JP2017114703A - 水硬性組成物用表面美観向上剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面美観に優れた水硬性組成物の硬化物が得られる水硬性組成物用美観向上剤組成物を提供。【解決手段】(A)〜(C)からなる水硬性組成物用表面美観向上剤組成物。ポリマーセメントモルタル施工後に、モルタルに配合したポリマーを含有するエマルションをとした後にコテ仕上げすることを特長。(A)炭素原子を含む疎水基を有する特定4種のアルキレンオキサイド付加型化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、(B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、(C)セメント分散剤【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性組成物用表面美観向上剤組成物、水硬性組成物、硬化体の製造方法、及び水硬性組成物の硬化物の美観の向上方法に関する。
コンクリート等の水硬性組成物の物理的性質を改善する目的で種々の混和剤が使用されている。特に、AE剤、減水剤、AE減水剤は、未硬化のコンクリートの流動性、分散性の向上等の面から多用されている。これらは高い減水性を有しスランプロスを低減できる点で有用であるが、反面、コンクリート中に連行する空気量が多くなりやすいという問題がある。コンクリート中に連行される空気量が増加すると粗大気泡が生じやすくなり、充填ムラやひいては硬化体の強度低下をもたらし、更に硬化体表面に空隙(気泡跡)を形成して美観を損ねる要因となる。
また、従来、産業廃棄物の有効利用の観点から、石炭火力発電の副生物であるフライアッシュ、珪素合金製造の副生物であるシリカフューム、鉄鋼精錬の副生物である高炉スラグ等が、コンクリート用の材料として検討されている。しかし、フライアッシュは、多量の未燃カーボン微粉末を多量に含むため、コンクリート用の水硬性粉体として使用すると、硬化後のコンクリート表面に析出分散し、硬化体表面の美観を著しく損ねるものであった。
特許文献1には、疎水性黒色系粒子、セメント、分散剤並びに消泡剤を含有してなる水硬性組成物が開示されている。
特許文献2には、特定のポリアルキレンオキサイド誘導体からなる水溶性高分子、高性能減水剤、消泡剤及び水硬性粉体を含有する水硬性組成物が開示されている。
特許文献3には、水不溶性脱泡剤、該水不溶性脱泡剤を酸性媒体内で可溶化することのできるアミン可溶化剤、および任意選択でセメント組成物用分散剤を含む、セメント組成物用の混和剤組成物が開示されている。
特開2002−3264号公報 特開平9−156981号公報 特表2006−511418号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に示される技術では、用いられる組成物によっては必ずしも表面美観を満足させるものではない。
本発明は、表面美観に優れた水硬性組成物の硬化物が得られる水硬性組成物用美観向上剤組成物を提供する。
本発明は、(A)下記一般式(A1)で表される化合物、下記一般式(A2)で表される化合物、下記一般式(A3)で表される化合物、及び下記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、
(B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、
(C)セメント分散剤と、
を含有する水硬性組成物用表面美観向上剤組成物に関する。
Figure 2017114703
〔式中、Rは、炭素原子を含む疎水基であり、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
pは、AOの平均付加モル数であり、1以上100以下の数であり、
q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上100以下の数であり、
M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
また、本発明は、
水硬性粉体と、
水と、
(A)前記一般式(A1)で表される化合物、前記一般式(A2)で表される化合物、前記一般式(A3)で表される化合物、及び前記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、
(B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、
(C)セメント分散剤と、
を含有する水硬性組成物に関する。
また、本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)前記一般式(A1)で表される化合物、前記一般式(A2)で表される化合物、前記一般式(A3)で表される化合物、及び前記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、(B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、(C)セメント分散剤と、を混合して水硬性組成物を調製する工程、
調製された前記水硬性組成物を型枠に充填し、硬化させる工程、及び、
硬化した前記水硬性組成物を脱型する工程、
を有する硬化体の製造方法に関する。
また、本発明は、(A)前記一般式(A1)で表される化合物、前記一般式(A2)で表される化合物、前記一般式(A3)で表される化合物、及び前記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、
(B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、
(C)セメント分散剤とを、セメント及び水と添加混練して得た水硬性組成物を硬化させる、水硬性組成物の硬化物の美観の向上方法に関する。
以下、(A)前記一般式(A1)で表される化合物、前記一般式(A2)で表される化合物、前記一般式(A3)で表される化合物、及び前記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を、(A)成分として説明する。
また、以下、(B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物を、(B)成分として説明する。
また、以下、(C)セメント分散剤を、(C)成分として説明する。
本発明によれば、表面美観に優れた、例えば、黒点や気泡が低減された、水硬性組成物の硬化物が得られる水硬性組成物用美観向上剤組成物が提供される。
水硬性組成物の硬化体の表面美観を判断する因子としては、黒点、表面気泡の跡、型枠への剥離残渣などがあるが、これら全てを抑制することができる技術は、従来、知られていなかった。本発明者らは、(A)成分の化合物と(B)成分の化合物を併用して(C)成分と用いることで、(B)成分の分散性を向上させ、黒点、表面気泡の跡、型枠への剥離残渣を抑制することができ、さらに強度低下を起こさないことを見出した。
本発明の水硬性組成物用美観向上剤組成物を含有する水硬性組成物の硬化体は、建造物等として装飾処理を施す必要もないほど(いわゆる「打ちっぱなし」工法等)の美観を備えることから、強度が要求される構造体の用途以外への多様な用途への展開が可能である。
[水硬性組成物用表面美観向上剤組成物]
<(A)成分>
(A)成分は、前記一般式(A1)で表される化合物、前記一般式(A2)で表される化合物、前記一般式(A3)で表される化合物、及び前記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物である。
(A)成分は、炭素原子を含む疎水基と(ポリ)アルキレンオキシ基とを酸素原子又は窒素原子で連結した構造であって、酸素原子で連結した場合は(ポリ)アルキレンオキシ基の末端が硫酸エステル基又は水素原子若しくは炭素数1以上4以下のアルキルである化合物であり、窒素原子で連結した場合は(ポリ)アルキレンオキシ基の末端が硫酸エステル基又は水酸基もしくはエーテル基である化合物である。
一般式(A1)、(A2)、(A3)及び(A4)中、Rは、炭素原子を含む疎水基である。ここで、Rについて、疎水基とは、R−Hとした化合物のHLBが2.25以下となる基をいう。
