JP4324956B2 - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動型ジャイロスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに、振動型ジャイロスコープを使用することが検討されている。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
【0003】
車体制御システムにおいては、振動型ジャイロスコープおよびその振動子は、幅広い環境温度、即ち高温と低温とにさらされる。このような使用温度範囲は、通常は−40℃−+85℃の範囲にわたっており、一層厳しい仕様では更に広い温度範囲にわたる場合もある。特に、振動子を圧電性単結晶によって形成した場合には、圧電性単結晶の有する温度特性の影響がある。本出願人は、特許文献1において、振動型ジャイロスコープの環境温度が変化した場合に、検出振動のQ値の変動を抑制するために、振動子を支持部材へと接着する接着剤のtanδを、使用温度範囲内において0.1以下とすることを開示した。
【特許文献1】
特開2001−12955号公報
【0004】
また、特許文献2には、振動型ジャイロスコープ用の振動子を支持部材によって支持するのに際して、支持部材を細長い棒状物とし、支持部材を複雑に曲折させ、振動子を支持している。支持部材を振動子上の電極に対して電気的に接続することも記載されている。
【特許文献2】
特開2003−28648号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような支持方法によっても、例えば高温領域において、かなり大きい温度ドリフトが発生することがあった。例えば、図7に示すように、低温〜室温領域で駆動インピーダンスが一定していても、60℃〜70℃から駆動インピーダンスが立ち上がり、温度ドリフトを生じさせることがあった。
【0006】
本発明の課題は、電気的接続のための端子部を備える振動子を支持するための支持構造であって、振動子を小型化することが可能であり、かつ広い温度範囲にわたって駆動インピーダンスを一定とし、温度ドリフトを低減できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る振動型ジャイロスコープは、固定部、この固定部から突出する一対の支持部、各支持部から突出する駆動振動片、固定部から突出する検出振動片、駆動振動片に設けられた駆動電極、検出振動片に設けられた検出電極、および固定部に設けられた電気的接続のための端子部を備える振動子、
およびこの振動子を支持する支持構造を備えており、
この支持構造が、基板、およびこの基板上に支持されている複数のボンディングワイヤであって、振動子の前記固定部に対して接合されており、振動子を基板に接触しない状態で支持し、かつ固定部の前記端子部に対して電気的に接続されているボンディングワイヤを備えており、ボンディングワイヤが、基板表面上のX軸に平行に延びる部分と、X軸に対して直交するY軸に平行に延びる部分とを備えており、
駆動電極によって振動子に駆動振動を励振し、振動子に垂直な軸を中心とする回転角速度に応じて振動子に励振される検出振動を検出電極によって検出し、駆動振動において、駆動振動片が支持部への付け根を中心として振動子の平面内で屈曲振動し、検出振動において検出振動片が固定部への付け根を中心として振動子の平面内で屈曲振動し、
支持構造の共振周波数fr、振動子の駆動周波数fdおよび離調Δfが以下の関係を満足することを特徴とする。
1.1・Δf≦fr≦0.9・fd
【0008】
本発明者は、振動子の端子部に対して電気信号を供給したり、あるいは振動子の端子部から所定の電気信号をパッケージ基板に伝送するためのボンディングワイヤに着目した。そして、基板上に固定されたボンディングワイヤを振動子に対して接合し、振動子を基板から浮上した状態で支持することを想到した。振動子を小型化することによって、振動子を浮上状態で支持するのに必要な構造強度が、ボンディングワイヤによって得られる。
【0009】
しかし、このような支持方法によっても、前述したように、例えば高温領域において、かなり大きい温度ドリフトが発生することがあった。本発明者は、こうした一部温度範囲における温度ドリフトの原因について検討した結果、以下の知見を得た。例えば本発明者が設定したあるモデル系では、駆動周波数fdが40kHz近辺であり、離調周波数Δfが1kHz近辺である。この場合、比較的リジッドに振動子を基板表面にボンディングワイヤで支持すると、支持構造全体の共振周波数frが上昇し、駆動周波数fdに接近することがあった。この場合には、例えば高温領域や低温領域など一部温度領域において、駆動インピーダンスが上昇し、温度ドリフトが生ずることがある。
