JP2001264068A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JP2001264068A
JP2001264068A JP2000074459A JP2000074459A JP2001264068A JP 2001264068 A JP2001264068 A JP 2001264068A JP 2000074459 A JP2000074459 A JP 2000074459A JP 2000074459 A JP2000074459 A JP 2000074459A JP 2001264068 A JP2001264068 A JP 2001264068A
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detection
driving
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drive
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JP2000074459A
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English (en)
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Muneyuki Toge
宗志 峠
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出誤差の低減された精度の高い角速度セン
サを提供する。 【解決手段】 第1及び第2駆動振動子16,17は、
xy平面上の点Oに関して略対称に配置されている。検
出振動子12は、点Oに関して略対称な枠状に形成され
て駆動振動子16,17を包囲している。駆動振動子1
6,17は、点Oを通るy方向に対して略対称となるよ
うに第1駆動用ばね41,42及び第2駆動用ばね4
6,47を介して検出振動子12に対してそれぞれx方
向に振動可能に浮動支持されている。また、検出振動子
12は、検出用ばね32〜34を介して応力緩和枠11
(基板)に対して点Oを通るz軸廻りにねじれ回転振動
可能に浮動支持されている。駆動振動子16,17は駆
動同相対策ばね48を介して連成されている。駆動振動
子16,17が逆相でx方向に振動駆動されている状態
における検出振動子12の点Oを通るz軸廻りのねじれ
回転振動により角速度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に対して浮動
支持された振動子を備え、該振動子の振動状態に基づき
角速度を検出する角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、角速度センサとしては、例えば特
許番号2888029に記載されたものが知られてい
る。この角速度センサは、基板に対して第1の支持梁を
介して駆動方向(x方向)に振動可能に支持された第1
の振動体と、同第1の振動体に第2の支持梁を介して検
出方向(y方向)に振動可能に支持された第2の振動体
とを備えている。そして、第1の振動体が第2の振動体
とともに駆動方向に振動駆動されている状態においてz
軸廻りの角速度が加えられると、同角速度に基づくコリ
オリの力に応じて第2の振動体が検出方向に振動する。
角速度センサは、この第2の振動体の検出方向の振動に
基づく第2の支持梁の応力変化を、加えられた角速度と
して検出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この角速度センサにお
いては、第1の振動体は第1の支持梁にて駆動方向にの
み振動しやすく支持されており、第2の振動体は第2の
支持梁にて検出方向にのみ振動しやすく支持されてい
る。換言すると、駆動のための振動体(第1の振動体)
を支持するばね(第1の支持梁)と、検出のための振動
体(第2の振動体)を支持するばね(第2の支持梁)と
がそれぞれ独立して設けられている。こうした角速度セ
ンサにおいては、その感度と応答性を確保するために、
駆動方向の共振周波数と検出方向の共振周波数とを互い
に若干、ずらして製作されるのが一般的である。これに
より、製造ばらつきや基板の熱膨張などでの応力による
予期しない振動に起因するメカニカルカップリングを低
減している。しかしながら、1つの振動体(第2の振動
体)のみの振動に基づく角速度の検出であるため、例え
ば車載された場合などのように振動の多い環境では、検
出に際して所定方向に作用する加速度などの外力の要因
を分離することができず、角速度の検出精度の低下を余
儀なくされている。
【0004】そこで、例えば特開2000−9470号
公報に記載されるように、上記に準じた一対の駆動枠
(第1及び第2駆動枠)及び検出枠(第1及び第2検出
枠)にて平面に音叉型に構成された角速度センサが知ら
れている。この角速度センサは、第1駆動枠及び第2駆
動枠をそれぞれ駆動方向に互いに逆相で振動させること
で、第1検出枠及び第2検出枠を同様に駆動方向に互い
に逆相に振動させる。この状態で、点Oを通るz軸廻り
の角速度が加えられると、同角速度に基づくコリオリの
力に応じて第1検出枠及び第2検出枠がそれぞれ検出方
向に振動する。このとき、第1検出枠及び第2検出枠は
駆動方向に互いに逆相で振動しているため、その検出方
向の振動も互いに逆相となっている。従って、これら第
1検出枠及び第2検出枠の検出方向の振動に基づく各振
動検出信号を差動増幅することで、その信号レベルを略
2倍にするとともに、同相で検出されたノイズを略相殺
する。このため、例えば加速度などの外力のように第1
検出枠及び第2検出枠に対して同相で影響を及ぼす要因
を略相殺することができ、その角速度の検出精度の向上
を図ることができる。
【0005】しかし、この角速度センサにおいては、第
1駆動枠及び第2駆動枠を連成振動させるための対応が
考慮されているものの、第1検出枠及び第2検出枠に対
しては連成がないために、同第1検出枠及び第2検出枠
の検出方向の振動が不安定となっている。特に、第1検
出枠及び第2検出枠の検出方向の振動の感度の違いによ
り各振動振幅が異なると、上記のような同相で影響を及
ぼす要因を略相殺することが十分にできなくなる。この
ため、例えば車載された場合などのように振動の多い環
境では、角速度の検出誤差の発生を余儀なくされてい
る。
【0006】本発明の目的は、検出誤差の低減された精
度の高い角速度センサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、xy平面上の点Oに関