Rは、一価の基である。
言い換えれば、炭素原子を含み、R−Hで表され、HLBが2.25以下である化合物から、一つの水素原子を除いた基がRである。
R−HのHLBは、デイビス(Davies)法によるものである。
R−HのHLBは、黒点形成の抑制の点から、好ましくは2.25以下、より好ましくは1.30以下、更に好ましくは−1.55以下、そして、好ましくは−5.83以上、より好ましくは−4.40以上、更に好ましくは−3.45以上である。
また、R−HのHLBは、表面気泡形成の抑制の点から、好ましくは2.25以下、より好ましくは1.30以下、更に好ましくは0.35以下、そして、好ましくは−3.45以上、より好ましくは−2.50以上、更に好ましくは−1.55以上である。
R−HのHLBは、対応するRを有する一般式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)で表される化合物の疎水性相互作用の強さに関与する因子であると考えられる。
例えば界面活性剤は、水中で安定に存在するために、親水基を水側に、疎水基を内側にしてミセル等を形成することで、できる限り疎水基が水と接触する面積を小さくしようとする。(B)成分の化合物、及び(C)成分であるセメント分散剤中の例えばナフタレン環等の芳香環は、非常に疎水性の高い構造であり、(A)成分に含まれる基Rも、R−HのHLBが2.25以下であることで、非常に疎水性の高い構造となる。そのため水中では、水との接触面積を小さくするために(B)成分、(C)成分、及び(A)成分の基Rはそれぞれが疎水基同士で複雑に集まっており、その結果、本発明の効果を発現するのに適した会合体を形成しているものと考えられる。本発明では、R−HのHLBが2.25以下である基Rが(A)成分に含まれていることで、(B)成分及び(C)成分それぞれが、(A)成分と会合体を作り、その結果、(B)成分、(C)成分、または(A)成分のみでは得られなかった、「コンクリートと型枠間の界面における潤滑油として働いて表面美観を向上する性質」と、「黒色粒子等の粒子を分散させる性質」が発現するため、黒点、表面気泡の跡、型枠への剥離残渣を抑制することができると推察される。
一般式(A1)、(A2)、(A3)及び(A4)中、Rは、炭化水素基及び置換基を含む炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、炭化水素の水素原子の1つ、2つ又は3つが置換されたアリール基などが挙げられる。炭化水素基は、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が好ましい。
置換基は、最も基本的な有機化合物の水素原子の代わりに導入された原子又は原子団のことである(化学辞典、第一版、第七刷、(株)東京化学同人、2003年4月1日)。置換基を含む炭化水素は、炭化水素の誘導体であってよい。誘導体とは、ある炭化水素を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことである。
Rの炭素数は、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下から選択できる。
Rのアルキル基は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基である。
Rのアルケニル基は、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基である。
Rは、経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
Rは、水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
アルキル基又はアルケニル基は、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基が挙げられ、表面美観向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基である。
Rの具体例を挙げると、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
Rの他の具体例を挙げると、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
中でも、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基、及び、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(A1)、(A2)、(A3)及び(A4)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(A1)及び(A2)中、p、は、AOの平均付加モル数であり、表面美観向上の観点から、1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、より更に好ましくは20以上、より更に好ましくは50以上、そして、経済的な観点から、100以下、好ましくは90以下、より好ましくは80以下の数である。
一般式(A3)及び(A4)中、q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数である。表面美観向上の観点から、q+rは、1以上、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、より更に好ましくは10以上、より更に好ましくは20以上、より更に好ましくは50以上、そして、経済的な観点から、100以下、好ましくは90以下、より好ましくは80以下の数である。
一般式(A1)中、Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、好ましくは水素原子である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基及びn−ブチル基が挙げられる。
一般式(A2)及び(A4)中、M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
M、M、及びMは、化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。M、M、及びMは、化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
一般式(A3)中、X、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。炭化水素基は、好ましくはアルキル基である。X、及びXは、それぞれ、好ましくは水素原子である。
本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、表面美観向上の観点から、(A)成分を、固形分中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは50質量%以下、より更に好ましくは45質量%以下含有する。
なお、水硬性組成物用表面美観向上剤組成物について、固形分とは、水以外の成分をいう。
<(B)成分>
(B)成分は、(B)水に0.1質量%添加した場合の混合液(0.1質量%水混合液)が20℃で白濁又は分離する化合物である。
(B)成分は、少量でも水混合液が白濁又は分離することから、水とは非親和性であるが、このことにより(A)成分の働きにより(C)成分との相互作用を高め黒色に認識される物等(例えば、フライアッシュ中に含まれる粒子、凹凸のある凝集物)の分散を促進するものと考えられる。
(B)成分は、水不溶性化合物である。(B)成分について、水不溶性とは、水への溶解度が20℃で0.1質量%以下であることをいう。
(B)成分としては、水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物であって、鉱油、植物油、油脂、脂肪酸、脂肪酸エステル、ヒドロキシル官能基をもつ化合物、アミド、リン酸エステル、金属石鹸、シリコーン、オキシアルキレン、プロピレンオキサイド基含有ポリマー、炭化水素、及びアセチレン型ジオールから選ばれる1種又は2種以上の化合物が挙げられる。
