JP6653848B1 - 水硬性組成物用添加剤 - Google Patents

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Abstract

水硬性組成物用添加剤は、脂肪族アルコールリン酸エステルを少なくとも一種以上含む第一成分と、有機アミンを含む第二成分とで中和した脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩で構成される。

Description

本発明は、水硬性組成物用添加物に関する。更に詳しくは、それ自体の水溶液の安定性が高く、既存の水硬性組成物用添加剤との相溶性に優れ、水硬性組成物から得られるコンクリート硬化体等の凍結融解抵抗性の向上を図ることが可能な水硬性組成物用添加剤に関する。
近年、水硬性組成物から得られる硬化体、例えば、コンクリート硬化体において、高耐久性化が多く要求されている。この高耐久性化を示す指標の一つとして、「凍結融解抵抗性」が知られている。そこで、コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性の向上を図ることを目的として、コンクリート硬化体の内部に微細な気泡を混入してなるAEコンクリートが製造されている。しかしながら、コンクリート硬化体に使用する各種の材料や各種材料の配合比率等の種々の条件によって、AEコンクリートの場合であっても十分な凍結有効抵抗性を有しないことがある。そのため、製造条件に応じて、空気量の増加や配合の修正等の種々の調整作業が行われている。
例えば、AEコンクリートを製造する過程において、空気量を調整するために添加剤が用いられる。このとき、使用する添加剤の種類に応じて、得られるコンクリート硬化体の凍結融解抵抗性がそれぞれ異なる。ここで、凍結融解抵抗性に優れる添加剤として、リン酸エステル系の添加剤をAE調整剤として使用するものが既に提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開昭61−048480号公報 特開2010−100478号公報 特開2010−285291号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に示されるリン酸エステル系の添加剤の場合、水や既存の水硬性組成物用添加剤との相溶性が乏しく、その結果として、依然としてコンクリート硬化体等の凍結溶解抵抗性が十分でないとの問題を生じることがあった。
そこで、本発明の水硬性組成物用添加剤は、上記実情に鑑み、それ自体で水溶液としての安定性が高いとともに、既存の水硬性組成物用添加剤との相溶性に優れ、更に得られるコンクリート硬化体等が良好な凍結融解抵抗性の値を示すことが可能な水硬性組成物用添加剤の提供を課題とするものである。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の脂肪族アルコールリン酸エステルと、特定の有機アミンとを含有した水硬性組成物用添加剤が特に好適であることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の化1、化2、及び化3でそれぞれ示される脂肪族アルコールリン酸エステルを少なくとも一種以上含む第一成分と、下記の化4で示される有機アミンを含む第二成分とで中和した脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩で構成される水硬性組成物用添加剤に関するものである。
Figure 0006653848
Figure 0006653848
Figure 0006653848
但し、上記化1〜化3において、R〜Rは、炭素数6〜24の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基、または炭素数6〜24の脂肪族アルコール1モル当たりエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを合計1〜10モルの割合で付加したものから水酸基を除いた残基を示し、nは2または3の整数を示し、M〜Mは、水素、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属を示し、かつ、M〜Mの少なくとも一つはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含むものを示している。
Figure 0006653848
但し、上記化4において、
は、炭素数1〜30のアルキル基及び/または炭素数2〜30のアルケニル基を示し、AO,BOは、それぞれオキシアルキレン基を示し、a,bは、0以上の整数であって、かつ、a+b≦100の条件を満たすものである。