して略対称に配置された第1駆動振動子及び第2駆動振
動子と、点Oに関して略対称な略円形及び略多角形のい
ずれか一方の枠状に形成されて前記第1駆動振動子及び
第2駆動振動子を包囲する検出振動子と、点Oを通るy
方向に対して略対称となるように前記検出振動子に対し
て前記第1駆動振動子及び第2駆動振動子をそれぞれx
方向に振動可能に浮動支持する第1駆動用ばね及び第2
駆動用ばねと、前記検出振動子を基板に対して点Oを通
るz軸廻りにねじれ回転振動可能に浮動支持する複数の
検出用ばねと、前記第1駆動振動子及び第2駆動振動子
に介装されて該第1駆動振動子及び第2駆動振動子を連
成振動させる連成ばねと、前記第1駆動振動子及び第2
駆動振動子を逆相でx方向に振動駆動する駆動手段と、
前記検出振動子の点Oを通るz軸廻りのねじれ回転振動
を検出する検出手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の角速度センサにおいて、前記検出用ばねは、前記検出
振動子の径方向外側に延びて基板に支持されることを要
旨とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の角速度センサにおいて、前記検出用ばねは、前
記検出振動子からy方向に延びて点Oにおいて基板に支
持されることを要旨とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の角速度センサにおいて、点Oに関して略対称な略円形
及び略多角形のいずれか一方の枠状に形成されて前記検
出振動子を包囲する応力緩和枠と、前記応力緩和枠を基
板に対してxy平面上に振動可能に浮動支持する応力緩
和ばねとを備え、前記検出振動子を支持する検出用ばね
は、前記応力緩和枠及び応力緩和ばねを介して基板に支
持されることを要旨とする。
【0011】(作用)請求項1〜3に記載の発明によれ
ば、上記第1駆動振動子及び第2駆動振動子は、上記駆
動手段により互いに逆相でx方向に振動駆動される。す
なわち、これら第1駆動振動子及び第2駆動振動子は、
x方向に安定した共振音叉振動とされており、エネルギ
ー消費率の高い振動となっている。そして、第1駆動振
動子及び第2駆動振動子から、例えば検出振動子に伝達
されるx方向の振動は、全体として略相殺される。
【0012】また、これら第1駆動振動子及び第2駆動
振動子は、上記連成ばねが介装されることで連成振動す
る。従って、例えば第1駆動振動子及び第2駆動振動子
が個別に設けられているときに生じるような互いに同相
の振動モードは除去される。このため、例えば車載され
た場合などのように振動の多い環境においても、これら
第1駆動振動子及び第2駆動振動子は安定動作する。
【0013】上記第1駆動振動子及び第2駆動振動子が
互いに逆相でx方向に振動駆動されている状態において
点Oを通るz軸廻りの角速度が加わると、同角速度に応
じたコリオリ力により、同第1駆動振動子及び第2駆動
振動子は互いに逆相のy成分を有する楕円振動を行う。
これら第1駆動振動子及び第2駆動振動子の各楕円振動
により回転振動が誘起され、上記検出振動子は点Oを通
るz軸廻りにねじれ回転振動する。このねじれ回転振動
を上記検出手段により検出することで、加えられた角速
度が検出される。この検出振動子のねじれ回転振動は、
上記第1及び第2駆動用ばねとは別体で設けられた検出
用ばねの振動に基づいているため、例えば第1及び第2
駆動振動子と検出振動子との間のメカニカルカップリン
グなどが抑制される。
【0014】また、例えば製造ばらつきなどにより、上
記第1及び第2駆動振動子が互いに逆相でx方向に対し
て斜めに振動駆動された場合、この斜め振動は上記検出
振動子に対してねじれ回転振動を誘起しない。
【0015】一方、例えば所定方向に加えられる加速度
などにより、上記第1及び第2駆動振動子が互いに同相
で所定方向に斜めに振動駆動された場合にも、検出振動
子は略円形及び略多角形のいずれか一方の枠状に形成さ
れているため、この斜め振動は上記検出振動子に対して
ねじれ回転振動を誘起しない。
【0016】以上の動作が同時に実現されることによ
り、検出誤差の低減された精度の高い角速度センサが提
供される。特に、請求項3において、検出振動子の径方
向外側に延びて基板に支持される検出用ばね及び同検出
振動子からy方向に延びて点Oにおいて基板に支持され
る検出用ばねを共に備える場合には、同検出振動子を支
持する強度が増大される。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、上記検出
振動子を支持する検出用ばねは、応力緩和枠及び応力緩
和ばねを介して基板に支持される。従って、例えば外部
の温度変化や外力等の印加による基板からの応力が、検
出振動子(センサ)側に伝達されることが緩和される。
【0018】また、上記検出振動子のねじれ回転振動の
共振周波数が駆動時の共振周波数からずらされ、角速度
センサの応答性が確保される。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明に
係る角速度センサの第1実施形態について図1〜図3に
従って説明する。
【0020】図1に示されるように、絶縁層を形成する
基板としてのシリコン基板10には、例えば導電性とす
るために不純物の添加されたポリシリコン(以下、「導
電性ポリシリコン」という)にて形成された応力緩和枠
11、検出振動子12、第1駆動振動子16、第2駆動
振動子17、第1駆動力印加固定電極21、第2駆動力
印加固定電極22、第1駆動変位検出固定電極23、第
2駆動変位検出固定電極24、第1角速度検出固定電極
25、第2角速度検出固定電極26及び浮動体アンカー
a10,a11が設けられている。なお、上記第1及び
第2駆動力印加固定電極21,22、第1及び第2駆動
変位検出固定電極23,24、第1及び第2角速度検出
固定電極25,26及び浮動体アンカーa10,a11
はシリコン基板10に接合されている。また、浮動体ア
ンカーa10は、点Oに略一致して配置されている。そ
して、この角速度センサは、点Oに関してxy平面上に
略対称に設けられている。
【0021】上記応力緩和枠11は略八角枠状に形成さ
れており、そのxy平面における中心は点Oに略一致し
ている。この応力緩和枠11は、各角部において導電性
ポリシリコンの基板応力緩和ばね31を介して上記浮動
体アンカーa11に連続している。これら応力緩和枠1
1及び基板応力緩和ばね31は、例えばリソグラフによ
