JP2000055669A - 振動式角速度検出器 - Google Patents

振動式角速度検出器

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JP2000055669A
JP2000055669A JP10230078A JP23007898A JP2000055669A JP 2000055669 A JP2000055669 A JP 2000055669A JP 10230078 A JP10230078 A JP 10230078A JP 23007898 A JP23007898 A JP 23007898A JP 2000055669 A JP2000055669 A JP 2000055669A
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vibrator
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excitation
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JP10230078A
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Tokuo Fujitsuka
徳夫 藤塚
Motohiro Fujiyoshi
基弘 藤吉
Yutaka Nonomura
裕 野々村
Yoshiteru Omura
義輝 大村
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】温度変化に対し安定に作動する振動式角速度検
出器を得ること 【解決手段】慣性質量を持ったマス部10とそれを支持
する支持ビーム21、22、23、24からなる、励振
振動方向と検出振動方向が直交する振動式角速度検出器
の振動子210のマス部10に、励振振動方向に平行な
貫通した横穴310をもうけ、粘性媒体とともに封止す
る。この振動子210は励振振動方向には粘性媒体から
受ける粘性抵抗が小さく、検出振動方向には粘性抵抗が
大きい。周波数特性は励振振動のQ値は大きく、検出振
動のQ値は小さいので、励振振動方向の共振周波数で励
振させることにより、温度変化に対し安定に作動する振
動式角速度検出器が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体の微細加工によ
り形成され、角速度を振動子に生起されるコリオリ力に
関連して検出するようにした角速度検出器に関する。詳
しくは、ビームにより振動可能に支持された振動子を1
軸方向に励振させ、それと直交する方向の振動を検出す
る振動式角速度検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、シリコンマイクロマシニング技術
の発達により、たとえば特開平7−43166号公報に
記載されているような振動式角速度検出器が提案されて
いる。これは図9の斜視図に示す振動子を基本とするも
のであり、図8に示すようなプロセスフローのもと微細
加工技術により作製される。作製された振動子は湿気等
外部からの異物の侵入を防ぐため図7のようにキャン封
止されるが、図10の(a),(b)に示すとおり振動
子の振動特性のQ値は減圧により高くなり、励振振動の
消費電力を抑え、検出器としての感度を上げることがで
きるため、パッケージ内は高真空にすることが一般的で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の振動
式角速度検出器はマイクロマシニング技術のプロセスば
らつきによる形状誤差、使用前の振動特性の調整の難し
さから、温度変化に対する安定性に問題があった。
【0004】現在のマイクロマシニング技術ではトリミ
ング用レーザビームのスポット径が10-5m程度と大き
く、図9に示すような第1ビーム21、22、23、2
4の幅が10-6m程度の振動子を精密にトリミング加工す
ることは困難で、形状誤差は無視できない。
【0005】振動式検出器を効率よく作動させる、すな
わち低消費電力で励振させ大きな検出振動を得るために
は、励振振動と検出振動の共振周波数fx ,fy を等し
くし、振動式検出器の内部を高真空に保持するなどして
励振振動と検出振動の振動特性のQ値Qx ,Qy を共に
