JP2005156457A - 振動子、電子機器および物理量測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 振動子に印加される電圧が大きく変化したときに、振動子の破損や変形による電子機器の故障を防止する。
【解決手段】 駆動振動が励振されるべき振動子1Aを提供する。振動子1Aは、駆動振動モードの振動Aの共振周波数をfd(Hz)とし、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードの共振周波数をZ(Hz)としたとき、以下の関係が満足されていることを特徴とする: |Z−fd/2|≦250。
【選択図】 図1
【解決手段】 駆動振動が励振されるべき振動子1Aを提供する。振動子1Aは、駆動振動モードの振動Aの共振周波数をfd(Hz)とし、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードの共振周波数をZ(Hz)としたとき、以下の関係が満足されていることを特徴とする: |Z−fd/2|≦250。
【選択図】 図1
Description
本発明は、振動子、これを用いた発振器、および振動型ジャイロスコープ等の物理量測定装置に関するものである。
車体制御システムにおいては、振動型ジャイロスコープおよびその振動子は、幅広い環境温度、即ち高温と低温とにさらされる。このような使用温度範囲は、通常は−40℃−+85℃の範囲にわたっており、一層厳しい仕様では更に広い温度範囲にわたる場合もある。特に、振動子を圧電性単結晶によって形成した場合には、圧電性単結晶の有する温度特性の影響がある。本出願人は、特許文献1において、特定形態の雑音の少ない振動型ジャイロスコープを開示した。また、特許文献2において、環境温度が変化した場合に、検出振動のQ値の変動を抑制するために、振動子を支持部材へと接着する接着剤のtanδを、使用温度範囲内において0.1以下とすることを開示した。また、特許文献2には、特定形状の雑音の少ない振動型ジャイロスコープ用振動子を開示した。
特開2001−12955号公報
特開2001−82962号公報
しかし、車載用センサー用途においては、車載電源の電圧に比例して、センサーへの印加電圧が大きく変動する。また、例えば発振器などの電気機器用途においては、電源の異常などによって、一時的に大きな電圧が印加されることがあり、このときに振動子が折れたり、変形することがあった。こうなると、電源の電圧が正常値に回復したときに、振動子の破損や変形によって正常な振動を発振することができない。
本発明の課題は、物理量測定装置や発振器などの電子機器用の振動子において、振動子に印加される電圧が大きく変化したときに、振動子の破損や変形による電子機器の故障を防止できるようにすることである。
第一の発明は、駆動振動が励振されるべき振動子であって、駆動振動モードの振動の共振周波数をfd(Hz)とし、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードの共振周波数をZ(Hz)としたとき、以下の関係が満足されていることを特徴とする。
|Z−fd/2|≦250
また、本発明は、この振動子を備えていることを特徴とする、電子機器に係るものである。
|Z−fd/2|≦250
また、本発明は、この振動子を備えていることを特徴とする、電子機器に係るものである。
第二の発明は、振動子、振動子に駆動振動を励振する駆動手段および振動子に加わる物理量に応じて振動子に励振される検出振動を検出する検出手段を備えている物理量測定装置であって、振動子が実質的に平面に沿って形成されており、駆動手段が設けられた駆動振動片、検出手段が設けられた検出振動片、駆動振動片と検出振動片との間に設けられた基部、基部と駆動振動片とを接続する細長い接続部を備えており、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードにおいて、接続部がその基部への付け根を中心として平面外に屈曲振動し、駆動振動片がその接続部への付け根を中心として平面外に屈曲振動し、接続部の屈曲振動の平面に対する位相と駆動振動片の屈曲振動の平面に対する位相とが互いに同相であることを特徴とする。
第一、第二の発明によれば、振動子に印加される電圧が一時的に大きく増大したときに、振動子に、駆動振動の共振周波数fdの半分(fd/2)に近い周波数の振動によって、後述する共振潰れ現象を起こさせ、これによって振動子の破損や折れ、変形を防止することができる。これによって、振動子の破損や変形による電子機器の故障を防止できる。
