JP4616431B2 - 乾燥収縮低減型セメント分散剤 - Google Patents
乾燥収縮低減型セメント分散剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4616431B2 JP4616431B2 JP17956299A JP17956299A JP4616431B2 JP 4616431 B2 JP4616431 B2 JP 4616431B2 JP 17956299 A JP17956299 A JP 17956299A JP 17956299 A JP17956299 A JP 17956299A JP 4616431 B2 JP4616431 B2 JP 4616431B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reducing
- shrinkage
- oligoalkylene
- cement dispersant
- graft polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B24/00—Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
- C04B24/02—Alcohols; Phenols; Ethers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B24/00—Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
- C04B24/24—Macromolecular compounds
- C04B24/26—Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2103/00—Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
- C04B2103/0045—Polymers chosen for their physico-chemical characteristics
- C04B2103/0059—Graft (co-)polymers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2103/00—Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
- C04B2103/40—Surface-active agents, dispersants
- C04B2103/408—Dispersants
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B2111/00—Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
- C04B2111/34—Non-shrinking or non-cracking materials
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントペースト、グラウト、モルタルおよびコンクリート等のセメント組成物に使用される、液状で貯蔵安定性に優れる乾燥収縮低減型セメント分散剤に関する。
詳しくは、コンクリートへの空気連行性が小さく、かつ、種々のコンクリート配合に対しても減水性と乾燥収縮低減性を容易に調整し、対応することが可能な乾燥収縮低減型セメント分散剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にセメント組成物は、硬化あるいは乾燥に伴って体積が減少する。この中でセメント組成物の乾燥による体積減少は、「乾燥収縮」と呼ばれており、コンクリート構造物の壁体、床板等の主たるひび割れの原因となっている。このひび割れは、剛性、水密性あるいは美観といった構造物の機能低下をもたらすばかりでなく、ひび割れ部分から水と空気がコンクリート内部に浸透することにより、コンクリートを中性化させ、内部鉄筋の錆の発生を促進するため、コンクリート硬化体のひび割れをさらに助長して、コンクリート構造物の耐久性を著しく損なう。
【0003】
これに対し、コンクリート等のセメント組成物の乾燥収縮を低減或いは抑制する方法として、膨張材を用いて収縮を補償する方法、減水剤を用いてセメント組成物の単位水量を低減する方法、乾燥収縮低減剤を用いる方法などがあり、一般的には、減水剤と乾燥収縮低減剤とを併用する方法が行われている。
【0004】
しかしながら、乾燥収縮低減剤は、所望の乾燥収縮低減効果を得るために必要な使用量が極めて多量であるために経済性に劣り、かつ、コンクリートに過剰の空気を連行させるという欠点を有している。このため、乾燥収縮低減剤は、多量の消泡剤を併用して空気量の調整を行っているが、その調整が難しいという問題がある。
【0005】
一方、減水剤と乾燥収縮低減剤とをコンクリートに併用する場合、その使用の利便性から、減水剤と乾燥収縮低減剤とを混合した水溶液での供給が強く望まれている。しかし、乾燥収縮低減剤は、水溶性であっても、リグニンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩或いはポリカルボン酸塩などの従来の減水剤と混合して保存すると、相溶性が悪く、分離してしまうために混合液で供給することができない。
【0006】
