発明の名称
ォキシメチレン共重合体樹脂組成物
発明の背景
技術分野
本発明は、 ォキシメチレン共重合体樹脂組成物に関する。 更に詳しく は、 本発明は、 ォキシメチレンモノ マー繰リ返し 単位中にォキシアルキ レンモノ マー単位が特定の割合で挿入 されてなる複数のォキシメチ レン共重合体鎖を有し且つ特定 の末端基を有するォキシメチレン共重合体樹脂と、 微粉砕さ れたポリ —ァラニンとを包含するォキシメチ レン樹脂組成 物に関する。 本発明のォキシメチ レン共重合体樹脂組成物は、 従来のォキシメチレン重合体及びォキシメチレン重合体組成 物と比較しそ、 同等又はそれ以上の機械物性を有する と共に、 これまでに果たし得なかった優れた熱的安定性を示す。 従来 のォキシメチ レン重合体においては、 成形時の加熱によ リ重 合体鎖の不安定末端部分が分解してホルムアルデヒ ドが生成 し、 該ホルムアルデヒ ドが酸化されて蟻酸とな リ 、 その蟻酸 が重合体主鎖の分解を促進する という重大な問題があった。 本発明のォキシメチ レン共重合体樹脂組成物においては、 特 定量挿入されているォキシアルキレンモノマー単位の作用に よって、 重合対主鎖の不安定末端部分の分解によるホルムァ ルデヒ ドの望ましく ない生成そのものが抑制されるのみなら ず、 それでも完全にその生成が抑制されないで、 生成するホ
ルムアルデヒ ドを、 該組成物に含まれる微粉砕ポリ 3 —ァラ ユンが効率よく捕捉するので、 ォキシメ チレン共重合体の分 解を促進する蟻酸の生成を効果的に抑制するこ とができ、 従 つて、 本発明のォキシメチレン共重合体樹脂組成物は、 従来 のォキシメチレン重合体及びォキシメチレン重合体組成物に 較べ酸素含有雰囲気下での熱安定性が極めて高い。
従来技術
ォキシメチレンホモポリ マーは、 バランスのとれた機械物 性と優れた疲労特性を有している事から広く 自動車、 電気部 品等に利用されている。 しかしながら、 従来のォキシメチレ ンホモポリマーは、 成形時における熱安定性は満足できるも のではなかった。 このォキシメ チレンホモポリ マーの成形時 の熱安定性不良原因は、 ォキシメ チレンホモポリ マーの末端 基であるァセチル基が、 成形時の加熱によ リオキシメチレン ホモポ マーの末端から簡単に脱離し、 末端部分の分解が進 んで、 生じるホルムアルデヒ ドが増大するためである。 ホル ムアルデヒ ドが増大すると成形時に樹脂が発泡したリ、 成形 品の表面にガス状のホルムアルデヒ ドが抜けたラインが残リ 、 外観が不良になる等の不利が生じる。 更に、 発生したホルム アルデヒ ドは成形機中の酸素にょ リ酸化されて蟻酸となリ、 ォキシメチレンホモポリマーの主鎖分解を促進する。
日本国、 特開平 5 — 5 0 1 7号には、 ォキシメチレンホモ ポリマー中に少量のォキシアルキレンモノマーを挿入し、 力
つ末端基の中でホルメー ト基の量を制限するこ とによって、 熱安定性が向上し且つ機械物性がォキシメチ レンホモポリマ
—と同等のォキシメチ レン共重合体が開示されている。 しか しながら該ォキシメチ レン共重合体は窒素下での熱安定性は 向上しているものの、 ょ リ成形条件に近い、 酸素含有雰囲気 条件下での熱安定性は不良であった。
また日本国、 特開平 2 — 2 4 7 2 4号には、 ォキシメチレ ン重合体とポリ 一ァラニンの組成物が開示されている。 こ の組成物においてォキシメチレンホモポリマーを用いた場合 には、 成形時の加熱にょ リ末端のァセチル基が脱離し、 末端 部分の分解が進むため、 酸素含有雰囲気条件下での熱安定性 はまだ不良であった。 一方、 市販のォキシメチレン共重合体 を用いた場 には、 機械物性が不良となる問題があった。
発明の概要
このよ うな状況下にあって、 本発明者らは、 従来のォキシ メチレン重合体及ぴォキシメチレン重合体組成物と同等又は それ以上の機械物性を有し、 しかも、 従来のォキシメチ レン 重合体及びォキシメチ レン重合体組成物に較べて、 酸素含有 雰囲気条件下での熱安定性に優れるォキシメチ レン共重合体 樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を行なった。 その結果、 意 外にも、 ォキシメチレンモノマー単位の繰リ返し中にォキシ アルキレンモノ マー単位が挿入されてなる複数のォキシメチ レン共重合体鎖から構成されるォキシメチ レン共重合体樹脂
と、 ポリ 3 —ァラニンとを包含してなるォキシメチレン共重 合体樹脂組成物において、 該ォキシアルキレンモノ マー単位 を特定の量挿入し、 且つ平均粒径 6 m以下という特定の粒 径の微粉碎されたポリ i8 —ァラニンを用いる と、 意外にも、 極めて高い熱安定性が達成されるこ とを知見した。 又、 本発 明者らは、 本発明のォキシメチレン共重合体樹脂組成物のこ の意外な効果について更に研究の結果、 本発明のォキシメチ レン共重合体樹脂組成物においては、 特定量挿入されている ォキシアルキレンモノ マー単位の作用によって、 重合体主鎖 の不安定末端部分の分解によるホルムアルデヒ ドの望ましく ない生成そのものが抑制されるのみならず、 それでもその生 成が完全に抑制されないで生成するホルムアルデヒ ドを、 平 均粒径 6 // m以下の微粉砕されたポリ /3 —ァラニンが、 効率 よ く捕捉して、 共重合体主鎖の分解を促進する蟻酸の生成を 効果的 1こ抑制し、 本発明のォキシメチ レン共重合体樹脂組成 物に極めて高い熱安定性を賦与するこ と を知見した。 本発明 は、 これらの知見に基いて完成したものである。
従って、 本発明の目的は、 従来のォキシメチ レン重合体及 ぴォキシメチ レン重合体組成物と比較して、 同等又はそれ以 上の機械物性を有すると共に、 これまでに果たし得なかった 優れた熱的安定性を示すォキシメ チ レン共重合体榭脂組成物 を提供するこ とにある。
