JP4035264B2 - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、角速度センサ、直線加速度計、発振装置に用いられる振動子、および振動型ジャイロスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧電振動型ジャイロスコープは、振動している物体に角速度が加わると、その振動と直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そして、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491〜497頁)。そして、圧電型振動ジャイロスコープとしては、これまでに種々のものが提案されている。例えば、スペリー音叉型ジャイロスコープ、ワトソン音叉型ジャイロスコープ、正三角柱型音片ジャイロスコープ、円筒型音片ジャイロスコープ等が知られている。
【0003】
本発明者は、振動型ジャイロスコープの応用について種々検討を進めており、例えば自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに振動型ジャイロスコープを使用することを検討した。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
【0004】
しかし、上述した従来の圧電振動型ジャイロスコープは、いずれの例でも、振動子を回転軸に対して平行に配置(いわゆる縦置き)しなければ、回転角速度を検出することができない。しかし、通常、測定したい回転系の回転軸は、装着部に対して垂直である。従って、このような圧電振動型ジャイロスコープを実装する際、圧電振動型ジャイロスコープの低背化を達成すること、即ち、振動型ジャイロスコープを回転軸方向に見たときの寸法を減少させることができなかった。
【0005】
近年になって、振動子を回転軸に対して垂直に配置(いわゆる横置き)しても、回転角速度を検出できる圧電振動型ジャイロスコープが、特開平8−128833号公報において提案されている。しかし、このような振動型ジャイロスコープにおいても、振動型ジャイロスコープを回転軸方向に見たときの寸法を減少させる上で限界があった。
【0006】
本発明の課題は、振動子を所定面内で回転させたときに、振動子の所定面内の振動を利用して回転角速度を検出可能な振動型ジャイロスコープを提供することである。
【0007】
また、本発明の課題は、こうした振動型ジャイロスコープにおいて特に好適に使用できる振動子を提供することである。
【0008】
また、本発明の課題は、平面的に延びる振動子において、屈曲振動片の所定面内の屈曲振動と、振動子の重心を中心とする所定面内の回転振動とを組み合わせることによって、新たな振動子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、所定面に沿って形成されている振動子であって、振動子が複数の振動系と、これらの振動系を連結する連結部とを備えており、各振動系がそれぞれ屈曲振動片を備えており、この振動子が少なくとも第一の振動モードで振動しており、第一の振動モードにおいては、前記各振動系内の各屈曲振動片の振動が前記振動子の重心を中心としたときに周方向に向かう周方向屈曲振動成分を含んでおり、前記各振動系中の各屈曲振動片が前記重心を中心として前記周方向に見たときに同位相で共振しており、前記連結部が前記周方向に見たときに前記各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で回転振動しており、前記連結部内に前記重心が位置しており、前記連結部の外周縁から前記各屈曲振動片が前記重心を中心として径方向へと向かって突出しており、前記複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、前記第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、この径方向屈曲振動片の振動が、前記重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む、振動子、前記径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第一の振動モードの振動を検出するために、前記第二の振動系の前記屈曲振動片に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ、または、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、所定面に沿って形成されている振動子であって、振動子が複数の振動系と、これらの振動系を連結する連結部とを備えており、各振動系がそれぞれ屈曲振動片を備えており、この振動子が少なくとも第一の振動モードで振動しており、第一の振動モードにおいては、前記各振動系内の各屈曲振動片の振動が前記振動子の重心を中心としたときに周方向に向かう周方向屈曲振動成分を含んでおり、前記各振動系中の各屈曲振動片が前記重心を中心として前記周方向に見たときに同位相で共振しており、前記連結部が前記周方向に見たときに前記各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で回転振動しており、前記連結部が、中空部分が設けられた枠部であり、前記中空部分内に前記重心が位置しており、この枠部の内側面および/または外側面から前記屈曲振動片が突出しており、前記複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、前記第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、この径方向屈曲振動片の振動が、前記重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む、振動子、前記径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第一の振動モードの振動を検出するために、前記第二の振動系の前記屈曲振動片に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープに関する
