明 糸田 書 水硬性組成物およびその製造方法
〔産業上の利用分野〕
本発明は高流動性を有した締め固め不要な水硬性組成物に関する < 更に詳しく は建築材料および二次製品材料として使用するコンク リ ー ト、 モルタルおよびペース トの粘性および流動性を高め、 骨材、 セメ ン ト、 水の分離抵抗性に優れた性状を有し、 バイブレータ一等 の振動による締め固め不要な水硬性組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来からコンク リー ト組成物の施工方法としては、 鉄筋を配筋し た型枠内へコンク リー トを投入してバイブレーターの振動により締 め固めを行うのが一般的である。 しかし、 近年打設時のバイブレー 夕一による騒音公害、 更にコンク リー ト業界の人手不足が問題とな つている。
これらの問題を解決するため、 振動締め固めの不要な自己充塡性 を持つコンク リー トの研究が始まつているが、 技術的にまだ実用化 に至っていないのが現状である。
特開平 5 - 85788 号公報は、 高性能減水剤とアルキレンォキサイ ド鎖を有する水溶性高分子を用いた自己充塡用コンク リー ト組成物 を提案する。 このコンク リー ト組成物は組成物調製直後の分離抵抗 性及び自己充填性に優れるものの、 時間経過に伴い自己充塡性が低 下するという問題があった。
〔発明の開示〕
そこで、 本発明者らはこの問題を解決するため鋭意研究を行った 結果、 高流動性で骨材分離抵抗が大き く、 己充塡性があり、 且つ 時間経過によっても自己充填性の低下の少ないコンク リー ト組成物 を見出し、 本発明を完成した。
即ち、 本発明は、
(a)分子内にアルキレンォキサイ ドが 10〜2000モル付加したポリォ キシアルキレン鎖を有し、 且つ分子末端が疎水化されてなるポリォ キシアルキレン誘導体
(b)重量平均分子量が 5000以下の増粘促進剤
(c)高性能減水剤、 及び
(d)水硬性粉体
を含有することを特徴とする水硬性組成物を提供するものである。 本発明は、 末端の水酸基が水酸基価 50K0Hmg/g 以下に疎水化され たポリ了ルキレンォキサイ ド誘導体からなる水溶性高分子、 平均重 量分子量が 5000以下の増粘促進剤、 高性能減水剤および水硬性粉体 を含有することを特徴とする水硬性組成物も提供する。 この発明の 態様において、 ポリアルキレンォキサイ ド誘導体が分子内に 6〜30 個の炭素原子を有する 1価アルコール、 分子内に 6〜30個の炭素原 子を有する 1価メルカプ夕ンあるいは分子内に 6〜 30個の炭素原子 を有するアルキルフエノールにアルキレンォキサイ ドを 1 0〜1000モ ル付加したアルキレンオキサイ ド付加物と 2〜 6個のエポキシ基を 有する化合物、 ジカルボン酸、 無水ジカルボン酸あるいはジィソシ ァネー トとの反応生成物であり、 ポリアルキレンオキサイ ド誘導体 が 6〜 30個の炭素原子を有するエポキシ化合物、 6〜 30個の炭素原
子を有する脂肪酸あるいは 6 〜30個の炭素原子を有するィ ソシア ン 酸アルキルとアルキレンォキサイ ドを 1 0〜2000モル重合させたポリ アルキレンォキサイ ドとの反応生成物であり、 又はポリアルキレン ォキサイ ド誘導体が 2 〜 6個のエポキシ基を有する化合物、 ジカル ボン酸、 無水ジカルボン酸及びジイ ソシァネー トからなる群から選 ばれる 1 種以上の化合物とアルキレンォキサイ ドを 1 0〜2000モル重 合させたポリアルキレンオキサイ ドとを反応した後、 6 〜 30個の炭 素原子を有するエポキシ化合物、 6 〜30個の炭素原子を有する脂肪 酸あるいは 6 〜30個の炭素原子を有するィ ソシアン酸アルキルを反 応させた反応生成物であるこ とが好ま しい。