発明の詳細な説明
本発明によれば、
(A) 複数のォキシメ チレン共重合体鎖からな り 、 各共重合 体鎖が、 ォキシメ チレンモノマー繰リ返し単位及ぴ該ォキシ メチ レンモノ マー単位の繰リ返し中に挿入された炭素数が少 なく と も 2個のォキシアルキレン単位を含み、 該ォキシアル キレンモノマー単位は該ォキシメ チレン乇ノマー単位に対し て 0. 0 5〜 0. 5 m o l %存在し、 且つ該複数のォキシメ チレン共重合体鎖が全体と して、 末端基と して、 炭素数が少 なく と も 1個のアルコキシル基、 炭素数が少なく と も 2個の ヒ ドロ キシアルキル基及びホルメ ー ト基を有してなるォキシ メ チレン共重合体樹脂 1 0 0重量部、 及び
( B ) 平均粒径が 6 μ πι以下のポリ ァラニン 0 . 0 1 〜 3. 0重量部
を包含してなるォキシメチ レン共重合体樹脂組成物が提供さ れる。
本発明においてォキシメチレン共重合体樹脂の構造で重要 なのは、 ォキシメチレンモノマ—単位中のォキシアルキレン モノマー単位の量である。 ォキシメ チ レンモノ マー単位中の ォキシアルキレンモノマー単位の揷入量はォキシメ チレンモ ノマー単位に対して 0 . 0 5〜 0 . 5 m o l %、 好ま しく は 0. 1 〜 0. 4 m o 1 %である。 ォキシァノレキレンモノマー 単位の挿入量が 0. 0 5 m o l %未満の場合は酸素含有雰囲 気条件下での加熱分解によるホルムアルデヒ ドの生成が増大
する。 この場合、 ォキシメ チ レン共重合体樹脂に、 ポリ /3 — ァラニンを添加しても、 加熱分解によるホルムアルデヒ ドの 生成が多過ぎるために、 十分にホルムアルデヒ ドを捕捉する こ とができない。 更に、 ホルムアルデヒ ドが酸化され蟻酸が 生成して、 ォキシメ チ レン共重合体の主鎖分解を促進するた め熱安定性が益々不良となる。 一方ォキシアルキ レンモノマ 一単位の揷入量が 0 . 5 m o 1 %を越える と 、 機械物性の低 下が顕著になる。
これらォキシアルキレン単位の挿入量は、 ォキシメ チレン 共重合体樹脂を 3規定の塩酸水溶液で加熱分解し、 分解溶液 中のアルキ レンダリ コールを分析する事によ リ 求める こ とカ でき る。
次に、 本'発明におけるォキシメ チレン共重合体樹脂に含ま れるォキシメ チレン共重合体鎖の末端基について説明する。
本発明において、 ォキシメ チレン共重合体樹脂を構成する 複数のォキシメ チレン共重合体鎖が全体と して有する末端基 は、 メ トキシル基等のアルコキシル基、 ヒ ドロ キシェチル基 等のヒ ドロキシアルキル基、 及びホルメ ー ト基である。
炭素数が少なく と も 1 個の末端アルコキシル基は、 重合段 階で添加される分子量調整剤であるホルマールによ リ形成さ れる。 例えば、 一般的にはメ チラール [ ( C H 3 0 ) 2 C H 2 ] を分子量調整剤と して用いるが、 この場合は末端基と してメ トキシル基が形成される。 末端アルコキシル基の炭素数は特
に限定されないが、 分子量調整剤であるホルマールの合成及 ぴ精製面から、 炭素数 1〜 1 0 である こ とが好ま しく 、 炭素 数 1〜 3であるこ とが更に好ま しい。
ヒ ドロキシェチル基 (一 C H
2 C H
2 O H ) ゃヒ ドロ キシブ チル基のよ う な末端ヒ ドロ キシアルキル基は、 後述する よ う に、 ォキシメ チレン共重合体樹脂の原料'と して用いる環状ェ 一テル又は環状ホルマールに由来し、 以下のよ う な過程で形 成される。 即ち、 環状エーテル又は環状ホルマールに由来す. るォキシアルキレン基がォキシメ チレン単位の繰返し中に揷 入されたォキシメチレン共重合体を重合した際に、 まず、 原 料中の微量な水等によ リ熱的に不安定な末端ヒ ドロキシメ チ ル基が生成する。 この末端にヒ ドロキシメ チル基を有するォ キシメチレ'ン共重合体を、 後で詳細に説明する後処理、 例え ば、 ト リ エチルアミ ン水溶液のよ う なアル力 リ 性物質水溶液 の存在下で加熱処理、 に付すと、 ヒ ドロ キシメ チル基を含む 末端の不安定部分が分解する。 この分解が、 ォキシメ チレン 単位及びォキシアルキ レン単位を含む主鎖中を内へ向かって 進行していく と、 ォキシアルキ レン単位の部位に到達する と、 その部位の該ォキシアルキレン単位はヒ ドロキシェチル基や ヒ ドロ キシブチル基等の安定末端に変わる。 ヒ ドロ キシアル キル基の炭素数は特に限定はなく 、 一般に少なく と も 2個で あるが、 2〜 1 0個である こ とが環状エーテル及び環状ホル マールの合成及び精製面から好ま しい。 ォキシメ チレン共重
合体に末端基と してヒ ドロキシメ チル基が存在する と 、 成形 時の加熱によ リ該ヒ ドロキシメ チル基が末端から脱離し、 ホ ルムアルデヒ ドを生成する。 このよ う に不安定な末端ヒ ドロ キシメ チル基が多く 存在する と、 生成するホルムアルデヒ ド が過剰にな リ 、 ポリ —ァラニンを添加しても、 捕捉できな いホルムアルデヒ ドが多く なる上に、 成形機中の酸素にょ リ ホルムアルデヒ ドが酸化され、 蟻酸が生成してォキシメチレ ン共重合体の主鎖分解を促進するため、 熱安定性が不良とな る。 本発明においては、 ヒ ドロキシメ チル基を含む末端の不 安定部分を安定基に変え、 ォキシメ チ レン共重合体樹脂を窒 素下において 2 3 0
eC、 1 0 0分間加熱した時に、 下式によ リ規定される重量減少率 Rが 3 %以下である こ とが好ま しい。