【0010】
また、本発明は、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、所定面に沿って形成されている振動子であって、振動子が複数の振動系と、これらの振動系を連結する連結部とを備えており、各振動系がそれぞれ屈曲振動片を備えており、この振動子が少なくとも第一の振動モードで振動しており、第一の振動モードにおいては、前記各振動系内の各屈曲振動片の振動が前記振動子の重心を中心としたときに周方向に向かう周方向屈曲振動成分を含んでおり、前記各振動系中の各屈曲振動片が前記重心を中心として前記周方向に見たときに同位相で共振しており、前記連結部が前記周方向に見たときに前記各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で回転振動しており、前記連結部内に前記重心が位置しており、前記連結部の外周縁から前記各屈曲振動片が前記重心を中心として径方向へと向かって突出しており、前記複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、前記第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、この径方向屈曲振動片の振動が、前記重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む、振動子、前記径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第一の振動モードの振動を検出するために、前記連結部に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ、または、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、所定面に沿って形成されている振動子であって、振動子が複数の振動系と、これらの振動系を連結する連結部とを備えており、各振動系がそれぞれ屈曲振動片を備えており、この振動子が少なくとも第一の振動モードで振動しており、第一の振動モードにおいては、前記各振動系内の各屈曲振動片の振動が前記振動子の重心を中心としたときに周方向に向かう周方向屈曲振動成分を含んでおり、前記各振動系中の各屈曲振動片が前記重心を中心として前記周方向に見たときに同位相で共振しており、前記連結部が前記周方向に見たときに前記各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で回転振動しており、前記連結部が、中空部分が設けられた枠部であり、前記中空部分内に前記重心が位置しており、この枠部の内側面および/または外側面から前記屈曲振動片が突出しており、前記複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、前記第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、この径方向屈曲振動片の振動が、前記重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む、振動子、前記径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第一の振動モードの振動を検出するために、前記連結部に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープに関する
【0011】
本発明者は、平面的に延びる振動子において、屈曲振動片の所定面内の屈曲振動と、振動子の重心を中心とする所定面内の回転振動とを組み合わせることによって、新たな振動子を提供することに成功した。この振動子について、図1の模式図を参照しつつ、説明する。
【0012】
図1の振動子1は、複数の振動系3A、3B、3Cおよび3Dと、これらの振動系を連結部する連結部2とを備えている。本例では、連結部2の内部に振動子1の重心GOが存在しており、連結部2の外周縁2aから各振動系が突出している。
【0013】
各振動系3A、3B、3C、3D内には、それぞれ、屈曲振動片4A、4B、4C、4Dが設けられている。各屈曲振動片は、重心GOを中心として周方向に向かって、その連結部2側の付け根を支点として、矢印5A、5Bのように屈曲振動する。GOは振動子の全体の重心(非振動時)である。振動系は全部で4つ設けられている場合について説明するが、振動系の総数は種々変更できる。
【0014】
この際、各振動系中の各屈曲振動片が、重心GOを中心として周方向に見たときに同位相で共振する。言い換えると、各屈曲振動片4A−4Dは、ある瞬間にはすべて5AのようにGOを中心として周方向に時計回りに屈曲し、別の瞬間にはすべて5Bのように反時計回りに屈曲する。これと共に、連結部2は、周方向に見たときに各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で矢印6A、6Bのように回転振動する。言い換えると、各屈曲振動片が矢印5Aのように時計回りに屈曲しているときには、連結部2は矢印6Aのように反時計回りに変形し、各屈曲振動片が矢印5Bのように反時計回りに屈曲しているときには、連結部2は矢印6Bのように時計回りに変形する。
