JP2996311B2 - オキシメチレン共重合体樹脂組成物 - Google Patents

オキシメチレン共重合体樹脂組成物

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JP2996311B2 JP7521720A JP52172095A JP2996311B2 JP 2996311 B2 JP2996311 B2 JP 2996311B2 JP 7521720 A JP7521720 A JP 7521720A JP 52172095 A JP52172095 A JP 52172095A JP 2996311 B2 JP2996311 B2 JP 2996311B2
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修二 八尋
廣久 森下
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、オキシメチレン共重合体樹脂組成物に関す
る。更に詳しくは、本発明は、オキシメチレンモノマー
繰り返し単位中にオキシアルキレンモノマー単位が特定
の割合で挿入されてなる複数のオキシメチレン共重合体
鎖を有し且つ特定の末端基を有するオキシメチレン共重
合体樹脂と、微粉砕されたポリβ−アラニンとを包含す
るオキシメチレン樹脂組成物に関する。本発明のオキシ
メチレン共重合体樹脂組成物は、従来のオキシメチレン
重合体及びオキシメチレン重合体組成物と比較して、同
等又はそれ以上の機械物性を有すると共に、これまでに
果たし得なかった優れた熱的安定性を示す。従来のオキ
シメチレン重合体においては、成形時の加熱により重合
体鎖の不安定末端部分が分解してホルムアルデヒドが生
成し、該ホルムアルデヒドが酸化されて蟻酸となり、そ
の蟻酸が重合体主鎖の分解を促進するという重大な問題
があった。本発明のオキシメチレン共重合体樹脂組成物
においては、特定量挿入されているオキシアルキレンモ
ノマー単位の作用によって、重合対主鎖の不安定末端部
分の分解によるホルムアルデヒドの望ましくない生成そ
のものが抑制されるのみならず、それでも完全にその生
成が抑制されないで、生成するホルムアルデヒドを、該
組成物に含まれる微粉砕ポリ−β−アラニンが効率よく
捕捉するので、オキシメチレン共重合体の分解を促進す
る蟻酸の生成を効果的に抑制することができ、従って、
本発明のオキシメチレン共重合体樹脂組成物は、従来の
オキシメチレン重合体及びオキシメチレン重合体組成物
に較べ酸素含有雰囲気下での熱安定性が極めて高い。
従来技術 オキシメチレンホモポリマーは、バランスのとれた機
械物性と優れた疲労特性を有している事から広く自動
車、電気部品等に利用されている。しかしながら、従来
のオキシメチレンホモポリマーは、成形時における熱安
定性は満足できるものではなかった。このオキシメチレ
ンホモポリマーの成形時の熱安定性不良原因は、オキシ
メチレンホモポリマーの末端基であるアセチル基が、成
形時の加熱によりオキシメチレンホモポリマーの末端か
ら簡単に脱離し、末端部分の分解が進んで、生じるホル
ムアルデヒドが増大するためである。ホルムアルデヒド
が増大すると成形時に樹脂が発泡したり、成形品の表面
にガス状のホルムアルデヒドが抜けたラインが残り、外
観が不良になる等の不利が生じる。更に、発生したホル
ムアルデヒドは成形機中の酸素により酸化されて蟻酸と
なり、オキシメチレンホモポリマーの主鎖分解を促進す
る。
日本国、特開平5−5017号には、オキシメチレンホモ
ポリマー中に少量のオキシアルキレンモノマーを挿入
し、かつ末端基の中でホルメート基の量を制限すること
によって、熱安定性が向上し且つ機械的物性がオキシメ
チレンホモポリマーと同等のオキシメチレン共重合体が
開示されている。しかしながら該オキシメチレン共重合
体は窒素下での熱安定性は向上しているものの、より成
形条件に近い、酸素含有雰囲気条件下での熱安定性は不
良であった。
また日本国、特開平2−24724号には、オキシメチレ
ン重合体とポリβ−アラニンの組成物が開示されてい
る。この組成物においてオキシメチレンホモポリマーを
用いた場合には、成形時の加熱により末端のアセチル基
が脱離し、末端部分の分解が進むため、酸素含有雰囲気
条件下での熱安定性はまだ不良であった。一方、市販の
オキシメチレン共重合体を用いた場合には、機械物性が
不良となる問題があつた。
発明の概要 このような状況下にあって、本発明者らは、従来のオ
キシメチレン重合体及びオキシメチレン重合体組成物と
同等又はそれ以上の機械物性を有し、しかも、従来のオ
キシメチレン重合体及びオキシメチレン重合体組成物に
較べて、酸素含有雰囲気条件下での熱安定性に優れるオ
キシメチレン共重合体樹脂組成物を開発すべく鋭意研究
を行なった。その結果、意外にも、オキシメチレンモノ
マー単位の繰り返し中にオキシアルキレンモノマー単位
が挿入されてなる複数のオキシメチレン共重合体鎖から
構成されるオキシメチレン共重合体樹脂と、ポリβ−ア
ラニンとを包含してなるオキシメチレン共重合体樹脂組
成物において、該オキシアルキレンモノマー単位を特定