【0010】
一方、こうした駆動周波数fdと支持構造との共振による駆動インピーダンスの上昇を防止するために、ボンディングワイヤに曲折部分を多くしたり、あるいはボンディングワイヤにおけるたるみや湾曲を大きくすることによって、振動子の支持状態を柔軟にすることも試みた。しかし、この場合には、いわゆる離調ノイズが生じ得ることを見いだした。離調とは、駆動周波数fdと検出周波数との差である。離調と同じ周波数で交流的な角速度変化が印加されると、共鳴現象により検出感度が増大する。すると、角速度成分を所定値より大きな感度で検出することになるため、離調ノイズ分だけ真の値に比べて大きな角速度値を検出することになる。この感度の増大の度合いは、検出振動のQ値と正相関があった。特に水晶振動子はQ値が高いので、離調ノイズの影響が顕著であった。
【0011】
このような知見を踏まえ、支持構造の共振周波数fr、振動子の駆動周波数fdおよび離調Δfが以下の関係を満足するように振動子を基板表面上に支持することによって、前述した温度ドリフトを低減できることを見いだした。
1.1・Δf≦fr≦0.9fd
【0012】
ここで、支持構造の共振周波数frは、振動子の駆動周波数fdの0.9倍以下とする。本発明の観点からは、frは、fdの0.5倍以下とすることが一層好ましい。また、frとfdとの差は、4kHz以上とすることが好ましく、20kHz以上とすることが一層好ましい。
【0013】
支持構造の共振周波数frは離調Δfの1.1倍以上とする。本発明の観点からは、共振周波数frは離調Δfの1.5倍以上とすることが好ましく、2倍以上とすることが最も好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。
【0015】
振動子の材質は限定されないが、圧電単結晶が好ましく、水晶、ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶が特に好ましい。
【0016】
振動子の寸法は限定されない。しかし、振動子の重量や寸法が大きいと、ボンディングワイヤに加わる重力が大きくなり、長期間経過時にボンディングワイヤが変形する可能性がある。このため、ボンディングワイヤの変形による振動への影響を抑制するという観点からは、振動子の幅を10mm以下とすることが好ましく、5mm以下とすることがさらに好ましい。また、同様の観点からは、振動子の重量を5mg以下とすることが好ましく、1mg以下とすることが一層好ましい。また、振動子の厚さを0.3mm以下とすることが好ましく、0.2mm以下とすることが更に好ましい。
【0017】
基板の材質は特に限定されず、いわゆるパッケージ用途に用いられている絶縁性材料、例えばセラミックス、ガラス、樹脂を使用できる。
【0018】
ボンディングワイヤの振動子への接合方法は限定されないが、超音波ボンディング、スポット溶接、導電性接着剤、半田付けが好ましい。
【0019】
ボンディングワイヤは、振動子の端子部に対して電気的に接続されている。ここで、好適な実施形態においては、ボンディングワイヤが振動子の端子部に対して接合されている。しかし、ボンディングワイヤは、端子部に対して直接接合されている必要はない。例えば、ボンディングワイヤの先端を振動子の端子部以外の領域に対して接合し、ボンディングワイヤの先端と端子部とを、例えば振動子上の配線や振動子とは別体の電線を通して、電気的に接続することができる。
【0020】
振動子は、基板に直接接触しない状態で支持する必要があり、これによって振動子の振動の阻害を防止する。好適な実施形態においては、振動子と基板との間隔は、0.1mm以上であり、更に好ましくは0.2mm以上である。
【0021】
ボンディングワイヤの材質は特に限定されないが、導電性材料である必要があり,また柔軟性ないし可撓性を有する材料であることが好ましい。この観点からは、金めっき付銅、金めっき付ニッケル、ニッケル、アルミニウムが好ましい。
【0022】
ボンディングワイヤの幅と厚さは特に限定されないが、振動子を長期間にわたって安定して支持するという観点からは、幅25μm、厚さ10μm以上であることが好ましく、幅50μm、厚さ20μm以上であることが更に好ましい。また、支持構造全体の小型化という観点からは、幅200μm、厚さ80μm以下であることが好ましく、幅100μm、厚さ40μm以下であることが更に好ましい。
【0023】
ボンディングワイヤによって振動子の上面を支持することができる。この場合は、振動子がボンディングワイヤの端部から下へと向かってつり下げられる。この形態は、支持構造全体の厚さを低減するという観点から好適である。
