するよう設けられ、Si基
板1に対し水平方向に曲げ変形し、長さ方向に伸縮変形
する支持片である。Si基板1側の駆動電極5は矩形の
振動片24の中央部に対向する位置に配置され、検出電
極7a,7b,7c,7dは駆動電極5の各辺に隣接し
て配置されており、矩形の振動片24側の駆動、検出用
の電極は共通電極9として共通化されている。また、駆
動電極5と共通電極9によって駆動静電容量部Pが形成
され、4つの検出電極7a,7b,7c,7dと共通電
極9とによって、矩形の振動片24の中心軸Oに対し点
対称となる4対の検出静電容量部Qが形成されている。
【0177】共通電極9は、駆動電極5,共通電極9間
の駆動静電容量がX,Y方向の振動に対し不変であるよ
うに駆動電極5を覆うと共に、検出電極7a,共通電極
9間および検出電極7b,共通電極9間の静電容量がX
方向の振動に対し、検出電極7c,共通電極9間および
検出電極7d,共通電極9間の静電容量がY方向の振動
に対し各々変化するように各検出電極7a,7b,7
c,7dの矩形の振動片24の端側の一部を除く部分を
覆って図示のように形成されている。
【0178】即ち、矩形の振動片24のX方向変位ΔX
に対しては検出電極7a,共通電極9間と検出電極7
b,共通電極9間の静電容量の差ΔCmxのみが、Y方
向変位ΔYに対しては検出電極7c,共通電極9間と検
出電極7d,共通電極9間の静電容量の差ΔCmyのみ
が、各々比例するようになっている。
【0179】検出回路は特に図示しないが、図5と同様
のものを用いて行われ、図16の検出電極7a,7bに
接続される容量/電圧変換回路52a,52b,差動回
路55,検波回路56,出力調整回路57に加え、もう
一系統、図示しないが検出電極7c,7dに接続される
容量/電圧変換回路,差動回路,検波回路,出力調整回
路が設けられる。
【0180】上記構成において、駆動静電容量部を駆動
し矩形の振動片24をSi基板1に対し垂直方向(Z方
向)に共振させた状態で、この矩形の振動片24のY
軸,X軸回りに各々角速度Ωy,Ωxが作用すると、矩
形の振動片24に働く各コリオリ力Fcx,Fcyによ
り矩形の振動片24は各々X方向,Y方向に角速度Ω
y,Ωxに比例した変位ΔX,ΔYで振動し、電極間に
上記式に示す静電容量の差ΔCmx,ΔCmyが生ず
る。
【0181】この静電容量の差ΔCmx,ΔCmyは各
々図5に示すような一系統の容量/電圧変換回路52
a,52bと他の系統の同様の容量/電圧変換回路、お
よび各組に接続された差動回路55および図示しない差
動回路により電圧ΔVmx,ΔVmyとして求められ、
図5に示すものと同様の各検波回路で駆動回路よりの信
号を基に検波を行って各軸方向の角速度Ωy,Ωxに相
当する変位ΔX,ΔYが求められた後、各出力調整回路
で適当な出力範囲となるよう増幅を行い、角速度信号V
Ωy、VΩxとして出力する。即ち、かかる実施例にお
いては水平軸回りの2軸の角速度を同時に検出できると
いう利点がある。
【0182】実施例12.図17および図18は二軸の
角速度を同時に検出する角速度センサの他の実施例を示
すもので、図17は角速度センサの検出部を示し、図1
8はこの角速度センサを持つ角速度検出装置の検出回路
のブロック図を示す。図17において、駆動検出電極1
5a,15b,15c,15dがSi基板1側の矩形の
振動片24の共通駆動検出電極16に対向する位置に、
各水平軸X,Y方向変位に対し対向面積が変化するよう
配置されている。
【0183】また、図18において、各々駆動検出電極
15a,15b,15c,15dと共通駆動検出電極1
6間の静電容量Cma,Cmb,Cmc,Cmdが各々
容量/電圧変換回路52a,52b,52c,52dで
検出され電圧に変換された後、各々の加算回路53でC
ma+Cmd,Cmb+Cmc,Cma+Cmb,Cm
c+Cmdが算出され、各々の差動回路55で上記容量
和の組の差ΔCmx,ΔCmyが、ΔCmx=(Cmb
+Cmc)−(Cma+Cmd)およびΔCmy=(C
ma+Cmb)−(Cmc+Cmd)により算出され
る。
【0184】一方、加算回路53Aで全静電容量和が算
出され、駆動制御回路54はこの加算結果が所定の一定
値となるよう駆動回路50を帰還制御して、矩形の振動
片24のZ方向振動速度vz が常に一定値vC となるよ
う制御する。ここで、角速度Ωy,Ωxに依存する矩形
の振動片24のX方向,Y方向の静止位置Xo,Yoよ
りの変位を各々ΔX,ΔYとすれば、上記式より、ΔC
mx=4εYo/D*ΔX,ΔCmy=4εXo/D*
ΔYとなり、ΔCmx,ΔCmyは各々角速度Ωy,Ω
xに比例するため、各差動回路55の出力を各検波回路
56で検波してΔX,ΔYに相当する電圧を求めた後、
各出力調整回路57で適当な出力範囲となるよう増幅を
行い角速度信号VΩy,VΩxとして出力する。かかる
実施例によっては、実施例11と同様の効果があると共
に、電極数が少なくてすむため、リード数の削減,マス
キングの単純化,浮遊容量の低減などで実施例3と同様
有利となる。
【0185】上記各実施例においては、支持片3,3
1,32,33が垂直方向曲げ弾性と水平方向曲げ弾性
を共に有するものとして示したが、水平方向曲げ弾性の
みを持つような形状としてもよい。
【0186】実施例13.図19および図20は片持梁
2に共振周波数調整用の重錘44を設けた実施例を示
し、重錘44は図4の工程(G)の後、片持梁2の先端
部にCu,Ag等比較的重い金属を所定厚さに蒸着して
形成する。かかる、重錘44の付加によれば、重錘44
のない場合の片持梁2の形状で決まる共振周波数を応答
性等を考慮した適切な周波数に調整できるという利点が
ある。また、共振周波数の個体差を、重錘44の質量を
超音波切削等の機械的手段、あるいは部分エッチング等
の化学的手段を用いて徐々に減じる事により修正でき
る。
【0187】なお、上記実施例では重錘44を片持梁2
に設けた場合を示したが、上記両持梁23,矩形の振動
片24の中央部に設けるようにしてもよい。
【0188】実施例14.図21および図22は、この
発明の他の実施例を示し、同図において、1はX―Z座
標面内に水平に配置された基板としてのシリコン基板
(以下、Si基板という)、2はこのSi基板1の片面
である上面にこれと平行に近接配置され、少なくとも一
部がSi基板1面に対し主に垂直方向、すなわちY軸方
向に曲げ変形する振動片としての平板状の片持梁、3は
この片持梁2の軸線G方向の片持支持側に連設され、S
i基板1面に対し水平方向、X軸方向に曲げ変形する支
持片であって、この支持片3に連続する保持部3aはS
i基板1の一端部に保持(固定)されている。従って、
片持梁2は支持片3を介して敏感に振動変形可能にSi
基板1上に保持されることとなる。
【0189】また、4Aは片持梁2の上面に下部電極4
5,圧電膜46,上部電極47の順に積層された薄肉の
圧電素子、6a,6bは片持梁2下面の自由端側である
先端部側に設けられた一方の検出電極、7a,7bはS
i基板1の上面に各々検出電極6a,6bに対向して設
けられた他方の検出電極であり、6a,7aで第1の検
出電極対、6b,7bで第2の検出電極対を成し、これ
らは検出静電容量部Qを形成している。なお、図21で
は振動の方向をX軸およびZ軸のX―Z座標系を、図2
2ではY軸およびX軸のY―X座標系を用いて示してあ
り、以下ではこれらの座標系を中心に構成,動作を説明
する。
【0190】ここで、検出電極6a,6bはZ軸に沿っ
た長さLが検出電極7a,7bより短く、X軸方向に互
いに反対方向にずらせて静止時同一重なり長さXoとな
るように形成されている。
【0191】検出電極6a,7a間および検出電極6
b,7b間の各静電容量Cma,Cmbは片持梁2のX
方向変位に対し各々大きさが異なり、静止位置からのX
方向変位をΔXとすると、上記各検出電極6a,7a間
および検出電極6b,7b間の媒質の誘電率をεとし
て、Cma=εL(Xo+ΔX)/D,Cmb=εL
(Xo−ΔX)/Dとなる。従って、各検出電極6a,
7a間および検出電極6b,7b間の静電容量の差ΔC
mは、ΔCm=Cma−Cmb=2εLΔX/Dとな
り、片持梁2のX方向変位ΔXに比例する。
【0192】図23は上記角速度センサの製造工程図で
あり、表面マイクロマシニング技術を用いてSi基板1
上に薄膜を積層して振動片としての片持梁2を形成する
例を示している。まず、工程(A)においてSi基板1
上に絶縁層となる第1のシリコン酸化膜(以下、SiO
2 膜という)10をCVD法により積層し、次に、この
第1のSiO2 膜10上にAl等の金属電極を蒸着法あ
るいはスパッタ法を用いて積層し、検出電極7a,7b
を形成する。
【0193】次に、工程(B)で片持梁2とSi基板1
との間隙を形成する犠牲層としてのポリシリコン層(以
下、ポリSi層という)11を片持梁2の保持部3a基
台部分を残してCVD法により積層した後、このポリS
i層11上に検出電極6a,6bを工程(A)と同様の
方法で積層し、工程(C)でこの上に電極絶縁層となる
とともに片持梁2の骨格の下層を形成する第2のSiO
2 膜12をマスクを用いて積層し、工程(D)において
片持梁2の支持片3にあたる部分には垂直方向強度を増
す補強層としてさらに第3のSiO2 膜13を積層す
る。
【0194】次に、工程(E)において第2のSiO2
膜12の上に、圧電素子4Aの下部電極45としてP
t,Ti等が蒸着法により積層され、工程(F)におい
て上記下部電極45上にジルコン・チタン酸鉛(PZ
T)等の圧電体をスパッタリング法あるいはCVD法に
より積層して圧電膜46を形成し、さらにこの上にAl
等の上部電極47を蒸着等により積層して、圧電素子4
Aを骨格下層上に形成し、片持梁2の骨格を完成する。
【0195】最後に、工程(G)でHF系水溶液等のエ
ッチャントにより犠牲層であるポリSi層11を選択エ
ッチングし、検出静電容量部を形成する間隙18を形成
し、これらにより保持部3a側に支持片3を有する片持
梁2を作製する。かかる方式によれば、例えば片持梁2
の幅数十μ、長さ数百μ、厚さ数μ以内の微小な角速度
検出部を作製できると共に、間隙が片持梁2の片側面の
みにあるため、構造も簡単で工程数も少なくてすむとい
う利点がある。
【0196】上記実施例では、ポリSiで犠牲層を、S
iO2 で片持梁2の骨格下層と電極絶縁層を形成した
が、実施例とは逆に犠牲層をSiO2 で、片持梁2の骨
格下層と電極絶縁層をポリSiで形成しても良い。但
し、この場合電極に接するポリSiは絶縁性を上げるた
めにP型不純物を高濃度で添加したPドープドポリSi
を使用する。さらに、SiO2 の代わりにシリコン窒化
膜(Si34 膜)を用いてもよいし、Si基板1の代
わりにサファイア基板等他の材質の基板を用いても良
い。
【0197】また、上記実施例では表面マイクロマシニ
ング技術を用いてSi基板1上に薄膜を積層して片持梁
2を形成する例を示したが、バルクマイクロマシニング
技術を用いて同様の構造を得ることもできる。例えば、
図示しないが、Si基板1の片持梁2との対向部をエッ
チングして間隙となる段差を形成した後、この段差の低
部に検出電極7a,7bをn型不純物ドープ、金属蒸着
等で形成して下部部材とし、他のSi基板上に他方の検
出電極6a,6bを同様な方法で形成するとともにその
対面に圧電素子4Aを上述の方法で形成した後エッチン
グして片持梁2の形状に切り出して上部部材とし、この
上部部材と下部部材とを接合する等の方法によっても作
製できる。ここで、圧電素子4Aは接合方法にも依るが
接合後に形成することもできる。
【0198】かかる方法では、片持梁2の大きさは上記
薄膜積層方式の場合ほど小さくはできないが、薄膜積層
方式の場合と比較し構造が簡単で工程数も少なくてすむ
という利点がある。
【0199】次に、かかる角速度センサを用いた角速度
検出装置について説明する。図24において、50は圧
電素子4Aの電極45,47に接続された駆動回路、5
1は検出電極6a,6bに接続された電源回路、52a
