JP5077904B2 - セメント組成物用消泡剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート、モルタル、ペーストおよびセメントミルクなどのセメント組成物を製造する際に使用される消泡剤に関することである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コンクリート、モルタル、ペーストおよびセメントミルクなどのセメント組成物にポリカルボン酸系高性能AE減水剤を用いる場合、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤の空気連行性が大きいために、セメント組成物中に連行される空気量が課題となるので、空気量を所要の範囲にするためにシリコーン系、脂肪酸エステル系、ポリエーテル系などの慣用の消泡剤が使用されている。これら消泡剤は極めて少ない添加量で鋭敏に消泡効果が発揮されるため、計量装置の計量誤差を防ぐために、消泡剤を所要の濃度に水で希釈する手法や、ポリカルボン酸系高性能AE減水剤に消泡剤をあらかじめ添加して一液化する方法が図られている。
【0003】
しかし、これら消泡剤をポリカルボン酸系高性能AE減水剤にあらかじめ添加して一液化を試みても、充分には一液化せず分離が生じてしまうという問題点がある。分離を防止するためには、貯蔵タンクに撹拌装置を設置する必要性があり、経済性や騒音面で問題が生じる。また、同様に水で所要の濃度に希釈する場合も分離という問題を抱えている。
【0004】
一方、特開平7−53249号公報には消泡剤の分離を抑制するために、ある特定のポリカルボン酸系ポリマーの製造時にあらかじめ消泡剤を混合し、このポリカルボン酸系ポリマーを配合したポリカルボン酸系高性能AE減水剤が提案されている。
しかし、セメント組成物中の空気量は、使用する材料や環境温度によって空気量が変動するので、適正な空気量に調整するために必要な消泡剤量も一般的に変化する。したがって、前記の手法によってあらかじめ混合された消泡剤の量が適正でない場合、所要の空気量を得られないという問題を抱えており、空気量を調節するために、別途空気量調整剤を使用するという煩雑さを有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、セメント組成物に対して、消泡性能に優れ、かつ、高性能AE減水剤にあらかじめ消泡剤を添加して一液化した場合、あるいは消泡剤を所要の濃度に水で希釈した場合において分離することなく、長期保存性に優れたセメント組成物用消泡剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の如き従来技術における諸種の問題点を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレンオキシドの1つの末端に分枝構造および/または不飽和結合を有する疎水基ともう一つの末端にはアニオン基を有したポリエチレンオキシド誘導体に着目し、慣用の非イオン性消泡剤とを含有することで上記問題点を解決するセメント組成物用消泡剤を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、少なくともポリエチレンオキシド誘導体と非イオン性消泡剤とを配合して得られるセメント組成物用消泡剤であって、ポリエチレンオキシド誘導体が、1つの末端に分枝構造および/または不飽和結合を有する疎水基を有し、もう1つの末端にアニオン基を有することを特徴とする、前記セメント組成物用消泡剤に関する。
また本発明は、不飽和結合が、二重結合であることを特徴とする、前記のセメント組成物用消泡剤に関する。
【0008】
さらに本発明は、ポリエチレンオキシド誘導体が、一般式(1):
【化4】
(式中、Xは分枝構造および/または不飽和結合を有する疎水基であり、Yはアニオン基であり、EOは−CH2CH2O−であり、aは6〜100の整数である)
で表される化合物であることを特徴とする、前記のセメント組成物用消泡剤に関する。
また本発明は、aが、15〜60の整数であることを特徴とする、前記のセメント組成物用消泡剤に関する。
【0009】
さらに本発明は、分枝構造および/または不飽和結合を有する疎水基が、一般式(2):
【化5】
(式中、ZはOまたはアミンであり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立してアルキル、またはフェニル、ナフチル、アルケニル、炭素数2〜4のアルキレンオキシド若しくはそれらの誘導体のいずれかであり、R2およびR3はそれぞれ独立して水素であってもよいが、R2とR3が同時に水素である場合、R1はアルキルではない)
で表されることを特徴とする、前記のセメント組成物用消泡剤に関する。
