JP4386170B2 - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents

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本発明は、振動型ジャイロスコープに関するものである。
車体制御システムにおいては、振動型ジャイロスコープおよびその振動子は、幅広い環境温度、即ち高温と低温とにさらされる。このような使用温度範囲は、通常は−40℃−+85℃の範囲にわたっており、一層厳しい仕様では更に広い温度範囲にわたる場合もある。特に、振動子を圧電性単結晶によって形成した場合には、圧電性単結晶の有する温度特性の影響がある。本出願人は、特許文献1において、特定形態の雑音の少ない振動型ジャイロスコープを開示した。また、特許文献2において、環境温度が変化した場合に、検出振動のQ値の変動を抑制するために、振動子を支持部材へと接着する接着剤のtanδを、使用温度範囲内において0.1以下とすることを開示した。また、特許文献2には、特定形状の雑音の少ない振動型ジャイロスコープ用振動子を開示した。
特開2001−12955号公報 特開2001−82962号公報
しかし、振動子をパッケージ内の基盤に固定して支持するとき、支持状態によっては、特定の温度範囲内でクリスタルインピーダンスが大きくなる現象が発生した。この現象が生ずる温度範囲は、ある振動子では−40℃から+20℃、また別の振動子では−40℃から+60℃と種々変動し、発振状態を制御することが困難であった。このような発振状態の異常が発生する振動子を、振動型ジャイロスコープに使用した場合には、検出信号のゼロ点温度ドリフトが大きくなり、最悪の場合にはセンサとして動作しなくなる。したがって、このような現象を抑制することが必要であり、少なくとも−40〜+85℃の範囲内では発生しないことが必要である。
本発明の課題は、振動子、振動子に自励発振回路を用いて駆動振動を励振する駆動手段および振動子に加わる物理量に応じて振動子に励振される検出振動を検出する検出手段を備えている物理量測定装置において、検出信号のゼロ点温度ドリフトを低減することである。
本発明は、圧電単結晶製の振動子、振動子に自励発振回路を用いて駆動振動を励振する駆動電極および振動子に加わる回転角速度に応じて前記振動子に励振される検出振動を検出する検出電極を備えている振動型ジャイロスコープであって、
振動子が実質的に平面に沿って形成されており、基部、基部から突出する接続部、接続部から突出し、駆動電極が設けられた駆動振動片、および基部から突出し、検出電極が設けられた検出振動片を備えており,駆動振動において駆動振動片が接続部への付け根を中心として平面内で屈曲振動し、振動子の幅が10mm以下であり、振動子の厚さが0.3mm以下であり、駆動振動モードの振動の共振周波数をfdが29342〜63246ヘルツであり、
fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードにおいて、接続部が基部への付け根を中心として平面外に屈曲振動し、駆動振動片が接続部への付け根を中心として平面外に屈曲振動し、接続部の屈曲振動の前記平面に対する位相と駆動振動片の屈曲振動の前記平面に対する位相とが互いに同相であり、
fd/2に最も近い共振周波数を有する前記振動モードの共振周波数をZ(Hz)とし、前記自励発振回路における回路電流値をI(μA)としたとき、以下の関係が満足されていることを特徴とする。

5.445×10−5×I≦ |(fd/2)−Z|/fd
本明細書においては、駆動振動モードの振動の共振周波数をfdとし、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードの共振周波数をZ(Hz)としたとき、両者の差の絶対値|(fd/2)−Z|/fdを、fd/2離調率と呼ぶ。本発明者は、前記した特定温度範囲におけるクリスタルインピーダンス上昇の理由について種々検討した結果、fd/2離調率が小さくなると、クリスタルイーピーダンスのピーク的上昇が見られることを発見した。また、fd/2離調とクリスタルインピーダンスのピーク的上昇とは、回路電流値に基づく相関があり、回路電流値が大きい場合には特にクリスタルインピーダンスのピーク的上昇が見られることを見いだした。
本発明は、fd/2の比較的近くに共振周波数を有する振動モードが存在するような振動子系に対して特に効果的である。|(fd/2)−Z|/fdの上限値は特にないが、この観点からは、416.7×10−5×I以下であることが好ましく、166.7×10−5×I以下であることが最も好ましい。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。