このような技術背景の中、本出願人は、ポリカルボン酸ポリマーに、オリゴアルキレングリコール類、多価アルコール類などの収縮低減性を有する化合物の1種以上を化学的に結合させたグラフトポリマーを提案した(特開平8−268741号公報)。このグラフトポリマーは、高い減水性(分散性)を有し、かつ、極めて少ない使用量でも乾燥収縮低減効果を発揮するものである。ところがこのグラフトポリマーは、所望の乾燥収縮低減性を得ようとして使用量を増加すると、減水性(分散性)が過剰に発揮されるためにコンクリートが分離するという問題が生じたり、また、コンクリートの配合によっては、所望の減水性を得ようとして使用量を増加すると、乾燥収縮低減性能が過剰となるなど、使用上の利便性に欠ける面があった。この問題を解決するため、上記グラフトポリマー中のオリゴアルキレングリコール類及び/又は多価アルコール類の導入比率を重合時に変化させて製造することが考えられるが、これはグラフトポリマーの合成過程でのモノマーのコントロールであるため、所望の減水性と乾燥収縮低減性を得るためには、オリゴアルキレングリコール類及び/又は多価アルコール類の導入量を変化させたグラフトポリマーを種々用意しなければならず、コスト的にも作業的にも問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、コンクリートへの空気連行性が小さく、液状で貯蔵安定性に優れた乾燥収縮低減型セメント分散剤であって、種々のコンクリート配合に対しても減水性と乾燥収縮低減性を容易に調整し、所望の物性を簡便に得ることができる乾燥収縮低減型セメント分散剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、ポリカルボン酸またはその塩の側鎖に収縮低減性を有する化合物の1種以上が化学的に結合したグラフトポリマーが、従来の減水剤の成分と比較して、収縮低減性を有する化合物との相溶性において極めて優れていることに着目し、これらの化合物を適宜配合することにより、配合成分や配合割合の異なる種々のコンクリートに対しても、目的に応じ減水性と乾燥収縮低減性とを容易に調整できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、ポリカルボン酸またはその塩の側鎖に収縮低減性を有する化合物の1種以上が化学的に結合したグラフトポリマーと、減水性を有する化合物の1種以上又は収縮低減性を有する化合物の1種以上とを含有してなる、乾燥収縮低減型セメント分散剤に関する。
本発明による乾燥収縮低減型セメント分散剤は、グラフトポリマーと、減水性を有する化合物又は収縮低減性を有する化合物との相溶性が極めてよいため、所望の減水性、収縮低減性を得るためにその配合比を種々変えても分離することがなく、従って液状で安定に貯蔵することができ、極めて操作性に優れている。
【0010】
本発明において用いられるグラフトされるポリカルボン酸としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体及びその部分エステル化物、アリルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびその誘導体、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびその誘導体、(分岐)ペンテニルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびその誘導体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びその誘導体、またその塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、低級アミン塩、低級アルカノールアミン塩であるものが例示できる。
【0011】
一方、本発明において用いられる収縮低減性を有する化合物としては、収縮低減性を有するものであればいずれの化合物も用いることができるが、典型的にはオリゴアルキレングリコール類及び多価アルコール類から選択される化合物が1種以上用いられる。オリゴアルキレングリコール類としては、オリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキルアミノオリゴアルキレングリコール、オリゴアルキレングリコールアルキルフェニルエーテルあるいはそれらの誘導体が例示でき、それらの誘導体としては、エステル基、エポキシ基、多価アルコールが含まれる化合物が例示できる。オリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテルの例としては日曹丸善ケミカル社製のGE−42−2Pが挙げられる。また本発明における多価アルコール類としては、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールあるいはそれらの誘導体、ヘキサンジオール、ペンタンジオールなどのアルキレンジオールが例示できる。
【0012】
本発明におけるオリゴアルキレングリコール類及び/又は多価アルコール類として、更に具体的には、乾燥収縮低減剤として市販されているテトラガードAS20、テトラガードAS21(太平洋セメント社製)、ヒビダン(竹本油脂社製)、及びヒビガード500(エフ・ピー・ケイ社製)が例示できる。
また減水性を有する化合物としては、減水性を有するものであればいずれの化合物も用いることができるが、典型的にはポリカルボン酸およびその塩から選択される化合物が1種以上用いられる。ポリカルボン酸としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体及びその部分エステル化物、アリルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびその誘導体、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびその誘導体、(分岐)ペンテニルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびその誘導体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びその誘導体、またその塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、低級アミン塩、低級アルカノールアミン塩であるものが例示できる。
【0013】
