JP2006023268A - ジャイロセンサの感度調整方法 - Google Patents

ジャイロセンサの感度調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 個々のジャイロセンサの検出感度を簡易に調整でき、また温度補正できる方法を提供する。
【解決手段】 ジャイロセンサを構成する圧電振動ジャイロ素子の駆動側共振周波数と検出側共振周波数とを測定してその離調周波数を求め、予め求められた圧電振動ジャイロ素子の離調周波数と検出感度との反比例の関係に基づいて、所望の検出感度に対する圧電振動ジャイロ素子の出力信号の増幅率を決定する。少なくとも3つの異なる温度においてそれぞれ離調周波数を求めかつ検出感度を算出し、それから得られる検出感度の温度特性を2次曲線で近似し、この2次曲線に基づいて出力信号の増幅率を補正する。使用時には、温度センサにより周囲温度を測定し、その変化に対応して出力信号を増幅させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、角速度を検出するジャイロセンサの感度を調整する方法に関し、特に圧電振動ジャイロ素子を用いたジャイロセンサの感度調整方法に関する。
従来より、船舶・航空機・自動車等の姿勢制御やナビゲーションシステム、ビデオカメラ等の手振れ防止及び検出等における回転角速度センサとして、また3次元立体マウス等の回転方向センサなどにジャイロセンサが広く利用されている。最近は、非常に小型で安価であることから、圧電振動片を利用した圧電振動ジャイロセンサが多く使用されるようになっている。圧電振動ジャイロセンサは様々な構造・形態のものが提案されており、例えば音叉型の角速度センサ(例えば、特許文献1,2を参照)、略T字型の駆動振動系を中央の検出振動系に関して左右対称に配置した所謂ダブルT字型の圧電振動子即ちジャイロ素子(例えば、特許文献3,4を参照)、圧電セラミックの単体円柱の表面に電極を印刷した構造のセラミックジャイロ(例えば、特許文献5を参照)、両面に駆動・検出用電極を備えた圧電性円板と振動円板と負荷質量とを一体化したジャイロセンサ(例えば、特許文献6を参照)などが知られている。
図7は、上記ダブルT字型の圧電振動ジャイロ素子の一例を示している。例えば水晶などの圧電材料の薄板から形成される圧電振動ジャイロ素子1は、中央の基部2から図中上下両側へ延出する1対の検出用振動腕3,3と、該検出用振動腕と直交して基部2から図中左右両側へ延出する1対の支持腕4,4と、各支持腕の先端から検出用振動腕と平行に図中上下両側へ延出する左右各1対の駆動用振動腕5a,5a,5b,5bとを有する。各駆動用振動腕は、その表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部6a,6a,6b,6bが凹設され、かつその両側面及び溝部の内面に第1及び第2駆動電極(図示せず)がそれぞれ形成されている。各検出用振動腕は、同様にその表裏両面に長手方向に沿って延長する溝部7,7が形成され、かつその両側面及び溝部の内面に第1及び第2検出電極(図示せず)がそれぞれ形成されている。
前記駆動電極に交流電極を印加すると、駆動用振動腕6a,6a,6b,6bは、その主面を含む平面内で矢印8a,8bで示すように同期して屈曲振動する。この状態で圧電振動ジャイロ素子1が前記平面内で中心軸9の周りに回転すると、前記駆動用振動腕の長手方向に沿ってコリオリ力が、矢印10,10で示すように交互に逆向きに発生する。この作用によって、支持腕4,4は、同じ平面内で矢印11,11で示すように屈曲振動する。このため、圧電振動ジャイロ素子1は基部2に作用する振動のバランスが崩れ、駆動用振動腕の振動エネルギが基部2を介して伝達されて、検出用振動腕3,3を同じ平面内で矢印12,12で示すように屈曲振動させる。
検出用振動腕3,3の屈曲振動による圧電材料の歪みを前記検出電極が検出して信号を出力する。前記検出用振動腕の振幅は、その大きさが圧電振動ジャイロ素子1に作用する角速度ωの大きさに応じて変化し、該角速度の大きさに応じた電圧が前記検出電極に発生する。この出力電圧を電子的に処理することによって、前記平面内での回転及び角速度等が求められる。通常、圧電振動ジャイロ素子の出力信号が小さいので、これを使用目的に応じて適当に増幅して出力する。
