JP4386180B2 - 物理量測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動子を用いた物理量測定装置に関するものである。
本出願人は、振動型ジャイロスコープの応用について種々検討を進めており、例えば自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに振動型ジャイロスコープを使用することを検討した。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。本出願人は、特許文献1には、主として平面内に延びる振動子を用いた、横置き型に適した振動型ジャイロスコープを提案した。
特開平11−281372号公報
振動型ジャイロスコープを製造する際には、自励発振回路を用いて、例えば水晶からなる駆動振動片に駆動振動を励振する。また、振動子上の検出電極から発信された出力電荷を処理することによって、回転角速度に対応する電圧値を得る。
ところが、製造された同一仕様の多数の振動型ジャイロスコープについて、自励発振回路ごとに駆動電流を測定してみると、温度変化による駆動電流値の変動が大きいことが判明した。例えば車体制御システムにおいては、振動型ジャイロスコープは、幅広い環境温度、即ち高温と低温とにさらされる。このような使用温度範囲は、−40℃〜+85℃の範囲にわたっている。このため、温度変化に伴って駆動電流が変化すると、駆動感度が変化し、この結果として検出電極からの出力電流も変化する。この結果、回転角速度の測定値に温度ドリフトが発生する。
また、検出電極からの出力電流を処理して、回転角速度に対応する検出電流を得るが、検出電流にも温度ドリフトが見られる。
振動型ジャイロスコープの温度ドリフトを改善するという観点から、振動子側で改善を行った例として、特許文献2、3を例示できる。特許文献2においては、温度補償サーミスタを使用し、感度の補正を行う。特許文献3においては、メモリに感度および温度の情報を予め記録し、この記録情報に基づき、マイクロコンピュータによって温度補正を行う。
特開平5−302833号公報 特開平6−160100号公報
しかし、特許文献2記載の方法においては、温度を検出する温度センサと、温度センサによる感知温度に依存して補償を行う温度補償サーミスタが必要である。また、特許文献3記載の方法においては、記録情報および周囲温度に基づいて感度を補正するので、温度センサおよびマイクロコンピュータが必要である。
本発明の課題は、振動子に駆動振動を励振し、振動子から発生する信号を増幅して物理量の測定値を得る物理量測定装置において、温度センサの必要性なしに、振動子側の改善によって回路系の温度ドリフトを削減することである。
本発明は、振動子と、この振動子に駆動振動を励振する自励発振回路および前記振動子からの出力信号を出力するための検出回路を含む制御回路とを使用し、前記出力信号に基づいて物理量を測定する装置であって、
自励発振回路および検出回路がモノリシックICチップに形成されており、自励発振回路が電流電圧増幅器を備えており、検出回路がチャージアンプを備えており、
振動子が、基部、この基部から突出する支持部、支持部から突出する駆動振動片、および基部から突出する検出振動片を備えており、駆動振動において駆動振動片が支持部への付け根を中心として屈曲振動し、検出振動において検出振動片が前記基部への付け根を中心として屈曲振動し、
振動子をポリイミドテープ上に銅箔ワイヤーによって実装することによって、振動子の検出離調を制御し、制御回路における感度の温度ドリフトの少なくとも一部を相殺するような感度の温度ドリフトを振動子に付与することを特徴とする。
本発明によれば、振動子からの出力値に、制御回路における温度ドリフトを相殺するような感度の温度ドリフトを付与しておくことを想到した。例えば、図18に示すように、制御回路に、−40℃から+80℃(+100℃)へと向かって検出感度が増大するような温度ドリフトが存在するものとする。このような場合に、振動子の感度が、−40℃から+80℃(+100℃)へと向かって低下するような温度特性を与えておく(図19参照)。これによって図20に示すように、物理量測定装置の感度の温度ドリフトを、温度センサを使用することなしに、著しく低減することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。