好適な実施形態においては、振動子が、駆動手段が設けられた駆動振動片、検出手段が設けられた検出振動片、および駆動振動片と検出振動片との間に設けられた基部を備えている。好ましくは、この基部と駆動振動片とを接続する細長い接続部を備えている。特に好ましくは、図1〜3に示すように、振動子が実質的に平面に沿って形成されており、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードにおいて、接続部がその基部への付け根を中心として平面外に屈曲振動し、駆動振動片がその接続部への付け根を中心として平面外に屈曲振動し、接続部と駆動振動片との屈曲振動の平面に対する位相が同相である。以下はこの実施形態を中心として本発明を説明するが、本発明はこの型の振動子のみに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る振動子1A(駆動振動モード)を概略的に示す平面図である。図2は、振動子1Aの検出振動モードの振動を示す平面図である。また、図3は、非振動時の振動子1Aを概略的に示す斜視図である。
本例の振動子1Aは、基部2と、基部2から突出する一対の検出振動片13A、13Bと、基部2から突出する一対の接続部5と、各接続部5の先端に設けられている各駆動振動片14A、14B、14C、14Dとを備えている。各駆動振動片14A〜14Dの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されており、各駆動振動片14A〜14Dの横断面形状は略H字形状となっている。溝内に駆動電極19が形成されている。各駆動振動片14A〜14Dの各先端にはそれぞれ幅広部または重量部15A、15B、15C、15Dが設けられており、各幅広部にはそれぞれ貫通孔17が形成されている。各検出振動片13A、13Bの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されており、各検出振動片13A、13Bの横断面形状は略H字形状となっている。溝内に検出電極20が形成されている。各検出振動片13A、13Bの各先端にはそれぞれ幅広部または重量部16A、16Bが設けられており、各幅広部にはそれぞれ貫通孔18が形成されている。
本例の振動子1Aは、基部2と、基部2から突出する一対の検出振動片13A、13Bと、基部2から突出する一対の接続部5と、各接続部5の先端に設けられている各駆動振動片14A、14B、14C、14Dとを備えている。各駆動振動片14A〜14Dの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されており、各駆動振動片14A〜14Dの横断面形状は略H字形状となっている。溝内に駆動電極19が形成されている。各駆動振動片14A〜14Dの各先端にはそれぞれ幅広部または重量部15A、15B、15C、15Dが設けられており、各幅広部にはそれぞれ貫通孔17が形成されている。各検出振動片13A、13Bの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されており、各検出振動片13A、13Bの横断面形状は略H字形状となっている。溝内に検出電極20が形成されている。各検出振動片13A、13Bの各先端にはそれぞれ幅広部または重量部16A、16Bが設けられており、各幅広部にはそれぞれ貫通孔18が形成されている。
図1には駆動モードの振動を示す。駆動時には、各駆動振動片14A〜14Dが、それぞれ、接続部5への付け根21を中心として矢印Aのように屈曲振動する。この状態で振動子1Aを、振動子1Aに略垂直に延びる回転軸Zの周りに回転させる。すると、図2に示すように、接続部5が固定部2への付け根5aを中心として、矢印Bのように屈曲振動する。各検出振動片13A,13Bが、それぞれ、その反作用によって、固定部2への付け根を中心として、矢印Cのように屈曲振動する。各検出振動片13A、13Bにおいて発生した電気信号に基づいて、Z軸を中心とする回転角速度を算出する。
本発明者は、図1〜図3に示すような振動子を用いた振動型ジャイロスコープをパッケージ基板上にワイヤーボンディングによって支持し、種々の条件下で回転角速度の検出実験を行った。このとき、同様の振動子を使用した場合でも、支持状態によっては、特定温度範囲でクリスタルインピーダンスにピークが生ずることを見いだした。このプロセスを具体的に述べる。図4に示すように、振動子をインピーダンスアナライザで測定すると、クリスタルインピンダースのピークの先端が平坦になるという現象が見られた。これを「共振潰れ現象」と呼ぶ。