【0015】
なお、周方向に振動する振動成分とは、重心GOから見て所定面内で円周方向に振動する振動成分のことを指している。径方向に振動する成分とは、重心GOからみて所定面内で円の直径方向に振動する振動成分のことを指しており、つまり、重心GOに対して遠ざかる方向と近づく方向とに対して交互に振動する成分のことを言う。
【0016】
このように、連結部の所定面内の回転振動と複数の振動片の所定面内の屈曲振動とを共振させることによって、重心の周囲のモーメントのバランスをとった。この結果、振幅の大きい屈曲振動と、振動子の重心の周囲の対称性が高い回転振動とを組み合わせることによって、新規な振動子を提供するものである。こうした振動子は、複数の屈曲振動片の屈曲振動の全体の重心が回転振動し、屈曲振動の全体の重心の回転振動に対応して、連結部が逆位相で回転振動するものである。従って、種々の外乱、あるいは振動子の各部分の寸法の歪みや製造時の偏差などによって生ずるノイズの影響を受けにくい。こうした振動子は、回転角速度を検出するための振動子の他、直線加速度の検出装置や、発振装置として有用である。
【0017】
本発明においては、連結部として、中空部分が設けられた枠部を設けることができる。この場合には、中空部分内に重心が位置しており、枠部の内側面または外側面から各屈曲振動片が突出している。図2は、この実施形態に係る振動子21を示す模式図である。
【0018】
振動子21は、枠部12と、枠部12の内側面12aから中空部分13へと向かって突出する複数の振動系3A、3B、3C、3Dを備えている。各振動系は、枠部12の外側面12bから放射状に突出するように設けることもできる。各振動系内には、それぞれ前述した屈曲振動片4A−4Dが含まれている。各屈曲振動片4A−4Dは、それぞれ、枠部12の内側面12aへの接続部分を支点として、矢印5A、5Bのように屈曲振動する。これに対応して、前述したように、枠部12が矢印6A、6Bのように、重心GOを中心として回転振動する。
【0019】
また、本発明の好適な実施形態においては、複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、径方向屈曲振動片の振動が、振動子の重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む。
【0020】
この実施形態は、更に、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、この振動子、径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および振動子に所定面内の回転が与えられたときに振動子に生ずる第一の振動モードの振動を検出するために、第二の振動系の屈曲振動片および/または連結部に設けられている検出手段を備えている振動型ジャイロスコープに係るものである。
【0021】
図3、図4は、この実施形態に係るものである。図3、図4の各振動子は、図1、図2の各振動子と、径方向屈曲振動片を除けば類似しているので、同じ構成部分には同じ符号を付け、その説明を省略する。
【0022】
図3の振動子11においては、連結部2の外周縁2aから、例えば4つの振動系3E、3F、3G、3Hが突出している。第一の振動系3E、3G内には、それぞれ、屈曲振動片4E、4Gが設けられている。各各屈曲振動片4E、4Gからは、その長手方向に対して交差する方向へと向かって、それぞれ一対の径方向屈曲振動片7A、7B、7C、7Dが設けられている。
【0023】
本実施形態では、第一の振動系を駆動振動系として利用し、第二の振動系3F、3Hを検出振動系として利用する。各屈曲振動片7A、7B、7C、7Dに、それぞれ図示しない駆動手段を設け、各屈曲振動片を矢印10のように振動させる。この際、屈曲振動片7Aと7Bとが同位相で共振し、屈曲振動片7Cと7Dとが同位相で共振し、屈曲振動片7A−7Dの駆動振動の全体の重心GDが、振動子の重心GO上か、またはその近傍に位置するようにする。
【0024】
この状態で、振動子11を所定面(X−Y面)内でωのように回転させると、回転中にコリオリ力が振動子11に作用する結果、前述した矢印5A、5B、6A、6Bで示す第一の振動モードが励起されることを見いだした。従って、第二の振動系3F、3H内の各屈曲振動片4F、4Hにそれぞれ検出手段を設けることによって、矢印5A、5Bのような屈曲振動を電気的信号として取り出すことができる。また、基部2の外周縁2a近傍に検出手段を設けることによって、矢印6A、6Bのような回転振動を電気的信号として取り出すことができる。
【0025】
このような振動子および振動型ジャイロスコープによれば、振動子の駆動振動および検出のための振動が、いずれも所定面内で行われ、振動子の振動アームが回転軸に対して交差する方向に延びるように、振動子を設置した場合にも、振動子から回転軸の方向に向かって一定重量の突出部を設けることなく、十分に高い感度で回転角速度を検出できる。
【0026】
しかも、従来の振動型ジャイロスコープにおいては、いずれも駆動振動アームの駆動振動が、何らかの形で検出アームにも歪みとして影響を及ぼし、検出信号にノイズを発生させていた。しかし、本実施形態によれば、検出振動系には駆動振動の影響が伝達されにくい。この結果、検出信号に不可避的に発生していたノイズを、抑制ないし防止することができる。この点で、本発明は、振動型ジャイロスコープに内在していた根本的な問題点を解決したものである。