高くするよう設計することが考えられる。しかしΔf=
|fx −fy |が小さいと、図11の(a),(b)に
示すとおり、温度変化によりfx ,fy ,Qx ,Qy
変化し、温度変化による感度変化が著しく、振動式角速
度検出器として非常に使いにくいものとなってしまう。
【0006】更に、前述の理由により設計どおりΔf=
0と作製することは非常に困難である。また、実際に作
動させた場合、Δfが小さいほど角速度入力に対する高
速応答性が低下してしまうほか、高真空下では振動子の
共振特性がシャープになりすぎ、Δfの調整がクリチカ
ルになったり、応答性能が低下する。加えて粘性効果が
働かず外部からの衝撃により破壊し易い。
【0007】本発明の目的は、温度変化に対し安定に作
動する振動式角速度検出器を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明の構成は、振動子の励振振動方向と検出振動方向
が直交する振動式角速度検出器において、前記振動子が
粘性を持った媒体と共に封止されており、前記振動子が
励振振動方向と検出振動方向について前記媒体から及ぼ
される粘性抵抗に差がある構造とし、前記粘性抵抗によ
り、前記振動子の励振振動の振動特性のQ値を検出振動
の振動特性のQ値と異なるようにしたことを特徴とす
る。
【0009】励振振動の振動特性のQ値を検出振動の振
動特性のQ値とは異なるようにする具体的な手段は以下
のとおりである。振動子が粘性を持った媒体と共に封止
され、Q値を大きくする振動方向には前記媒体を通過さ
せて粘性抵抗を下げ、Q値を小さくする振動方向には前
記媒体の通過を阻止して粘性抵抗を上げる構造を持つこ
とで、前記粘性抵抗により、前記振動子の励振振動の振
動特性のQ値を検出振動の振動特性のQ値とは異なるよ
うにすることができる。
【0010】励振振動の方向にx軸、それと直交する検
出振動の方向にy軸をとり、x軸、y軸と直交するz軸
をとるとき、慣性質量を有するマス部を振動可能に支持
しz軸の回りの角速度をy軸方向に生起されるコリオリ
力に関連する物理量を検出することで角速度を検出する
振動式角速度検出器において、x軸方向の励振振動がx
=x0sinαtで表されるとき、振動子の質量をmとして
z軸の回りの角速度Ωによるy軸方向のコリオリ力Fc
は数1のとおりであり、これによって生起される検出振
動は、励振振動同様、角周波数αで振動することがわか
る。
【数1】 Fc =−2mΩdx/dt=−2mΩx0 α cosαt
【0011】振動特性のQ値は、外部から角周波数ωの
強制振動を受ける振動系において、振動の系のエネルギ
ーwに対し、最大値wmax となる時のω=ω0 と半分の
max /2となる時のω=ω+ ,ω- (ω+ >ω- )に
ついて、Q=ω0 /(ω+ −ω- )と定義される。別の
定義では、外部から角周波数ω0 の強制振動で共鳴が起
こったときに、振動系のエネルギーをW、単位時間のエ
ネルギー損失をSとしてQ=ω0 W/Sで定義される。
これら二つの定義は同一の意味を二通りの方法で表現し
たものである。第一の定義からはQが大きいと強制振動
の角周波数ωの狭い範囲で強制振動から振動系に効率的
にエネルギーが伝わることが、第二の定義からはQが大
きいと共振周波数ω0 において振動系のエネルギーに対
するエネルギー損失が少ないことが容易に理解される。
【0012】図12のように、励振振動の振動特性のQ
値Qx が検出振動の振動特性のQ値Qy よりも大きくΔ
f=|fx −fy |≠0となるようにし、常に励振振動
の共振周波数fx で振動子を励振させると、fx での検
出振動の振幅Aが検出感度に比例することは明らかであ
る。するとfx 付近における検出振幅周波数特性の傾き
が、Qy がQx と等しい時よりも小さいため、温度変化
によるfx ,fy 及びΔfの変化が感度(励振振動の共
振周波数fx での検出振動の振幅A)に与える影響を抑
えることができる。したがって温度変化があっても検出
振動振幅の変化は小さいので、安定に作動する振動式角
速度検出器を得ることができる。全く同様に図13のよ
うに励振振動の振動特性のQ値Qx が検出振動の振動特
性のQ値Qy よりも小さくΔf=|fx −fy |≠0と
し、常に検出振動の共振周波数fy で振動子を励振させ
ると、fy での励振振動の振幅Bが励振効率に比例す
る。fy 付近における励振振幅周波数特性の傾きが小さ