(B)成分は、好ましくは、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリオキシプロピレン、アセチレングリコール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、リン酸トリアルキル、アルコール、及びこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物である。
ポリシロキサンとしては、ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ポリヒドロキシメチルシロキサンなどが挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンとしては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンランダムポリマー、ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイドブロックポリマーなどが挙げられる。
ポリプロピレンオキサイド及びその誘導体としては、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンなどが挙げられる。
アセチレングリコール及びその誘導体としては、アセチレノールE00、アセチレノールE13(何れも川研ファインケミカル(株))、DYNOL(登録商標)604、SURFYNOL(登録商標)440、SURFYNOL(登録商標)104、SURFYNOL(登録商標)2502、SURFYNOL(登録商標)420、SURFYNOL(登録商標)DF−75(何れもエアープロダクツアンドケミカルズ社)などの市販品が挙げられる。アセチレングリコールの誘導体としては、アセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしては、炭素数が4から22までの脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、炭素数が4から22までのアルコールのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルアミドとしては、炭素数が4から22までの脂肪酸とモノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミンとのアミドのアミンオキサイド付加物などが挙げられる。
リン酸トリアルキルとしては、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチルなどが挙げられる。
アルコールとしては、炭素数が4から22のアルコール、好ましくは炭素数が4から22の1価アルコールなどが挙げられる。
(B)成分として、表面美観を向上するのに有用な水不溶性化合物の適当な例には、
ポリシロキサンとして、SAGTEX DSA(商標)、
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、又はポリオキシアルキレンアルキルアミドとして、SNデフォーマー260(商標)、SNデフォーマー265(商標)、SNデフォーマー466(商標)(いずれもサンノプコ株式会社)、消泡剤 NO.21(商標)、消泡剤 NO.8(商標)(いずれも花王株式会社)、
アセチレングリコールとして、DYNOL(商標)604、SURFYNOL(登録商標)440、
リン酸トリアルキルとして、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチル、
アルコールとして、2−エチルヘキサノール
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンとして、ニューポールPE−61(商標)、ニューポールPE−71(商標)(いずれも三洋化成株式会社)、及び
ポリオキシプロピレンとして、分子量が2000以上100000以下のポリプロピレングリコールが含まれる。
また、(B)成分は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を混合した場合の安定性の観点から、好ましくは、
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、又はポリオキシアルキレンアルキルアミドとして、SNデフォーマー260(商標)、SNデフォーマー265(商標)、SNデフォーマー466(商標)、消泡剤 NO.21(商標)、消泡剤 NO.8(商標)、
アセチレングリコールとして、DYNOL(商標)604、SURFYNOL(登録商標)440、
リン酸トリアルキルとして、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチル、
アルコールとして、2−エチルヘキサノール、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンとして、ニューポールPE−61(商標)、ニューポールPE−71(商標)、及び
ポリオキシプロピレンとして、分子量が2000以上100000以下のポリプロピレングリコールから選ばれる1種以上の化合物である。
或いは、(B)成分は、経済性の観点から、好ましくは、
ポリシロキサンとして、DK Q1−1183(商標)、
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、又はポリオキシアルキレンアルキルアミドとして、SNデフォーマー260(商標)、SNデフォーマー265(商標)、SNデフォーマー466(商標)、消泡剤 NO.21(商標)、消泡剤 NO.8(商標)、
リン酸トリアルキルとして、リン酸トリブチル、リン酸トリイソブチル、
アルコールとして、2−エチルヘキサノール
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンとしてニューポールPE−61(商標)、ニューポールPE−71(商標)、及び
ポリオキシプロピレンとして、分子量が2000以上100000以下のポリプロピレングリコール
から選ばれる1種以上の化合物である。
<(C)成分>
(C)成分は、セメント分散剤である。用いることができる分散剤としては、ナフタレン系重合体、メラミン系重合体、フェノール系重合体、リグニン系重合体等が挙げられる。水硬性組成物の硬化体が必要な強度に達するまでの時間を短縮する観点から、芳香族環を有する重合体からなるセメント分散剤が好ましい。
ナフタレン系重合体としては、ナフタレンスルフォン酸ホルムアルデヒド縮合物及びその塩、例えば花王株式会社製マイテイ150を用いることができる。メラミン系重合体としてはメラミンスルフォン酸ホルムアルデヒド縮合物及びその塩、例えば花王株式会社製マイテイ150−V2を用いることができる。フェノール系重合体としては、フェノールスルフォン酸ホルムアルデヒド縮合物及びその塩、例えば、特開昭49−104919号公報に記載の化合物等を用いることができる。リグニン系重合体としてはリグニンスルフォン酸及びその塩、例えば、ボレガード社製ウルトラジンNA、Borregaard社製Ultrazine NA、日本製紙ケミカル株式会社製サンエキス、SAN X、バニレックス、VANILLEX、パールレックス、PEARLLEX等を用いることができる。
(C)成分は、ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなるセメント分散剤が好ましい。