【0027】
図4の振動子31においては、第一の振動系3Eおよび3Gが枠部12の内側面12aから中空部分13側へと突出しており、第二の振動系3F、3Hも同様に突出している。
【0028】
また、本発明の好適な実施形態においては、複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、径方向屈曲振動片の振動が、重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含んでおり、振動子が第一の振動モードに加えて第二の振動モードで振動しており、第二の振動モードにおいては、第一の振動系の屈曲振動片が周方向に見たときに同位相で共振し、かつ第二の振動系の屈曲振動片が周方向に見たときに第一の振動系とは逆位相で共振する。
【0029】
こうした振動子を用いて振動型ジャイロスコープを作製する場合には、主として第二の振動モードを駆動、検出に使用することができる。この際には、本発明は、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、前記振動子、径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および振動子に所定面内の回転が与えられたときに振動子に生ずる第二の振動モードの振動を検出するために、第二の振動系の屈曲振動片に設けられている検出手段を備えている。あるいは、本発明は、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、前記振動子、第二の振動系の前記屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および振動子に所定面内の回転が与えられたときに径方向屈曲振動片に生ずる、径方向屈曲振動を含む検出振動を検出するために、径方向屈曲振動片に設けられている検出手段を備えている。
【0030】
図5、図6は、この実施形態を説明するための模式図である。
【0031】
図5の振動子11において、第一の振動系3E、3Gを駆動振動系として利用し、第二の振動系3F、3Hを検出振動系として利用できる。各屈曲振動片7A、7B、7C、7Dに、それぞれ図示しない駆動手段を設け、各屈曲振動片を矢印10のように振動させる。この際、屈曲振動片7Aと7Bとが同位相で共振し、屈曲振動片7Cと7Dとが同位相で共振し、屈曲振動片7A−7Dの駆動振動の全体の重心GDが、振動子の重心GO上か、またはその近傍に位置するようにする。
【0032】
この状態で、振動子11を所定面(X−Y面)内でωのように回転させると、回転中にコリオリ力が振動子11に作用する結果、第二の振動モードが励起される。即ち、第一の振動系3E、3Gに属する各屈曲振動片4E、4Gは矢印9A、9Bのようにその付け根を中心として屈曲振動する。この際、屈曲振動片4Eと4Gとの各屈曲振動の位相は、重心GOを中心として周方向に見たときに同じになる。また、第二の振動系3F、3Hに属する各屈曲振動片4F、4Hは矢印9A、9Bのようにその付け根を中心として屈曲振動する。この際、屈曲振動片4Fと4Hとの各屈曲振動の位相は、重心GOを中心として周方向に見たときに同じになる。また、屈曲振動片4E、4Gと、屈曲振動4F、4Hとは、重心GOを中心として周方向に見たときに、任意の時点において互いに逆方向へと屈曲している。従って、第二の振動系3F、3H内の屈曲振動片4F、4Hにそれぞれ検出手段を設けることによって、回転角速度を反映する電気的信号を得ることができる。
【0033】
また、各屈曲振動片4F、4Hに駆動手段を設け、各屈曲振動片を駆動振動させ、この状態で振動子11を所定面内で矢印ωのように回転させると、各屈曲振動片7A、7B、7C、7Dが、矢印10のようにその付け根を中心として径方向へと屈曲振動する。従って、各屈曲振動片7A−7Dに検出手段を設けることによって、回転角速度の大きさを反映する電気的信号を得ることができる。図6の振動子31においても同様の動作が得られる。
【0034】
第二の振動モードを振動型ジャイロスコープにおいて利用する際には、第一の振動モードの固有共振周波数と、駆動振動の固有共振周波数の2倍との差が、駆動振動の固有共振周波数の3.0%以上であることが好ましく、これによって第一の振動モードによる検出への影響を抑制できる。これは、特に好ましくは5%以上である。また、この差には特に上限はない。実際上は20%以上とすることができる。
【0035】
また、振動子の駆動モード、第一の振動モード、第二の振動モードの形態が明確である場合には、各モードの固有共振周波数を調節するためには、例えば振動子の材質や厚さを変更し、また連結部の寸法と屈曲振動片の長さ、屈曲振動片の幅を調節することが好適である。
【0036】
また、駆動手段が駆動電極であり、この駆動電極に対して、矩形波からなる信号電圧を印加する場合には、特に前記の第一の振動モードが一層明瞭に生ずることを確認した。従って、矩形波からなる信号電圧を振動子に対して適用する場合に、本発明は特に有用である。
【0037】
本発明においては、第一の振動系を複数設け、各第一の振動系を、重心GOを中心として互いに回転対称の位置に設けることができる。例えば図3−図6の振動子においては、第一の振動系3Eと3Gとは、重心GOを中心として二回対称の位置に設けられている。
【0038】
また、第二の振動系を複数設け、各第二の振動系を、重心GOを中心として互いに回転対称の位置に設けることが好ましい。例えば、図3−図6の振動子においては、第二の振動系3Fと3Hとは、重心GOを中心として二回対称の位置に設けられている。