いため、温度変化によるfx,fy 及びΔfの変化が励
振振幅の変化に及ぼす影響を抑えることができる。した
がって温度変化があっても励振振動振幅の変化は小さく
でき、その結果、検出振動振幅の温度変化も小さくする
ことができる。よって、安定に作動する振動式角速度検
出器を得ることができる。
【0013】図12、図13にはfx >fy の例を示し
たが、当然fx <fy のときも前述のとおり、温度変化
に対し安定に作動する振動式角速度検出器を得ることが
できる。
【0014】粘性を持った媒体としては、適度な粘度と
振動子の素材自体に影響を与えない点から不活性ガスが
望ましく、具体的には窒素、ネオン、ヘリウム、アルゴ
ン、キセノン等が望ましい。図14に本発明に使用可能
な主な気体の常温常圧での粘度を示す。振動子に働く粘
性効果は、気体の場合圧力が数Paから存在し、大気圧
(圧力105 Pa)より大きい圧力まで有効であるが、励振
振動の振動特性のQ値を数百から数千とするためには圧
力を数Paから数百Pa程度とすることが必要である。
【0015】Q値と粘度の関係は以下のように理解する
ことができる。粘性抵抗Fv は例えば粘度ηの媒体中の
半径aの球が速度vで動くとき Fv =6πaηv と
なるように、粘性抵抗Fv は速度と粘度ηに比例するか
ら、数2が成立し、単位時間のエネルギー損失Sは当然
一周期当たりのFv のする仕事に比例するから、Qの第
二の定義からQが粘度ηに反比例することがわかる。
【数2】Fv ∝ηdx/dt
【0016】以上まとめると、励振振動方向、検出振動
方向とも、それぞれのQ値は粘性媒体の粘度に反比例す
ることがわかる。
【0017】以上から、振動子が粘性を持った媒体と共
に封止され、振動子がx軸方向とy軸方向について粘性
媒体から及ぼされる粘性抵抗に差がある構造を持つこと
で、粘性を持った媒体の粘度ηとの関係から、励振振動
の振動特性のQ値Qx を検出振動の振動特性のQ値Qy
と異なるようにすることが可能となった。更に励振振動
の共振周波数fx と検出振動の共振周波数fy をΔf=
|fx −fy |が所望の値になるよう設計し、Qx >Q
y の時は励振振動の共振周波数fx で、Qx <Qy の時
は検出振動の共振周波数fy で励振させるよう振動式角
速度検出器を作製する。
【0018】
【発明の作用及び効果】振動式角速度検出器の振動子が
粘性を持った媒体と共に封止されており、振動子の構造
は励振振動方向と検出振動方向について粘性媒体から及
ぼされる粘性抵抗に差があるので、振動子の励振振動の
振動特性のQ値は検出振動の振動特性のQ値と異なる。
励振振動の振動特性のQ値が検出振動の振動特性のQ値
よりも大きいときは、励振振動方向の共振周波数で励振
させることにより、その周波数付近での検出振動振幅の
周波数特性の傾きが小さく、温度変化による感度変化を
抑えることができる。逆に、励振振動の振動特性のQ値
が検出振動の振動特性のQ値よりも小さいときは、この
振動子を検出振動方向の共振周波数で励振させることに
より、その周波数付近での励振振動振幅の周波数特性の
傾きが小さく、温度変化による励振振幅の変化を抑える
ことができ、結果、検出振動の温度変化も抑えることが
できる。すなわち、本発明により、温度変化に対して安
定に作動する振動式角速度検出器を得ることができる。
【0019】振動子の構造は、Q値を大きくする振動方
向には粘性媒体を通過させ、Q値を小さくする振動方向
には粘性媒体の通過を阻止する構造にすることが有効で
ある。また、粘性媒体で封止しているので外気の侵入に
よる検出器の破壊、特性変化も抑えることができる。
尚、粘性媒体は水分を含まないように処理し、温度変化
による結露が起きないようにすることが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 《第1実施例》図6は本発明にかかる振動式角速度検出
器100の平面図、図7は振動式角速度検出器100を
実装し粘性媒体とともに封止した角速度検出装置であ
る。図7の(a)は封止する前の平面図、図7の(b)
は粘性媒体とともに封止しキャップした透視図である。
振動式角速度検出器100は図8に示す半導体の微細加
工技術により作製される。図8の(a)に示すように、
シリコン基板1の上にシリコン酸化膜2を形成し、この
シリコン膜2の上に、不純物を添加して導電性を持たせ
たシリコン層3を形成する。次に、シリコン層3の上に