本発明におけるグラフトポリマーとして、消泡性を有する化合物がさらに化学的に結合したものは、その消泡作用により、過剰な空気連行性が無く、消泡剤を添加する必要がほとんどなくなるために、消泡剤の分離による貯蔵安定性の低下を解消することができるので好ましい。消泡性を有する化合物としては、消泡性を有するものであればいずれの化合物も用いることができるが、典型的にはポリアルキレングリコールあるいはその誘導体から選択される化合物が1種以上用いられる。ポリアルキレングリコールあるいはその誘導体としては、抑泡性を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドの重合体、プロピレンオキシドの重合体の何れかであるか、それらのモノアルキルエーテル、モノエステルあるいはそれらの誘導体であり、その誘導体としては、アセチレン、脂肪酸エステル、リン酸エステルが例示できる。
【0014】
本発明の乾燥収縮低減型セメント分散剤において、グラフトポリマーと、減水性を有する化合物又は収縮低減性を有する化合物の好ましい配合比率は、所望の減水性(分散性)と乾燥収縮低減性が得られ、かつ貯蔵安定性に優れた乾燥収縮低減型セメント分散剤を製造できる比率である。グラフトポリマーに収縮低減性を有する化合物であるオリゴアルキレングリコール類及び/又は多価アルコール類を配合する場合、その混合比率が大き過ぎると貯蔵安定性が低下するために、その範囲はグラフトポリマー95〜35部に対してオリゴアルキレングリコール類及び/又は多価アルコール類を5〜65部、好ましくはグラフトポリマー95〜50部に対してオリゴアルキレングリコール類及び/又は多価アルコール類5〜50部である。
【0015】
一方、グラフトポリマーと減水性を有する化合物であるポリカルボン酸又はその塩を配合する場合、グラフトポリマーの配合比率を低下させると乾燥収縮低減効果が低下するために、その範囲は、グラフトポリマー10〜90部に対してポリカルボン酸又はその塩90〜10部、好ましくはグラフトポリマー30〜90部に対してポリカルボン酸又はその塩70〜10部である。
【0016】
また、本発明の乾燥収縮低減型セメント分散剤のセメント組成物に対する使用量は、所望の分散性および乾燥収縮低減効果が得られる量であればよく、特に限定されるものではない。
【0017】
本発明の乾燥収縮低減型セメント分散剤には、本発明の目的を達成し得る範囲において、他の混和剤を混和して、あるいは別途添加して使用することができる。他の混和剤としては、一般にセメント添加剤あるいはコンクリート混和剤として使用されるものであれば限定されるものではなく、AE減水剤、減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、AE剤、凝結遅延剤、凝結・硬化促進剤、消泡剤、増粘剤などが例示できる。
以下に、実施例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
【0018】
【実施例】
1) セメント混和剤の調整
試験にあたり使用したAE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、乾燥収縮低減剤及びグラフトポリマーを表1及び構造式1〜3に示す。
【0019】
【表1】
表1
グラフトポリマーM、M‘、S及びAは、それぞれ以下の構造式1〜3で示されるグラフトポリマーを用いて、レオビルドSP8Nと同等の減水性を得るように調製したものである。
【0020】
構造式1
【化1】
[式中、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、低級アミンまたは低級アルカノールアミンを表し、Meはメチル基を、EOはエチレングリコール残基を表す。RはGE−42−2P残基、Lはポリアルキレングリコール誘導体を示す。グラフトポリマーMは、n:25、a:1.0、b:2.0、c:1.0、d:0.05 (特開平8−268741号公報に記載されるM02)であり、グラフトポリマーM‘はn:25、a:1.0、b:2.0、c:1.0、d:0(特開平8−268741号公報に記載されるM01)である。]
【0021】
構造式2
【化2】
[式中、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、低級アミンまたは低級アルカノールアミンを表し、Meはメチル基を、EOはエチレングリコール残基を、Phはフェニル基を表す。RはGE−42−2P残基、Lはポリアルキレングリコール誘導体を示し、n:6、a:0.99、b:0.1、c:0.97、d:0.03 (特開平8−268741号公報に記載されるA02)である。]
【0022】
構造式3
【化3】
[式中、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、低級アミンまたは低級アルカノールアミンを表し、Meはメチル基を、EOはエチレングリコール残基を、Phはフェニル基を表す。RはGE−42−2P残基、Lはポリアルキレングリコール誘導体を示し、n:12、a:1.0、b:0.5、c:0.50、d:0 (特開平8−268741号公報に記載されるS07)である。]
【0023】
試験に供するために調整したセメント混和剤を表2に示すが本発明の実施形態はこれに限るものではなく、また、特開平8−268741号公報に記載された乾燥収縮型セメント分散剤であればそれぞれの性能に応じた乾燥収縮低減型セメント分散剤の製造が可能である。
【0024】
【表2】
表2
【0025】
2) 溶液の貯蔵安定性試験
表2に記載のサンプル1〜23を20℃の雰囲気に静置・保存して、溶液の相溶性の程度を1日後および1ヶ月後に目視により観察して貯蔵安定性を試験し、1日後に分離しているものを×、1日後以降から30日後までに分離が認められたものを△、30日後でも分離が認められないものを〇と評価した。
【0026】
3) コンクリートの製造
3−1) コンクリートの製造
コンクリートは、表3に示した配合により、目標スランプを18.5±1.5cm、目標空気量4.5±0.5容積%に設計し、練混ぜ量が80リットルとなるようにそれぞれの材料を計量し、公称容量100リットルのパン型強制ミキサに上記混和剤を含む全材料を投入した後、90秒間練混ぜを行い製造した。なお、空気量は必要に応じて空気量調整剤を使用して調整した。
【0027】
【表3】
表3
【0028】
3−2) 使用材料
【表4】
表4
【0029】
4) コンクリート試験方法