本発明の水硬性組成物を締め固め不要のコンク リ ー ト として用い る場合、 J I S A 1 1 01に規定するスラ ンプ試験において、 スラ ンプフ ロー値が 50 cm以上を必要とする。 十分な充塡性を確保するためには スラ ンプフロー値 50〜70cmが好ま しい。 スラ ンプフロー値が 50cm未 満では十分な充塡性を確保できない。 スラ ンプフロー値が 70 cmを超 えるとセメ ン トペース ト と砂利との分離を引き起こ し、 鉄筋間で砂 利による閉塞が生じてしまい、 その結果十分な充塡性が得られない ( 本発明における水硬性粉体としては、 セメ ン ト、 または粉末度 3, 000cm 2 /g以上の微粉体とセメ ン トの混合物が良い。 粉末度 3 , 000 cm Vg 以上の微粉末としては、 高炉スラグ、 フライアッ シュ、 シリ 力 ヒューム、 石粉等の群から選ばれる 1 種または 2種以上の微粉末 が使用されるが、 コス ト面および供給面を考慮すると、 高炉スラグ. フライアツ シュおよび石粉が望ま しい。 微粉末の粉末度は分離抵抗 性の点から比表面積が高いほど良く、 例えば、 高炉スラグの場合 5, 000〜1 0 , 000 cm 2 /g が好ま しい。 粉末度がこの範囲以下であって
も配合量を多くすることで所定の分離抵抗性を得られる。
本発明に用いられる(a) 分子内にアルキレンオキサイ ドが 10〜 2000モル付加したポリォキシアルキレン鎖を有し、 且つ分子末端が 疎水化されてなるポリオキシアルキレン誘導体としては、 下記の(1 ) 〜(3) の化合物が例示される。
( 1 ) 分子内に 6〜30個の炭素原子を有する 1価アルコール、 分子 内に 6〜 30個の炭素原子を有するモノカルボン酸、 分子内に 6〜30 個の炭素原子を有する 1価メルカブタンあるいは分子内に 6〜30個 の炭素原子を有するアルキルフヱノールにアルキレンオキサイ ドを 10〜 1 000モル付加したアルキレンォキサイ ド付加物と 2〜 6個のェ ポキシ基を有する化合物、 ジカルボン酸、 無水ジカルボン酸あるい はジィ ソシァネ一 トとの反応生成物
(2) 6〜30個の炭素原子を有するエポキシ化合物、 6〜30個の炭 素原子を有する脂肪酸あるいは 6〜30個の炭素原子を有するィソシ アン酸アルキルとアルキレンォキサイ ドを 10〜2000モル重合させた ポリアルキレンォキサイ ドとの反応生成物
(3) 2〜 6個のエポキシ基を有する化合物、 ジカルボン酸、 無水 ジカルボン酸及びジイソシァネー トからなる群から選ばれる 1種以 上の化合物とォキシアルキレン鎖を 10〜2000モル有するポリアルキ レングリ コールとを反応した後、 6〜30個の炭素原子を有するェポ キシ化合物、 6〜 30個の炭素原子を有する脂肪酸あるいは 6〜30個 の炭素原子を有するィソシァン酸アルキルを反応させた反応生成物 本発明において分子内に 6〜30個の炭素原子を有する 1価アルコ ール、 分子内に 6〜30個の炭素原子を有するモノカルボン酸、 分子 内に 6〜30個の炭素原子を有する 1価メルカプ夕ンあるいは分子内