る半導体プロセス加工にて、上記シリコン基板10から
浮くように形成されている。
【0022】上記各基板応力緩和ばね31は、xy平面
において応力緩和枠11の当該外壁面に略沿って屈曲形
成されており、各隣接する基板応力緩和ばね31の屈曲
方向が互い違いになっているほかは、互いに略同等の形
状となっている。これら基板応力緩和ばね31は、xy
方向に撓み性が高く形成されており、例えば外部の温度
変化や外力等の印加によるシリコン基板10からの応力
がセンサ側に伝達されるのを緩和する。
【0023】上記検出振動子12は、上記応力緩和枠1
1に包囲される態様で略八角枠状に形成されており、そ
のxy平面における中心も点Oに略一致している。この
検出振動子12のx方向一側及び他側(図1の右側及び
左側)には、点Oを通るx方向に略沿って外壁面から内
壁面側に切り欠かれた切欠き部12aがそれぞれ形成さ
れている。そして、検出振動子12は、各切欠き部12
aからx方向外側に延びる導電性ポリシリコンの検出用
ばね32を介して上記応力緩和枠11に連続している。
また、この検出振動子12のy方向一側及び他側(図1
の上側及び下側)には、点Oを通るy方向に略沿って点
O側に膨出する膨出部12bがそれぞれ形成されてお
り、各膨出部12bには同方向に略沿って外壁面から内
壁面側に切り欠かれた切欠き部12cが形成されてい
る。そして、検出振動子12は、各切欠き部12cから
y方向外側に延びる導電性ポリシリコンの検出用ばね3
3を介して上記応力緩和枠11に連続している。さら
に、この検出振動子12は、上記各膨出部12bからy
方向内側に延びる導電性ポリシリコンの検出用ばね34
を介して前記浮動体アンカーa10に連続している。
【0024】なお、これら検出振動子12及び検出用ば
ね32,33,34も、例えばリソグラフによる半導体
プロセス加工にて、上記シリコン基板10から浮くよう
に形成されている。
【0025】このように検出振動子12を支持する検出
用ばね32,33,34を、十字方向(点Oを通るx方
向、y方向)に延びるように配置したことで、同検出振
動子12の姿勢はシリコン基板10に対して平行に維持
される。そして、これら検出用ばね32,33,34
は、点Oを中心とするz軸廻りの回転方向に撓み性が高
く形成されているため、上記検出振動子12の点Oを中
心とするz軸廻りのねじれ回転は容易となっている。
【0026】上記検出振動子12には、各辺に沿って並
設される略四角形の複数の検出窓36が開口されてお
り、各隣接する検出窓36を区画する渡し梁は角速度検
出可動電極37となっている。この検出振動子12(角
速度検出可動電極37)は、同検出振動子12の点Oを
中心とするz軸廻りのねじれ回転振動により前記第1及
び第2角速度検出固定電極25,26との間での静電容
量を変動させる。
【0027】上記第1駆動振動子16は、点Oを通るy
軸に対してx方向一側(図1の右側)に上記検出振動子
12に包囲される態様で配置されている。この第1駆動
振動子16は、y方向一側及び他側の各段部16aを介
してx方向一側(図1の右側)に縮幅された略ステップ
状の枠に形成されている。この第1駆動振動子16は、
各段部16aにおいて上記検出振動子12の対向する内
壁面との間に設けられた導電性ポリシリコンの第1駆動
用ばね41を介して同検出振動子12に連続している。
また、上記第1駆動振動子16は、中心側の外壁面のy
方向一側及び他側において上記検出振動子12の対向す
る各膨出部12bとの間に設けられた導電性ポリシリコ
ンの第1駆動用ばね42を介して同検出振動子12に連
続している。
【0028】これら第1駆動振動子16及び第1駆動用
ばね41,42も、例えばリソグラフによる半導体プロ
セス加工にて、上記シリコン基板10から浮くように形
成されている。そして、上記第1駆動用ばね41,42
は、x方向にのみ撓み性が高くなるようにy方向に延び
る態様で屈曲形成されている。
【0029】上記第1駆動振動子16の短幅側の枠に
は、x方向略中間部においてy方向に沿って延びる駆動
力印加可動電極16bが形成されている。この駆動力印
加可動電極16bは、y方向に所定間隔をおいてx方向
各側に延びる略櫛歯状の電極となっている。この駆動力
印加可動電極16bは、前記第1及び第2駆動力印加固
定電極21,22に供給される駆動信号により同第1及
び第2駆動力印加固定電極21,22との間での静電引
力が周期的に変動され、上記第1駆動振動子16にx方
向の振動を発生させる。
【0030】また、上記第1駆動振動子16の長幅側の
枠には、x方向略中間部においてy方向に沿って延びる
駆動変位検出可動電極16cが形成されている。この駆
動変位検出可動電極16cも、y方向に所定間隔をおい
てx方向各側に延びる略櫛歯状の電極となっている。こ
の駆動変位検出可動電極16cは、第1駆動振動子16
のx方向の振動により前記第1及び第2駆動変位検出固
定電極23,24との間での静電容量を変動させる。
【0031】一方、上記第2駆動振動子17は、点Oを
通るy軸に対して第1駆動振動子16と略対称に上記検
出振動子12に包囲される態様で配置されている。この
第2駆動振動子17は、同様にy方向一側及び他側の各
段部17aを介してx方向他側(図1の左側)に縮幅さ
れた略ステップ状の枠に形成されている。この第2駆動
振動子17は、各段部17aにおいて上記検出振動子1
2の対向する内壁面との間に設けられた導電性ポリシリ
コンの第2駆動用ばね46を介して同検出振動子12に
連続している。また、上記第2駆動振動子17は、中心
側の外壁面のy方向一側及び他側において上記検出振動
子12の対向する各膨出部12bとの間に設けられた導
電性ポリシリコンの第2駆動用ばね47を介して同検出
振動子12に連続している。
【0032】これら第2駆動振動子17及び第2駆動用
ばね46,47も、例えばリソグラフによる半導体プロ
セス加工にて、上記シリコン基板10から浮くように形
成されており、x方向にのみ撓み性が高くなるようにy
方向に延びる態様で屈曲形成されている。
【0033】上記第2駆動振動子17にも、上記駆動力
印加可動電極16bと同様の駆動力印加可動電極17b
が形成されている。この駆動力印加可動電極17bも、
前記第1及び第2駆動力印加固定電極21,22に供給
される駆動信号により同第1及び第2駆動力印加固定電
極21,22との間での静電引力が周期的に変動され、
上記第2駆動振動子17にx方向の振動を発生させる。
【0034】また、上記第2駆動振動子17にも、上記
駆動変位検出可動電極16cと同様の駆動変位検出可動
電極17cが形成されている。この駆動変位検出可動電