R ( % ) = X 1 0 0
(式中、 は加熱前のォキシメ チレン共重合体樹脂の重量 であ リ 、 W2は加熱後のォキシメ チレン共重合体樹脂の重量 である)
ホルメー ト基 (一 O O C H) は、 重合中の副反応であるハ ィ ドライ ドシフ ト反応 (H.D. Herman, E. Fisher, K.We isser me 1, Mac romo 1 chem. , 91, p.1, 1966を参照) によ リ オキシ メ チ レン共重合体主鎖が分解して生成する。 ォキシメ チ ン
共重合体樹脂中のホルメー ト基の量比は, ォキシメチ レン共 重合体樹脂を熱プレス して得たフィルムの赤外分光スぺク ト ルにおいて、 吸収波数 1 7 1 0 c m— 1における末端ホルメー ト基の吸光度を D 1710、 吸収波数 1 4 7 0 c m— 1におけるォ キシメチ レン基の吸光度を D 1470と し、 これら吸光度の比 D 1710ZD 1470で表すことができる。 本発明におけるォキシメ チレン共重合体樹脂中の末端ホルメー ト基は式 D 171。ZD 14 70≤ 0 . 0 2 5で表される関係を満足するよ う な量であるこ . とが好ましく 、 D moZD To O . 0 2で表される関係を 満足する量であるこ とが更に好ま しい。 D 1710ZD 1470の値 が 0 . 0 2 5 を超えると、 加熱時にォキシメチ レン共重合体 鎖の末端からホルメー ト基が脱離して生成するホルムアルデ ヒ ドが過剰になリ、 ポリ jS —ァラニンを添加してもホルムァ ルデヒ ドを完全に捕捉することができなく なる。 更に、 成形 機中の酸素にょ リ ホルムアルデヒ ドが酸化され、 蟻酸が生成 して熱安定性が不良となる。
0
次に本発明におけるォキシメ チ レン共重合体樹脂の製造方 法について説明する。
本発明のォキシメ チレン共重合体は、 ホルムアルデヒ ドも しく は ト リ オキサンと、
式 1
(式中、 R 1及び R 2は、 それぞれ独立して、 水素原子、 炭 L 〜 4 'のアルキル基、 又は炭素数 6 〜 1 2 のァ リ ール基 であ リ 、 mは 2〜 6 の整数である)
で表される環状エーテル、
も しく は、
式 2
(式中、 R 3及び R 4は、 それぞれ独立して水素原子、 炭素 数 1 〜 4のアルキル基、 又は炭素数 6 〜 1 2のァ リール基で ぁリ、 mは 2 〜 6の整数である)
で表される環状ホルマールとをカチオン重合触媒を用いて共 重合し、 製造するこ とが出来る。
上記式 1 で表される環状エーテルの例と しては、 エチ レン ォキシ ド、 プロピレンォキシド、 ブチレンォキシ ド及ぴスチ レンォキシ ド等が挙げられる。 これ等の中でエチレンォキシ ドが特に好ま しい。
上記式 2で表される環状ホルマールの例と しては、 ェチレ ングリ コールホルマール ( 1 , 3 —ジォキソラン) 、 ジェチ レ ングリ コ ーノレホノレマーノレ、 1 , 3 —プロパンジォーノレホノレ マーノレ、 1 , 4 —ブタンジォーノレホノレマ ーノレ、 1 , 5 —ペ ン タンジォーノレホノレマーノレ及び 1 , 6 —へキサンジォーノレホノレ マールなどが挙げられる。 これ等の中でエチレングリ コール ホルマール ( 1 , 3 —ジォキソラン) 及ぴ 1 , 4 —ブタンジ オールホルマール等が特に好ま しい。
上記の環状エーテル及び環状ホルマールの炭素数は特に限 定されないが、 環状エーテル及び環状ホルマールの合成及び 精製面から、 環状エーテルは炭素数 2 〜 1 0であるこ とが好 ま しく 、 環状ホルマールは炭素数 3 〜 1 1 であるこ とが好ま しい。
上記の環状エーテル及び環状ホルマールは、 各々、 単独で
用いても良く 、 二種以上を組み合わせて用いて も良い。
本発明において、 環状エーテル及び環状ホルマールは、 主 モノマーと してホルムアルデヒ ドを用いた場合はホルムアル デヒ ドに対し、 0 . 0 5〜 0 . 8 m o l %用い、 主モノマー と して ト リ オキサンを用いた場合は ト リ ォキサンに対し、 0 . 1 5 〜 2 . 5 m 0 1 %用いる。
本発明において、 ォキシメ チ レン共重合体樹脂を得るため に用いられるカチオン重合触媒の例と しては、 三フッ化ホウ 素、 四塩化スズ、 四塩化チタ ン、 五フ ッ化リ ン及ぴ五塩化リ ン等のルイ ス酸及びその錯化合物又はその塩、 及び ト リ フル 才ロ メ タ ンスノレホン酸、 ペンタ フノレ才ロエタ ンスノレホン酸、 ヘプタ フノレォロ プロバンス /レホン酸、 ノ ナフノレォロ ブタ ンス ルホン酸、 ゥンデカ フノレォロペンタ ンスノレホ ン酸及ぴパーフ ルォロヘプタ ンスルホン酸等の超強酸及びその誘導体が挙げ られる。 三フ ッ化ホウ素の錯化合物の具体例と しては、 三フ ッ化ホウ素ジブチルエーテル等が挙げられる。 超強酸の誘導 体の例と しては、 超強酸無水物、 超強酸のアルキルエステル 及び超強酸のアルキルシリルエステル等が挙げられる。 超強 酸無水物の具体例と しては、 ト リ フルォロ メ タ ンスルホン酸 無水物、 ペンタ フルォロエタ ンスルホン酸無水物、 ヘプタ フ ノレォロ プロパンスノレホン酸無水物、 ノ ナフノレォロ ブタ ンスル ホン酸無水物、 ゥンデカフルォロペンタ ンスルホン酸無水物 及びパーフルォロヘプタ ンスルホン酸無水物等が挙げられる。