の量挿入し、且つ平均粒径6μm以下という特定の粒径
の微粉砕されたポリβ−アラニンを用いると、意外に
も、極めて高い熱安定性が達成されることを知見した。
又、本発明者らは、本発明のオキシメチレン共重合体樹
脂組成物のこの意外な効果について更に研究の結果、本
発明のオキシメチレン共重合体樹脂組成物においては、
特定量挿入されているオキシアルキレンモノマー単位の
作用によって、重合体主鎖の不安定末端部分の分解によ
るホルムアルデヒドの望ましくない生成そのものが抑制
されるのみならず、それでもその生成が完全に抑制され
ないで生成するホルムアルデヒドを、平均粒径6μm以
下の微粉砕されたポリβ−アラニンが、効率よく捕捉し
て、共重合体主鎖の分解を促進する蟻酸の生成を効果的
に抑制し、本発明のオキシメチレン共重合体樹脂組成物
に極めて高い熱安定性を賦与することを知見した。本発
明は、これらの知見に基いて完成したものである。
従って、本発明の目的は、従来のオキシメチレン重合
体及びオキシメチレン重合体組成物と比較して、同等又
はそれ以上の機械物性を有すると共に、これまでに果た
し得なかった優れた熱的安定性を示すオキシメチレン共
重合体樹脂組成物を提供することにある。
発明の詳細な説明 本発明によれば、 (A)複数のオキシメチレン共重合体鎖からなり、各共
重合体鎖が、オキシメチレンモノマー繰り返し単位及び
該オキシメチレンモノマー単位の繰り返し中に挿入され
た炭素数が少なくとも2個のオキシアルキレン単位を含
み、該オキシアルキレンモノマー単位は該オキシメチレ
ンモノマー単位に対して0.05〜0.5mol%存在し、且つ該
複数のオキシメチレン共重合体鎖が全体として、末端基
として、炭素数が少なくとも1個のアルコキシル基、炭
素数が少なくとも2個のヒドロキシアルキル基及びホル
メート基を有してなるオキシメチレン共重合体樹脂100
重量部に、及び (B)平均粒径が6μm以下のポリβ−アラニン0.01〜
3.0重量部 を包含してなるオキシメチレン共重合体樹脂組成物が提
供される。
本発明においてオキシメチレン共重合体樹脂の構造で
重要なのは、オキシメチレンモノマー単位中のオキシア
ルキレンモノマー単位の量である。オキシメチレンモノ
マー単位中のオキシアルキレンモノマー単位の挿入量は
オキシメチレンモノマー単位に対して0.05〜0.5mol%、
好ましくは0.1〜0.4mol%である。オキシアルキレンモ
ノマー単位の挿入量が0.05mol%未満の場合は酸素含有
雰囲気条件下での加熱分解によるホルムアルデヒドの生
成が増大する。この場合、オキシメチレン共重合体樹脂
に、ポリβ−アラニンを添加しても、加熱分解によるホ
ルムアルデヒドの生成が多過ぎるために、十分にホルム
アルデヒドを捕捉することができない。更に、ホルムア
ルデヒドが酸化され蟻酸が生成して、オキシメチレン共
重合体の主鎖分解を促進するため熱安定性が益々不良と
なる。一方オキシアルキレンモノマー単位の挿入量が0.
5mol%を越えると、機械物性の低下が顕著になる。
これらオキシアルキレン単位の挿入量は、オキシメチ
レン共重合体樹脂を3規定の塩酸水溶液で加熱分解し、
分解溶液中のアルキレングリコールを分析する事により
求めることができる。
次に、本発明におけるオキシメチレン共重合体樹脂に
含まれるオキシメチレン共重合体鎖の末端基について説
明する。
本発明において、オキシメチレン共重合体樹脂を構成
する複数のオキシメチレン共重合体鎖が全体として有す
る末端基は、メトキシル基等のアルコキシル基、ヒドロ
キシエチル基等のヒドロキシアルキル基、及びホルメー
ト基である。
炭素数が少なくとも1個の末端アルコキシル基は、重
合段階で添加される分子量調整剤であるホルマールによ
り形成される。例えば、一般的にはメチラール[(CH
3O)2CH2]を分子量調整剤として用いるが、この場合は
末端基としてメトキシル基が形成される。末端アルコキ
シル基の炭素数は特に限定されないが、分子量調整剤で
あるホルマールの合成及び精製面から、炭素数1〜10で
あることが好ましく、炭素数1〜3であることが更に好
ましい。
ヒドロキシエチル基(−CH2CH2OH)やヒドロキシブチ
ル基のような末端ヒドロキシアルキル基は、後述するよ
うに、オキシメチレン共重合体樹脂の原料といて用いる
環状エーテル又は環状ホルマールに由来し、以下のよう
な過程で形成される。即ち、環状エーテル又は環状ホル
マールに由来するオキシアルキレン基がオキシメチレン
単位の繰返し中に挿入されたオキシメチレン共重合体を
重合した際に、まず、原料中の微量な水等により熱的に
不安定な末端ヒドロキシメチル基が生成する。この末端
にヒドロキシメチル基を有するオキシメチレン共重合体
を、後で詳細に説明する後処理、例えば、トリエチルア
ミン水溶液のようなアルカリ性物質水溶液の存在下で加
熱処理、に付すと、ヒドロキシメチル基を含む末端の不
安定部分が分解する。この分解が、オキシメチレン単位
及びオキシアルキレン単位を含む主鎖中を内へ向かって
進行していくと、オキシアルキレン単位の部位に到達す
ると、その部位の該オキシアルキレン単位はヒドロキシ
エチル基やヒドロキシブチル基等の安定末端に変わる。
ヒドロキシアルキル基の炭素数は特に限定はなく、一般