に 6〜 30個の炭素原子を有するアルキルフヱノールの代表的な例と しては、 ォクチルフエノール、 ノニルフエノール、 ドデシルフエノ ール、 ジア ミ ノレフエノール、 ジォクチルフエノールあるいはジノニ ルフエノ ールのようなアルキルフエノール、 ドデシルアルコール、 ト リデシルアルコール、 へキサデシルアルコール、 2 —へキンルデ シルアルコール、 ォク夕デシルアルコールのような 1価の脂肪族ァ ルコール、 オクタン酸、 ドデカン酸、 ォク夕デカン酸、 ォレイ ン酸 のようなモノカルボン酸、 アビエチルアルコールのような脂環式 1 価アルコールまたは ドデシルメルカプタンのような 1 価の脂肪族メ ルカブタン等で、 これらの 1 種または 2種以上の混合物を使用し得 る o
本発明に使用するのに適したアルキレンォキサイ ド付加物は上記 の如き分子内に 6〜30個の炭素原子を有する 1価アルコール、 分子 内に 6〜 30個の炭素原子を有するモノ カルボン酸、 6〜 30個の炭素 原子を有する 1価メルカブタ ンあるいは 6〜30個の炭素原子を有す るアルキルフエノールに公知の方法でエチレンォキサイ ド単独、 ま たはエチレンォキサイ ドとプロ ピレンォキサイ ドの両者をラ ンダム あるいはブロ ッ ク状に 1 0〜1 000モル、 好ま しく は 50〜 750モルを付 加せしめたものである。
アルキレンォキサイ ドとして、 エチレンォキサイ ドとプロ ピレン ォキサイ ドを併用して用いる場合、 両者の付加モル比はエチレンォ キサイ ド 80モル%以上、 プロ ピレンォキサイ ド 20モル%以下が好ま しい。 付加モル数は 1 00〜250 モル程度が性能上より好ま しい。 本発明において有用な 2〜 6個のエポキシ基を有する化合物とし ては、 β , ひ一エポキシプロ ピルエーテル、 1 , 2 — ビス (>S , r -
エポキシプロボキシ) ェタン、 1, 3 — ビス ( /3 , 7 —エポキシプロ ポキシ) プロハ'ン、 1 , 4 一 ビス ( S , 7 —エポキシプロボキシ) ブ タン、 1 , 2 — ビス (^一メチルー , 7 —エポキシプロボキシ) ェ タン、 1 , 2 — ビス (2, 8—エポキシ一 7 —メ トキシ) ェタン、 1 , 6 — ビス (エポキシェチル) へキサン、 1 , 4 一 ビス 7 —ェポキ シプロボキシ) ベンゼン、 2, 2 — ビス 〔 ρ — ( β , 7 —エポキシプ ロボキシ) フヱニル〕 プロハ0ン、 1 一エポキシェチルー 3, 4 —ェポ キシシク口へキサン (慣用名 ; ビニルシク口へキセンジエポキシ ド) ひ— リモネンジエポキシ ド等で、 中でも 2, 2 — ビス 〔 ρ — { β , γ 一エポキシプロボキシ) フエニル〕 プロパン、 1 一エポキシェチル 一 3, 4 —エポキシシクロへキサン (慣用名 ; ビニルシクロへキセン ジエポキシ ド) 、 α— リモネンジエポキシ ドの如きジエポキシ ド等 が挙げられる。
本発明において有用なジカルボン酸、 無水ジカルボン酸あるいは ジイソシァネ一 卜としては無水マレイ ン酸、 無水ィタコン酸、 無水 フタル酸、 無水シ トラコン酸、 マレイ ン酸、 ィタコン酸、 テレフ夕 ル酸、 シ トラコン酸、 ジフエ二ルメタンジイソシァネー ト等が挙げ られる。
本発明において有用な 6〜30個の炭素原子を有するエポキシ化合 物及び 6〜30個の炭素原子を有する脂肪酸としてはフエニルグリ シ ジルエーテル、 ρ — t —ブチルフエニルグリ シジルエーテル、 ポリ ォキシエチレンラウ リルアルコールグリ シジルエーテル、 ラウ リ ン 酸、 ミ リスチン酸、 パルミチン酸、 ステア リ ン酸、 ォレイ ン酸、 ベ へニン酸がある。 その他、 フヱニルイソシァネー ト等が挙げられる。
訂正された用紙 (規則 91)