更に(C)成分としては、好ましくはナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩が挙げられる。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物又はその塩である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は、性能を損なわない限り、単量体として、例えばメチルナフタレン、エチルナフタレン、ブチルナフタレン、ヒドロキシナフタレン、ナフタレンカルボン酸、アントラセン、フェノール、クレゾール、クレオソート油、タール、メラミン、尿素、スルファニル酸及び/又はこれらの誘導体などのようなナフタレンスルホン酸と共縮合可能な芳香族化合物と共縮合させても良い。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、例えば、マイテイ150、デモール N、デモール RN、デモール MS、デモールSN−B、デモール SS−L(いずれも花王株式会社製)、セルフロー 120、ラベリン FD−40、ラベリン FM−45(いずれも第一工業株式会社製)などのような市販品を用いることができる。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、水硬性組成物の硬化体の表面美観向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは80,000以下、より更に好ましくは50,000以下、より更に好ましくは30,000以下である。そして、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、水硬性組成物の硬化体の表面美観向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは1,000以上、より好ましくは3,000以上、更に好ましくは4,000以上、より更に好ましくは5,000以上である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は酸の状態あるいは中和物であってもよい。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の分子量は下記条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いて測定することができる。
[GPC条件]
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー株式会社)
溶離液:30mM CHCOONa/CHCN=6/4
流量:0.7ml/min
検出:UV280nm
サンプルサイズ:0.2mg/ml
標準物質:西尾工業(株)製 ポリスチレンスルホン酸ソーダ換算(単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:分子量、206、1,800、4,000、8,000、18,000、35,000、88,000、780,000)
検出器:東ソー株式会社 UV−8020
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の製造方法は、例えば、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとを縮合反応により縮合物を得る方法が挙げられる。前記縮合物の中和を行ってもよい。また、中和で副生する水不溶解物を除去してもよい。具体的には、ナフタレンスルホン酸を得るために、ナフタレン1モルに対して、硫酸1.2〜1.4モルを用い、150〜165℃で2〜5時間反応させてスルホン化物を得る。次いで、該スルホン化物1モルに対して、ホルムアルデヒドとして0.95〜0.99モルとなるようにホルマリンを85〜95℃で、3〜6時間かけて滴下し、滴下後95〜105℃で縮合反応を行う。さらに、得られる縮合物の水溶液は酸性度が高いので貯槽等の金属腐食を抑制する観点から、得られた縮合物に、水と中和剤を加え、80〜95℃で中和工程を行うことができる。中和剤は、ナフタレンスルホン酸と未反応硫酸に対してそれぞれ1.0〜1.1モル倍添加することが好ましい。また、中和により生じる水不溶解物を除去することができ、その方法として好ましくは濾過による分離が挙げられる。これらの工程によって、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶性塩の水溶液が得られる。この水溶液は、そのまま(C)成分の水溶液として使用することができる。更に必要に応じて該水溶液を乾燥、粉末化して粉末状のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩を得ることができ、これを粉末状の分散剤として使用することができる。乾燥、粉末化は、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥等により行うことができる。
本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、硬化体の表面美観向上の観点から、(C)成分を、固形分中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは55質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは95質量%以下、より更に好ましくは90質量%以下、より更に好ましくは85質量%以下、より更に好ましくは75質量%以下含有する。
(C)成分が、ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物からなるセメント分散剤〔以下、(C’)成分という〕、更に、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩である場合、本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、硬化体の表面美観に優れた水硬性組成物が得られる観点で、(C’)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位に対する(A)成分の総量のモル比が、1%以上30%以下であることが好ましい。同様の観点で、前記モル比は、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは7%以上、そして、好ましくは16%以下、より好ましくは13%以下、更に好ましくは11%以下である。このモル比は、(C’)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量と(A)成分の総量に基づいて算出される。具体的には、以下の式により算出される。
モル比(%)=[〔(A)成分の総量(モル)〕/〔(C’)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量(モル)〕]×100
(C’)成分が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の場合、ナフタレン環を含むモノマー単位は、ナフタレンスルホン酸又はその塩とホルムアルデヒドとが脱水縮合反応して形成されたモノマー単位である。(C’)成分がナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩の場合、当該化合物中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量(モル)は、以下の式により算出される。式中、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩をNSFと表記する。
NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の総量(モル)=〔NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の質量の総量〕/〔NSF中のナフタレン環を含むモノマー単位の分子量〕
(C’)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の質量の総量は、(C’)成分がナフタレンスルホン酸又はその塩とホルムアルデヒドとの縮合物の場合、当該化合物の全質量である。
また、(C’)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の質量の総量は、(C’)成分がナフタレンスルホン酸又はその塩と、ホルムアルデヒドと、ナフタレン環を含まない他のモノマーとの縮合物の場合、当該化合物の全質量から、前記ナフタレン環を含まない他のモノマー及びホルムアルデヒドに由来するモノマー単位の質量を除いた質量である。
前記ナフタレン環を含まない他のモノマーに由来するモノマー単位の質量は、核磁気共鳴スペクトル装置などの共重合質量比を求めることができる一般的な解析装置を用いて算出しても良いし、合成時の仕込み量から算出しても良い。。