超強酸アルキルエステルの具体例と しては、 ト リ フルォロメ タンスルホン酸メ チル、 ト リ フルォロメ タ ンスルホン酸ェチ ル、 ペンタフルォロエタンスルホン酸メ チル及びヘプタフル ォロプロパンスルホン酸メ チル等が挙げられる。 超強酸のァ ルキルシリルエステルの具体例と しては、 ト リ フルォロメ タ ンスルホン酸 ト リ メ チルシリル及び ト リ 'フルォロ メ タ ンスル ホン酸 ト リ エチルシリル等が挙げられる。 これら触媒のなか でも特に三フ ッ化ホウ素、 三フ ッ化ホウ素ジブチルエーテル 等の三フ ッ化ホウ素の錯化合物及び ト リ フルォロ メ タ ンスル ホン酸及びその誘導体が好ま しい。
カチオン重合触媒の濃度に関しては、 例えば、 触媒が三フ ッ化ホウ素又は三フ ッ化ホウ素の錯化合物の場合は、 原料で あるホルムアルデヒ ド又は ト リ オキサン、 及ぴ環状エーテル 又は環状ホルマールの合計 1 m o 1 に対し、 5 X 1 0— 6 5 X 1 0 _5m o l 、 更に好ま しく は 0 . 5 X 1 0 4 X 1 0一5 m o 1 であ リ 、 触媒が ト リ フルォロスルホン酸又はその 誘導体の場合は、 原料であるホルムアルデヒ ド又は ト リ オキ サン、 及び環状エーテル又は環状ホルマールの合計 1 m o 1 に対し、 1 X 1 0 5 X 1 0— 7m o l 、 更に好ま しく は 5 X 1 0— 8 3 X l O—8m o l である。 これら触媒を上記の 範囲よ り少なく 用いた場合は、 ォキシメ チレン共重合体樹脂 の収率が低下し、 上記の範囲よ リ 多く 用いた場合には、 ォキ シメ チレン共重合体樹脂中に残存するカチオン重合触媒によ
リ、 ォキシメチ レン共重合体榭脂が酸分解し、 ォキシメチ レ ン共重合体樹脂の熱安定性が低下する。 又、 カチオン重合触 媒が過多になる と重合時のハイ ドライ ドシフ ト反応が顕徴と なリ、 末端ホルメー ト基が増加し D 1710/D 1470≤ 0 . 0 2
5で表される関係が満足出来なく なる。
本発明に用いられる重合装置と しては、 バッチ式、 連続式 のいずれでもよ く特に制限はない。 バッチ式重合装置と して は、 一般に撹拌機付きの反応槽が使用でき、 連続式装置と し ては、 コニーダー、 2軸スク リ ュー式連続押出し混練機、 .2 軸のパ ドルタイプの連続混合機などのセルフク リーニング型 混合機が使用できる。 重合は、 6 0〜 2 0 0 °C、 好ま しく は、 6 0〜 1 4 0 °Cで、 常圧下で行う こ とが出来る。 また、 重合 時間は、 に制限はないが、 一般に 1 0秒以上 1 0 0分以下 の範囲内で選ばれる。 重合後、 重合体中に含まれる触媒は、 解重合を起こすため、 通常、 触媒を失活する。 一般には ト リ ェチルアミ ンなどの塩基性物質を含む水溶液、 あるいは有機 溶媒と接触させるか、 あるいは塩基性物質を添加溶融混合す るこ とによって中和失活する方法が取られている。
前記したよ う に、 重合後得られるォキシメチレン共重合体 樹脂は、 ヒ ドロキシメチル基を含む末端の不安定部分を有し ている。 従来公知の方法によってこれを安定末端に変えるこ とができる。 例えば ト リエチルアミ ン水溶液などのアル力 リ 性物質を用いて 1 8 0 eC〜 2 5 0 °Cで 3 0秒〜 2 0分間加熱
処理をする事によって、 不安定な末端ヒ ドロキシメチル基を ヒ ドロキシェチル基、 又はヒ ドロキシブチル基等の安定なヒ ドロキシアルキル基に変えて末端を安定にするこ とができる。 上記したよ う に、 この工程においては、 窒素下において、 2 3 0 °C、 1 0 0分間加熱した時のォキシメチレン共重合体樹 脂の重量減少率 (R) が 3 %以下となるまで、 ヒ ドロキシメ チル基を含む不安定末端を安定末端に変えるのが好ま しい。 このためには処理時間の延長、 および高濃度のアルカ リ性物 質の添加を行なってもよい。 上記したよ う に、 ォキシアルキ レンモノマー単位が、 ォキシメ チレンモノマー単位に対して 0 . 0 5 m o l %未満である場合には、 ォキシメチレン共重 合体樹脂の熱安定性が不良になるため、 ヒ ドロキシメチル基 を含む不安'定末端の安定末端への変更が不完全となり 、 その 結果、 窒素下において、 2 3 0で、 1 0 0分間加熱した時の ォキシメチレン共重合体樹脂の重量減少率 ( R ) を 3 %以下 にすることができなく なる。
本発明において、 ォキシメチレン共重合体樹脂の数平均分 子量は、 約 3, 0 0 0〜約 2 0 0, 0 0 0であ り 、 1 9 0 °C、 A S TM D 1 2 3 8 に従って測定したメル トインデックス は、 約 0 . 5〜約 2 0 0 g Z l 0 ni i nである。
本発明のォキシメチレン共重合体樹脂組成物においては、 成分 ( B ) と して、 平均粒径が 6 m以下の微粉砕されたポ リ ーァラニンを使用する。 このよ う に微粉碎されたポリ
6
—ァラニンを用いる こ と によって、 ホルムアルデヒ ドを効率 よ く 捕捉する こ とができ る。 本発明において使用可能なポリ ーァラニンの例と しては、 米国特許第 4, 8 5 5, 3 6 5 号、 日本国特公平 4 一 4 3 4 0号、 日本国特開昭 6 3 — 1 1 8 3 2 8号、 日本国特開平 2 — 2 5 1 5 3 5号及び日本国特 開平 3 — 2 3 4 7 2 9号に記載されている ものが挙げられる 上記ポリ /? ーァラニンを構成する主モノマーはァク リルァ ミ ドであ リ 、 式 ( I ) 及び式 ( Π ) :
- C H2— C H2— C O NH - ( I )
H 2— C H^-
( Π )
C O N H 2
で表される繰返し単位よ リ なる共重合体である。 この ;3 —ァ ラニン中のア ミ ド基がホルムアルデヒ ドと反応し、 該ホルム アルデヒ ドを捕捉する。