【0039】
各振動系が重心GOを中心として回転対称の位置にあるとは、重心GOを中心として、問題とする複数の振動系がそれぞれ所定面内で同じ所定角度離れている状態を意味する。従って、一つの振動系を所定面内で所定角度回転させる操作を行うと、他の振動系の位置に位置する。例えば、図3−図6においては、第一の振動系3Eと3Gとは、180°離れているので、振動系3Eを180°回転させる操作を行うと、振動系3Gの位置にくる。
【0040】
回転対称は、具体的には2回対称、3回対称、4回対称であることが好ましい。また、複数の駆動振動系を重心GOを中心として回転対称の位置に設けることによって、特に比較的微小な検出振動への影響を抑制できることから、効果が大きい。
【0041】
駆動振動系の振動の全体の重心GDが、重心GOの近傍領域に位置していることが好ましく、これによって検出振動系への影響を抑制できる。
【0042】
駆動振動の重心GDが、振動子の重心GOの近傍領域に位置しているとは、具体的には、実質的に重心GO上に位置していてもよいが、重心GOから直径1mmの円内に存在していることを意味する。
【0043】
本発明の振動子においては、複数の振動系が所定面内に延びているが、これは厚さにして1mm以下の範囲内に複数の振動系が形成されている場合を含む。
【0044】
以下、本発明の更に具体的な実施形態について述べる。
本発明の振動子の変位は、所定面内で生ずる。このため、振動子の全体を、同一の圧電単結晶によって形成することができる。この場合には、まず圧電単結晶の薄板を作製し、この薄板をエッチング、研削により加工することによって、振動子を作製できる。振動子の各部分は、別の部材によってそれぞれ形成することもできるが、一体で構成することが特に好ましい。
【0045】
平板形状の材料、例えば水晶等の圧電単結晶の平板状の材料から、エッチングプロセスによって振動子を形成する場合には、振動子の各屈曲振動片等の各構成片に特定形状の突起、例えば細長い突起が生成することがある。このような突起は、厳密には設計時に予定された振動子の対称性を低下させる原因となる。しかし、この突起は存在していても良く、突起の高さは小さい方が好ましいが、突起の高さが振動子の構成片の幅の1/5以下であれば一般に問題なく使用できる。他の製造上の原因による突起以外の非対称部分が振動子に存在する場合にも同様である。
【0046】
なお、このように突起などが振動子に存在する場合には、この突起の一部をレーザー加工等によって削除することによって、または振動子の突起以外の部分をレーザー加工等によって削除することによって、駆動時に駆動振動系の重心が、振動子の重心の近傍領域内に位置するように、エッチング加工後に調整できる。
【0047】
また、振動子の材質は特に限定するものでないが、水晶、LiNbO3 、LiTaO3 、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O3 )単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶を使用することが好ましい。前記した単結晶の中では、LiNbO3 単結晶、LiTaO3 単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶が、電気機械結合係数が特に大きい。
【0048】
圧電単結晶を使用すると、検出感度を良好にすることができるとともに、検出ノイズを小さくできる。しかも、圧電単結晶を使用すると、温度変化に対して特に鈍感な振動子を作製でき、このような振動子は、温度安定性を必要とする車載用として好適である。
【0049】
なぜなら、本発明におけるように振動子の全体を所定面内で振動するようにし、かつ振動子を圧電単結晶によって形成することで、単結晶の最も温度特性の良い結晶面のみを振動子において利用できるようになった。
【0050】
即ち、振動子の全体が所定平面内で振動するように設計されていることから、圧電単結晶のうち振動周波数の温度変化がほとんどない結晶面のみを利用して、振動子を製造することができる。これによって、きわめて温度安定性の高い振動型ジャイロスコープを提供できる。
【0051】
本発明の振動子を圧電性材料によって形成した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZT等の圧電セラミックスがある。
【0052】
また、本発明の振動子を、エリンバー等の恒弾性金属によって形成することもできる。この場合には、振動子の所定箇所に、駆動手段および/または検出手段として、圧電体を取り付ける必要がある。
【0053】
図7は、本発明の一実施形態に係る圧電単結晶製の振動子を備えた振動型ジャイロスコープを、概略的に示す平面図である。基部2Aは、振動子の重心GOを中心として、4回対称の正方形をしている。基部2Aの周縁部2aから、四方に向かって放射状に、二つの第一の振動系3E、3G(本例では駆動振動系)と二つの第二の振動系3F、3H(本例では検出振動系)とが突出しており、各振動系は互いに分離されている。
【0054】
振動系3E、3Gは、基部2Aの周縁部2aから突出する屈曲振動片4E、4Gと、屈曲振動片の先端側から屈曲振動片4E、4Gに直交する方向に延びる径方向屈曲振動片7A、7B、7C、7Dを備えている。各屈曲振動片には、それぞれ駆動電極13が設けられている。第二の振動系の各屈曲振動片4F、4Hには、それぞれ、検出電極14が設けられている。
【0055】
この振動子の駆動振動のモードを図8に示す。各径方向屈曲振動片7A、7B、7C、7Dが、その付け根(各屈曲振動片4E、4Gの先端部分)19を支点として、矢印10のように屈曲振動していることがわかる。