極17cも、第2駆動振動子17のx方向の振動により
前記第1及び第2駆動変位検出固定電極23,24との
間での静電容量を変動させる。
【0035】なお、上記第1及び第2駆動振動子16,
17は点Oを通るy軸に対して略対称に配置されている
ため、これら第1及び第2駆動振動子16,17に供給
される駆動信号は互いに逆相となっている。従って、こ
れら第1及び第2駆動振動子16,17は互いに逆相で
x方向に振動する。すなわち、これら第1及び第2駆動
振動子16,17はx方向に安定した共振音叉振動とさ
れており、エネルギー消費率の高い振動となっている。
そして、上記駆動変位検出可動電極16c,17cと第
1及び第2駆動変位検出固定電極23,24との間での
静電容量の変動も互いに逆相となっている。
【0036】ここで、上記第1及び第2駆動振動子1
6,17の対向壁面は、前記各検出用ばね34の略中間
部に連続する導電性ポリシリコンの連成ばねとしての駆
動同相対策ばね48を介して連結されている。この駆動
同相対策ばね48も、例えばリソグラフによる半導体プ
ロセス加工にて、上記シリコン基板10から浮くように
形成されており、x方向にのみ撓み性が高くなるように
y方向中心側に延びる態様で屈曲形成されている。上記
第1及び第2駆動振動子16,17は、この駆動同相対
策ばね48により連成振動するため、同相の振動モード
が除去されている。従って、例えば車載された場合など
のように振動の多い環境においても、これら第1及び第
2駆動振動子16,17は安定動作する。
【0037】上記第1駆動力印加固定電極21は、上記
第1及び第2駆動振動子16,17の各駆動力印加可動
電極16b,17bのx方向外側の枠内においてy方向
に略沿って形成されており、同駆動力印加可動電極16
b,17bに対してx方向に互い違いに延びる略櫛歯状
の電極となっている。また、同様に上記第2駆動力印加
固定電極22は、上記第1及び第2駆動振動子16,1
7の各駆動力印加可動電極16b,17bのx方向内側
の枠内においてy方向に略沿って形成されており、同駆
動力印加可動電極16b,17bに対してx方向に互い
違いに延びる略櫛歯状の電極となっている。これら第1
及び第2駆動力印加固定電極21,22は、駆動信号
(電圧)が印加されることで、上記各駆動力印加可動電
極16b,17bとの間での静電引力をそれぞれ周期的
に変動し、上記第1及び第2駆動振動子16,17を互
いに逆相でx方向に振動させる。このとき、上記第1及
び第2駆動振動子16,17は、上記駆動電圧が加えら
れることでその共振周波数にてx方向に励振されるよう
になっている。
【0038】ちなみに、上記第1及び第2駆動振動子1
6,17は、それぞれ第1駆動用ばね41,42及び第
2駆動用ばね46,47を介して検出振動子12に連結
されているものの、これら第1及び第2駆動振動子1
6,17が互いに逆相でx方向に振動するため、同検出
振動子12に伝達されるx方向の振動は、全体として略
相殺されている。また、上記第1及び第2駆動振動子1
6,17は、それぞれ駆動同相対策ばね48を介して上
記検出用ばね34に連結されているものの、同様に同検
出振動子12に伝達されるx方向の振動は、全体として
略相殺されている。換言すると、上記検出用ばね34
は、第1及び第2駆動振動子16,17のx方向の連成
振動の不動部に一致しており、同検出用ばね34が上記
第1及び第2駆動振動子16,17のx方向の連成振動
に及ぼす影響はわずかとなっている。
【0039】上記第1及び第2駆動振動子16,17が
x方向に共振音叉振動している状態において点Oを通る
z軸廻りの角速度が加わると、同第1及び第2駆動振動
子16,17はこの角速度に基づくコリオリ力により互
いに逆向きのy方向の振動成分を有する相対的に逆相の
楕円振動を行う。このとき、上記第1及び第2駆動振動
子16,17は、それぞれx方向にのみ撓み性が高い第
1駆動用ばね41,42及び第2駆動用ばね46,47
を介して検出振動子12に連結されているため、同検出
振動子12には点Oを通るz軸廻りのねじれ回転振動が
誘起される。
【0040】なお、上記検出振動子12が点Oを通るz
軸廻りのねじれ回転振動をすると、前記検出用ばね34
もねじれ振動する。これにより、上記駆動同相対策ばね
48を介して連成されて楕円振動する第1及び第2駆動
振動子16,17の共振周波数、すなわち検出振動子1
2の点Oを通るz軸廻りのねじれ回転振動の共振周波数
が駆動時の共振周波数からずらされる。従って、角速度
センサの応答性が確保されている。
【0041】上記第1駆動変位検出固定電極23は、上
記第1及び第2駆動振動子16,17の各駆動変位検出
可動電極16c,17cのx方向外側の枠内においてy
方向に略沿って形成されており、同駆動変位検出可動電
極16c,17cに対してx方向に互い違いに延びる略
櫛歯状の電極となっている。また、同様に上記第2駆動
変位検出固定電極24は、上記第1及び第2駆動振動子
16,17の各駆動変位検出可動電極16c,17cの
x方向内側の枠内においてy方向に略沿って形成されて
おり、同駆動変位検出可動電極16c,17cに対して
x方向に互い違いに延びる略櫛歯状の電極となってい
る。
【0042】これら第1及び第2駆動変位検出固定電極
23,24は、上記第1及び第2駆動振動子16,17
のx方向の振動に基づく同第1及び第2駆動振動子1
6,17(駆動変位検出可動電極16c,17c)との
間の静電容量の振動により、同第1及び第2駆動振動子
16,17のx方向の各振動状態を検出等する。すなわ
ち、第1駆動振動子16がx方向外側(図1の右側)に
移動するときには、第1駆動変位検出固定電極23と駆
動変位検出可動電極16cとの間の静電容量が減少する
とともに、第2駆動変位検出固定電極24と同駆動変位
検出可動電極16cとの間の静電容量が増加する。ま
た、第1駆動振動子16がx方向内側(図1の左側)に
移動するときには、これらの関係は逆となる。一方、第
2駆動振動子17がx方向外側(図1の左側)に移動す
るときには、第1駆動変位検出固定電極23と駆動変位
検出可動電極17cとの間の静電容量が減少するととも
に、第2駆動変位検出固定電極24と同駆動変位検出可
動電極17cとの間の静電容量が増加する。また、第2
駆動振動子17がx方向内側(図1の右側)に移動する
ときには、これらの関係は逆となる。従って、上記第1
及び第2駆動変位検出固定電極23,24の静電容量振
動は、互いに逆相となっている。また、上記第1及び第
2駆動振動子16,17の各x方向の振動に対する第1
及び第2駆動変位検出固定電極23,24の静電容量の
