JPH0791958A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH0791958A
JPH0791958A JP5239666A JP23966693A JPH0791958A JP H0791958 A JPH0791958 A JP H0791958A JP 5239666 A JP5239666 A JP 5239666A JP 23966693 A JP23966693 A JP 23966693A JP H0791958 A JPH0791958 A JP H0791958A
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mass
velocity sensor
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mass parts
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JP5239666A
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Miki Tamura
美樹 田村
Masahiro Fushimi
正弘 伏見
Yoshiki Uda
芳己 宇田
Yoshihisa Sano
義久 左納
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で、多軸方向の角速度が高精度に検出で
き、かつ、量産性に優れた角速度センサを提供する。 【構成】 平板状の基板13の上面には柱状の固定部8
が形成され、固定部8には、円周方向に約90°の間隔
で支持梁9が形成されている。これらの支持梁9には、
それぞれ等価な4つの、第1乃至第4の質量部1〜4が
基板13上に空隙を介して円周方向に支持され、連結部
5により一体的に連結されている。そして、基板13の
上面には、静電容量を検出するための検出電極14が、
各質量部1〜4にそれぞれ対向して配設されている。各
質量部1〜4の両側面はそれぞれ櫛形形状に形成されて
おり、これら各櫛歯に対向して櫛形形状の駆動電極6が
それぞれ互い違いになるように配設されている。そし
て、各駆動電極6にはそれぞれ電圧印加部7が質量部1
〜4の外周側に引き出して形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は角速度センサに関するも
のであり、特に、振動ジャイロ方式による多軸検知型角
速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物体の角速度を検出するものとし
て振動ジャイロが知られている。振動ジャイロは一定の
振動数で振動している振動子に角速度が加わった時に該
振動子に生じるコリオリ力を検出することによって加え
られた角速度を検出するものである。
【0003】従来、振動ジャイロとしては、2つの振動
子を連結部を介して音叉形状に組み立てた音叉型振動ジ
ャイロや、円柱型や多角柱型の振動子からなる音片型振
動ジャイロなどが知られている。
【0004】しかしながら、これらの振動ジャイロは、
機械加工および機械的組立てによって作製されているた
めに、小型化、高精度化が困難であり、また、量産性に
も問題があった。
【0005】そこで、これらの問題を解決する方法とし
て、特開昭61−139719号公報や特開昭62−1
85118号公報などに開示されているように、シリコ
ンなどの半導体基板をフォトリソグラフィー技術を用い
て加工することにより、小型の振動ジャイロを作製する
技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記半
導体基板を用いた振動ジャイロにおいても以下の問題点
があった。 (1)多軸回りの角速度を検出する場合には、1つの検出
軸に対して1つの振動ジャイロが必要であり、そのため
多軸検知が必要なシステムにおいては復数個の振動ジャ
イロと、多くの実装スペースを要し、システムの小型化
を困難にしていた。 (2)多軸回りの角速度を検出する場合、複数個の振動ジ
ャイロを必要とするが、各振動ジャイロの固有振動数を
一致させ、同一に駆動するのは困難であった。そのた
め、振動数を一致させるための後工程など、工数が増
え、歩留りの低下を招いていた。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するために成