又、 上記ポリ ) 3 —ァラユンは、 アク リ ルア ミ ドと、 アタ リ ルアミ ド以外でビニル基を有するモノマーとの共重合体であ つてもよい。 アク リルア ミ ド以外でビニル基を有するモノマ 一の例と しては、 n—ブチルメ タク リ レー ト、 イ ソブチルメ タク リ レー ト、 ステア リ ルメ タク リ レー ト、 ジビュルべンゼ ン、 エチレンビスアク リ ルア ミ ド、 及び N, N, ーメ チレン ビスアク リルア ミ ドが挙げられ、 これ等の中でも特に N, N —メチレンビスアク リルア ミ ドが好ま しい。
本発明で用いるポリ jS —ァラニンは、 アク リ ルア ミ ド単独、 又はアク リルア ミ ドと ビ二ル基を有するモノ マーと を、 カル シゥムアルコキシ ド、 ジルコニウムアルコキシ ド等の金属ァ ルコラー トの存在下で重合する こ と によ リ得る こ とができ る。
本発明において、 ポリ 一ァラニンは、 上記製法によ り製 造された後に、 平均粒径が 6 μ m以下の粒子にする必要が有 る。 このポリ 3 —ァラニンは、 ォキシメ チレン共重合体樹脂 . 組成物の成形温度では不溶融性であるため、 その平均粒径が 小さいほど単位重量あた り の表面積が増加し、 酸素含有雰囲 気下で加熱した時に発生するホルムアルデヒ ドを効率良く捕 捉する。 こ のポリ ]5 —ァラニン添加によ り 、 酸化されるホル ムアルデヒ ドが減少し、 その結果蟻酸の生成が抑えられ、 酸 素含有雰囲気下におけるォキシメ チレン共重合体樹脂組成物 の熱安定性が向上する。 一方ポリ J3 —ァラニンの平均粒径が 6 μ πιを越える と、 加熱時に発生するホルムアルデヒ ドを効 率良く 捕捉できなく なるので大量のポ リ iS —ァラニンを必要 とするため、 成形時の滞留によ リ オキシメチレン共重合体樹 脂組成物が着色し、 成形品の外観不良を起こす。 このポリ ーァラニンの添加量は、 ォキシメ チレン共重合体樹脂 1 0 0 重量部に対して 0 . 0 1 〜 3 . 0重量部、 好ま しく は 0 . 1 〜 0 . 5重量部である。 0 . 0 1 重量部未満である と、 成形 時のホルムアルデヒ ド捕捉が不充分であ り 、 3 . 0重量部を
越えた場合は、 上記したよ う に成形時の滞留によ リ オキシメ チレン共重合体樹脂組成物が着色し、 .成形品の外観不良を起 こす。
本発明の組成物には、 ォキシメ チレン共重合体樹脂、 ポリ 一ァラニンのほかに特定の塩基性物質が配合されても良い。 . この特定の塩基性物質はォキシメ チ レン共重合体樹脂組成物 が酸素含有雰囲気下で加熱される際に微量に発生する蟮酸を 中和するこ とによ リ 、 蟻酸によ るォキシメ チレン共重合体の 主鎖分解を抑える働きをする。
本発明において使用でき る塩基性物質の例と しては、 有機 脂肪酸 (好ま しく は炭素数 5〜 4 0 、 更に好ま しく は炭素数 8〜 2 5 ) のアルカ リ 土類金属塩、 ァミ ノ置換 ト リ ァジン、 及びハイ ドロ タルサイ トが挙げられる。
有機脂肪酸の具体的例と しては、 ラ ウ リ ン酸、 ステア リ ン 酸、 リ シノール酸、 ベへニン酸、 リ グノセ リ ン酸、 カロチン 酸、 モンタ ン酸、 メ リ シン酸およびこれら有機脂肪酸のヒ ド 口キシル基置換体が挙げられる。 またアルカ リ 土類金属の具 体的例と しては、 マグネシウム、 カルシウム、 ベリ リ ウムが 挙げられる。
上記有機脂肪酸のアルカ リ 土類金属塩と しては、 ステア リ ン酸カルシウムが特に好ま しい。
ァ ミ ノ置換 ト リ ァジンの例と しては、 グアナミ ン ( 2, 4 ージア ミ ノ ー s y m— ト リ アジン) 、 メ ラ ミ ン ( 2, 4 , 6
— ト リ アミ ノ ー s y m— ト リ アジン) 、 N—ブチルメ ラ ミ ン、
N—フエニルメ ラ ミ ン、 N, N—ジフエニルメ ラ ミ ン、 N,
N—ジァ リ ルメ ラ ミ ン、 N , N ' , N ' , 一 ト リ フエニルメ ラ ミ ン、 N—メチロ ーノレメ ラ ミ ン、 N, N, 一ジメ チ口 一ノレ メ ラ ミ ン、 N, N ' , N ' , 一 ト リ メ チロールメ ラ ミ ン、 ベ ンゾグアナミ ン ( 2, 4—ジァ ミ ノ ー 6 —フエニ ノレ ー s y m
— ト リ ァジン) 、 2, 4—ジァ ミ ノ ー 6 —メ チル一 s y m— ト リ アジン、 2, 4 —ジァ ミ ノ ー 6 —ブチルー s y m— ト リ ァジン、 2 , 4—ジア ミ ノ ー 6 —ペンジノレオキシ一 s y m ^ ト リ アジン、 2 , 4 —ジア ミ ノ ー 6 —ブ トキシー s y m— ト リ アジン、 2, 4—ジァミ ノ 一 6 —シク ロへキシ レー s y m ー ト リ アジン、 2, 4ージァ ミ ノ 一 6 —ク ロ ロ ー s y m— ト リ アジン、 2, 4—ジァミ ノ 一 6 —メノレカプ ト 一 s y m— ト リ アジン、 2, 4 ージォキシ一 6 —ア ミ ノ ー s y m— ト リ ア ジン、 2—ォキシ一 4 , 6 —ジァ ミ ノ ー s y m— ト リ アジン 及び N, N, , N, ーテ ト ラシァノエチルベンゾグアナミ ン 等が挙げられる。
ハイ ドロ タノレサイ トの例と しては M g 0. 75A 1 0. 2 5
(OH) 2 C O 3 o . 1 25 - 0 . 5 H20で示される天然ハイ ド 口 タルサイ ト、 M g 5A 1 2 (O H) i a C O 3 - 3 . 5 H 2 O 等で示される合成ハイ ドロ タルサイ トが挙げられる。 これら ハイ ドロタルサイ トは脱結晶水処理した物であってもよい。