発明においては、振動子が、駆動電極が設けられた駆動振動片、検出電極が設けられた検出振動片、および駆動振動片と検出振動片との間に設けられた基部を備えている。この基部と駆動振動片とを接続する細長い接続部を備えている。図1、2に示すように、振動子が実質的に平面に沿って形成されており、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードにおいて、接続部がその基部への付け根を中心として平面外に屈曲振動し、駆動振動片がその接続部への付け根を中心として平面外に屈曲振動し、接続部と駆動振動片との屈曲振動の平面に対する位相が同相である。
図1は、本発明の一実施形態に係る振動子1A(駆動振動モード)を概略的に示す平面図である。図2は、振動子1Aの検出振動モードの振動を示す平面図である。
本例の振動子1Aは、基部2と、基部2から突出する一対の検出振動片13A、13Bと、基部2から突出する一対の接続部5と、各接続部5の先端に設けられている各駆動振動片14A、14B、14C、14Dとを備えている。
各駆動振動片14A〜14Dの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されており、各駆動振動片14A〜14Dの横断面形状は略H字形状となっている。溝内に駆動電極19が形成されている。各駆動振動片14A〜14Dの各先端にはそれぞれ幅広部または重量部15A、15B、15C、15Dが設けられており、各幅広部にはそれぞれ貫通孔17が形成されている。各検出振動片13A、13Bの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されており、各検出振動片13A、13Bの横断面形状は略H字形状となっている。溝内に検出電極20が形成されている。各検出振動片13A、13Bの各先端にはそれぞれ幅広部または重量部16A、16Bが設けられており、各幅広部にはそれぞれ貫通孔18が形成されている。
図1には駆動モードの振動を示す。駆動時には、各駆動振動片14A〜14Dが、それぞれ、接続部5への付け根21を中心として矢印Aのように屈曲振動する。この状態で振動子1Aを、振動子1Aに略垂直に延びる回転軸Zの周りに回転させる。すると、図2に示すように、接続部5が固定部2への付け根5aを中心として、矢印Bのように屈曲振動する。各検出振動片13A,13Bが、それぞれ、その反作用によって、固定部2への付け根を中心として、矢印Cのように屈曲振動する。各検出振動片13A、13Bにおいて発生した電気信号に基づいて、Z軸を中心とする回転角速度を算出する。
本発明者は、図1、図2に示すような振動子を用いた振動型ジャイロスコープをパッケージ基板上にワイヤーボンディングによって支持し、種々の条件下で回転角速度の検出実験を行った。このとき、同様の振動子を使用した場合でも、支持状態によっては、特定温度範囲でクリスタルインピーダンスにピークが生ずることを見いだした。このプロセスを具体的に述べる。図3に示すように、振動子をインピーダンスアナライザで測定すると、クリスタルインピンダースのピークの先端が平坦になるという現象が見られた。図3において、横軸は周波数であり、縦軸(左側)はクリスタルインピーダンスであり、右側は位相である。
次に、振動子のクリスタルインピーダンスの温度特性を測定した。即ち、図3の振動子を用いた振動型ジャイロスコープについて、駆動インピーダンスの温度変化を測定し、測定結果を図4に示した。図4において、横軸は温度(−40℃から+85℃)であり、縦軸は駆動インピーダンスであり、縦軸(右側)は駆動位相である。このように,例えば+50℃〜−40℃の領域において、駆動時のクリスタルインピーダンスにピーク状の変化が見られる。これに対して、正常に動作する振動型ジャイロスコープにおいては、駆動インピーダンスは、例えば図17に示すように、広い温度範囲についてほぼ平坦である。
また周波数とクリスタルインピーダンス(電圧/電流)の関係について調査し、その結果を図5に示した。電圧は、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5ボルトにそれぞれ変更した。この結果、電圧0.05ボルトでは正常なピークが発現するが、電圧が0.1ボルトになるとかなりピークがつぶれてしまい、電圧が0.2ボルト以上になると平坦領域が非常に広くなり、「共振潰れ」現象が生ずることが判明した。
次に、温度を20℃、25℃、40℃,60℃に変更し、クリスタルインピーダンスと周波数との関係を測定し、結果を図6に示した。この結果、共振潰れ現象は温度によって変化することが判った。特に共振潰れ現象が生じているときのクリスタルインピーダンスの高さは、温度によって変化することが判明した。これは、共振潰れが生じているときの電流値(潰れ電流値)が温度に依存して変化することを示している。
図7、図8は、それぞれ別個の試料について、駆動回路の回路電流値I、潰れ電流値およびクリスタルインピーダンスの関係を示すグラフである。図7の例では、温度10℃付近から下では、潰れ電流値が回路電流値を下回っているが、クリスタルインピーダンスに温度ドリフトが発生している。図8の例では、温度50℃付近から下では、潰れ電流値が回路電流値を下回っているが、クリスタルインピーダンスに温度ドリフトが発生している。