アルミニウムを蒸着して、図8の(b)に示すように、
フォトリソグラフにより所定形状にパターンニングし
て、配線層80、81、82、83、84、85を形成
する(図8では配線層84と85)。
【0021】次に可動部を形成するために、フォトレジ
ストをシリコン層3の表面に一様に塗布してパターンニ
ングし、シリコン層3上のマスクパターン4を形成する
(図8の(c))。次にマスクパターンをマスクとし
て、ウェットエッチングによりシリコン層3をエッチン
グし、シリコン層3を所望形状にパターンニングする
(図8の(d))。次に犠牲層エッチング技術を用い
て、可動部の下部のシリコン酸化膜2を除去する。この
犠牲層エッチングでは、基板1をフッ酸溶液に浸すこと
でシリコン酸化膜2が除去される。この時、アンカー5
11及び512、521及び522、531及び53
2、541及び542と配線層80、81、82、8
3、84、85の面積は広いので基板とは分離しない
が、可動部と固定櫛歯電極は下部のシリコン酸化膜が除
去されるため、基板と分離される(図8の(e))。
【0022】尚、基板1の材料は特に限定されない。シ
リコンのほか、他の半導体、セラミックス、ガラス等を
用いることもできる。また、エッチング犠牲層として
は、シリコン酸化膜のほか、窒化シリコン膜、アルミナ
等を用いることもできる。更に、可動部を形成するため
の機能層としては、主として弾性があれば良く、単結
晶、多結晶のシリコンのほか、ニッケル等の金属、他の
弾性材料を用いることができる。また、水晶、PZT、
LiTaO3 、LiNbO3 などの圧電材料を用いても
よい。シリコンを用いた場合には、シリコン膜3により
可動櫛歯電極60、61、62、63、固定櫛歯電極7
0、71,72、73、74、75を形成する関係上、
導電率が大きいほど望ましく、ドナー、アクセプタ不純
物を添加することが望ましい。更に近年では、シリコン
酸化膜2の犠牲層エッチング技術としてフッ酸蒸気によ
るドライエッチング手法も用いられており、マス部10
と基板1のスティッキングに対処している。電極材料に
はアルミを用いたが、フッ酸に対して耐性のあるAu、
Pt、Ni、Mo、Co、Cr、W等でも可能である。
【0023】マス部10はz軸に平行な貫通したエッチ
ングホール340を持ってもよく、x軸方向にのびた第
1ビーム21、22、23、24でy軸方向に振動可能
に支持されており、第1ビーム21と22はy軸に平行
なリンク301で、第1ビーム23と24はy軸に平行
なリンク302で繋がれている。リンク301の両端か
ら第2ビーム410、420がy軸方向に延設され、そ
れぞれx軸に平行なリンク311、312の中央に接続
される。リンク311の両端からは、折り返しビーム4
11、412がy軸に平行に第1ビーム21に向かって
延設され、第1ビーム21の手前でアンカー511、5
12により基板1に固定される。全く同様にリンク31
2から折り返しビーム421、422が延設され、アン
カー521、522により基板1に固定される。また、
リンク301からと全く同様に、リンク302の両端か
ら第2ビーム430、440がy軸方向に延設され、x
軸に平行なリンク313、314の中央に接続され、折
り返しビーム431、432、441、442がy軸に
平行に延設され、アンカー531、532、541、5
42により基板1に固定される。
【0024】こうして、アンカー511、512、52
1、522、531、532、541、542が固定さ
れたまま、マス部10のy軸方向の振動は第1ビーム2
1、22、23、24が、マス部10のx軸方向の振動
は第2ビーム410、420、430、440、折り返
しビーム411、412、421、422、431、4
32、441、442が横振動することにより可能とな
っている。
【0025】リンク301及び302、マス部10に可
動櫛歯電極60、63、61及び62を設け、固定櫛歯
電極70、73、71及び74、72及び75と相対さ
せる。固定櫛歯電極70、73、71及び74、72及
び75は配線層80、83、81及び84、82及び8
5を通して外部回路と接続される。
【0026】こうして、配線層80を通して固定櫛歯電
極70に交流電圧を印加すると、可動櫛歯電極60との
間の静電力により振動子(マス部10及び第1ビーム
21、22、23、24)がx軸方向にx=x0sinαt
で振動する。この時z軸の回りにΩの角速度がかかる