一般に圧電振動ジャイロ素子の角速度の検出感度Gは、これを角速度ω(dps)で回転させたときに検出用振動腕の前記第1及び第2検出電極間に現れる電圧をVs(mV)とすると、G=Vs/ω(mV/dps)で表される。水晶板などの圧電材料からなる圧電振動ジャイロ素子は、角速度の検出感度が製造誤差などによって素子毎に異なる。このため、実際にはその製造段階において、個々のジャイロセンサを回転テーブルなどの上に配置し、動作させた状態で角速度を作用させて出力信号の大きさ即ち検出感度を測定し、かつ検出感度に応じて出力信号の増幅率を個々に決定し、各ジャイロセンサの検出感度が略一定の設定値又は一定の設定範囲内になるように調整している(例えば、特許文献5などを参照)。例えば、カーナビゲーション装置に用いる車載用ジャイロセンサの場合、角速度が作用していないときの出力が2.5Vとなるように調整するとともに、検出感度Gが25mV/dpsとなるように調整する。
また、圧電振動ジャイロ素子は、上述したように出力信号が小さいので、周囲温度の変化に対する検出感度の変動即ち温度ドリフトが大きい。そこで、特許文献1に記載の角速度センサは、支持部を共通として複数本の平行な櫛形状の音叉振動腕を、その長手方向の振動の節線上でかつ支持部端面近くを保持する構成により、振動伝達効率を良くしかつ検出感度を向上させ、それにより温度ドリフトを非常に小さくしている。また、特許文献5に記載の回転角度検出装置は、角速度センサの出力信号を積分して物体の回転角度データを求め、感度演算モードの設定によって自動的に感度係数を求めることにより、センサの感度の許容範囲や温度ドリフト特性の影響を受けずに常に正確な回転角度を検出することを可能にしている。
特開平8−278141号公報 特開2000−65579号公報 特開2003−166828号公報 特開2001−12952号公報 特開平9−152339号公報 特開2002−31533号公報
ジャイロセンサを上述した様々な装置でその姿勢制御などに使用する場合には、各ジャイロセンサに常に略一定で高い検出感度が要求される。しかしながら、個々のジャイロセンサの検出感度を実際に測定する従来の感度調整方法では、作業が面倒で多大な時間及び労力を要し、生産性を低下させるという問題がある。
また、音叉型の圧電振動ジャイロセンサは、音叉の面内振動即ち駆動系の共振周波数と面垂直振動即ち検出系の共振周波数との間隔、離調周波数Δfが小さいほど検出感度が高くなり、S/N値(検出信号と電気ノイズとの比)が改善され、電気ノイズの影響を減らすことができる。ところが、離調周波数が小さくなるほど周囲温度の変化による検出感度の変動が大きくなることから、特に温度条件について厳しい仕様が要求される場合、離調周波数Δfによる検出感度の変動は到底無視することができない。
しかしながら、上述した従来の感度調整方法では、温度変化に対する検出感度の変化を補償する場合、回転テーブルを備えた高価な恒温槽を設けて、実際に各測定温度毎の検出感度を測定することが必要になる。そのため、感度調整に要する費用が増大すると共に、多大の手間及び労力、時間が必要である。
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、個々のジャイロセンサの検出感度を簡易に調整できる方法を提供することにある。更に本発明の目的は、ジャイロセンサの検出感度を簡単に温度補正できる検出感度の調整方法を提供することにある。
本発明によれば、上記目的を達成するために、予め圧電振動ジャイロ素子の離調周波数と検出感度との関係を求め、該圧電振動ジャイロ素子の駆動側共振周波数と検出側共振周波数とを測定し、それら共振周波数から圧電振動ジャイロ素子の離調周波数を求め、求められた離調周波数から圧電振動ジャイロ素子の離調周波数と検出感度との前記関係に基づいて、所望の検出感度に対する圧電振動ジャイロ素子の出力信号の増幅率を決定するジャイロセンサの感度調整方法が提供される。