また、(C’)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位の分子量は、(C’)成分がナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩の場合、ナフタレンスルホン酸ナトリウムの分子量(230.2)とホルムアルデヒド(30.0)の和から縮合反応の副生成物である水(18.0)を引いた数値、すなわち242.2のように決定できる。
本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物では、例えば(C’)成分がナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、(A)成分がポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩の場合、(C’)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位に対する(A)成分の総量のモル比は、再沈殿法や分液法などの一般的な方法で(A)成分と(C’)成分を分離し、その質量比を測定して計算により求めることができる。
また、水硬性組成物用表面美観向上剤組成物中の(A)成分及び(C’)成分の構造は、再沈殿法や分液法などの一般的な方法で(A)成分及び(C’)成分を分離し、核磁気共鳴スペクトル測定装置や液体クロマトグラフィーなどの一般的な解析装置を用いて解析することができる。
本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、本質的には、(C’)成分中のナフタレン環を含むモノマー単位と(A)成分のモル比によって組成物中での割合が決定されることが好ましいが、例えば、以下のような質量比を規定することもできる。
本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、硬化体の表面美観向上の観点から、(A)成分と(C’)成分の質量比が、(C’)/(A)で、好ましくは0.08以上、より好ましくは0.50以上、更に好ましくは0.70以上、より更に好ましくは0.90以上であり、そして、好ましくは70以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは30以下、より更に好ましくは15以下、より更に好ましくは8.0以下、より更に好ましくは5.0以下、より更に好ましくは3.0以下である。
<その他の成分、組成等>
本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、従来のセメント分散剤、水溶性高分子化合物、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張材、遅延剤、急結剤、増粘剤、凝集剤、強度増進剤、硬化促進剤、防腐剤などの成分を含有することができる。
本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、形態が、液体、固体の何れでもよい。本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物が液体の場合は、水を含有することが好ましい。
水硬性組成物用表面美観向上剤組成物が水を含有する液体である場合の水の含有量は、水硬性組成物を調製する際の作業性の観点から、該組成物中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、経済性の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
水硬性組成物用表面美観向上剤組成物が水を含有する液体である場合の(A)成分の含有量は、水硬性組成物の硬化体の表面美観向上の観点から、該組成物中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは11質量%以上であり、そして、好ましくは83質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
水硬性組成物用表面美観向上剤組成物が水を含有する液体である場合の(B)成分の含有量は、水硬性組成物の硬化体の表面美観向上の観点から、該組成物中、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.005質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
水硬性組成物用表面美観向上剤組成物が水を含有する液体である場合の(C)成分の含有量は、水硬性組成物の硬化体の表面美観向上の観点から、該組成物中、好ましくは7質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは89質量%以下、より好ましくは84質量%以下、更に好ましくは79質量%以下である。
水硬性組成物用表面美観向上剤組成物が水を含有する液体である場合の(A)成分と(C)成分の合計の含有量は、水硬性組成物の硬化体の表面美観向上の観点から、該組成物中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
〔水硬性組成物〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する水硬性組成物を提供する。
本発明の水硬性組成物に使用される水硬性粉体とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏等が挙げられる。好ましくは普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントである。また、セメント等に高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポソラン作用及び/または潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加された高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等でもよい。
本発明の水硬性組成物は、水/水硬性粉体比〔スラリー中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)、通常W/Pと略記されるが、粉体がセメントの場合、W/Cと略記される。〕が、10質量%以上、又は15質量%以上であり、そして、500質量%以下、又は400質量%以下、又は200質量%以下、又は100質量%以下、又は70質量%以下、又は60質量%以下、又は50質量%以下である。
水/水硬性粉体比は、水が少ない配合でも流動性を発現できる点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、地盤改良用セメントミルクなどの高い強度が求められない用途に対応できる点から、好ましくは500質量%以下、より好ましくは400質量%以下、更に好ましくは200質量%以下、より更に好ましくは100質量%以下である。
水/水硬性粉体比は、水が少ない配合でも流動性を発現できる点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、そして、コンクリート製品などの比較的高い強度が求められる用途に対応できる点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