に少なくとも2個であるが、2〜10個であることが環状
エーテル及び環状ホルマールの合成及び精製面から好ま
しい。オキシメチレン共重合体に末端基としてヒドロキ
シメチル基が存在すると、成形時の加熱により該ヒドロ
キシメチル基が末端から脱離し、ホルムアルデヒドを生
成する。このように不安定な末端ヒドロキシメチル基が
多く存在すると、生成するホルムアルデヒドが過剰にな
り、ポリβ−アラニンを添加しても、捕捉できないホル
ムアルデヒドが多くなる上に、成形機中の酸素によりホ
ルムアルデヒドが酸化され、蟻酸が生成してオキシメチ
レン共重合体の主鎖分解を促進するため、熱安定性が不
良となる。本発明においては、ヒドロキシメチル基を含
む末端の不安定部分を安定基に変え、オキシメチレン共
重合体樹脂を窒素下において230℃、100分間加熱した時
に、下式により規定される重量減少率Rが3%以下であ
ることが好ましい。
(式中、W1は加熱前のオキシメチレン共重合体樹脂の重
量であり、W2は加熱後のオキシメチレン共重合体樹脂の
重量である) ホルメート基(−OOCH)は、重合中の副反応であるハ
イドライドシフト反応(H.D.Herman,E.Fisher,K.Weisse
rmel,Macromol chem.,90,p.1,1966を参照)によりオキ
シメチレン共重合体主鎖が分解して生成する。オキシメ
チレン共重合体樹脂中のホルメート基の量比は,オキシ
メチレン共重合体樹脂を熱プレスして得たフイルムの赤
外分光スペクトルにおいて、吸収波数1710cm-1における
末端ホルメート基の吸光度をD1710、吸収波数1470cm-1
におけるオキシメチレン基の吸光度をD1470とし、これ
ら吸光度の比D1710/D1470で表すことができる。本発明
におけるオキシメチレン共重合体樹脂中の末端ホルメー
ト基は式D1710/D1470≦0.025で表される関係を満足する
ような量であることが好ましく、D1710/D1470≦0.02で
表される関係を満足する量であることが更に好ましい。
D1710/D1470の値が0.025を超えると、加熱時にオキシメ
チレン共重合体鎖の末端からホルメート基が脱離して生
成するホルムアルデヒドが過剰になり、ポリβ−アラニ
ンを添加してもホルムアルデヒドを完全に捕捉すること
ができなくなる。更に、成形機中の酸素によりホルムア
ルデヒドが酸化され、蟻酸が生成して熱安定性が不良と
なる。
次に本発明におけるオキシメチレン共重合体樹脂の製
造方法について説明する。
本発明のオキシメチレン共重合体は、ホルムアルデヒ
ドもしくはトリオキサンと、 式1 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール
基であり、mは2〜6の整数である) で表される環状エーテル、 もしくは、 式2 (式中、R3及びR4は、それぞれ独立して水素原子、炭素
数1〜4のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基
であり、mは2〜6の整数である) で表される環状ホルマールとをカチオン重合触媒を用い
て共重合し、製造することが出来る。
上記式1で表される環状エーテルの例としては、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド
及びスチレンオキシド等が上げられる。これ等の中でエ
チレンオキシドが特に好ましい。
上記式2で表される環状ホルマールの例としては、エ
チレングリコールホルマール(1,3−ジオキソラン)、
ジエチレングリコールホルマール、1,3−プロパンジオ
ールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5
−ペンタンジオールホルマール及び1,6−ヘキサンジオ
ールホルマールなどが挙げられる。これ等の中でエチレ
ングリコールホルマール(1,3−ジオキソラン)及び1,4
−ブタンジオールホルマール等が特に好ましい。
上記の環状エーテル及び環状ホルマールの炭素数は特
に限定されないが、環状エーテル及び環状ホルマールの
合成及び精製面から、環状エーテルは炭素数2〜10であ
ることが好ましく、環状ホルマールは炭素数3〜11であ
ることが好ましい。
上記の環状エーテル及び環状ホルマールは、各々、単
独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良
い。
本発明において、環状エーテル及び環状ホルマール
は、主モノマーとしてホルムアルデヒドを用いた場合は
ホルムアルデヒドに対し、0.05〜0.8mol%用い、主モノ
マーとしてトリオキサンを用いた場合はトリオキサンに
対し、0.15〜2.5mol%用いる。
本発明において、オキシメチレン共重合体樹脂を得る
ために用いられるカチオン重合触媒の例としては、三フ
ッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン
及び五塩化リン等のルイス酸及びその錯化合物又はその
塩、及びトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオ
ロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン
酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロ
ペンタンスルホン酸及びパーフルオロヘプタンスルホン
酸等の超強酸及びその誘導体が挙げられる。三フッ化ホ
ウ素の錯化合物の具体例としては、三フッ化ホウ素ジブ
チルエーテル等が挙げられる。超強酸の誘導体の例とし
ては、超強酸無水物、超強酸のアルキルエステル及び超
強酸のアルキルシリルエステル等が挙げられる。超強酸
無水物の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン
酸無水物、ペンタフルオロエタンスルホン酸無水物、ヘ
プタフルオロプロパンスルホン酸無水物、ノナフルオロ
ブタンスルホン酸無水物、ウンデカフルオロペンタンス
ルホン酸無水物及びパーフルオロヘプタンスルホン酸無
水物等が挙げられる。超強酸アルキルエステルの具体例
としては、トリフルオロメタンスルホン酸メチル、トリ
フルオロメタンスルホン酸エチル、ペンタフルオロエタ
ンスルホン酸メチル及びヘプタフルオロプロパンスルホ
ン酸メチル等が挙げられる。超強酸のアルキルシリルエ
ステルの具体例としては、トリフルオロメタンスルホン
酸トリメチルシリル及びトリフルオロメタンスルホン酸
トリエチルシリル等が挙げられる。これら触媒のなかで
も特に三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジブチルエーテ
ル等の三フッ化ホウ素の錯化合物及びトリフルオロメタ
ンスルホン酸及びその誘導体が好ましい。
カチオン重合触媒の濃度に関しては、例えば、触媒が
三フッ化ホウ素又は三フッ化ホウ素の錯化合物の場合
は、原料であるホルムアルデヒド又はトリオキサン、及
び環状エーテル又は環状ホルマールの合計1molに対し、
5×10-6〜5×10-5mol、更に好ましくは0.5×10-5〜4
×10-5molであり、触媒がトリフルオロスルホン酸又は
その誘導体の場合は、原料であるホルムアルデヒド又は
トリオキサン、及び環状エーテル又は環状ホルマールの
合計1molに対し、1×10-8〜5×10-7mol、更に好まし
くは5×10-8〜3×10-8molである。これら触媒を上記
の範囲より少なく用いた場合は、オキシメチレン共重合
体樹脂の収率が低下し、上記の範囲より多く用いた場合
には、オキシメチレン共重合体樹脂中に残存するカチオ
ン重合触媒により、オキシメチレン共重合体樹脂が酸分
解し、オキシメチレン共重合体樹脂の熱安定性が低下す
る。又、カチオン重合触媒が過多になると重合時のハイ
ドライドシフト反応が顕徴となり、末端ホルメート基が
増加しD1710/D1470≦0.025で表される関係が満足出来な
くなる。
本発明に用いられる重合装置としては、バッチ式、連
続式のいずれでもよく特に制限はない。バッチ式重合装
置としては、一般に撹拌機付きの反応槽が使用でき、連
続式装置としては、コニーダー、2軸スクリュー式連続
押出し混練機、2軸のパドルタイプの連続混合機などの
セルフクリーニング型混合機が使用できる。重合は、60
〜200℃、好ましくは、60〜140℃で、常圧下で行うこと
が出来る。また、重合時間は、特に制限はないが、一般
に10秒以上100分以下の範囲内で選ばれる。重合後、重
合体中に含まれる触媒は、解重合を起こすため、通常、
触媒を失活する。一般にはトリエチルアミンなどの塩基
性物質を含む水溶液、あるいは有機溶媒と接触させる
か、あるいは塩基性物質を添加溶融混合することによっ
て中和失活する方法が取られている。
前記したように、重合後得られるオキシメチレン共重
合体樹脂は、ヒドロキシメチル基を含む末端の不安定部
分を有している。従来公知の方法によってこれを安定末
端に変えることができる。例えばトリエチルアミン水溶
液などのアルカリ性物質を用いて180℃〜250℃で30秒〜
20分間加熱処理をする事によって、不安定な末端ヒドロ
キシメチル基をヒドロキシエチル基、又はヒドロキシブ
チル基等の安定なヒドロキシアルキル基に変えて末端を
安定にすることができる。上記したように、この工程に
おいては、窒素下において、230℃、100分間加熱した時
のオキシメチレン共重合体樹脂の重量減少率(R)が3
%以下となるまで、ヒドロキシメチル基を含む不安定末
端を安定末端に変えるのが好ましい。このためには処理
時間の延長、および高濃度のアルカリ性物質の添加を行
なってもよい。上記したように、オキシアルキレンモノ
マー単位が、オキシメチレンモノマー単位に対して0.05
mol%未満である場合には、オキシメチレン共重合体樹
脂の熱安定性が不良になるため、ヒドロキシメチル基を
含む不安定末端の安定末端への変更が不完全となり、そ
の結果、窒素下において、230℃、100分間加熱した時の
オキシメチレン共重合体樹脂の重量減少率(R)を3%
以下にすることができなくなる。
本発明において、オキシメチレン共重合体樹脂の数平
均分子量は、約3,000〜約200,000であり、190℃、ASTM
D1238に従って測定したメルトインデックスは、約0.5