と、y軸方向にコリオリ力Fc =−2mΩx0 α cosα
tがかかり(mはマス部10の質量)、マス部、第1ビ
ームがy軸方向に振動する。すなわち、第1ビーム2
1、22、23、24が湾曲することにより振動する。
これに連動した可動櫛歯電極61の変位を、可動櫛歯電
極61と固定櫛歯電極71、74との間の静電容量の変
化により検出し、配線層81、84を通して出力する。
これからz軸の回りの角速度Ωが求められる。
【0027】他の固定櫛歯電極と可動櫛歯電極の組は、
例えば可動櫛歯電極63と固定櫛歯電極73との間の静
電容量によりx軸方向の励振振動の変位を検出し共振状
態を保つよう励振振動x=x0sinαtを制御することが
できる使い方がある。検出振動側の可動櫛歯電極62と
固定櫛歯電極72、75については、固定櫛歯電極7
1、74からの出力からy軸方向の変位を検知し、その
変位が常に0となるように固定櫛歯電極72、75に電
圧を印加するよう回路を組み、その電極72、75の電
圧からz軸のまわりの角速度Ωを検出するようにしても
よい。
【0028】こうして、図7のように、ベース90を貫
通して外部とつなぐ電極92を持ったベース90に振動
式角速度検出器100が実装される。配線層80、8
3、81及び84、82及び85は各々電極92とリー
ド線93で繋がれる。ベース90に実装された振動式角
速度検出器100は粘性媒体とともにキャップ91で封
止される。本発明では粘性媒体として窒素を充填した。
【0029】図6では電極の位置はリンク301及び3
02とマス部10に隣接させているが、代表例として表
記したものであり、本発明を限定するものではない。同
様に図6ではマス部10にz軸に平行な縦穴(エッチン
グホール)340を持ったものを記載したが、代表例と
して表記したものであり、マス部10はエッチングホー
ル340を持ったものに限定されない。
【0030】以下、本発明の主題である振動子(マス
部10及び第1ビーム21、22、23、24)につい
て特に取りあげ、本発明の具体的な実施例の要点であ
る、励振振動のQ値と検出振動のQ値の大小と振動子の
構造の関係とを示す。
【0031】図1の(a)は図6でと示した振動子2
10である。マス部10にx軸に平行な貫通した横穴3
10(図1の(b)参照)を設けた振動子210は、粘
性媒体がx軸に平行な貫通した横穴310を通過するこ
とにより、励振振動方向には粘性媒体から受ける粘性抵
抗が小さく、励振振動のQ値を検出振動のQ値より大き
くすることができる。また明らかに、マス部10に1個
以上のx軸に平行な貫通した横穴を設けた振動子は、そ
の横穴の数に応じて励振振動のQ値を大きくすることが
できる。
【0032】更にこの時、z軸に平行な縦穴(エッチン
グホール340)を設けなければz軸方向への粘性が大
きく働き、x軸方向、y軸方向の振動のz軸方向への漏
れを防ぐことも可能である。
【0033】尚、図6のマス部10はz軸に平行な縦穴
(エッチングホール)340を持っているが、図1の
(a)のようにz軸に平行な縦穴(エッチングホール)
340を持たせなくても良い。
【0034】《第2実施例》図2は図6でと示した振
動子220である。マス部10のx軸に垂直な側面15
にy軸に垂直な遮蔽面325を持った羽根状突起320
を設けた振動子220は、粘性媒体がy軸に垂直な遮蔽
面325に押されることにより、検出振動方向には粘性
媒体から受ける粘性抵抗が大きく、励振振動のQ値を検
出振動のQ値より大きくすることができる。また明らか
に、マス部10のどこかに1個以上のy軸に垂直な遮蔽
面を持った羽根状突起を設けた振動子は、その羽根状突
起の数に応じて検出振動のQ値を小さくすることができ
る。
【0035】更にこの時、z軸に平行な縦穴(エッチン
グホール340)を設けなければz軸方向への粘性が大
きく働き、x軸方向、y軸方向の振動のz軸方向への漏
れを防ぐことも可能である。
【0036】《第3実施例》図3のは図6でと示した
振動子230である。マス部10の上面16にx軸に平
行でy軸に垂直な遮蔽面335を持った段差状突起33
0を設けた振動子230は、粘性媒体がx軸に平行でy
軸に垂直な遮蔽面335に検出振動方向に押され励振振
動方向には押されないことにより、検出振動方向には粘
性媒体から受ける粘性抵抗が大きく、励振振動のQ値を
検出振動のQ値より大きくすることができる。また明ら