されたものであり、小型で、多軸方向の角速度が高精度
に検出でき、かつ、量産性に優れた角速度センサを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、振動ジャイロ方式による多軸検知型の角速度
センサであって、円周方向に略90°の間隔で形成され
た等価な4つの質量部と、前記4つの質量部を一体的に
連結する連結部と、前記4つの質量部を平板基板上に支
持する支持部と、前記4つの質量部を一体的に円周方向
に所定振動数で振動させる振動駆動手段とからなり、前
記振動駆動手段により前記4つの質量部が一体的に振動
している時に任意の検出軸の回りに角速度が加わった
際、前記4つの質量部のうちの、相対する1組あるいは
2組の質量部の平面基板に対する垂直方向の変位量をそ
れぞれ検出する検出手段を備えたことを特徴とするもの
である。
【0009】また、前記角速度センサは、平面基板上に
フォトリソグラフィー技術を用いて形成されたものでも
よい。
【0010】そして、前記角速度センサにおいて、上記
の4つの質量部、連結部、および支持部は単結晶シリコ
ン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンもしくは金
属からなるものや、前記振動駆動手段は静電駆動を用い
たものや、前記角速度センサにおける、駆動の固有振動
数と検出の固有振動数とをほぼ一致させたものや、前記
角速度センサーは真空中に封止されたものでもよい。
【0011】本発明において、4つの質量部を振動駆動
させる手段としては静電駆動、磁気駆動、圧電駆動、な
どを用いることができるが、静電駆動がより適してい
る。また、検出手段としては静電容量検出、磁気コイル
による検出、圧電材や歪ゲージによる検出、原子間力や
トンネル電流による検出などの手段を用いることができ
る。
【0012】
【作用】上記のとおり構成された本発明では、円周方向
に90°の間隔で形成された等価な4つの質量部が連結
部により一体化されており、この4つの質量部を振動駆
動手段により一体的に円周方向に所定振動数で振動させ
ると、互いに向い合った2組の質量部はそれぞれ対称な
動きで振動する。
【0013】このように4つの質量部が所定振動数で一
体的に振動している時、任意の検出軸の回りに角速度ω
が加わると、角速度ωに比例したコリオリ力が前記検出
軸の位置に応じて1組あるいは2組のそれぞれの質量部
に互いに逆向きに生じる。これにより、互いに向き合っ
た1組あるいは2組の質量部はそれぞれ平板基板に対し
て垂直方向にシーソのように振動変位する。
【0014】そして、前記検出軸の位置が1組の質量部
のみを振動変位させる場合は、1組の質量部における変
位量を検出手段により検出し、既知である所定の変位量
に応じた角速度に基づいて換算することにより、検出軸
の回りに加えられた角速度が求まる。また、前記検出軸
の位置が2組の質量部を振動変位させる場合は、各質量
部の振動変位に応じた検出手段からの検出比及び検出量
により加えられた角速度が求まる。このため、多軸回り
の角速度の検知が可能となる。
【0015】また、上記のような振動駆動手段による振
動の際には向き合った2組の質量部が対称運動するの
で、検出時において重力などの外力は除去され、検出精
度の高いものとなる。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0017】(第1の実施例)図1は本発明の角速度セ
ンサの第1の実施例を示す上面図である。図2は図1の
A−A’線断面図であり、(a)は図1に示した角速度
センサの第1の検出軸回りに角速度が加わる前の状態を
示し、(b)は振動している質量部に第1の検出軸回り
の角速度が加わった時の状態を示している。
【0018】本実施例の角速度センサは、図1および図
2(a)に示すように、平板状の基板13を備えてい
る。基板13の上面には柱状の固定部8が形成され、固
定部8には、円周方向に約90°の間隔で支持梁9が形
成されている。これらの支持梁9には、それぞれ等価な
4つの、第1乃至第4の質量部1〜4が基板13上に空
隙を介して円周方向に支持され、連結部5により一体的
に連結されている。そして、基板13の上面には、各質
量部との間の静電容量を検出するための検出電極14
が、各質量部1〜4にそれぞれ対向して配設されてい
る。
【0019】上記質量部1〜4、連結部5、固定部8お
よび支持梁9は、基板13上にフォトリソグラフィー技