〜約200g/10minである。
本発明のオキシメチレン共重合体樹脂組成物において
は、成分(B)として、平均粒径が6μm以下の微粉砕
されたポリβ−アラニンを使用する。このように微粉砕
されたポリβ−アラニンを用いることによって、ホルム
アルデヒドを効率よく捕捉することができる。本発明に
おいて使用可能なポリβ−アラニンの例としては、米国
特許第4,855,365号、日本国特公平4−4340号、日本国
特開昭63−118328号、日本国特開平2−251535号及び日
本国特開平3−234729号に記載されているものが挙げら
れる。
上記ポリβ−アラニンを構成する主モノマーはアクリ
ルアミドであり、式(I)及び式(II): CH2−CH2−CONH (I) で表される繰返し単位よりなる共重合体である。このβ
−アラニン中のアミド基がホルムアルデヒドと反応し、
該ホルムアルデヒドを捕捉する。
又、上記ポリβ−アラニンは、アクリルアミドと、ア
クリルアミド以外でビニル基を有するモノマーとの共重
合体であってもよい。アクリルアミド以外でビニル基を
有するモノマーの例としては、n−ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレ
ート、ジビニルベンゼン、エチレンビスアクリルアミ
ド、及びN,N′−メチレンビスアクリルアミドが挙げら
れ、これ等の中でも特にN,N′−メチレンビスアクリル
アミドが好ましい。
本発明で用いるポリβ−アラニンは、アクリルアミド
単独、又はアクリルアミドとビニル基を有するモノマー
とを、カルシウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキ
シド等の金属アルコラートの存在下で重合することによ
り得ることができる。
本発明において、ポリβ−アラニンは、上記製法によ
り製造された後に、平均粒径が6μm以下の粒子にする
必要が有る。このポリβ−アラニンは、オキシメチレン
共重合体樹脂組成物の成形温度では不溶融性であるた
め、その平均粒径が小さいほど単位重量あたりの表面積
が増加し、酸素含有雰囲気下で加熱した時に発生するホ
ルムアルデヒドを効率良く捕捉する。このポリβ−アラ
ニン添加により、酸化されるホルムアルデヒドが減少
し、その結果蟻酸の生成が抑えられ、酸素含有雰囲気下
におけるオキシメチレン共重合体樹脂組成物の熱安定性
が向上する。一方ポリβ−アラニンの平均粒径が6μm
を越えると、加熱時に発生するホルムアルデヒドを効率
良く捕捉できなくなるので大量のポリβ−アラニンを必
要とするため、成形時の滞留によりオキシメチレン共重
合体樹脂組成物が着色し、成形品の外観不良を起こす。
このポリβ−アラニンの添加量は、オキシメチレン共重
合体樹脂100重量部に対して0.01〜3.0重量部、好ましく
は0.1〜0.5重量部である。0.01重量部未満であると、成
形時のホルムアルデヒド捕捉が不充分であり、3.0重量
部を越えた場合は、上記したように成形時の滞留により
オキシメチレン共重合体樹脂組成物が着色し、成形品の
外観不良を起こす。
本発明の組成物には、オキシメチレン共重合体樹脂、
ポリβ−アラニンのほかに特定の塩基性物質が配合され
ても良い。この特定の塩基性物質はオキシメチレン共重
合体樹脂組成物が酸素含有雰囲気下で加熱される際に微
量に発生する蟻酸を中和することにより、蟻酸によるオ
キシメチレン共重合体の主鎖分解を抑える働きをする。
本発明において使用できる塩基性物質の例としては、
有機脂肪酸(好ましくは炭素数5〜40、更に好ましくは
炭素数8〜25)のアルカリ土類金属塩、アミノ置換トリ
アジン、及びハイドロタルサイトが挙げられる。
有機脂肪酸の具体的例としては、ラウリン酸、ステア
リン酸、リシノール酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、
カロチン酸、モンタン酸、メリシン酸およびこれら有機
脂肪酸のヒドロキシル基置換体が挙げられる。またアル
カリ土類金属の具体的例としては、マグネシウム、カル
シウム、ベリリウムが挙げられる。
上記有機脂肪酸のアルカリ土類金属塩としては、ステ
アリン酸カルシウムが特に好ましい。
アミノ置換トリアジンの例としては、グアナミン(2,
4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2,4,6−
トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミ
ン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミ
ン、N,N−ジアリルメラミン、N,N′,N″−トリフェニル
メラミン、N−メチロールメラミン、N,N′−ジメチロ
ールメラミン、N,N′,N″−トリメチロールメラミン、
ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym
−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリア
ジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリア
ジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,
4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン、2−オキ
シ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン及びN,N′,N′−
テトラシアノエチルベンゾグアナミン等が挙げられる。
ハイドロタルサイトの例としてはMg0.75Al0.25(OH)
2CO3 0.125・0.5H2Oで示される天然ハイドロタルサイ
ト、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O等で示される合成ハ
イドロタルサイトが挙げられる。これらハイドロタルサ
イトは脱結晶水処理した物であってもよい。
上記の塩基性物質は、オキシメチレン共重合体樹脂10
0重量に対し、0.001〜0.6重量部、好ましくは0.01〜0.3
重量部配合することができる。0.6重量部を越えると、
成形時の滞留によりオキシメチレン共重合体樹脂組成物
が着色し、成形品の外観不良を起こす。又、0.001重量
部未満の場合は、程んど蟻酸を中和する効果を示さな
い。
本発明の組成物においては、従来のオキシメチレンホ
モポリマーやオキシメチレン共重合体を含む樹脂組成物
に使用されている、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種
の添加剤、光安定剤、潤滑剤、離型剤、顔料、無機充填
剤等が使用でき、これ等は単独で使用してもよく、また
は組み合わせて使用しても良い。
本発明の組成物の調製方法についてはとくに制限はな
い。例えば、上記の塩基性物質や添加剤の添加形態に関
しては、粉体であっても溶融状態であっても構わない。
添加方法は、一般に押出機にオキシメチレン共重合体樹
脂、ポリβ−アラニン及び添加剤とを一緒に投入し、練
り込むことによって行われる。この時の押出機は、一軸
であっても二軸であっても構わない。押出機の温度は、
180〜240℃であり、この範囲内で適宜選択することがで
きる。
発明を実施するための最良の形態 以下参考例、実施例および比較例により本発明を説明
するが、実施例により本発明が何等限定されるものでは
ない。
なお実施例及び比較例中の各種測定は、次の方法によ
り行なった。
(1)オキシアルキレンモノマー単位の挿入量: オキシメチレン共重合体樹脂10gを100mlの3NHCl水溶
液に入れ、密封容器中で120℃、2時間加熱し分解させ
る。冷却後水溶液中のアルキレングリコールをガスクロ
マトグラフィー(水素炎イオン化検出器、即ちFIDを使
用)にて測定することによってオキシアルキレンモノマ
ー単位の量を測定し、オキシアルキレンモノマー単位の
量をオキシメチレンモノマー単位に対するモル%で表
す。
(2)窒素下において230℃、100分間加熱した時のオキ
シメチレン共重合体樹脂の重量減少率R(%): 窒素導入管付きの10mlガラス製フラスコにオキシメチ
レン共重合体樹脂1gをいれ、このフラスコを230℃のオ
イルバスに浸積し、窒素を10/hrで導入しながら100分
間放置した後、オキシメチレン共重合体樹脂の含量
(g)を測定する。オキシメチレン共重合体樹脂の重量
減少率Rは以下の式で求める。
オキシメチレン共重合体 (式中、W1は加熱前のオキシメチレン共重合体樹脂の重
量であり、W2は加熱後のオキシメチレン共重合体樹脂の
重量である)。
(3)曲げ弾性率: オキシメチレン共重合体樹脂組成物を、射出成形機
(日本国東芝機械社製、IS−100E−3A)を用いて、以下
に示す成形条件で成形する。
型締力:100ton 射出圧力:700kgf/cm2 射出速度:5cm/sec 射出時間(秒)/冷却時間(秒):10/5 シリンダー温度:210℃ スクリュー回転数:100rpm 金型温度:40℃ 得られた成形品について、ASTM−D−790に準じて曲
げ弾性率を測定する。
(4)末端ホルメート基の量比(D1710/D1470): オキシメチレン共重合体樹脂を200℃で熱プレスし15
μmのフィルムを形成する。得られたフィルムの赤外線
吸収スペクトルを取り、波数1710cm-1での吸光度と波数
1470cm-1の吸光度の比D1710/D1470の値を計算する。
(5)酸素含有雰囲気下におけるオキシメチレン共重合
体樹脂組成物の熱安定性: 熱重量分析装置(米国パーキンエルマー社製TGA−
7)を用いて、オキシメチレン共重合体樹脂組成物を、
空気下、230℃でホールドし、オキシメチレン共重合体
樹脂組成物の重量減少を、熱天秤により測定した。オキ
シメチレン共重合体樹脂組成物の重量が元の重量の20%
減少するまでの時間によって、酸素含有雰囲気下におけ
るオキシメチレン共重合体樹脂組成物の熱安定性を評価
した。この時間が長い程オキシメチレン共重合体樹脂組
成物は酸素含有雰囲気下における熱安定性に優れる。
参考例1 オキシメチレン共重合体樹脂の製造 (1)サンプルAの製造: 高度に精製したトリオキサン(トリオキサン中の水2p
