JPH0664956A - セメント混和剤 - Google Patents

セメント混和剤

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JPH0664956A
JPH0664956A JP21889192A JP21889192A JPH0664956A JP H0664956 A JPH0664956 A JP H0664956A JP 21889192 A JP21889192 A JP 21889192A JP 21889192 A JP21889192 A JP 21889192A JP H0664956 A JPH0664956 A JP H0664956A
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JP
Japan
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cement
group
cement admixture
polyethylene glycol
monomer
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JP21889192A
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English (en)
Inventor
Shoji Kanzaki
彰二 神崎
Toshiharu Kojima
俊治 小島
Fujio Yamato
富士桜 倭
Kazue Kitagawa
和重 北川
Haruyuki Sato
治之 佐藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/30Water reducers, plasticisers, air-entrainers, flow improvers
    • C04B2103/308Slump-loss preventing agents

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セメント組成物であるセメントペースト等に
おいて、分散性の改善、スランプロスの抑制、並びに強
度や耐久性の向上を目的としたセメント混和剤を提供す
る。 【構成】 (A) 下記の(1) 、(2) に示された単量体を重
合して得られる共重合体及び/又は該共重合体の金属塩
と(B) ポリエチレングリコールよりなるセメント混和
剤。 (1) 不飽和結合を有するポリアルキレングリコールモノ
エステル系単量体 (2) アクリル酸系単量体及び/又は不飽和ジカルボン酸
系単量体 【効果】 コンクリートのポンプ圧送助剤としてポンプ
圧送作業の効果を著しく高め、又流動性保持と材料分離
防止等にも有効であり、更に強度や耐久性の向上が期待
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セメント混和剤、更に
詳しくはセメントペースト、モルタル及びコンクリート
の分散性、分散保持性、強度及び耐久性の向上を目的と
したセメント混和剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セメン
ト混和剤としては、各種のものが知られているが、代表
的なものとしては、β−ナフタレンスルホン酸ホルムア
ルデヒド縮合物(β−NS)塩、リグニンスルホン酸塩、
メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩、ポリカ
ルボン酸塩等が知られている。これらは、強度や耐久性
の増進あるいは作業性を向上させる目的でセメント混練
時に利用され、高性能減水剤とも呼ばれている。
【0003】一般的に、水硬性セメント組成物は、混練
時間の経過にともないセメント粒子の物理的及び化学的
凝集が進行し初期の流動性を失う(以下この現象をスラ
ンプロスと呼ぶ)。従って、施工作業時の作業性(ワー
カビリチー)に問題が生ずる。殊に、β−NSに代表され
るセメント混和剤を添加したコンクリートは、その減水
率が大きくなるため、他のセメント混和剤(例えばAE
剤、AE減水剤)を添加した系や混和剤を添加しない系
に比べスランプロスが著しい。
【0004】スランプロスが生じると、例えばコンクリ
ート2次製品(ポール、ヒューム管、パイル等)の製造
工場等でポンプ圧送によりコンクリート組成物を輸送す
る際、何等かの原因で圧送が停滞した場合、圧送圧が増
大し、場合によってはポンプの閉塞に至る。また、型枠
打ち込みに際しても作業の停滞により未充填などの問題
が生ずる。
【0005】レディーミクストコンクリートについて
も、コンクリート製造プラントから打設現場への移動に
際し、生コンクリートミキサー車中でスランプロスが生
じると、作業性の低下、ポンプ閉塞、打設時の未充填等
の問題が起こる。
【0006】このようなスランプロスの原因は明確にな
っていないが、セメントペースト中のセメント粒子が水