本発明の水硬性組成物に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.001質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.04質量部以上、より更に好ましくは0.10質量部以上、より更に好ましくは0.20質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、より更に好ましくは0.40質量部以下、より更に好ましくは0.35質量部以下、より更に好ましくは0.28質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.00001質量部以上、より好ましくは0.00005質量部以上、更に好ましくは0.0001質量部以上、より更に好ましくは0.0005質量部以上、より更に好ましくは0.0007質量部以上、より更に好ましくは0.001質量部以上、そして、好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.07質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以下、より更に好ましくは0.2質量部以下、より更に好ましくは0.5質量部以下、より更に好ましくは1.0質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.15質量部以上、より更に好ましくは0.22質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、より更に好ましくは1.5質量部以下、より更に好ましくは1.0質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分と(C)成分とを合計で、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは0.9質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、骨材を含有することが好ましい。骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203−2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203−2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用しても良く、単一の種類のものを使用しても良い。
水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積は好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。嵩容積は、コンクリート1m中の粗骨材の容積(空隙を含む)の割合である。
また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは600kg/m以上、更に好ましくは700kg/m以上であり、そして、好ましくは1000kg/m以下、より好ましくは900kg/m以下である。
水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、更に好ましくは1000kg/m以上であり、そして、好ましくは2000kg/m以下、より好ましくは1800kg/m以下、更に好ましくは1700kg/m以下である。
水硬性組成物としては、コンクリート等が挙げられる。なかでもセメントを用いたコンクリートが好ましい。本発明の水硬性組成物は、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、地盤改良用、グラウト用、寒中用等の何れの分野においても有用である。
本発明の水硬性組成物は、更にその他の成分を含有することもできる。例えば、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、流動化剤、等が挙げられる。
〔水硬性組成物の製造方法〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを混合する水硬性組成物の製造方法を提供する。本発明では、(A)成分と(B)成分とを別々に水硬性粉体と混合して水硬性組成物を製造しても良いが、予め(A)成分と(B)成分と(C)成分とを混合して、水硬性粉体と混合するのが好ましい。水硬性組成物の製造では、本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物を用いることがより好ましい。
本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分との具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる水硬性粉体の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物、及び水硬性組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.04質量部以上、より更に好ましくは0.10質量部以上、より更に好ましくは0.20質量部以上、そして、好ましくは2.0質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、より更に好ましくは0.40質量部以下、より更に好ましくは0.35質量部以下、より更に好ましくは0.28質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を、好ましくは0.00001質量部以上、より好ましくは0.00005質量部以上、更に好ましくは0.0001質量部以上、より更に好ましくは0.0005質量部以上、より更に好ましくは0.0007質量部以上、より更に好ましくは0.001質量部以上、そして、好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.07質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以下、より更に好ましくは0.2質量部以下、より更に好ましくは0.5質量部以下、より更に好ましくは1.0質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(C)成分を、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.15質量部以上、より更に好ましくは0.22質量部以上、そして、好ましくは4質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは1質量部以下、より更に好ましくは0.50質量部以下、より更に好ましくは0.40質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分と(C)成分とを合計で、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.2質量部以上、そして、好ましくは4質量部以下、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは2質量部以下、より更に好ましくは0.9質量部以下混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、(A)成分、(B)成分及び(C)成分とセメント等の水硬性粉体とを円滑に混合する観点から、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と水とを予め混合し、水硬性粉体と混合することが好ましい。水を含有する本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物を用いることができる。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、セメント等の水硬性粉体と、本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物とを混合する方法が好ましい。本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、粉末であっても液体であってもよい。本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物は、水硬性粉体に対して、(A)成分、(B)成分、(C)成分が、前述の添加量となるように添加されることが好ましい。具体的には、本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物を固形分の質量部として、水硬性粉体100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上、より更に好ましくは0.05質量部以上、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは0.9質量部以下混合する。