振動も、互いに逆相となっている。
【0043】上記第1及び第2角速度検出固定電極2
5,26は、上記検出振動子12の各検出窓36におい
て同検出振動子12の辺に略直交する方向に現出形成さ
れた平行平板電極となっている。これら第1及び第2角
速度検出固定電極25,26は、上記検出振動子12の
点Oを中心とするz軸廻りのねじれ回転振動に基づく同
検出振動子12(角速度検出可動電極37)との間の静
電容量の振動により、同検出振動子12の点Oを中心と
するz軸廻りのねじれ回転振動の状態を検出する。すな
わち、検出振動子12が点Oを中心とするz軸廻りの一
側(図1において時計回り側)にねじれ回転するときに
は、同検出振動子12と第1角速度検出固定電極25と
の間の静電容量が減少するとともに、検出振動子12と
第2角速度検出固定電極26との間の静電容量が増加す
る。また、検出振動子12が点Oを中心とするz軸廻り
の他側(図1において反時計回り側)にねじれ回転する
ときには、これらの関係は逆となる。すなわち、上記第
1及び第2角速度検出固定電極25,26の静電容量の
振動は、互いに逆相となっている。
【0044】上記検出振動子12の点Oを中心とするz
軸廻りのねじれ回転振動の状態により、加えられたz軸
廻りの角速度が検出されるようになっている。次に、こ
の角速度センサの角速度検出に係る電気的構成について
図2に基づき説明する。
【0045】図2に示されるように、タイミング信号発
生器51は、上記第1及び第2駆動振動子16,17を
共振周波数にてx方向に逆相駆動するための駆動パルス
信号を発生して、駆動回路52,53に出力するととも
に、同期検波用の同期信号を同期検波回路54,55,
56に出力する。
【0046】上記駆動回路52,53は、上記駆動パル
ス信号に同期して図3に示される駆動信号(電圧)A,
Bをそれぞれ第1及び第2駆動力印加固定電極21,2
2に印加する。同図に示されるように、これら駆動信号
(電圧)A,Bは互いに逆相となる出力駆動電圧V1,
V2を有している。上記第1及び第2駆動振動子16,
17は、第1及び第2駆動力印加固定電極21,22に
この駆動信号(電圧)A,Bが印加されることで、x方
向に振動駆動される。このとき、これら第1駆動振動子
16及び第2駆動振動子17は、互いに逆相でx方向に
振動する。そして、上記第1及び第2駆動変位検出固定
電極23,24の静電容量は、互いに逆相で振動する。
また、上記第1及び第2駆動振動子16,17の各x方
向の振動に対する第1及び第2駆動変位検出固定電極2
3,24の静電容量の振動も、互いに逆相となってい
る。チャージアンプ57,58,59,60は、これら
静電容量の振動を電圧振動に変換する。差動増幅器61
は、チャージアンプ57,58からの互いに逆相の信号
を差動増幅し、同信号のレベル(振幅)を略2倍とし、
ノイズを相殺した差動増幅信号を発生する。そして、差
動増幅器61は、この差動増幅信号を上記同期検波回路
54およびフィ−ドバック処理回路63に出力する。同
様に、差動増幅器62は、チャージアンプ59,60か
らの信号を差動増幅し、同信号のレベル(振幅)を略2
倍とし、ノイズを相殺した差動増幅信号を発生する。そ
して、差動増幅器62は、この差動増幅信号を上記同期
検波回路55およびフィ−ドバック処理回路63に出力
する。
【0047】同期検波回路54,55は、駆動パルス信
号と同相の同期信号に同期して、差動増幅器61,62
が与える差動増幅信号、すなわち第1及び第2駆動振動
子16,17の各x方向の振動を表わす検出信号(電
圧)を検波し、駆動パルス信号に対する同x方向の振動
の位相ずれに相当する信号を発生してフィ−ドバック処
理回路63に出力する。
【0048】フィ−ドバック処理回路63は、上記同期
検波回路54,55からの位相ずれに相当する信号のレ
ベルを設定値に合わせるための移相信号を、上記駆動回
路52,53に出力する。駆動回路52,53は、この
移相信号に対応して駆動パルス信号に対する駆動信号
(電圧)A,Bの各出力駆動電圧V1,V2の位相をシ
フトする。そして、同期検波回路54,55の位相ずれ
に相当する信号のレベルが実質上設定値になると、第1
及び第2駆動振動子16,17の共振音叉振動は安定し
たものとなる。
【0049】第1及び第2駆動振動子16,17が安定
した共振音叉振動をしている状態において、点Oを通る
z軸廻りの角速度が加わると、検出振動子12にねじれ
回転振動が発生する。
【0050】検出振動子12にねじれ回転振動が発生す
ると、前記第1及び第2角速度検出固定電極25,26
の静電容量は、互いに逆相で振動する。チャージアンプ
66,67は、これら静電容量の振動を電圧振動に変換
する。差動増幅器68は、チャージアンプ66,67か
らの互いに逆相の信号を差動増幅し、同信号のレベル
(振幅)を略2倍とし、ノイズを相殺した差動増幅信号
を発生する。そして、差動増幅器68は、この差動増幅
信号を前記同期検波回路56に出力する。同期検波回路
56は、駆動パルス信号と同相の同期信号に同期して、
差動増幅器68が与える差動増幅信号、すなわち検出振
動子12のねじれ回転振動に相当する信号(電圧)を検
波し、角速度信号を出力する。この角速度信号の振幅
(信号レベル)は加えられた角速度の大きさに対応して
おり、同角速度信号により加えられた角速度が検出され
る。
【0051】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、第1駆動振動子16及び第2駆
動振動子17を互いに逆相でx方向に振動駆動した。す
なわち、これら第1駆動振動子16及び第2駆動振動子
17は、x方向に安定した共振音叉振動とされており、
エネルギー消費率の高い振動となっている。そして、第
1駆動振動子16及び第2駆動振動子17から、例えば
検出振動子12に伝達されるx方向の振動を全体として
略相殺することができる。
【0052】また、本実施形態では、第1駆動振動子1
6及び第2駆動振動子17は、駆動同相対策ばね48が
介装されることで連成振動する。従って、例えば第1駆
動振動子16及び第2駆動振動子17が個別に設けられ
ているときに生じるような互いに同相の振動モードを除
去することができる。このため、例えば車載された場合
などのように振動の多い環境においても、これら第1駆
動振動子16及び第2駆動振動子17を安定動作させる
ことができる。
【0053】さらに、本実施形態では、角速度に基づく
検出振動子12のねじれ回転振動は、上記第1駆動用ば
ね41,42及び第2駆動用ばね46,47とは別体で
設けられた検出用ばね32〜34の振動に基づいている