上記の塩基性物質は、 ォキシメ チレン共重合体榭脂 1 0 0
重量に对し、 0. 0 0 1 〜 0. 6重量部、 好ま しく は 0 . 0
1 〜 0 . 3重量部配合することができる。 0 . 6重量部を越 えると、 成形時の滞留によ リオキシメチ レン共重合体樹脂組 成物が着色し、 成形品の外観不良を起こす。 又、 0 . 0 0 1 重量部未満の場合は、 程んど蟻酸を中和する効果を示さない。. 本発明の組成物においては、 従来のォキシメチレンホモポ リマーゃォキシメチレン共重合体を含む樹脂組成物に使用さ れている、 酸化防止剤、 紫外線吸収剤等の各種の添加剤、 光 安定剤、 潤滑剤、 離型剤、 顔料、 無機充填剤等が使用でき、 これ等は単独で使用 してもよく 、 または組み合わせて使用し ても良い。
本発明の'組成物の調製方法についてはと く に制限はない。 例えば、 上記の塩基性物質や添加剤の添加形態に関しては、 粉体であっても溶融状態であっても構わない。 添加方法は、 一般に押出機にォキシメ チレン共重合体樹脂、 ポリ —ァラ ニン及び添加剤とを一緒に投入し、 練リ込むこ とによって行 われる。 この時の押出機は、 一軸であっても二軸であっても 構わない。 押出機の温度は、 1 8 0〜 2 4 0 °Cであ り 、 こ の 範囲内で適宜選択することができる。
発明を実施するための最良の形態
以下参考例、 実施例および比較例にょ リ本発明を説明する が、 実施例にょ リ本発明が何等限定されるものではない。
なお実施例及び比較例中の各種測定は、 次の方法によ り行 なった。
( 1 ) ォキシアルキ レンモノ マー単位の挿入量 :
ォキシメチレン共重合体樹脂 1 0 g を 1 0 O m l の 3 N H C 1 水溶液に入れ、 密封容器中で 1 2 0 °C、 2時間加熱し . 分解させる。 冷却後水溶液中のアルキ レングリ コールをガス ク ロマ トグラフィー (水素炎イオン化検出器、 即ち F I Dを 使用) にて測定するこ とによってォキシアルキレンモノマー 単位の量を測定し、 ォキシアルキレンモノマ一単位の量をォ キシメ チ レンモノ マー単位に対するモル%で表す。
( 2 ) 窒素下において 2 3 0 °C、 1 0 0分間加熱した時の ォキシメチ レン共重合体樹脂の重量減少率 R ( %) :
窒素導入管付きの 1 O m 1 ガラス製フラスコにォキシメチ レン共重合体樹脂 l g をいれ、 このフラスコを 2 3 0 °Cのォ ィルパスに浸積し、 窒素を 1 0 £ h r で導入しながら 1 0 0分間放置した後、 ォキシメチレン共重合体樹脂の重量 ( g ) を測定する。 ォキシメチ レン共重合体樹脂の重量減少率 Rは 以下の式で求める。
ォキシメ チレン共重合体
W! - W2
樹脂の重量減少率 R (%) = X 1 0 0
(式中、. は加熱前のォキシメチレン共重合体樹脂の重量 であリ 、 W2は加熱後のォキシメチレン共重合体樹脂の重量 である) 。
( 3 ) 曲げ弾性率 : ォキシメチレン共重合体樹脂組成物を、 射出成形機 (曰 本国東芝機械社製、 I S— 1 0 0 E— 3 A) を用いて、 以下 に示す成形条件で成形する。 型締カ : 1 0 0 t o n 射出圧力 : 7 0 0 k g f Z c m2 射出 3®度 : 5 c m/ s e c 射出時間 (秒) ノ冷却時間 (秒) : 1 0 5 シリ ンダー温度 : 2 1 0 °C ス ク リ ュー回転数 : l O O r p m 金型温度 : 4 0 °C 得られた成形品について、 A S T M— D— 7 9 0 に準じ て曲げ弾性率を測定する。
( 4 ) 末端ホルメー ト基の量比 (D 1710ZD 1470) : ォキシメチ レン共重合体樹脂を 2 0 0 °Cで熱プレス し 1 5 μ mのフ ィルムを形成する。 得られたフ ィルムの赤外線吸収 スぺク トルを取リ、 波数 1 7 1 0 c m 1での吸光度と波数 1
4 7 0 c m— 1の吸光度の比 D 1 71。ノ D 1 47。の値を計算する。
( 5 ) 酸素含有雰囲気下におけるォキシメ チ レン共重合体 樹脂組成物の熱安定性 :
熱重量分析装置 (米国パーキンエルマ一社製 T G A— 7 ) を用いて、 ォキシメチレン共重合体樹脂組成物を、 空気下、 · 2 3 0 °Cでホール ド し、 ォキシメチレン共重合体樹脂組成物 の重量減少を、 熱天抨によ リ測定した。 ォキシメチレン共重 合体樹脂組成物の重量が元の重量の 2 0 %減少するまでの時 間によつて、 酸素含有雰囲気下におけるォキシメチ レン共重 合体樹脂組成物の熱安定性を評価した。 こ の時間が長い程ォ キシメチ レン共重合体樹脂組成物は酸素含有雰囲気下におけ る熱安定性に優れる。
参考例 1 ' ォキシメチ レン共重合体樹脂の製造
( 1 ) サンプル Aの製造 :
高度に精製した ト リ オキサン ( ト リ オキサン中の水 2 p p m、 蟻酸 3 p p m) 2 0 0 0 g 、 1 , 3 —ジォキソラン ( ト リオキサンに対し 0 . 8 m o l % ) 、 およびメチラール ( ト リ オキサンに対し 0 . 2 m o 1 % ) を 2枚の∑羽根を有する ジャケッ ト付きの二一ダ一に入れて 7 0 °Cに昇温した。 つい で三フッ化ホウ素ジブチルエーテルのシク 口へキサン溶液
( 0 . 0 0 2 m 0 \ / Ά ) を三フッ化ホウ素ジブチルエーテ ルが、 ト リ オキサン及び 1 , 3 —ジォキソランの合計 l m o