術を用いて形成され、材質としては単結晶シリコン、多
結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコンや、
ニッケル、銅等の金属が使用されている。各質量部1〜
4の両側面はそれぞれ櫛形形状に形成されており、これ
ら各櫛歯に対向して櫛形形状の駆動電極6がそれぞれ互
い違いになるように配設されている。そして、各駆動電
極6にはそれぞれ電圧印加部7が質量部1〜4の外周側
に引き出して形成されている。
【0020】駆動電極6に電圧が印加されると、駆動電
極6と質量部1〜4との間に静電力が働く。このため、
各質量部1〜4のそれぞれ両側面近傍の駆動電極6に印
加する電圧を周期的に交互に切り換えることにより、質
量部1〜4を円周方向(矢印10方向)に一体的に振動
させることができる。このとき、第1の質量部1と第3
の質量部3、および第2の質量部2と第4の質量部4と
は、それぞれ円の中心点に対して対称的な動きをする。
なお、振動時に櫛歯同士がぶつからないように、櫛歯間
の距離および支持梁9の形状を設計しておく必要があ
る。
【0021】このように振動している第1乃至第4の質
量部1〜4に第1の検出軸11回りの角速度ω1が加わ
ると、図2(b)に示すように、第1の質量部1と第2
の質量部3には、それぞれ垂直方向にコリオリ力Fが基
板面に対してに互いに逆向きに生じ、質量部1および質
量部3は、固定部8を中心とした上下方向に回転するよ
うに変位する。その結果、シーソーのように固定部8を
中心にして基板面に対して上下方向に振動する。
【0022】次に、本実施例の角速度センサが備える検
出手段の構成について説明する。
【0023】図3は、第1の質量部1および第3の質量
部3における検出部を模式的に表わした等価回路図であ
る。
【0024】第1の質量部1および第3の質量部3は、
図3に示すように固定部8を通じて接地され、検出電極
14は第1の質量部1および第3の質量部3にそれぞれ
対向した電極としてコンデンサC1、C3を構成してい
る。第1の質量部1、第3の質量部3は、第1の検出軸
11回りの角速度ω1によりコリオリ力を受けて変位す
ると、コンデンサC1、C3の容量が変化するようになっ
ている。
【0025】また同様に、第2の質量部2および第4の
質量部4に関し、それぞれ検出電極14との間にコンデ
ンサC2、C4が構成されている。軸12回りの角速度ω
2が加わると、第2の質量部2および第4の質量部4に
は基板面に対して垂直方向にコリオリ力が互いに逆向き
に生じる。そして、第2の質量部2および第4の質量部
4がコリオリ力を受けて変位すると、コンデンサC2
4の容量が変化するようになっている。
【0026】図4は本発明の角速度センサの第1の実施
例が備える検出回路の構成図であり、コンデンサC1
コンデンサC3に抵抗R1、R2が接続され、コンデンサ
2、コンデンサC4に抵抗R2、R4が接続されて、それ
ぞれにブリッジ回路が構成されている。更に、ブリッジ
回路には発振器21と不平衡電圧検出回路22、23が
接続されている。これらの不平衡電圧検出回路22、2
3は全波整流回路、ローパスフィルタおよび作動増幅器
から構成され、高周波の振幅値を抽出して不平衡電圧を
増幅するものである。
【0027】このような構成において、第1乃至第4の
質量部1〜4が振動している際、図1に示したような軸
11回りの角速度ω1が加わると、質量部1および質量
部3はシーソーのように固定部8を中心にして回動し、
コンデンサC1およびコンデンサC3の容量が変化する。
このとき、コンデンサC1とコンデンサC3とでは容量は
逆相に変化する。このため、発振器21からブリッジ回
路に振幅一定の高周波が印加されると、コンデンサC1
およびコンデンサC3のインピーダンス変化による不平
衡電圧が不平衡電圧検出回路22に入力され、第1の質
量部1および第3の質量部3の変化が効率良く検出さ
れ、不平衡電圧検出回路22の出力が角速度に換算され
る。また同様に、軸12回りに角速度ω2が加わると、
コンデンサC2とコンデンサC4の容量は逆相に変化す
る。このため、同様に発振器21からブリッジ回路に振
幅一定の高周波が印加されると、コンデンサC2および
コンデンサC4のインピーダンス変化による不平衡電圧
が不平衡電圧検出回路23に入力され、その出力が角速
度に換算される。このようにして、加えられた角速度を
検出することができる。
【0028】また、不平衡電圧検出回路22、23の両