圧電振動ジャイロセンサには、その検出感度Gと離調周波数Δfとの間に図1に示すような反比例の関係がある、即ちG×Δf=C(定数)の関係式が成立することが知られている。更に、この定数は、圧電振動ジャイロ素子の設計条件によって予め決定される。従って、圧電振動ジャイロ素子の離調周波数を求めることにより、その検出感度を知ることができるので、最終的な検出感度を所望の設定値又は設定範囲に調整するための出力信号の増幅率を容易に求めることができる。
このように本発明によれば、圧電振動ジャイロセンサの検出感度を調整するために、従来方法で使用されている回転テーブルなどの装置を必要としない。従って、面倒な作業や多大な時間及び労力を排除し、生産性の向上及び費用の低減を図ることができる。
また、任意の温度例えば常温において圧電振動ジャイロ素子の駆動側共振周波数と検出側共振周波数とを測定しかつそれから離調周波数を求めることにより、その任意の温度における検出感度が求められる。駆動側共振周波数及び検出側共振周波数は、周囲温度の変化に対して図2に示すように変化することが分かっている。これから、離調周波数及び検出感度は、周囲温度の変化に対して図3に示すように変化することが分かる。従って、温度変化に対する検出感度の補償をする場合に、温度変化に対する増幅率の補償が行なうことができ、それにより所定の検出感度に調整することができる。
そこで、本発明の或る実施例によれば、複数の異なる温度においてそれぞれ離調周波数を求めかつ検出感度を算出し、得られた複数の検出感度の値からその温度特性即ち温度変化に対する検出感度の変動を求め、この検出感度の温度特性に基づいて出力信号の増幅率を補正する。使用時には、温度センサにより周囲温度を測定し、その変化に対応して出力信号を増幅させることができる。従って、圧電振動ジャイロセンサの検出感度について良好な温度特性を得ることができ、温度条件が厳しい用途にも適用することができる。
更に、或る実施例では、少なくとも3つの異なる温度における離調周波数を求め、かつそれから検出感度の温度特性を2次曲線で近似し、この2次曲線に基づいて出力信号の増幅率を決定することができる。本願発明者の知見によれば、検出感度の温度特性は概ね2次曲線に従うと考えられることから、僅か3点の測定データから簡易にかつ高精度に出力信号の増幅率を調整することができる。
また、別の実施例では、近似した検出感度の温度特性の2次曲線から、例えば最小自乗法を用いて1次関数の補正直線を算出し、これに基づいて出力信号の増幅率を決定することができる。これにより、温度変化に対して出力信号の増幅率をより簡易に補正することができる。
或る実施例では、圧電振動ジャイロ素子が駆動用振動腕と検出用振動腕とを有し、離調周波数は駆動用振動腕の共振周波数fと検出用振動腕の共振周波数fとの差Δfとして算出することができる。
一般に圧電振動ジャイロ素子は、製造誤差などに起因する共振周波数(発振周波数)の所望の周波数値との差を修正するため、個々に調整する必要がある。従って、或る実施例では、かかる圧電振動ジャイロ素子の共振周波数を調整する工程において、離調周波数を求めることができる。これにより、圧電振動ジャイロ素子又は圧電振動ジャイロセンサの製造過程において離調周波数を求めるための余分な工程を必要としないから、検出感度の調整をより簡易に行うことができ、生産性の向上及び費用の低減が図れる。
別の実施例では、圧電振動ジャイロ素子を発振させる駆動回路に接続した後に、離調周波数を求めることができる。これにより、圧電振動ジャイロ素子は駆動回路との接続後に共振周波数が変動する虞がないから、より実際の使用に近い状態で離調周波数をより正確に求めることができる。従って、製造した各ジャイロセンサ間における検出感度のばらつきを小さくすることができる。
以下に、本発明によるジャイロセンサの感度調整方法の好適な実施例を添付図面に従って詳細に説明する。
図4は、本発明の方法を適用するジャイロセンサを有する角速度検出装置の構成を概略的に示している。この角速度検出装置21は、ジャイロセンサ22と、その出力信号Vを増幅して出力するための感度調整用増幅器23と、温度センサ24と、温度補正用増幅器25とを備える。温度補正用増幅器25は、温度センサ24が測定した周囲温度に従って、後述するように前記出力信号の増幅率kの補正量を決定し、感度調整用増幅器23に指示する。