かに、マス部10及び第1ビーム21、22、23、2
4の上面、下面のどこかに1個以上のx軸に平行でy軸
に垂直な遮蔽面を持った段差状突起を設けた振動子は、
その段差状突起の数に応じて検出振動のQ値を小さくす
ることができる。
【0037】更にこの時、z軸に平行な縦穴(エッチン
グホール340)を設けなければz軸方向への粘性が大
きく働き、x軸方向、y軸方向の振動のz軸方向への漏
れを防ぐことも可能である。
【0038】《第4実施例》図4は図6でと示した振
動子240である。マス部10にx軸方向に細長い縦穴
(エッチングホール341)を設けた振動子240は、
エッチングホール341のy軸に垂直な壁面345が検
出振動方向に粘性媒体を剪断することにより、検出振動
方向に粘性媒体から受ける粘性抵抗は励振振動方向のそ
れより大きく、励振振動のQ値を検出振動のQ値より大
きくすることができる。
【0039】《第5実施例》図5の(a)は図6でと
示した振動子250と、その近傍のy軸に垂直でマス部
10と向かい合って基板1に固定した、振動子250か
ら直接振動を受けない2枚の固定板350である。この
振動子250は検出振動方向に振動すると、振動子25
0のマス部10と2枚の固定板350との間隙を粘性媒
体が出入りすることにより、粘性媒体から検出振動方向
に受ける粘性抵抗は励振振動方向のそれより大きく、励
振振動のQ値を検出振動のQ値より大きくすることがで
きる。
【0040】図5の(b)は図6でと示した振動子2
51と、その近傍のy軸に垂直でマス部10と向かい合
って基板1に固定し、構造体どうしの固着、すなわちス
ティッキングを防止する突起361を持たせた、振動子
251から直接振動を受けない2枚の固定板351であ
る。このスティッキング防止用突起361は、2枚の固
定板351のマス部10と向かい合った面に、z軸に平
行な溝を彫ることで形成することができる。この振動子
251は検出振動方向に振動すると、振動子251のマ
ス部10と2枚の固定板351との間隙を粘性媒体が出
入りすることにより、粘性媒体から検出振動方向に受け
る粘性抵抗は励振振動方向のそれより大きく、励振振動
のQ値を検出振動のQ値より大きくすることができるほ
か、スティッキング防止用突起361によりマス部10
の固定板351へのスティッキングを防止することがで
きる。
【0041】また、図5の(a)、(b)の場合、振動
子250又は振動子251がz軸を中心に回転するな
ど、振動子250と2枚の固定板350との間隙又は振
動子251と2枚の固定板351との間隙が平行でなく
なるような運動をすると、粘性媒体からの粘性抵抗が本
来の姿勢に戻るよう働き、振動子を正常な励振状態に自
動的に戻すことができる。更にy軸方向に異常に大きく
振れたとしても、固定板350又は固定板351が障害
となり、結果振動子250又は振動子251が想定以上
の振幅をとれなたいため、振動子を破壊から守ることが
できる。
【0042】更に、z軸に平行な縦穴(エッチングホー
ル)を設けなければz軸方向への粘性が大きく働き、x
軸方向、y軸方向の振動のz軸方向への漏れを防ぐこと
も可能である。
【0043】以上の実施例では、検出振動方向に粘性媒
体から受ける粘性抵抗は励振振動方向のそれより大き
く、励振振動のQ値を検出振動のQ値より大きくする場
合について述べたが、これらをすべて励振振動方向に粘
性媒体から受ける粘性抵抗を検出振動方向のそれより大
きく、励振振動のQ値を検出振動のQ値より小さくし、
検出振動の共振周波数で励振させる場合も全く同様であ
る。
【0044】また、振動子に対し、マス部10に垂直
なz軸の回りの角速度をy軸方向に生起されるコリオリ
力で検出したが、図1から図5でy軸の回りの角速度を
z軸方向に生起されるコリオリ力で検出する振動式角速
度検出器に用いることもできる。その際は、振動子に
対し、励振振動のQ値を上げる加工(実施例1)をx軸
方向に、検出振動のQ値を下げる加工(実施例2、3、
4、5)をz軸方向に有効になるよう施し、励振振動の
共振周波数で励振させるか、又は逆に、検出振動のQ値
を上げる加工(実施例1)をz軸方向に、励振振動のQ
値を下げる加工(実施例2、3、4、5)をx軸方向に
有効になるよう施し、検出振動の共振周波数で励振させ
るようにすればよい。
【0045】また、振動子に対して行ったQ値を変化
させる加工(実施例1、2、3、4、5)は、リンク3