は検出電極6a,7aに接続された第1の容量/電圧変
換回路、52bは検出電極6b,7bに接続された第2
の容量/電圧変換回路、53は加算回路、54は駆動制
御回路、55は差動回路、56は検波回路、57は出力
調整回路である。そして、Rは角速度検出回路である。
【0200】次に動作について説明する。ここで、圧電
素子4Aはあらかじめ電極45,47間に直流電界をか
けて、圧電膜46がZ軸方向に圧電横効果により伸縮変
位するよう分極処理がなされている。まず、駆動回路5
0は電極45,47間に交番電圧を与えて圧電膜46に
交番電界を印加し、圧電素子4Aを片持梁2の軸線方向
(Z軸方向)に伸縮させる。圧電素子4Aは片持梁2の
中性点より上側に形成されているため、圧電素子4Aの
伸縮運動により片持梁2は図のY軸方向にその共振周波
数で屈曲振動する。Y方向振動により検出電極6a,7
a間および検出電極6b,7b間の静電容量Cma,C
mbは電極間隔Dの変化に従い同相で変化する。
【0201】かかる静電容量Cma,Cmbの変化は電
源回路51から上記各静電容量に供給される微小な検出
電流により各容量/電圧変換回路52a,52bで検出
され、各々電圧Vma,Vmbに変換される。このよう
な状態において、片持梁2の軸線、即ち図のZ軸回りに
角速度Ωが作用すると、片持梁2にはその等価質量mと
して図のX軸方向に上記式で示されるコリオリ力Fcが
働く。このコリオリ力Fcにより片持片2はその支持片
3のX軸方向剛性に依存してX方向に振動し、その振動
変位ΔXは角速度Ωに比例する。
【0202】片持梁2がX軸方向に振動変位すると、静
電容量Cma,Cmbが上記式に示すように振動変位Δ
Xにより逆相で変化し、静電容量の差ΔCmは上記式に
示すように振動変位ΔX即ち角速度Ωに比例する。ここ
で、各静電容量Cma,Cmbに相当する電圧Vma,
Vmbは、加算回路53で加算(Vma+Vmb)され
て同相の駆動振幅が検出され、駆動制御回路54はこの
駆動振幅の微分値が所定の一定値となるよう駆動回路5
0を帰還制御して、片持梁2の上記式で示されるY方向
振動速度vY が常に一定値vC となるよう制御する。
【0203】一方、角速度Ωに比例する静電容量の差Δ
Cmに相当する逆相電圧ΔVm(=Vma−Vmb)を
差動回路55で求め、検波回路56で駆動回路50より
の信号を基に検波を行った後、出力調整回路57で適当
な出力範囲となるよう増幅を行い、角速度信号VΩとし
て出力する。ここで、駆動速度vY を制御する帰還信号
Vma+Vmbは、上記式よりΔXに依存せず、コリオ
リ力Fcには影響されない。
【0204】かかる実施例においては、圧電素子4Aの
伸縮運動により片持梁2を振動させており、駆動振幅に
対する駆動電圧が従来の静電駆動の場合と比較して小さ
くてすむため、角速度検出感度/駆動電圧比が大きいと
いう利点がある。また、従来と異なり片持梁2の厚さや
断面積は検出感度に関係しないため、片持梁2を薄く、
小さく構成できるという利点もある。さらには、従来の
如くX軸方向振動時にコリオリ力Fcへの駆動力Fdの
成分重畳がないため、角速度Ωが正確に検出できる。
【0205】実施例15.図25はこの発明における角
速度センサの他の実施例を示す平面図である。これは検
出部が振動片である両持梁の例を示すものであり、23
AはSi基板1と平行に近接配置され紙面と垂直方向に
のみ曲げ弾性を有する平板状の両持梁(振動片)、32
Aはこの両持梁23Aの両持支持側に連設され、紙面と
垂直方向に曲げ弾性を有すると共に、水平方向にも曲げ
弾性を有する支持片、32aはこの支持片32Aを介し
て両持梁23Aを保持する保持部である。
【0206】6Aは両持梁23Aの中央に配置され上記
の検出電極5a,5bを共通化した共通電極であり、S
i基板1上の検出電極7aと7bは共通電極6Aに対向
する位置に両持梁23Aの軸線に対称に配置されてい
る。上記のように片側の検出電極6a,6bを1つで共
通化することにより電極形成時のマスクパターンを単純
化でき、リード線数も低減できる。ここでは、1対の静
電容量部が両持梁23Aの幅W方向の中心垂直面Eに対
し対称に設けられている。
【0207】かかる角速度センサも図23と同じ製造工
程にて作製でき、また、角速度Ωの検出は同様に図24
の検出回路を用いて行われる。かかる実施例においても
実施例14と同様な効果があるとともに、衝撃に対する
機械的強度の点で有利である。
【0208】実施例16.図26はこの発明における角
速度センサのさらに他の実施例を示す平面図である。こ
れは支持片31を片持梁(振動片)2Aの中途に設けた
例を示している。図において、21はSi基板1と平行
に近接配置され、紙面と垂直方向にのみ曲げ弾性を有す
る平板状の片持梁基部、22は同様にSi基板1と平行
に近接配置された曲げ剛性の高い平板状の片持梁先部、
31は片持梁基部21と片持梁先部22を結び水平方向
に曲げ弾性を有する上記支持片であり、圧電素子4Aは
支持片31より保持部21a側の片持梁基部21の上面
に設けられ、共通電極6Aが片持梁先部22の下面に設
けられ、検出電極7a,7bがSi基板1上面の共通電
極6Aとの対向面にそれぞれ設けられている。そして、
共通電極6Aおよび検出電極7a,7bからなる1対の
静電容量部が片持梁2Aの幅方向の中心垂直面Eに対し
対称に設けられている。
【0209】かかる実施例では、圧電素子4Aを駆動し
て片持梁基部21を紙面に垂直方向(Y方向)に振動さ
せ、片持梁先部22をこれに連動させて同様にY方向に
振動させる。この状態で振動片2Aの軸線回りに角速度
Ωが作用すると、片持梁先部22は支持片31のX方向
曲げ弾性によりX軸方向のコリオリ力で変位して振動す
るため、検出電極7a,共通電極6A間と検出電極7
b,共通電極6A間の各静電容量が相互に変化する。
【0210】従って、同様に図24に示す検出回路を用
いて上記静電容量の差より角速度Ωを検出できる。かか
る実施例においては、片持梁基部21がX軸方向に振動
しないため、振動モードの分離ができるとともに、上記
片持梁としての振動片2Aの寸法設計自由度が高くなる
という利点がある。
【0211】なお、実施例15、実施例16では電極の
共通化をいずれも両持梁23Aや片持梁2Aの側の電極
で行った場合を示したが、Si基板1側の電極で行って
もよい。ただ、各梁23A,2Aの側の電極を共通化し
た方が、狭い支持片を通る電極リードの本数が減るため
効果的である。
【0212】実施例17.図27は二軸の角速度を同時
に検出する角速度センサを示し、図において、24はS
i基板1に平行に近接配置され、紙面と垂直方向にのみ
曲げ弾性を有する略正方形の振動片としての矩形の振動
片、33はこの矩形の振動片24の四隅に4角枠状の保
持部33aと連絡するよう設けられ、紙面と水平方向の
曲げ弾性と長さ方向の伸縮弾性を有する支持片である。
圧電素子4Aはここでは中心から周囲に向かって伸縮変
位するよう分極された正方形の圧電素子を矩形の振動片
24の上面に中心対称に配置している。
【0213】一方、矩形の振動片24の下面には正方形
の共通電極6Aがやはり中心対称に配置され、Si基板
1上の、共通電極6Aに対応する位置に、その共通電極
6Aの各辺に沿って検出電極7a,7b,7c,7dが
配置され、検出電極7a,共通電極6A間および検出電
極7b,共通電極6A間の1水平軸方向Fにある静電容
量がX方向の振動に対し、検出電極7c,共通電極6A
間および検出電極7d,共通電極6A間の、上記1水平
軸方向Fに直交する他の水平軸方向Gにある静電容量が
Y方向の振動に対し各々可変であるようなっている。ま
た、各検出電極7a,7b,7c,7dと共通電極6A
とによって、矩形の振動片24の中心軸Oに対し点対称
となる4つの検出静電容量部が形成されている。
【0214】即ち、矩形の振動片24のX方向変位ΔX
に対しては検出電極7a,共通電極6A間と検出電極7
b,共通電極6A間の静電容量の差ΔCmxのみが、Y
方向変位ΔYに対しては検出電極7c,共通電極6A間
と検出電極7d,共通電極6A間の静電容量の差ΔCm
yのみが、各々比例するようになっている。
【0215】検出回路は特に図示しないが、図24と同
様のものを用いて行われ、図27の各検出電極7a,7
bに接続される容量/電圧変換回路52a,52b,差
動回路55,検波回路56,出力調整回路57に加え、
もう一系統分、検出電極7c,7dに接続される別の容
量/電圧変換回路,差動回路,検波回路および出力調整
回路が設けられる。
【0216】この実施例では、圧電素子4Aを駆動する
と、圧電素子4Aの中心から周囲への伸縮運動に伴い、
矩形の振動片24が紙面に垂直方向(Z方向)に共振周
波数で振動する。かかる振動状態で、この矩形の振動片
24のY,X軸回りに各々角速度Ωy,Ωxが作用する
と、矩形の振動片24に働く各コリオリ力Fcx,Fc
yにより矩形の振動片24は各々X方向,Y方向に角速
度Ωy,Ωxに比例した変位ΔX,ΔYで振動し、電極
間に上記式に示す静電容量の差ΔCmx,ΔCmyが生
ずる。
【0217】この静電容量の差ΔCmx,ΔCmyは各
々容量/電圧変換回路52a,52bと他系統の図示し
ない容量/電圧変換回路および各系統に接続された差動
回路55等により電圧差ΔVmx,ΔVmyとして求め
られ、各々検波回路56等で駆動回路50よりの信号を
基に検波を行った後、各出力調整回路57等で適当な出
力範囲となるよう増幅を行われ、角速度信号VΩy,V
Ωxとして出力される。即ち、かかる実施例においては
水平軸回りの2軸の角速度を同時に検出できるという利
点がある。
【0218】実施例18.図28は二軸の角速度を同時
に検出する角速度センサの他の実施例を示すもので、図
28は角速度センサの検出部を示し、図29はこの角速
度センサを持つ角速度検出装置の検出回路を示すブロッ
ク図である。図28において、検出電極7a,7b,7
c,7dがSi基板1の上面に設けられ、矩形の振動片
24下面に共通電極6Aが設けられ、これらが各水平軸
方向F,Gの変位に対し静電容量が変化する位置に配置
されている。従って、矩形の振動片24とSi基板1と
の間には、水平振動するその矩形の振動片の中心軸に対
し点対称となる4対の静電容量部が形成される。
【0219】また、図29において、各検出電極7a,
7b,7c,7dと共通電極6A間の静電容量Cma,
Cmb,Cmc,Cmdが各々容量/電圧変換回路52
a,52b,52c,52dで検出され、電圧に変換さ
れた後、各々の加算回路53でCma+Cmd,Cmb
+Cmc,Cma+Cmb,Cmc+Cmdが算出さ
れ、一方、各々の差動回路54で上記容量和の組の差、
ΔCmx=(Cmb+Cmc)−(Cma+Cmd),
ΔCmy=(Cma+Cmb)−(Cmc+Cmd)が
算出される。
【0220】そして、加算回路53では全静電容量和が
算出され、駆動制御回路54はこの加算結果の微分値が
所定の一定値となるよう駆動回路50を帰還制御して、
矩形の振動片24のZ方向振動速度vz が常に一定値v
C となるように、圧電素子4Aの駆動を制御する。
【0221】ここで、角速度Ωy,Ωxに依存する矩形
の振動片24のX方向,Y方向の静止位置Xo,Yoよ
りの変位を各々ΔX,ΔYとすれば、上記式より、ΔC
mx=4εYo/D*ΔX,ΔCmy=4εXo/D*
ΔYとなり、ΔCmx,ΔCmyは各々角速度Ωy,Ω
xに比例するため、各差動回路55の出力を各検波回路
56で検波した後、各出力調整回路57で適当な出力範
囲となるように増幅を行い、角速度信号VΩy,VΩx
として出力する。
【0222】かかる実施例によっては、実施例17と同
様の効果があると共に、電極面積が広くとれるため、検
出のS/N比を上げられるという利点がある。
【0223】なお、上記実施例17,18では圧電素子
4Aを正方形状のものとした場合を示したが円形状のも
のを用いてもよい。
【0224】また、上記各実施例においては、支持片
3,31,33が垂直方向曲げ弾性と水平方向曲げ弾性
を共に有するものとして示したが、水平方向曲げ弾性の
みを持つような形状としてもよい。