本発明においては、振動子に駆動振動を励振する自励発振回路および振動子からの検出信号を出力するための検出回路を含む制御回路を使用する。自励発振回路においては、振動子に駆動振動を励振するための電圧を印加する。検出回路においては、振動子上の電極から発生した信号を増幅し、駆動信号によって位相検波する。
ここで、自励発振回路および検出回路には、以下のような温度ドリフト発生要因があることが判明してきた。振動子は、駆動電流を一定にすることで、コリオリ力に必要な一定の速度を得られる。即ち、コリオリ力によって発生した電荷を一定の変換係数で電圧に変換する。そして、発生した電圧を一定の増幅率で増幅し、同期検波を一定の位相で行う。これらのうちいずれかに温度特性があると、モジュール全体の感度の温度特性として現れる。
更に具体的に述べる。図1は、一実施形態に係る自励発振回路12を示す模式図である。振動子1には励振手段2が取り付けられており、励振手段2は自励発振回路12に対して接続されている。自励発振回路12は、電流/電圧増幅器(交流増幅器)3、ハイパスフィルタ5、コンパレータ6、全波整流器8,積分器10、抵抗器を備えている。
起動時には、自励発振回路12に対して起動回路から雑音を入力する。この雑音は、振動子1の駆動部を通過して周波数選択を受け、次いで矢印Aのように電流/電圧変換器3に入力され、増幅されて電圧値に変換される。電流/電圧変換器3からの出力信号の一部を取り出し、全波整流器8に入力し、振幅の水準(大きさ)に変換する。9は基準電圧源である。この振幅の信号を積分器10に入力する。自励発振装置12は、図示しない診断回路に連結されており、診断回路の出力はDIAG端子を通して外部に出力される。
起動後の初期段階では、振動子1において雑音の大部分がカットされるため、全波整流器8からの出力が比較的小さい。このため、積分器10における出力電圧を大きくし、発振ループを一周する間のループゲインが1より大きくなるようにする。時間が経過すると、整流器8からの出力が大きくなるので、積分器10における出力電圧を小さくし、ループゲインが1になるようにする。
ここで、まず基準電圧源9に温度特性が見られることが分かった。例えば、−40〜+85℃で、1.2Vに対して±20mV程度(±1.7%)の温度変化が見られる。また、I/V変換器3(駆動電流を電圧に変換する変換器)においては、変換係数となる抵抗の温度特性が、例えば、−1000ppm/℃(−6%)ほどある。
図2は、検出回路の一例を示すブロック図である。振動子1に設けられた検出手段15a、15bからの各出力信号を、それぞれチャージアンプ16A、16Bによって増幅し、各出力信号の差を作動アンプ17によって増幅する。次いで、ハイパスフィルタ18、アンプ19を通過させる。一方、駆動信号の一部を派生させ、この派生信号を位相検波器30に入力し、振動子1からの出力信号を検波する。検波後の出力信号を、ローパスフィルター20、アンプ21に通し、この出力を端子22から外部に取り出す。
ここで、振動子の電極上の電荷を電圧に変換する段階においても、I/V変換器は、自励発振回路用のI/V変換器と同様に温度特性が悪く、例えば、−1000ppm/℃(−6%)ほどある。
更に、同期位相検波時には、I/V変換器を利用した場合は、抵抗の温度特性により同期検波位相が変化し、6%程度の温度ドリフトとして現れる。
更に、モノリシックICチップ上に自励発振回路と検出回路とを形成すると、製造された同一仕様の多数の振動型ジャイロスコープについて、自励発振回路ごとに駆動電流を測定してみると、温度変化による駆動電流値の変動が大きいことが判明した。また、検出電極からの出力電流を処理して、回転角速度に対応する検出電流を得るが、個々の振動型ジャイロスコープごとに、検出電流の測定値にバラツキが見られるようになった。これらの現象は、自励発振回路と検出回路とをモノリシックIC上に形成すると発現しやすい。