本発明において有用なポリアルキレングリ コールとしては、 ポリ エチレングリ コールまたはエチレンォキサイ ドとプロ ピレンォキサ ィ ドの両者をラ ンダムあるはブロ ッ ク状に 10〜2000モル重合して得 られる混合ポリアルキレングリ コールが挙げられる。
本発明における重量平均分子量が 5000以下の増粘促進剤としては. ァニオン、 カチオン、 両性、 ノニオンの何れの界面活性剤について も用いるこ とができる。 本発明の増粘促進剤の具体例としては、 ラ ゥ リルサルフェー ト塩、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 ジアルキ ルスルホコハク酸塩、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩. 無水マレイ ン酸共重合物塩等のァニオン性界面活性剤、 ポリオキシ エチレンアルキルエーテル、 ポリオキシエチレンアルキルフヱノー ルエーテル、 ポリオキシエチレン · スチレン化フエノールエーテル. ポリオキシエチレン ト リベンジル化オルソフエ二ルフエノールエー テル、 ポリオキシエチレンポリオキシプロ ピレンォクチルフ ノー ルエーテル、 ポリオキシエチレンアルキルア ミ ン等のノニオン性界 面活性剤、 アルキル ト リ メチルアンモニゥムクロライ ド、 アルキル ベンジルジメチルアンモニゥムクロライ ド、 アルキルア ミ ンァセテ ー ト等のカチォン性界面活性剤およびココナツ トべタイ ン等の両性 界面活性剤等が挙げられる。 コス ト パフ オーマンスの観点からァ 二オン、 ノニオンタイプの界面活性剤が良く、 特に親水性 Z疎水性 バランス (H L B ; グリ フィ ン(Gr i f f i n)法) 10〜20の範囲のもの が増粘促進効果が優れている。 なかでも、 H L Bが 12〜18のノニォ ン界面活性剤が性能面で優れている。
ポリオキシアルキレン誘導体(a) の添加量は分子中のアルキレン ォキサイ ド鎖の長さによって最適量が異なるが、 水硬性組成物を製
造する際に必要な水量に対して、 0. 1〜5. 0重量%、 好ま しく は 0. 1 〜 3. 0重量%が適当である。 増粘促進剤(b) の添加量は、 (a) 成分 の添加量に対して 0. 1〜10倍 (重量比) が好ま しく、 特に好ま しく は 0. 2〜 5倍 (重量比) である。
本発明の水硬性組成物において高流動性 (スラ ンプフロー値 : 50 cm以上) を得るために、 高性能減水剤(c) をセメ ン トに対して有効 分で 0. 3〜 3. 0重量%、 好ま しく は 0. 5〜 2. 5重量%添加する。 使 用可能な高性能減水剤としては、 ナフタ レン、 メ ラ ミ ン、 フヱノ ー ル、 尿素およびァニリ ンの何れかのメチロール化物およびスルホン 化物の群から選ばれる 1 種又は 2種以上の化合物のホルムアルデヒ ド縮合物、 例えば、 ナフタ レンスルホン酸金属塩ホルムアルデヒ ド 縮合物 〔例えば、 マイティ 150: 花王 (株) の商標〕 、 メラ ミ ンス ルホン酸金属塩ホルムアルデヒ ド縮合物 〔例えば、 マイティ 150- V2
: 花王 (株) の商標〕 、 フエノールスルホン酸ホルムアルデヒ ド化 合物、 フヱノール · スルファニル酸ホルムアルデヒ ド共縮合物 (特 開平 1 - 1 1341 9号公報に対応する U S— A 4 9 3 6 9 1 8 に記載の化 合物等) が挙げられる。 さ らに高性能減水剤として、 不飽和モノ力 ルボン酸およびその誘導体、 不飽和ジカルボン酸およびその誘導体 の群から選ばれる 1 種または 2種以上の単量体を重合して得られる 重合物または共重合体 (特公平 2- 7901号、 特開平 3-75252 号、 特公 平 2- 8983号に記載の化合物等) が挙げられる。 本発明の水硬性組成 物は、 コ ンク リ ー ト成形体に使用される。 コンク リー ト成形体は特 に限定されるものではなく、 通常バイブレータ一によって締め固め られている成形体が対象となる。