【0225】実施例19.図30は片持梁2に共振周波
数調整用の重錘44を設けた角速度センサを示す断面図
である。ここで、上記重錘15は図23の工程(E)ま
たは(F)の後、片持梁2の先端部にCu,Ag等の比
較的重い金属を所定厚さに蒸着して形成される。
【0226】かかる、重錘44の付加によれば、重錘4
4のない場合の片持梁2の形状で決まる共振周波数を、
応答性等を考慮した適切な周波数に調整できるという利
点がある。また、共振周波数の個体差は、重錘44の質
量を超音波切削等の機械的手段、あるいは部分エッチン
グ等の化学的手段を用いて徐々に減じることにより修正
できる。
【0227】なお、上記実施例では重錘44を片持梁2
に設けた場合を示したが、両持梁2A,矩形の振動片2
4の中央部に設けるようにしてもよい。かかる場合に
は、重錘44を圧電素子4Aの上部電極47の上面に、
図23の工程(F)の後に形成する。この場合、上部電
極47と重錘44を同じ金属を用いて形成してもよい。
【0228】実施例20.図31はこの発明の別の実施
例の角速度センサを示す平面図、図32は図31におけ
る角速度センサのE―E線断面図、図33はその角速度
センサの製造工程図であり、図1のF―F線断面で見た
製造工程を示し、図34は角速度センサの検出回路のブ
ロック図を示す。
【0229】図31および図32において、1はSi基
板、2はこのSi基板1の片面である上面にこのSi基
板1と平行に近接配置され、少なくともSi基板1面に
対し主に水平方向、すなわちX軸方向に曲げ変形する振
動片としての細長板状の片持梁、3はこの片持梁2の軸
線G方向の保持部3a側に設けられ、Si基板1面に対
する垂直方向の曲げ弾性係数を、Si基板1面に対する
水平方向の曲げ弾性係数より小さくした支持片である。
この支持片3に連続する保持部3aはSi基板1の一端
部に保持されている。
【0230】4Bは片持梁2の上面に下部電極45a,
45b,圧電膜46,上部電極47a,47bの順に積
層された薄肉の圧電素子であり、下部電極45a,45
bおよび上部電極47a,47bは片持梁2の中心垂直
面に対称に、すなわち、片持梁2の軸線Gでの垂直面に
対し平行でかつ対称に配置されている。かかる圧電素子
4Bの積層により片持梁2は全体として細長柱状の梁を
形成している。
【0231】7a,7bはSi基板1の上面に設けられ
た片側の検出電極であり、片持梁2の先側の下面に設け
られた一枚の検出電極6に対向すると共に、上記軸線G
での垂直面対称に設けられ、Z軸に沿った長さが検出電
極6より長く、X軸方向の幅が静止時に検出電極6との
重なり幅が同一長さX0となるように形成されている。
【0232】検出電極7a,6間,電極7b,6間の静
電容量を各々Cma,Cmbとすると、静電容量の和ΣC
m,静電容量の差ΔCm,静電容量の和ΣCmに対する
静電容量の差ΔCmの比Rは、検出電極6の長さL,電
極対向部の誘電率ε,X方向の変位ΔX,Y方向の静止
位置D0,変位ΔDとして、ΣCm=Cma+Cmb=
2εLX0/(D0+ΔD)、ΔCm=Cma−Cmb
=2εLΔX/(D0+ΔD)、R=ΔCm/ΣCm=
ΔX/X0となる。
【0233】従って、和ΣCmはY方向の変位ΔDのみ
に、比RはX方向の変位ΔXのみに依存する。
【0234】図33は角速度センサの製造工程図であ
り、表面マイクロマシニング技術を用いてSi基板1上
に薄膜を積層して片持梁2を形成する例を示している。
まず、工程(A)においてSi基板1上に絶縁層となる
シリコン酸化膜(SiO2 膜)10をCVD法により積
層し、続いて、このSiO2 膜10上にAl等の金属電
極を蒸着法あるいはスパッタ法を用いて積層し、片側の
検出電極7a,7bを形成する。
【0235】次に、工程(B)で片持梁2とSi基板1
との間隙を形成する犠牲層としてのポリSi層11を片
持梁2の基台部分を残してCVD法により積層した後、
このポリSi層11上に検出電極6を工程(A)と同様
の方法で積層し、工程(C)でこの上に電極絶縁層とな
るとともに片持梁2の骨格の下層を形成するSiO2
12を図31の平面外形形状のマスクを用いて積層し、
工程(D)でかかるSiO2 膜12上に片持梁2の中心
層となるポリSi層19を上記マスクより若干面積の狭
いマスクを用いて積層した後、再度工程(C)のマスク
を用いてSiO2 膜12をポリSi層19を包むように
積層して片持梁2の骨格の上層を形成する。
【0236】さらに、工程(E)においてSiO2 膜1
2の上に圧電素子4Bの下部電極45a,45bとして
Pt,Ti等を蒸着法により積層し、工程(F)におい
て上記下部電極47a,47b上にジルコン・チタン酸
鉛PZT等の圧電体をスパッタリング法あるいはCVD
法により積層して圧電膜46を形成し、さらにこの上に
Al等の上部電極47a,47bを蒸着等により積層し
て圧電素子4Bを骨格上層上に形成し、全体としてX方
向の幅がY方向の厚みより小さいな細長柱状の片持梁2
を完成する。
【0237】最後に、工程(G)でHF系水溶液等のエ
ッチャントにより犠牲層であるポリSi層11を選択エ
ッチングし、検出静電容量部となる間隙18を形成し、
これらにより保持部3a側に支持片3を有する片持梁2
を作製する。かかる方式によれば、例えば梁の幅、厚さ
数十μ、長さ数百μ以内の微小な角速度検出部を作製で
きると共に、間隙が片持梁2の片側面のみにあるため構
造も簡単で工程数も少なくてすむという利点がある。
【0238】この実施例では、ポリSiで犠牲層11
を、SiO2 で片持梁2の骨格下層と電極絶縁層を形成
したが、実施例とは逆に犠牲層をSiO2 で、梁の骨格
下層と電極絶縁層をポリSiで形成しても良い。但し、
この場合電極に接するポリSiは絶縁性を上げるために
P型不純物を高濃度で添加したPドープトポリSiを使
用する。さらに、SiO2 の代わりにシリコン窒化膜
(Si34 膜)を用いてもよいし、Si基板1の代わ
りにサファイア基板等他の材質の基板を用いても良い。
【0239】また、この実施例では表面マイクロマシニ
ング技術を用いて基板1上に薄膜を積層して片持梁2を
形成する例を示したが、バルクマイクロマシニング技術
を用いて同様の構造を得る事もできる。
【0240】例えば図示しないが、Si基板1の片持梁
2との対向部をエッチングして間隙18となる段差を形
成した後、この段差の低部に電極7a,7bをn型不純
物ドープ、金属蒸着等で形成して下部部材とし、他のS
i基板上に電極6を同様な方法で形成した後エッチング
して片持梁2の形状に切り出して上部部材とし、この上
部部材と下部部材とを接合した後、上部部材の電極6と
の対面に圧電素子4Bを上述の方法で形成する等の方法
によっても作製できる。圧電素子4Bは接合方法にも依
るが接合前に形成することもできる。
【0241】かかる方法では、片持梁2の大きさは上記
薄膜積層方式の場合ほど小さくはできないが、薄膜積層
方式の場合と比較し構造が簡単で工程数も少なくてすむ
という利点がある。
【0242】次にかかる実施例の角速度センサを用いた
角速度検出装置の動作を図34を用いて説明する。ここ
で、圧電素子4Bは、予め電極45a,45bと電極4
7a,47b間に同方向の直流電界をかけて、圧電膜4
6がZ軸方向に圧電横効果により伸縮変位するよう分極
処理がなされている。
【0243】図において、50は圧電素子4Bの電極4
5a,47bに接続された駆動回路であり、他方の電極
47a,45bは接地されており、51は検出電極6に
接続された電源回路、52a,52bは各々検出電極7
a,7bに接続された容量/電圧変換回路、53は各容
量/電圧変換回路52a,52bの出力が接続された加
算回路、55は同じく各容量/電圧変換回路52a,5
2bの出力が接続された差動回路である。
【0244】また、58は加算回路53と差動回路55
の出力が接続された割算回路、54は割算回路58の出
力が接続され駆動回路50に制御信号を送出する駆動制
御回路、56は加算回路53の出力が接続され駆動回路
50の信号により制御される検波回路、57は検波回路
56の出力が接続された出力調整回路である。なお、容
量/電圧変換回路52a,52b,加算回路53,検波
回路56,出力調整回路57は角速度検出回路Rを構成
している。
【0245】次に動作について説明する。まず、駆動回
路50は電極45a,47a間および電極45b,47
b間に逆相の交番電圧を与え、各々の電極間の挟む圧電
膜46の領域を延長軸Z方向に互いに逆向きに変位させ
る。
【0246】例えば、図34の左側の電極45b,47
b間の領域がZ方向に伸びた時、右側の電極45a,4
7a間の領域は逆に縮むため圧電素子4Bの先側が図3
2に示すようにX軸方向に屈曲変位する。従って、かか
る駆動により片持梁2は水平方向即ち図のX軸方向にそ
の共振周波数で屈曲振動する。
【0247】片持梁2のX方向振動により電極7a,6
間および電極7b,6間の静電容量Cma,CmbはX
方向の振動変位ΔXに従い互いに逆相で変化する。かか
る静電容量Cma,Cmbの変化は電源回路51から上
記各静電容量に供給される微小な検出電流により各容量
/電圧変換回路52a,52bで検出され各々電圧Vm
a,Vmbに変換される。
【0248】このような状態において、片持梁2の軸線
G、即ち図のZ軸回りに角速度Ωが作用すると、片持梁
2にはその等価質量mとして図のY軸方向に、振動片の
X方向の速度Vxとして、Fc=2mΩ×Vxなるコリ
オリ力Fcが働く。このコリオリ力Fcにより片持梁2
はその支持片3のY軸方向剛性に依存してY方向に振動
し、その振動による検出電極間距離の変位ΔDは角速度
Ωに依存する。
【0249】片持梁2がY軸方向に振動変位すると、静
電容量Cma,Cmbが振動変位ΔDにより同相で変化
し、静電容量の和ΣCmは上記式に示すように変位ΔD
即ち角速度Ωに依存する。そこで、静電容量の和ΣCm
に相当する電圧ΣVm(=Vma+Vmb)を加算回路
53で求め、検波回路56で駆動回路50よりの信号を
基に検波を行った後、出力調整回路57で適当な出力範
囲となるよう増幅を行い角速度信号VΩとして出力す
る。
【0250】他方、電圧Vma,Vmbは、差動回路5
5で減算されてΔVm(=Vma−Vmb)が求めら
れ、さらに割算回路58で上記式に示す静電容量の比R
に相当する信号がΔVm/ΣVmで求められる。
【0251】駆動制御回路54はかかる割算回路58の
出力R、即ちX方向の振動振幅ΔXの微分値が所定の一
定値となるよう駆動回路50を帰還制御して、片持梁2
の上記式に相当するX方向振動速度vX が常に一定値v
C となるよう制御する。ここで、駆動速度vX を制御す
る帰還信号Rは、上記式よりΔDに依存せず、コリオリ
力Fcには影響されない。
【0252】かかる実施例においては、圧電素子4Bの
伸縮運動により片持梁2を屈曲振動させており、駆動振
幅に対する駆動電圧が従来の静電駆動の場合と比較して
小さくてすむため、角速度検出感度/駆動電圧比が大き
いという利点がある。また、Y軸方向振動時にコリオリ
力Fcへの駆動力Fdの成分重畳がないため、角速度Ω
が正確に検出できる。
【0253】実施例21.図35および図36はこの発
明の他の実施例を示し、図35はこの実施例における角
速度センサの片持梁の検出部の平面図、図36は角速度
検出回路のブロック図である。
【0254】図35において、7はSi基板1の上面に
設けられた片側の一枚の大形の検出電極、6は片持梁2
の先側の下面に検出電極7と対向して設けられた他側の
検出電極である。ここで、検出電極7は片持梁2の水平
方向振動に対して検出電極6との対向面積が変化しない
よう、検出電極6より面積が広くとられている。
【0255】従って、検出電極7,6間の静電容量Cm
は電極間距離Dに対してのみ変化し、静止位置D0より
のY方向の変位ΔDとすると、電極間の対向面積S,媒
質の誘電率εとして、Cm=εS/(D0±ΔD)とな
る。
【0256】図36において、52は検出電極7に接続
された容量/電圧変換回路、59aは電極47aに接続