本発明においては、制御回路における感度の温度ドリフトを相殺するような感度の温度特性を振動子に付与する。具体的には、制御回路において、低温から高温へと向かって感度が低下するような温度特性が見られるので(負の温度ドリフト)、振動子からの出力値には、低温から高温へと向かって感度が増大するような温度特性を付与する(正の温度ドリフト)。
振動子の検出離調を制御することによって、振動子の感度の温度特性を制御する。 検出離調とは、駆動モードの振動の共振周波数fdと検出モードの振動の共振周波数faとの差(fa−fd)である。検出離調を大きくすると、感度は低下する傾向がある。そして、温度上昇に対して検出離調が負の変化を示すようにすることによって、温度上昇に対して振動子の感度が増大する。温度上昇に対して検出離調が正の変化を示すようにすることによって、温度上昇に対して振動子の感度が低下する。従って、検出離調を制御することによって、振動子における感度の温度ドリフトを制御可能である。
振動子のスプリアス離調を制御することによって、振動子の感度の温度特性を制御できる。スプリアス離調とは、駆動振動モードの振動の共振周波数fdとスプリアスモードの振動の共振周波数fsとの差(fs−fd)である。振動子のスプリアス離調が大きくなるに従って、振動子の感度の温度ドリフトが正の方向へと向かって増大し、振動子のスプリアス離調がマイナス方向へと低下するのに従って、振動子の感度の温度ドリフトが負の方向へと向かって低下していくことが判明した。従って、振動子のスプリアス離調を制御することによって、振動子における感度の温度ドリフトを制御可能である。
振動子を作製する際に、振動子のカット角を制御する。
また、振動子を作製する水晶ウエーハのカット角を制御することによって、振動子の感度の温度特性を制御することができる。水晶ウエーハのカット角とは、水晶ランバートからの水晶ウエーハの切り出し角度である。一般的には、水晶のX軸(電気軸)に対して、XY面を数゜回転してY軸(機械軸)が数゜傾いた方向をY’軸とするとき、XY’面で水晶を切断したいわゆるXカットウエーハが使用される。このときのY軸が傾いた角度を変更することによって、駆動周波数の温度変化の特性も、検出周波数の温度変化の特性も、変化していく。このとき、駆動周波数の変化と検出周波数の変化は異なっており、カット角の変化に伴って、駆動周波数と検出周波数の差の温度変化も変わっていくことが判明した。従って、振動子を作製する水晶ウエーハのカット角を制御することによって、振動子における感度の温度ドリフトを制御可能である。
以下、更に具体的な形態の振動子を参照しつつ、本発明を説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る振動子1(駆動振動モード)を概略的に示す平面図である。図4は、振動子1の検出振動モードの振動を示す平面図であり、図5は、振動子1のスプリアスモードの振動を示す平面図である。
本例の振動子1は、基部22と、基部22から突出する一対の検出振動片33A、33Bと、基部22から突出する一対の支持部25と、各支持部25の先端に設けられている各駆動振動片34A、34B、34C、34Dとを備えている。
各駆動振動片34A〜34Dの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されており、各駆動振動片34A〜34Dの横断面形状は略H字形状となっている。溝内に駆動電極39が形成されている。各駆動振動片34A〜34Dの各先端にはそれぞれ幅広部または重量部35A、35B、35C、35Dが設けられており、各幅広部にはそれぞれ貫通孔37が形成されている。各検出振動片33A、33Bの各主面には、それぞれ細長い溝が形成されており、各検出振動片33A、33Bの横断面形状は略H字形状となっている。溝内に検出電極40が形成されている。各検出振動片33A、33Bの各先端にはそれぞれ幅広部または重量部36A、36Bが設けられており、各幅広部にはそれぞれ貫通孔38が形成されている。
図3には駆動モードの振動を示す。駆動時には、各駆動振動片34A〜34Dが、それぞれ、支持部25への付け根41を中心として矢印Bのように屈曲振動する。この状態で振動子1を、振動子1に略垂直に延びる回転軸Zの周りに回転させる。すると、図4に示すように、支持部25が固定部22への付け根25aを中心として、矢印Cのように屈曲振動する。各検出振動片33A,33Bが、それぞれ、その反作用によって、固定部22への付け根を中心として、矢印Dのように屈曲振動する。各検出振動片33A、33Bにおいて発生した電気信号に基づいて、Z軸を中心とする回転角速度を算出する。