また本発明は、アニオン基が、−SO3M、−(CH2CH2)OSO3M、−R4COOM (R4は、−CmH2m− (mは、10>m>0の整数で、好ましくはm=1または2)またはフェニル基)、−PO3M、または−CO(CH2)nCOOM (式中、MはNa塩、K塩、Ca塩、Mg塩、NH4塩またはHであり、n=2または3である)
であることを特徴とする、前記のセメント組成物用消泡剤に関する。
【0010】
さらに本発明は、非イオン性消泡剤が、一般式(3):
【化6】
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立して炭素数10〜25の脂肪族炭化水素、炭素数1〜5のアルキル基またはHであり、AOは炭素数2〜3のアルキレンオキシドで構成されるブロックポリマーおよび/またはランダムポリマーであり、bは5〜500の整数である)
であることを特徴とする、前記のセメント組成物用消泡剤に関する。
また本発明は、ポリエチレンオキシド誘導体と非イオン性消泡剤とを20:80〜60:40(重量%)で配合して得られることを特徴とする、前記のセメント組成物用消泡剤に関する。
さらに本発明は、非イオン性消泡剤が、重量平均分子量がポリエチレングリコール換算で300〜30,000であり、該分子量中のエチレンオキシドの重量比が5〜80%であることを特徴とする、前記のセメント組成物用消泡剤に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いるポリエチレンオキシド誘導体は、1つの末端に分枝構造および/または不飽和結合を有する疎水基を有し、もう1つの末端にアニオン基を有するポリエチレンオキシド誘導体であり、従来から慣用されている非イオン性消泡剤と混合しても分離することがなく、得られた消泡剤は溶液安定性が高い。
また本発明に用いるポリエチレンオキシド誘導体は、一般式(1):
【化7】
で表され、ここで、Xは分枝構造および/または不飽和結合を有する疎水基であり、Yはアニオン基であり、EOは−CH2CH2O−である。
aは特に限定されないが、6〜100の整数であることが好ましく、特に15〜60の整数であることが好ましい。
【0012】
上記疎水基が不飽和結合を有する場合、該不飽和結合は二重結合であることが好ましい。
本発明に用いるポリエチレンオキシド誘導体の末端にある分枝構造および/または不飽和結合を有する疎水基は、一般式(2):
【化8】
で表わすことができる疎水基であることが好ましい。
ここでZはOまたはアミンであり、R1、R2およびR3はそれぞれ独立してアルキル、またはフェニル、ナフチル、アルケニル、炭素数2〜4のアルキレンオキシド若しくはそれらの誘導体のいずれかである。また、R2およびR3はそれぞれ独立して水素であってもよいが、R2とR3が同時に水素である場合、R1はアルキルではない。
【0013】
本発明に用いるポリエチレンオキシド誘導体の末端にあるアニオン基は、
−SO3M、
−(CH2CH2)OSO3M、
−PO3M、
−R4COOM (R4は、−CmH2m− (mは、10>m>0の整数で、好ましくはm=1または2)またはフェニル基)、
−CO(CH2)nCOOM (n=2または3)、および
−COCH=CHCOOMなどがあげられる。
上記式中Mは、Na塩、K塩、Ca塩、Mg塩、NH4塩またはHなどであることが望ましい。
一方、本発明で用いられる非イオン性消泡剤は、従来用いられている非イオン性消泡剤であってよく、特に限定されないが、一般式(3):
【化9】
(式中、R5およびR6は、それぞれ独立して炭素数10〜25の脂肪族炭化水素、炭素数1〜5のアルキル基またはHであり、AOは炭素数2または3、特に好ましくは炭素数2のアルキレンオキシドで構成されるブロックポリマーおよび/またはランダムポリマーであり、bは5〜500の整数である)
で表される化合物が好ましい。
【0014】
本発明のセメント組成物用消泡剤を得るためのポリエチレンオキシド誘導体と非イオン性消泡剤との混合割合は、特に限定されないが、10:90〜70:30(重量%)、好ましくは20:80〜60:40(重量%)、さらに好ましくは、20:80〜50:50(重量%)である。
本発明に用いる非イオン性消泡剤の重量平均分子量は、特に限定されないが、ポリエチレングリコール換算で300〜30,000であり、非イオン性消泡剤の分子量中のエチレンオキシドの重量比が10〜90%、好ましくは5〜80%である。
【0015】
本発明のセメント組成物用消泡剤は、慣用の減水剤と一液化することが可能であり、減水剤がリグニンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリサッカライド誘導体の中から一種以上選ばれたものである。
本発明のセメント組成物用消泡剤の添加量は適宜定められるが、基本的にはセメント組成物に所望の空気量を調整するために必要な量であり、好ましくはセメント組成物中のセメント重量に対して固形分換算で0.001〜5重量%であり、特に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