また、共振潰れ現象(電流)が観測された上記のような試料について、レーザードップラー測定を行った。図9はこの結果を示す。図9の写真の画面において、上側のグラフはドップラー出力であり、下側のグラフは駆動電圧である。駆動電圧の約1/2の周波数(fd/2)を有するドップラー出力が得られることが判る。これに対して、正常に動作する振動型ジャイロスコープにおいては、駆動信号と、レーザードップラー計の出力信号とは周波数が等しくなり、駆動信号の約1/2の周波数を有するドップラー出力は観測されない。
本発明者は、このような(fd/2)に近い周波数を有する振動モードについて振動モード解析を行い、次の知見を得た。即ち、図1、図2に示すような振動子(非支持時)には、図10の斜視図および図11の平面図に図示するような振動モードが存在していた。この振動モードにおいては、細長い接続部5が基部2への付け根を中心として矢印DのようにZ軸方向(回転軸方向)へと向かって屈曲振動する。これと同時に、各駆動振動片14A、14B、14C、14Dが、それぞれ、接続部5の先端を付け根として矢印EのようにZ軸方向に屈曲振動する。そして、矢印Dの屈曲振動と、矢印Eの屈曲振動とは振動子平面に対して同相であり、かつ周波数が等しい。これと同時に、各検出振動片13A、13Bがその基部への付け根13aを中心としてZ軸方向へと矢印Fのように屈曲振動する。矢印Fの屈曲振動は、矢印D、Eの屈曲振動とは周波数が等しく、かつ振動子平面に対して逆相である。
これに対して、振動子1Aをワイヤーボンディングによって支持すると,支持状態によっては、図11、図12に矢印D、Eで示すような振動モードが発生した。この振動モードは、図10に示す振動モードD、E、Fのうち、駆動振動片および接続部の振動D、Eのみが分離したものである。具体的には、細長い接続部5が基部2への付け根を中心として矢印DのようにZ軸方向(回転軸方向)へと向かって屈曲振動する。これと同時に、各駆動振動片14A、14B、14C、14Dが、それぞれ、接続部5の先端を付け根として矢印EのようにZ軸方向に屈曲振動する。そして、矢印Dの屈曲振動と、矢印Eの屈曲振動とは振動子平面に対して同相であり、かつ周波数が等しい。図12の屈曲振動モードは、振動子を支持することによって出現し、fd/2に近い共振周波数を有していることが判明した。そして、この支持形態や支持位置を適宜選定することによって、この振動モードの共振周波数を変動させ、fd/2から一定量離すことができ、これによって、−40℃〜+85℃におけるクリスタルインピーダンスのピーク的上昇を抑制できることを見いだした。
図13には、fd/2離調率{(fd/2−Z)/fd}(%)を横軸とし、潰れ電流値を縦軸として示した。この結果、fd/2離調率と潰れ電流値とはほぼ比例関係にあることが判明した。なお、図13においては、回路電流値を30μAまたは40μAとした。ここで、潰れ電流値(縦軸)が回路電流値を下回ると、クリスタルインピーンダンスのピーク状温度ドリフトが発生し、大きくなる。従って、潰れ電流値が回路電流値を上回るようにすることによって、共振潰れ現象によるクリスタルインピーダンスのピーク状温度ドリフトを回避できる。このためには、fd/2離調率を大きくする必要がある。fd/2離調率の許容される最小値は、回路電流値(μA)に比例することも判明した。この関係を計算すると、 5.445×10−5×I≦|{(fd/2)−Z}/fd|の関係を満足すれば、クリスタルインピーダンスのピーク状温度ドリフトを回避できることが判った。
こうしたfd/2離調率、クリスタルインピーダンスおよび回路電流値の関係について更に述べる。図14には、fd/2離調率と潰れ電流との関係を示す。また、図15には、試料4について、温度、クリスタルインピーダンス、駆動インピーダンスおよび潰れ電流値の関係を示す。これらのデータからも、本発明が、クリスタルインピーダンスのピーク状温度ドリフトの回避に有効であることが判る。
次に駆動用の自励発振回路の回路電流値について述べる。
図16は駆動振動系の発振ループ32を示す模式図である。振動子1Aには駆動手段14A〜14Dが取り付けられており、駆動手段14A〜14Dは自励発振回路22に対して接続されている。まず自励発振回路22内の増幅器の利得(ゲイン)の大きい状態でスタートする。この時点では増幅器への入力は雑音のみである。この雑音は、目的とする駆動振動の固有共振周波数を含む幅広い周波数の波動を含んでいる。この雑音を矢印Hのように振動子1Aに入力する。