された第1の電流/電圧変換回路、59bは電極45b
に接続された第2の電流/電圧変換回路であり、加算回
路53には電流/電圧変換回路59a,59bの出力が
接続されている。
【0257】また、駆動制御回路54には加算回路53
の出力,駆動回路50の駆動電圧Vがそれぞれ接続さ
れ、検波回路56には容量/電圧変換回路52の出力が
接続されるとともに実施例20と同様制御信号として駆
動回路50の信号が接続されている。また、圧電素子4
Bは実施例20と同じ分極処理がなされている。
【0258】図36においては、まず駆動回路50は実
施例20と同じく電極45a,47a間および電極45
b,47b間に逆相の交番電圧を与え、圧電素子4Bを
X軸方向に屈曲させて片持梁2をX軸方向にその共振周
波数で屈曲振動させる。圧電素子4Bの電極45a,4
7a間および電極45b,47b間に流れる電流Ia,
Ibは各々電流/電圧変換回路59a,59bで検出さ
れて電圧に変換され、加算回路53でI=Ia+Ibに
相当する電圧が算出される。
【0259】この電圧は圧電素子4Bに流れる総電流に
相当する。ここで、圧電素子4BのX軸方向の振動速度
をvX ,力係数をA,制動アドミッタンスをYdとすれ
ば、圧電基本式より、vX =(I−Yd×V)/Aとな
る。
【0260】そこで、駆動制御回路54は加算回路53
の出力である総電流Iと駆動回路50の出力である駆動
電圧Vより、圧電素子4Bに固有の定数であるYd,A
を用いて、上記式により振動速度vX を求め、これを所
定値vX0と比較して両者が一致するよう駆動電圧Vを制
御する。かかる制御により、片持梁2のX軸方向振動速
度vX は常に一定に維持される。
【0261】このような状態において、片持梁2のZ軸
回りに角速度Ωが作用すると、片持梁2はY方向に生ず
るコリオリ力Fcにより支持片3のY軸方向剛性に依存
してY方向に振動し、その振動による検出電極間距離の
変位ΔDは角速度Ωに依存する。
【0262】片持梁2の検出静電容量部の容量Cmの振
動変位ΔDによる変化は、容量/電圧変換回路52によ
り容量Cmが電圧Vmに変換され、検波回路56で駆動
回路50よりの信号を基に検波が行われた後、出力調整
回路57で適当な出力範囲となるよう増幅が行なわれ角
速度信号VΩとして出力される。
【0263】かかる実施例においても実施例20と同様
な効果が得られるとともに、割算回路が不要となるた
め、回路が簡素化され安価になるとともに、検出静電容
量部の電極数が減少するためリード線数が減りリードの
引き回し等電極形成時のマスクパターンを単純化できる
という利点もある。
【0264】なお、上記実施例では圧電素子4Bの駆動
電圧Vと電流Iを検出して駆動電圧Vを制御するものと
したが、駆動電流Iを制御してもよいし、駆動電圧Vを
定電圧として駆動電流Iを制御するか、駆動電流Iを定
電流として電圧Vを制御してもよい。
【0265】実施例22.図37は振動片が両持梁であ
る実施例を示す平面図で、23AはSi基板1と平行に
近接配置された支持片としての板状の両持梁で、上面に
圧電素子4Bを積層して全体として細長柱状の梁を形成
しており、32Aはこの両持梁23Aの両端と固定部3
2aとを結んで、両持梁23Aの延長線上に設けられ、
Si基板1に対する垂直方向の曲げ弾性係数を、同じく
Si基板1に対する水平方向の曲げ弾性係数より小さく
した支持片である。
【0266】検出電極6は、両持梁23Aの中央の、S
i基板1上の検出電極7に対向する位置に、検出電極7
より狭い面積で、両持梁23Aの軸線Gにおける垂直面
に対称に配置されている。
【0267】かかる角速度センサも図33について説明
した方法と同じ製造工程にて作製でき、また、角速度Ω
の検出は同様に図36の検出回路を用いて行われる。か
かる実施例においても実施例21と同様な効果があると
共に、衝撃に対する機械的強度の点で有利である。
【0268】実施例23.図38は支持片を振動片2A
の中途に設けた実施例を示す平面図で、21はSi基板
1と平行に近接配置された板状の片持梁基部で、上面に
圧電素子4Bを積層して基部全体として細長柱状の梁を
形成しており、22は同様にSi基板1と平行に近接配
置された曲げ剛性の高い平板状の片持梁先部、31は片
持梁基部21と片持梁先部22を結び垂直方向に曲げ弾
性を有する支持片である。
【0269】ここで、検出電極6は片持梁先部22の下
面にSi基板1上の検出電極7と対向して、この電極7
より狭い面積で片持梁基部21の延長軸に対称に配置さ
れている。
【0270】かかる構成において、圧電素子4Bを駆動
して片持梁基部21をX軸方向に屈曲振動させ、片持梁
先部22をこれに連動させて同様にX軸方向に振動させ
る。この状態で片持梁2Aの軸線廻りに角速度Ωが作用
すると、片持梁先部22は支持片31のY軸方向曲げ弾
性によりY軸方向のコリオリ力により変位して振動する
ため、電極7,6間の静電容量Cmが変化する。
【0271】従って、図36に示す検出回路を用いて、
上記静電容量Cmの変化より角速度Ωを検出できる。か
かる実施例においては、片持梁基部21がY軸方向に振
動しないため、振動モードの分離ができるとともに、梁
の寸法設計自由度が高くなるという利点がある。
【0272】実施例24.なお、上記各実施例では圧電
素子4Bの電極45a,47a,電極45b,47bが
すべて独立である場合を示したが、圧電素子4Bの分極
方向や駆動方法によって一部の電極を共通化できる。
【0273】図39は圧電素子4Bの電極を共通化した
実施例を説明する検出回路の部分ブロック図であり、圧
電素子4Bの下面の上記電極45a,45bを共通電極
45Aとしている。
【0274】ここで共通電極45Aは駆動回路50に、
電極47aは電流/電圧変換回路59aに、電極47b
は電流/電圧変換回路59bに各々接続されている。こ
のほかは図36と同じ検出回路を用いる。圧電素子4B
には予め電極47a,45Aと電極47b,45A間に
逆方向の直流電界をかけて、電極47b,45A間、電
極47b,45A間で狭持される圧電膜46の領域の分
極極性が互いに逆となるよう分極処理がなされている。
【0275】そこで、駆動回路50より、共通電極45
Aと電極47a,47b間に交番電圧を印加すると、上
記分極特性により、例えば共通電極45Aと電極47b
間の領域がZ軸方向に伸びた場合には、共通電極45A
と電極47a間の領域は逆に縮むため、片持梁2の先部
は図のX軸方向に屈曲することとなり、結局、片持梁2
は水平方向に屈曲振動する。屈曲振動時に、各電極41
と電極43a,43bとの間に流れる電流は各電流/電
圧変換回路59a,59bで検出され、加算回路53で
全電流Iが求められるとともに、角速度Ωが電極5,7
間の静電容量Cmの変化より、図36に示す回路を用い
て検出される。
【0276】かかる実施例によれば、圧電素子4Bの電
極を共通化できるため、圧電素子4Bの電極数を低減で
きるという利点がある。
【0277】なお、上記実施例では、電極47a,47
bを別々に示したが、電流は圧電膜46の各分極領域を
分流して流れるため、左右の分極方向を違えた圧電素子
4Bを用いる図39のごとき検出回路においては電極4
7a,47bをも共通化してよく、この場合には加算回
路53は不要となる。また、圧電素子4Bの左右の分極
を揃えた、図34に示すごとき実施例においても、電極
43a,43bを共通電極化して接地し、電極45a,
45bに逆相の交番電圧を印加するようにしても、電極
の共通化がはかれる。
【0278】実施例25.図40は1対の圧電素子を有
する実施例を示す検出部の断面図であり、片持梁2上
に、上記のような圧電素子4Bの代わりに、片持梁2の
上記軸線Gにおける垂直面に対称な1対の圧電素子4
C,4Dを設けたものである。圧電素子4C,4Dは同
一方向、即ち電極47a,45a間と電極47b,45
b間に同方向の直流電界をかけて分極しておき、駆動時
に両電極間に逆相の交番電圧を印加して駆動するか、両
電極間に逆方向の直流電界をかけて分極しておき、駆動
時に両電極間に同相の交番電圧を印加して駆動する。
【0279】前者において電極45a,45bを接地側
とする場合、および後者の場合には、電極45a,45
bを共通電極として形成しておくのがよい。かかる実施
例においては圧電膜46a,46b中に中性領域が存在
することがなく圧電素子の面積あたりの電気機械変換効
率を上げられるとともに、梁の水平方向の剛性も下げら
れるため、同一駆動電圧に対しより大きな水平方向の振
動変位を得ることができ、検出感度が向上するという利
点がある。
【0280】実施例26.図41は片持梁2の上記軸線
Gに沿って貫通部を設けた実施例を示す平面図で、81
は片持梁2の中央に、上記軸線Gに沿って片持梁2を上
下に貫通する細長の貫通部である。片持梁2上面の貫通
部81の両脇には圧電素子4E,4Fが、下面に検出電
極6a,6bが形成されている。検出電極6a,6b
は、検出方法により、接続パターンを配して同電位に維
持しても良いし、他側の検出電極7を電極6a,6bよ
り小さくして図32に示すものと逆の検出電極配置をと
るようにしても良い。かかる貫通部81は図33に示す
検出部の製造工程図(C)〜(D)において、片持梁2
の骨格の下層を形成するSiO2 膜12と、中心層とな
るポリSi層13と、骨格の上層を形成するSiO2
12の製作時のマスクを変更することにより製作する。
【0281】図示しないが、まず貫通部81を除く部分
にSiO2 膜12を積層した後、貫通部81の周囲の壁
となる領域を残して、壁の外側、および内側即ち貫通部
81の内部にポリSi層13を積層し、さらにこの上か
ら貫通部81を除く部分に再度SiO2 膜12を積層し
て上記壁をSiO2 膜12で埋めて貫通部の内部のポリ
Si層13を分離し、行程(G)でポリSi層11と連
続した貫通部81の内部のポリSi層13を同時に選択
エッチングすることにより間隙18と同時に貫通部81
を形成する。
【0282】かかる実施例によれば、貫通部81により
片持梁2の水平方向の実効剛性を下げられるため、検出
感度をさらに向上できるという利点がある。
【0283】上記実施例では片持梁2の上記軸線Gに沿
って貫通部81を設けた例を示したが、両持梁23Aに
おける軸線Gに沿って貫通部81を設けても同様の効果
が期待できることは言うまでもない。
【0284】実施例27.図42は片持梁に複数の貫通
部を設けた実施例を示す平面図で、実施例26と同じく
片持梁2の中央の軸線Gに沿って細長の貫通部81を設
けるとともに、片持梁2の保持部3aの基部に別の貫通
部82を設けて片持梁2の基部を2つの細長柱状部83
a,83bに分離し、かかる細長柱状部22a,22に
より片持梁2の支持片を形成するようにしたものであ
る。
【0285】かかる実施例によっても実施例26と同様
の利点があるとともに、片持梁2の支持片を梁の両脇に
形成することにより、X軸方向駆動時のZ軸回りへの片
持梁2の捻れを低減できるという利点もある。
【0286】なお、上記実施例では貫通部81,82を
離間させて設けたが貫通部81,82を連続した貫通部
としても良い。
【0287】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、振動片とこれに対向する基板に設けられて、上記振
動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が不
変な1対の駆動電極と、上記振動片の上記水平方向の振
動に対し相互に重なり合う面積が相互に変化する少なく
とも2対の検出電極とを設けるように構成したので、低
い駆動電圧でも検出感度を高くとることができるととも
に、駆動による角速度検出誤差を抑えることができ、こ
れを簡単,小形の構造にて実現できるものが得られる効
果がある。
【0288】請求項2の発明によれば、基板に固定され
た保持部を有し、該保持部以外では上記基板に対向して
近接配置され、中途に上記基板面に対し水平方向に曲げ
変形する支持片を有すると共に該支持片より保持部側で
上記基板面に対し垂直方向に曲げ変形する片持梁と、上
記保持部側における上記片持梁とこれに対向する位置の
上記基板にそれぞれ設けられた1対の駆動電極と、上記
支持片より先端部側の上記片持梁およびこれに対向する
位置の上記基板にそれぞれ設けられ、上記先端部側の水
平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する少
なくとも2対の検出電極とを設けるように構成したの
で、片持梁基部の水平方向の振動を抑えて、片持梁先部
との振動モードの分離を行えるとともに、片持梁の寸法
設計の自由度を高めることができるものが得られる効果
がある。
【0289】請求項3の発明によれば、検出電極を駆動
電極に対して振動片または片持梁の先端部側に配置する
ように構成したので、検出電極のX軸方向変位を大きく
して、角速度検出感度をさらに向上できるものが得られ
る効果がある。
【0290】請求項4の発明によれば、振動片とこれに
対向する基板との間に、上記振動片の水平方向の振動に
対し相互に重なり合う面積が変化する2対の駆動検出電
極を設けるように構成したので、電極数を少なくしても
配線の容易化,電極形成時のマスキングの単純化および
リード間の浮遊容量の低減を図ることができるものが得
られる効果がある。
【0291】請求項5の発明によれば、振動片を片持梁
とし、支持片をその片持梁の一端または途中に該片持梁
の軸線方向に設けるように構成したので、支持片におけ
る片持梁の弾性支持により検出電極による変位検出を高
感度に行うことができるものが得られる効果がある。
【0292】請求項6の発明によれば、振動片を両持梁
とし、支持片をその両持梁の両端にこれの軸線方向に設
け、駆動電極および検出電極、または駆動検出電極を上
記両持梁の幅方向の中心垂直面に対し対称に配置するよ
うに構成したので、衝撃に対して機械的強度を高めるこ
とができるものが得られる効果がある。
【0293】請求項7の発明によれば、振動片,片持梁
または両持梁に形成される複数の検出電極、およびこれ
らに対応して基板側に形成される複数の検出電極のいず
れかを共通検出電極とするように構成したので、支持片
を通るリードの本数を少なくでき、配線の単純化および
電極形成時のマスキングの単純化を図れ、かつ上記リー
ド間の浮遊容量の低減を図ることができるものが得られ
る効果がある。
【0294】請求項8の発明によれば、基板に固定され
た保持部を有し、該保持部以外では上記基板に対向して
近接配置され、かつ該基板面に対し垂直方向に曲げ変形
する矩形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に設けら
れ、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片
と、上記矩形の振動片およびこれに対向する上記基板に
それぞれ設けられて、上記矩形の振動片の上記水平方向
の振動に対し相互に重なり合う面積が不変な駆動電極
と、上記矩形の振動片の上記水平方向の振動に対し相互
に重なり合う面積が相互に変化する2水平軸方向の4対
の検出電極とを設けるように構成したので、水平軸回り
の2軸の角速度を同時に検出できるものが得られる効果
がある。
【0295】請求項9の発明によれば、矩形の振動片の
水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化す
る、上記矩形の振動片の中心軸に対し点対称となる4つ
の駆動検出電極を設けるように構成したので、水平軸回
りの2軸の角速度を同時に検出できるほか、電極数を少
なくすることができるものが得られる効果がある。
【0296】請求項10の発明によれば、振動片または
両持梁に形成される駆動電極および検出電極、およびこ
れらに対応して基板側に形成される駆動電極および検出
電極の少なくともいずれか一方を共通電極とするように
構成したので、リード本数の削減,配線およびマスキン
グの単純化、さらには上記リード間の浮遊容量の低減を
図ることができるものが得られる効果がある。
【0297】請求項11の発明によれば、振動片上面の
一部に共振周波数を調整する重錘を設けるように構成し
たので、振動片の形状で決まる共振周波数を適切に調整
できるものが得られる効果がある。
【0298】請求項12の発明によれば、振動片および
これに対向する基板面にそれぞれ設けられて、上記振動
片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が不変
な1対の駆動電極と、上記振動片の上記水平方向の振動
に対し相互に重なり合う面積が相互に変化する少なくと
も2対の検出電極とを設けて、上記振動片を垂直方向に
共振周波数近傍で振動させた時の、上記各検出電極間の
容量差の上記周波数成分より、角速度検出回路によって
上記振動片の軸線回りの角速度を検出するように構成し
たので、低い駆動電圧でも検出感度を高くとることがで
きるとともに、駆動による角速度検出誤差を抑えること
ができ、角速度演算を簡単な信号処理にて容易に実現で
きるものが得られる効果がある。
【0299】請求項13の発明によれば、基板に固定さ
れた保持部を有し、該保持部以外では上記基板に対向し
て近接配置され、かつ該基板面に対し水平方向に曲げ変
形する支持片を中途に有すると共に該支持片より保持部
側で上記基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する片持
梁と、上記保持部側の片持梁の上記基部およびこれに対
向する位置の上記基板にそれぞれ設けられた1対の駆動
電極と、上記支持片より先端部側の上記片持梁およびこ
れに対向する位置の上記基板にそれぞれ設けられ、上記
先端部側の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積
が相互に変化する少なくとも2対の検出電極とを設け
て、上記片持梁を垂直方向に共振周波数近傍で振動させ
た時の、上記検出電極間の容量差の上記周波数成分よ
り、角速度検出回路に上記片持梁の軸線回りの角速度を
検出させるように構成したので、片持梁基部の水平方向
の振動を抑えて、片持梁先部との振動モードの分離を行
えるとともに、片持梁の寸法設計の自由度を高めること
ができ、これにより簡単な信号処理にて角速度演算を高
精度に実施できるものが得られる効果がある。
【0300】請求項14の発明によれば、振動片および
これに対向する基板に、上記振動片の水平方向の振動に
対し相互に重なり合う面積が変化する2対の駆動検出電
極を設け、該2対の駆動検出電極を同相駆動して上記振
動片を垂直方向に共振周波数近傍で振動させた時の、上
記2対の駆動検出電極間の容量差の上記周波数成分よ
り、角速度検出回路によって上記振動片の軸線回りの角
速度を検出させるように構成したので、電極数を少なく
しても配線の容易化,電極形成時のマスキングの単純化
およびリード間の浮遊容量の低減を図ることができるほ
か、その角速度検出を信号処理により高精度に実現でき
るものが得られる効果がある。
【0301】請求項15の発明によれば、基板に固定さ
れた保持部を有し、該保持部以外では上記基板に対向し
て近接配置され、該基板面に対し垂直方向に曲げ変形す
る矩形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に設けられ
て、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片
と、上記矩形の振動片およびこれに対向する上記基板に
それぞれ設けられて、上記矩形の振動片の上記水平方向
の振動に対し相互に重なり合う面積が不変な駆動電極
と、上記矩形の振動片の上記水平方向の振動に対し相互
に重なり合う面積が相互に変化する2水平軸方向の4対
の検出電極とを設けて、上記各対の検出電極間の容量差
の上記周波数成分より、角速度検出回路に上記矩形の振
動片の各水平軸回りの角速度を検出させるように構成し
たので、水平軸回りの2軸の角速度を同時に検出でき、
これを信号処理により高精度に実現できるものが得られ
る効果がある。
【0302】請求項16の発明によれば、矩形の振動片
の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化す
る、上記矩形の振動片の中心軸に対し点対称となる4対
の駆動検出電極を設け、該各駆動検出電極を同相駆動し
て、上記矩形の振動片を垂直方向に共振周波数近傍で振
動させた時の、水平軸方向の2対の駆動検出電極間の容
量和を一組とした各組の容量差の上記周波数成分より、
角速度検出回路に上記矩形の振動片の各水平軸回りの角
速度を検出させるように構成したので、水平軸回りの2
軸の角速度を同時に検出できるほか、さらに上記角速度
検出を信号処理によって高精度に実現できるものが得ら
れる効果がある。
【0303】請求項17の発明によれば,基板に固定さ
れた保持部を有し、該保持部以外では上記基板の片面に
対向して近接配置され、かつ少なくとも一部が該基板面
に対し主に垂直方向に曲げ変形する振動片と、該振動片
の一部に連設され、上記基板面に対し水平方向に曲げ変
形する支持片と、上記振動片の片面に設けられた圧電素
子と、上記振動片および上記基板にそれぞれ形成され、
上記振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面
積が変化する少なくとも2対の検出電極を設けるように
構成したので、低い駆動電圧でも検出感度を高くとるこ
とができるとともに、駆動による角速度検出誤差の発生
を抑えることができるものが得られる効果がある。
【0304】請求項18の発明によれば支持片を振動片
の片持支持側に設けると共に、検出電極を上記振動片の
自由端側に設けるように構成したので、各対の検出電極
間における静電容量の変化量を高感度に検知できるもの
が得られる効果がある。
【0305】請求項19の発明によれば支持片を振動片
の両持支持側に設けると共に、検出電極を上記振動片の
幅方向の中心垂直面に対し対称に設けるように構成した
ので、振動片の機械的強度を高めることができるものが
得られる効果がある。
【0306】請求項20の発明によれば支持片を上記振
動片の中途に設けると共に、圧電素子を上記支持片より
保持部側の上記振動片に設け、検出電極を上記支持片よ
り先端部側の、上記振動片の幅方向の中心垂直面に対し
て対称に設けるように構成したので、片持梁基部の水平
(X軸)方向の振動を抑え、振動モードを分離可能にで
きるとともに、片持梁の寸法設計上の自由度を高めるこ
とができるものが得られる効果がある。
【0307】請求項21の発明によれば矩形の振動片の
各角部に設けられた水平方向に変形する支持片と、上記
矩形の振動片の片面に設けられこれの中心から周囲方向
に伸縮変位するよう分極された圧電素子と、矩形の振動
片の各水平方向の振動に対し各水平方向に相互に重なり
合う面積が変化する、4対の検出電極とを設けるように
構成したので、水平軸回りの2軸の角速度を同時に検出
できるものが得られる効果がある。
【0308】請求項22の発明によれば矩形の振動片の
水平軸方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化す
る、上記矩形の振動片の中心軸に対し点対称となる4対
の検出電極を設けるよう構成したので、水平軸回りの2
軸の角速度を同時に検出できるほか、電極面積を広くと
って、S/N比の向上を図れるものが得られる効果があ
る。
【0309】請求項23の発明によれば振動片の一部に
共振周波数を調整する重錘を設けるように構成したの
で、振動片の形状で決まる共振周波数を適切に調整でき
るものが得られる効果がある。
【0310】請求項24の発明によれば片持梁や両持梁
または矩形の振動片に形成される複数の検出電極を共通
電極とするように構成したので、検出電極の共通化によ
り、該検出電極のマスクパターンの単純化およびリード
線数の削減を図れるものが得られる効果がある。
【0311】請求項25の発明によれば振動片の水平方
向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する、少な
くとも2対の検出電極を設けるように構成したので、圧
電素子を駆動して上記振動片を垂直方向に共振周波数近
傍で振動させた時の、上記検出電極間の容量差の上記周
波数成分より、角速度検出回路に上記振動片の軸線回り
の角速度を演算によって検出させるように構成したの
で、正確に角速度検出を実施でき、低い駆動電圧でも検
出感度を高くとることができるとともに、角速度検出誤
差を生じるのを抑えることができるものが得られる効果
がある。
【0312】請求項26の発明によれば矩形の振動片の
各角部に設けられた水平方向に変形する支持片と、上記
矩形の振動片の片面に設けられこれの中心から周囲方向
に伸縮変位するよう分極された圧電素子と、矩形の振動
片の各水平方向の振動に対し各水平方向に相互に重なり
合う面積が変化する4対の検出電極とを設けて、上記圧
電素子を駆動し上記矩形の振動片を垂直方向に共振周波
数近傍で振動させた時の、上記各対の検出電極間の容量
差の上記周波数成分を角速度検出回路により演算によっ
て求めるように構成したので、矩形の振動片の水平軸回
りの2軸の角速度を同時かつ高精度に検出できるものが
得られる効果がある。
【0313】請求項27の発明によれば矩形の振動片の
水平軸方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化す
る、上記矩形の振動片の中心軸に対し点対称となる4対
の検出電極を設け、圧電素子を駆動して上記矩形の振動
片を垂直方向に共振周波数近傍で振動させた時の、上記
各水平軸方向の2対の検出電極間の容量和を一組とした
各組の容量差の上記周波数成分より、角速度検出回路に
上記矩形の振動片の各水平軸回りの角速度を検出させる
ように構成したので、水平軸回りの2軸の角速度を同時
に検出できるものが得られる効果がある。
【0314】請求項28の発明によれば、細長の振動片
の片面に該振動片の軸方向の中心垂直面に対称に設けら
れ、上下2対の電極により圧電膜を挟持するよう積層さ
れて、上記振動片を水平方向に伸縮変位するように分極
された圧電素子を設け、上記振動片および上記基板に、
上記振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面
積が変化する2対の検出電極をそれぞれ設けるように構
成したので、細長の振動板を用いて角速度検出感度/駆
動電圧の比を大きくとり、正確な角速度検出を実現でき
るものが得られる効果がある。
【0315】請求項29の発明によれば、振動片および
基板に、上記振動片の水平方向の振動に対し対向面積が
不変な1対の検出電極をそれぞれ形成するように構成し
たので、角速度検出処理の簡素化と、電極数の削減を図
り、かつマスクパターンの単純化を実現できるものが得
られる効果がある。
【0316】請求項30の発明によれば、圧電素子の2
対の電極うち、圧電素子の少なくとも片面側の電極を共
通化するように構成したので、この圧電素子の電極数を
削減および接続回路の簡素化を実現できるものが得られ
る効果がある。
【0317】請求項31の発明によれば、圧電素子を、
各1対の電極間にで各一の圧電膜を挟持するように積層
し、かつ振動片の幅方向の中心垂直面に対称に配置する
ように構成したので、圧電素子の圧電膜中に中性領域を
作らずに、圧電素子の面積あたりの電気機械変換効率を
上げて、検出感度の向上を図ることができるものが得ら
れる効果がある。
【0318】請求項32の発明によれば、振動片を片持
梁とし、支持片を上記振動片の片持支持側に設けると共
に、検出電極を上記振動片の自由端側に設けるように構
成したので、検出電極間における静電容量の変化量を高
感度に検知できるものが得られる効果がある。
【0319】請求項33の発明によれば、振動片を両持
梁とし、支持片を上記振動片の両持支持側に設けると共
に、検出電極を上記振動片の幅方向の中心垂直面に対称
に設けるように構成したので、振動片の機械的支持強度
を高めることができるものが得られる効果がある。
【0320】請求項34の発明によれば、振動片を片持
梁とし、支持片を上記振動片の中途に設けて、該支持片
より先端部側の垂直方向曲げ剛性を、該支持片より保持
部側の垂直方向曲げ剛性より小にすると共に、圧電素子
を上記保持部側に設け、検出電極を上記先端部側に設け
るように構成したので、振動片の基部が垂直方向に振動
するのを抑えることで、振動モードの分離を可能にし、
これにより片持梁としての寸法設計自由度を高くとれる
ものが得られる効果がある。
【0321】請求項35の発明によれば、振動片の一部
に、該振動片の幅方向の中心垂直面に沿って貫通部を設
けるように構成したので、片持梁としての振動片の水平
方向の実質剛性を下げることで、検出感度を著しく向上
できるものが得られる効果がある。
【0322】請求項36の発明によれば、振動片の水平
方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する2対
の検出電極を設け、角速度検出回路に、圧電素子を駆動
して上記振動片を水平方向に共振周波数近傍で屈曲振動
させた時の、各対の検出電極間の容量和の上記周波数成
分より、上記振動片の軸線回りの角速度を検出させるよ
うに構成したので、圧電素子の振動により生じる振動片
の垂直方向振動を各対の検出電極の垂直方向変位による
容量和の変化により求めて、この容量和変化の周波数成
分から上記振動片の幅方向の中心軸回りの角速度を求め
ることができるものが得られる効果がある。
【0323】請求項37の発明によれば、振動片の水平
方向の振動に対し対向面積が不変な1対の検出電極を設
け、角速度検出回路に、圧電素子を駆動して上記振動片
を水平方向に共振周波数近傍で屈曲振動させた時の、上
記検出電極間の容量の上記周波数成分より、上記振動片
の軸線回りの角速度を検出させるように構成したので、
ただ1対の検出電極により、振動片の幅方向の中心軸回
りの角速度を求めることができるものが得られる効果が
ある。
【0324】請求項38の発明によれば、角速度検出回
路に、各対の検出電極間の容量和に対する容量差の比が
一定となるように、駆動電圧あるいは駆動電流を制御し
て圧電素子を所定振動速度で駆動させるように構成した
ので、1対の検出電極間の容量和および容量差の比か
ら、振動片の駆動方向の屈曲振動の振動速度を所定値に
維持することができるものが得られる効果がある。
【0325】請求項39の発明によれば、角速度検出回
路に、圧電素子に印加される電流と、上記圧電素子に印
加される電圧および該圧電素子の制動アドミッタンスの
積との差が所定値となるように、上記電圧あるいは電流
を制御して、上記圧電素子を所定振動速度で駆動させる
ように構成したので、圧電素子の制動アドミッタンスと
圧電素子に印加される電圧,電流とを用いて、振動片の
駆動方向の振動速度を所定値に維持することができるも
のが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による角速度検出装置に
用いられる角速度センサを示す平面図である。
【図2】 図1における角速度センサを詳細に示すA−
A線断面図である。
【図3】 図1における角速度センサを詳細に示すB−
B線断面図である。
【図4】 図1における角速度センサの製造手順を示す
工程図である。
【図5】 この発明の角速度検出装置における角速度検
出回路を示すブロック図である。
【図6】 この発明における角速度センサの他の実施例
を示す平面図である。
【図7】 この発明における角速度センサのまた他の実
施例を示す平面図である。
【図8】 この発明における角速度センサのさらに他の
実施例を示す平面図である。
【図9】 この発明における角速度センサの他の実施例
を示す平面図である。
【図10】 この発明における角速度センサのまた他の
実施例を示す平面図である。
【図11】 この発明における角速度センサのさらに他
の実施例を示す平面図である。
【図12】 この発明における角速度センサのまた他の
実施例を示す平面図である。
【図13】 この発明における角速度センサのさらに他
の実施例を示す平面図である。
【図14】 図13の角速度センサに用いられる角速度
検出回路を示すブロック図である。
【図15】 この発明における角速度センサの他の実施
例を示す平面図である。
【図16】 この発明における角速度センサのまた他の
実施例を示す平面図である。
【図17】 この発明における角速度センサのさらに他
の実施例を示す平面図である。
【図18】 図17の角速度センサに用いられる角速度
検出回路を示すブロック図である。
【図19】 この発明における角速度センサの他の実施
例を示す平面図である。
【図20】 図19における角速度センサを詳細に示す
C−C線断面図である。
【図21】 この発明の他の実施例による角速度検出装
置に用いられる角速度センサを示す平面図である。
【図22】 図21における角速度センサを詳細に示す
D−D線断面図である。
【図23】 図21における角速度センサの製造手順を
示す工程図である。
【図24】 この発明の角速度検出装置における角速度
検出回路を示すブロック図である。
【図25】 この発明における角速度センサの他の実施
例を示す平面図である。
【図26】 この発明における角速度センサのさらに他
の実施例を示す平面図である。
【図27】 この発明における角速度センサのまた他の
実施例を示す平面図である。
【図28】 この発明における角速度センサの他の実施
例を示す平面図である。
【図29】 図28における角速度センサに用いられる
角速度検出回路を示すブロック図である。
【図30】 この発明における角速度センサのさらに他
の実施例を示す縦断面図である。
【図31】 この発明の別の実施例による角速センサを
示す平面図である。
【図32】 図31における角速度センサを詳細に示す
E―E線断面図である。
【図33】 図31における角速度センサの製造手順を
示す工程図である。
【図34】 この発明の角速度検出装置における角速度
検出回路を示すブロック図である。
【図35】 この発明の他の実施例による角速度センサ
を示す平面図である。
【図36】 図35における角速度センサを用いた角速
度検出回路を示すブロック図である。
【図37】 この発明の角速度センサのまた他の実施例
を示す平面図である。
【図38】 この発明の角速度センサのさらに他の実施
例を示す平面図である。
【図39】 この発明における圧電素子の電極を共通化
した角速度検出回路の部分ブロック図である。
【図40】 この発明における1対の圧電素子を有する
角速度センサを示す断面図である。
【図41】 この発明のさらに別の実施例による角速度
センサ示す平面図である。
【図42】 この発明のまたさらに別の実施例による角
速度センサを示す平面図である。
【図43】 従来の振動ジャイロ方式の角速度センサを
示す分解斜視図である。
【図44】 従来の振動ジャイロ方式の角速度センサを
用いた角速度検出装置を示す接続図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板(基板)、2 片持梁(振動片)、
3,31,32,33支持片、4,5 駆動電極、4
A,4B,4C,4D,4E,4F 圧電素子、6a,
7a 検出電極(第1の検出電極対)、6A,9 共通
電極、6b,7b検出電極(第2の検出電極対)、7
c,7d 検出電極、8 共通検出電極、14a,14
b,15a,15b,15c,15d 駆動検出電極、
16 共通駆動検出電極(共通電極)、23,23A
両持梁(振動片)、24 矩形の振動片、44 重錘、
45a,45b 電極(下部電極)、46 圧電膜、4
7a,47b 電極(上部電極)、81,82 貫通
部。

Claims (39)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板に固定された保持部を有
    し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する振