と接触後化学的な水和反応による凝集、及び/又は粒子
間引力による物理的凝集が進行し、セメントペーストひ
いては水硬性セメント組成物の流動性が経時的に低下す
るためと推測している。
【0007】以上のようなスランプロスを改善する方法
として、次のようなものが見出された。
【0008】(1) セメントの化学的凝集を防止する目的
でオキシカルボン酸塩やリグニンスルホン酸塩等の硬化
遅延剤を添加する方法(セメントコンクリート,430, 3
0(1982))。 (2) 通常の分散剤に、空気連行性の高い分散剤を配合し
て気泡安定化により流動性を維持する方法(セメント技
術年報,33, 433(1979))。
【0009】しかし、これらの方法は基本的にスランプ
ロス防止を解決するには至っていない。即ち、(1) によ
る方法では、添加量を増加することによりスランプロス
を防止できるとしているが、その際、初期スランプが大
きくなり、骨材分離やブリージングが問題になる。更に
凝結時間が大きくなるため、初期強度も低下する。反
面、添加量を抑えると、充分な効果は得られない。(2)
の方法においては、気泡による流動効果に限界があり、
充分なスランプ保持性は得られていない。
【0010】一方、これらの公知の分散剤は、強度及び
耐久性の面においても幾つかの問題を有している。強度
面では、コンクリートの施工後の浮き水(ブリージン
グ)が多量に発生するといった問題がある。ブリージン
グが多量に発生すると、コンクリート中の水が表面に出
る際に生じる水の通り道が、コンクリート組織の緻密性
を損ない硬化時の強度低下を引き起こす。
【0011】また、耐久性面では、コンクリート中の気
泡量の経時的な減少といった問題がある。コンクリート
中の気泡は、冬期の凍結による水の体積膨張に伴う内部
圧力を緩和する効果が知られている。そのため、通常微
細気泡を3〜5%程度混入させている。この量が少ない
と凍結時の内部圧緩和効果が低減し、逆に多くなるとコ
ンクリート組織の密度低下に伴う強度低下が起こり、コ
ンクリートの耐久性に影響を及ぼす。気泡の調製は、一
般にAE(空気連行)剤と消泡剤を分散剤と併用して気
泡の大きさと量をコントロールしている。しかし、この
ような方法では、条件によってAE剤と消泡剤の添加量
が異なるため、作業性に問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の問
題点を考慮し、通常の形態のコンクリート用混和剤によ
りスランプロス防止方法及び強度や耐久性の向上方法を
研究した結果、本発明品を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、(A) 下記の(1) 、(2) に
示された単量体を重合して得られる共重合体及び/又は
該共重合体の金属塩と(B) ポリエチレングリコールを必
須成分とするセメント混和剤に関するものである。 (1) 不飽和結合を有するポリアルキレングリコールモノ
エステル系単量体 (2) アクリル酸系単量体及び/又は不飽和ジカルボン酸
系単量体。
【0014】本発明における単量体(1) としては下記の
一般式(a) 、単量体(2) としては下記の一般式(b) 、
(c) で表される単量体群から選ばれる1種以上の単量体
が挙げられる。
【0015】
【化4】
【0016】〔式中、R1、R2:水素、メチル基、(CH2)
m2COOM1 、〔(CH2)m3COO〕2M2 、(CH2)m4CONH(AO)
n2X2
【0017】
【化5】
【0018】(CH2)m6COO(AO)n5X5 AO:炭素数2〜3のオキシアルキレン基 m1〜m6:0〜2の整数 n1〜n5:3〜500 の整数 M1:水素、1価金属、アンモニウム基、アミノ基又は置
換アミノ基 M2:2価金属 X1〜X5:水素、炭素数1〜3のアルキル基〕
【0019】
【化6】
【0020】〔式中、R3、R6:水素、メチル基 R4、R5、R7、R8:水素、メチル基、又は(CH2)m7COOM3 M3:水素、1価金属、アンモニウム基、アミノ基又は置
換アミノ基 M4:2価金属 m7:0〜2の整数〕 本発明に用いられる単量体(1) のポリアルキレングリコ
ールモノエステルとしては、例えば、トリエチレングリ
コールモノアクリレート(3E−A)、ポリエチレングリコ
ール(#200)モノアクリレート(4E−A)、ポリエチレン
グリコール(#400)モノアクリレート(9E−A)、ポリエ
チレングリコール(#600)モノアクリレート(14E −
A)、ポリエチレングリコール(#1000) モノアクリレー
ト(23E −A)、ポリエチレングリコール(#2000) モノ
アクリレート(46E −A)、ポリエチレングリコール(#
4000) モノアクリレート(92E −A)、ポリエチレングリ
コール(#6000) モノアクリレート(138E−A)、トリエ
チレングリコールモノメタクリレート(3E−MA) 、ポリ
エチレングリコール(#200)モノメタクリレート(4E−