振動子は圧電性単結晶からなる。振動子の周波数フィルター作用によって、目的とする固有共振周波数の振動を多く含む信号が矢印Gのように出力され、この信号が自励発振回路22内の増幅器に入力される。発振ループ内でこうした操作を繰り返すことによって、目的とする固有共振周波数の信号の割合が高くなり、増幅器への入力信号が大きくなる。このため、増幅器の利得を調整することによって、発振ループ32を信号が一周する間の利得(ループゲイン)が1となるようにする。最終的には、増幅器の利得を調整することなしに、発振ループ32を信号が一周する間の利得(ループゲイン)が1となる。この状態で振動子が安定発振する。駆動用自励発振回路の回路電流値とは、この安定発進時の回路電流値である。
fd/2離調率を制御するためには、以下の方法がある。
(1) 駆動振動の共振周波数を変更する。
(2) fd/2に最も近い周波数を有する振動モードの共振周波数を変更する。このためには、振動子を支持する際の支持位置、支持手段(例えばワイヤーボンディング)の幅、厚さ、本数を変更することが考えられる。
振動子は複数箇所で支持してもよい。これは振動子と支持手段との接触部分が複数あることを意味している。支持手段は特に限定されず、ボンディングワイヤー、柱、棒、ピンなどであってよい。支持手段の材質も限定されず、金属、樹脂、接着剤、金属−樹脂複合材料であってよいが、金属が特に好ましい。特に好ましい材質は以下のものである。
銅、金、アルミ、銀、タングステン、ステンレス、鉄、ニッケル、錫、真鍮またはそれらの合金。これらの金属、合金にはメッキ等が施されていてもよい、例えば金メッキが施された銅箔が特に好ましい。
振動子の基板への固定方法は特に限定されない。例えば好適な実施形態においては、振動子を、基板に直接接触しない状態で支持する。これによって振動子の振動の阻害を防止する。好適な実施形態においては、振動子と基板との間隔は、0.1mm以上であり、更に好ましくは0.2mm以上である。この場合には、ボンディングワイヤによって振動子を基板上に支持することができる。このボンディングワイヤの振動子への接合方法は限定されないが、超音波ボンディング、スポット溶接、導電性接着剤、半田付けが好ましい。
振動子の材質は、水晶、ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶である
振動子の幅を10mm以下と、5mm以下とすることがさらに好ましい。また、同様の観点からは、振動子の重量を5mg以下とすることが好ましく、1mg以下とすることが一層好ましい。また、振動子の厚さを0.3mm以下と、0.2mm以下とすることが更に好ましい。
本発明は、振動型ジャイロスコープである
図1、図2に示す振動子1Aを使用した。具体的には、厚さ0.1mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ100オングストロームのクロム膜と、厚さ1500オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチングして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子1Aの外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ100オングストロームのクロム膜上に厚さ2000オングストロームの金膜を電極膜として形成した。振動子1Aの寸法は、縦3.8mm、横4.5mm、厚さ0.1mmであり、重量は約0.8mgであった。
振動子1Aをパッケージに実装した。基板はアルミナセラミックスによって形成し、接点パッドは金によって形成し、枠体はSUSによって形成した。ボンディングワイヤは、銅膜線を金によってメッキすることで製造した。銅膜線の厚さ、幅、形状を種々変更した。振動子1Aの基部2をボンディングワイヤに対して超音波ボンディングによって接合し、基板上に固定した。
得られた振動型ジャイロスコープを温度試験槽に入れ、雰囲気温度を、−40℃から+85℃の間で変化させた。そして、各サンプルについて、駆動振動モードの共振周波数fdを表1に示すように変更し、自励発振回路を用いて駆動振動を生じさせ、共振潰れ現象の有無を確認した。また、各試料について、fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードを探索し、その共振周波数を測定した。各振動モードの各共振周波数をインピーダンスアナライザを用いて測定した。これらの結果を表1に示す。回路電流値は30μAである。
Figure 0004386170
表1の結果から判るように、回路電流値が30μAの場合には、fd/2離調率を0.16%以上とすることによって、共振潰れ現象(クリスタルインピーダンスのピーク状増加)を防止できる。
なお、図3は試料1のデータであり、図4は、試料1のデータであり、図5は試料2のデータであり、図6は試料1のデータであり、図7は試料2のデータであり、図8は試料1のデータであり、図9は試料1のデータであり、図13〜図15は試料1および4のデータである。図17は試料4のデータであり、図18は試料4のデータである。
また、表1に示す各試料1〜9を使用し、上述した各例と同様にして共振潰れ現象の有無を観測した。ただし、今回は、回路電流値Iを40μAとした。この結果を表2に示す。