水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分との混合は、モルタルミキサー、強制二軸ミキサー等のミキサーを用いて行うことができる。また、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、そして、好ましくは5分間以下、より好ましくは3分間以下混合する。水硬性組成物の調製にあたっては、水硬性組成物で説明した材料や薬剤及びそれらの量を用いることができる。
得られた水硬性組成物は、更に、水硬性組成物を型枠に充填し養生し硬化させる。型枠として、建築物の型枠、コンクリート製品用の型枠等が挙げられる。型枠への充填方法として、ミキサーから直接投入する方法、水硬性組成物をポンプで圧送して型枠に導入する方法等が挙げられる。
水硬性組成物の養生の際、硬化を促進するために加熱養生し、硬化を促進させても良い。ここで、加熱養生は、40℃以上、80℃以下の温度で水硬性組成物を保持して硬化を促進することができる。
〔水硬性組成物の硬化体の製造方法〕
本発明により、
水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを混合して水硬性組成物を調製する工程
調製された前記水硬性組成物を型枠に充填、養生、硬化させる工程、及び、
硬化した前記水硬性組成物を脱型する工程、
を有する硬化体の製造方法が提供される。
本発明の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物、水硬性組成物、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、この硬化体の製造方法にも適用することができる。
コンクリート製品である型枠を用いる水硬性組成物の硬化体としては、土木用製品では、コンクリートパイル、コンクリートポール、護岸用の各種ブロック製品、ボックスカルバート製品、トンネル工事等に使用されるセグメント製品、橋脚の桁製品等が挙げられ、建築用製品では、カーテンウォール製品、柱、梁、床板に使用される建築部材製品等が挙げられる。
〔表面美観の向上方法〕
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを、セメント及び水と添加混練して得た水硬性組成物を硬化させる、水硬性組成物の硬化物の美観の向上方法を提供する。
本発明の表面美観の向上方法に用いられる(A)成分、(B)成分及び(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用美観向上剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の表面美観の向上方法に用いられる水硬性粉体の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用美観向上剤組成物、水硬性組成物、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、本発明の表面美観の向上方法に適宜適用することができる。
<実施例1及び比較例1>
(1)モルタルの調製
モルタルミキサー(株式会社ダルトン製 万能混合撹拌機 型式:5DM−03−γ)を用いて、セメント(C)、フライアッシュ(FA)、細骨材(S)を投入し空練りをモルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて10秒行い、(A)成分、及び(B)成分を含む練り水(W)を加えた。そして、モルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて120秒間本混練りしてモルタルを調製した。
モルタルの配合条件は、下記表1の通りとした。
Figure 2017114703
表中、W/Cは、水の配合量とセメントの配合量との質量比であり、〔水の配合量/セメントの配合量〕×100(質量%)で求められる(以下同様)。
また、表中、W/Pは、水の配合量と、水硬性粉体(セメント及びフライアッシュ)の配合量との質量比であり、〔水の配合量/(セメントの配合量+フライアッシュの配合量)〕×100(質量%)で求められる(以下同様)。
表1で用いた成分は以下のものである。
・水(W):上水道水(水温20℃)
・セメント(C):普通ポルトランドセメント(二種混合:太平洋セメント(株)製普通ポルトランドセメント/住友大阪セメント(株)製普通ポルトランドセメント=1/1、質量比) 密度3.16g/cm
・フライアッシュ(FA):中部電力(株)製
・細骨材(S):城陽産山砂 密度2.55g/cm
また、表2で用いた成分は以下のものである。
・(A)成分:ポリオキシエチレン(30)オレイルエーテル硫酸アンモニウム(かっこ内の数字はエチレンオキサイド平均付加モル数である。)、一般式(A2)中のRがオレイル基、pが30、Mがアンモニウムイオンである化合物
・(B)成分:SNデフォーマー466、サンノプコ株式会社、有効分100質量%、ポリエーテル系消泡剤(水に0.1質量%添加した場合の混合液は20℃で白濁する)
・(C)成分
・NSF:ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、重量平均分子量15,000
・PCE:以下の製造例1で合成したポリカルボン酸系分散剤
製造例1(ポリカルボン酸系分散剤の製造)
攪拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水114gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。60質量%のω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数120:エステル純度100%)水溶液300g、メタクリル酸(試薬:和光純薬工業株式会社製)11.5g、及び3−メルカプトプロピオン酸1.2gを混合溶解した水溶液と、過硫酸アンモニウム1.9gを水45gに溶解した水溶液の2者を、それぞれ1.5時間かけて上記反応容器中に滴下した。その後、80℃で1時間熟成し、更に過硫酸アンモニウム0.8gを水15gに溶解した水溶液を30分かけて滴下し、引き続き80℃で1.5時間熟成した。熟成終了後に40℃以下に冷却した後、48%水酸化ナトリウム水溶液9.6gで中和し、重量平均分子量54000の共重合体(ポリカルボン酸系分散剤)を得た(中和度0.7)。その後、水を用いて固形分40質量%に調整し、ポリカルボン酸系分散剤の40質量%水溶液を得た。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート/メタクリル酸のモル比は20/80である。
(2)型枠充填、養生工程
JIS A 1132に基づき、円柱型プラモールド(底面の直径:5cm、高さ10cm)の型枠3個に、それぞれ二層詰め方式によりモルタルを充填し、25℃の室内にて気中(25℃)養生を行い硬化させた。モルタル調製から24時間後に硬化した供試体を型枠から脱型し供試体を得た。これらの内3個の供試体を24時間後の圧縮強度の測定に用いた。
供試体の24時間強度をJIS A1108に基づいて測定し、供試体3個の平均値を求めた。
また、供試体の1つを任意に取り出し、以下の基準で、黒点、表面気泡、剥離性を評価した。
*黒点
ランクC:黒点が9cm中に4つ以上存在した。
ランクB:黒点が9cm中に1つ〜3つ存在した。
ランクA:黒点が9cm中に1つも存在しなかった。
*表面気泡
ランクC:直径2mm以上の穴が9cm中に4つ以上存在した。
ランクB:直径2mm以上の穴が9cm中に1つ〜3つ存在した。
ランクA:直径2mm以上の穴が9cm中に1つも存在しなかった。
*剥離性
1:1つあたり5cm以上の大きさの剥離物が型枠に付着した。
2:1つあたり1cm以上5cm未満の大きさの剥離物が型枠に付着した。
3:1つあたり1cm未満の大きさの剥離物が型枠に付着した。
これらの結果を表2に示した。
Figure 2017114703
*1 R−HのHLB:一般式(A1)、(A2)、(A3)又は(A4)中のRをR−Hとした化合物のHLB(以下の実施例、比較例でも同様)