図5は、スプリアスモードの振動を示す。この振動モードにおいては、各駆動振動片34A〜34Dが同じ方向へと向かって矢印Hのように同相で振動し、これに対応して各検出振動片33A、33Bが各駆動振動片とは逆方向へと矢印Jのように変位する。
以下、図3〜図5の振動子1を用いて構成した振動型ジャイロスコープにおいて、本発明を適用して振動型ジャイロスコープ全体の温度ドリフトを低減した例について述べる。
具体的には、厚さ0.1mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ100オングストロームのクロム膜と、厚さ1500オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチングして除去する。温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子1の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ100オングストロームのクロム膜上に厚さ2000オングストロームの金膜を電極膜として形成する。振動子1の寸法は、縦3.8mm、横4.5mm、厚さ0.1mmであり、重量は約0.8mgである。
振動子1をパッケージに実装した。ただし、基板はアルミナセラミックスによって形成し、接点パッドは金によって形成し、枠体はSUSによって形成した。ボンディングワイヤは、銅膜線を金によってメッキすることで製造した。振動子1の基部をボンディングワイヤに対して超音波ボンディングによって接合し、基板上に固定した。
得られた振動型ジャイロスコープを温度試験槽に入れ、雰囲気温度を、図6に示すように−40℃から+100℃まで変化させた。そして駆動モードおよび検出モードの振動の各共振周波数を、インピーダンスアナライザを用いて測定した。
図6には、駆動モードの振動周波数の温度変化を示す。また、図7には、検出モードの振動周波数の温度変化を示す。図8には、検出離調の温度変化を示す。本実施形態においては、駆動モードの振動、検出モードの振動共に、同一平面内での振動であるため、ほとんど同じような周波数の温度変化を示す。この結果、検出離調の温度変化は、全温度範囲で1.5Hz程度しか示さない。振動子の感度は検出離調に半端例するが、検出離調1000Hzの場合には、感度は0.15%程度しか変動しないことになる。
これに対して、振動子の感度の温度ドリフトを大きくする目的で、Tape Automated Bonding (TAB)実装を試みた。この方法では、リール付きポリイミドテープ上に振動子を実装するものである。例えば図9に示すように、ポリイミドテープ50上に銅箔ワイヤー51によって振動子1を固定し、実装する。しかし、この実装方法は、ポリイミド樹脂やエポキシ系接着剤を使用しており、このため振動周波数の温度変化が大きくなる傾向があった。
図10は、図9のように振動子1をTAB実装した場合の駆動モードの振動周波数の温度変化を示す。図11は、振動子1をTAB実装した場合の検出モードの振動周波数の温度変化を示す。また、図12は、振動子1をTAB実装した場合の検出離調の温度変化を示す。本例のように振動子1をTAB実装すると、全体で数Hzの温度変化が発生した。これは,振動子の支持材料が温度変化の影響を受け、その影響の度合いが振動モードによって異なるためである。
図13には、検出離調周波数と感度との関係を示す。このように、振動子の検出感度は検出離調に反比例する。従って、検出離調を大きくすることによって、振動子の感度の温度変化を増大させることができる。
具体的には、図14に、検出離調の温度変化を示し、図15には、図14の例に対応する、温度と感度変化との関係を示す。図14に示すように、離調が温度変化に応じて数Hz変化すると、図15に示すように、感度も数%変化する。