ここで、既に説明したように、上記化1において、Rは炭素数6〜24の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基、または炭素数6〜24の脂肪族アルコール1モル当たりエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを合計1〜10モルの割合で付加したものから水酸基を除いた残基である。
かかるRとしては、例えば、1)ヘキシルアルコール、ヘプタノール、オクチルアルコール、2−エチルーヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、2−プロピルーヘプチルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、2−ブチル−オクチルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール、テトラコシルアルコール等の炭素数6〜24の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基、2)ヘキシルアルコール、ヘプタノール、オクチルアルコール、2−エチル−ヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、2−プロピル−ヘプチルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、2−ブチル−オクチルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール、テトラコシルアルコール等の炭素数6〜24の脂肪族アルコール1モル当たりエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを合計1〜10モルの割合で付加したものから水酸基を除いた残基が挙げられる。なかでもRとしては、オクチルアルコール、2−エチルーヘキシルアルコール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、2−ブチル−オクチルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の炭素数8〜22の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基が好ましい。
化1で示される脂肪族アルコールリン酸エステルとしては、モノヘキシルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノ2−エチル−ヘキシルホスフェート、モノノニルホスフェート、モノデシルホスフェート、モノドデシルホスフェート、モノ2‐ブチル‐オクチルホスフェート、モノトリデシルホスフェート、モノミリスチルホスフェート、モノセチルホスフェート、モノステアリルホスフェート、モノイソステアリルホスフェート、モノオレイルホスフェート等が挙げられる。
化2において、R、Rは化1中のRについて記述したものと同一である。そのため、詳細な説明は省略する。
化2で示される脂肪族アルコールリン酸エステルとしては、例えば、ジオクチルホスフェート、ジ2−エチル−ヘキシルホスフェート、ジノニルホスフェート、ジデシルホスフェート、ジドデシルホスフェート、ジ2−ブチル−オクチルホスフェート、ジトリデシルホスフェート、ジミリスチルホスフェート、ジセチルホスフェート、ジステアリルホスフェート、ジイソステアリルホスフェート、ジオレイルホスフェート、ジデシルオレイルホスフェート等が挙げられる。
化3において、R、Rは化1中のRについて記述した述べたものと同一である。そのため、詳細な説明は省略する。また、nは2または3の整数である。
化3で示される脂肪族アルコールリン酸エステルとしては、モノオクチルピロホスフェート、ジオクチルピロホスフェート、モノ2-エチルヘキシルピロホスフェート、ジ2-エチルヘキシルピロホスフェート、モノノニルピロホスフェート、ジノニルピロホスフェート、モノドデシルピロホスフェート、ジドデシルピロホスフェート、モノオレイルピロホスフェート、ジオレイルピロホスフェート、ドデシルオレイルピロホスフェート、ジオレイルポリホスフェート等が挙げられる。
化4において、Rは炭素数1〜30のアルキル基及び/または炭素数2〜30のアルケニル基である。かかるRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、オクダデセニル基、オクダデカジエニル基等が挙げられる。Rは、牛脂アミン、硬化牛脂アミン、ヤシ油アミン、パーム油アミン、大豆油アミン等のアミンから、アミノ基を除いた基であってもよい。