*2 添加量:セメント100質量部に対する(A)成分、(B)成分又は(C)成分の有効分換算の添加量(質量部)(以下の実施例、比較例でも同様)
表2の結果から、(A)成分と(B)成分の効果は、(C)成分のナフタレン環を有するセメント分散剤に対して顕著であることがわかる。
<実施例2及び比較例2>
モルタルの配合を表3の通りとし、表4の(A)成分を表4の量で用いて、実施例1及び比較例1と同様にモルタルを調製し、同様の評価を行った。結果を表4に示す。なお、表中の(A)成分について、化合物のかっこ内の数字はエチレンオキサイド平均付加モル数であり、一般式(A1)若しくは一般式(A2)のp、又は、一般式(A3)若しくは一般式(A4)のq+rを示す。なお、表4では、(A)成分に該当しない化合物も便宜的に(A)成分の欄に示した。
Figure 2017114703
Figure 2017114703
<実施例3及び比較例3>
モルタルの配合を表5の通りとし、表6の(B)成分を表6の量で用いて、実施例1及び比較例1と同様にモルタルを調製し、同様の評価を行った。結果を表6に示す。なお、表6中、(A)成分のPOEはポリオキシエチレンの略である。また、表6では、(B)成分に該当しない化合物も便宜的に(B)成分の欄に示した。
Figure 2017114703
Figure 2017114703
*1 透明:白濁も分離も生じておらず、透明均一であった。
*2 分離:油滴状の分離が生じていた。

Claims (8)

  1. (A)下記一般式(A1)で表される化合物、下記一般式(A2)で表される化合物、下記一般式(A3)で表される化合物、及び下記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、
    (B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、
    (C)セメント分散剤と、
    を含有する水硬性組成物用表面美観向上剤組成物。
    Figure 2017114703

    〔式中、Rは、炭素原子を含む疎水基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上100以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上100以下の数であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  2. (B)が、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリオキシプロピレン、アセチレングリコール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、リン酸トリアルキル、及びこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物である、請求項1記載の水硬性組成物用表面美観向上剤組成物。
  3. 水硬性粉体と、
    水と、
    (A)下記一般式(A1)で表される化合物、下記一般式(A2)で表される化合物、下記一般式(A3)で表される化合物、及び下記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、
    (B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、
    (C)セメント分散剤と、
    を含有する水硬性組成物。
    Figure 2017114703

    〔式中、Rは、炭素原子を含む疎水基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上100以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上100以下の数であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  4. (B)が、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリオキシプロピレン、アセチレングリコール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、リン酸トリアルキル、及びこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物である、請求項3記載の水硬性組成物。
  5. 水硬性粉体と、水と、(A)下記一般式(A1)で表される化合物、下記一般式(A2)で表される化合物、下記一般式(A3)で表される化合物、及び下記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、(B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、(C)セメント分散剤と、を混合して水硬性組成物を調製する工程、
    調製された前記水硬性組成物を型枠に充填し、硬化させる工程、及び、
    硬化した前記水硬性組成物を脱型する工程、
    を有する硬化体の製造方法。
    Figure 2017114703

    〔式中、Rは、炭素原子を含む疎水基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上100以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上100以下の数であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  6. (B)が、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリオキシプロピレン、アセチレングリコール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、リン酸トリアルキル、及びこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物である、請求項5記載の硬化体の製造方法。
  7. (A)下記一般式(A1)で表される化合物、下記一般式(A2)で表される化合物、下記一般式(A3)で表される化合物、及び下記一般式(A4)で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物と、
    (B)水に0.1質量%添加した場合の混合液が20℃で白濁又は分離する化合物と、
    (C)セメント分散剤とを、セメント及び水と添加混練して得た水硬性組成物を硬化させる、水硬性組成物の硬化物の美観の向上方法。
    Figure 2017114703

    〔式中、Rは、炭素原子を含む疎水基であり、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、
    Yは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
    pは、AOの平均付加モル数であり、1以上100以下の数であり、
    q、及びrは、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、q+rは1以上100以下の数であり、
    M、M、及びMは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンであり、
    、及びXは、同一又は異なって、それぞれ、水素原子、又は炭素数1以上4以下の炭化水素基である。〕
  8. (B)が、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリオキシプロピレン、アセチレングリコール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、リン酸トリアルキル、及びこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上の化合物である、請求項7記載の水硬性組成物の硬化物の美観の向上方法。
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