a.スランプ試験:JIS A 1101によった。
b.空気量試験:JIS A 1128によった。
c.長さ変化試験:JIS A 1132およびJIS A 1129により、材齢26週で測定した。
d.圧縮強度試験:JIS A 1132およびJIS A 1108により、材齢28日で測定した。
【0030】
5) コンクリート試験結果および貯蔵安定性試験結果
コンクリート試験結果および貯蔵安定性試験結果は表5、6に示すとおりであり、下記の効果が確認された。
表5は同一配合条件(18%減水)で評価した結果であり、表6は、配合条件(減水率)を変化させ評価した結果である。
【0031】
【表5】
表5
【0032】
【表6】
表6
【0033】
a.貯蔵安定性
従来の分散剤である比較例5〜11に示すようにリグニンスルホン酸系、ポリオール系、ナフタレンスルホン酸系、メラミンスルホン酸系あるいはポリカルボン酸系とオリゴアルキレングリコールとの相溶性が悪く、混合した翌日には分離した。
それに対して、実施例1〜10に示すようにグラフトポリマーは、オリゴアルキレングリコール類、多価アルコール類や市販の乾燥収縮低減剤との相溶性が改善されている。ただし、実施例4(グラフトポリマー35部、オリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテル65部)では、混合から2週間後に分離が確認された。
また、参考例11、12に示すように、グラフトポリマーと市販のポリカルボン酸系高性能AE減水剤との貯蔵安定性は、良好であった。
【0034】
b.乾燥収縮低減効果
比較例1は高性能AE減水剤のみを使用した場合の結果であり、比較例5は高性能AE減水剤とオリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテルとを重量で80:20の割合で配合した場合の結果である。さらに比較例2はグラフトポリマーMのみを使用した場合の結果であり、実施例1〜4はグラフトポリマーMとオリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテルとをそれぞれ重量部で90:10、80:20、60:40および35:65の比率で配合した場合の結果である。
【0035】
実施例1〜4は、乾燥収縮率が比較例2に対して3%、12%、17%、および18%低減されており、グラフトポリマーのみでは乾燥収縮低減率が不足しているような場合にも、オリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテルを混合することにより、更に乾燥収縮低減効果を付与できるのがわかる。
また、実施例2と比較例2の比較から、グラフトポリマーを用いることにより、少量のオリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテルの混合で、高い乾燥収縮低減効果が得られているのがわかる。
【0036】
また、実施例4〜6に示すように、グラフトポリマーに多価アルコール類あるいは市販の乾燥収縮低減剤を配合した場合においても、オリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテル配合した場合と同様の効果が得られる。
更に、実施例8〜10に示すようにグラフトポリマーM‘、グラフトポリマーSおよびグラフトポリマーAを用いたときでも、グラフトポリマーMを用いた場合と同様の効果が得られる。
【0037】
表6より、グラフトポリマーのみを使用して減水率を変化させた比較例2,12および13では、所望の減水性を得るために添加量を変化させると、それに伴い乾燥収縮低減効果も連動し、乾燥収縮低減効果が不足あるいは過剰性能といった現象がおきる。
それに対して、本発明の乾燥収縮低減型セメント分散剤は、実施例1および13ならびに参考例14に示すとおり、グラフトポリマーとオリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテルの配合比率を適宜変化させることにより、任意の減水率において、所望の乾燥収縮低減効果を得ることができる。
【0038】
c.空気連行性
ポリアルキレングリコールを化学的に結合したグラフトポリマーを使用した実施例1〜8、10および比較例2、3は空気連行性が低いため、AE剤を用いて空気量を調整した。また、ポリアルキレングリコールを化学的に結合していなグラフトポリマーを使用した実施例9、10、比較例4および従来の減水剤を使用した比較例5〜11は消泡剤を併用して空気量を調整した。
【0039】
【発明の作用効果】
本発明におけるグラフトポリマーの、減水性を有する化合物や収縮低減性を有する化合物との相溶性が飛躍的に改善されるのは、減水性を有する化合物であるポリカルボン酸又はその塩に、オリゴアルキレングリコール類及び/又は多価アルコール類などの収縮低減性を有する化合物が化学的に結合しているためと推察される。このことにより、本発明による乾燥収縮低減型セメント分散剤は、貯蔵安定性に優れるものであり、また種々のコンクリートに応じて、グラフトポリマーに減水性を有する化合物や収縮低減性を有する化合物を適宜配合するだけで、簡単に所望の減水性や収縮低減性を調整することが可能となる。さらに本発明による乾燥収縮低減型セメント分散剤は、減水性を有する化合物や収縮低減性を有する化合物を過剰に配合する必要性がないので、貯蔵安定性ばかりでなく空気連行性などの他の物性に影響することなく、効率的に所望の減水性および乾燥収縮低減効果をセメント組成物に付与し、耐久性に優れたセメント組成物を経済的に製造することを可能にする。
Claims (7)
- ポリカルボン酸またはその塩の側鎖に収縮低減性を有する化合物の1種以上が化学的に結合したグラフトポリマーと、収縮低減性を有する化合物の1種以上とを含有してなり、該収縮低減性を有する化合物が、オリゴアルキレングリコール類及び多価アルコール類から選択され、該オリゴアルキレングリコール類が、オリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキルアミノオリゴアルキレングリコール、オリゴアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル又はそれらの誘導体から選ばれる1種以上であり、グラフトポリマーを95〜35部、収縮低減性を有する化合物の1種以上を5〜65部の割合で配合することを特徴とする、貯蔵安定性に優れた乾燥収縮低減型セメント分散剤。