方の出力値を用いて第1の検出軸11および第2の検出
軸12以外の軸回りの角速度を検出することも可能であ
る。すなわち、図1において、第2の検出軸12と角度
θをなす軸回りに大きさvの角速度が生じた場合、第1
の検出軸11回りにvSINθ、第2の検出軸12回りに
vCOSθの大きさの角速度が加わり、加えられた角速度
に応じたコリオリ力が第1の質量部1と第3の質量部
3、および第2の質量部2と第4の質量部4に働き、第
1の質量部1と第3の質量部3、および第2の質量部2
と第4の質量部4が振動変位する。したがって、不平衡
電圧検出回路22、23の出力比より角度θを、また、
これらの出力値より加えられた角速度vを求めることが
できる。
【0029】次に、本実施例の角速度センサの製造工程
について説明する。
【0030】図5は本発明の角速度センサの第1の実施
例の製造工程を説明するための工程図である。
【0031】図5(a)に示すように、シリコン基板3
1上に熱酸化膜を5000Å形成し、さらにこの上にL
PCVD法によりシリコン窒化膜を1500Å形成し、
絶縁層32を形成する。次に、図5(b)に示すよう
に、絶縁層32の一部をエッチングにより除去し、固定
部形成用の開口部を形成する。エッチングにはCF4
反応ガスとして用いた。次に、図5(c)に示すよう
に、50Åのクロムを下引層とし、1000Åの金をス
パッタリング法により形成した後、パターニングして検
出用電極33を形成する。次いで、図5(d)に示すよ
うにスパッタリング法により犠牲層シリコン酸化層34
を2μm形成し、図5(e)に示すようにパターニング
した後、この上に、図5(f)に示すようにリンドーピ
ングポリシリコン層35をLPCVD法により5μm形
成する。リンはイオン注入法によりドーピングしてもよ
い。図5(g)に示すようにポリシリコン層35をパタ
ーニングして、駆動電極、固定部、支持梁、質量部を形
成し、次に、図5(h)に示すようにフッ酸水溶液によ
り、犠牲層シリコン酸化層34を除去することにより、
角速度センサを形成した。
【0032】本実施例では、質量部の内径150mm、
外径550mmとし、櫛形電極の数20、櫛歯間のギャ
ップ2μmとした。また、駆動方向(質量部の円周方向
の振動)及び検出方向(質量部の基板面に対する上下方
向)の変位量を大きくし、検出感度を高める為、駆動の
固有振動数と、検出の固有振動数を一致させた。また、
同様の目的で角速度センサを真空中に封止した構造とし
た。
【0033】このような角速度センサを真空中におい
て、交流印加電圧20V、駆動周波数100KHzで駆
動したところ、10μmの駆動振幅が得られた。また、
出力を検出したところ、2つの軸方向に対しては良好に
角速度を検出することができ、1°/secの入力角速
度において、0.1mVの出力を得ることができた。な
お、本実施例においては角速度センサ本体をポリシリコ
ン層で形成したが、MOCVD法やエピタキシャル成長
法により作製したシリコン層やスパッタリング法、蒸着
法、もしくはメッキ法により作製した金属層を用いても
よい。
【0034】(第2の実施例)図6は本発明の角速度セ
ンサの第2の実施例の構成を示す上面図である。
【0035】本実施例の角速度センサにおいては、図6
に示すように、円周方向に約90°の間隔で形成された
等価な4つの、第1乃至第4の質量部41〜44が内周
側に十字型の連結部45を介して一体的に連結されてい
る。また、第1の実施例と同様に、シリコン等からなる
平板状の基板(不図示)を備えており、この基板上に
は、柱状の固定部48が前記4つの質量部41〜44を
連結した各直線部をそれぞれ挟むように形成されてい
る。前記4つの質量部41〜44は、各固定部48にそ
れぞれ形成された支持梁49により、前記基板上に空隙
を介して支持されている。
【0036】各質量部41〜44の両側面はそれぞれ櫛
形形状に形成されており、これら各櫛歯に対向して櫛形
形状の駆動電極46がそれぞれ互い違いになるように配
設されている。そして、各駆動電極46にはそれぞれ電
圧印加部47が質量部41〜44の外周側に引き出して
形成されている。
【0037】本実施例においても、第1乃至第4の質量
部41〜44が円周方向に振動している際、第1の検出
軸51回りに角速度ω1が加えられると、対称構造であ
る第1の質量部41および第3の質量部43に互いに逆
向きに、前記角速度ω1に比例したコリオリ力が生じ、
第1の質量部41および第3の質量部43はこれらの中
心点を挟んでシーソーのように変位する。同様に、第2
の検出軸52回りに角速度ω2が加わると、対称構造で
ある第2の質量部42および第4の質量部44はこれら
の中心点を挟んでシーソーのように変位する。このよう
な変位量を検出することにより、加えられた角速度を求
めることができる。
【0038】本実施例における駆動方法、検出方法、製
造方法などは第1の実施例と同様である。
【0039】(第3の実施例)図7は本発明の角速度セ
ンサの第3の実施例の構成を示す上面図である。
【0040】本実施例の角速度センサにおいては、図7
に示すように、円周方向に約90°の間隔で形成された
等価な4つの、第1乃至第4の質量部61〜64が、連
結部66により各質量部61〜64の回りを所定の間隔
のスリット65を介して囲み、各質量部61〜64の内
周側の一部位同士を連結して一体化されている。このよ
うなスリット65を設けたことにより、各質量部61〜
64はそれぞれ検出方向すなわち基板面(不図示)に垂
直な方向に変位しやすい形状となり、検出感度を向上さ
せることが可能となる。また、第1の実施例と同様に、
シリコン等からなる平板状の基板(不図示)を備えてお
り、この基板の、前記4つの質量部61〜44の中心側
となる上面には、2つの固定部67が、前記4つの質量
部61〜64の中心に対称にして形成されている。そし
て、前記4つの質量部61〜64は、一方の固定部から
第1と第4の質量部の間の連結部66に、もう一方の固
定部から第2と第3の質量部の間の連結部66にかけ
て、それぞれ互いに渦巻状にして形成された支持梁68
により、前記基板上に空隙を介して支持されている。
【0041】さらに、第1と第4の質量部の間の連結部
66および第2と第3の質量部の間の連結部は、それぞ
れ第1乃至第4の質量部61〜64の外周側に突出して
いるとともに櫛形形状に形成されており、これら各櫛歯
に対向して櫛形形状の駆動電極69がそれぞれ互い違い
になるように配設されている。
【0042】本実施例においても、第1乃至第4の質量
部61〜64が円周方向に振動している際、第1の検出
軸71回りに角速度ω1が加えられると、対称構造であ
る第2の質量部62および第4の質量部64に互いに逆
向きに、前記角速度ω1に比例したコリオリ力が生じ、
第1の質量部61および第3の質量部63はこれらの中
心点を挟んでシーソーのように変位する。同様に、第2
の検出軸72回りに角速度ω2が加わると、対称構造で
ある第1の質量部61および第3の質量部63はこれら
の中心点を挟んでシーソーのように変位する。このよう
な変位量を検出することにより、加えられた角速度を求
めることができる。
【0043】本実施例における駆動方法、検出方法、製
造方法などは第1の実施例と同様である。
【0044】上記第1乃至第3の実施例においては、櫛
形電極を用いた静電駆動により円周方向に第1乃至第4
の質量部を振動させているが、本発明は特にこれに限定
されるものではない。
【0045】図8は、本発明の角速度センサにおける他
の静電駆動方式を示す斜視図であり、(a)および
(b)は質量部および駆動電極の一部を示している。
【0046】図8(a)に示すように駆動電極75に電
圧を印加することにより、質量部73との間に静電力が
働き、矢印方向に第1乃至第3の実施例と同様の方向に
駆動させることができる。また、図8(b)に示すよう
に、積層形の電極としてもよい。
【0047】また、検出方式も特に限定されるものでは
なく、第1乃至第4の質量部の先端もしくは下部にST
M用のチップやAFM用のチップを形成し、STM方
式、AFM方式による検出を行ってもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、等価な4
つの質量部を円周方向に90°の間隔で形成し、これら
の4つの質量部を連結部にて一体化して平面基板上に支
持部により支持し、かつ前記一体化された4つの質量部
を所定振動数で振動させる振動駆動手段と、前記振動駆
動手段により前記4つの質量部が一体的に振動している
時に検出軸の回りに角速度が加わった際、前記4つの質
量部のうちの、相対する1組または2組の質量部の平面
基板に対する垂直方向の変位量をそれぞれ検出する検出
手段を設けた構成にした事により、簡易な構成にて多数
の軸回りの角速度の検出が可能となり、システムの小型
化が容易となる。また、連結部によって4つの質量部を
一体化した構成であるので、4つの質量部全体が同一振
動を励起することができる。さらに、向い合った2つの
質量部は対称運動するため、重力などの外力の影響を除
去することができ、高精度に角速度が検出できる。
【0049】さらに、本発明は、シリコン、ガラス等の
平面基板上にフォトリソグラフィー技術を用いて作製し
たことにより、量産性に優れた角速度センサを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角速度センサの第1の実施例の構成を
示す上面図である。
【図2】図1のA−A線断面図であり、(a)は図1に
示した角速度センサの第1の検出軸回りに角速度が加わ
る前の状態を示し、(b)は振動している質量部に第1
の検出軸回りの角速度が加わった時の状態を示してい
る。
【図3】第1の質量部および第3の質量部における検出
部を模式的に表わした等価回路図である。
【図4】本発明の角速度センサの第1の実施例が備える
検出回路の構成図である。
【図5】本発明の角速度センサの第1の実施例の製造工
程を説明するための工程図である。
【図6】本発明の角速度センサの第2の実施例の構成を
示す上面図である。
【図7】本発明の角速度センサの第3の実施例の構成を
示す上面図である。
【図8】本発明の角速度センサにおける他の静電駆動方
式を示す斜視図であり、(a)および(b)は質量部お
よび駆動電極の一部を示している。
【符号の説明】
1,41,61 第1の質量部 2,42,62 第2の質量部 3,43,63 第3の質量部 4,44,64 第4の質量部 5,45,66 連結部 6,46,69,75 駆動電極 7,47 電圧印加部 8,48,67 固定部 9,49,68,74 支持梁 10,50,70 振動方向 11,51,71 第1の検出軸 12,52,72 第2の検出軸 13 基板 14 検出電極 21 発振器 22,23 不平衡電圧検出回路 31 シリコン基板 32 絶縁層 33 検出用電極 34 犠牲層シリコン酸化層 35 リンドーピングポリシリコン層 65 スリット 73 質量部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 左納 義久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動ジャイロ方式による多軸検知型の角
    速度センサであって、 円周方向に略90°の間隔で形成された等価な4つの質
    量部と、 前記4つの質量部を一体的に連結する連結部と、 前記4つの質量部を平板基板上に支持する支持部と、 前記4つの質量部を一体的に円周方向に所定振動数で振
    動させる振動駆動手段とからなり、 前記振動駆動手段により前記4つの質量部が一体的に振
    動している時に検出軸の回りに角速度が加わった際、前
    記4つの質量部のうちの、相対する1組または2組の質
    量部の平面基板に対する垂直方向の変位量をそれぞれ検
    出する検出手段を備えたことを特徴とする角速度セン
    サ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の角速度センサは、平面基
    板上にフォトリソグラフィー技術を用いて形成されたも
    のであることを特徴とする角速度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の角速度センサにおいて、
    前記4つの質量部、連結部、および支持部は単結晶シリ
    コン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンもしくは
    金属からなることを特徴とする角速度センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の角速度センサにおいて、 前記振動駆動手段は静電駆動を用いたことを特徴とする
    角速度センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の角速度センサにおいて、 駆動の固有振動数と検出の固有振動数とをほぼ一致させ
    たことを特徴とする角速度センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の角速度センサーは真空中
    に封止されたものであることを特徴とする角速度セン
    サ。
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