次に、スプリアス離調と感度の温度変化(%)との関係を図16に示す。図16の例では、更に検出離調が1kHzの振動子について、スプリアス離調と感度の温度変化との関係を示す。スプリアス離調が正の方向に大きくなると、感度の温度ドリフトも正の方向へと一次関数的に増大する。またスプリアス離調が負方向に増大すると、感度の温度ドリフトも一次関数的に負の方向に増大する。スプリアス離調の変化と感度の温度ドリフトとの関係は、ほぼ一次関数的であるので、スプリアス離調を制御することによって、振動子の感度の温度ドリフトを精密に制御することが可能である。
更に、スプリアス離調を−1kHzに固定制御した幅2mmの振動子1について、検出離調と全温度範囲における感度変動(%)との関係を図17に示す。このように、スプリアス離調を一定値に制御したときには、検出離調を増加させると、全温度範囲における感度変動が1.0%以下と非常に小さくなるのに対して、検出離調を例えば400Hz以下に縮小させるとこによって、全温度範囲における感度変動を2.0%以上で増大させ、制御することができる。
次いで、振動型ジャイロスコープモジュールにおける回路の感度補正の実例を示す。図18には、振動子の感度の温度変化を示す(温度は−40℃から+100℃の範囲で変化する)。振動子の感度は、低温から高温へと向かって+1.0%程度増大している。
図19には、自励発振回路および検出回路からなる制御回路全体の感度の温度変化を示す。振動子の感度は、低温から高温へと向かって−1.0%程度低下している。
図20は、図18の温度特性を示す振動子を、図19に示す温度特性を有する制御回路に取り付けて振動型ジャイロスコープを構成したときの、振動型ジャイロスコープの感度の温度変化を示す。このように、全温度範囲において、感度の温度変化は0.2%以下に抑制されている。
スプリアス離調を制御するためには、以下の方法がある。
(1)スプリアスモードの共振周波数を変更する。
(2)駆動振動の共振周波数を変更する。
(3)スプリアスモードの共振周波数と駆動振動の共振周波数との両方を変更する。
駆動モードの振動の共振周波数を変化させる方法は、特に限定されず、以下の方法であってよい。
(1) 駆動振動部の質量を変化させる。具体的には、駆動振動片の一部をトリミングして重量を減らし、駆動モードの振動の共振周波数を上昇させることができる。また駆動振動片の上に質量調整膜を設け、この質量調整膜をトリミングして質量を減らし、駆動モードの振動の共振周波数を上昇させることができる。
(2) 駆動振動部の寸法を変化させる。例えば駆動振動片の幅を小さくすることによって、駆動モードの振動の共振周波数を上昇させることができる。
スプリアスモードの振動の共振周波数を変化させる方法は、特に限定されず、以下の方法であってよい。
(1) 検出振動部の質量を変化させる。具体的には、検出振動片の一部をトリミングして質量を減らし、スプリアスモードの振動の共振周波数を上昇させることができる。また検出振動片の上に質量調整膜を設け、この質量調整膜をトリミングして質量を減らし、スプリアスモードの振動の共振周波数を上昇させることができる。
(2) 検出振動部の寸法を変化させる。例えば検出振動片の幅を小さくすることによって、スプリアスモードの振動の共振周波数を上昇させることができる。
前記質量調整膜の材質としては以下を例示できる。
金、アルミニウムなどの蒸着膜、スパッター膜
金、ニッケルなどのメッキ膜
また、質量調整膜をトリミングする方法としては、以下を例示できる。
(1)YAG レーザー、YVO4レーザー、炭酸ガスレーザーなどのレーザー光照射
(2) アルゴン、窒素などのスパッター
(3) 電子ビーム照射
振動子を実装する場合、複数箇所で支持してもよい。これは振動子と支持手段との接触部分が複数あることを意味している。支持手段は銅箔ワイヤーである
振動子の基板への固定方法はTAB実装である
本発明においては、振動子が、駆動手段が設けられた駆動振動片、検出手段が設けられた検出振動片、および駆動振動片と検出振動片との間に設けられた基部を備えている。
振動子の材質は限定されないが、圧電単結晶が好ましく、水晶、ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶が特に好ましい。