図5は、ジャイロセンサ22を構成する発振・出力回路26の一例を示している。ジャイロセンサ22は、従来技術に関連して上述した図7の圧電振動ジャイロ素子と同じ構成の圧電振動ジャイロ素子1を有する。圧電振動ジャイロ素子1の各駆動用振動腕5,5の駆動電極には、発振回路27が接続されている。各検出用振動腕3,3の検出電極には、電流/電圧変換回路28を介して差動増幅回路29、同期検波回路30及び平滑回路31が直列に接続されている。発振回路27は、移相回路32を介して同期検波回路30に接続されている。これらの回路は、実際には、圧電振動ジャイロ素子1の基部2に設けられた接続電極部(図示せず)を介して、前記駆動電極及び検出電極に接続されている。前記接続電極部は、圧電振動ジャイロ素子1を収容するパッケージに設けたマウント電極に、例えば導電性接合材を用いて接続される。
発振回路27から所定の電圧を印加して駆動用振動腕を共振周波数fで励振させ、その状態で圧電振動ジャイロ素子1に回転角速度が作用すると、検出用振動腕3,3は、駆動用振動腕の共振周波数fと異なる共振周波数fで振動する。検出用振動腕の振動によりその検出電極から発生する信号は、直流電圧に変換されて出力信号Vとして出力端子33から出力される。検出用振動腕の振動は、その振幅の大きさが圧電振動ジャイロ素子1に作用する回転角速度の大きさに対応して変化し、出力端子33における出力信号Vの大きさもそれに対応して変化する。
ジャイロセンサ22の出力信号Vは、感度調整用増幅器23により適当に増幅されて出力される。この増幅された出力信号Voutから、圧電振動ジャイロ素子1に作用する回転角速度(度/秒=dps)が求められる。感度調整用増幅器23の増幅率は、本実施例において次のように離調周波数Δfと検出感度Gとの関係を用いて決定される。
上述したように、圧電振動ジャイロ素子1のような音叉型圧電振動子は、離調周波数Δf(Hz)と検出感度G(mV/dps)との間に、図1に示すように反比例の関係、即ちG×Δf=一定の関係にあることが知られている。離調周波数Δfは、駆動用振動腕の共振周波数fと検出用振動腕の共振周波数fとの差|f−f|である。従って、検出感度Gは、離調周波数Δfとの間において、
G∝α/Δf=α/|f−f
で表される関係がある。ここで、αは比例定数である。
そこで、本発明によれば、圧電振動ジャイロ素子1について駆動用振動腕の共振周波数fと検出用振動腕の共振周波数fとをそれぞれ測定し、これらの共振周波数から離調周波数Δfを算出する。比例定数αは、圧電振動ジャイロ素子1の設計条件から予め決定することができる。従って、離調周波数Δfが得られれば、圧電振動ジャイロ素子1の検出感度Gが得られるので、これを所望の検出感度に調整するための増幅率を決定することができる。
このように圧電振動ジャイロ素子1の離調周波数を用いて検出感度との関係から出力信号の増幅率を決定するので、従来のように実際に個々のジャイロセンサに角速度を作用させてジャイロセンサの検出感度を調整する必要がない。従って、本発明によれば、検出感度を調整するためにジャイロセンサを回転させるための回転テーブルを必要とせず、増幅率を定めるための手間及び労力と時間とを削減することができ、生産性の向上及び費用の低減を実現できる。
更に本実施例では、ジャイロセンサの使用時に周囲温度の変化に対応して、その出力信号の増幅率を補正し、検出感度の温度特性を改善することができる。出力信号の増幅率を補正する方法について、以下に説明する。
先ず、3つの異なる温度において、それぞれ駆動用振動腕の共振周波数fと検出用振動腕の共振周波数fとを測定し、これらの共振周波数から、各温度における離調周波数Δfをそれぞれ算出する。そして、算出した離調周波数Δfから、上述したように離調周波数Δfと検出感度Gとの関係に基づいて、前記3つの温度における検出感度をそれぞれ求める。測定温度としては、例えば−40℃、0℃、60℃を選択することができる。