【0024】
あるいは、ボンディングワイヤによって振動子の下面を支持することができる。この形態は、振動子を長期間にわたって安定に支持するという観点からは好適である。
【0025】
基板の種類は特に限定されないが、パッケージ用基板であることが好ましい。
【0026】
好適な実施形態においては、複数の検出側信号電極用ボンディングワイヤを含み、駆動側信号電極用ボンディングワイヤの接続部と駆動側接地電極用ボンディングワイヤの接続部とを結ぶ直線に対して、複数の検出側信号電極用ボンディングワイヤが略線対称の位置に配置されている。さらに好適な実施形態においては、駆動側信号電極用ボンディングワイヤの接続部と駆動側接地電極用ボンディングワイヤの接続部とを結ぶ直線に対して、複数の検出側接地電極用ボンディングワイヤが略線対称の位置に配置されている。
【0027】
図1〜図5はこの実施形態に係るものである。図1には、絶縁性材料からなる枠体40を示す。枠体40には、振動子を配置することを意図した中央穴42と、これを包囲する4つの貫通孔41とが設けられている。43はブリッジ部である。本例の枠体40は導電性材料からなり、基板表面上に載置されている。
【0028】
図2においては、枠体40上に絶縁体44を載置した状態を示した。図3においては、絶縁体44上に、駆動側信号電極用ボンディングワイヤ45および駆動側接地電極用ボンディングワイヤ46を載置した状態を示す。図4においては、さらに検出側信号電極用ボンディングワイヤ47A、47Bを載置した状態を示す。図5には、さらに検出側接地電極用ボンディングワイヤ48A、48Bを載置した状態を示す。
【0029】
例えば図3、4に示すように、駆動側信号電極用ボンディングワイヤ45は、配線部45a、および中央穴42への突出部1を備えている。突出部1は、Y軸方向へ延びる部分1b、曲折部1c、1d、X軸方向に延びる部分1eおよび振動子の電極パッドへの接続部1fを備えている。このボンディングワイヤ45は、振動子の駆動側の信号電極に対して接続されている。駆動側接地電極用ボンディングワイヤ46は、配線部46a、および中央穴42への突出部2を備えている。突出部2は、Y軸方向へ延びる部分2b、曲折部2c、2d、X軸方向に延びる部分2eおよび振動子の電極パッドへの接続部2fを備えている。このボンディングワイヤ46は、振動子の駆動側の接地電極に対して接続されている。本例では、ボンディングワイヤ45の接続部1fとボンディングワイヤ46の接続部2fとは対向している。Mは、接続部1fと2fとを結ぶ直線である。
【0030】
図4に示すように、検出側信号電極用ボンディングワイヤ47A、47Bは、それぞれ配線部47a、中央穴42への突出部47b、曲折部47cおよび振動子の電極パッドへの接続部47dを備えている。
【0031】
図5に示すように、検出側接地電極用ボンディングワイヤ48A、48Bは、それぞれ配線部48d、中央穴42への突出部48a、曲折部48b、振動子の電極パッドへの接続部48c、およびガード電極部48eを備えている。これらのボンディングワイヤ48A、48Bは、基板実装面に接地されている。
【0032】
本例では、駆動側信号電極用ボンディングワイヤの接続部1fと駆動側接地電極用ボンディングワイヤの接続部2fとを結ぶ直線Mに対して、検出側信号電極用ボンディングワイヤ47Aと47Bが略線対称の位置に配置されている。さらに、直線Mに対して、複数の検出側接地電極用ボンディングワイヤ48Aと48Bが略線対称の位置に配置されている。
【0033】
この利点について述べる。本発明者は、振動型ジャイロスコープを小型の電子機器、例えば携帯電話に内蔵することを検討している。しかし、このためには振動子の寸法を著しく小さくする必要があり、振動子の寸法は例えば数mm程度となる。この大きさになると、従来の振動子では問題にならなかった静電結合が生じ、ノイズの原因になる。振動子上の各パッド間の間隔は、例えば50μm程度しかとることができない。この水準の寸法になると、駆動側信号パッドと検出側パッドとの間での静電結合の寄与が大きくなる。この結果、振動子が静止しているときに2つの検出振動系からの検出値の差をとると、静電結合の寄与によって差が0にならず、ノイズを生ずる。また、環境温度が変化すると、零点温度ドリフトの原因となる。
【0034】
これに対して、直線Mに対して、検出側信号電極用ボンディングワイヤ47Aと47Bとを略線対称の位置に配置することによって、同位相、同振幅のノイズを相殺でき、容量結合の影響を抑制してノイズを低減するのに有効である。さらに、直線Mに対して、複数の検出側接地電極用ボンディングワイヤ48Aと48Bを略線対称の位置に配置することも有効である。