本発明において測定されるべき物理量は特に限定はされない。振動子に駆動振動を励振し、駆動振動中の振動子に対する物理量の影響によって振動子の振動状態に変化が生じたときに、この振動状態の変化から検出回路を通して検出可能な物理量を対象とする。こうした物理量としては、振動子に印加される加速度、角速度、角加速度が特に好ましい。また、検出装置としては慣性センサーが好ましい。
本発明の一実施形態で使用する自励発振回路12を示す模式図である。 一実施形態で使用する検出回路を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る振動子1(駆動振動モード)を概略的に示す平面図である。 振動子1の検出振動モードの振動を示す平面図である。 振動子1のスプリアスモードの振動を示す平面図である。 振動子1をボンディングワイヤによって支持した場合の、駆動モードの振動周波数の温度変化を示す。 振動子1をボンディングワイヤによって支持した場合の、検出モードの振動周波数の温度変化を示す。 振動子1をボンディングワイヤによって支持した場合の、検出離調の温度変化を示す。 振動子1をTAB実装した例を模式的に示す斜視図である。 図9のように振動子1をTAB実装した場合の駆動モードの振動周波数の温度変化を示す。 振動子1をTAB実装した場合の検出モードの振動周波数の温度変化を示す。 振動子1をTAB実装した場合の検出離調の温度変化を示す。 検出離調周波数と感度との関係を示す。 検出離調の温度変化を示す。 図14の例に対応する、温度と感度変化との関係を示す。 スプリアス離調と感度の温度変化(%)との関係を示す。 スプリアス離調を−1kHzに固定制御した幅2mmの振動子1について、検出離調と全温度範囲における感度変動(%)との関係を示す。 振動子の感度の温度変化を示す(温度は−40℃から+100℃の範囲で変化する)。 自励発振回路および検出回路からなる制御回路全体の感度の温度変化を示す。 図18の温度特性に示す振動子を、図19に示す温度特性を有する制御回路に取り付けて振動型ジャイロスコープを構成したときの、振動型ジャイロスコープの感度の温度変化を示す。
符号の説明
1 振動子 2 励振手段 3 電流/電圧増幅器(交流増幅器) 9 基準電圧源 12 自励発振回路 15a、15b 検出手段

Claims (5)

  1. 振動子と、この振動子に駆動振動を励振する自励発振回路および前記振動子からの出力信号を出力するための検出回路を含む制御回路とを使用し、前記出力信号に基づいて物理量を測定する装置であって、
    前記自励発振回路および前記検出回路がモノリシックICチップに形成されており、前記自励発振回路が電流電圧増幅器を備えており、前記検出回路がチャージアンプを備えており、
    前記振動子が、基部、この基部から突出する支持部、前記支持部から突出する駆動振動片、および前記基部から突出する検出振動片を備えており、駆動振動において前記駆動振動片が前記支持部への付け根を中心として屈曲振動し、検出振動において前記検出振動片が前記基部への付け根を中心として屈曲振動し、
    前記振動子をポリイミドテープ上に銅箔ワイヤーによって実装することによって、前記振動子の検出離調を制御し、前記制御回路における感度の温度ドリフトの少なくとも一部を相殺するような感度の温度ドリフトを前記振動子に付与することを特徴とする、物理量測定装置。
  2. 前記振動子が水晶からなることを特徴とする、請求項1記載の装置。
  3. 前記物理量が、前記振動子に加わる回転角速度であることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
  4. 前記駆動振動片または前記検出振動片をトリミングすることによって前記駆動振動の共振周波数を制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の装置。
  5. 前記駆動振動片または前記検出振動片に質量調整膜を設け、前記質量調整膜をトリミングすることによって前記駆動振動の共振周波数を制御することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の装置。
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