MA) 、ポリエチレングリコール(#400)モノメタクリレ
ート(9E−MA) 、ポリエチレングリコール(#600)モノ
メタクリレート(14E −MA) 、ポリエチレングリコール
(#1000) モノメタクリレート(23E −MA) 、ポリエチ
レングリコール(#2000) モノメタクリレート(46E −
MA) 、ポリエチレングリコール(#4000) モノメタクリ
レート(92E −MA) 、ポリエチレングリコール(#600
0) モノメタクリレート(138E−MA) 等のポリエチレン
グリコールモノエステル類、ポリプロピレンオキサイド
モノエステル類、ポリエチレングリコール/ポリプロピ
レンオキサイド共重合物のモノエステル類、及びこれ等
のグリコール末端の水素をエーテル化した誘導体等が挙
げられるが、アルキレングリコールの付加モル数の増大
に伴い反応性が低下するため、付加モル数 500以下のポ
リアルキレングリコールモノエステル類、及びこれらの
グリコール末端の水素をエーテル化した誘導体が好まし
い。
【0021】ポリアルキレングリコールモノエステルを
合成する際の不飽和結合を有する酸としては、アクリル
酸、メタクリル酸、及びクロトン酸等のカルボン酸系;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の
ジカルボン酸及びその誘導体(不飽和アミド類)系;ビ
ニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチル(メ
タ)アクリル酸及びスチレンスルホン酸等のスルホン酸
系が挙げられ、これらの群から選ばれた1種又は2種以
上を用いることができるが、モノカルボン酸系、ジカル
ボン酸系及びその誘導体系がより好ましい。
【0022】本発明に用いられる単量体(2) のアクリル
酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸及びこれらの金属塩が挙げられる。又、不飽和ジ
カルボン酸系単量体としては、無水マレイン酸、マレイ
ン酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン
酸、シトラコン酸、フマル酸、又はこれらの金属塩、ア
ンモニウム塩、アミン塩、あるいはこれらの酸と炭素数
2〜3のポリアルキレングリコール(グリコール付加モ
ル数2〜500)とのモノエステルあるいはジエステルが挙
げられる。
【0023】本発明の共重合体(A) 中の単量体(1) 、
(2) の割合(重量%)は、(1) :(2)=10〜99:90〜1
の範囲が適しており、より好ましくは(1) :(2) =40〜
99:60〜1の範囲である。(1) の単量体割合は10%以下
になると充分なブリージング抑制効果や気泡安定性が期
待できない。
【0024】本発明の共重合体の(A) の重量平均分子量
(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム標準によるGPC 測
定値)は1,000 〜1,000,000 の範囲が良く、より好まし
くは5,000 〜500,000 が良い。重量平均分子量が、5,00
0 以下では分散性が充分でない。また、1,000,000 以上
では凝集性が顕著になるため好ましくない。
【0025】本発明の共重合体(A) の製造は、重合開始
剤を用いて単量体(1) 及び(2) を重合することで得られ
る。重合は溶媒中の重合や塊状重合等の方法で行うこと
ができる。
【0026】溶媒中での合成は回分式でも連続式でも行
うことができる。溶媒としては、水、低級アルコール、
芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素及びケトン化合物が挙
げられるが、特に作業性の面から水、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール及び水
/低級アルコール混合系が好ましい。水系で重合を行う
場合の重合開始剤としてはアンモニウム又はアルカリ金
属の過硫酸塩及び過酸化水素等が適している。重合温度
は、0〜120 ℃が良い。
【0027】塊状重合の重合開始剤としては、ベンゾイ
ルパーオキシド等のパーオキシド、アゾビスイソブチロ
ニトリル等の脂肪族アゾ化合物が好ましい。重合温度
は、40℃〜160 ℃が良い。
【0028】本発明に必須のポリエチレングリコール
(B) は水溶性物質であり、特に限定するものではない
が、分子量 5,000〜500,000 の範囲にあるものが優れた
効果を示す。
【0029】本発明の混和剤の必須成分である単量体
(1) 及び(2) の共重合体(A) は、セメントペースト等に
対しある程度分散性、スランプロスを改善することが知
られている(例えば、特開昭59−162163号公報、特公平
2−11542 号公報、特公平2−7901号公報)。それは単
量体(1) によるグラフト構造及び単量体(2) による静電
反発力に起因すると考えられるが、その効果は充分とは
言い難い。