は直鎖または分枝鎖のいずれの構造から構成されていてもよい。Rの炭素数は1〜30であるが、最も好ましくは6〜22である。Rの炭素数が30超であると、そのような有機アミンは疎水性が増大する。
化4において、AO、BOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であるが、好ましくはオキシエチレン基またはオキシプロピレン基であり、より好ましくはオキシエチレンである。a、bは、オキシアルキレン基の付加モル数を示す。
化4において、a、bは0以上の整数であって、かつa+b≦100を満足する整数である。好ましくは1≦a+b≦50を満足する整数であり、より好ましくは2≦a+b≦50を満足する整数であり、特に好ましくは2≦a+b≦35を満足する整数であり、最も好ましくは3≦a+b≦35を満足する整数である。
更に、第一成分の脂肪族アルコールリン酸エステルは、上記化1〜化3におけるR〜Rが炭素数8〜22のアルキル基及び/またアルケニル基であっても構わない。
加えて、第二成分の有機アミンは、上記化4におけるRが炭素数6〜22のアルキル基及び/またはアルケニル基であっても構わない。
また、第一成分の脂肪族アルコールリン酸エステルの酸価は特に限定されるものではないが、例えば、0.1〜500mg/gの範囲とすることができる。好ましくは40〜400mg/g、より好ましくは100〜250mg/gの範囲である。
ここで、酸価は、例えば、イソプロピルアルコール及びキシレン/イソプロピルアルコール(容量比1/1)の混合液と、水等の溶剤に溶解した試料と0.1N水酸化カリウムのエチレングリコール/イソプロピルアルコール(容量比1/1)の混合溶液とで電位差自動滴定装置を用いて電位差滴定し、終点の滴定量(ml)を測定して、試料1g中に含まれるリン酸エステルの酸性基を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を下記の数1で算出した値である。
Figure 0006653848
上記数1において、
A1:滴定量 (ml)
f1:0.1N水酸化カリウム溶液の力価
W1:試料の量(g)
をそれぞれ示す。
また、第二成分の有機アミンのアミン価は特に限定されるものではないが、例えば、20〜200mg/gの範囲とすることができる。好ましくは30〜150mg/g、より好ましくは50〜100mg/gの範囲とすることができる。
アミン価は、例えばイソプロピルアルコール、キシレン/イソプロピルアルコール(容量比1/1)の混合液と、水等の溶剤に溶解した試料と0.1N塩酸及びエチレングリコール/イソプロピルアルコール(容量比1/1)との混合溶液で電位差自動滴定装置を用いて電位差滴定をし、終点の滴定量(ml)を測定して、試料1g中に含まれる有機アミンのアミノ基を中和するのに要する塩酸と等量の水酸化カリウムのmg数を下記の数2で算出した値である。
Figure 0006653848
上記数2において、
A2:滴定量(ml)
f2:0.1N水酸化カリウム溶液の力価
W2:試料の量(g)
をそれぞれ示す。
更に、第二成分のアミン価を第一成分の酸価で除し、100を乗じた値(以下、「アミン価/酸価×100」と称す。)は、10〜300の範囲とすることができる。好ましくは、30〜250、より好ましくは50〜150の範囲とすることができる。
本発明に係る水硬性組成物用添加剤を構成する脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩は、炭素数6〜24の脂肪族アルコール、または炭素数6〜24の脂肪族アルコール1モル当たりエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを合計1〜10モルの割合で付加したものに、例えば五酸化二燐を反応させて脂肪族アルコールリン酸エステルを得た後、かかる脂肪族アルコールリン酸エステルを水酸化カリウムなどのアルカリ成分及び化4で示される有機アミンで中和することにより得られる。前記の脂肪族アルコールリン酸エステルは通常、化1で示される脂肪族アルコールリン酸エステルと化2で示される脂肪族アルコールリン酸エステルの混合物となるが、場合によっては更に化3で示される脂肪族アルコールリン酸エステルをも含む混合物となる。
本発明に係る水硬性組成物用添加剤は、土木、建築、二次製品等の水硬性結合材を含有する水硬性組成物に使用されるものである。かかる水硬性組成物としては、ペースト、モルタル、コンクリート等が挙げられる。
本発明に係る水硬性組成物用添加剤は既存の水硬性組成物用添加剤と併用することができる。かかる水硬性組成物用添加剤としては、AE減水剤、高性能AE減水剤、空気量調整剤としてAE剤、消泡剤、収縮低減剤、増粘剤、硬化促進剤等が挙げられる。
本発明に係る水硬性組成物用添加剤の使用対象となる水硬性組成物の調製に用いる水硬性結合材としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱セメント等の各種ポルトランドセメントの他に、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等の各種混合セメントが挙げられる。また、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフュームなどの各種混和材を、先に示した各種セメントと併用してもよい。
また水硬性組成物の調製に骨材を用いる場合の骨材としては細骨材と粗骨材が挙げられ、細骨材としては川砂、山砂、海砂、砕砂、スラグ細骨材等が挙げられ、粗骨材としては川砂利、砕石、軽量骨材等が挙げられる。
更に水硬性組成物の水/結合材比は通常70%以下とするが、20〜60%とするのが好ましく、30〜55%とするのがより好ましく、35〜55%とするのが特に好ましい。一般的に水/結合材比が大きくなると、水硬性組成物の凍結融解抵抗性が低くなり、70%を超えると凍結融解抵抗性が得られなくなる場合が多い。
本発明によると、それ自体の水溶液の安定性が高く、また既存の水硬性組成物用添加剤との溶解性も高く、結果として得られる硬化体が凍結融解抵抗性に優れたものになるという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、特に断りのない限り、“部”は質量部、“%”は質量%を意味する。
1.ポリカルボン酸系減水剤の合成
イオン交換水244.3部にポリ(平均付加モル数53モル)エチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル368.3部を反応容器に仕込み、雰囲気を窒素置換し、撹拌しながら徐々に加温した。反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、過酸化水素3.5%水溶液23.5部を3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水117.5部にアクリル酸23.5部を溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水15.0部にL−アスコルビン酸1.9gと3―メルカプトプロピオン酸1.9gを溶解させた水溶液を4時間かけて滴下して反応させた。得られた共重合物に30%水酸化ナトリウム水溶液45.5部、イオン交換水を加え、水溶性ビニル共重合体の40%水溶液(減水剤B液)を得た。この水溶性ビニル共重合体を分析したところ、質量平均分子量は45000であった。なお、共重合体の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定した。
2.測定条件
装置:Shodex GPC−101(昭和電工製)
カラム:OHpak SB−G+SB−806M HQ+SB−806M HQ(昭和電工製)
検出器:示差屈折計(RI)
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液
流量:0.7mL/分
カラム温度:40℃
試料濃度:試料濃度0.5質量%の溶離液溶液
標準物質:PEG/PEO(アジレント製)
3.実施例1(AE−1)(脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩等の調製)
反応容器に1−オクタノール41.6部を仕込み、120℃で0.05MPaの条件下に2時間脱水処理した後、大気圧に戻し、撹拌しながら60±5℃で五酸化二燐18.1部を0.5時間かけて投入した。80℃にて3時間熟成した後、イオン交換水1.2部を投入して0.5時間熟成した。これに48%水酸化カリウム水溶液18.8部を50℃で滴下して中和を行った。電位差滴定にて酸価を測定したところ、222mg/gであった。これにラウリルアミン−ポリオキシエチレン20モル付加物(アミン価55mg/g)182.4質量部を50℃で滴下して中和を行い、イオン交換水を加えて、水硬性組成物用添加剤の25%水溶液(実施例(AE−1))を調製した。
4.実施例2〜17((AE−2〜AE−17)及び比較例1(RAE−1)、比較例2(RAE−2)
上記実施例1と同様にして、水硬性組成物用添加剤の実施例2〜17((AE−2)〜(AE−17))及び比較例1(RAE−1)、比較例2(RAE−2)の25%水溶液を調製した。
5.比較例3(RAE−3)
反応容器に1−オクタノール135.8質量部を仕込み、120℃で0.05MPaの条件下に2時間脱水処理した後、大気圧に戻し、撹拌しながら60±5℃で五酸化二燐59.1部を0.5時間かけて投入した。80℃にて3時間熟成した後、イオン交換水4.1部を投入して0.5時間熟成した。これに48%水酸化カリウム水溶液153.4部を50℃で滴下して中和を行った後、イオン交換水を加えて、水硬性組成物用添加剤の25%水溶液(比較例3(RAE−3))を調製した。
6.比較例4(RAE−4)、比較例(RAE−5)
比較例3(RAE−3)と同様にして、比較例4(RAE−4)及び比較例5(RAE−5)の各25%水溶液をそれぞれ調製した。
7.比較例6(RAE−6)
反応容器にイオン交換水701.7部、48%水酸化カリウム水溶液76.3部を仕込んだ後、90℃になるよう加温した。そこにロジン(和光純薬製)を撹拌しながら222.0部添加した。添加後、1時間熟成を行い、ロジンのカリウム塩の25%水溶液(ロジンK)を調製した。
以上の1.〜6.で調製した各例の脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩等の内容を下記の表1にまとめて示す。なお、P核積分比率は、脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩等に過剰のKOHを加えてpHを12以上にした条件下で、31P−NMR(VALIAN社製の商品名MERCURY plus NMR Spectrometor System、300MHz)に供したときの測定値を用いて、下記の数3〜数5から算出した。溶媒は重水/テトラヒドロフラン=8/2(体積比)の混合溶媒を用いた。
Figure 0006653848
Figure 0006653848
Figure 0006653848
Figure 0006653848
ここで、上記数3〜数5において、「P化1:化1で示される脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩等に帰属されるP核NMR積分値」、「P化2:化2で示される脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩等に帰属されるP核NMR積分値」、及び、「P化3:化3で示される脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩等に帰属されるP核NMR積分値」をそれぞれ示す。
更に、上記表1において、「化1:数3から算出されるP核積分比率」、「化2:数4から算出されるP核積分比率」、及び「化3:数5から算出されるP核積分比率」をそれぞれ示す。
また、表1の第一成分(脂肪族アルコールリン酸エステル)において、「C8:オクチルアルコール」、「C9:ノニルアルコール」、「C12:ラウリルアルコール」、「C18:オレイルアルコール(但し、AE−13、AE−15のみ「C18:オレイルアルコール−ポリオキシエチレン4モル付加物」)」をそれぞれ示し、第二成分(有機アミン)のRにおいて、「C12:ラウリル基」、「C18:ステアリル基」、及び「C8:オクチル基」をそれぞれ示し、その他「K:カリウム塩」、「Na:ナトリウム塩」、及び「EO:オキシエチレン」をそれぞれ示す。
10.水硬性組成物用添加剤の水溶液の安定性及び減水剤(既存の水硬性組成物用添加剤)との相溶性
10−1.水硬性組成物用添加剤の水溶液の安定性
表1で調製した水硬性組成物用添加剤の25%水溶液を、よく振り混ぜた後、透明な容器に入れ、5℃、20℃、40℃で1週間静置し、溶解性を目視で確認し、後述する評価基準で評価した。その結果を下記の表2にまとめて示す。
10−2.水硬性組成物用添加剤の水溶液と減水剤との相溶性
ポリカルボン酸系高性能AE減水剤「チューポールHP−11(竹本油脂製−減水剤A液)」、減水剤B液、変性リグニンスルホン酸とポリカルボン酸系化合物の複合体のAE減水剤「チューポールEX60(竹本油脂製−減水剤C液)」に対し、水硬性組成物用添加剤の25%水溶液を1質量%となるよう添加し、20℃で1週間静置して、溶解性を目視で確認し、次に記載する評価基準で評価した。その結果を下記の表2にまとめて示す。
10−3.安定性及び相溶性の評価基準
A:1週間溶解
B:1日間溶解
C:1日以内に分離
Figure 0006653848
11.AEコンクリート組成物の調製及び評価
11−1.AEコンクリート組成物の調製
表3に記載した配合条件で、50Lのパン型強制練りミキサーに普通ポルトランドセメント(太平洋セメント製、宇部三菱セメント製及び住友大阪セメント製の普通ポルトランドセメントの等量混合物、密度=3.16g/cm)、陸砂(大井川水系産、密度=2.58g/cm)、砕石(岡崎産砕石、密度=2.66g/cm)、減水剤A液または減水剤B液、水硬性組成物用添加剤の25%水溶液のそれぞれ所定量及び、消泡剤「AFK−2(竹本油脂製)」をセメント質量の0.0005%、練り混ぜ水(上水道水)と共に投入して90秒間練混ぜ、想定スランプが18±1cm、想定空気量が4.5±0.5%の範囲としたAEコンクリート組成物を調製し、スランプ、空気量及び凍結融解抵抗性の指標としての凍結融解耐久性指数(300サイクル)を求め(詳細は後述する)、その結果を表4にまとめて示す。更に、減水剤C液を用いた場合について、表5に示した配合条件により同様の試験を行った。その結果を表6にまとめて示す。
11−2.空気量、スランプ、及び凍結融解耐久性指数の測定
空気量(容量%):練り混ぜ直後のAEコンクリート組成物について、JIS A 1128に準拠して測定した。
スランプ(cm):空気量の測定と同時にJIS A 1101に準拠して測定した。
凍結融解耐久性指数:各例の水硬性組成物用添加剤の25%水溶液を用いて調製したAEコンクリート組成物の硬化体について、JIS A 1148に準拠して測定した値を用いASTM−C−666−75の耐久性指数で計算した値を示した。この数値は、最大値が100で、100に近いほど、凍結融解に対する抵抗性が優れていることを示す。
Figure 0006653848
Figure 0006653848
Figure 0006653848
Figure 0006653848
ここで、表4,6において、減水剤の使用量及び水硬性組成物用添加剤の25%水溶液の使用量は、セメント(C)に対するパーセントを示している。
11−3.凍結融解耐久性指数の評価基準
凍結融解耐久性の評価は次の評価基準に基づいて行なった。すなわち、凍結融解耐久性指数が80%以上のものを“A”、一方、凍結融解耐久性指数が80%未満のものを“B”とした。
表2、表4、及び表6に示される結果から明らかなように、本発明の水硬性組成物用添加剤において、それ自体の安定性に優れるとともに、既存の水硬性組成物用添加剤との溶解性(相溶性)が良好なものとなり、結果として得られるコンクリート硬化体等の凍結融解抵抗性に優れたものとなることが確認された。



Claims (6)

  1. 下記の化1、化2、及び化3でそれぞれ示される脂肪族アルコールリン酸エステルを少なくとも一種以上含む第一成分と、下記の化4で示される有機アミンを含む第二成分とで中和した脂肪族アルコールリン酸エステルの有機アミン塩で構成される水硬性組成物用添加剤。
    Figure 0006653848
    Figure 0006653848
    Figure 0006653848
    (但し、R〜Rは、炭素数6〜24の脂肪族アルコールから水酸基を除いた残基、または炭素数6〜24の脂肪族アルコール1モル当たりエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドを合計1〜10モルの割合で付加したものから水酸基を除いた残基を示し、nは2または3の整数を示し、M〜Mは、水素、アルカリ金属、及びアルカリ土類金属を示し、かつ、M〜Mの少なくとも一つはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む。)
    Figure 0006653848
    (但し、Rは、炭素数1〜30のアルキル基及び/または炭素数2〜30のアルケニル基を示し、AO,BOは、それぞれオキシアルキレン基を示し、a,bは、0以上の整数であって、かつ、a+b≦100の条件を満たす。)
  2. 前記第一成分の脂肪族アルコールリン酸エステルは、
    上記化1〜化3におけるR〜Rが炭素数8〜22のアルキル基及び/またはアルケニル基である請求項1記載の水硬性組成物用添加剤。
  3. 前記第二成分の有機アミンは、
    上記化4におけるRが炭素数6〜22のアルキル基及び/またはアルケニル基であるである請求項1または2記載の水硬性組成物用添加剤。
  4. 前記第一成分の酸価は、
    0.1〜500mg/gの範囲であり、
    前記第二成分のアミン価は、
    20〜200mg/gの範囲であり、かつ、
    前記アミン価を前記酸価で除し、100を乗じた値は、
    10〜300の範囲である請求項1〜3のいずれか一つの項記載の水硬性組成物用添加剤。
  5. 前記アミン価は、
    30〜150mg/gの範囲である請求項4記載の水硬性組成物用添加剤。
  6. 前記アミン価を前記酸価で除し、100を乗じた値は、
    50〜150の範囲である請求項4または5記載の水硬性組成物用添加剤。

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