【0035】
好適な実施形態においては、複数の検出側信号電極用ボンディングワイヤ47Aと47Bとが直線Mに対して略線対称の形状を有する。即ち、47Aと47Bとが略合同形状を有する。ただし、47Aと47Bとは合同である必要はない。
【0036】
本発明においては、振動子が、屈曲振動片と、この屈曲振動片を固定する固定部とを備えており、この固定部がボンディングワイヤに対して接合されている。これによって、振動片の屈曲振動に対する支持構造の影響を最小限に抑えることができ、支持構造の影響による振動子ごとの振動状態のバラツキを抑制できる。
【0037】
図6は振動子1を示す。振動子1は、固定部2と、固定部2から突出する一対の検出振動片3と、固定部2から突出する一対の支持部5と、支持部5の先端に設けられている駆動振動片4とを備えている。駆動時には、各駆動振動片4が、支持部5への付け根を中心として屈曲振動する。この状態で振動子1に対して、振動子1に略垂直に延びる回転軸Zの周りに回転させる。すると、支持部5が固定部2への付け根を中心として屈曲振動し、各検出振動片3がその反作用によって固定部2への付け根を中心として屈曲振動する。各検出振動片3において発生した電気信号に基づいて、Z軸を中心とする回転角速度を算出する。
【0038】
ここで、固定部2上には端子部6が設けられている。各端子部6と、駆動振動片、検出振動片上の電極とは、図示しない配線を通して電気的に接続されている。前述した各ボンディングワイヤが各端子に対して電気的に接続される。
【0039】
本発明においては、振動子が、回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープ用の振動子である。
【0040】
図8、図9、図10は、図5と類似の形態を有する各支持構造を概略的に示す平面図である。図8、図9、図10の各支持構造においては、いずれも、駆動側信号電極用ボンディングワイヤの接続部1fと駆動側接地電極用ボンディングワイヤの接続部2fとを結ぶ直線Mに対して、検出側信号電極用ボンディングワイヤ47Aと47Bが略線対称の位置に配置されている。さらに、直線Mに対して、複数の検出側接地電極用ボンディングワイヤ48Aと48Bが略線対称の位置に配置されている。
【0041】
【実施例】
図6に示す振動子を作製し、図1〜図5に示す支持構造に実装した。具体的には、厚さ0.1mmの水晶のZ板のウエハーに、スパッタ法によって、所定位置に、厚さ100オングストロームのクロム膜と、厚さ1500オングストロームの金膜とを形成した。ウエハーの両面にレジストをコーティングした。
【0042】
このウエハーを、ヨウ素とヨウ化カリウムとの水溶液に浸漬し、余分な金膜をエッチングによって除去し、更に硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸との水溶液にウエハーを浸漬し、余分なクロム膜をエッチングして除去した。温度80℃の重フッ化アンモニウムに20時間ウエハーを浸漬し、ウエハーをエッチングし、振動子1の外形を形成した。メタルマスクを使用して、厚さ100オングストロームのクロム膜上に厚さ2000オングストロームの金膜を電極膜として形成した。振動子1の寸法は、縦2mm、横2mm、厚さ0.1mmであり、重量は約0.2mgであった。
【0043】
振動子1をパッケージに実装した。ただし、基板はアルミナセラミックスによって形成し、接点パッドは金によって形成し、枠体40はSUSによって形成し、絶縁体44はポリイミド樹脂によって形成した。各ボンディングワイヤは、銅膜線を金によってメッキすることで製造し、直線状(比較例)、あるいは曲折部あり(実施例)とした。各ボンディングワイヤを絶縁体44に対して接着し、振動子1に対して超音波ボンディングによって接合した。
【0044】
ここで、実施例においては各ボンディングワイヤの形状を図3〜図5に示すようにし、その幅と厚さを調整することによって、支持構造の共振周波数fr、振動子の駆動周波数fdおよび離調Δfを以下のように調整した。比較例においては、各ボンディングワイヤに曲折部を設けず、かつ幅と厚さを調整することによって支持構造の共振周波数fr、振動子の駆動周波数fdおよび離調Δfを以下のように調整した。
【0045】