【0056】
この振動子の第二の振動モードを図9に示す。各屈曲振動片4E、4Gがその固定部18を支点として周方向に同位相で屈曲振動している。これに対応して、第二の振動系3F、3Hの各屈曲振動片4F、4Hが、矢印9A、9Bのように、固定部17を中心として同位相で屈曲振動している。重心GOを中心として周方向に見たときに、屈曲振動片4E、4Gの屈曲振動の位相と、屈曲振動片4F、4Hの屈曲振動の位相とは、逆であり、このために連結部2Aは回転振動しない。
【0057】
この振動子の第一の振動モードを図10に示す。各屈曲振動片4E、4F、4G、4Hが、その固定部17、18を支点として、周方向にすべて同位相で屈曲振動している。これに対応して、連結部2Aが、重心GOを中心として、各屈曲振動片とは逆位相で回転振動している。
【0058】
図11は、図4、図6に模式的に示したような振動子を更に具体化したものである。この振動子21Aは枠部12Aを備えている。枠部12Aの内側面12aから、中空部分13へと向かって、二つの第一の振動系3E、3Gと、二つの第二の振動系3F、3Hとが突出しており、各振動系は互いに分離されている。隣り合う各振動系の間には、枠部12Aから内側へと向かって突出する四辺形の突出部25が設けられている。
【0059】
第一の振動系3E、3Gは、屈曲振動片4E、4Gと、屈曲振動片の先端側から屈曲振動片4E、4Gに直交する方向に延びる径方向屈曲振動片7A、7B、7C、7Dを備えている。
【0060】
この振動子21Aの駆動モード、第二の振動モードは、前述したとおりであり、また図8、図9に示したものと実質的に同じである。
【0061】
振動子21Aの第一の振動モードにおいては、各屈曲振動片4E、4F、4G、4Hが、その固定部17、18を支点として、周方向にすべて同位相で屈曲振動している。これに対応して、枠部12Aが、重心GOを中心として、矢印6A、6Bのように、各屈曲振動片とは逆位相で回転振動している。
【0062】
以下、具体的な実験結果について述べる。
【0063】
図7に示す形態の振動型ジャイロスコープを作製した。具体的には、厚さ0.3mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ200オングストロームのクロム膜と、厚さ5000オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
【0064】
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチングして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ2000オングストロームのアルミニウム膜を電極膜として形成した。
【0065】
得られた振動子の連結部2Aの幅aは6.0mmとした。また、各屈曲振動片4E、4Gの長さb1は8.3mmとし、4F、4Hの長さb2は6.0mmとした。各屈曲振動片の幅は1.0mmとした。各検出電極14の寸法は、幅0.6mm×長さ2.8mmであり、検出振動片の付け根から1.2−4.0mmの位置に形成されていた。各駆動電極13の寸法は、幅0.6mm×長さ2.8mmであった。
【0066】
振動子11Aの中央部に、0.75mm×0.75mmの正方形の支持孔(図示せず)を形成し、この支持孔に直径0.6mmの金属ピンを通し、金属ピンに対して振動子をシリコーン樹脂接着剤によって接着した。
【0067】
この振動子に対して、4ボルトの矩形波による自励振発振駆動を行い、駆動振動を生じさせ、振動子11Aを所定面内で回転させ、第一の振動モードを励起させた。駆動振動の固有共振周波数は22850Hzであり、第一の振動モードの固有共振周波数は23500Hzである。回転角速度の検出感度を測定した結果、2.5mV/°/secの信号が得られた。
【0068】
次に、上記と同様の振動子を使用し、第二の振動モードを検出振動として利用し、ノイズレベルを測定した。ただし、上記において、連結部2Aの幅aを、表1−表4に示すように変更し、各屈曲振動片4E、4Gの長さb1、4F、4Hの長さb2は、表1−表4に示すように変更した。各屈曲振動片の幅は1.0mmとし、実験番号1−31の各振動子を得た。各振動子について、インピーダンスアナライザの測定端子に所定の端子を接続して、駆動振動の固有共振周波数(fd)、第二の振動モードの固有共振周波数(f)、スプリアスモードの固有共振周波数(fs)、第一の振動モードの固有共振周波数(f2ω)を測定し、表1−4に示した。また、f2ω−2fd(Hz)(第一の振動モードの固有共振周波数と、駆動振動の固有共振周波数の2倍との差)、およびf2ω−2fd(%)(駆動振動の固有共振周波数に対する前記の差の割合)を表1−4に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0004035264
【0070】
【表2】
Figure 0004035264
【0071】
【表3】
Figure 0004035264
【0072】
【表4】
Figure 0004035264
【0073】
表1−表4の結果から分かるように、第二の振動モードを振動型ジャイロスコープにおいて利用する際には、第一の振動モードの固有共振周波数と、駆動振動の固有共振周波数の2倍との差が、駆動振動の固有共振周波数の3.0%以上であることが好ましく、これによって第一の振動モードによる検出への影響を抑制できる。これは、特に好ましくは5%以上であった。
【0074】