本願発明者の知見によれば、周囲温度の変化に関する検出感度の変動即ち温度特性は概ね2次曲線に従うと考えられる。その理由は以下の通りである。駆動用振動腕及び検出用振動腕の各共振周波数f、fは相当正確な2次曲線を描くので、3つの異なる温度における共振周波数f及び共振周波数fを測定することによって、共振周波数fの温度特性(2次曲線)及び共振周波数fの温度特性(2次曲線)をかなり正確に求めることができる。その結果として周波数差である離調周波数Δfも、2次曲線で近似することが可能になる。従って、前記3つの温度における検出感度の値から、検出感度の温度特性は、図3に示すように2次曲線Aで近似することができる。本実施例によれば、このようにして求めた2次曲線Aをメモリなどに記憶させておき、使用時に温度センサ24が測定した温度に対応する2次曲線A上の点として、前記測定温度に対応する検出感度を決定し、それに基づいて出力信号Vの増幅率kの補正量を決定する。これにより、僅か3点の測定データから出力信号の増幅率を簡易に温度補正して、検出感度を高精度に調整することができる。
このメモリは、例えば温度補正用増幅器25に一体に設けることができる。別の実施例では、温度補正用増幅器25とは別個にメモリを設けて、2次曲線Aを記憶させておくこともできる。
また、本実施例では、3つの温度で測定したデータから検出感度の温度特性を近似した2次曲線を得たが、別の実施例では、より多くの異なる温度においてそれぞれ駆動用振動腕の共振周波数fと検出用振動腕の共振周波数fとを測定しかつ離調周波数を算出して検出感度の2次曲線を近似することができる。これにより、検出感度の温度特性をより正確に反映することができ、温度条件が厳しい仕様の場合でも、圧電振動ジャイロセンサの検出感度について良好な温度特性を得ることができる。
更に本実施例では、検出感度の温度特性を近似した2次曲線Aから、図3に示すような1次関数の補正直線Bを算出し、これに基づいて出力信号Vの増幅率kをより簡易に補正することができる。補正直線Bは、例えば最小自乗法を用いることにより簡単に求められる。ここで、補正直線Bを用いる理由は、駆動用振動腕の共振周波数fの前記近似した2次曲線における2次の温度係数と検出用振動腕の共振周波数fの前記近似した2次曲線における2次の温度係数とがほぼ同様な値を示すからである。このように求めた補正直線Bは、上述した2次曲線Aと異なり、温度補正用増幅器25に固定値として書き込むことができる。従って、温度変化に対応して出力信号の増幅率をより簡易にかつ安価に補正することができる。
この場合、ジャイロセンサ22の出力信号をV(V)、感度調整用増幅器23の増幅率をk(定数)、温度センサ24の出力をV(V)、温度補正用増幅器25の増幅率をk(定数)とすると、最終的に角速度検出装置21からの出力信号Voutは次のように温度補正して増幅される。温度センサ24の出力は、V=β×T(ここで、β=定数(V/℃)、T=測定温度(℃))で表される。増幅率kは、圧電振動ジャイロセンサ1の検出感度(離調周波数)の温度特性により補正直線Bに基づいて一定の値に決定されるから、温度に関する離調周波数の傾きは、k×β(Hz/℃)となる。温度補正用増幅器25には、このkが固定値として書き込まれる。従って、温度センサ24の測定温度がT(℃)の場合、温度補正用増幅器25から感度調整用増幅器23には、k×V=k×β×Tの増幅率補正値が印加される。
感度調整用増幅器23の増幅率は、温度補正用増幅器25からの補正値を加えて、k=α×(k×V)となる。ここで、αは、上述したように圧電振動ジャイロ素子1の設計条件から予め決定される比例定数である。従って、ジャイロセンサ22の出力Vjは感度調整用増幅器23により増幅され、Vout=k×V=α×(k×V)×Vとして角速度検出装置21から出力される。
また、別の実施例では、感度調整用増幅器23の増幅率kを常温のみで測定・算出したデータから得られた検出感度に基づいて決定し、温度補正用増幅器25の増幅率kを3つの測定温度でそれぞれ測定・算出した離調周波数の温度特性に基づいて決定することができる。この場合にも、同様に温度による検出感度の変動を予想でき、ジャイロセンサ22の出力Vを増幅して角速度検出装置21の出力信号Voutを良好に温度補正することができる。
更に、本発明の別の実施例では、ジャイロセンサ22の使用時に、圧電振動ジャイロ素子1の駆動用振動腕の共振周波数f及び検出用振動腕の共振周波数fを常時測定するモニタ回路を設け、離調周波数Δfを常時算出するようにすることができる。予め離調周波数の温度特性を感度調整用増幅器23又は別のメモリなどに記憶させておくことにより、算出した離調周波数から、周囲温度の変化に対応して増幅率を自動的に補正することができる。この場合、図4の実施例における温度センサを省略することができる。この場合にも、離調周波数の温度特性は、例えば3点の温度における測定データから近似される2次曲線、又は該2次曲線から得られる1次関数の補正直線に基づいて決定することができる。