そして、各例について、−40℃から+85℃の間の駆動インピーダンスの温度変化を測定し、図7に示す。比較例(上側のグラフ)においては、60℃近辺から高温では駆動インピーダンスが著しく上昇したが、実施例(下側のグラフ)においては、全温度範囲について駆動インピーダンスはきわめて緩やかに直線的に変化しており、顕著な温度ドリフトは見られなかった。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、電気的接続のための端子部を備える振動子を支持するための支持構造であって、振動子を小型化することが可能であり、かつ広い温度範囲にわたって駆動インピーダンスを一定とし、温度ドリフトを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性材料からなる枠体40を示す平面図である。
【図2】枠体40および絶縁体44を示す平面図である。
【図3】枠体40、絶縁体44、駆動側信号電極用ボンディングワイヤ45および駆動側接地電極用ボンディングワイヤ46を示す平面図である。
【図4】枠体40、絶縁体44、駆動側信号電極用ボンディングワイヤ45、駆動側接地電極用ボンディングワイヤ46および検出側信号電極用ボンディングワイヤ47A、47Bを示す平面図である。
【図5】支持構造の平面図を示す。
【図6】振動子1を示す平面図である。
【図7】駆動インピーダンスの温度変化を示すグラフである。
【図8】他の例の支持構造を概略的に示す平面図である。
【図9】更に他の例の支持構造を概略的に示す平面図である。
【図10】更に他の例の支持構造を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 振動子 2 固定部 3 検出振動片(屈曲振動片) 4 駆動振動片(屈曲振動片) 5 支持部(屈曲振動片) 6 端子部 40 枠体 45 駆動側信号電極用ボンディングワイヤ 46 駆動側接地電極用ボンディングワイヤ
47A,47B 検出側信号電極用ボンディングワイヤ 48A、48B検出側接地電極用ボンディングワイヤ
Claims (4)
- 固定部、この固定部から突出する一対の支持部、各支持部から突出する駆動振動片、前記固定部から突出する検出振動片、前記駆動振動片に設けられた駆動電極、前記検出振動片に設けられた検出電極、および前記固定部に設けられた電気的接続のための端子部を備える振動子、
およびこの振動子を支持する支持構造を備えており、
この支持構造が、基板、およびこの基板上に支持されている複数のボンディングワイヤであって、前記振動子の前記固定部に対して接合されており、前記振動子を前記基板に接触しない状態で支持し、かつ前記固定部の前記端子部に対して電気的に接続されているボンディングワイヤを備えており、前記ボンディングワイヤが、前記基板表面上のX軸に平行に延びる部分と、前記X軸に対して直交するY軸に平行に延びる部分とを備えており、
前記駆動電極によって前記振動子に駆動振動を励振し、前記振動子に垂直な軸を中心とする回転角速度に応じて前記振動子に励振される検出振動を前記検出電極によって検出し、前記駆動振動において、前記駆動振動片が前記支持部への付け根を中心として前記振動子の平面内で屈曲振動し、前記検出振動において前記検出振動片が前記固定部への付け根を中心として前記振動子の平面内で屈曲振動し、
前記支持構造の共振周波数fr、前記振動子の駆動周波数fdおよび離調Δfが以下の関係を満足することを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
1.1・Δf≦fr≦0.9・fd - 前記ボンディングワイヤが、駆動側信号電極用ボンディングワイヤ、駆動側接地電極用ボンディングワイヤ、複数の検出側信号電極用ボンディングワイヤおよび複数の検出側接地電極用ボンディングワイヤを含み、駆動側信号電極用ボンディングワイヤの前記固定部への接合部と駆動側接地電極用ボンディングワイヤの前記固定部への接合部とを結ぶ直線に対して、複数の前記検出側信号電極用ボンディングワイヤが略線対称の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。
- 前記ボンディングワイヤが、駆動側信号電極用ボンディングワイヤ、駆動側接地電極用ボンディングワイヤ、複数の検出側信号電極用ボンディングワイヤおよび複数の検出側接地電極用ボンディングワイヤを含み、駆動側信号電極用ボンディングワイヤの前記固定部への接合部と駆動側接地電極用ボンディングワイヤの前記固定部への接合部とを結ぶ直線に対して、複数の前記検出側接地電極用ボンディングワイヤが略線対称の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の振動型ジャイロスコープ。
- 前記基板がパッケージ用基板であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
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