図12は、振動子11Aの第二の振動モードを使用して検出信号を得たときの、検波前の検出信号の波形を示すグラフであり(実験番号2)、図13も同様である(実験番号4)。図13に示されている検波前の検出信号の波形においては、参照信号の立ち上がり時に対応して検出信号波形にうねりが見られる。
【0075】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、平面的に延びる振動子において、屈曲振動片の所定面内の屈曲振動と、振動子の重心を中心とする所定面内の回転振動とを組み合わせることによって、新たな振動子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る振動子1を示す模式図であり、連結部2から複数の振動系が突出している。
【図2】本発明の他の実施形態に係る振動子21を示す模式図であり、枠部12から内側へと向かって複数の振動系が突出している。
【図3】本発明の他の実施形態に係る振動子11を示す模式図であり、第一の振動系3E、3G内に径方向屈曲振動片7A−7Dが設けられている。
【図4】本発明の他の実施形態に係る振動子31を示す模式図であり、第一の振動系3E、3G内に径方向屈曲振動片7A−7Dが設けられている。
【図5】本発明の他の実施形態に係る振動子11の第二の振動モードを示す模式図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る振動子31の第二の振動モードを示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る振動子11Aおよび電極13、14を示す平面図である。
【図8】振動子11Aの駆動振動モードを示す平面図である。
【図9】振動子11Aの第二の振動モードを示す平面図である。
【図10】振動子11Aの第一の振動モードを示す平面図である。
【図11】振動子21Aを示す平面図である。
【図12】振動子11Aの第二の振動モードを使用して検出信号を得たときの、検波前の検出信号の波形を示すグラフである(実験番号2)。
【図13】振動子11Aの第二の振動モードを使用して検出信号を得たときの、検波前の検出信号の波形を示すグラフである(実験番号4)。
【符号の説明】
1、11、11A、21、21A、31 振動子 2、2A 重心GOが位置する連結部 3A、3B、3C、3D 振動系3E、3G 第一の振動系 3F、3H 第二の振動系 4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H 屈曲振動片 5A、5B各屈曲振動片の周方向の屈曲振動(第一の振動モード) 6A、6B 連結部の回転振動(第一の振動モード) 7A、7B、7C、7D 径方向屈曲振動片 9A、9B 屈曲振動片の周方向の屈曲振動(第二の振動モード) 10 径方向の屈曲振動 12、12A 連結部(枠部)13 検出電極 14 駆動電極

Claims (7)

  1. 回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、
    所定面に沿って形成されている振動子であって、振動子が複数の振動系と、これらの振動系を連結する連結部とを備えており、各振動系がそれぞれ屈曲振動片を備えており、この振動子が少なくとも第一の振動モードで振動しており、第一の振動モードにおいては、前記各振動系内の各屈曲振動片の振動が前記振動子の重心を中心としたときに周方向に向かう周方向屈曲振動成分を含んでおり、前記各振動系中の各屈曲振動片が前記重心を中心として前記周方向に見たときに同位相で共振しており、前記連結部が前記周方向に見たときに前記各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で回転振動しており、前記連結部内に前記重心が位置しており、前記連結部の外周縁から前記各屈曲振動片が前記重心を中心として径方向へと向かって突出しており、前記複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、前記第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、この径方向屈曲振動片の振動が、前記重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む、振動子、
    前記径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および
    前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第一の振動モードの振動を検出するために、前記第二の振動系の前記屈曲振動片に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ
  2. 回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、
    所定面に沿って形成されている振動子であって、振動子が複数の振動系と、これらの振動系を連結する連結部とを備えており、各振動系がそれぞれ屈曲振動片を備えており、この振動子が少なくとも第一の振動モードで振動しており、第一の振動モードにおいては、前記各振動系内の各屈曲振動片の振動が前記振動子の重心を中心としたときに周方向に向かう周方向屈曲振動成分を含んでおり、前記各振動系中の各屈曲振動片が前記重心を中心として前記周方向に見たときに同位相で共振しており、前記連結部が前記周方向に見たときに前記各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で回転振動しており、前記連結部が、中空部分が設けられた枠部であり、前記中空部分内に前記重心が位置しており、この枠部の内側面および/または外側面から前記屈曲振動片が突出しており、前記複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、前記第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、この径方向屈曲振動片の振動が、前記重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む、振動子、