共振潰れ現象(電流)が観測された上記のような試料について、レーザードップラー測定を行った。図5はこの結果を示す。図5の画面において、上側のグラフはドップラー出力であり、下側のグラフは駆動電圧である。駆動電圧の約1/2の周波数(fd/2)を有するドップラー出力が得られることが判る。これに対して、正常に動作する振動型ジャイロスコープにおいては、図6に示すように、駆動信号と、レーザードップラ計の出力信号とは周波数が等しくなり、駆動信号の約1/2の周波数を有するドップラー出力は観測されない。
本発明者は、このような(fd/2)に近い周波数を有する振動モードについて振動モード解析を行い、次の知見を得た。即ち、図1〜図3に示すような振動子(非支持時)には、図7の斜視図および図8の平面図に図示するような振動モードが存在していた。この振動モードにおいては、細長い接続部5が基部2への付け根を中心として矢印DのようにZ軸方向(回転軸方向)へと向かって屈曲振動する。これと同時に、各駆動振動片14A、14B、14C、14Dが、それぞれ、接続部5の先端を付け根として矢印EのようにZ軸方向に屈曲振動する。そして、矢印Dの屈曲振動と、矢印Eの屈曲振動とは振動子平面に対して同相であり、かつ周波数が等しい。これと同時に、各検出振動片13A、13Bがその基部への付け根13aを中心としてZ軸方向へと矢印Fのように屈曲振動する。矢印Fの屈曲振動は、矢印D、Eの屈曲振動とは周波数が等しく、かつ振動子平面に対して逆相である。
これに対して、振動子1Aをワイヤーボンディングによって支持すると,支持状態によっては、図8、図9に矢印D、Eで示すような振動モードが発生した。この振動モードは、図7に示す振動モードD、E、Fのうち、駆動振動片および接続部の振動D、Eのみが分離したものである。具体的には、細長い接続部5が基部2への付け根を中心として矢印DのようにZ軸方向(回転軸方向)へと向かって屈曲振動する。これと同時に、各駆動振動片14A、14B、14C、14Dが、それぞれ、接続部5の先端を付け根として矢印EのようにZ軸方向に屈曲振動する。そして、矢印Dの屈曲振動と、矢印Eの屈曲振動とは振動子平面に対して同相であり、かつ周波数が等しい。図9の屈曲振動モードは、振動子を支持することによって出現し、fd/2に近い共振周波数を有していることが判明した。
そして、このような振動モードの共振周波数Zをfd/2に接近させ、高電圧印加時に前記の共振潰れ現象を発生させることによって、振動子の破損や折れを防止できることを見いだし、本発明に到達した。
fd/2とZとの差を制御するためには、以下の方法がある。
(1) 駆動振動の共振周波数を変更する。
(2) fd/2に最も近い周波数を有する振動モードの共振周波数Zを変更する。このためには、振動子を支持する際の支持位置、支持手段(例えばワイヤーボンディング)の幅、厚さ、形状、長さ、本数を変更することが考えられる。
(1) 駆動振動の共振周波数を変更する。
(2) fd/2に最も近い周波数を有する振動モードの共振周波数Zを変更する。このためには、振動子を支持する際の支持位置、支持手段(例えばワイヤーボンディング)の幅、厚さ、形状、長さ、本数を変更することが考えられる。
振動子は複数箇所で支持してもよい。これは振動子と支持手段との接触部分が複数あることを意味している。支持手段は特に限定されず、ボンディングワイヤー、柱、棒、ピンなどであってよい。支持手段の材質も限定されず、金属、樹脂、接着剤、金属−樹脂複合材料であってよいが、金属が特に好ましい。特に好ましい材質は以下のものである。
銅、金、アルミ、銀、タングステン、ステンレス、鉄、ニッケル、錫、真鍮またはそれらの合金。これらの金属、合金にはメッキ等が施されていてもよい、例えば金メッキが施された銅箔が特に好ましい。
銅、金、アルミ、銀、タングステン、ステンレス、鉄、ニッケル、錫、真鍮またはそれらの合金。これらの金属、合金にはメッキ等が施されていてもよい、例えば金メッキが施された銅箔が特に好ましい。
振動子の基板への固定方法は特に限定されない。例えば好適な実施形態においては、振動子を、基板に直接接触しない状態で支持する。これによって振動子の振動の阻害を防止する。好適な実施形態においては、振動子と基板との間隔は、0.1mm以上であり、更に好ましくは0.2mm以上である。この場合には、ボンディングワイヤによって振動子を基板上に支持することができる。このボンディングワイヤの振動子への接合方法は限定されないが、超音波ボンディング、スポット溶接、導電性接着剤、半田付けが好ましい。
振動子の材質は限定されないが、圧電単結晶が好ましく、水晶、ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶が特に好ましい。
振動子の寸法は限定されないが、振動子の幅を10mm以下とすることが好ましく、5mm以下とすることがさらに好ましい。また、同様の観点からは、振動子の重量を5mg以下とすることが好ましく、1mg以下とすることが一層好ましい。また、振動子の厚さを0.3mm以下とすることが好ましく、0.2mm以下とすることが更に好ましい。