pm、蟻酸3ppm)2000g、1,3−ジオキソラン(トリオキサ
ンに対し0.8mol%)、およびメチラール(トリオキサン
に対し0.2mol%)を2枚のΣ羽根を有するジャケット付
きのニーダーに入れて70℃に昇温した。ついで三フッ化
ホウ素ジブチルエーテルのシクロヘキサン溶液(0.002m
ol/)を三フッ化ホウ素ジブチルエーテルが、トリオ
キサン及び1,3−ジオキソランの合計1molに対し、0.15
×10-4molとなるように加え重合を行った。反応開始
後、30分経過したところで30%のトリエチルアミン水溶
液1を加え、触媒を失活させた。1時間後、ニーダー
の内容物を取り出し、末端安定化処理前のオキシメチレ
ン共重合体樹脂(以下、屡々「粗オキシメチレン共重合
体樹脂」と称する)をろ取した。この粗オキシメチレン
共重合体樹脂を100℃で乾燥させた。得られた粗オキシ
メチレン共重合体樹脂100重量部に対しトリエチルアミ
ン水溶液3重量部(トリエチルアミン0.5重量部、水2.5
重量部)、2,2−メチレンビス−(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)を0.2重量部添加し、ベント付き
単軸押し出し機(滞留時間300秒)で押し出し、不安定
末端を安定末端に変え、オキシメチレン共重合体樹脂
(サンプルA)を得た(押し出し温度200℃、ベント圧
力200torr)。得られたオキシメチレン共重合体樹脂
の、190℃、ASTM D1238に従って測定したメルトインデ
ックスは、9.5g/10minであった。
(2)サンプルB〜Gの製造: コモノマーの種類及び量を変えた以外は、上記(1)
と同様にして、6種類のオキシメチレン共重合体樹脂
(サンプルB〜G)を得た。それぞれのオキシメチレン
共重合体樹脂の製造に用いたコモノマーの種類及び量を
表1と表2に示す。得られた6種類のオキシメチレン共
重合体樹脂の、190℃、ASTM D1238に従って測定したメ
ルトインデックスは、全て9.5g/10minであった。
サンプルA〜Gの末端ホルメート基の量比(D1710/D
1470)、オキシアルキレンモノマー単位挿入量、窒素下
において230℃、100分間加熱した時のオキシメチレン共
重合体樹脂の重量減少率Rを表1と表2に示した。
参考例2 ポリβ−アラニンの製造 日本国吉田製作所製ワーナー型バッチ式30のニーダ
ーに、アクリルアミド4.5kg、N、N−メチレンビスア
クリルアミド0.5kgとモノマーに対して1/20000molのジ
ルコニウムテトライソプロポキシド1.008gを加え、125
℃で4時間反応させた。反応固形物を取り出し、平均粒
径2.5μmに粉砕した。さらに粉砕時間、粉砕強度を変
えることにより、表1と表2に示すように平均粒径の異
なる各種のポリβ−アラニンを製造した。
例1〜12、実施例1,2 表1に示すように、サンプルA〜Eにポリβ−アラニ
ン、塩基性物質をそれぞれ混合し、シリンダー温度が20
0℃に設定された二軸押出機で溶融混合した後造粒し、
ペレット状の組成物を得た。得られた組成物の酸素含有
雰囲気下、230℃で加熱した際にオキシメチレン共重合
体樹脂組成物の重量が元の重量の20%減少するまでの時
間、および上記の(3)項に記載した方法で組成物を成
形し、測定した曲げ弾性率を表1にしめす。表1から明
らかなように、得られたオキシメチレン共重合体樹脂組
成物は機械物性および酸素含有雰囲気下での熱安定性に
優れたものであった。
比較例1 市販のオキシメチレンホモポリマー(日本国旭化成工
業株式会社製、テナック5000)(末端基:アセチル基)
に、表2に示すポリβ−アラニンを添加し実施例1と同
様にして組成物を得、上記した各種の測定を行なった。
結果を表2に示す。該オキシメチレンホモポリマーの末
端基はアセチル基であるため、加熱分解により大量のホ
ルムアルデヒドが生成し、これが酸化し蟻酸を生成する
ため、組成物の酸素含有雰囲気下での熱安定性が不良で
ある。
比較例2 市販のオキシメチレン共重合体樹脂(日本国旭化成工
業株式会社製、テナック4520)(オキシアルキレンモノ
マー単位挿入量1.6mol%)に、表2に示すポリβ−アラ
ニンを添加し実施例1と同様にして組成物を得、上記し
た各種の測定を行なった。結果を表2に示す。この場合
は機械物性が不良である。
比較例3 オキシメチレン共重合体樹脂(サンプルF)(オキシ
アルキレンモノマー単位挿入量0.03mol%)に表2に示
すポリβ−アラニンを添加し組成物を得、上記した各種
の測定を行なった。結果を表2に示す。この場合は不安
定末端の処理が不十分になり、加熱分解により大量のホ
ルムアルデヒドが生成し、これが酸化して蟻酸を生成す
るため、酸素含有雰囲気下での組成物の熱安定性が不良
である。
比較例4 オキシメチレン共重合体樹脂(サンプルG)(オキシ
アルキレンモノマー単位挿入量0.8mol%)に、表2に示
すポリβ−アラニンを添加し実施例1と同様にして組成
物を得、上記した各種の測定を行なった。結果を表2に
示す。この場合は機械物性が不良である。
比較例5 オキシメチレン共重合体樹脂(サンプルA)(オキシ
アルキレンモノマー単位挿入量0.2mol%)のみについ