    前記径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および
    前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第一の振動モードの振動を検出するために、前記第二の振動系の前記屈曲振動片に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ
  3. 回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、
    所定面に沿って形成されている振動子であって、振動子が複数の振動系と、これらの振動系を連結する連結部とを備えており、各振動系がそれぞれ屈曲振動片を備えており、この振動子が少なくとも第一の振動モードで振動しており、第一の振動モードにおいては、前記各振動系内の各屈曲振動片の振動が前記振動子の重心を中心としたときに周方向に向かう周方向屈曲振動成分を含んでおり、前記各振動系中の各屈曲振動片が前記重心を中心として前記周方向に見たときに同位相で共振しており、前記連結部が前記周方向に見たときに前記各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で回転振動しており、前記連結部内に前記重心が位置しており、前記連結部の外周縁から前記各屈曲振動片が前記重心を中心として径方向へと向かって突出しており、前記複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、前記第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、この径方向屈曲振動片の振動が、前記重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む、振動子、
    前記径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および
    前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第一の振動モードの振動を検出するために、前記連結部に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ
  4. 回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、
    所定面に沿って形成されている振動子であって、振動子が複数の振動系と、これらの振動系を連結する連結部とを備えており、各振動系がそれぞれ屈曲振動片を備えており、この振動子が少なくとも第一の振動モードで振動しており、第一の振動モードにおいては、前記各振動系内の各屈曲振動片の振動が前記振動子の重心を中心としたときに周方向に向かう周方向屈曲振動成分を含んでおり、前記各振動系中の各屈曲振動片が前記重心を中心として前記周方向に見たときに同位相で共振しており、前記連結部が前記周方向に見たときに前記各屈曲振動片の屈曲振動とは逆位相で回転振動しており、前記連結部が、中空部分が設けられた枠部であり、前記中空部分内に前記重心が位置しており、この枠部の内側面および/または外側面から前記屈曲振動片が突出しており、前記複数の振動系が第一の振動系と第二の振動系とを備えており、前記第一の振動系が径方向屈曲振動片を備えており、この径方向屈曲振動片の振動が、前記重心を中心としたときに径方向の屈曲振動成分を含む、振動子、
    前記径方向屈曲振動片に駆動振動を励起するための駆動手段、および
    前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第一の振動モードの振動を検出するために、前記連結部に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、振動型ジャイロスコープ
  5. 前記振動子が前記第一の振動モードに加えて第二の振動モードで振動しており、第二の振動モードにおいては、前記第一の振動系の前記屈曲振動片が前記周方向に見たときに前記第一の振動系とは逆位相で共振することを特徴とする、請求項1−4のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ
  6. 圧電性単結晶からなることを特徴とする、請求項1−5のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ
  7. 前記振動子に前記所定面内の回転が与えられたときに前記振動子に生ずる前記第二の振動モードの振動を検出するために、前記第二の振動系の前記屈曲振動片に設けられている検出手段を備えていることを特徴とする、請求項1−6のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
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