高性能減水剤(c) のセメ ン ト配合物への添加方法は、 水溶液また
は粉末のどちらの状態でも可能であり、 その添加時期は、 セメ ン ト とのドライブレン ド、 混練水への溶解、 またはセメ ン ト配合物の混 練開始期、 即ちセメ ン トへの注水と同時も し く は注水直後からセメ ン ト配合物の混練終了までの間に添加することも可能であり、 一旦 練り上がったセメ ン ト配合物への添加も可能である。 また、 一時に 全量添加する方法あるいは数回に分割して添加する方法のどちらの 方法でも可能である。
本 ;発明は (a)〜(d) 成分を含有する水硬性組成物を提供するもの であるが、 予め (a)〜(c) 成分の混合物を調製しておき、 水硬性組 成物の製造時に該混合物を一括または分割添加することもできる。 従って、 本発明は、 成分(a) 、 (b) 及び(c) を含有するコンク リ 一ト用添加剤を提供するものである。
公知の分散剤を併用する場合は、 リ グニンスルホン酸またはその 塩、 ォキシカルボン酸またはその塩、 ボリカルボン酸またはその塩、 およびポリアルキル無水カルボン酸またはその塩 (例えば、 特公昭 63-5346 号に対応する U S— A 4 5 8 6 9 6 0、 特開平 1 -270550号 に対応する U S— A 4 9 6 3 1 9 0 ) などと予め混合しておいても 良く、 また、 一方をセメ ン トまたはセメ ン ト配合物に配合した後、 あるいは一方をセメ ン トまたはセメ ン ト配合物に配合して練ってお いてから他方を配合しても良い。
また、 他のセメ ン ト添加剤 (材) 、 例えば、 徐放性分散剤、 A E 減水剤、 流動化剤、 遅延剤、 早強剤、 促進剤、 起泡剤、 発泡剤、 消 泡剤、 保水剤、 増粘剤、 セルフレべリ ング剤、 防水剤、 防靖剤、 着 色剤、 防黴剤、 ひび割れ低減剤、 高分子エマルシ ヨ ン、 膨張剤 (材) グラスファイバーおよびこれらの複数の併用も可能である。
〔発明の効果〕
本発明の水硬性組成物によれば、 高流動性、 骨材分離抵抗性に良 いため優れた自己充塡性が得られている。 また、 経時変化による自 已充塡性の低下が少なく、 強度の確保が可能となることから、 コン ク リー トの使用方法、 コンク リー トの施工方法が飛躍的に改善され 特にコンク リー ト製品の製造においては騒音解消、 製造合理化への 波及効果が大きい。
〔実 施 例〕
以下に製造例および実施例を挙げ本発明を説明するが、 本発明は これら実施例に限定されるものではない。 尚、 特にことわりのない 限り、 以下の実施例における%は重量%である。
ぐ材料 >
セメ ン ト ( C ) : 普通ポルトラ ン ドセメ ン ト (比重 3. 17) 細骨材 ( S ) : 紀ノ川産砂 (比重 2. 57 )
粗骨材 (G ) : 宝塚産砕石 (比重 2. 62 )
微粉末 (F )
高炉スラグ : 比表面積 8, 000cm
2Z g、 比重 2. 90 フライア ッ シュ : 比表面積 3, 600cm
2Z g、 比重 2. 90 石粉 : 比表面積 3,
、 比重 2. 70
< コ ンク リ ー トの練り混ぜ方法 >