【0016】
本発明のセメント組成物用消泡剤は、多様性を持たせるために、他の添加剤を所望により配合させることもできる。他の添加剤としては、慣用のAE剤、乾燥収縮低減剤、促進剤、遅延剤、起泡剤、消泡剤、防錆剤、急結剤、増粘剤、水溶性高分子物質等を例示することができる。
【0017】
【実施例】
以下に、本発明におけるポリエチレンオキシド誘導体の製造例を示すが、本発明はこれらの実施態様例によって限定されるものではない。
【0018】
(製造例1)ポリエチレンオキシド誘導体A−1の製造
13.42 重量部のシンナミルアルコールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、11.41重量部のアリルグリシジルエーテルをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、88.0重量部のエチレンオキシドを加え、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−1を得た。
【0019】
(製造例2)ポリエチレンオキシド誘導体A−2の製造
14.4重量部の2−ナフトールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、11.41重量部のアリルグリシジルエーテルをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、88.0重量部のエチレンオキシドを加え、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−2を得た。
【0020】
(製造例3)ポリエチレンオキシド誘導体A−3の製造
22.04重量部の4−ノニルフェノールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、11.41重量部のアリルグリシジルエーテルをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、88.0重量部のエチレンオキシドを加え、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−3を得た。
【0021】
(製造例4)ポリエチレンオキシド誘導体A−4の製造
22.04重量部の4−ノニルフェノールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、11.41重量部のアリルグリシジルエーテルをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、44.0重量部のエチレンオキシドを加え、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−4を得た。
【0022】
(製造例5)ポリエチレンオキシド誘導体A−5の製造
22.04重量部の4−ノニルフェノールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、11.41重量部のアリルグリシジルエーテルをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、88.0重量部のエチレンオキシドを加え、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の方法でカルボキシル化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、13.0重量部の無水コハク酸と0.1重量部のトリメチルアミンを窒素雰囲気下で加えて50℃、2時間カルボキシル化を行い、ポリエチレンオキシド誘導体A−5を得た。
【0023】
(製造例6)ポリエチレンオキシド誘導体A−6の製造
5.81重量部のアリルアルコールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、12.0重量部のスチレンオキシドをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、88.0重量部のエチレンオキシドを加え、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−6を得た。
【0024】
(製造例7)ポリエチレンオキシド誘導体A−7の製造
5.81重量部のアリルアルコールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、19.6重量部のスチルベンオキシドをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、110.0重量部のエチレンオキシドを加え、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の方法でリン酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、16.0重量部の三塩化酸化リンを窒素雰囲気下で添加し、45℃で反応させた後、ポリエチレンオキシド誘導体A−7を得た。