    動片と、該振動片の一部に連設され、上記基板面に対し
    水平方向に曲げ変形する支持片と、上記振動片およびこ
    れに対向する上記基板にそれぞれ設けられて、上記振動
    片の上記水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が
    不変な1対の駆動電極と、上記振動片およびこれに対向
    する上記基板にそれぞれ設けられて、上記振動片の上記
    水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する
    少なくとも2対の検出電極とを備えた角速度センサ。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板に固定された保持部を有
    し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持
    片を中途に持つと共に該支持片より保持部側で上記基板
    面に対し主に垂直方向に曲げ変形する片持梁と、上記保
    持部側における上記片持梁およびこれに対向する位置の
    上記基板にそれぞれ設けられた1対の駆動電極と、上記
    支持片より先端部側の上記片持梁およびこれに対向する
    位置の上記基板にそれぞれ設けられ、上記先端部側の水
    平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する少
    なくとも2対の検出電極とを備えた角速度センサ。
  3. 【請求項3】 検出電極を駆動電極に対して振動片また
    は片持梁の先端部側に配置したことを特徴とする請求項
    1または2に記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】 基板と、該基板に固定された保持部を有
    し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する振
    動片と、該振動片の一部に連設され、上記基板面に対し
    水平方向に曲げ変形する支持片と、上記振動片およびこ
    れに対向する上記基板にそれぞれ設けられて、上記振動
    片の上記水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が
    変化する2対の駆動検出電極とを備えた角速度センサ。
  5. 【請求項5】 振動片が片持梁であり、支持片が該片持
    梁の一端または途中に該片持梁の軸線方向に設けられて
    いる請求項1〜4のいずれかに記載の角速度センサ。
  6. 【請求項6】 振動片が両端の保持部にて基板に固定さ
    れた両持梁であり、支持片が該両持梁の両端にこれの軸
    線方向に設けられて、駆動電極および検出電極、または
    駆動検出電極が上記両持梁の幅方向の中心垂直面に対し
    対称に配置されている請求項1または請求項4に記載の
    角速度センサ。
  7. 【請求項7】 振動片,片持梁または両持梁に形成され
    る複数の検出電極、およびこれらに対応して基板側に形
    成される複数の検出電極のいずれかを共通検出電極とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の角速度センサ。
  8. 【請求項8】 基板と、該基板に固定された保持部を有
    し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する矩
    形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に連設され、上
    記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片と、上記
    矩形の振動片およびこれに対向する上記基板にそれぞれ
    設けられて、上記矩形の振動片の上記水平方向の振動に
    対し相互に重なり合う面積が不変な1対の駆動電極と、
    上記矩形の振動片の上記水平方向の振動に対し相互に重
    なり合う面積が相互に変化する2水平軸方向の4対の検
    出電極とを備えた角速度センサ。
  9. 【請求項9】 基板と、該基板に固定された保持部を有
    し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する矩
    形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に連設され、上
    記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片と、上記
    矩形の振動片およびこれに対向する上記基板にそれぞれ
    設けられて、上記矩形の振動片の上記水平方向の振動に
    対し相互に重なり合う面積が変化する、上記矩形の振動
    片の中心軸に対し点対称となる4対の駆動検出電極とを
    備えた角速度センサ。
  10. 【請求項10】 振動片または両持梁に形成される駆動
    電極および検出電極、およびこれらに対応して基板側に
    形成される駆動電極および検出電極の少なくともいずれ
    か一方を共通電極とした請求項1〜9のいずれかに記載
    の角速度センサ。
  11. 【請求項11】 振動片上面の一部に共振周波数を調整
    する重錘を設けた請求項1〜10のいずれかに記載の角
    速度センサ。
  12. 【請求項12】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する振
    動片と、該振動片の一部に連設され、上記基板面に対し
    水平方向に曲げ変形する支持片と、上記振動片およびこ
    れに対向する上記基板にそれぞれ設けられて、上記振動
    片の上記水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が
    不変な1対の駆動電極と、上記振動片およびこれに対向
    する上記基板にそれぞれ設けられて、上記振動片の上記
    水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する
    少なくとも2対の検出電極と、上記駆動電極を駆動し上
    記振動片を垂直方向に共振周波数近傍で振動させた時
    の、上記各検出電極間の容量差の上記周波数成分より上
    記振動片の軸線回りの角速度を検出する角速度検出回路
    とを備えた角速度検出装置。
  13. 【請求項13】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持
    片を中途に持つと共に該支持片より保持部側で上記基板
    面に対し主に垂直方向に曲げ変形する片持梁と、上記保
    持部側における上記片持梁およびこれに対向する位置の
    上記基板に設けられた1対の駆動電極と、上記支持片よ
    り先端部側の上記片持梁およびこれに対向する位置の上
    記基板にそれぞれ設けられ、上記先端部側の水平方向の
    振動に対し相互に重なり合う面積が変化する少なくとも
    2対の検出電極と、上記駆動電極を駆動し上記片持梁を
    垂直方向に共振周波数近傍で振動させた時の、上記検出
    電極間の容量差の上記周波数成分より上記片持梁の軸線
    回りの角速度を検出する角速度検出回路とを備えた角速
    度検出装置。
  14. 【請求項14】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する振
    動片と、該振動片の一部に連設され、上記基板面に対し
    水平方向に曲げ変形する支持片と、上記振動片およびこ
    れに対向する上記基板にそれぞれ設けられて、上記振動
    片の上記水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が
    変化する2対の駆動検出電極と、該2対の駆動検出電極
    を同相駆動して上記振動片を垂直方向に共振周波数近傍
    で振動させた時の、上記2対の駆動検出電極間の容量差
    の上記周波数成分より上記振動片の軸線回りの角速度を
    検出する角速度検出回路とを備えた角速度検出装置。
  15. 【請求項15】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する矩
    形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に連設され、上
    記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片と、上記
    矩形の振動片およびこれに対向する上記基板にそれぞれ
    設けられて、上記矩形の振動片の上記水平方向の振動に
    対し相互に重なり合う面積が不変な1対の駆動電極と、
    上記矩形の振動片の上記水平方向の振動に対し相互に重
    なり合う面積が相互に変化する2水平軸方向の各4対の
    検出電極と、上記駆動電極を駆動し上記振動片を垂直方
    向に共振周波数近傍で振動させた時の、上記各対の検出
    電極間の容量差の上記周波数成分より上記矩形の振動片
    の各水平軸回りの角速度を検出する角速度検出回路とを
    備えた角速度検出装置。
  16. 【請求項16】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板に対向して近接配置さ
    れ、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形する矩
    形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に連設され、上
    記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片と、上記
    矩形の振動片およびこれに対向する上記基板にそれぞれ
    設けられて、上記矩形の振動片の上記水平方向の振動に
    対し相互に重なり合う面積が変化する、上記矩形の振動
    片の中心軸に対し点対称となる4対の駆動検出電極と、
    該各駆動検出電極を同相駆動して上記矩形の振動片を垂
    直方向に共振周波数近傍で振動させた時の、各水平軸方
    向の2対の駆動検出電極間の容量和を一組とした各組の
    容量差の上記周波数成分より上記矩形の振動片の各水平
    軸回りの角速度を検出する角速度検出回路とを備えた角
    速度検出装置。
  17. 【請求項17】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ少なくとも一部が該基板面に対し主に垂
    直方向に曲げ変形する振動片と、該振動片の一部に連設
    され、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片
    と、上記振動片の片面に設けられ該振動片を所定方向に
    伸縮変位するよう分極された圧電素子と、上記振動片お
    よび上記基板にそれぞれ形成され、上記振動片の水平方
    向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する少なく
    とも2対の検出電極とを備えた角速度センサ。
  18. 【請求項18】 振動片が片持梁であり、支持片が該振
    動片の片持支持側に設けられていると共に、検出電極が
    上記振動片の自由端側に設けられている請求項17に記
    載の角速度センサ。
  19. 【請求項19】 振動片が両持梁であり、支持片が該振
    動片の両持支持側に設けられていると共に、検出電極が