ため、例えば第1及び第2駆動振動子16,17と検出
振動子12との間のメカニカルカップリングなどを抑制
することができる。
【0054】さらにまた、本実施形態では、例えば製造
ばらつきなどにより、第1及び第2駆動振動子16,1
7が互いに逆相でx方向に対して斜めに振動駆動された
場合にも、この斜め振動が検出振動子12に対してねじ
れ回転振動を誘起することを回避することができる。
【0055】一方、例えば所定方向に加えられる加速度
などの印加により、第1及び第2駆動振動子16,17
が互いに同相で所定方向に斜めに振動駆動された場合に
も、検出振動子12は略八角形の枠状に形成されている
ため、この斜め振動が検出振動子12に対してねじれ回
転振動を誘起することを回避することができる。
【0056】以上の動作を同時に実現することにより、
検出誤差の低減された精度の高い角速度センサを提供す
ることができる。 (2)本実施形態では、検出振動子12の径方向外側に
延びて応力緩和枠11(シリコン基板10)に支持され
る検出用ばね32,33及び同検出振動子12からy方
向に延びて点Oにおいて浮動体アンカーa10(シリコ
ン基板10)に支持される検出用ばね34にて同検出振
動子12を支持することで、その支持強度を増大するこ
とができる。
【0057】(3)本実施形態では、例えば外部の温度
変化や外力等の印加によるシリコン基板10からの応力
が、検出振動子12(センサ)側に伝達されることを緩
和することができる。
【0058】(4)本実施形態では、検出振動子12が
支持される応力緩和枠11をシリコン基板10(浮動体
アンカーa11)に対して基板応力緩和ばね31を介し
て点Oを通るz軸廻りに回転可能に支持するようにし
た。従って、上記検出振動子12のねじれ回転振動の共
振周波数を駆動時の共振周波数からずらし、角速度セン
サの応答性を確保することができる。
【0059】(5)本実施形態では、検出用ばね34を
駆動同相対策ばね48に連続形成した。従って、角速度
の印加により駆動同相対策ばね48を介して連成されて
楕円振動する第1及び第2駆動振動子16,17の共振
周波数、すなわち検出振動子12の共振周波数を駆動時
の共振周波数からずらし、角速度センサの応答性を確保
することができる。
【0060】(6)本実施形態では、検出用ばね32〜
34、第1駆動用ばね41,42、第2駆動用ばね4
6,47及び駆動同相対策ばね48を全て、x方向若し
くはy方向に延びる形状及びその組み合わせの形状とし
た。従って、例えばリソグラフによる半導体プロセス加
工を好適に行うことができる。
【0061】(第2実施形態)以下、本発明に係る角速
度センサの第2実施形態について図4に従って説明す
る。なお、第2実施形態の角速度センサは、第1実施形
態の角速度センサの主に形状を変更した構成であり、そ
の動作態様は第1実施形態と略同等となっている。
【0062】図4に示されるように、シリコン基板10
には、第1実施形態と同様の応力緩和枠11、第1及び
第2駆動力印加固定電極21,22、第1及び第2駆動
変位検出固定電極23,24、第1及び第2角速度検出
固定電極25,26、並びに浮動体アンカーa11と、
第1実施形態と形状の異なる導電性ポリシリコンの検出
振動子71、第1駆動振動子72及び第2駆動振動子7
3と、導電性ポリシリコンの第1補助固定電極83及び
第2補助固定電極84とが設けられている。なお、第1
及び第2補助固定電極83,84はシリコン基板10に
接合されている。ちなみに、浮動体アンカーa10及び
同浮動体アンカーa10に検出振動子を支持するための
検出用ばね(検出用ばね34)は、本実施形態では割愛
されているが、この角速度センサが点Oに関してxy平
面上に略対称に設けられていることは第1実施形態と同
様である。
【0063】上記検出振動子71は、前記検出振動子1
2に準じて形成・配置されている。この検出振動子71
の点Oを通るx方向を略45度回転した方向(以下、
「xy方向」という)一側及び他側(図4の右上側及び
左下側)には、同方向に略沿って外壁面から内壁面側に
切り欠かれた切欠き部71aがそれぞれ形成されてい
る。そして、検出振動子71は、各切欠き部71aから
xy方向外側に延びる導電性ポリシリコンの検出用ばね
76を介して前記応力緩和枠11に連続している。ま
た、この検出振動子71の点Oを通るy方向を略45度
回転した方向(以下、「−xy方向」という)一側及び
他側(図4の左上側及び右下側)には、同方向に略沿っ
て外壁面から内壁面側に切り欠かれた切欠き部71bが
それぞれ形成されている。そして、検出振動子71は、
各切欠き部71bから−xy方向外側に延びる導電性ポ
リシリコンの検出用ばね77を介して前記応力緩和枠1
1に連続している。
【0064】なお、上記検出振動子71の点Oを通るy
方向一側及び他側には、同方向に略沿って点O側に突出
する突部71cがそれぞれ形成されている。本実施形態
においても、検出振動子71を支持する検出用ばね7
6,77を、十字方向(点Oを通るxy方向、−xy方
向)に延びるように配置したことで、同検出振動子71
の姿勢はシリコン基板10に対して平行に維持される。
そして、これら検出用ばね76,77は、点Oを中心と
するz軸廻りの回転方向に撓み性が高く形成されている
ため、上記検出振動子71の点Oを中心とするz軸廻り
のねじれ回転は容易となっている。
【0065】上記第1駆動振動子72は、前記第1駆動
振動子16に準じて配置されている。この第1駆動振動
子72は、y方向一側及び他側の各段部72a,72b
を介してx方向一側(図4の右側)に順次、縮幅された
略ステップ状の枠に形成されている。この第1駆動振動
子72は、x方向外側(図4の右側)の外壁面において
上記検出振動子71の対向する内壁面との間に設けられ
た導電性ポリシリコンの第1駆動用ばね81を介して同
検出振動子71に連続している。また、上記第1駆動振
動子72は、中心側の外壁面のy方向一側及び他側にお
いて上記検出振動子71の対向する各突部71cとの間
に設けられた導電性ポリシリコンの第1駆動用ばね82
を介して同検出振動子71に連続している。
【0066】これら第1駆動用ばね81,82は、x方
向にのみ撓み性が高くなるようにy方向に延びる態様で
屈曲形成されている。上記第1駆動振動子72の中間の
枠には、前記駆動力印加可動電極16bと同様の駆動力
印加可動電極72cが形成されており、同駆動力印加可
動電極72cには前記第1及び第2駆動力印加固定電極
21,22がそれぞれ対向配置されている。従って、こ
の駆動力印加可動電極72cは、前記第1及び第2駆動