セメ ン ト分散剤を予め練り混ぜ水に溶解し、 20°Cにて 100リ ッ ト ルの傾胴ミキサーを用い、 50リ ッ トルのコンク リー トを 3分間混練 した後、 スラ ンプフローと骨材分離抵抗性を測定した。 スラ ンプフ ロー試験は J I S A 1 101に準拠して行った。
上記の材料を用いて調製したコンク リー ト組成物の配合組成、 使
用した減水剤、 水溶性高分子および増粘促進剤を表 1 〜 4に示す,
* 粉末量 = ( C + F) ノ全コ ン ク リ一 ト組成物
区
Να 減 水 剤
分
1 十つ タ し ン フ レホ ·4 ン酸 ρ¾Χ塩 *ππ.ホ レムマソレデ ド 1' Τ1Η 物 \iJ
(商品名 : マイティ 150、 花王 (株) 製)
2 メラ ミ ンスルホン酸塩ホルムアルデヒ ド縮合物
(商品名 : マイティ 150V-2、 花王 (株) 製)
本 3 フエノールスルホン酸塩ホルムアルデヒ ド縮合物
4 フエノール . スルフ ァニル酸塩ホルムアルヒ ド共縮合物 明 (特開平 1-113419号公報の実施例 15に準じて製造したサンブル) n
πα 5 了ルキレンオキサイド付加単量体 · カルボン酸系単量体共重合物
(特公平 2- 7901号公報の参考例 5 に準じて製造したサンプル)
6 ポリ 力ルボン酸共重合物
(特公平 2-8983号公報の合成例に準じて製造したサンプル)
7 ポリ カルボン酸共重合物
(商品名 : FC600S、 日本触媒 (株) 製)
比 リ グニンスルホン酸塩
較 8
□ (商品名 : サンエキス、 山陽国策パルプ (株) 製)
表 3
% : P 0 A誘導体 =ポリオキシアルキレン誘導体
Να 増 粘 促 進 剤
1 アルキルベンゼンスルホン酸ナ ト リ ゥム 340
C、i1¾せ jiロ πロ ¾ .. iィ、オiペ\しレ》ノ,々 / Λ7 pΓ— fi οnυゝ TィPじェ 、 fe杯fcノ ¾¾ \ノ
2 スチ レ ン · 無水マレィ ン酸共重合物ナ ト リ
ゥム塩 4200 I¾I口口^! - j χ ΐヽ it ϋ 、怀ノ a¾ノ
3 ポリオキシエチレンォクチルフエノールェ
一テノレ 11 ο οςΌην
(商品名 : ェマルゲン 810、 花王 (株) 製)
4 ポリオキシエチレンラウ リルエーテル 2270
(商品名 : ェ 7ルゲン 150、 花王 (株) 製)
5 ポリオキシエチレン ト リベンジル化フエノ
ールエーテル 1800
(商品名 : ェマルゲン B 100、 花王 (株) 製)
6 アルキルァ ミ ンァセテー ト 240
(商品名 : 了セタミン 24 、 花王 (株) 製)
製造例 1
商品名カルコール 86 〔花王 (株) 製、 ステア リルアルコールとセ 夕ノールの混合物、 ヒ ドロキシル価 200 〕 にアルカ リ触媒を用いて エチレンォキサイ ドを 200モル付加させたもの 85 gに、 ビニルシク 口へキセ ンジエポキシ ド (エポキシ当量 76) を 2. 4 g加え、 1 40。C で 3時間反応させた後酢酸で中和した。 得られた水溶性高分子の末 端の水酸基は水酸基価 5. 5K0Hmg/gであった。
製造例 2
製造例 1 に準じて合成したノニルフヱノールのエチレンォキサイ ドおよびプロ ピレンオキサイ ド (モル比 10 : 1 ) ランダム付加物 (エチレンォキサイ ド付加モル数 200 、 プロ ピレンォキサイ ド付加
モル数 20)100 g とビニルシク口へキセンジエポキシ ド (エポキシ当 量 76)3.3g との反応生成物。 末端の水酸基価 7.4K0Hmg/g。
製造例 3
製造例 1 に準じて合成した ドデシルメルカブタ ンエチレンォキサ イ ド付加物 (付加モル数 100) 100gとビニルシクロへキセンジェポ キシ ド (エポキシ当量 76) 6.6g との反応生成物。 末端の水酸基価 10.4 0Hmg/go
製造例 4
製造例 1 に準じて製造したパルミチルアルコールのエチレンォキ サイ ド付加物 (付加モル数 150) 100 g と無水マレイ ン酸 0.7gを固 体触媒を用いてク口口ホルム中で還流条件下で 5時間反応した。 得 られた水溶性高分子の末端の水酸基は水酸基価 15.6K0Hmg/gであつ た。
製造例 5
製造例 1 に準じて製造したァビエチルアルコールのエチレンォキ サイ ド付加物 (付加モル数 20)100 gにジフェニルメタンジイ ソシナ ネー ト 0.6gを加え 110°Cで 3時間反応した。 得られた水溶性高分 子の末端の水酸基は水酸基価 32.5K0Hmg/gであつた。
製造例 6
ポリエチレ ングリ コール (平均分子量 2万) 100gをアル力 リ触媒 を用いて、 フエニルグリ シジルエーテル (エポキシ当量 154) 1.5g と 140°Cで 3時間反応させた後、 酢酸で中和した。 得られた水溶性 高分子の末端の水酸基は水酸基価 1.5K0Hmg/gであつた。
製造例 7
製造例 1 に準じて合成したエチレングリ コールのエチレンォキサ
イ ドおよびプロピレンオキサイ ド (モル比 10: 2 ) ランダム付加物 (エチレンォキサイ ド付加モル数 300 、 プロピレンォキサイ ド付加 モル数 60) 1 00 gとべへニン酸 4. l gとを固体触媒を用いてクロロホ ルム中で還流条件下 5時間反応した。 得られた水溶性高分子の末端 の水酸基は水酸基価 2. 8K0Hmg/gであつた。
製造例 8
ポリエチレングリ コール (平均分子量 1万) 100 gとビニルシクロ へキセ ンジエポキシド (エポキシ当量 76) 0. 2 gをアルカ リ触媒を用 いて 140°Cで 3時間反応した後、 ポリオキシエチレンラウ リルアル コールグリ シジルエーテル (エポキシ当量 952) 8. 5 gを加え、 1 40 Vで 3時間反応させ酢酸で中和した。 得られた水溶性高分子の末端 の水酸基は水酸基価 12. 3K0Hmg/gであった。
ぐ水酸基価の測定方法 >
末端疎水化されたポリ アルキレ ンォキサイ ド誘導体と無水酢酸と を反応させ、 副生した酢酸を水酸化カ リウムで中和した。 中和に要 した水酸化力 リゥム量(mg)をボリアルキレンォキサイ ド誘導体 1 g 当たりに換算した数値を水酸基価とした。 単位は KOHmg/g である。
( 3 ) 評価項目
1 . スラ ンプフ ロー
J I S A 1 1 01によるスランプフロー値(cm)
練り直後及び 90分経過後
2 . 骨材分離抵抗性
目視 (肉眼) による評価を行った。 評価基準は下記の通りである c 〇 骨材分離および水の分離なし
X 骨材分離および水の分離あり
. 自己充塡性
コンク リー ト練り後、 90分経過した後、 ø 1 0cmの円柱型枠にコ ンク リー トを詰め、 硬化脱型後、 コンク リー トの表面の充塡状態 を肉眼で観察した。 評価基準は下記の通りである。
〇 3 mm以上の空隙の発生なし
△ 3 mm以上の空隙の発生僅かにあり
X 3龍以上の空隙の発生多い
以上の測定結果を表 5および表 6に示す。
フ k 水溶性高分子 増粘促進剤 スランプフロー .(cm) 分 & 区 配 離 己 合 * 抵 充 分 No. No. 添カロ量 No. 添加量 No. 添加量 直後 90分後 in, 塡
(%) (%) (%) 性 性
1 2.0 1
丄,《J 丄 0 u. 0 Q 〇 〇
2 2.5 丄, <J 9 Π 1 CQ C