    上記振動片の幅方向の中心垂直面に対し対称に設けられ
    ている請求項17に記載の角速度センサ。
  20. 【請求項20】 振動片が片持梁であり、支持片が上記
    振動片の中途に設けられていると共に、圧電素子が上記
    支持片より保持部側の上記振動片に設けられ、検出電極
    が垂直方向曲げ剛性を高くした上記支持片より先端部側
    の、上記振動片の幅方向の中心垂直面に対し対称に設け
    られている請求項17に記載の角速度センサ。
  21. 【請求項21】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形
    する矩形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に連設さ
    れ、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片
    と、上記矩形の振動片の片面に設けられこれの中心から
    周囲方向に伸縮変位するよう分極された圧電素子と、上
    記矩形の振動片および上記基板にそれぞれ設けられ、上
    記矩形の振動片の各水平方向の振動に対し各水平方向に
    相互に重なり合う面積が変化する2水平軸方向の4対の
    検出電極とを備えた角速度センサ。
  22. 【請求項22】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形
    する矩形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に連設さ
    れ、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片
    と、上記矩形の振動片の片面に設けられこれの中心から
    周囲方向に伸縮変位するよう分極された圧電素子と、上
    記矩形の振動片および上記基板にそれぞれ設けられ、上
    記矩形の振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合
    う面積が変化する、上記矩形の振動片の中心軸に対し点
    対称となる4対の検出電極とを備えた角速度センサ。
  23. 【請求項23】 振動片または矩形の振動片の一部に共
    振周波数を調整する重錘を設けたことを特徴とする請求
    項17〜22のいずれかに記載の角速度センサ。
  24. 【請求項24】 片持梁や両持梁または矩形の振動片に
    形成される複数の検出電極を共通電極とする請求項17
    〜23のいずれかに記載の角速度センサ。
  25. 【請求項25】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ少なくとも一部が該基板面に対し主に垂
    直方向に曲げ変形する振動片と、該振動片の一部に連設
    され、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片
    と、上記振動片の片面に設けられ該振動片を所定方向に
    伸縮変位するよう分極された圧電素子と、上記振動片お
    よび上記基板にそれぞれ設けられ、上記振動片の水平方
    向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する少なく
    とも2対の検出電極と、上記圧電素子を駆動して上記振
    動片を垂直方向に共振周波数近傍で振動させた時の、上
    記各対の検出電極間の容量差の上記周波数成分より上記
    振動片の軸線回りの角速度を検出する角速度検出回路と
    を備えた角速度検出装置。
  26. 【請求項26】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形
    する矩形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に連設さ
    れ、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片
    と、上記矩形の振動片の片面に設けられこれの中心から
    周囲方向に伸縮変位するよう分極された圧電素子と、上
    記矩形の振動片および上記基板に設けられ、上記矩形の
    振動片の各水平方向の振動に対し各水平方向に相互に重
    なり合う面積が変化する2水平軸方向の4対の検出電極
    と、上記圧電素子を駆動し上記矩形の振動片を垂直方向
    に共振周波数近傍で振動させた時の、上記各対の検出電
    極間の容量差の上記周波数成分より、上記矩形の振動片
    の各水平軸回りの角速度を検出する角速度検出回路とを
    備えた角速度検出装置。
  27. 【請求項27】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ該基板面に対し主に垂直方向に曲げ変形
    する矩形の振動片と、該矩形の振動片の各角部に連設さ
    れ、上記基板面に対し水平方向に曲げ変形する支持片
    と、上記矩形の振動片の片面に設けられこれの中心から
    周囲方向に伸縮変位するよう分極された圧電素子と、上
    記矩形の振動片および上記基板に設けられ、上記矩形の
    振動片の水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が
    変化する、上記矩形の振動片の中心軸に対し点対称とな
    る4対の検出電極と、上記圧電素子を駆動して上記矩形
    の振動片を垂直方向に共振周波数近傍で振動させた時
    の、上記各水平軸方向の2対の検出電極間の容量和を一
    組とした各組の容量差の上記周波数成分より、上記矩形
    の振動片の各水平軸回りの角速度を検出する角速度検出
    回路とを備えた角速度検出装置。
  28. 【請求項28】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ少なくとも一部が該基板面に対し主に水
    平方向に曲げ変形する細長の振動片と、該振動片の一部
    に連設され、上記基板面に対し水平,垂直方向に曲げ変
    形する支持片と、上記振動片の片面に該振動片の軸方向
    の中心垂直面に対称に設けられ、上下2対の電極により
    圧電膜を挟持するよう積層されて、上記振動片を水平方
    向に伸縮変位するように分極された圧電素子と、上記振
    動片および上記基板にそれぞれ形成され、上記振動片の
    水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する
    2対の検出電極とを備えた角速度センサ。
  29. 【請求項29】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ少なくとも一部が該基板面に対し主に水
    平方向に曲げ変形する細長の振動片と、該振動片の一部
    に連設され、上記基板面に対し水平,垂直方向に曲げ変
    形する支持片と、上記振動片の片面に該振動片の軸方向
    の中心垂直面に対称に設けられ、上下2対の電極により
    圧電膜を挟持するよう積層されて、上記振動片を水平方
    向に伸縮変位するように分極された圧電素子と、上記振
    動片および上記基板にそれぞれ形成され、上記振動片の
    水平方向の振動に対し対向面積が不変な1対の検出電極
    とを備えた角速度センサ。
  30. 【請求項30】 圧電素子の2対の電極のうち、圧電素
    子の少なくとも片面側の電極が共通化されている請求項
    28または29に記載の角速度センサ。
  31. 【請求項31】 圧電素子が、各1対の電極間に各一の
    圧電膜を挟持するように積層され、かつ振動片の幅方向
    の中心垂直面に対称に配置されている請求項28または
    29に記載の角速度センサ。
  32. 【請求項32】 振動片が片持梁であり、支持片が上記
    振動片の片持支持側に設けられると共に、検出電極が上
    記振動片の自由端側に設けられている請求項28または
    29に記載の角速度センサ。
  33. 【請求項33】 振動片が両持梁であり、支持片が上記
    振動片の両持支持側に設けられると共に、検出電極が上
    記振動片の幅方向の中心垂直面に対称に設けられている
    請求項28または29に記載の角速度センサ。
  34. 【請求項34】 振動片が片持梁であり、支持片が上記
    振動片の中途に設けられ、該支持片より先端部側の垂直
    方向曲げ剛性が、該支持片より保持部側の垂直方向曲げ
    剛性より小であると共に、圧電素子が上記保持部側に設
    けられ、検出電極が上記先端部側に設けられている請求
    項28または29に記載の角速度センサ。
  35. 【請求項35】 振動片の一部に、該振動片の幅方向の
    中心垂直面に沿って貫通部を設けたことを特徴とする請
    求項28〜34に記載の角速度センサ。
  36. 【請求項36】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外では上記基板の片面に対向して近接
    配置され、かつ少なくとも一部が該基板面に対し主に水
    平方向に曲げ変形する細長の振動片と、該振動片の一部
    に連設され、上記基板面に対し水平,垂直方向に曲げ変
    形する支持片と、上記振動片の片面に該振動片の軸方向
    の中心垂直面に対称に設けられ、上下2対の電極により
    圧電膜を挟持するよう積層されて、上記振動片を水平方
    向に伸縮変位するように分極された圧電素子と、上記振
    動片および上記基板にそれぞれ形成され、上記振動片の
    水平方向の振動に対し相互に重なり合う面積が変化する
    2対の検出電極と、上記圧電素子を駆動して上記振動片
    を水平方向に共振周波数近傍で屈曲振動させた時の、上
    記各対の検出電極間の容量和の上記周波数成分より、上
    記振動片の軸線回りの角速度を検出する角速度検出回路
    とを備えた角速度検出装置。
  37. 【請求項37】 基板と、該基板に固定された保持部を
    有し、該保持部以外でし主に水平方向に曲げ変形する細
    長の振動片と、該振動片の一部に連設され、上記基板面
    に対し水平,垂直方向に曲げ変形する支持片と、上記振
    動片の片面に該振動片の軸方向の中心垂直面に対称に設
    けられ、上下2対の電極により圧電膜を挟持するよう積
    層されて、上記振動片を水平方向に伸縮変位するように
    分極された圧電素子と、上記振動片および上記基板にそ
    れぞれ形成され、上記振動片の水平方向の振動に対し対
    向面積が不変な1対の検出電極と、上記圧電素子を駆動
    して上記振動片を水平方向に共振周波数近傍で屈曲振動
    させた時の、上記検出電極間の容量の上記周波数成分よ
    り、上記振動片の軸線回りの角速度を検出する角速度検
    出回路とを備えた角速度検出装置。
  38. 【請求項38】 角速度検出回路が、各対の検出電極間
    の容量和に対する容量差の比が一定となるように、駆動
    電圧あるいは駆動電流を制御して圧電素子を所定振動速
    度で駆動する請求項36に記載の角速度検出装置。
  39. 【請求項39】 角速度検出回路が、圧電素子に印加さ
    れる電流と、上記圧電素子に印加される電圧および該圧
    電素子の制動アドミッタンスの積との差が所定値となる
    ように、上記電圧あるいは電流を制御して、上記圧電素
    子を所定振動速度で駆動する請求項25,26,27,
    36,37のいずれかに記載の角速度検出装置。
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