【0025】
(製造例8)ポリエチレンオキシド誘導体A−8の製造
13.42重量部の2−アリルフェノールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、11.41重量部のアリルグリシジルエーテルをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、88.0重量部のエチレンオキシドを加え、5気圧、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−8を得た。
【0026】
(製造例9)ポリエチレンオキシド誘導体A−9の製造
26.1重量部の4−ノニル−2−プロペニルフェノールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、88.0重量部のエチレンオキシドを加え、5気圧、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−9を得た。
【0027】
(製造例10)ポリエチレンオキシド誘導体A−10の製造
26.1重量部の4−ノニル−2−プロペニルフェノールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、220.0重量部のエチレンオキシドを加え、5気圧、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−10を得た。
【0028】
(製造例11)ポリエチレンオキシド誘導体A−11の製造
22.04重量部の4−ノニルフェノールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、11.41重量部のアリルグリシジルエーテルをゆっくりと滴下し、120℃で1時間反応させる。さらに、88.0重量部のエチレンオキシドを加え、120 ℃ で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。メチル化を行うために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部のジメチルサルフェートを加え80℃、3時間反応を行い、ポリエチレンオキシド誘導体A−11を得た。
【0029】
(製造例12)ポリエチレンオキシド誘導体A−12の製造
22.04 重量部の4−ノニルフェノールと88重量部のエチレンオキシドと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、120 ℃で1時間反応をエトキシル化を行い淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−12を得た。
【0030】
(製造例13)ポリエチレンオキシド誘導体A−13の製造
5.81重量部のアリルアルコールと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、12.02重量部のスチレンオキシドを徐々に滴下し、140 ℃で1時間反応を行う。さらに、22.0 重量部のエチレンオキシドを加えて120℃で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−13を得た。
【0031】
(製造例14)ポリエチレンオキシド誘導体A−14の製造
24.2重量部のセチルアルコール0.05重量部の水酸化カリウムと44重量部のエチレンオキシドをオートクレーブ反応器に仕込み、120 ℃で2時間エトキシル化を行い、淡黄色、粘稠性液体を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−14を得た。
【0032】
(製造例15)ポリエチレンオキシド誘導体A−15の製造
26.1 重量部の4−ノニル−2プロペニルフェノールと484重量部のエチレンオキシドと0.05重量部の水酸化カリウムをオートクレーブ反応器に仕込み、150℃で1時間エトキシル化を行い、無色、固形物を得る。これを慣用の硫酸化方法で硫酸化するために、得られた淡黄色、粘稠性液体を3つ口フラスコに移し、10.7重量部の硫酸アミドを加えて窒素雰囲気下で125℃、2時間で硫酸化し、ポリエチレンオキシド誘導体A−15を得た。
【0033】
上記製造例1〜15で得られたポリエチレンオキシド誘導体A−1〜A−15は、いずれも一般式(4):
【化10】
で表され、それぞれの官能基は表1に示すとおりである。
【0034】
【表1】
以下に、本発明におけるセメント組成物用消泡剤の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0035】