力印加固定電極21,22に供給される駆動信号により
同第1及び第2駆動力印加固定電極21,22との間で
の静電引力が周期的に変動され、上記第1駆動振動子7
2にx方向の振動を発生させる。
【0067】また、上記第1駆動振動子72の長幅側の
枠には、前記駆動変位検出可動電極16cと同様の駆動
変位検出可動電極72dが形成されており、同駆動変位
検出可動電極72dには前記第1及び第2駆動変位検出
固定電極23,24がそれぞれ対向配置されている。従
って、この駆動変位検出可動電極72dは、第1駆動振
動子72のx方向の振動により前記第1及び第2駆動変
位検出固定電極23,24との間での静電容量を変動さ
せる。
【0068】さらに、上記第1駆動振動子72の短幅側
の枠には、x方向略中間部においてy方向に沿って延び
る補助可動電極72eが形成されている。この補助可動
電極72eは、y方向に所定間隔をおいてx方向各側に
延びる略櫛歯状の電極となっている。この補助可動電極
72eは、前記第1及び第2駆動力印加固定電極21,
22とともに上記第1及び第2補助固定電極83,84
に供給される駆動信号により同第1及び第2補助固定電
極83,84との間での静電引力が周期的に変動され、
上記第1駆動振動子72のx方向の振動を助勢する。
【0069】一方、上記第2駆動振動子73は、前記第
2駆動振動子17に準じて配置されている。この第2駆
動振動子73は、同様にy方向一側及び他側の各段部7
3a,73bを介してx方向他側(図4の左側)に順
次、縮幅された略ステップ状の枠に形成されている。こ
の第2駆動振動子73は、x方向外側(図4の左側)の
外壁面において上記検出振動子71の対向する内壁面と
の間に設けられた導電性ポリシリコンの第2駆動用ばね
86を介して同検出振動子71に連続している。また、
上記第2駆動振動子73は、中心側の外壁面のy方向一
側及び他側において上記検出振動子71の対向する各突
部71cとの間に設けられた導電性ポリシリコンの第2
駆動用ばね87を介して同検出振動子71に連続してい
る。
【0070】これら第2駆動用ばね86,87は、x方
向にのみ撓み性が高くなるようにy方向に延びる態様で
屈曲形成されている。上記第2駆動振動子73にも、上
記駆動力印加可動電極72cと同様の駆動力印加可動電
極73cが形成されている。この駆動力印加可動電極7
3cも、前記第1及び第2駆動力印加固定電極21,2
2に供給される駆動信号により同第1及び第2駆動力印
加固定電極21,22との間での静電引力が周期的に変
動され、上記第2駆動振動子73にx方向の振動を発生
させる。
【0071】また、上記第2駆動振動子73にも、上記
駆動変位検出可動電極72dと同様の駆動変位検出可動
電極73dが形成されている。この駆動変位検出可動電
極73dも、第2駆動振動子73のx方向の振動により
前記第1及び第2駆動変位検出固定電極23,24との
間での静電容量を変動させる。
【0072】さらに、上記第2駆動振動子73にも、上
記補助可動電極72eと同様の補助可動電極73eが形
成されている。この補助可動電極73eも、前記第1及
び第2駆動力印加固定電極21,22とともに上記第1
及び第2補助固定電極83,84に供給される駆動信号
により同第1及び第2補助固定電極83,84との間で
の静電引力が周期的に変動され、上記第2駆動振動子7
3のx方向の振動を助勢する。
【0073】なお、上記第1及び第2駆動振動子72,
73は点Oを通るy軸に対して略対称に配置されている
ため、第1実施形態と同様に第1及び第2駆動振動子7
2,73はx方向に安定した共振音叉振動とされてお
り、エネルギー消費率の高い振動となっている。
【0074】ここで、上記第1及び第2駆動振動子7
2,73の対向壁面は、導電性ポリシリコンの連成ばね
としての駆動同相対策ばね88を介して連結されてい
る。この駆動同相対策ばね88も、x方向にのみ撓み性
が高くなるように中心側からy方向外側に延びる態様で
屈曲形成されている。上記第1及び第2駆動振動子7
2,73は、この駆動同相対策ばね88により連成振動
するため、同相の振動モードが除去されている。従っ
て、例えば車載された場合などのように振動の多い環境
においても、これら第1及び第2駆動振動子72,73
は安定動作する。
【0075】上記第1及び第2駆動振動子72,73が
x方向に共振音叉振動している状態において点Oを通る
z軸廻りの角速度が加わると、同第1及び第2駆動振動
子72,73はこの角速度に基づくコリオリ力により互
いに逆向きのy方向の振動成分を有する相対的に逆相の
楕円振動を行う。このとき、上記第1及び第2駆動振動
子72,73は、それぞれx方向にのみ撓み性が高い第
1駆動用ばね81,82及び第2駆動用ばね86,87
を介して検出振動子71に連結されているため、同検出
振動子71には点Oを通るz軸廻りのねじれ回転振動が
誘起される。
【0076】上記検出振動子71の点Oを通るz軸廻り
のねじれ回転振動は、第1及び第2角速度検出固定電極
25,26と検出振動子71(角速度検出可動電極3
7)との間の静電容量の振動として検出される。そし
て、上記検出振動子71の点Oを中心とするz軸廻りの
ねじれ回転振動の状態により、加えられたz軸廻りの角
速度が検出されるようになっている。
【0077】なお、第2実施形態の角速度センサの角速
度検出に係る電気的構成は、上記第1及び第2駆動力印
加固定電極21,22とともに第1及び第2補助固定電
極83,84に駆動回路52,53からの駆動信号A,
Bが供給されることを除き、第1実施形態と同様である
ため、その説明は省略する。また、上記した構成におい
ては、検出振動子12(71)の外側に櫛歯状の電極
(調整電極)を設け、この櫛歯状の電極に所定の空隙を
保って対向させた固定電極に、直流電圧を印加すること
により検出振動子12(71)に電気的な吸引力を発生
させて、検出振動子12(71)の共振周波数を変える
ことも可能である。
【0078】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、前記第1実施形態における(1)、(3)及び
(4)の効果に加えて以下に示す効果が得られるように
なる。 (1)本実施形態では、第1及び第2駆動振動子72,
73の振動駆動力を助勢するためにそれぞれ補助可動電
極72e,73eと、対向する第1及び第2補助固定電
極83,84を設けた。従って、これら第1及び第2駆
動振動子72,73の振動駆動力を好適に確保すること
ができる。
【0079】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。 ・前記各実施形態においては、応力緩和枠11及び検出