【0030】然るに本発明の混和剤が従来公知のものよ
り優れた分散性、スランプロス抑制効果を発現する理由
としては、共重合体(A) による立体的、静電的反発力に
加え、分子間の摩擦低減効果を有するポリエチレングリ
コール(B) を混入することによる相乗効果により経時的
な分散剤の供給が可能になる為であると考えられる。以
上の点において、グラフト構造だけによる立体反発力を
利用してスランプロス抑制を目的とした上記従来技術と
は明らかに異なる。
【0031】また、本発明のセメント混和剤が優れたブ
リージング抑制効果及び気泡安定性を有している理由と
しては、ポリエチレングリコールによる保水性及び分子
中の親水基/(親水基+疎水基)の比率を大きくするこ
とによる空気連行性の低減によるものと考えられる。こ
の点においても、分子内にエステル結合を有する化合物
からなる特開平1−281014号公報のスランプロス抑制剤
とは明らかに異なる。
【0032】本発明に使用される共重合体は、酸のまま
でも分散剤として使用されるが、一般的には塩の形で使
用するのが好ましい。形成するカチオンとしては、ナト
リウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、アルカ
ノールアミン、 N−アルキル置換ポリアミン、エチレン
ジアミン、ポリエチレンポリアミン等が挙げられる。
【0033】本発明のセメント混和剤をコンクリート分
散剤として使用する際の添加量は、成分(A) の共重合体
及び/又は該共重合体の金属塩のセメントへの添加量が
固形分量として0.05〜0.5 重量%、ポリエチレングリコ
ールのセメントへの添加量が固形分量として0.005 〜0.
2 重量%が良い。各成分の添加量が上記範囲を下回ると
セメント粒子に対して十分な分散効果が得られない。ま
た上記範囲を上回ると経済的に不利であったり、セメン
ト粒子の分散が過度となってブリージングやペースト分
離を引き起こしたり、凝結時間の増大を引き起こしたり
して初期強度が低下する。
【0034】本発明のセメント混和剤のセメント配合物
への添加方法は、水溶液又は粉末でも可能であり、その
添加時期は、セメントとのドライブレンド、混練水への
溶解、又はセメント配合物の混練開始、即ち、セメント
への注水と同時もしくは注水直後からセメント配合物の
混練終了までの間に添加することも可能であり、一旦練
り上がったセメント配合物への添加も可能である。ま
た、一時に全量添加する方法あるいは数回に分割して添
加することも可能である。
【0035】本発明のセメント混和剤と公知の分散剤を
併用する場合、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド
縮合物又はその塩、アルキルナフタレンスルホン酸ホル
ムアルデヒド縮合物又はその塩、リグニンスルホン酸又
はその塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物
又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、ポリカルボ
ン酸又はその塩、及びポリアルキル無水カルボン酸又は
その塩(例えば、特公昭63−5346号公報、特開昭62−83
344 号公報、特開平1−270550号公報)などを予め混合
しておいても良く、また、一方をセメント又はセメント
配合物に配合した後、あるいは一方をセメント又はセメ
ント配合物に配合して練っておいてから他方を配合して
も良い。
【0036】また、他のセメント添加剤(材)、例えば
AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤、遅延剤、早強
剤、促進剤、起泡剤、発泡剤、消泡剤、保水剤、増粘
剤、セルフレベリング剤、防水剤、防錆剤、着色剤、防
黴剤、ひび割れ低減剤、高分子エマルション、その他界
面活性剤、ポリエチレングリコール以外の水溶性高分
子、膨張剤(材)、グラスファイバー及びその併用も可
能も可能である。
【0037】尚、本発明に使用したセメント混和剤の重
量平均分子量はポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩を
基準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラファ
ーによる測定値を示している。
【0038】
【発明の効果】本発明によりコンクリートのワーカビリ
チを長時間保つことが可能になった事から本発明に係る
セメント混和剤は種々の用途に具体的に用いられる。
【0039】例えばコンクリートのポンプ圧送助剤とし
て用いられる。セメント配合物はポンプ圧送により打設
されることが多くなっているが、前述の如く、作業の昼
休み、段取り替え、機械故障によるポンプ圧送の一時中
断がなされる場合、中断時間が長引くと圧送配管中のコ
ンクリートのワーカビリチが低下し、圧送再開時の圧送
圧が急激に上昇したり、閉塞するなどの問題が生じてい
る。