1.コンクリートの配合および練り混ぜ
表2に示す配合により、目標スランプ18±1cmのコンクリートを調製した。
コンクリートの練混ぜは、練混ぜ量が80リットルとなるようにそれぞれ材料を計量した後、100リットルパン型強制ミキサに全材料を投入後、120秒間練混ぜてコンクリ−トを調製したコンクリ−トの空気量を測定し、空気量の増減から消泡性能を評価した。
【0036】
表2 コンクリートの配合
【表2】
ただし、混和剤はポリカルボン酸系減水剤のみとポリカルボン酸系減水剤1000gに対してセメント組成物用消泡剤を2g混合したものを用いた。
【0037】
【0038】
(溶液安定性)
本発明のセメント組成物用消泡剤の溶液安定性を確認するために、ポリカルボン酸系減水剤1000gに対して2.0gのセメント組成物用消泡剤を溶解させ、室温環境で3ヶ月静置保存した時の、溶液の分離状況を観察した。
結果は、以下に示す基準で評価した。
A+ :優良(分離が全く認められない)
A :良好(分離がほぼ認められない)
B :分離
【0039】
(消泡性能)
本発明のセメント組成物用消泡剤の消泡性能を確認するために、下記に示すコンクリートを調製し、コンクリート中の空気量に関して、セメント組成物用消泡剤を用いない場合の空気量を比較し消泡性能を評価した。
A:消泡性能が良好(空気量が2%以上低減した。)
B:消泡性能なし(空気量の低減が2%未満および空気量が増加した。)
【0040】
表3 試験結果
【表3】
【0041】
表3より、実施例1〜12に示したポリエチレングリコール誘導体の種類や混合割合を適宜調製したセメント組成物用消泡剤を用いた場合、ならびに実施例13〜15に示した非イオン性消泡剤の種類を変えた場合のセメント組成物用消泡剤はいずれも、本発明のセメント組成物用消泡剤を使用していない比較例1〜7と比較して、分離が生じることがなく溶液安定性に優れ、かつ、十分な消泡性能を示している。
比較例1は消泡剤を用いない場合であるが、消泡性能は得られない。比較例2〜7に示したポリエチレングリコール誘導体を混合したセメント組成物用は消泡性能は十分に得られるものの、分離が生じてしまい溶液安定性は満足な性能が認められない。
【0042】
すなわち、各実施例と比較例との比較より、本発明のセメント組成物用消泡剤を用いることで溶液安定性と消泡性能などが総合的に改善されることが確認された。
【0043】
【発明の効果】
本発明のセメント組成物用消泡剤は、従来の消泡剤が抱えていた一液化した場合の消泡剤の分離や分離を抑制するためのタンク内での撹拌作業に伴う騒音や撹拌装置の取り付けを解消するために、セメント組成物に対する消泡性能に優れ、かつ、高性能AE減水剤にあらかじめ消泡剤を添加して一液化した場合あるいは消泡剤を所要の濃度に水で希釈した場合において分離することなく、長期保存性に優れたセメント組成物用消泡剤の提供を可能にする。
Claims (7)
- 少なくともポリエチレンオキシド誘導体と非イオン性消泡剤とを配合して得られるセメント組成物用消泡剤であって、ポリエチレンオキシド誘導体が、1つの末端に分枝構造および二重結合である不飽和結合を有する疎水基を有し、もう1つの末端にアニオン基を有する、一般式(1):
で表される疎水基であり、Yはアニオン基であり、EOは−CH 2 CH 2 O−であり、aは6〜100の整数である)
で表される化合物であって、高性能AE減水剤にあらかじめ消泡剤を添加して一液化した場合において分離することのない、前記セメント組成物用消泡剤。 - aが、15〜60の整数であることを特徴とする、請求項1に記載のセメント組成物用消泡剤。
- アニオン基が、−SO3M、−(CH2CH2)OSO3M、−R4COOM (R4は、−CmH2m−(mは、10>m>0の整数で、好ましくはm=1または2)またはフェニル基)、−PO3M、または−CO(CH2)nCOOM(式中Mは、Na塩、K塩、Ca塩、Mg塩、NH4塩またはHであり、n=2または3である)であることを特徴とする、請求項1または2に記載のセメント組成物用消泡剤。
- ポリエチレンオキシド誘導体と非イオン性消泡剤とを20:80〜60:40(重量%)で配合して得られることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のセメント組成物用消泡剤。
- 非イオン性消泡剤が、重量平均分子量がポリエチレングリコール換算で300〜30,000であり、該分子量中のエチレンオキシドの重量比が5〜80%であることを特徴とする、請求項5に記載のセメント組成物用消泡剤。
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JP2001164388A JP5077904B2 (ja) | 2001-05-31 | 2001-05-31 | セメント組成物用消泡剤 |
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