て、上記した各種の測定を行なった。結果を表2に示
す。この場合はポリβ−アラニンが添加されていないた
め、加熱分解により大量のホルムアルデヒドが生成し、
これが酸化して蟻酸を生成するため、酸素含有雰囲気下
での熱安定性が不良である。
比較例6 オキシメチレン共重合体樹脂(サンプルA)(オキシ
アルキレンモノマー単位挿入量0.2mol%)に、表2に示
すポリβ−アラニン0.003重量部を添加し、実施例1と
同様にして組成物を得、上記した各種の測定を行なっ
た。結果を表2に示す。この場合はポリβ−アラニンが
過少であり、加熱分解により生成するホルムアルデヒド
が充分に捕捉されず、ホルムアルデヒドが酸化して蟻酸
を生成するため、酸素含有雰囲気下での組成物の熱安定
性が不良である。
比較例7 オキシメチレン共重合体樹脂(サンプルA)(オキシ
アルキレンモノマー単位挿入量0.2mol%)に、表2に示
すポリβ−アラニン5重量部を添加し、実施例1と同様
にして組成物を得、上記した各種の測定を行なった。結
果を表2に示す。この場合はポリβ−アラニンが過多で
あり、成形品が黄変する。
比較例8 オキシメチレン共重合体樹脂(サンプルA)(オキシ
アルキレンモノマー単位挿入量0.2mol%)に、表2に示
すポリβ−アラニン(平均粒径30μm)0.3重量部を添
加し実施例1と同様にして組成物を得、上記した各種の
測定を行なった。結果を表2に示す。この場合、加熱分
解によるホルムアルデヒドが充分に捕捉されず、ホルム
アルデヒドが酸化して蟻酸を生成するため、酸素含有雰
囲気下での組成物の熱安定性が不良である。
産業上の利用可能性 本発明のオキシメチレン共重合体樹脂組成物は、従来
のオキシメチレン重合体及びオキシメチレン重合体組成
物と比較して、同等又はそれ以上の機械物性を有すると
共に、これまでに果たし得なかった優れた熱的安定性を
示す。従って、本発明のオキシメチレン共重合体樹脂組
成物は、自動車の部品、電気部品等の材料として非常に
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−5017(JP,A) 特開 昭59−213752(JP,A) 特開 昭63−108051(JP,A) 特開 昭63−51448(JP,A) 特開 平2−251535(JP,A) 特公 昭47−4943(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 59/00 - 59/04 C08L 77/00 - 77/12 C08K 3/00 - 13/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)複数のオキシメチレン共重合体鎖か
    らなり、各共重合体鎖が、オキシメチレンモノマー繰り
    返し単位及び該オキシメチレンモノマー単位の繰り返し
    中に挿入された炭素数が少なくとも2個のオキシアルキ
    レン単位を含み、該オキシアルキレンモノマー単位は該
    オキシメチレンモノマー単位に対して0.05〜0.5mol%存
    在し、且つ該複数のオキシメチレン共重合体鎖が全体と
    して、末端基として、炭素数が少なくとも1個のアルコ
    キシ基、炭素数が少なくとも2個のヒドロキシアルキル
    基及びホルメート基を有してなるオキシメチレン共重合
    体樹脂100重量部に対して、 (B)平均粒子径が6μm以下のポリ−β−アラニン0.
    01〜3.0重量部、及び (C)有機脂肪酸のアルカリ土類金属塩0.001〜0.6重量
    部 を含有してなるオキシメチレン共重合体樹脂組成物。
  2. 【請求項2】該オキシアルキレンモノマー単位はそれぞ
    れ独立して2〜10個の炭素原子を有し、該末端アルコキ
    シ基はそれぞれ独立して1〜10個の炭素原子を有し、該
    末端ヒドロキシアルキル基はそれぞれ独立して2〜10個
    の炭素原子を有することを特徴とする請求項第1項記載
    のオキシメチレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】該オキシメチレン共重合体樹脂(A)を、
    窒素下において230℃、100分間加熱したときに、下式に
    規定された重量減少率Rが3%以下であり事を特徴とす
    る請求項1〜2の何れかに記載のオキシメチレン樹脂組
    成物。 (式中、W1は加熱前のオキシメチレン共重合体樹脂の重
    量であり、W2は加熱後のオキシメチレン共重合体樹脂の
    重量である。)
  4. 【請求項4】該オキシメチレン共重合体樹脂(A)が、
    赤外分光スペクトルにおいて、吸収波長1710cm-1におけ
    る末端ホルメート基の吸光度D1710、及び吸収波長1470c
    m-1におけるオキシメチレン基の吸光度D1470が下式: D1710/D1470≦0.025 で表される関係を満足する事を特徴とする請求項1〜3
    の何れかに記載のオキシメチレン共重合体樹脂組成物。
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