- ポリカルボン酸が、スチレン−無水マレイン酸共重合体及びその部分エステル化物、アリルエーテル−無水マレイン酸共重合体及びその誘導体、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体及びその誘導体、(分岐)ペンテニルエーテル−無水マレイン酸共重合体及びその誘導体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びその誘導体から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥収縮低減型セメント分散剤。
- 多価アルコール類がネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール又はそれらの誘導体、ヘキサンジオールおよびペンタンジオールから選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載の乾燥収縮低減型セメント分散剤。
- グラフトポリマーが、さらに消泡性を有する化合物の1種以上と化学的に結合していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の乾燥収縮低減型セメント分散剤。
- 消泡性を有する化合物が、ポリアルキレングリコールまたはその誘導体から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の乾燥収縮低減型セメント分散剤。
- ポリアルキレングリコールまたはその誘導体が、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドの重合体、プロピレンオキシドの重合体、それらのモノアルキルエーテル、モノエステルおよびそれらの誘導体から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項5に記載の乾燥収縮低減型セメント分散剤。
- 貯蔵安定性に優れたセメント組成物の調整方法であり、ポリカルボン酸またはその塩の側鎖に収縮低減性を有する化合物の1種以上が化学的に結合したグラフトポリマーと、収縮低減性を有する化合物の1種以上とを含有してなり、該収縮低減性を有する化合物が、オリゴアルキレングリコール類及び多価アルコール類から選択され、該オリゴアルキレングリコール類が、オリゴアルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキルアミノオリゴアルキレングリコール、オリゴアルキレングリコールアルキルフェニルエーテル又はそれらの誘導体から選ばれる1種以上であり、グラフトポリマーを95〜35部、収縮低減性を有する化合物の1種以上を5〜65部の割合で配合する乾燥収縮低減型セメント分散剤を用いて減水性および収縮低減性を調整する、前記方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17956299A JP4616431B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 乾燥収縮低減型セメント分散剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17956299A JP4616431B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 乾燥収縮低減型セメント分散剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001010853A JP2001010853A (ja) | 2001-01-16 |
JP4616431B2 true JP4616431B2 (ja) | 2011-01-19 |
Family
ID=16067911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17956299A Expired - Fee Related JP4616431B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 乾燥収縮低減型セメント分散剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4616431B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109111148A (zh) * | 2018-08-16 | 2019-01-01 | 科之杰新材料集团有限公司 | 一种高和易性减缩型聚羧酸减水剂及其制备方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5545435B2 (ja) * | 2010-03-30 | 2014-07-09 | 日油株式会社 | セメント用分散剤組成物 |
WO2017067872A1 (de) * | 2015-10-21 | 2017-04-27 | Sika Technology Ag | Zusatzmittel für die interne nachbehandlung von mineralischen bindemittelzusammensetzungen |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0664956A (ja) * | 1992-08-18 | 1994-03-08 | Kao Corp | セメント混和剤 |
JPH08268741A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-10-15 | N M B:Kk | 乾燥収縮低減型セメント分散剤 |