DO« J 〇 〇
3 1.8 o 9 c
丄, Ϊ3 00. u CO c
O^.0 〇 〇 本 5 4 1.8 1 C 7 c CC Λ
丄, Ϊ3 DD. U u4. 0 〇 〇 発 5 1.2 丄. t) β Λ
0 b υ b丄, » 〇 〇 明 6 1.0 r e
丄, ¾ 0 O. U Oi. D DO. U 〇 〇
Π7 c
□D 7 1.1 c 1 c
上 * 0 D 丄* 0 OD. u 0 .0 〇 〇
4 1.2 0.5 5 1.5 60.5 59.5 〇 〇
1 4 1.5 1.0 5 3.0 62.5 60.5 〇 〇
4 1.8 1.5 5 4.5 69.5 68.0 〇 〇
2 1 2.0 8 1.2 2 0.2 60.5 60.5 〇 〇
3 1 2.2 8 0.7 3 2.1 61.5 61.0 〇 〇
4 1 1.8 8 1.8 4 5.4 67.0 66.0 〇 〇
*対セメント重量%
**対水重量%
減 水 剤 水溶性高分子 増粘促進剤 スランプフ D- (cm) 分 自 区 配 離 己 合 抵 充 分 No. No. 添加量 No. 添加量 No. 添加量 直後 90分後 抗 塡
(%) (%) (%) 性 性
1.8 1 1.5 5 4.5 62.5 60.5 〇 〇
1
1.8 2 2.0 5 6.0 64.0 63.0 〇 〇
1
本 1.8 3 4.0 5 12.0 61.0 60.5 〇 〇
1
1.8 4 2.5 5 7.5 66.5 66.0
発 〇 〇
4 1
明 1.8 5 5.0 5 15.0 60.0 60.0
1 〇 〇
□
□D 1.8 6 2.0 5 6.0 69.0 68.0
1 〇 〇
1.8 7 0.1 5 0.3 65.0
1 64.0 〇 〇
1.8 8 2.3 5 6.9 68.5 67.0
1 〇 〇
8 3.0 1 1.2 5 3.6 39.0 30.0 〇 X
8 4.0 1 1.5 5 4.5 42.5 38.5 〇 X 比 8 5.0 1 1.8 5 5.4 45.5 41.5 〇 X 較 1 8 4.0 2 2.0 3 6.0 40.0 36.5 〇 X
□
an 4 1.5 9 0.04 40.5 38.0 X X
4 1.5 9 0.04 1 0.12 35.5 31.0 Δ X
4 1.8 9 0.10 34.0 29.5 〇 X
4 1.8 1 1.5 64.0 48.5 〇 X
8 3.0 1 1.2 5 3.6 35.5 31.0 〇 X
8 4.0 1 1.5 5 4.5 37.0 35.5 〇 X
8 5.0 1 1.8 5 5.4 40.5 36.0 〇 X
4
4 1.5 9 0.04 42.5 40.0 X X
4 1.5 9 0.10 36.0 33.5 〇 X
1 1.8 8 2.3 62.5 46.0 〇 X
*対セメ ン卜重量%
**対水重量%
上記の結果から本発明の水硬性組成物はスランプフロー値が 50 cm以上の高流動性を示し、 かつ分離抵抗性が良い為、 優れた自己 充塡性が得られている。 また、 経時変化による自己充塡性の低下 の少ないコンク リー トの製造が可能である。
一方、 比較品の場合、 減水剤を用いると分離抵抗性は満足され るものの減水剤を 5 %添加してもスランプフロ一値は 45cm程度で ある為、 十分な自己充塡性は得られていない。 また、 メチルセル ローズのような水溶性高分子を用いると流動性の著しい低下作用 がある為、 増粘促進剤の有無に関係なく優れた自己充塡性は得ら れないことが分かる。
増粘促進剤がない場合、 初期の自己充填性は優れているものの、 経時的に自己充塡性が低下する。