1 に対し、 0 . 1 5 X l O -4m o l となるよ う に加え重合を
行った。 反応開始後、 3 0分経過したと こ ろで 3 0 %の ト リ ェチルァミ ン水溶液 1 β を加え、 触媒を失活させた。 1 時間 後、 ニーダ一の内容物を取リ 出し、 末端安定化処理前のォキ シメチレン共重合体樹脂 (以下、 屡々 「粗ォキシメチレン共 重合体樹脂」 と称する) をろ取した。 この粗ォキシメチレン 共重合体樹脂を 1 0 0 °Cで乾燥させた。 '得られた粗ォキシメ チレン共重合体樹脂 1 0 0重量部に対し ト リ ェチルァ ミ ン水 溶液 3重量部 ( ト リエチルァ ミ ン 0. 5重量部、 水 2 . 5重 . 量部) 、 2, 2—メ チレンビス 一 ( 4 —メ チルー 6 — t ーブ チルフ エ ノ ール) を 0 . 2重量部添加し、 ベン ト付き単軸押 し出し機 (滞留時間 3 0 0秒) で押し出し、 不安定末端を安 定末端に変え、 ォキシメチレン共重合体樹脂 (サンプル A) を得た (^し出し温度 2 0 0。C、 ベン ト圧力 2 0 0 t 0 r r )
。 得られたォキシメチレン共重合体榭脂の、 1 9 0 °C、 A S
T M D 1 2 3 8に従って測定したメル トイ ンデックスは、
9. 5 g " 1 0 m i nであった。
( 2 ) サンプル B〜Gの製造 :
コモノ マーの種類及び量を変えた以外は、 上記 ( 1 ) と同 様にして、 6種類のォキシメチレン共重合体樹脂 (サンプル
B〜G ) を得た。 それぞれのォキシメチ レン共重合体樹脂の 製造に用いたコモノ マーの種類及ぴ量を表 1 と表 2に示す。 得られた 6種類のォキシメチ レン共重合体榭脂の、 1 9 0 °C、
A S TM D 1 2 3 8に従って測定したメル トイ ンデックス
は、 全て 9 . 5 g / 1 0 m i nであった。
サンプル A〜 Gの末端ホルメ ー ト基の量比 (D 171。ZD 14 70) 、 ォキシアルキレンモノマー単位揷入量、 窒素下におい て 2 3 0 °C、 1 0 0分間加熱した時のォキシメチレン共重合 体樹脂の重量減少率 Rを表 1 と表 2 に示した。
参考例 2
ポリ β —ァラニンの製造
日本国吉田製作所製ワーナー型バッチ式 3 0 β のニ ーダー に、 アク リルア ミ ド 4 . 5 k g、 N、 N—メ チレンビスァク リ ルア ミ ド 0. 5 k g とモノマーに対して l Z 2 0 0 0 0 m o l のジルコニウムテ ト ライ ソプロポキシ ド 1 . 0 0 8 g を 加え、 1 2 5 °Cで 4時間反応させた。 反応固形物を取リ 出し、 平均粒径 2' . に粉砕した。 さ らに粉砕時間、 粉碎強度 を変えるこ とによ リ 、 表 1 と表 2に示すよ う に平均粒径の異 なる各種のポリ iS —ァラエンを製造した。
実施例 :! 〜 1 4
表 1 に示すよ う に、 サンプル A〜 Eにポリ ーァラニン、 塩基性物質をそれぞれ混合し、 シリ ンダー温度が 2 0 0 °Cに 設定された二軸押出機で溶融混合した後造粒し、 ペレツ ト状 の組成物を得た。 得られた組成物の酸素含有雰囲気下、 2 3 0 °Cで加熱した際にォキシメチレン共重合体樹脂組成物の重 量が元の重量の 2 0 %減少するまでの時間、 および上記の
( 3 ) 項に記載した方法で組成物を成形し、 測定した曲げ弹
性率を表 1 にしめす。 表 1 から明らかなよ う に、 得られたォ キシメチ レン共重合体樹脂組成物は機械物性および酸素含有 雰囲気下での熱安定性に優れたものであった。
比較例 1
市販のォキシメチ レンホモポリ マー (日本国旭化成工業株 式会社製、 テナック 5 0 0 0 ) (末端基 : ァセチル基) に、 表 2に示すポリ 3 —ァラニンを添加し実施例 1 と同様にして 組成物を得、 上記した各種の測定を行なった。 結果を表 2 に 示す。 該ォキシメチレンホモポリ マーの末端基はァセチル基 であるため、 加熱分解によ り大量のホルムアルデヒ ドが生成 し、 これが酸化し蟻酸を生成するため、 組成物の酸素含有雰 囲気下での熱安定性が不良である。
比較例 2 "
市販のォキシメチ レン共重合体樹脂 (日本国旭化成工業株 式会社製、 テナック 4 5 2 0 ) (ォキシアルキ レンモノ マー 単位挿入量 1 . 6 m o l %) に、 表 2に示すポリ /3 —ァラニ ンを添加し実施例 1 と同様にして組成物を得、 上記した各種 の測定を行なった。 結果を表 2 に示す。 この場合は機械物性 が不良である。
比較例 3
ォキシメチレン共重合体樹脂 (サンプル F ) (ォキシアル キ レンモノ マー単位揷入量 0 . 0 3 m o l °/o) に表 2 に示す ポリ 3 —ァラニンを添加し組成物を得、 上記した各種の測定
を行なった。 結果を表 2に示す。 この場合は不安定末端の処 理が不十分になリ、 加熱分解にょ リ大量のホルムアルデヒ ド が生成し、 これが酸化して蟻酸を生成するため、 酸素含有雰 囲気下での組成物の熱安定性が不良である。
比較例 4
ォキシメ チレン共重合体樹脂 (サンプル G) (ォキシアル キレンモノマー単位揷入量 0. 8 m o l %) に、 表 2 に示す ポリ ]3 —ァラニンを添加し実施例 1 と同様にして組成物を得、 上記した各種の測定を行なった。 結果を表 2 に示す。 この場 合は機械物性が不良である。
比較例 5
ォキシメチレン共重合体樹脂 (サンプル A) (ォキシアル キレンモノマー単位揷入量 0. 2 m o 1 %) のみについて、 上記した各種の測定を行なった。 結果を表 2 に示す。 この場 合はポリ iS —ァラニンが添加されていないため、 加熱分解に ょ リ大量のホルムアルデヒ ドが生成し、 これが酸化して蟻酸 を生成するため、 酸素含有雰囲気下での熱安定性が不良であ る。