01及び302、第2ビーム、リンク311、312、
313、314、折り返しビームに施すことも有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1実施例にかかる振動式角速度検出
器の振動子210を示した斜視図、(b)は振動子21
0のマス部10付近のy軸に垂直な平面による断面図。
【図2】第2実施例にかかる振動式角速度検出器の振動
子220を示した斜視図。
【図3】第3実施例にかかる振動式角速度検出器の振動
子230を示した斜視図。
【図4】第4実施例にかかる振動式角速度検出器の振動
子240を示した斜視図。
【図5】(a)は第5実施例にかかる振動式角速度検出
器の振動子250と2枚の固定板350を示した斜視
図、(b)は第5実施例にかかる振動式角速度検出器の
振動子251と2枚の固定板351を示した斜視図、
(c)は固定板351の斜視図。
【図6】第1実施例にかかる振動式角速度検出器100
を示した平面図。
【図7】(a)は第1実施例にかかる振動式角速度検出
器100を実装した角速度検出装置の封止前の平面図、
と封止後の透視図。
【図8】第1実施例の製法にかかるシリコンマイクロマ
シニングにおけるプロセスフロー。
【図9】従来の振動式角速度検出器の振動子200を示
した斜視図とマス部10付近のx軸に垂直な平面による
断面図。
【図10】Δf≠0のときの減圧前後での励振振動、検
出振動の振幅の周波数特性図。
【図11】Δf=0に調製した場合とその後の温度変化
による影響での励振振動、検出振動の振幅の周波数特性
の変化を示した特性図。
【図12】励振振動のQ値Qx を検出振動のQ値Qy
り大きくした時の励振振動、検出振動の振幅の周波数特
性図。
【図13】励振振動のQ値Qx を検出振動のQ値Qy
り小さくした時の励振振動、検出振動の振幅の周波数特
性図。
【図14】本実施例に使用できる媒体の粘度を示した表
図。
【符号の説明】
1…シリコン基板 2…シリコン酸化膜 3…導電性シリコン層 4…フォトレジストによるマスクパターン 10…マス 21,22,23,24…第1ビーム 301,302,311,312,313,314…リ
ンク 410,420,430,440…第2ビーム 411,412,421,422,431,432,4
41,442…折り返しビーム 511,512,521,522,531,532,5
41,542…アンカー 60,61,62,63…可動櫛歯電極 70,71,72,73,74,75…固定櫛歯電極 80,81,82,83,84,85…配線層 90…ベース 91…キャップ 92…電極 93…リード線 100…振動式角速度検出器 200,210,220,230,240,250,2
51…振動子 310…横穴 320…羽根状突起 330…段差状突起 340,341…エッチングホール 350,351…固定板 361…スティッキングを防止する突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野々村 裕 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大村 義輝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2F105 BB02 BB04 BB09 BB12 BB14 CC04 CD03 CD05 CD13 CD20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子の励振振動方向と検出振動方向が
    直交する振動式角速度検出器において、前記振動子が粘
    性を持った媒体と共に封止されており、前記振動子が励
    振振動方向と検出振動方向について前記媒体から及ぼさ
    れる粘性抵抗に差がある構造とし、前記粘性抵抗によ
    り、前記振動子の励振振動の振動特性のQ値を検出振動
    の振動特性のQ値と異なるようにしたことを特徴とする
    振動式角速度検出器。
  2. 【請求項2】 粘性媒体から及ぼされる粘性抵抗に差が
    ある構造は、Q値を大きくする振動方向には前記媒体を
    通過させ、Q値を小さくする振動方向には前記媒体の通
    過を阻止する構造である請求項1に記載の振動式角速度
    検出器。
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