【0040】しかし、本発明に係るセメント混和剤を添
加するとコンクリートのワーカビリチは一定に保たれ
て、流動性の低下は防止され、ポンプ圧送中断後、圧送
再開時の圧力の上昇を防止することが可能となって、ポ
ンプ圧送作業の効果を著しく高めることを可能ならしめ
るのである。
【0041】さらに他の例としては、セメントミルク又
はモルタルのグラフト用助剤、トレミー管により打設さ
れるセメント配合物、水中コンクリート、連続地中壁用
コンクリート、吹き付けコンクリート、遠心成形コンク
リート、振動締め固めコンクリートなどの流動性保持と
材料分離防止などの用途にも有効である。
【0042】また、本発明は優れたブリージング抑制効
果及び気泡安定性を有しているためコンクリートの緻密
性を維持し、しかもコンクリート中の空気量を一定に制
御できることによってコンクリートの硬化後の物性、特
に強度や耐久性の向上が期待できる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の製造例及び実施例を挙げ本発
明を説明するが、本発明は、これら実施例に限定される
ものではない。
【0044】製造例(1) 攪拌機付き反応容器に水 265部(重量部、以下同じ)を
仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素雰囲気中60℃迄
昇温した。ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(9E−MA)50部、メタクリル酸ナトリウム(MA−Na)50
部を仕込み、30%水酸化ナトリウム水溶液2部で溶液の
pHを 9.0に調整した。窒素置換後、20%過硫酸アンモニ
ウム水溶液10部を添加し重合を開始する。6時間反応さ
せ重合を完了後、30%水酸化ナトリウム水溶液3部で完
全中和させ、分子量15,000の共重合物を得た(以下、共
重合物(1) とする)。
【0045】製造例(2) 攪拌機付き反応容器に水 150部を仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中60℃迄昇温した。ポリエチレ
ングリコールモノアクリレート(92E−A)60部、メタクリ
ル酸ナトリウム(MA−Na)40部を仕込み、30%水酸化ナ
トリウム水溶液2部で溶液のpHを 9.0に調整した。窒素
置換後、15%過硫酸アンモニウム水溶液20部を添加し重
合を開始する。6時間反応させ重合を完了後、30%水酸
化ナトリウム水溶液3部で完全中和させ、分子量32,500
の共重合物を得た(以下、共重合物(2) とする)。
【0046】製造例(3) 攪拌機付き反応容器にイソプロピルアルコール(IPA と
略す)265 部を仕込み、攪拌しながら窒素置換し、窒素
雰囲気中沸点迄昇温した。ポリエチレングリコールモノ
メタクリレート(92E −MA)80 部、アクリル酸ナトリウ
ム(AA−Na)20部を仕込み、30%水酸化ナトリウム水溶
液2部で溶液のpHを 8.0に調整した。窒素置換後、ベン
ゾイルパーオキサイドの10% IPA溶液30部を添加し重合
を開始する。5時間反応させ重合を完了後、30%水酸化
ナトリウム水溶液3部で完全中和させ、分子量460,000
の共重合物を得た(以下、共重合物(3) とする)。
【0047】製造例(4) 攪拌機付き反応容器に水 100部及びIPA 70部を仕込み、
攪拌しながら、窒素置換し、窒素雰囲気中沸点迄昇温し
た。ポリエチレングリコールモノアクリレート(14E −
A)50部、ポリエチレングリコールモノメタクリレート
(14E −MA) 20部、アクリル酸ナトリウム(AA−Na) 15
部、メタクリル酸ナトリウム(MA−Na)15部を仕込み、
25%水酸化ナトリウム水溶液1部で溶液のpHを7.5 に調
製した。窒素置換後、20%過硫酸アンモニウム水溶液10
部を添加し重合を開始する。6時間反応させ重合を完了
後、30%水酸化ナトリウム水溶液3部を完全中和させ、
分子量69,000の共重合物を得た(以下、共重合物(4) と
する)。
【0048】セメント混和剤としての評価 (1) コンクリート配合は以下のように行った。 (一般強度用) W/C =60% S1/A1=49% C=300kg /m3 (高強度用) W/C =20% S2/A2=43% C=750kg /m3 ここで、C はセメントを、W は水を、S1,S2は細骨材
を、A1,A2は全骨材をそれぞれ示す。
【0049】(2) 用いた材料を以下に示す。 セメント(C) :普通ポルトランドセメント(比重3.17) 細骨材(S1):瀬戸内産砂(比重2.57,FM2.82) 細骨材(S2):紀ノ川産砂(比重2.58,FM2.91) 粗骨材(G) :宝塚産砕石(比重2.61,FM6.98) (3) コンクリートの練り混ぜ方法 セメント混和剤を予め練り混ぜ水に溶解し、20℃にて 1
00リットルの傾胴ミキサーを用い50リットルのコンクリ
ートを3分間混練した後、1分間に4回転させて経時的
にスランプと空気量を測定した。スランプ試験はJIS A