比較例 6
ォキシメチレン共重合体樹脂 (サンプル A) (ォキシアル キレンモノマー単位揷入量 0. 2 m o l %) に、 表 2 に示す ポリ 一ァラニン 0 . 0 0 3重量部を添加し、 実施例 1 と同 様にして組成物を得、 上記した各種の測定を行なった。 結果
を表 2 に示す。 この場合はポリ β —ァラニンが過少でぁリ 、 加熱分解にょ リ生成するホルムアルデヒ ドが充分に捕捉され ず、 ホルムアルデヒ ドが酸化して蟻酸を生成するため、 酸素 含有雰囲気下での組成物の熱安定性が不良である。
比較例 7
ォキシメ チレン共重合体樹脂 (サンプル A) (ォキシアル キレンモノマ一単位挿入量 0 . 2 m o l %) に、 表 2 に示す ポリ ーァラニン 5重量部を添加し、 実施例 1 と同様にして 組成物を得、 上記した各種の測定を行なった。 結果を表 2に 示す。 この場合はポリ —ァラニンが過多でぁ リ、 成形品が 黄変する。
比較例 8
ォキシメ'チレン共重合体樹脂 (サンプル A ) (ォキシアル キレンモノマー単位挿入量 0 . 2 m o l %) に、 表 2に示す ポリ 3 —ァラニン (平均粒径 3 0 ii m) 0 . 3重量部を添加 し実施例 1 と同様にして組成物を得、 上記した各種の測定を 行なった。 結果を表 2に示す。 この場合、 加熱分解によるホ ルムアルデヒ ドが充分に捕捉されず、 ホルムアルデヒ ドが酸 化して蟻酸を生成するため、 酸素含有雰囲気下での組成物の 熱安定性が不良である。
, ,
才キシメチ コモノマ一 才キシァ 末端ホル 窒素下、 230 、 100 レン共重合 ルキレン メート基 分間加熱した時のォ
ヤノマ―
体樹脂 の: s比 キンメチレン共重合
単位挿入 体樹脂の重量減少率 县 、 n n
実施例 1 サノアル A 1, d—ノォ ノフ/ U . Ζ U. U 1 0.8 実施例 2 サンプル B 1, 3一ンォキゾフノ 0. 1 0.017 1.5 実施例 3 サンプノレ C 1, 3—ジォキソラン 0.4 0.013 0.4 実施例 4 サンプル D 1, 3-ジォキ; /ラン 0. 1 5 0.018 1.0 実施例 5 サンプル D 1, 3-ジォキ ラン 0. 1 5 0.018 1.0 実施例 6 サンプル D 1, 3-ジォキソラン 0. 1 5 0.018 1.0 実施例 7 サンプル D 1,3-ジォキソラン 0. 1 5 0.018 1.0 実施例 8 サンプル D 1, 3-ジォキ、ノラン 0. 1 5 0.018 1.0 実施例 9 サンプル E 1, 4-ブタンジオ0. 1 0.020 1.6
ル ホルマール 実施例 10 サンブル D 1,3—ジォキソラン 0. 1 5 0.018 1.0 実施例 11 サンプル D 1,3-ジォキソラン 0.1 5 0.018 1.0 実施例 12 サンプル D 1,3—ジォキソラン 0. 1 5 0.018 1.0 実施例 13 サンプル D 1,3-ジォキプラン 0. 1 5 0.018 1.0 実施例 14 サンプル D 1,3-ジォキソラン 0. 1 5 0.018 1.0
(続く)
(続き) ボ!)卜ァラニン 塩基性物質 酸素含有雰囲気 下、 230でで重 平均 添加悬 種類 添加量 量滅少率が 20% 粒径 (重量 (重量 になる迄の時間 (μπι) 部) 部) i.min) 実施例 2.5 0.2 29,000 1 0 0 実施例 2 2.5 0.2 30,000 8 0 実施例 3 2.5 0.2 28,000 1 5 0 実施例 4 2.5 0.2 29,000 9 0
«
実施例 5 2.5 0.02 29,000 6 0
m曰- 実施例 6 2.5 0.5 ― ― 29,000 1 8 0 実施例 7 5 0.2 29,000 6 0 実施例 8 1 0.2 29,000 1 3 0 実施例 9 2.5 0.2 30,000 8 0 実施例 10 2.5 0.2 ステア!!ン 0.05 29,000 1 8 0 カルシウム 実施例 11 2.5 0.2 ステアリン 8 0.5 29,000 2 4 0 カルシウム 実施例 12 2.5 0.2 メラミン 0.1 29,000 1 2 0 実施例 13 2.5 0.2 メチロール 0.1 29,000 1 2 0 メラミン 実施例 14 2.5 0.2 ハイト'口 0.01 29,000 1 1 0
タルサイト
表 2
(続く)
表 2 (続き) ポリ ァラニン 塩基性物質 曲げ弾性 酸素含有雰囲気 率 下、 230でで重 平均 添加量 種類 添加量 (kg/cm2) 量減少率が 20% 粒径 (重量 (重量 になる迄の時間 m) 部) 部) (mi n) 比較例 2.5 0.2 30,800 1 0 比較例 2 2.5 0.2 23,000 2 0 0 比較例 3 2.5 0.2 30,000 4 0 比較例 4 2.5 0.2 25,000 1 8 0 比較例 5 29,000 1 5 比較例 6 2.5 0.003 29,000 1 5 比較例 7 2.5 5 29,000 2 5 0 比較例 8 30 0.3 29,000 3 0
産業上の利用可能性
本発明のォキシメチレン共重合体樹脂組成物は、 従来のォ キシメチレン重合体及ぴォキシメチレン重合体組成物と比較 して、 岗等又はそれ以上の機械物性を有する と共に'、 これま でに果たし得なかった優れた熱的安定性を示す。 従って、 本 発明のォキシメチレン共重合体樹脂組成物は、 自動車の部品 電気部品等の材料と して非常に有用である。