本発明の振動子は、振動子からの発振信号を利用する種々の電子機器に対して利用可能である。例えば、振動子からの発振信号を周波数標準として利用する発振器や、振動子からの検出信号を利用して物理量の検出に利用する物理量測定装置に利用できる。この物理量は、特に限定はされない。振動子に駆動振動を励振し、駆動振動中の振動子に対する物理量の影響によって振動子の振動状態に変化が生じたときに、この振動状態の変化から検出回路を通して検出可能な物理量を対象とする。こうした物理量としては、振動子に印加される加速度、角速度、角加速度が特に好ましい。また、測定装置としては振動型ジャイロスコープ等の慣性センサーが好ましい。
なお電源の異常の場合に、例えば電圧に対する電流値を監視する回路を付加しておくことによって、電源の異常を検出できる。
(実施例1)
図1〜図3に示す振動子1Aを使用した。具体的には、厚さ0.1mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ100オングストロームのクロム膜と、厚さ1500オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチングして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子1Aの外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ100オングストロームのクロム膜上に厚さ2000オングストロームの金膜を電極膜として形成した。振動子1Aの寸法は、縦2.0mm、横2.0mm、厚さ0.1mmであり、重量は約0.3mgであった。
図1〜図3に示す振動子1Aを使用した。具体的には、厚さ0.1mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ100オングストロームのクロム膜と、厚さ1500オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチングして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子1Aの外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ100オングストロームのクロム膜上に厚さ2000オングストロームの金膜を電極膜として形成した。振動子1Aの寸法は、縦2.0mm、横2.0mm、厚さ0.1mmであり、重量は約0.3mgであった。
振動子1Aをパッケージに実装した。基板はアルミナセラミックスによって形成し、接点パッドは金によって形成し、枠体はSUSによって形成した。ボンディングワイヤは、銅膜線を金によってメッキすることで製造した。銅膜線の厚さを0.014mmとし、幅を0.05mmとした。銅膜線の本数は6本である。振動子1Aの基部2をボンディングワイヤに対して超音波ボンディングによって接合し、基板上に固定した。
得られた振動型ジャイロスコープを温度試験槽に入れた。自励発振回路を用いて駆動振動を生じさせ、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードを探索した。各振動モードの各共振周波数をインピーダンスアナライザを用いて測定し、結果を表1に示す。印加電圧を1.0ボルトから10.0ボルトまで順次上昇させた。この結果、印加電圧が2.9ボルト以上のとき、−40〜85℃で共振潰れ現象が発生した。そして印加電圧10.0ボルトまで、振動子の破損は生じなかった。
(比較例1)
実施例1と同様にして振動子1Aを使用した。ただし、振動子1Aの寸法は、縦2.0mm、横2.0mm、厚さ0.1mmであり、重量は約0.3mgであった。また、銅膜線の厚さを0.014mmとし、幅を0.03mmとし、また形状を変更した。銅膜線の本数は6本である。
実施例1と同様にして振動子1Aを使用した。ただし、振動子1Aの寸法は、縦2.0mm、横2.0mm、厚さ0.1mmであり、重量は約0.3mgであった。また、銅膜線の厚さを0.014mmとし、幅を0.03mmとし、また形状を変更した。銅膜線の本数は6本である。
各振動モードの各共振周波数をインピーダンスアナライザを用いて測定し、結果を表1に示す。印加電圧を1.0ボルトから10.0ボルトまで順次上昇させた。この結果、印加電圧5.9ボルトで振動子の破損が生じた。−40℃〜+85℃で共振潰れ現象は生じなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、図10、図11に示すような二本音叉型の振動子22を作製した。振動子22は、基部23と、二本の細長い平行に延びる音叉状振動片24A、24Bを備えている。各振動片24A、24Bの付け根付近には細長い溝が設けられており、各溝中に駆動電極25A、25Bが形成されている。駆動時には、自励発振回路によって、各駆動電極25A、25Bに交流電圧を印加し、図11に矢印Jで示すように、各振動片24A、24Bを、X−Y平面内で屈曲振動させる。
実施例1と同様の方法で、図10、図11に示すような二本音叉型の振動子22を作製した。振動子22は、基部23と、二本の細長い平行に延びる音叉状振動片24A、24Bを備えている。各振動片24A、24Bの付け根付近には細長い溝が設けられており、各溝中に駆動電極25A、25Bが形成されている。駆動時には、自励発振回路によって、各駆動電極25A、25Bに交流電圧を印加し、図11に矢印Jで示すように、各振動片24A、24Bを、X−Y平面内で屈曲振動させる。
ここで、振動子22の厚さを0.05mmとし、振動片の長さmを1.4mmとし、振動片の幅tを0.096mmとし、駆動電極の長さnを0.8mmとした。自励発振回路を用いて駆動振動を生じさせ、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードを探索した。この結果、図12に矢印Kで示すように、Z方向へと屈曲振動する振動モードが見いだされた。各振動モードの各共振周波数をインピーダンスアナライザを用いて測定し、結果を表1に示す。印加電圧を1.0ボルトから10.0ボルトまで順次上昇させた。この結果、印加電圧が1.5ボルト以上で、−40℃〜85℃で共振潰れ現象が発生した。そして印加電圧10.0ボルトまで、振動子の破損は生じなかった。
(実施例3)
実施例2と同様の方法で振動子22を作製した。振動子22の厚さを0.11mmとし、振動片の長さmを1.8mmとし、振動片の幅tを0.14mmとし、電極の長さnを0.8mmとした。各電極の形成されている溝の深さを50μmとした。実施例2と同様に、印加電圧を1.0ボルトから10.0ボルトまで順次上昇させた。この結果、印加電圧が4.3ボルト以上で共振潰れ現象が発生した。そして印加電圧10.0ボルトまで、振動子の破損は生じなかった。
実施例2と同様の方法で振動子22を作製した。振動子22の厚さを0.11mmとし、振動片の長さmを1.8mmとし、振動片の幅tを0.14mmとし、電極の長さnを0.8mmとした。各電極の形成されている溝の深さを50μmとした。実施例2と同様に、印加電圧を1.0ボルトから10.0ボルトまで順次上昇させた。この結果、印加電圧が4.3ボルト以上で共振潰れ現象が発生した。そして印加電圧10.0ボルトまで、振動子の破損は生じなかった。
(比較例2)
実施例2と同様の方法で振動子22を作製した。振動子22の厚さを0.09mmとし、振動片の長さmを1.8mmとし、振動片の幅tを0.14mmとし、電極の長さnを0.8mmとした。各電極の形成されている溝の深さを40μmとした。実施例2と同様に、印加電圧を1.0ボルトから10.0ボルトまで順次上昇させた。この結果、印加電圧が6.2ボルトで振動子が破損した。−40℃〜+85℃で共振潰れ現象は見られなかった。
実施例2と同様の方法で振動子22を作製した。振動子22の厚さを0.09mmとし、振動片の長さmを1.8mmとし、振動片の幅tを0.14mmとし、電極の長さnを0.8mmとした。各電極の形成されている溝の深さを40μmとした。実施例2と同様に、印加電圧を1.0ボルトから10.0ボルトまで順次上昇させた。この結果、印加電圧が6.2ボルトで振動子が破損した。−40℃〜+85℃で共振潰れ現象は見られなかった。
以上述べたように、本発明によれば、振動子に印加される電圧が大きく変化したときに、振動子の破損や変形による電子機器の故障を防止できる。
1A、22 振動子 2 基部 5 接続部 13A、13B 検出振動片 14A、14B、14C、14D、24A、24B 駆動振動片 A、J 駆動振動モード B、C 検出振動モード D、E,K fd/2に近い周波数を有する振動モード Z 回転軸
Claims (8)
- 駆動振動が励振されるべき振動子であって、
前記駆動振動モードの振動の共振周波数をfd(Hz)とし、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードの共振周波数をZ(Hz)としたとき、以下の関係が満足されていることを特徴とする、振動子。
|Z−fd/2|≦250 - 駆動手段が設けられた駆動振動片、検出手段が設けられた検出振動片、および前記駆動振動片と前記検出振動片との間に設けられた基部を備えていることを特徴とする、請求項1記載の振動子。
- 前記基部と前記駆動振動片とを接続する細長い接続部を備えていることを特徴とする、請求項2記載の振動子。
- 前記振動子が実質的に平面に沿って形成されており、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードにおいて、前記接続部がその前記基部への付け根を中心として前記平面外に屈曲振動し、前記駆動振動片がその接続部への付け根を中心として前記平面外に屈曲振動し、前記接続部の屈曲振動の前記平面に対する位相と前記駆動振動片の屈曲振動の前記平面に対する位相とが互いに同相であることを特徴とする、請求項3記載の振動子。
- 請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の振動子を備えていることを特徴とする、電子機器。
- 前記電子機器が物理量測定装置であり、前記振動子に加わる物理量に応じて前記振動子に励振される検出振動を検出する検出手段を備えていることを特徴とする、請求項5記載の電子機器。
- 発振器であることを特徴とする、請求項5記載の電子機器。
- 振動子、前記振動子に駆動振動を励振する駆動手段および前記振動子に加わる物理量に応じて前記振動子に励振される検出振動を検出する検出手段を備えている物理量測定装置であって、
前記振動子が実質的に平面に沿って形成されており、前記駆動手段が設けられた駆動振動片、前記検出手段が設けられた検出振動片、前記駆動振動片と前記検出振動片との間に設けられた基部、前記基部と前記駆動振動片とを接続する細長い接続部を備えており、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードにおいて、前記接続部がその前記基部への付け根を中心として前記平面外に屈曲振動し、前記駆動振動片がその接続部への付け根を中心として前記平面外に屈曲振動し、前記接続部の屈曲振動の前記平面に対する位相と前記駆動振動片の屈曲振動の前記平面に対する位相とが互いに同相であることを特徴とする、物理量測定装置。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003397850A Pending JP2005156457A (ja) | 2003-11-27 | 2003-11-27 | 振動子、電子機器および物理量測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005156457A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9379307B2 (en) | 2012-09-20 | 2016-06-28 | Seiko Epson Corporation | Vibrator element, vibrator, electronic device, electronic apparatus, and moving object |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1164004A (ja) * | 1997-06-13 | 1999-03-05 | Denso Corp | 角速度センサと角速度センサ装置 |
JP2000055669A (ja) * | 1998-07-31 | 2000-02-25 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 振動式角速度検出器 |
JP2001033255A (ja) * | 1999-07-22 | 2001-02-09 | Ngk Insulators Ltd | 振動子および振動型ジャイロスコープ |
JP2003294450A (ja) * | 2002-01-30 | 2003-10-15 | Ngk Insulators Ltd | 振動子の支持装置および振動子の支持構造 |
-
2003
- 2003-11-27 JP JP2003397850A patent/JP2005156457A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1164004A (ja) * | 1997-06-13 | 1999-03-05 | Denso Corp | 角速度センサと角速度センサ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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A02 | Decision of refusal |
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