図6は、本実施例のジャイロセンサを製造しかつその検出感度を調整する工程の一例を示している。先ず、水晶ウエハの全面にクロム(Cr)と金(Au)との2層からなる耐食膜を形成し(ステップ50)、その上にフォトレジスト膜を形成しかつこれを露光、現像して圧電振動ジャイロ素子1の外形に対応したパターンにパターニングする。これにより露出した前記耐食膜をエッチングし、その耐食膜をマスクとして前記水晶ウエハをエッチングし、圧電振動ジャイロ素子1の外形形状を形成する(ステップ52)。
残存しているフォトレジスト膜を剥離して除去した後、前記水晶ウエハに再度フォトレジストを塗布してレジスト膜を形成し、これを露光、現像して各振動腕の溝部に対応するパターンにパターニングする。このフォトレジスト膜をマスクとして、露出する前記耐食膜をエッチングした後、更に露出する水晶ウエハ表面をいわゆるハーフエッチングして、駆動用振動腕の表裏両面に溝部6a,6a,6b,6bと検出用振動腕の表裏両面に溝部7,7とを形成する(ステップ54)。
水晶ウエハ表面から残存しているレジスト膜及び耐食膜を剥離除去した後、その全面にCrとAuとの2層構造の電極用金属膜を形成する(ステップ56)。次に、前記金属膜の上にフォトレジストを塗布してレジスト膜を形成し、これを露光、現像して前記駆動及び検出電極並びにそれらの配線に対応したパターンにパターニングする。このレジスト膜をマスクとして金属膜をエッチングして前記駆動及び検出電極、配線を形成し(ステップ58)、残存しているレジスト膜を剥離して除去することにより、圧電振動ジャイロ素子1が形成される。
その後、圧電振動ジャイロ素子1の駆動用振動腕及び検出用振動腕の共振周波数f、fをそれぞれ測定し、これら共振周波数を目標周波数に調整すると共に、調整した共振周波数f、fから離調周波数Δfを演算する(ステップ60)。この離調周波数Δfの演算は、複数の異なる温度、例えば3つの温度について前記共振周波数を測定することにより、温度変化に対する変動についても行う。
更に、予め求めておいた離調周波数Δfと検出感度Gとの関係に基づいて、測定した共振周波数から算出した離調周波数から、圧電振動ジャイロ素子1の検出感度Gを求める。そして、各圧電振動ジャイロ素子1が所定の検出感度となるように、個々に出力信号の増幅率を決定する(ステップ62)。
次に、圧電振動ジャイロ素子1を、これを駆動する発振・出力回路などの電子部品と共にパッケージに組み込みかつ真空封止する(ステップ64)。この電子部品には、その用途や仕様に応じて、圧電振動ジャイロ素子1の出力を増幅して出力する回路や、この増幅率を設定する記憶回路などを備えた集積回路(IC)が含まれる。その場合、上述したように予め求めた増幅率を電子部品に書き込むことができる(ステップ66)。増幅率の書込みは、温度変化による検出感度の変動に対する補償即ち増幅率の補正も含めて行なう。最後に、特性検査を行い、圧電振動ジャイロセンサとして出荷する。
このように、本実施例によれば、圧電振動ジャイロ素子1の共振周波数を調整する際に離調周波数を求めることができ、それにより増幅率を決定する工程を簡素化することができる。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明はその技術的範囲内において、上記各実施例に様々な変形・変更を加えて実施することができる。例えば、図6の実施例では、圧電振動ジャイロ素子1をパッケージに組み込む前に離調周波数Δfを求めたが、別の実施例では、圧電振動ジャイロ素子1をパッケージに組み込んだ状態で駆動系及び検出系の共振周波数f、fを測定し、離調周波数Δfを求めることができる。更に別の実施例では、圧電振動ジャイロ素子1をパッケージに組み込んだ状態で共振周波数f、fを調整しかつ離調周波数を求めることができる。このように駆動系及び検出系の共振周波数f、fの測定・調整を圧電振動ジャイロ素子のパッケージ組み付け状態で行なうと、圧電振動ジャイロ素子1を電子部品を接続する工程の前後による共振周波数のずれが発生しないので、実際の使用状態により近い状態でより高精度な感度調整を行うことができる。
また、ジャイロセンサ用の圧電振動ジャイロ素子は、図7に示した所謂ダブルT字型のものに限定されるものではない。例えば1対の駆動用振動腕と1対の検出用振動腕とが取付基部から逆方向に延出する所謂H型又は両音叉型のものなど、駆動用振動腕と検出用振動腕とを備え、駆動系及び検出系の共振周波数を有する公知の様々な形状・構造の圧電振動ジャイロ素子について同様に適用することができる。更に、上記各実施例では、圧電材料が水晶である場合について説明したが、圧電振動ジャイロ素子は、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸タンタル、ニオブ酸カリウムなど、他の公知の様々な圧電材料で形成することができる。
離調周波数と検出感度との関係を説明する図。 温度変化に対する駆動側共振周波数及び検出側共振周波数の変化を示す図。 温度変化に対する離調周波数及び検出感度の変化を示す図。 本発明の方法を適用するジャイロセンサを有する角速度検出装置の構成を示す概略ブロック図。 図4のジャイロセンサの構成の一例を示す回路図。 図4のジャイロセンサの製造工程及び検出感度の調整過程を示すフロー図。 圧電振動ジャイロ素子の実施例を示す斜視図。
符号の説明
1…圧電振動ジャイロ素子、2…基部、3…検出用振動腕、4…支持腕、5,5a,5b…駆動用振動腕、6a,6b,7…溝部、8a,8b,10〜12…矢印、9…中心軸、21…角速度検出装置、22…ジャイロセンサ、23…感度調整用増幅器、24…温度センサ、25…温度補正用増幅器、26…発振・出力回路、27…発振回路、28…電流/電圧変換回路、29…差動増幅回路、30…同期検波回路、31…平滑回路、32…移相回路、33…出力端子。

Claims (7)

  1. 予め圧電振動ジャイロ素子の離調周波数と検出感度との関係を求め、該圧電振動ジャイロ素子の駆動側共振周波数と検出側共振周波数とを測定し、それら共振周波数から圧電振動ジャイロ素子の離調周波数を求め、求められた離調周波数から圧電振動ジャイロ素子の離調周波数と検出感度との前記関係に基づいて、所望の検出感度に対する圧電振動ジャイロ素子の出力信号の増幅率を決定することを特徴とするジャイロセンサの感度調整方法。
  2. 複数の異なる温度においてそれぞれ前記離調周波数を求め、それから前記各温度における前記検出感度を算出し、得られた前記検出感度からその温度特性を求め、前記温度特性に基づいて前記出力信号の増幅率を補正することを特徴とする請求項1に記載のジャイロセンサの感度調整方法。
  3. 少なくとも3つの異なる温度において前記離調周波数を求め、それから前記検出感度の温度特性を2次曲線で近似し、該2次曲線に基づいて前記出力信号の増幅率を補正することを特徴とする請求項2に記載のジャイロセンサの感度調整方法。
  4. 前記温度特性の2次曲線から1次関数の補正直線を算出し、該補正直線に基づいて前記出力信号の増幅率を補正することを特徴とする請求項3に記載のジャイロセンサの感度調整方法。
  5. 前記圧電振動ジャイロ素子が駆動用振動腕と検出用振動腕とを有し、前記離調周波数を前記駆動用振動腕の共振周波数fD と前記検出用振動腕の共振周波数fP との差Δfとして算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のジャイロセンサの感度調整方法。
  6. 前記圧電振動ジャイロ素子の共振周波数を調整する工程において、前記離調周波数を求めることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のジャイロセンサの感度調整方法。
  7. 前記圧電振動ジャイロ素子を発振させる駆動回路に接続した後に、前記離調周波数を求めることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のジャイロセンサの感度調整方法。
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