JP3360479B2 - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JP3360479B2
JP3360479B2 JP07871495A JP7871495A JP3360479B2 JP 3360479 B2 JP3360479 B2 JP 3360479B2 JP 07871495 A JP07871495 A JP 07871495A JP 7871495 A JP7871495 A JP 7871495A JP 3360479 B2 JP3360479 B2 JP 3360479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は航空機・自動車・船舶・
車両等の移動体の姿勢制御やナビゲーションシステムに
用いる角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の角速度センサとしては種々の形態
があるが、最も近い先行技術として、特開公60−73
414号公報に示されるように、フォトリソグラフィと
エッチング加工法により、水晶圧電体を外側のフレーム
枠と一体で、内側には1個の音叉、あるいは口形の複合
音叉が設けられ、やはりコリオリの力を検出して角速度
を得る構成が開示されている。また、音叉の形としては
H形(金属板に電圧セラミック体を貼る方式が多い)の
変形で、検出部分の音叉を形状的に絞り、駆動側振動エ
ネルギー密度を増幅させたものが実用化されている。
【0003】以下に、この従来の角速度センサを図を用
いて説明する。図18は水晶結晶軸のY軸を音叉の長手
方向に、Z軸を音叉の厚み方向に、X軸を音叉の幅方向
にして、Z−Y平面内で平板状の水晶直方体ブランクを
切り出し、フォトリソグラフィをエッチング加工法で抜
かれた従来の平板状の水晶直方体の角速度センサの斜視
図である。
【0004】1,1′は駆動側音叉の振動腕、2は駆動
側音叉と検出側音叉の共通な支持部、3,3′は検出側
音叉の振動腕であり、これらは音叉支持部4,4′を介
して外側のフレーム枠5に一体になるように水晶で構成
されている。尚、Lは音叉の長手方向の全長、Wは音叉
のX方向の幅である。
【0005】電極構成は図示していないが、駆動側音叉
の振動腕1,1′はX方向に互いに逆相の屈曲振動(X
D振動;矢印a,b)をするように電極を配設し、ま
た、検出側音叉の振動腕3,3′には外部から支持部を
含むこの角速度センサ全体に回転作用する角速度ベクト
ルが入力したとき、その大きさが入力角速度の回転軸方
向とX方向の成す角の正弦(sin)と入力角速度の双
方に比例し、その方向がX方向と角速度の回転軸方向の
双方に垂直な方向をもち、その作用点がXD振動をして
いる部分に働くコリオリの力のZ方向成分による振動を
検出するように電極が配設されている。
【0006】この従来例において駆動振動下での角速度
入力によるコリオリの力の発生、コリオリの力による振
動に至るメカニズムを説明する。検出側音叉のXS振動
の共振周波数は駆動側音叉のXD振動の共振周波数と離
してあるため(以下、この状態を非共鳴と呼ぶ)に対検
出側音叉のXS振動は抑止されている。角速度入力によ
るコリオリの力はもっぱら駆動側音叉に働く。これが駆
動側音叉のZD振動を発生させ、両音叉の中央部を介し
て検出側音叉にZS振動が誘起され、検出側音叉に配設
された電極で角速度信号として検出される。この際に、
ZS振動がZD振動に結合誘起されるために音叉支持部
4,4′のX方向を軸とした捻れが必要不可欠であると
ころがこの従来例の大きな特徴となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】まず上記従来例にも当
てはまる一般的な課題を述べる。
【0008】水晶を圧電体として用いた場合、水晶は圧
電定数が小さいため所望の出力感度を確保するために寸
法を大きくするか、駆動電圧を大きくするかしなければ
ならず小型化の妨げとなっていた。
【0009】また、感度を確保するために応答速度を犠
牲にしてZS振動の共振周波数をXD振動の共振周波数
に近づけると角速度入力に対する応答性が悪化し、共振
周波数の温度特性から感度の安定性も問題となる。
【0010】また、小型化してセンサ本体の感度を下
げ、出力感度を確保するために回路ゲインを大きくとれ
ば、加工精度との相対精度の悪化から、XD振動からZ
S振動への不要機械的結合が発生し、不要ZS振動成分
となってオフセットやその温度ドリフトの悪化に結びつ
くだけでなく、回路や基板、ケーシングなどのノイズ対
策に大きなコストを必要とし、例えば図18に示すよう
な従来の構成では、音叉部だけでも幅W=3〜4mm
で、全長L=15mmまでが限度とされ、圧電特性や共
振周波数の温度特性が優れている水晶を使いながらその
良さを角速度センサの小型化に結びつけることが難し
い。
【0011】また、振動型角速度センサの支持構造は一
般的に角速度入力の経路としての機能以外に、外部並進
加速度減衰、内部振動反射減衰、外部衝撃緩和の3つの
設計要件を満たさなければならない。すなわち第1に外
部の並進加速度に対してZS振動を誘起しやすく不要な
加速度感度をもつので外部振動を減衰する外部並進加速
度減衰機能、第2に逆に内部のXD振動やZS振動の外
部への漏洩はオフセットやオフセット温度ドリフトの大
きな原因になるので最適な内部振動反射減衰機能、第3
に通常の並進加速度とは絶対値や周波数成分の異なる落
下や衝突などの耐衝撃吸収機能の3つである。
【0012】この3つの設計要件は図18に示す従来例
以外の支持構造にも一般的に当てはまるが、特にこの従
来例の支持構造の大きな欠点を次に示す。
【0013】すなわち、図18に示す従来の構成におい
ては音叉支持部4,4′上のバネ機構がそれらの設計要
件を達成しなければならない。しかし、外部並進加速度
減衰の要件については音叉内部への並進加速度成分の侵
入は減衰できるが、音叉の振動腕1,1′と3,3′の
Y方向を軸とした捻れ、つまり不要な内部角速度振動を
誘起しやすい。
【0014】また、前述のように音叉支持部は角速度信
号を担う駆動側音叉のZD振動を検出側音叉のZS振動
へ効率よく結合するために所望の角速度感度を得るため
にX方向回りに捻れ易く設計しなければならない。つま
り、角速度入力経路としての機能と前記3つの設計要件
にもうひとつ角速度感度確保という設計要件を加えて5
つもの機能を満足しなければならない。単一の構造だけ
でこれらの条件を全て満足するのは難しい。例えば感度
確保のために柔らかくすると角速度入力に対する応答性
が悪化したり、外部の並進加速度に対して不要角速度振
動を誘起し易くなるし、硬くすると感度の低下を招く。
結果的としてこの音叉支持構造4,4′は主として角速
度応答性を確保できる範囲で内部振動反射減衰機能と感
度確保機能を担い、外部並進加速度減衰機能、耐衝撃吸
収機能については別途にゴムなどの振動吸収機構を必要
としていた。
【0015】また、外側のフレーム枠5はエッチング前