Figure 0004386170
表2の結果から判るように、回路電流値が40μAの場合には、fd/2離調率を0.22%以上とすることによって、共振潰れ現象(クリスタルインピーダンスのピーク状増加)を防止できる。
以上述べたように、本発明によれば、振動子を用いた物理量測定装置において、クリスタルインピーダンスに生ずる温度ドリフトを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る振動子1A(駆動振動モード)を概略的に示す平面図である。 振動子1Aの検出振動モードの振動を示す平面図である。 クリスタルインピンダースと周波数および位相との関係を示すグラフである。 駆動インピーダンスと温度および駆動位相との関係を示すグラフである。 周波数とクリスタルインピーダンス(電圧/電流)の関係を示すグラフである。 クリスタルインピーダンスと周波数との関係を示すグラフである。 駆動回路の回路電流値I、潰れ電流値およびクリスタルインピーダンスの関係を示すグラフである。 駆動回路の回路電流値I、潰れ電流値およびクリスタルインピーダンスの関係を示すグラフである。 共振潰れ現象(電流)が観測された試料についてのレーザードップラー測定結果を示すグラフである。 振動子1Aの非支持時の不要な振動モードを示す斜視図である。 図10および図12の振動モードを示す平面図である。 振動子1Aの支持時の振動モードFを示す斜視図である。 fd/2離調(fd/2−Z)(Hz)と潰れ電流値との関係を示すグラフである。 回路電流値を26.9μAとしたときのfd/2離調と潰れ電流との関係を示すグラフである。 図14と同じ試料について、温度、クリスタルインピーダンス、駆動インピーダンスおよび潰れ電流値の関係を示すグラフである。 駆動振動系の発振ループ32を示す模式図である。 正常に動作する振動型ジャイロスコープにおいて、駆動インピーダンスの温度変化を示すグラフである。 正常に動作する振動型ジャイロスコープにおいて、レーザードップラー測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1A 振動子 2 基部 5 接続部 13A、13B 検出振動片 14A、14B、14C、14D 駆動振動片 A 駆動振動モード B、C 検出振動モード D、E 振動子1Aを支持していないときの不要なZ軸方向の振動モード F 振動子1Aを支持したときの不要なZ軸方向の振動モード Z 回転軸

Claims (4)

  1. 圧電単結晶製の振動子、前記振動子に自励発振回路を用いて駆動振動を励振する駆動電極および前記振動子に加わる回転角速度に応じて前記振動子に励振される検出振動を検出する検出電極を備えている振動型ジャイロスコープであって、
    前記振動子が実質的に平面に沿って形成されており、基部、この基部から突出する接続部、この接続部から突出し、前記駆動電極が設けられた駆動振動片、および前記基部から突出し、前記検出電極が設けられた検出振動片を備えており,前記駆動振動において前記駆動振動片が前記接続部への付け根を中心として前記平面に沿って屈曲振動し、前記振動子の幅が10mm以下であり、前記振動子の厚さが0.3mm以下であり、前記駆動振動モードの振動の共振周波数fdが29342〜63246ヘルツであり、
    fd/2に最も近い共振周波数を有する振動モードにおいて、前記接続部が前記基部への付け根を中心として前記平面外に屈曲振動し、前記駆動振動片が前記接続部への付け根を中心として前記平面外に屈曲振動し、前記接続部の屈曲振動の前記平面に対する位相と前記駆動振動片の屈曲振動の前記平面に対する位相とが互いに同相であり、
    fd/2に最も近い共振周波数を有する前記振動モードの共振周波数をZ(Hz)とし、前記自励発振回路における回路電流値をI(μA)としたとき、以下の関係が満足されていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ

    5.445×10−5×I≦ |(fd/2)−Z|/fd
  2. 前記回路電流値Iが30μAであり、|(fd/2)−Z|/fdが0.163%以上であることを特徴とする、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ
  3. 前記回路電流値Iが30μAであり、|(fd/2)−Z|/fdが12.5%以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の振動型ジャイロスコープ
  4. |(fd/2)−Z|/fdが416.7×10 −5 ×I以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
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