1101、空気量試験はJIS A 1128に準拠して行った。ま
た、ブリージング試験(JIS A 1123)を並行して行っ
た。コンクリート硬化後、JIS A 1108に準拠して圧縮強
度試験を行った。
【0050】1.一般強度配合 得られた評価結果を表1、表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表中、混和剤の添加量は、すべてセメント
重量に対する固形分%である。なお、表中のPEG-A 〜PE
G-D と分散剤(a) , (b) を以下に示す。 PEG-A ;ポリエチレングリコール(分子量 5,000) PEG-B ;ポリエチレングリコール(分子量 10,000) PEG-C ;ポリエチレングリコール(分子量100,000) PEG-D ;ポリエチレングリコール(分子量500,000) 分散剤(a) ;ナフタレン系分散剤(マイティ150 :花王
(株)製) 分散剤(b) ;リグニン系分散剤(ウルトラジンNA:ボレ
ガード社製)
【0053】
【表2】
【0054】2.高強度配合 得られた評価結果を表3、表4に示す。
【0055】
【表3】
【0056】表中、混和剤の添加量は、すべてセメント
重量に対する固形分%である。なお、表中のPEG-A 〜PE
G-D と分散剤(a) , (b) を以下に示す。 PEG-A ;ポリエチレングリコール(分子量 5,000) PEG-B ;ポリエチレングリコール(分子量 10,000) PEG-C ;ポリエチレングリコール(分子量100,000) PEG-D ;ポリエチレングリコール(分子量500,000) 分散剤(a) ;ナフタレン系分散剤(マイティ150 :花王
(株)製) 分散剤(b) ;リグニン系分散剤(ウルトラジンNA:ボレ
ガード社製)
【0057】
【表4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 222/06 MLT 7242−4J 299/02 MRS 7442−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 下記の(1) 、(2) に示された単量体
    を重合して得られる共重合体及び/又は該共重合体の金
    属塩と(B) ポリエチレングリコールを必須成分とするセ
    メント混和剤。 (1) 不飽和結合を有するポリアルキレングリコールモノ
    エステル系単量体 (2) アクリル酸系単量体及び/又は不飽和ジカルボン酸
    系単量体
  2. 【請求項2】 単量体(1) が下記の一般式(a) 、単量体
    (2) が下記の一般式(b) 、(c) で表される単量体群から
    選ばれる1種以上の単量体である請求項1に記載のセメ
    ント混和剤。 【化1】 〔式中、R1、R2:水素、メチル基、(CH2)m2COOM1
    〔(CH2)m3COO〕2M2 、(CH2)m4CONH(AO)n2X2、 【化2】 (CH2)m6COO(AO)n5X5 AO:炭素数2〜3のオキシアルキレン基 m1〜m6:0〜2の整数 n1〜n5:3〜500 の整数 M1:水素、1価金属、アンモニウム基、アミノ基又は置
    換アミノ基 M2:2価金属 X1〜X5:水素、炭素数1〜3のアルキル基〕 【化3】 〔式中、R3、R6:水素、メチル基 R4、R5、R7、R8:水素、メチル基、又は(CH2)m7COOM3 M3:水素、1価金属、アンモニウム基、アミノ基又は置
    換アミノ基 M4:2価金属 m7:0〜2の整数〕
  3. 【請求項3】 ポリエチレングリコールの分子量が 5,0
    00〜500,000 の範囲であることを特徴とする請求項1記
    載のセメント混和剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の(1) 、(2) の単量体のセ
    メントへの添加量が固形分量として0.05〜0.5 重量%、
    ポリエチレングリコールのセメントへの添加量が固形分
    量として0.005 〜0.2 重量%であることを特徴とする請
    求項1〜3の何れか1項記載のセメント混和剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載のセメン
    ト混和剤とナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合
    物又はその金属塩、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒ
    ド縮合物又はその金属塩、リグニンスルホン酸又はその
    金属塩、オキシカルボン酸又はその金属塩、ポリカルボ
    ン酸又はその金属塩からなる群から選ばれた1種又は2
    種以上の化合物とを併用してなるセメント混和剤。
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