ウェハからの材料取りを悪くしており、しかも全水晶素
材体積のうち、角速度センサとしての本来機能構成部分
であるXD振動部、ZS振動部の比率は著しく小さく、
高価な水晶材料を用いているだけにコストパフォーマン
スが良いとはいえない。
【0016】以下に上記に述べた課題についてまとめ
る。 課題1:高感度化と感度安定性、角速度応答性とのトレ
ードオフ 課題2:高感度化と小型化、低電圧化、EMC対策との
トレードオフ 課題3:小型化とオフセットおよびその温度ドリフトの
改善 相対精度の悪化改善 不要ZS振動の発生防止 課題4:外部並進加速度に対する不要感度 課題5:低オフセットとその温度ドリフトの実現 内部振動反射減衰最適化 課題6:外部衝撃緩和 課題7:水晶素材の振動部体積への効率的利用 本発明は前記従来例の支持構造としてのフレーム枠の部
分を廃し水晶の素材の大部分をXD振動部あるいはZS
振動部として有効に使用し、前記3つの設計要件は音叉
腕の支持部と非水晶素材である外部支持部材との接続方
法にその機能を凝縮することにより高感度化、低オフセ
ット化、低オフセットドリフト化、低並進加速度感度
化、高耐衝撃性を低コストで実現することを目的とする
ものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の角速度センサは、水晶材料からなり、4本の
平行な振動腕とこの振動腕の片端部または両端部を共通
に支持する支持部を持ち、内側、外側のそれぞれ2本の
振動腕の支持部への内側付け根の振動腕方向の位置が一
致するかまたは異なる櫛形状、目の字形状の複合音叉
を、目の字形状の場合はさらに内側または外側の2本振
動腕を中央で分離して6本の振動腕とし、複合音叉の幅
方向を水晶結晶軸の電気軸とし、複合音叉の長手方向と
厚み方向をそれぞれ水晶結晶軸の機械軸と光軸を起点と
して電気軸回りにθ度回転させた方向として形成し、こ
の複合音叉の外側の2本の振動腕を駆動側音叉または検
出側音叉に、内側の2本の振動腕を検出側音叉または駆
動側音叉として駆動・検出対応させ、この複合音叉の駆
動側音叉腕の支持部にわたる表裏面あるいは側面には検
出電極を配設し、前記駆動側音叉の片方または双方の振
動腕上の駆動側電極に交流電力を印加して駆動側音叉に
互いに逆相の音叉の幅方向の屈曲振動を発生持続させ、
外部から支持部を含むこの複合音叉全体に回転作用する
角速度ベクトルが入力したとき、駆動側音叉または検出
側音叉のX方向の振動をしている部分に働くコリオリの
力のZ方向成分を源駆動力として誘起する検出側音叉上
の互いに逆相のZ方向屈曲振動によって検出電極に発生
した電荷を検出することにより入力角速度に比例した電
気信号を得るように構成したものである。
【0018】
【作用】上記構成とすることにより、水晶の素材の大部
分をXD振動部あるいはZS振動部として有効に使用
し、外部支持部材との接続部に課される前記3つの設計
要件は音叉の振動腕の支持部と非水晶素材である外部支
持部材との接続方法にその機能を限定し、感度の確保は
複合音叉構造のみで実現することにより高感度化、低オ
フセット化、低オフセットドリフト化、低並進加速度感
度化を小型、低コストで実現することを目的とするもの
である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の水晶角速度センサの実施例に
ついて図面を用いて説明する。
【0020】(実施例1)請求項1に記載の櫛形状の音
叉を利用し、請求項9、10に記載のいわゆるモニタ方
式の駆動検出方式を採用した場合を中心に実施例1とし
て説明する。
【0021】まず、基本的な概略構成を請求項3(水晶
結晶軸と音叉の方向を一致させる)に関する構成を交え
て説明した後、角速度センサとしての動作原理を解説
し、その後で請求項9、10(モニタ方式に関する)、
請求項4、5、6、7(XD振動、XS振動、ZS振
動、ZD振動の共振周波数関係を設定する)、請求項8
(外部支持部材との接続方法)の順に各請求項に関する
構成詳細を上記課題の解決内容を含め説明する。
【0022】以下に本実施例1の概略構成を図1〜図8
を用いて説明する。図1は請求項1に記載の櫛形複合音
叉の本実施例の外観でこの形状をとることにより図18
に示す従来例のもっていた課題6としての水晶素材の振
動部体積への効率的利用を解決するものである。図1に
おいて、10は水晶材料から音叉の幅方向(X方向とす
る)を水晶結晶軸の電気軸とし、複合音叉の長手方向
(Y方向とする)と厚み方向(Z方向とする)をそれぞ
れ水晶結晶軸の機械軸と光軸を起点として電気軸回りに
θ度回転させた方向として櫛形状に形成した複合音叉で
あり、その下端には共通の支持部11が設けられ、この
支持部11より上部には4本の平行な振動腕12,1
3,14,15が形成されている。この振動腕12〜1
5の外側の2本の振動腕12,15は駆動側音叉として
利用され、内側の2本の振動腕13,14は検出側音叉
として利用される。支持部11の中央部にはこの櫛形状
の音叉10の外部支持部材への取付用として小さな孔3
4が設けられている。
【0023】図2、3は音叉の方向と水晶の材料異方性
の方向を示したもので、図2は上記櫛形状の音叉10を
幅方向(X方向)が水晶結晶軸の電気軸と一致させ、音
叉の長手方向(Y方向)と音叉の厚み方向(Z方向)を
それぞれ水晶結晶軸の機械軸、光軸と零でない角度θを
成すように形成したものである。また、図3は上記櫛形
状の音叉10を音叉形状の示す方向X、Y、Z方向がそ
れぞれ水晶結晶材料の電気軸、機械軸、光軸と一致する
(角度θが零度)ように形成した例を示し、図2、図3
の選択は請求項3に対応し、課題1としての高感度化と
感度安定性、角速度応答性とのトレードオフを選択解決
するものである。
【0024】すなわち、角度θは水晶の共振周波数の温
度特性の安定化を通じて感度を安定化するために設定さ
れ、時計のクロック等への用途に用いる単純音叉では通
常1〜2度以内に設定されるが、角速度センサとしての
本実施例では、高感度は要求されるが比較的応答性の要
求されない車両のナビゲーション用等の用途では後述す
るようにXD振動とZS振動の共振周波数を精密に設定
するためθをもたせ、高応答性は要求されるが比較的低
感度でよい車両の姿勢制御用の用途では後述するように
各方向の振動の共振周波数の精密設定は不要となるので
θを零としてある。
【0025】次に、図5、図7は図1と共に電極・端子
構成を示す。図5は請求の範囲9、10に関わらない一
般的な方式(以下、非モニタ方式とする)の電極・端子
構成、図7は請求の範囲9、10に関するいわゆるモニ
タ方式の電極・端子構成である。
【0026】まず非モニタ方式を示す図5、モニタ方式
を示す図7の共通部分から説明すると、上記駆動側音叉
の外側の一方の振動腕12と支持部11の表裏面には+
側の駆動電極16,17が、両側面には−(マイナス)
側の駆動電極18,19が形成され、外側の他方の振動
腕15の表裏面には−側の駆動電極20,21が両側面
には+側の駆動電極22,23が形成されている。ま
た、内側の検出側音叉の2本の振動腕13,14と支持
部11の表裏面には、表面内側と裏面外側に+側の検出
電極26,29が、表面外側と裏面内側に−側の検出電
極27,28が形成されている。また、駆動電極の+
側、−側、検出電極の+側、−側はそれぞれ支持部11
の側面および裏面に形成した駆動電極用の導電パターン
24,25で、あるいは検出電極用の場合は図1の支持
部11に示したような上向きコの字形の導電パターン、
あるいは本実施例では示していないが+側の駆動電極1
6のように位相幾何的に支持部上で接続できない電極は
導電ワイヤーを通して外部回路上で接続されている。
(この点については取り出し端子表現の便宜上すべて支
持部の導電パターン上で接続されたものとして扱う。) 次にモニタ方式と非モニタ方式で異なる端子結線につい
て説明する。まず、非モニタ方式である図5の端子構成
として+側の駆動電極16,17,22,23は駆動端
子(D)30に、−側の駆動電極18,19,20,2
1は駆動基準端子(DGND)31に、+側の検出電極
26,29は検出端子(S)32に、−側の検出電極2
7,28は基準端子(GND)33に接続されている。
【0027】また、モニタ方式である図7の端子構成と
して+側の駆動電極16,17は駆動端子(D)35
に、+側の駆動電極22,23はモニタ端子(M)36
に、+側の検出電極26,29は検出端子(S)37
に、−側の駆動電極18,19,20,21と−側の検
出電極27,28は基準端子(GND)33に接続され
ている。(なお、この駆動側音叉の駆動電極16,17
側の振動腕を以下、駆動振動腕、駆動電極22,23側
の振動腕を以下、モニタ振動腕とする。) 図8はモニタ方式を中心に説明する回路構成図で、電極
・端子構成を図7を参照して説明すると、39は+側の
駆動電極22,23に発生する電荷による電流(以下、
モニタ電流信号とする)をモニタ端子(M)36を通し
てイマジナリショートによる基準電位のまま検出する電
流増幅器、40は+側の検出電極26,29に発生する
電荷(以下、検出電荷信号とする)を検出端子(S)3
7を通してイマジナリショートによる基準電位のまま電
荷検出する電荷増幅器、41,42は交流電圧増幅器、
44は交直変換器、43は交流電圧増幅器41の出力の
増幅率を自身の出力からの負のフィードバックを通し、
交直変換器44の出力に応じて制御する駆動電圧コント
ローラで、モニタ電流信号を一定に保つためのものであ
り、その出力(以下、駆動電圧とする)は駆動端子
(D)35に接続される。45は交流電圧増幅器41の
出力を基準電位と比較する零クロスコンパレータで出力
は交流電圧増幅器41の出力と同相の矩形波となる。4
6は検出電荷信号を担う交流増幅器42の出力を零クロ
スコンパレータ45の極性変化のタイミングを基準に正
転、反転することによりモニタ電流信号と同周波数、同
相の信号のみを直流化する同相検波器、47は同相検波
器46の出力のDC成分を最終出力する積分フィルタで
ある。つまり、零クロスコンパレータ45の出力は同相
検波のタイミング信号となっている。
【0028】また、図8を非モニタ方式の図5を参照し
てモニタ方式との相違点だけを説明すると、電流増幅器
39はその入力端子を駆動基準端子(DGND)31と
し、−側の駆動電極18,19,20,21に機械電気
変換により発生する電荷による電流(以下、駆動電流信
号とする)を検出し、交流電圧増幅器41の出力をモニ
タ方式に対して極性反転させている。従って、駆動電圧
コントローラは駆動電流信号を一定に保つように働き、
同相検波器46は駆動電流信号を基準タイミングに検出
電荷信号を検波する。なお、駆動端子(D)35、駆動
基準端子(DGND)31には駆動電流の他に両端子間
に存在する水晶材料の誘電性に起因する静電容量に流れ
る電流(以下、これを駆動チャージ電流とする)も流れ
る。この静電容量はモニタ端子(M)36、検出端子
(S)37と基準端子(GND)33間にも存在する
が、これらは基準端子(GND)33にイマジナリショ
ートされているので電圧発生せず、動作に影響しない。
【0029】以上が本実施例の基本構成であるが、請求
項と課題解決、構成の方式選択には詳細な関係がある。
これらの詳細な構成の説明の前に、ここで本実施例の角
速度センサの動作原理について図1、図5、図6、図9
を用いて説明する。
【0030】駆動端子(D)35と駆動基準端子(DG
ND)31間、または駆動端子(D)35と基準端子
(GND)38間に上記構成回路の駆動電圧コントロー
ラ43の出力である駆動電圧が加わるようにすると、駆
動側音叉のX方向に±電界が発生し、水晶の圧電特性よ
りY方向への伸縮応力が発生し、最初の音叉のXD振動
を始める。この振動レベルに比例して駆動基準端子(D
GND)31から駆動電流が、またはモニタ端子(M)
36からモニタ電流が生成し、その電流信号が上記構成
回路の電流増幅器39、交流電圧増幅器41を通して駆
動電圧コントローラ43へ正帰還する。音叉振動である
XD振動の共振点は非常に大きな先鋭度Qをもつのでこ
の正帰還ループのオープンループ特性は、ゲインがXD
振動の共振周波数(以下fxdとする)で最大となる。
一方、位相については周波数fxdにおいて駆動電圧に
対して駆動電流は零度、モニタ電流は180度反転とな
り、回路側は周波数fxdにおいて駆動基準端子(DG
ND)31に対して駆動端子(D)35は零度、モニタ
端子(M)36に対して駆動端子(D)35は180度
反転となるので非モニタ方式、モニタ方式双方ともトー
タルで零度の位相となる。従って、この正帰還ループで
は周波数fxdでの発振条件が成立し、電気機械結合振
動であるXD振動が自励発振を始める。XD振動レベル
については交直変換器44のXD振動レベル信号のDC
化を経て駆動電圧コントローラ43へ負帰還がかかり、
所定の振動レベルで安定駆動される。
【0031】水晶音叉内での圧電現象である電圧・力変
換、振動速度・電流交換について詳述すると、駆動電圧
のかかっている駆動側振動腕の水晶の電気軸(X)方向
の±電界が機械軸(Y)方向の±応力に変換することに
より振動腕がX方向にたわみ、音叉結合あるいは共鳴結
合した他の振動腕も含めて振動が励起、持続する。振動
が励起されると各振動腕はX方向の振動速度をもち、内
部的にはY方向の±歪速度(歪の時間微分)をもつこと
となる。水晶内でのY方向歪は歪・電荷変換によってX
方向の分極電荷を発生しこれが電極電荷をもたらす。す
なわち、振動速度・電流変換が行われ、駆動電流、モニ
タ電流として現れる。
【0032】駆動電圧のかかっている振動腕上では駆動
電圧・駆動力変換、駆動力・振動速度応答、振動速度・
駆動電流変換が行われ、電圧のかかっていないモニタ振
動腕では音叉結合を介して音叉結合力・振動速度応答、
振動速度・モニタ電流変換が行われる。変換において位
相は保持される。また、XD振動は共振状態なので駆動
力に対する振動速度応答、音叉結合力に対する振動速度
は同相となる。一方、XD振動に対して非共鳴の機械結
合をしている振動腕はfxdと離れた共振周波数を持っ
ているので非共鳴結合力に対する振動速度応答は90度
の位相シフトを起こす。
【0033】さて、このXD振動(i,j)は支持部1
1の機械結合を介して力結合し、検出側音叉の振動腕1
3,14にX方向逆相のXS振動(q,r)を誘起する
力を及ぼし、XS振動の共振周波数の共鳴設定次第で大
きなXS振動を誘起することができる。図には(i,
j)と(q,r)は逆相になる場合で表記したが、駆動
側振動腕の付け根と検出側振動腕の付け根の位置関係で
これは同相にも逆相にもなる。
【0034】以上のようにして、これらのXD振動、X
S振動の振動レベルは駆動電圧コントローラ43により
駆動電流またはモニタ電流信号をコントロールするとい
う方法で一定に保たれる。この状態がセンサの駆動励起
状態で少なくとも一定のXD振動が発生・持続してい
る。
【0035】ここに外部から支持部を介して音叉全体に
回転角速度Ωが入力すると、XD振動(i,j)または
XS振動(q,r)をしている部分にコリオリの力がは
たらく。コリオリの力Fcは速度vをもった質量m部分
に次の式にもとづいてはたらくからである。
【0036】Fc=2・m・v×Ω ただし、Fc、v、Ωはベクトルで・はスカラー積、×
はベクトル積を表し、vはXD振動、またはXS振動の
速度である。コリオリの力のZ方向の成分はZD振動
(h,u)またはZS振動(p,k)を誘起する。XS
振動がXD振動と非共鳴の場合はXD振動に基づくZD
振動がZS振動に結合し、いずれにしてもZS振動は誘
起することになる。またZD振動、ZS振動の位相はX
D振動またはXS振動の速度vが最大のとき、つまり変
位零のときに最大のコリオリの駆動力を受ける位相とな
る。
【0037】ZS振動が誘起すると検出側音叉の振動腕
13,14のY方向に応力が発生しX方向に誘電分極し
て検出側電極27から26、28から29へ向けて電荷
の移動が起こる。この際の移動の向き(±)は(p,
k)の向きに対応する。
【0038】ここで並進加速度に対するキャンセル効果
について述べる。並進加速度は直接には検出側振動腕に
同相で作用するので並進加速度による振動または変位は
同相となる。言わば(p,k)の向きが同じになった状
態になり、発生した電荷は2つの振動腕上にまたがる検
出側電極27と26または28と29の内部でキャンセ
ルし合い、検出電極(S)32へは現れない。
【0039】さて、コリオリの力に基づく移動電荷は駆
動基準端子(D)35とイマジナリショートされた検出
端子(S)37間の電荷増幅器40による電荷移動で即
座に検出キャンセルされ検出端子(S)37には電圧は
発生しない。電荷増幅器40の出力は交流電圧増幅器4
2によって増幅され、同相検波器46によってモニタ電
流信号と同周波数の同相成分(つまり角速度信号)のみ
が直流化出力され、積分フィルタ47によって完全DC
成分に変換されて最終出力する。
【0040】ここで同相検波について詳述すると、電荷
増幅器40へは角速度信号以外に角速度入力零のときで
もXD振動、XS振動に不要に結合した不要ZS振動
(これはXD振動振幅最大のときに最大の結合駆動力と
なる位相で振動するのでコリオリの力駆動の位相と90
度異なる)に基づくキャンセルしきれなかった電荷や、
外来の並進加速度による振動に基づく不要電荷、EMC
ノイズ等が発生している。これらの不要電荷はすべて、
角速度信号とは周波数が異なるか、もしくは位相が90
度ずれているので同相検波器46によって検波減衰され
直流化はされない。従って次段の積分フィルタ47によ
って大幅に減衰され、最終出力には現れない。
【0041】以上の動作原理による各部の電気波形を図
9を用いて説明する。(a)はXD振動による自励発振
下での駆動端子(D)35上の駆動電圧波形である。
(b)は駆動端子(D)上を流れる駆動電流波形であ
る。駆動電圧は水晶の圧電特性により同相の駆動力に変
換され共振XD振動状態では駆動力はXD振動の振動速
度に比例する粘性抵抗、摩擦抵抗による反力と逆相釣合
いの状態になり、振動腕の慣性力と弾性力が駆動力と9
0度異なる位相で互いに逆相で釣り合っている。従っ
て、駆動のエネルギー変換原理に基づきXD振動の速度
に同相比例した電流成分が駆動電流として流れる。一方
で、水晶は誘電体で駆動端子(D)35と基準端子(G
ND)38間に静電容量を持つのでこの静電容量への充
電電流(以下、駆動チャージ電流とする)が駆動電圧よ
り90度進んで流れる。振動電流波形(b)が駆動電圧
波形(a)よりも若干位相が進んでいるのはこの2つの
成分が重畳しているからである。(c)はモニタ端子
(M)36を流れるモニタ電流で前記駆動電流と同相と
なる。また、駆動電流、モニタ電流は音叉へ流れ込む方
を+にして表現している。
【0042】次に検出側の波形を説明する。(d)は角
速度検出電荷波形で(d′)が前記不要ZS振動に基づ
く電荷波形である。不要ZS振動は駆動力に基づき、角
速度によるZS振動はコリオリの力に基づくので両者は
位相が90度ずれる。電荷は電流を積分したものなので
駆動電圧波形(a)(駆動力と同相)に対して不要ZS
振動電荷波形(d′)が90度遅れる。ちなみに、ここ
では角速度検出電荷波形のほうが小さい場合について表
現している。電流増幅器39は(d)と(d′)の重畳
した波形を電圧出力し、この波形が同相のまま同相検波
器46に入力する。一方、モニタ電流波形(c)に基づ
き同相検波のタイミング信号波形(e)が零クロスコン
パレータ45から出力される。(f′)、(f)は同相
検波器の出力波形を不要ZS振動電荷波形(d′)、角
速度検出電荷波形(d)毎に表現したものである。最終
的には(f′)、(f)が積分フィルタ47で積分され
たDC波形が出力されるので不要ZS振動に基づく
(f′)はほとんど減衰し、角速度に基づく(f)の波
形レベルが出力される。
【0043】ここで請求項9、10、請求項4〜10に
関わる詳細な構成とその課題解決効果について以下に説
明する。まず請求項9、10はモニタ方式に関わり、非
モニタ方式と共に、課題2の高感度化と低電圧化のトレ
ードオフ、課題3の小型化(高感度化)とオフセットお
よびその温度ドリフトとのトレードオフを選択解決する
ものであり、そのそれぞれの特徴を述べる。
【0044】非モニタ方式での駆動電流信号は駆動端子
(D)30と駆動基準端子(DGND)31間に与えた
電圧に伴う電流なので水晶のXD振動の共振振動速度に
対応する純駆動電流以外に水晶の誘電体としての静電容
量に流れる位相の異なる駆動チャージ電流も加算される
ので、この静電容量が温度特性をもった場合等に駆動電
流信号の一定制御方式にとって外乱の原因となり感度の
不安定性をもたらし、同相検波の基準タイミングに対し
ても外乱因子となるのでオフセットおよびその温度ドリ
フトも悪化する。しかし、駆動側音叉の双方の振動腕か
ら駆動エネルギーを供給するので感度に対する駆動の電
圧効率が高い。つまり、非モニタ方式は精度が悪いが低
電圧仕様を要求される用途に好適に設定する。
【0045】それに対してモニタ方式ではモニタ端子
(M)36は電流増幅器39によって基準電位にイマジ
ナリショートしてあるのでモニタ端子(M)には水晶の
誘電体に静電容量に伴う駆動チャージ電流は流れない。
その結果、モニタ端子には音叉の共振XD振動のモニタ
側振動腕の速度に完全に比例したモニタ電流のみが発生
する。従って非モニタ方式のような静電容量を流れる電
流に起因する外乱は発生しない。モニタ方式は感度に対
する駆動の電圧効率が低いので、電圧仕様が厳しくなく
高感度な用途に好適に設定する。
【0046】次に、以下請求項4〜7に記載の設計につ
いて説明する。これらは全て課題1の高感度化と角速度
応答性とのトレードオフを共通に選択解決するためのも
のである。図4は水晶より、ブレードソー、サンドブラ
スト等の機械加工またはフォトリソグラフィー等のエッ
チング技術によって形成された櫛形状の本実施例の寸法
を示し、例えば以下の寸法に設定してある。
【0047】 駆動側音叉の振動腕12,15の長さ Ld =11.00mm 駆動側音叉の振動腕12,15の幅 Wd = 1.00mm 検出側音叉の振動腕13,14の長さ Ls = 9.98mm 検出側音叉の振動腕13,14の幅 Ws = 0.80mm 櫛形状の音叉の厚み T = 0.70mm 櫛形状の音叉全体の幅 W = 5.00mm 駆動側音叉の支持部の長さ Ldb= 4.00mm 検出側音叉の支持部の長さ Lsb= 1.02mm 駆動側と検出側の振動腕間のスリット間隔 S1 = 0.50mm 検出側音叉の振動腕13,14のスリット間隔 S2 = 0.40mm 上記寸法設定はXD振動の共振周波数fxdとXS振動
の共振周波数fxsをほぼ同じくし、ZS振動の共振周
波数fzsを異ならせるように意図した請求項5に記載
の角速度センサに属する寸法であり、fxd=fxs=
6635Hz、fzs=5251Hzになるように設計
してある。実際は加工精度の限界からfxdとfxsの
離調fxd−fxsをトリミングにより1Hz以下にな
るように調整することを前提とする。これは自励共振状
態にあるXD振動に対してXS振動を完全共鳴させるこ
とにより検出側音叉に十分なX方向逆相振動(XS振
動)を与えて角速度入力時に検出側音叉に最大のコリオ
リの力をもたらすためである。
【0048】この寸法設定は検出側音叉のZ方向に逆相
におよぶコリオリの力の周波数はXD振動の自励発振周
波数fxdになるので、この場合fzsとfxdの離調
fzs−fxd=−1384Hzは大きいのでコリオリ
の力の反応としての検出側音叉のZ方向逆相振動(ZS
振動)はXD振動との共鳴から大きく離れ、その結果、
入力角速度に対して高速に応答する寸法設定となってい
る。ただし、感度は次に述べるWd=0.78mmの寸
法設定の場合より小さい。これは角速度入力レンジが比
較的大きく、高速応答を要求される車両等の姿勢制御用
として好適な設定である。
【0049】また、駆動側音叉の振動腕12,15の幅
だけをWd=0.78mmに変更すればfxd=527
5Hzとなり、寸法設定がXD振動の共振周波数fxd
とXS振動の共振周波数fxsをほぼ同じくし、ZS振
動の共振周波数fzsをもほぼ同じくするように意図し
た請求項4に記載の角速度センサに属する寸法となり、
前記寸法設定下でのトリミングに加えてfxdとfzs
の離調fxd−fzsをトリミングにより24Hz±1
Hzになるように調整することを前提とする。
【0050】これは前記寸法設定のようにXD振動とX
S振動を共鳴させて検出側音叉に最大のコリオリの力を
もたらすだけでなく、その反応としてのZS振動をも共
鳴に近づける(近共鳴とする)ことにより、その結果、
入力角速度に対して高感度な寸法設定となっている。た
だし、応答速度は前述のWd=1.00mmの寸法設定
より小さい。これは角速度入力レンジが小さく、応答速
度が比較的低速でも使用できる車両等のナビゲーション
システム用として好適な設定となる。
【0051】なお、トリミングは既に公知な方法で、振
動腕12〜15の先端の角を斜めにカットしたり、振動
腕12〜15の付け根をV溝カットしたり、支持部11
の低部をカットしたり、先端に小さい質量を接着添加す
る方法がある。
【0052】また、Wd=0.78mmのままで検出側
音叉の幅Wsを変更することでfxsが変化するのでf
xdとfzsを同じくし、fxsを異ならせる請求項6
記載の角速度センサを構成することができる。これは課
題1の選択解決だけでなく課題3の小型化とオフセット
およびその温度ドリフトの改善も解決するものである。
この構成においては検出側音叉のXS振動は駆動側音叉
のXD振動に共鳴せず角速度が入力したときのZ方向逆
相のコリオリの力はもっぱら駆動側音叉が受けることに
なる。このコリオリの力は共振XD振動の周波数で音叉
の支持部を介して検出側音叉に機械的に結合し、検出側
音叉のZS振動は共振周波数がXD振動の共振周波数に
近接しているので大きく振動し、角速度センサとして機
能することになる。この構成の特徴は、XS振動がXD
振動に非共鳴であるためにXD振動からZS振動への不
要機械結合が発生せず、不要ZS振動成分もほとんどな
くなりオフセットやその温度ドリフトの改善に結びつく
ところにある。
【0053】また、前記寸法設定から音叉の厚みTを変
え、それに伴うfzsの変化を検出側音叉の振動腕の長
さLsを変更することでfxdとfzsを同じくし、f
xsを異ならせたまま、さらにfzdをfxdと同じく
する寸法設定、すなわち請求項7記載の角速度センサを
構成することができ、この構成は前記同様課題1の選択
解決、課題3の解決をもたらす。この構成の特徴は駆動
側音叉に現れたコリオリの力によって駆動側音叉のZX
振動を共振させ、さらに検出側音叉のZS振動を共鳴さ
せることで前記寸法設定と同様、オフセットやその温度
ドリフトを改善するのみならず、高感度の特性をも図っ
たものである。
【0054】以上述べた共振周波数の共鳴設定はXD振
動とZS振動に限って2本の単純音叉でも可能である
が、駆動電極、検出電極を近づけて各振動腕に配置する
と駆動電圧が水晶の静電容量を介して検出電極に電荷を
運び、これは角速度信号と同相となるので同相検波器4
6でも分離できず、オフセットおよびその温度ドリフト
の原因となる。また左右の振動腕に駆動電極、検出電極
と分けて配置すると並進加速度に対してキャンセル効果
がなくなり、大きな並進加速度電荷として検出端子
(S)32から現れ、同相検波器の検波減衰後もDC電
圧として残ってしまう。
【0055】以上、請求項4〜7に関する各振動共振周
波数の近共鳴構成について説明した。
【0056】次に請求項8に関する説明を行う。請求項
8は課題4の外部並進加速度に対する不要感度、課題5
の低オフセットとその温度ドリフトの実現、課題6の外
部衝撃緩和の3つの課題を解決するものである。
【0057】上記小さな孔34は図6に示すように、X
Y面内での複合音叉の対称の中央線を基準とする同じく
対称となるような外部支持部材との接続のための孔構造
で、XD振動やXS振動の音叉のX方向バランス節点上
に配置して振動の外部への漏洩を減衰し、オフセットや
オフセット温度ドリフトを低減すること、コリオリの力
の応答としてのZS振動(検出側音叉の逆相のZ方向振
動)とZD振動(ドライブ側音叉の逆相のZ方向振動)
が同相の場合に、つまりY軸まわりの回転振動(これを
Y回転振動とする)が誘起する場合、Y回転振動の機械
的インピーダンスを安定化設定するか、逆相の場合に
(このとき、Y回転振動はキャンセルされる)、両振動
Y回転のバランス節点上の配置として振動の外部への漏
洩を減衰し、同じくオフセットやオフセット温度ドリフ
トを低減するためのものである。
【0058】なお、ZS振動とZD振動が同相(Y回転
振動が誘起する状態)になるか逆相(Y回転振動がキャ
ンセルされる状態)になるかは請求項1、2に記載した
内側、外側のそれぞれ2本の振動腕(これらは駆動側、
検出側に割り当てられる)の支持部への内側付け根のY
方向の位置関係に依存し、内側の音叉の内側付け根の位
置の方が音叉の先端側にあればY回転振動誘起、支持部
側にあればY回転振動キャンセルとなる。
【0059】すなわち、感度はZS振動がもたらすもの
であるが、それを基本的に決定づけるのは検出側の振動
腕および支持部11の構造インピーダンスである。しか
し、下記のように外部との接続支持部の構造インピーダ
ンスも関与させたり、させなかったりできるので設計自
由度が向上する。ZS振動の共振周波数fzsをXD振
動の共振周波数fxdと異ならせる場合はZS振動レベ
ルは比較的小さく、ZS振動とZD振動がY回転振動誘
起となる付け根位置関係に設計して音叉全体に回転モー
メントを与え、孔34に接続した外部支持部材による機
械インピーダンスによってZS振動における振動腕のた
わみレベルを決めることもできる。つまり、外部支持を
硬くするとたわみ振動が振動腕に集中して高感度設計と
なり、柔らかくするとたわみは外部支持部材に集中して
低感度設計となる。低感度設計は角速度入力レンジが比
較的大きく、高速応答を要求される車両等の姿勢制御用
として好適な設計である。
【0060】また、ZS振動の共振周波数fzsをXD
振動の共振周波数fxdと同じくする場合はZS振動レ
ベルが大きく、ZD振動の共振周波数fzdも同じくし
てZS振動とZD振動がY回転振動キャンセルとなる付
け根位置関係に設計して両振動の回転モーメントを打ち
消し合う。これは角速度入力レンジが小さく、応答速度
が比較的低速でも使用できる車両等のナビゲーションシ
ステム用として好適な設計となる。
【0061】つまり、ZS振動は基本的に音叉上の振動
腕の支持部11を介して結合するので図18に示す従来
例のように感度確保のために外部支持部に設計制約を与
えることがなく、対衝撃緩和、外部並進角速度に対する
感度低減のための設計自由度を十分確保でき、オフセッ
ト安定化のための内部振動反射減衰の設計もXD振動、
ZS振動ともに容易となる。
【0062】また、本実施例の孔34のようにY方向対
称の中心線上に外部支持部を配すると、外部並進加速度
に対するY方向回転捻れを誘起しにくく従来例に比べて
外部並進加速度感度低減の効果はいっそう大である。
【0063】上記設計目的を達成するための外部支持接
続部は孔34以外に、XY面内での複合音叉の対称の中
央線を基準に、同じく対称となるような構造であれば突
起構造や平面的な接続構造でもよい。
【0064】以上、本実施例1の構成と動作説明を各請
求項、各課題との関係をまじえて詳細に解説した。
【0065】最後に、参考までに共振周波数の設計方法
を図4を用いて説明する。図4に示す櫛形状音叉10の
振動腕12〜15は、電気音響振動工学の理論から片持
支持棒として取り扱えるが、振動腕12,15の有効長
さはLdより長く、Hdとすれば、そのXD振動の共振
周波数fxdは〔数1〕のように表わされる。
【0066】
【数1】
【0067】XD振動により誘起された検出側音叉のX
S振動の共振周波数fxsは検出側の振動腕13,14
の有効長さをHsとすれば同様に〔数2〕となる。
【0068】
【数2】
【0069】XS振動を誘起させるための音叉の支持部
の機械結合の設計条件は〔数1〕=〔数2〕とすればよ
いから〔数3〕を満足するように設計すればよいことが
わかる。
【0070】
【数3】
【0071】また、3つの共振周波数の選択によるW
d,Ws,Ldの設計によってはLs≧Ldの場合もあ
り得る。
【0072】次に、ZS振動の共振周波数fzsは、Z
S振動の振動腕の有効長さは実験的にHsより長いこと
がわかっているから、これをHzとすれば〔数4〕とな
り、もし、共振形の音叉設計を条件とするならば〔数
2〕=〔数4〕あるいは〔数1〕=〔数4〕を満足すれ
ばよい。
【0073】
【数4】
【0074】すなわち、以下に示す〔数5〕あるいは
〔数6〕となる。
【0075】
【数5】
【0076】
【数6】
【0077】したがって、検出側音叉の振動腕13,1
4の厚みTと幅Ws,Wdの比は、そのヤング率Ez,
Exを測定し、振動腕13,14の有効長さ(Hz/H
s) 2および(Hz/Hd)2から求めることができる。
この実施例ではθ=3°であるから、回転前の既知の定
数を使って計算し目安とした。
【0078】〔数3〕および〔数5〕の両方を満たす設
計条件、すなわちfxd、fxs、fzsの3つの共振
周波数を等しくすれば高感度が期待できるが、製造での
周波数調整に手間どり、かえってコスト高になるのでf
xd=fxs≒fzsとfzs=fxd≒fxsの場合
が望ましい。また、水晶の共振のQ値が10,000以
上と高いので、fxd=fxsとすることは製造的に困
難な場合が多く、縮退現象を利用して近似的にfxd≒
fxsとすることができる。
【0079】参考までにこの目の字形状の音叉の設計
は、外側の振動腕51,52を準両端固定と仮定し、そ
の第1次固有値をβとすれば〔数1〕に対応してXD振
動の共振周波数fxdは〔数7〕となり、長さが2倍に
なった分と考え合せると、fxdは櫛形状の音叉の場合
の約1.59倍(〔β/α〕2÷4)大きくなるので、
その分Wdを小さくすればよい。
【0080】
【数7】
【0081】(実施例2)請求項2に記載の目の字形状
の音叉を利用し、非モニタ方式の駆動検出方式を採用し
た場合を実施例2として説明する。この目の字形状の櫛
形状に対する相違点は構造が複雑であることと感度が高
くとれるということである。動作原理と請求項3〜10
に関する構成の詳細、その課題解決に対する効果との対
応は基本的に実施例1と同じなので省略する。
【0082】以下に第2の実施例の概略構成を図10〜
図17を用いて説明する。図10は請求項2に記載の目
の字形複合音叉の実施例の外観で、48は水晶材料から
音叉の幅方向(X方向とする)を水晶結晶軸の電気軸と
し、複合音叉の長手方向(Y方向とする)と厚み方向
(Z方向とする)をそれぞれ、水晶結晶軸の機械軸と光
軸を起点として、電気軸回りにθ度回転させた方向とし
て目の字形状に形成した複合音叉であり、その上下端に
は共通の支持部49,50が設けられ、この支持部4
9,50をつなぐように両側に駆動側振動腕51,52
が設けられ、その内側に支持部49,50のそれぞれか
ら2本ずつの検出側振動腕53,54と55,56が設
けられている。さらに支持部49,50の中央部にはこ
の櫛形状の音叉48の外部支持部材への取付用として小
さな孔57,58が設けられている。
【0083】上記構成では2本の振動腕51,52は駆
動側音叉、4本の振動腕53〜56は検出側音叉として
利用され、結果的には実施例1で示した櫛形状の音叉を
2個突き合わせ、駆動側音叉を一体で検出側音叉を分離
した構造とし、出力感度を2倍大きくしたものである。
【0084】図11は図10と対比して音叉の方向と水
晶の材料異方性の方向を示したもので、図10は上記目
の字形状の音叉48を幅方向(X方向)を水晶結晶軸の
電気軸と一致させ、音叉の長手方向(Y方向)と音叉の
厚み方向(Z方向)をそれぞれ水晶結晶軸の機械軸、光
軸と零でない角度θを成すように形成したものであり、
図11はその角度θを零にしたものである。これらは実
施例1と同じく請求項3に対応し、課題1の高感度化と
感度安定性、角速度応答性とのトレードオフを選択解決
するものである。
【0085】図17は内側の2本の振動腕51,52を
連続にしてこれを駆動音叉の振動腕とし、外側の2本の
振動腕を中央で切断して4本の検出側音叉の振動腕5
3,54,55,56としても同様の構成・動作を実現
するものである。
【0086】図13、図14は図10、図11の目の字
形複合音叉の場合の電極・端子構成を示す。一方の駆動
側振動腕51の表裏面には+側の駆動電極59,60
が、両側面には−側の駆動電極61,62が、他方の駆
動側振動腕52の表裏面には−側の駆動電極63,64
が、両側面には+側の駆動電極65,66が振動腕の中
央部が接続のため細くした状態で形成されている。ただ
し、この中央部分は下部から中央部のところでパターン
を90度よじるようにしてそれぞれ隣の面に接続移動
し、上部に移るところで元の面に戻るようにするともっ
と駆動電極として効率のいい配置となる。
【0087】また、上方内側の検出側音叉の2本の振動
腕53,54と支持部49には表面側は内側に−側の検
出電極69、外側に+側の検出電極70が設けられ、裏
面には内側に+側の検出電極71、外側に−側の検出電
極72が形成されている。
【0088】また、下方内側の検出側音叉の2本の振動
腕55,56と支持部50には表面側は内側に−側の検
出電極73、外側に+側の検出電極74が設けられ、裏
面には内側に+側の検出電極75、外側に−側の検出電
極76が形成されている。
【0089】そして駆動側音叉の+側の駆動電極59,
60,65,66は駆動端子(D)77に、−側の駆動
電極61,62,63,64は駆動基準端子(DGN
D)78に、検出側音叉の+側の検出電極70,71,
74,75は検出端子(S)79に、−側の検出電極6
9,72,73,76は基準端子(GND)80に接続
されている。
【0090】また、図16は実施例2の角速度センサを
モニタ方式で駆動・検出する場合の電極結線図である。
【0091】目の字形複合音叉はワイヤソー、ブレード
ソー等の工法は難点があるが、サンドブラスト等の機械
加工またはフォトリソグラフィー等のエッチング技術を
用いると櫛形よりも複雑なこの構造が同じコストで形成
できる。図12は目の字形状の実施例2の寸法図を示
し、例えば以下の寸法に設定してある。
【0092】 駆動側音叉の振動腕51,52の長さ Ld =22.00mm 駆動側音叉の振動腕51,52の幅 Wd = 0.62mm 検出側音叉の振動腕53〜56の長さ Ls = 9.74mm 検出側音叉の振動腕53〜56の幅 Ws = 0.80mm 目の字形状の音叉の厚み T = 0.70mm 目の字形状の音叉全体の幅 W2 = 5.00mm 駆動側と検出側の振動腕間のスリット間隔 S1 = 0.50mm 検出側音叉の振動腕間のスリット間隔 S2 = 0.40mm 上記寸法設定はXD振動の共振周波数fxdとXS振動
の共振周波数fxsをほぼ同じくし、ZS振動の共振周
波数fzsを異ならせるように意図した請求項5に記載
の角速度センサに属する寸法であり、fxd=fxs=
6766Hz、fzs=5251Hzになるように設計
してある。
【0093】また、駆動側音叉の振動腕12,15の幅
だけを小さくしてfxd=5275Hzとすることがで
き、寸法設定がXD振動の共振周波数fxdとXS振動
の共振周波数fxsをほぼ同じくし、ZS振動の共振周
波数fzsをもほぼ同じくするように意図した請求項4
に記載の角速度センサに属する寸法となる。請求項6、
7、8についても実施例1と同様の設計が可能であるこ
とは言うまでもない。
【0094】このような目の字形状の複合音叉を用いる
ことによって櫛形状の音叉を用いた角速度センサの約
2.1倍の感度が得られた。以上、実施例2の目の字形
状複合音叉による角速度センサについて実施例1との相
違点を中心に説明した。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように櫛形、目の字形の複
合音叉構造をとり、水晶の異方性の方向に対する音叉の
方向、各振動の共振周波数の近共鳴関係設計、駆動検出
方式を最適に選ぶことにより、以下の効果を得ることが
できる。
【0096】(1)小型化高感度化、それに伴う回路や
基板、ケーシングなどのノイズ対策のコスト減、(2)
感度の安定化、(3)オフセットの低減、(4)オフセ
ット温度ドリフトの低減、(5)外部並進加速度感度の
低減、(6)外部衝撃に対する信頼性向上、(7)水晶
材料効率の向上が図れる。
【0097】本発明は、各請求項に示すような設計を適
切に選ぶことで用途に応じて上記のような優れた角速度
センサを安価に得ることができ、産業的価値の大なるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の櫛形音叉による角速度センサの実施例
1の斜視図
【図2】実施例1の音叉と水晶結晶軸の方向を示す図
【図3】同音叉と水晶結晶軸の方向を示す図
【図4】実施例1の寸法設定図
【図5】実施例1の電極配置・結線図
【図6】実施例1の機械的動作を示す図
【図7】実施例1の電極配置、結線図
【図8】実施例1の回路ブロック図
【図9】実施例1の回路の電気的動作を示す図
【図10】本発明の目の字形音叉による実施例2の斜視
【図11】図10と共に実施例2の音叉と水晶結晶軸の
方向を示す図
【図12】実施例2の寸法設定図
【図13】実施例2の電極配置図
【図14】実施例2の電極配置・結線図
【図15】実施例2の機械的動作を示す図
【図16】実施例2の電極配置・結線図
【図17】実施例2を変形した場合の斜視図
【図18】従来の角速度センサの斜視図
【符号の説明】
10 櫛形状の複合音叉 11 支持部 12〜15 振動腕 16〜23 駆動電極 26〜29 検出電極 30,35 駆動端子 31 駆動基準端子 32,37 検出端子 33,38 基準端子 34 孔 36 モニタ端子 39 電流増幅器 40 電荷増幅器 41,42 交流電圧増幅器 43 駆動電圧コントローラ 44 交直変換器 45 零クロスコンパレータ 46 同相検波器 47 積分フィルタ 48 目の字形状の複合音叉 49,50 支持部 51〜56 振動腕 57,58 孔 59〜66 駆動電極 69〜76 検出電極 77 駆動端子 78 駆動基準端子 79 検出端子 80 基準端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 二郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−278141(JP,A) 特開 平4−324311(JP,A) 特開 平6−258083(JP,A) 特開 平2−129514(JP,A) 特開 平7−83671(JP,A) 実開 平7−6719(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01C 9/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶材料からなり、4本の平行な振動腕
    とこの振動腕の片端部を共通に支持する支持部を持ち、
    内側、外側のそれぞれ2本の振動腕の支持部への内側付
    け根の振動腕方向の位置が一致するかまたは異なる櫛形
    状の複合音叉を、複合音叉の幅方向(X方向とする)を
    水晶結晶軸の電気軸とし、複合音叉の長手方向(Y方向
    とする)と厚み方向(Z方向とする)をそれぞれ水晶結
    晶軸の機械軸と光軸を起点として電気軸回りにθ度回転
    させた方向として形成し、この複合音叉の外側の2本の
    振動腕を駆動側音叉または検出側音叉に、内側の2本の
    振動腕を検出側音叉または駆動側音叉として駆動・検出
    対応させ、この複合音叉の駆動側音叉腕の支持部にわた
    る表裏面あるいは側面には駆動電極を、検出側音叉腕の
    支持部にわたる表裏面あるいは側面には検出電極を配設
    し、前記駆動側音叉の片方または双方の振動腕上の駆動
    側電極に交流電力を印加して駆動側音叉に互いに逆相の
    X方向屈曲振動を発生持続させ、外部から支持部を含む
    この複合音叉全体に回転作用する角速度ベクトルが入力
    したとき、駆動側音叉または検出側音叉のX方向の振動
    をしている部分に働くコリオリの力のZ方向成分を源駆
    動力として誘起する検出側音叉上の互いに逆相のZ方向
    屈曲振動によって検出電極に発生した電荷を検出するこ
    とにより入力角速度に比例した電気信号を得るように構
    成した角速度センサ。
  2. 【請求項2】 水晶材料からなり、4本の平行な振動腕
    とこの振動腕をその両端部で共通に支持する2つの支持
    部を持ち、内側、外側のそれぞれ2本の振動腕の支持部
    への内側付け根の振動腕方向の位置が一致するかまたは
    異なる目の字形状の内側または外側の2本の腕を中央部
    で切り離し、合計6本の振動腕を持つ形状の複合音叉
    を、複合音叉の幅方向(X方向とする)を水晶結晶軸の
    電気軸とし、複合音叉の長手方向(Y方向とする)と厚
    み方向(Z方向とする)をそれぞれ、水晶結晶軸の機械
    軸と光軸を起点として電気軸回りにθ度回転させた方向
    として形成し、この複合音叉の切り離されていない形状
    の2本の振動腕を駆動側音叉に、切り離された形状の4
    本の振動腕を2つの検出側音叉として駆動・検出対応さ
    せ、この複合音叉の駆動側音叉の振動腕の支持部にわた
    る表裏面あるいは側面には駆動電極を、検出側音叉の振
    動腕の支持部にわたる表裏面あるいは側面には検出電極
    を配設し、前記駆動側音叉の片方または双方の振動腕上
    の駆動側電極に交流電力を印加して駆動側音叉に互いに
    逆相のX方向屈曲振動を発生持続させ、外部から支持部
    を含むこの複合音叉全体に回転作用する角速度ベクトル
    が入力したとき、駆動側音叉または検出側音叉のX方向
    の振動をしている部分に働くコリオリの力のZ方向成分
    を源駆動力として誘起する検出側音叉上の互いに逆相の
    Z方向屈曲振動によって検出電極に発生した電荷を検出
    することにより入力角速度に比例した電気信号を得るよ
    うに構成した角速度センサ。
  3. 【請求項3】 複合音叉の長手方向と厚み方向を水晶結
    晶軸の機械軸と光軸を起点として電気軸回りに回転させ
    るθ度を零度として構成した請求項1または2記載の角
    速度センサ。
  4. 【請求項4】 駆動側音叉の互いに逆相のX方向の屈曲
    振動(以下、XD振動という)の共振周波数と検出側音
    叉の互いに逆相のX方向の屈曲振動(以下、XS振動と
    いう)の共振周波数をほぼ同じくし、且つ、検出側音叉
    の互いに逆相のZ方向の屈曲振動(以下、ZS振動とい
    う)の共振周波数もほぼ同じくなるように支持部および
    振動腕の形状寸法を設定した請求項1または2記載の角
    速度センサ。
  5. 【請求項5】 XD振動の共振周波数とXS振動の共振
    周波数をほぼ同じくし、且つ、ZS振動の共振周波数を
    異ならせるように支持部および振動腕の寸法形状を設定
    した請求項1または2記載の角速度センサ。
  6. 【請求項6】 XD振動の共振周波数とZS振動の共振
    周波数をほぼ同じくし、且つ、XS振動の共振周波数を
    異ならせるように支持部および振動腕の寸法形状を設定
    した請求項1または2記載の角速度センサ。
  7. 【請求項7】 駆動側音叉の互いに逆相のZ方向の屈曲
    振動(以下、ZD振動という)の共振周波数とZS振動
    の共振周波数をほぼ同じくなるように支持部および振動
    腕の寸法形状を設定した請求項1または2記載の角速度
    センサ。
  8. 【請求項8】 複合音叉の前記支持部が、XY面内での
    複合音叉の対称の中央線を基準に、同じく対称となるよ
    うな外部支持部材との接続領域を持つか、同じく対称と
    なるような外部支持部材との接続のための孔構造または
    突起構造を持つ請求項1記載の角速度センサ。
  9. 【請求項9】 駆動側音叉の片方の振動腕上の駆動電極
    に交流電力を印加し、もう一方の振動腕上の駆動電極に
    誘起するXD振動に基づく交流電気信号の実効値を一定
    に保持する振幅制御回路を持つ請求項1または2記載の
    角速度センサ。
  10. 【請求項10】 角速度が入力したとき検出電極に発生
    する電荷に基づく角速度信号を他の外乱信号の中から検
    波抽出するためのタイミング信号を駆動側音叉の片方の
    振動腕上の駆動電極に誘起するXD振動に基づく交流電
    気信号より発生する請求項9記載の角速度センサ。
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