振動子12,71を略八角枠状に形成したが、点Oに関
して略対称であるならば、略円環状であってもその他の
多角形の枠状であってもよい。
【0080】・前記各実施形態において採用された第1
駆動振動子16,72及び第2駆動振動子17,73の
形状は一例であってその他の形状としてもよい。例え
ば、これら第1駆動振動子16,72及び第2駆動振動
子17,73を、点Oを通るy軸に対して略対称となる
略多角形、略円形、略半円形等の枠状に形成してもよ
い。また、枠状ではなく骨格状に形成してもよい。
【0081】・前記各実施形態において採用された第1
駆動振動子16,72及び第2駆動振動子17,73の
x方向の駆動構造(駆動回路部)は一例であってその他
の構造を採用してもよい。例えば、第1駆動振動子1
6,72のみに駆動信号(電圧)を印加して同第1駆動
振動子16,72をx方向に振動駆動し、共振作用によ
って第2駆動振動子17,73をx方向に逆相で振動駆
動するようにしてもよい。
【0082】・前記各実施形態におけるシリコン基板1
0に代えて、例えば多結晶、単結晶、又は非晶質のS
i,Ge,SiC,SixGe1-x ,SixGeyC1-
x-y にて形成された基板としてもよい。
【0083】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)請求項3に記載の角速度センサにおいて、前記検
出用ばねは前記連成ばねに連続形成されていることを特
徴とする角速度センサ。第1及び第2駆動振動子は、点
Oを通るy方向に対して略対称となるように上記検出振
動子に対して支持されており、上記検出用ばねは同検出
振動子からy方向に延びて点Oにおいて基板に支持され
ている。従って、上記検出用ばねが連成ばねに連続形成
されているものの、上記第1及び第2駆動振動子は互い
に逆相でx方向に振動するため、同検出用ばねに伝達さ
れるx方向の振動は全体として略相殺されている。換言
すると、この検出用ばねは、上記第1及び第2駆動振動
子の連成振動の不動部に一致しており、同検出用ばねが
連成ばね、すなわち第1及び第2駆動振動子の連成振動
に及ぼす影響はわずかとなっている。従って、第1及び
第2駆動振動子は、所定の共振周波数にて振動する。一
方、上記第1及び第2駆動振動子が互いに逆相でx方向
に振動している状態において、点Oを通るz軸廻りの角
速度が加わると、これら第1及び第2駆動振動子は相対
的に逆相の楕円振動をする。これにより、上記検出用ば
ねはねじれ振動し、検出振動子は点Oを通るz軸廻りの
ねじれ回転振動をする。このとき、上記連成ばねを介し
て連成されて楕円振動する第1及び第2駆動振動子の共
振周波数、すなわち検出振動子の共振周波数がずらされ
る。これにより、角速度センサの応答性が確保される。
【0084】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、検出誤差の低減された精度の高い角
速度センサを提供することができる。
【0085】請求項4に記載の発明によれば、外部の温
度変化や外力等の印加による基板からの応力が、検出振
動子(センサ)側に伝達されることを緩和することがで
きる。
【0086】また、角速度センサの応答性を確保するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る角速度センサの第1実施形態を示
す平面図。
【図2】同実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の第1及び第2駆動力印加固定電極
に印加される駆動信号を示すタイムチャート。
【図4】本発明に係る角速度センサの第2実施形態を示
す平面図。
【符号の説明】
11 応力緩和枠 12,71 検出振動子 16,72 第1駆動振動子 17,73 第2駆動振動子 32〜34,76,77 検出用ばね 41,42,81,82 第1駆動用ばね 46,47,86,87 第2駆動用ばね 48 連成ばねとしての駆動同相対策ばね

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 xy平面上の点Oに関して略対称に配
    置された第1駆動振動子及び第2駆動振動子と、 点Oに関して略対称な略円形及び略多角形のいずれか一
    方の枠状に形成されて前記第1駆動振動子及び第2駆動
    振動子を包囲する検出振動子と、 点Oを通るy方向に対して略対称となるように前記検出
    振動子に対して前記第1駆動振動子及び第2駆動振動子
    をそれぞれx方向に振動可能に浮動支持する第1駆動用
    ばね及び第2駆動用ばねと、 前記検出振動子を基板に対して点Oを通るz軸廻りにね
    じれ回転振動可能に浮動支持する複数の検出用ばねと、 前記第1駆動振動子及び第2駆動振動子に介装されて該
    第1駆動振動子及び第2駆動振動子を連成振動させる連
    成ばねと、 前記第1駆動振動子及び第2駆動振動子を逆相でx方向
    に振動駆動する駆動手段と、 前記検出振動子の点Oを通るz軸廻りのねじれ回転振動
    を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする角速度
    センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の角速度センサにおい
    て、 前記検出用ばねは、前記検出振動子の径方向外側に延び
    て基板に支持されることを特徴とする角速度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の角速度センサ
    において、 前記検出用ばねは、前記検出振動子からy方向に延びて
    点Oにおいて基板に支持されることを特徴とする角速度
    センサ。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の角速度センサにおい
    て、 点Oに関して略対称な略円形及び略多角形のいずれか一
    方の枠状に形成されて前記検出振動子を包囲する応力緩
    和枠と、 前記応力緩和枠を基板に対してxy平面上に振動可能に
    浮動支持する応力緩和ばねとを備え、 前記検出振動子を支持する検出用ばねは、前記応力緩和
    枠及び応力緩和ばねを介して基板に支持されることを特
    徴とする角速度センサ。
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