JPH09188554A (ja) * | 1996-01-10 | 1997-07-22 | Nippon Concrete Ind Co Ltd | 高流動コンクリート用混和剤及びそれを用いる高流動コンクリートの製造方法 |
-
1999
- 1999-06-25 JP JP17956299A patent/JP4616431B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0664956A (ja) * | 1992-08-18 | 1994-03-08 | Kao Corp | セメント混和剤 |
JPH08268741A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-10-15 | N M B:Kk | 乾燥収縮低減型セメント分散剤 |
JPH09188554A (ja) * | 1996-01-10 | 1997-07-22 | Nippon Concrete Ind Co Ltd | 高流動コンクリート用混和剤及びそれを用いる高流動コンクリートの製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109111148A (zh) * | 2018-08-16 | 2019-01-01 | 科之杰新材料集团有限公司 | 一种高和易性减缩型聚羧酸减水剂及其制备方法 |
CN109111148B (zh) * | 2018-08-16 | 2020-11-27 | 科之杰新材料集团有限公司 | 一种高和易性减缩型聚羧酸减水剂及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001010853A (ja) | 2001-01-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7855260B2 (en) | Polyether-containing copolymer | |
JP4486314B2 (ja) | セメント添加剤 | |
JP4394765B2 (ja) | セメント添加剤 | |
US6310143B1 (en) | Derivatized polycarboxylate dispersants | |
JP5130205B2 (ja) | ポリエーテル含有コポリマー | |
EP2181079B1 (en) | A liquid admixture composition | |
AU640545B2 (en) | Additive composition for cement admixture | |
US20060281885A1 (en) | Polyether-containing copolymer | |
JPWO2015163468A1 (ja) | 水硬性組成物用混和剤 | |
CN101827797A (zh) | 水泥添加剂 | |
US8344084B2 (en) | Liquid admixture composition | |
JP4162192B2 (ja) | スランプロス防止に優れるセメント減水剤 | |
US20100210761A1 (en) | Liquid admixture composition | |
JP4616431B2 (ja) | 乾燥収縮低減型セメント分散剤 | |
JPH0812397A (ja) | 自己充填性コンクリート混和剤 | |
JP2010070396A (ja) | 超高強度コンクリート用水硬性組成物 | |
JP5100366B2 (ja) | 水硬性組成物用混和剤 | |
JPH0873250A (ja) | 水硬性組成物 | |
JP2011116587A (ja) | 水硬性組成物用早強剤 | |
JP2994952B2 (ja) | コンクリート用気泡連行剤 | |
JP3436901B2 (ja) | 水硬性組成物用混和剤 | |
JP5077904B2 (ja) | セメント組成物用消泡剤 | |
JPH0812394A (ja) | 水硬性組成物 | |
JPH11157898A (ja) | 水硬性組成物用添加剤 | |
JP2002160954A (ja) | セメント分散剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060623 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090616 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090817 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100216 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100514 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20100514 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20100607 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100824 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100917 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20101019 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20101022 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029 Year of fee payment: 3 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141029 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |