JP2018048069A - 水硬性組成物用分散剤組成物 - Google Patents

水硬性組成物用分散剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性に優れた水硬性組成物が得られる水硬性組成物用分散剤組成物を提供する。【解決手段】(A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物と、(B)陰イオン界面活性剤と、(C)非イオン界面活性剤とを含有する、水硬性組成物用分散剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性組成物用分散剤組成物、及び水硬性組成物に関する。
水硬性組成物用の分散剤は、セメント粒子を分散させることにより、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させ、水硬性組成物の作業性等を向上させるために用いる化学混和剤である。分散剤としては、従来、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のナフタレン系分散剤、カルボン酸を有する単量体とアルキレングリコール鎖を有する単量体との共重合体等のポリカルボン酸系分散剤、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミン系分散剤等が知られている。
ナフタレン系分散剤は、ポリカルボン酸系分散剤やメラミン系分散剤と比較して、材料や温度の変化に対する流動性発現の効果の変動が少なく、また得られる水硬性組成物の粘性が比較的低く、水硬性組成物の製造に際して使い易いという特徴がある。
特許文献1には、セメント分散剤と特定の非イオン界面活性剤とを所定の重量比で含有するコンクリート混和剤が記載されている。
特許文献2には、特定のポリアルキレンオキシド誘導体及び/又は特定の炭化水素誘導体を含有するセメント組成物のワーカビリティーを改良するためのワーカビリティー改良剤が記載されている。特許文献2には、前記ワーカビリティー改良剤と減水剤とを含有するセメント減水剤もまた記載されている。
特許文献3には、βナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物とオキシエチレン鎖を有するノニオン系界面活性剤を含む水硬性組成物と水からなるスラリーが記載されている。
特許文献4には、ナフタレンスルホン酸金属塩のホルマリン縮合物およびポリオキシエチレン系化合物からなるセメント添加剤が記載されている。
特許文献5には、アニオン系界面活性剤を加えたコンクリートによって所望のコンクリート製品を成形し、該成形品を常圧蒸気養生する、コンクリート製品の製造方法が記載されている。
一方、界面活性剤をセメント混和剤として用いることも従来提案されている。特許文献6には、硫酸エステル型の陰イオン界面活性剤とポリオキシアルキレン系又は多価アルコール系の非イオン界面活性剤とを含有してなるセメント混和剤が記載されている。
特開昭61−281054号公報 特開2003−165755号公報 特開昭55−023047号公報 特開昭60−011255号公報 特開昭48−028525号公報 特開昭50−150724号公報
本発明は、流動性に優れた水硬性組成物が得られる水硬性組成物用分散剤組成物を提供する。
本発明は、(A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物と、(B)陰イオン界面活性剤と、(C)非イオン界面活性剤とを含有する、水硬性組成物用分散剤組成物に関する。
また、本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物と、(B)陰イオン界面活性剤と、(C)非イオン界面活性剤とを含有する、水硬性組成物に関する。
以下、(A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物を(A)成分、(B)陰イオン界面活性剤を(B)成分、(C)非イオン界面活性剤を(C)成分として説明する。
本発明によれば、流動性に優れた水硬性組成物が得られる水硬性組成物用分散剤組成物が提供される。
〔水硬性組成物用分散剤組成物〕
本発明の効果発現機構の詳細は不明であるが、以下のように推定される。
(A)成分に含まれるナフタレン環は疎水性が高い分子構造である。一方、(B)成分は、疎水性の高い炭化水素基を有する。これらが、水中で安定する為に集まった状態となっていることで、(A)成分と(B)成分は擬似的な会合体のような構造を形成すると考えられる。さらに、(B)成分中にAO基とカルボン酸又はリン酸基を有することで、会合体としての親水性が向上すると考えられる。これらの影響により、(A)成分のみでは得られなかった斥力及び(B)成分のみでは得られなかった水硬性粉体への吸着力がバランス良く発現するため、水硬性組成物の流動性を向上させるものと推察される。また、(A)成分及び(B)成分のみでなく、(C)成分が適量存在することで、水硬性組成物に連行される泡の量が適切になると推定している。
<(A)成分>
(A)成分は、ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物である。(A)成分は、例えば、セメントや石膏などの水硬性粉体を含有する水硬性組成物用の分散剤として用いることができる。
(A)成分としては、好ましくはナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩が挙げられる。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物又はその塩である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は、性能を損なわない限り、単量体として、例えばメチルナフタレン、エチルナフタレン、ブチルナフタレン、ヒドロキシナフタレン、ナフタレンカルボン酸、アントラセン、フェノール、クレゾール、クレオソート油、タール、メラミン、尿素、スルファニル酸及び/又はこれらの誘導体などのようなナフタレンスルホン酸と共縮合可能な芳香族化合物と共縮合させても良い。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、例えば、マイテイ150、デモール N、デモール RN、デモール MS、デモールSN−B、デモール SS−L(いずれも花王株式会社製)、セルフロー 120、ラベリン FD−40、ラベリン FM−45(いずれも第一工業株式会社製)などのような市販品を用いることができる。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、水硬性組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは80,000以下、より更に好ましくは50,000以下、より更に好ましくは30,000以下である。そして、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、水硬性組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が、好ましくは1,000以上、より好ましくは3,000以上、更に好ましくは4,000以上、より更に好ましくは5,000以上である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は酸の状態あるいは中和物であってもよい。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の分子量は下記条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いて測定することができる。
[GPC条件]
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー株式会社)
溶離液:30mM CHCOONa/CHCN=6/4
流量:0.7ml/min
検出:UV280nm
サンプルサイズ:0.2mg/ml
標準物質:西尾工業(株)製 ポリスチレンスルホン酸ソーダ換算(単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:分子量、206、1,800、4,000、8,000、18,000、35,000、88,000、780,000)
検出器:東ソー株式会社 UV−8020
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の製造方法は、例えば、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとを縮合反応により縮合物を得る方法が挙げられる。前記縮合物の中和を行ってもよい。また、中和で副生する水不溶解物を除去してもよい。具体的には、ナフタレンスルホン酸を得るために、ナフタレン1モルに対して、硫酸1.2〜1.4モルを用い、150〜165℃で2〜5時間反応させてスルホン化物を得る。次いで、該スルホン化物1モルに対して、ホルムアルデヒドとして0.93〜0.99モルとなるようにホルマリンを85〜105℃で、3〜6時間かけて滴下し、滴下後95〜105℃で縮合反応を行う。さらに、得られる縮合物の水溶液は酸性度が高いので貯槽等の金属腐食を抑制する観点から、得られた縮合物に、水と中和剤を加え、80〜95℃で中和工程を行うことができる。中和剤は、ナフタレンスルホン酸と未反応硫酸に対してそれぞれ1.0〜1.1モル倍添加することが好ましい。また、中和により生じる水不溶解物を除去することができ、その方法として好ましくは濾過による分離が挙げられる。これらの工程によって、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶性塩の水溶液が得られる。この水溶液は、そのまま(A)成分の水溶液として使用することができる。更に必要に応じて該水溶液を乾燥、粉末化して粉末状のナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物の塩を得ることができ、これを粉末状の分散剤として使用することができる。乾燥、粉末化は、噴霧乾燥、ドラム乾燥、凍結乾燥等により行うことができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、流動性向上の観点から、(A)成分を、固形分中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは55質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは95質量%以下、より更に好ましくは90質量%以下、より更に好ましくは85質量%以下、より更に好ましくは75質量%以下含有する。
なお、水硬性組成物用分散剤組成物について、固形分とは、水以外の成分をいう。
<(B)成分>
(B)成分は、陰イオン界面活性剤である。
(B)成分は、炭素数6以上30以下の炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤が好ましい。炭化水素基の炭素数は、好ましくは8以上、より更に好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より更に好ましくは22以下である。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、置換基を有するアリール基(以下、置換アリール基という)などが挙げられる。炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基及び置換アリール基から選ばれる基が好ましく、アルキル基、及びアルケニル基から選ばれる基がより好ましい。アルキル基は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基である。アルケニル基は、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基である。ここで、アルキル基又はアルケニル基についての第1級とは、当該アルキル基又はアルケニル基の炭素原子のうち、他の基と結合する炭素原子が第1級炭素原子であることを意味する。置換アリール基は、芳香環の水素原子が置換基で置換されたアリール基であり、芳香環の水素原子が炭化水素基で置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基として、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが、炭化水素基などの置換基で、置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基のアリール基はフェニル基が好ましい。更に、炭素数13以上30以下の置換アリール基が挙げられる。置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、ジスチレン化フェニル基、トリスチレン化フェニル基、オクチルフェニル基、及びノニルフェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
(B)成分は、分子量5,000未満の界面活性剤が好ましい。(B)成分の分子量は、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、そして、好ましくは4,000以下、より好ましくは3,000以下、更により好ましくは2,000以下である。
(B)成分としては、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、硫酸エステル基、カルボン酸基、及びリン酸エステル基から選ばれる基とを有する陰イオン界面活性剤が挙げられる。
また、(B)成分としては、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、オキシアルキレン基と、硫酸エステル基、カルボン酸基、及びリン酸エステル基から選ばれる基とを有する陰イオン界面活性剤が挙げられる。
(B)成分について、硫酸エステル基、カルボン酸基、及びリン酸エステル基は、それぞれ、塩になっている形態の基を含む意味である。
(B)成分としては、下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、下記一般式(B4)で表される化合物、及び下記一般式(B5)で表される化合物から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤が挙げられる。
Figure 2018048069
〔式中、
Rは、炭素数6以上30以下の炭化水素基、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
nは、AOの平均付加モル数であり、0以上300以下の数、
Xは、O又はCOO、
Yは、R−O−(AO)n’(n’は0以上の数)、又はOMであり、R−O−(AO)n’の場合は、nとn’の合計が0以上300以下の数であり、
n1、n2は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n1とn2の合計は0以上300以下の数、
、Xは、それぞれ、CHCOOM、PO(OM)、又はSO
Mは、対イオン
を表す。〕
一般式(B1)で表される化合物について説明する。
一般式(B1)中のRは炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
置換基は、最も基本的な有機化合物の水素原子の代わりに導入された原子又は原子団のことである(化学辞典、第一版、第七刷、(株)東京化学同人、2003年4月1日)。置換基を含む炭化水素は、炭化水素の誘導体であってよい。誘導体とは、ある炭化水素を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことである。
Rの炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、置換基を有するアリール基(以下、置換アリール基という)などが挙げられる。Rの炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基及び置換アリール基から選ばれる基が好ましい。
Rのアルキル基は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基である。
Rのアルケニル基は、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基である。
ここで、アルキル基又はアルケニル基についての第1級とは、当該アルキル基又はアルケニル基の炭素原子のうち、他の基と結合する炭素原子が第1級炭素原子であることを意味する。例えば、Rでは、アルキル基又はアルケニル基の炭素原子のうち、Xと結合する炭素原子が第1級炭素原子であることを意味する。
Rの置換アリール基は、芳香環の水素原子が置換基で置換されたアリール基であり、芳香環の水素原子が炭化水素基で置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基として、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが、炭化水素基などの置換基で、置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基のアリール基はフェニル基が好ましい。更に、炭素数13以上30以下の置換アリール基が挙げられる。
置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、ジスチレン化フェニル基、トリスチレン化フェニル基、オクチルフェニル基、及びノニルフェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
Rは、経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
Rは、水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
Rは、硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の泡立ちを抑える観点から、好ましくは置換アリール基である。
一般式(B1)中のRは、炭素数6以上30以下の炭化水素基である。
Rの炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
Rの具体例として、炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
Rの他の具体例として、炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基、並びに、炭化水素基で置換されたアリール基、炭素数13以上30以下の置換アリール基から選ばれる基が挙げられる。
Rの他の具体例として、
炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基、及び
炭素数が好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基、
から選ばれる基が挙げられる。
また、Rの他の具体例として、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、スチレン化したフェニル基が挙げられる。これらの基は、具体的には、ベンジル基で置換された炭素数13以上27以下のフェニル基、及び炭素数14以上30以下スチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられる。
更に具体的には、Rとしては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基、ジスチレン化フェニル基、及びトリスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられ、水硬性組成物の流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(B1)中、Xは、O又はCOOであり、好ましくはOである。
一般式(B1)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B1)中、nは、AOの平均付加モル数であり、セメント分散性(以下、単に分散性という場合もある)の観点から0以上300以下である。nは、水硬性組成物の流動性向上の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上、より更に好ましくは30以上、より更に好ましくは40以上、より更に好ましくは50以上であり、そして(A)成分との相互作用しやすさ及び経済的な観点から、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下の数である。
一般式(B1)中、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
Mは、化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
Mは、化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
一般式(B1)で表される化合物としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステル化物等のポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル化物又はその塩、及び、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル化物などのポリオキシエチレン置換アリールエーテル硫酸エステル化物又はその塩が挙げられる。
次に、一般式(B2)で表される化合物について説明する。
一般式(B2)中、Rの炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは22以下である。Rの炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基から選ばれる炭化水素基が好ましい。
一般式(B2)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B2)中、nは、AOの平均付加モル数であり、分散性の観点から、0以上300以下である。nは、水溶性の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましく7以上、より更に好ましくは10以上、より更に好ましくは15以上、より更に好ましくは20以上であり、そして、水硬性組成物への吸着性を上げて分散性を発現させる観点から、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下、より更に好ましくは25以下、より更に好ましくは15以下の数である。
一般式(B2)中、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
Mは、化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
Mは、化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
次に、一般式(B3)で表される化合物について説明する。
一般式(B3)で表される化合物としては、具体的には、下記一般式(B3−1)で表される化合物、及び下記一般式(B3−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018048069
〔式中、R、AO、n、n’、Mは、前記の通り。〕
一般式(B3)、(B3−1)、及び(B3−2)中、それぞれ、Rの炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは22以下である。Rの炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基から選ばれる炭化水素基が好ましい。
がR−O−(AO)n’(n’は0以上の数)である化合物が、前記一般式(B3−1)の化合物である。また、XがOMである化合物が、前記一般式(B3−2)の化合物である。
一般式(B3)、(B3−1)、及び(B3−2)中、それぞれ、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B3)、及び(B3−2)中、それぞれ、nは、AOの平均付加モル数であり、分散性の観点から、0以上300以下である。nは、(B)成分による立体斥力による分散性向上の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましく7以上、より更に好ましくは10以上、より更に好ましくは15以上、より更に好ましくは20以上であり、そして、水硬性組成物への吸着性を上げて分散性を発現させる観点から、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下、より更に好ましくは25以下、より更に好ましくは15以下の数である。
また、一般式(B3−1)中、n’は、AOの平均付加モル数であり、0以上の数である。一般式(B3−1)中、n及びn’の合計は、(B)成分による立体斥力による分散性向上の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましく7以上、より更に好ましくは10以上、より更に好ましくは15以上、より更に好ましくは20以上であり、そして、水硬性組成物への吸着性を上げて分散性を発現させる観点から、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下、より更に好ましくは25以下、より更に好ましくは15以下の数である。
一般式(B3)、(B3−1)、及び(B3−2)中、それぞれ、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
Mは、化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
Mは、化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
次に、一般式(B4)で表される化合物について説明する。
一般式(B4)中、Rの炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは22以下である。Rの炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基から選ばれる炭化水素基が好ましい。
一般式(B4)中、それぞれ、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
Mは、化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
Mは、化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
次に、一般式(B5)で表される化合物について説明する。
一般式(B5)で表される化合物としては、具体的には、下記一般式(B5−1)で表される化合物、下記一般式(B5−2)、及び下記一般式(B5−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018048069
〔式中、R、AO、n1、n2、Mは、前記の通り。〕
一般式(B5)、一般式(B5−1)、(B5−2)、及び(B5−3)中、それぞれ、Rの炭素数は、流動性の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは14以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下である。Rの炭化水素基は、流動性の観点から、アルキル基、アルケニル基から選ばれる炭化水素基が好ましい。
一般式(B5)中のX、Xが、それぞれ、CHCOOMである化合物が、前記一般式(B5−1)の化合物である。
また、一般式(B5)中のX、Xが、それぞれ、PO(OM)である化合物が、前記一般式(B5−2)の化合物である。
また、一般式(B5)中のX、Xが、それぞれ、SOMである化合物が、前記一般式(B5−3)の化合物である。
一般式(B5)中のX、Xは、流動性の観点から、両方がCHCOOMである、又は両方がPO(OM)である、又は両方がSOMであることが好ましい。
一般式(B5)、一般式(B5−1)、(B5−2)、及び(B5−3)中、それぞれ、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、流動性の観点から、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。流動性の観点から、AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(B5)、一般式(B5−1)、(B5−2)、及び(B5−3)中、それぞれ、n1、n2は、AOの平均付加モル数であり、0以上の数である。n1とn2の合計は、(B)成分による立体斥力の付与によって流動性を増やす観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは7以上、そして、水硬性組成物への吸着性を上げて分散性を発現させる観点から、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下、より更に好ましくは25以下、より更に好ましくは15以下の数である。
一般式(B5)、一般式(B5−1)、(B5−2)、及び(B5−3)中、それぞれ、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。
Mは、化合物の製造し易さの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
Mは、化合物の臭気の観点から、好ましくはアルカリ金属イオン、より好ましくはナトリウムイオン及びカリウムイオンから選ばれるアルカリ金属イオンである。
一般式(B5)で表される化合物としては、ポリオキシエチレンラウリルアミンカルボキシレート、ポリオキシエチレンオレイルアミンカルボキシレート、ポリオキシエチレンステアリルアミンカルボキシレート、ポリオキシエチレンラウリルアミンリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンオレイルアミンリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンステアリルアミンリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルアミン硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンオレイルアミン硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンステアリルアミン硫酸エステル塩が挙げられる。
(B)成分としては、前記一般式(B1)で表される化合物、前記一般式(B2)で表される化合物、前記一般式(B3−1)で表される化合物、前記一般式(B3−2)で表される化合物、前記一般式(B4)で表される化合物、前記一般式(B5−1)で表される化合物、前記一般式(B5−2)で表される化合物、及び前記一般式(B5−3)で表される化合物から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
上記以外の(B)成分として、炭素数6以上30以下の炭化水素基を有するカルボベタイン、炭素数6以上30以下の炭化水素基を有する脂肪酸又はその塩、炭素数6以上30以下の炭化水素基を有するアミノ酸又はその塩、炭素数6以上30以下の炭化水素基を有するアミドカルボン酸又はその塩などが挙げられる。これらの炭化水素基の好ましい態様は前記の通りである。
(B)成分は、分散性、汎用性、経済的な観点から、一般式(B1)で表される化合物が好ましい。
(B)成分は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンラウリルアミンカルボキシレート、ポリオキシエチレンオレイルアミンカルボキシレート、ポリオキシエチレンステアリルアミンカルボキシレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレントリベンジル化フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンステアリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンステアリルアミンエーテル硫酸塩、等が挙げられる。
<(C)成分>
(C)成分は、非イオン界面活性剤である。
(C)成分は、炭素数6以上30以下の炭化水素基を有する非イオン界面活性剤が好ましい。炭化水素基の炭素数は、好ましくは8以上、より更に好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より更に好ましくは22以下である。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、置換基を有するアリール基(以下、置換アリール基という)などが挙げられる。炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基及び置換アリール基から選ばれる基が好ましく、アルキル基、及びアルケニル基から選ばれる基がより好ましい。アルキル基は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基である。アルケニル基は、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基である。ここで、アルキル基又はアルケニル基についての第1級とは、当該アルキル基又はアルケニル基の炭素原子のうち、他の基と結合する炭素原子が第1級炭素原子であることを意味する。置換アリール基は、芳香環の水素原子が置換基で置換されたアリール基であり、芳香環の水素原子が炭化水素基で置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基として、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが、炭化水素基などの置換基で、置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基のアリール基はフェニル基が好ましい。更に、炭素数13以上30以下の置換アリール基が挙げられる。置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、ジスチレン化フェニル基、トリスチレン化フェニル基、オクチルフェニル基、及びノニルフェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
(C)成分は、分子量5,000未満の界面活性剤が好ましい。(B)成分の分子量は、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、そして、好ましくは4,000以下、より好ましくは3,000以下、更により好ましくは2,000以下である。
(C)成分のHLB(デイビス法)は、流動性の観点から、0以上が好ましく、1以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、5以上がより好ましく、そして、150以下が好ましく、100以下がより好ましく、80以下が更に好ましく、60以下がより更に好ましい。なお、一般式(B1)の化合物のHLBは、構造から算出できる。
(C)成分は、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、オキシアルキレン基とを有する非イオン界面活性剤が好ましい。(C)成分は、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、オキシエチレン基とを有する非イオン界面活性剤がより好ましい。
(C)成分としては、下記一般式(C1)で表される化合物、及び下記一般式(C2)で表される化合物から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤が挙げられる。
Figure 2018048069
〔式中、
11、R21は、それぞれ、炭素数6以上30以下の炭化水素基、
12、R22、R23は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
n3は、AOの平均付加モル数であり、0以上300以下の数、
n4、n5は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n4とn5の合計は1以上300以下の数、
11は、O又はCOO、
を表す。〕
一般式(C1)で表される化合物について説明する。
一般式(C1)中のR11は炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
置換基は、最も基本的な有機化合物の水素原子の代わりに導入された原子又は原子団のことである(化学辞典、第一版、第七刷、(株)東京化学同人、2003年4月1日)。置換基を含む炭化水素は、炭化水素の誘導体であってよい。誘導体とは、ある炭化水素を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことである。
11の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、置換基を有するアリール基(以下、置換アリール基という)などが挙げられる。R21の炭化水素基は、アルキル基、アルケニル基及び置換アリール基から選ばれる基が好ましい。
11のアルキル基は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基である。
21のアルケニル基は、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基である。
11の置換アリール基は、芳香環の水素原子が置換基で置換されたアリール基であり、芳香環の水素原子が炭化水素基で置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基として、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが、炭化水素基などの置換基で、置換されたアリール基が挙げられる。置換アリール基のアリール基はフェニル基が好ましい。更に、炭素数13以上30以下の置換アリール基が挙げられる。
置換アリール基としては、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。置換アリール基は、ベンジル基で置換されたフェニル基、及びスチレン化したフェニル基から選ばれる基が挙げられる。
置換アリール基は、好ましくはモノベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、トリベンジルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、ジスチレン化フェニル基、トリスチレン化フェニル基、オクチルフェニル基、及びノニルフェニル基から選ばれる基であり、より好ましくはトリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基である。
11は、経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
11は、水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
11は、硬化体の強度発現の観点と水硬性組成物の泡立ちを抑える観点から、好ましくは置換アリール基である。
一般式(C1)中、R11は、具体的には炭素数4以上30以下の炭化水素基が挙げられる。
11の炭素数は、分散性向上の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
11の具体例として、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
11の他の具体例として、炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基、並びに炭化水素基で置換されたアリール基、好ましくは炭素数13以上30以下の置換アリール基から選ばれる基が挙げられる。
11の他の具体例として、
炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基、及び
炭素数が好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、更に好ましくは20以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基
から選ばれる基が挙げられる。
また、R11の他の具体例として、炭素数が好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下のアルキル基で置換されたフェニル基、ベンジル基で置換されたフェニル基、スチレン化したフェニル基が挙げられる。これらの基は、具体的には、ベンジル基で置換された炭素数13以上27以下のフェニル基、及び炭素数14以上30以下のスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられる。
更に具体的には、R11としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基、ジスチレン化フェニル基、及びトリスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられ、水硬性組成物の流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、トリベンジルフェニル基、及びジスチレン化フェニル基から選ばれる基が挙げられる。なお、一般式(C1)中のX11がCOOの場合、R11としては、これらの基のうち環構造を持たない基については、炭素数を1つ減じた基を例示することができる。例えば、デシル基の代わりにノニル基が、ラウリル基の代わりにウンデシル基が例示される。
一般式(C1)中、Xは、O又はCOOであり、好ましくはOである。
一般式(C1)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。AOは炭素数2のアルキレンオキシ基が好ましい。
一般式(C1)中、n3は、AOの平均付加モル数であり、セメント分散性の観点から1以上300以下である。n3は、水硬性組成物の流動性向上の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは9以上、更に好ましくは12以上、より更に好ましくは20以上、より更に好ましくは28以上であり、そして(A)成分との相互作用しやすさ及び経済的な観点から、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下、より更に好ましくは60以下、より更に好ましくは35以下である。
一般式(C1)中、R12は、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、水素原子が好ましい。
一般式(C1)で表される化合物としては、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルが挙げられる。また、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステルが挙げられる。また、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等のポリオキシエチレン置換アリールエーテルが挙げられる。
次に一般式(C2)で表される化合物について説明する。
一般式(C2)中のR21は炭化水素基である。この炭化水素基は、置換基を含む炭化水素基を含む。
置換基は、最も基本的な有機化合物の水素原子の代わりに導入された原子又は原子団のことである(化学辞典、第一版、第七刷、(株)東京化学同人、2003年4月1日)。置換基を含む炭化水素は、炭化水素の誘導体であってよい。誘導体とは、ある炭化水素を母体として考えたとき、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造や性質を大幅に変えない程度の改変がなされた化合物のことである。
21の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、置換基を有するアリール基などが挙げられる。置換アリール基は、芳香環の水素原子の1つ、2つ又は3つが置換されたアリール基が挙げられる。R21の炭化水素基は、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が好ましい。
21のアルキル基は、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基である。
21のアルケニル基は、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基である。
21は、経済的な観点から、好ましくはアルキル基である。
21は、水への溶解し易さの観点から、好ましくはアルケニル基である。
一般式(C2)中のR21は、具体的には炭素数4以上30以下の炭化水素基が挙げられる。
21の炭素数は、好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下から選択できる。
21の具体例を挙げると、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下の炭化水素基、及び該炭化水素基の水素原子が置換基で置換された炭化水素基から選ばれる基が挙げられる。
21の他の具体例を挙げると、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基又はアルケニル基、及び該アルキル基又は該アルケニル基の水素原子が置換基で置換された基から選ばれる基が挙げられる。
21の他の具体例を挙げると、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルキル基、好ましくは脂肪族アルキル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルキル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルキル基、及び、好ましくは炭素数10以上、より好ましくは12以上、そして、好ましくは27以下、より好ましくは26以下、更に好ましくは24以下のアルケニル基、好ましくは脂肪族アルケニル基、より好ましくは直鎖脂肪族アルケニル基、更に好ましくは直鎖第1級脂肪族アルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
更に具体的には、R21としては、例えば、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、水硬性組成物の流動性向上の観点から、好ましくはラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、及びオレイル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(C2)中、AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基であり、好ましくは炭素数2又は3のアルキレンオキシ基である。AOが炭素数2のアルキレンオキシ基を含むことが好ましい。AOは炭素数2のアルキレンオキシ基が好ましい。
一般式(C2)中、n4、n5は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数である。セメント分散性の観点から、n4とn5の合計は、1以上、好ましくは20以上、より好ましくは50以上、そして、経済的な観点から、300以下、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下の数である。
一般式(C2)中、R22及びR23は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基である。R22及びR23は、それぞれ、好ましくは水素原子である。
(C)成分は、分散性、汎用性、経済的な観点から、一般式(C1)で表される化合物が好ましい。
(C)成分としては、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルが挙げられる。また、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステルが挙げられる。また、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等のポリオキシエチレン置換アリールエーテルが挙げられる。
また、ポリオキシエチレンステアリルアミンエーテル等が挙げられる。
<水硬性組成物用分散剤組成物の組成等>
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(A)成分を、固形分中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下含有する。
なお、水硬性組成物用分散剤組成物について、固形分とは、水以外の成分をいう。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(B)成分と(C)成分とを含有することから、(B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の割合が0モル%超100モル%未満である。この割合は、モル基準で、(B)成分の含有量/[(B)成分の含有量+(C)成分の含有量]×100により算出される。この割合は、分散性向上の観点から、0モル%超であり、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましく、15モル%以上がより更に好ましく、30モル%以上がより更に好ましく、45モル%以上がより更に好ましく、60モル%以上がより更に好ましく、70モル%以上がより更に好ましく、そして、100モル%未満であり、99モル%以下が好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と異なる、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類の何れかが異なる場合は、前記割合は、80モル%以上がより更に好ましく、87モル%以上がより更に好ましく、95モル%以上がより更に好ましく、97モル%以上がより更に好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と同じである、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類が何れも同じである場合は、前記割合は、77モル%以上がより更に好ましく、そして、95モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、分散性の観点から、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計に対する(A)成分の含有量の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。この割合は、質量基準で、(A)成分の含有量/[(A)成分の含有量+(B)成分の含有量+(C)成分の含有量]×100により算出される。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、更に、以下のような成分を含有することができる。
<(D)成分>
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、更に、(D)カルボン酸基、リン酸基、加水分解によりカルボン酸基に変化する基、及び加水分解によりリン酸基に変化する基から選ばれる基を有するモノマー単位と、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量5,000以上1,000,000以下の重合物〔以下、(D)成分という〕を含有することが、分散性向上及び保持性向上の観点から好ましい。
重合物とは付加重合、縮合重合によって得られる化合物である。付加重合としては不飽和結合を有するモノマーを反応させる手法である、ラジカル重合、イオン重合等が挙げられる。縮合重合としては芳香族化合物のホルムアルデヒド縮合を代表とする、アルデヒド類による付加縮合等が挙げられる。
(D)成分のカルボン酸基は、−COOM(Mは、対イオンを示す。)で表される基である。カルボン酸基は、カルボキシ基及び塩となっているカルボキシ基から選ばれる基である。
また、(D)成分の加水分解によりカルボン酸基に変化する基としては、カルボン酸エステル基が挙げられる。カルボン酸エステル基は、−COOR(Rは、炭化水素基、好ましくは炭素数1以上12以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)のエステル構造を有しており、加水分解で生じたカルボン酸基が(D)成分の構造に残る。カルボン酸エステル基などの加水分解によりカルボン酸基に変化する基は、いわばカルボン酸基の前駆構造を有する基である。カルボン酸エステル基を有するモノマーの重合により、カルボン酸エステル基を(D)成分の重合物に導入できる。
加水分解によりカルボン酸基に変化する基は、初期強度の観点で好ましい。また、加水分解によりカルボン酸基に変化する基は、流動保持性の観点で好ましい。
また、(D)成分のリン酸基は、−OPO(OM)(OM)(M、Mは、同一又は異なって、それぞれ、対イオンを示す。)で表される基である。リン酸基は、リン酸基及び塩となっているリン酸基から選ばれる基である。
ここで、M、M、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオン、アミンなどが挙げられる。
また、(D)成分の加水分解によりリン酸基に変化する基としては、リン酸エステル基が挙げられる。リン酸エステル基は、下記式で表される構造を有する。
Figure 2018048069
(式中、R、Rはそれぞれ、炭化水素基、好ましくは炭素数1以上12以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。)
リン酸エステル基は、加水分解で生じたリン酸基が(D)成分の構造に残る。リン酸エステル基などの加水分解によりリン酸基に変化する基は、いわばリン酸基の前駆構造を有する基である。リン酸エステル基を有するモノマーの重合により、リン酸エステル基を(D)成分の重合物に導入できる。
加水分解によりリン酸基に変化する基は、初期強度の観点で好ましい。また、加水分解によりリン酸基に変化する基は、流動保持性の観点で好ましい。
(D)成分は、カルボン酸基、リン酸基、カルボン酸エステル基、及びリン酸エステル基から選ばれる基を有するモノマー単位と、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量5,000以上1,000,000以下の重合物であってよい。
(D)成分のアルキレンオキシ基は、例えば、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が挙げられる。これらは、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基等、2モル以上のアルキレンオキシ基が付加重合したものが好ましい。
(D)成分は、カルボン酸基を有するモノマー単位を含む重合物、及びカルボン酸基を有するモノマー単位とリン酸基を有するモノマー単位とを含む重合物から選ばれる重合物が好ましい。
(D)成分としては、例えば、不飽和結合を有するリン酸基及び/又はカルボン酸化合物と不飽和結合を有するアルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する化合物との付加重合物、カルボン酸基及びリン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位とアルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する化合物とホルムアルデヒドとの縮合物等が挙げられる。
(D)成分の重量平均分子量は5,000以上1,000,000以下であり、水硬性組成物の流動性向上の観点から、重量平均分子量が、5,000以上、好ましくは10,000以上、より好ましくは30,000以上であり、そして、好ましくは500,000以下、更に好ましくは150,000以下、より更に好ましくは100,000以下である。
例えば(D)成分としては、
(1)アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸、水酸基を有しても良い炭素数1以上3以下の(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和基を有するリン酸エステルから選ばれる1種以上とを共重合した共重合物、
(2)ポリアルキレングリコールと不飽和アルコールのエーテル化合物と、ジカルボン酸及びジカルボン酸無水物から選ばれる1種以上とを共重合した共重合物、
が挙げられる。ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートの意味であり、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸の意味である。
カルボン酸基を有するモノマー単位としては、付加重合可能な不飽和結合を有するモノカルボン酸及び付加重合可能な不飽和結合を有するジカルボン酸から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、及びシトラコン酸から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられ、メタクリル酸、及びアクリル酸から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が好ましい。無水マレイン酸等の無水化合物や、マレイン酸モノエステル等のハーフエステルをモノマーとするモノマー単位であっても良い。
加水分解によりカルボン酸基に変化する基を有するモノマー単位としては、カルボン酸エステル基を有するモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メチルアクリレート、及びエチルアクリレートから選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレートに由来するモノマー単位がより好ましい。
リン酸基から選ばれる基を有するモノマー単位としては、付加重合可能な不飽和結合を有するリン酸化合物及び縮合重合可能な芳香族官能基を有するリン酸化合物から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。例えば、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸〕エステル、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステル、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸エステル、ポリアルキレレングリコールモノ(メタ)アクリレートアシッドリン酸エステル、及びフェノキシエタノールホスフェートから選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられ、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸モノ(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸エステル、及びフェノキシエタノールホスフェートから選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が好ましい。また、これらの何れか1種以上のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩であっても良い。
加水分解によりリン酸基に変化する基を有するモノマー単位としては、リン酸エステル基を有するモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。例えば、ジメチルモノヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステル、ジエチルモノヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステル、ジヒドロキシエチルモノヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステルから選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が好ましく、ジヒドロキシエチルモノヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステルに由来するモノマー単位がより好ましい。
アルキレンオキシ基を有するモノマー単位としては、付加重合可能な不飽和結合とアルキレンオキシ基を有する化合物に由来するモノマー単位が挙げられる。例えば、アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びポリアルキレングリコールと不飽和アルコールのエーテル化合物から選ばれる1種以上のモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。アルキレンオキシ基を有するモノマー単位としては、具体的には、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、プロポキシポリエチレングリコール、プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化物、アリルアルコールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物、イソプレノールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物、ビニルアルコールのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物、アクリル酸のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物、並びにメタクリル酸のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの付加物から選ばれるモノマーに由来するモノマー単位が挙げられる。
(D)成分のアルキレンオキシ基を有するモノマー単位は、該モノマー単位あたりのアルキレンオキシ基の平均付加モル数が、分散性向上の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは7以上、更に好ましくは20以上であり、そして、好ましくは150以下、より好ましく130以下である。
また、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位としては、下記一般式(D1)で表されるモノマーに由来するモノマー単位が好ましい。
Figure 2018048069
〔式中、R1dは、水素原子又はメチル基を表す。AOは、炭素数2又は3のアルキレンオキシ基、nは、AOの平均付加モル数であり、5以上150以下の数を表す。Zはエーテル基(−O−)又はエステル基(−COO−)を表す。R2dは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表す。〕
(D)成分の具体例を以下に示す。
(d1)メタクリル酸とメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートとを構成モノマーとして含む重合物
該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、メタクリル酸が40モル%以上90モル%以下であることが好ましい。また、該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートが10モル%以上60モル%以下であることが好ましい。また、該重合物の重量平均分子量は、分散性向上の観点から、10,000以上100,000以下であることが好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(標準物質:分子量既知の単分散ポリエチレングリコール)により測定することができる。
(d2)ポリオキシエチレンモノフェニルエーテルとフェノキシエタノールホスフェートとを構成モノマーとして含むホルムアルデヒド重縮合物
該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、ポリオキシエチレンモノフェニルエーテルが10モル%以上70モル%以下であることが好ましい。また、該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、フェノキシエタノールホスフェートが30モル%以上90モル%以下であることが好ましい。また、該重合物の重量平均分子量は、分散性向上の観点から、5,000以上100,000以下であることが好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(標準物質:分子量既知の単分散ポリエチレングリコール)により測定することができる。
(d3)メタクリル酸と2−ヒドロキシエチルアクリレートとを構成モノマーとして含む重合物
該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、メタクリル酸が45モル%以上95モル%以下であることが好ましい。また、該重合物は、分散性向上の観点から、構成モノマー中、2−ヒドロキシエチルアクリレートが5モル%以上55モル%以下であることが好ましい。また、該重合物の重量平均分子量は、分散性向上の観点から、5,000以上100,000以下であることが好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(標準物質:分子量既知の単分散ポリエチレングリコール)により測定することができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(D)成分を、固形分中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下含有する。
<(E)成分>
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、更に、(E)消泡剤〔以下、(E)成分という〕を含有することが、強度発現性の観点から好ましい。
(E)成分としては、非イオン界面活性剤系消泡剤が好ましい。(E)成分としては、シリコーン系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤、エーテル系消泡剤が好ましく、シリコーン系消泡剤ではジメチルポリシロキサンがより好ましく、脂肪酸エステル系消泡剤ではポリアルキレングリコール脂肪酸エステルがより好ましく、エーテル系消泡剤ではポリアルキレングリコールアルキルエーテルがより好ましい。(E)成分としては、オキシプロピレン基を有する消泡剤が好ましい。
なお、(E)成分、更に非イオン界面活性剤系消泡剤のHLB(デイビス法)は、0未満が好ましい。また、(E)成分、更に非イオン界面活性剤系消泡剤のHLB(グリフィン法)は、8以下が好ましい。また、(E)成分の1質量%水懸濁液は、目視で分離又は白濁していることが好ましい。また、(E)成分の1質量%水懸濁液の濁度は、100NTU以上であることが好ましい。また、(E)成分は、起泡性が無いことが好ましい。なお、前記1質量%水懸濁液の濁度は、ポータブル濁度計TN100IR(ニッコー・ハンセン株式会社製)を用いて測定することができる。
(E)成分としては、強度低下を抑制できる観点から、脂肪酸エステル系消泡剤が好ましい。
シリコーン系消泡剤は水と相溶性のある乳化タイプが好ましく、そのような乳化タイプのものとしては、KM−70、KM−73A〔何れも信越シリコーン(株)〕、TSAシリーズ(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)、FSアンチフォームシリーズ〔東レ・ダウコーニング(株)〕、アンチフォームE−20〔花王(株)〕等の市販品が挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤のうちポリアルキレングリコール脂肪酸エステルとしては、レオドールTW−L120〔花王(株)〕、ニコフィックス、フォームレックス〔何れも日華化学(株)〕等の市販品が挙げられる。
エーテル系消泡剤のうちポリアルキレングリコールアルキルエーテルとしては、消泡剤No.1、消泡剤No.5〔何れも花王(株)〕、アデカプルロニックシリーズ〔(株)アデカ〕等の市販品が挙げられる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、(E)成分を、固形分中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、強度低下抑制の観点から、(B)成分と(C)成分に対する(E)成分の質量比(E)/[(B)+(C)]が、好ましくは0.00001以上、より好ましくは0.00005以上、更に好ましくは0.0001以上、そして、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、従来のセメント分散剤、水溶性高分子化合物、空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張材、防水剤、遅延剤、急結剤、増粘剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、防腐剤などの成分〔(A)〜(E)成分に該当するものを除く〕を更に含有することができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、形態が、液体、固体の何れでもよい。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物が液体の場合は、水を含有することが好ましい。
水硬性組成物用分散剤組成物が液体である場合、水の含有量は、取り使いのしやすさの観点から、該組成物中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、水硬性組成物の流動性を向上する観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
水硬性組成物用分散剤組成物が液体である場合、(A)成分の含有量は、分散性の観点から、該組成物中、好ましくは3質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
また、水硬性組成物用分散剤組成物が液体である場合、(B)成分の含有量は、流動性向上の観点から、該組成物中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは11質量%以上であり、そして、好ましくは83量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
水硬性組成物用分散剤組成物が液体であり、(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、強度発現と作業性の観点から、該組成物中、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であり、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
〔無機粉体用分散剤組成物〕
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する、無機粉体用分散剤組成物を提供する。
本発明の無機粉体用分散剤組成物に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。また、本発明の無機粉体用分散剤組成物は、(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分を単独で又は組み合わせて含有することができる。(D)成分、及び(E)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
本発明の無機粉体用分散剤組成物は、(B)成分と(C)成分とを含有することから、(B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の割合が0モル%超100モル%未満である。この割合は、モル基準で、(B)成分の含有量/[(B)成分の含有量+(C)成分の含有量]×100により算出される。この割合は、分散性向上の観点から、0モル%超であり、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましく、15モル%以上がより更に好ましく、30モル%以上がより更に好ましく、45モル%以上がより更に好ましく、60モル%以上がより更に好ましく、70モル%以上がより更に好ましく、そして、100モル%未満であり、99モル%以下が好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と異なる、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類の何れかが異なる場合は、前記割合は、80モル%以上がより更に好ましく、87モル%以上がより更に好ましく、95モル%以上がより更に好ましく、97モル%以上がより更に好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と同じである、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類が何れも同じである場合は、前記割合は、77モル%以上がより更に好ましく、そして、95モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。
無機粉体としては、特に限定されないが、以下のものが挙げられる。無機粉体のうち、水硬性粉体に対して用いるものが、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物である。
(1)セメント、石膏などの水硬性粉体
(2)フライアッシュ、シリカフューム、火山灰、けい酸白土などのポソラン作用を持つ粉体
(3)石炭灰、高炉スラグ、けい藻土などの潜在水硬性粉体
(4)カオリン、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、セリサイト、ベントナイトなどのケイ酸塩
(5)炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸鉛などの炭酸塩
(6)硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩
(7)ストロンチウムクロメート、ピグメントイエローなどのクロム酸塩
(8)モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム亜鉛、モリブデン酸マグネシウムなどのモリブデン酸塩
(9)アルミナ、酸化アンチモン、酸化チタニウム、酸化コバルト、四酸化三鉄、三酸化ニ鉄、四酸化三鉛、一酸化鉛、酸化クロムグリーン、三酸化タングステン、酸化イットリウムなどの金属酸化物
(10)水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、メタチタン酸などの金属水酸化物
(11)炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化チタンなどの金属炭化物
(12)窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、ジルコニア、チタン酸バリウム、サチンホワイト、カーボンブラック、グラファイト、クロムイエロー、硫化水銀、ウルトラマリン、パリスブルー、チタニウムイエロー、クロムバーミリオン、リトポン、アセト亜ヒ酸銅、ニッケル、銀、パラジウム、チタン酸ジルコン酸鉛などの、上記(1)〜(11)に分類されない他の無機粉体
本発明の無機粉体用分散剤組成物は、無機粉体スラリーに用いることができる。無機粉体スラリーは、無機粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有するスラリーである。無機粉体が水硬性粉体である場合、スラリーは、本発明の水硬性組成物である。
本発明のスラリーに用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
本発明のスラリーは、(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分を単独で又は組み合わせて含有することができる。(D)成分、及び(E)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
無機粉体スラリーとしては、例えば無機粉体として高炉スラグを使用したスラリー(以下、高炉スラグスラリーという)が挙げられる。高炉スラグスラリーは、高炉スラグ100質量部に対して、本発明の無機粉体用分散剤組成物を、固形分で0.01質量部以上5.0質量部含有することが好ましい。高炉スラグスラリーは、高炉スラグ100質量部に対して、水を、好ましくは40質量部以上、より好ましくは45質量部以上、そして、好ましくは250質量部、より好ましく230質量部以下含有する。また、高炉スラグスラリーは、(E)成分を含有することが好ましい。高炉スラグスラリーは、(D)成分と(E)成分の質量比が、(E)/(D)で、好ましくは0.00001以上、より好ましくは0.00005以上、更に好ましくは0.0001以上、そして、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.05以下である。
〔水硬性組成物〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する、水硬性組成物を提供する。
(A)成分と、(B)成分と、(C)成分は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を添加して用いて水硬性組成物を調製してもよく、それぞれを別々に水硬性粉体と水とを含む系に添加して水硬性組成物を調製してもよい。
本発明の水硬性組成物に使用される水硬性粉体とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏等が挙げられる。好ましくは普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸塩セメント等のセメントである。また、セメント等に高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのポゾラン作用及び/または潜在水硬性を有する粉体や、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加された高炉スラグセメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等でもよい。
本発明の水硬性組成物は、水/水硬性粉体比〔スラリー中の水と水硬性粉体の質量百分率(質量%)、通常W/Pと略記されるが、粉体がセメントの場合、W/Cと略記される。〕が、水が少ない配合でも流動性を発現できる点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
本発明の水硬性組成物に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、より更に好ましくは0.4質量部以上、より更に好ましくは0.5質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下、含有する。
また、本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を好ましくは0.001質量部以上10質量部以下含有する。
また、本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体100質量部に対して、(C)成分を好ましくは0.001質量部以上10質量部以下含有する。
本発明の水硬性組成物は、(B)成分と(C)成分とを含有することから、(B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の割合が0モル%超100モル%未満である。この割合は、モル基準で、(B)成分の含有量/[(B)成分の含有量+(C)成分の含有量]×100により算出される。この割合は、分散性向上の観点から、0モル%超であり、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましく、15モル%以上がより更に好ましく、30モル%以上がより更に好ましく、45モル%以上がより更に好ましく、60モル%以上がより更に好ましく、70モル%以上がより更に好ましく、そして、100モル%未満であり、99モル%以下が好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と異なる、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類の何れかが異なる場合は、前記割合は、80モル%以上がより更に好ましく、87モル%以上がより更に好ましく、95モル%以上がより更に好ましく、97モル%以上がより更に好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と同じである、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類が何れも同じである場合は、前記割合は、77モル%以上がより更に好ましく、そして、95モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物は、分散性の観点から、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計に対する(A)成分の含有量の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。この割合は、質量基準で、(A)成分の含有量/[(A)成分の含有量+(B)成分の含有量+(C)成分の含有量]×100により算出される。
本発明の水硬性組成物は、(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分を単独で又は組み合わせて含有することができる。(D)成分、及び(E)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
本発明の水硬性組成物が(D)成分を含有する場合、水硬性粉体100質量部に対して、(D)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.02質量部以上、より更に好ましくは0.04質量部以上、より更に好ましくは0.06質量部以上、より更に好ましくは0.08質量部以上、より更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.3質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下、より更に好ましくは1.3質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下、より更に好ましくは0.8質量部以下、より更に好ましくは0.6質量部以下、含有する。
本発明の水硬性組成物が(E)成分を含有する場合、水硬性粉体100質量部に対して、(E)成分を、好ましくは0.000001質量部以上、より好ましくは0.00005質量部以上、更に好ましくは0.00025質量部以上、より更に好ましくは0.0005質量部以上、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、更に好ましくは0.075質量部以下、より更に好ましくは0.05質量部以下、含有する。
本発明の水硬性組成物は、骨材を含有することが好ましい。骨材としては、細骨材及び粗骨材から選ばれる骨材が挙げられる。細骨材として、JIS A0203−2014中の番号2311で規定されるものが挙げられる。細骨材としては、川砂、陸砂、山砂、海砂、石灰砂、珪砂及びこれらの砕砂、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、軽量細骨材(人工及び天然)及び再生細骨材等が挙げられる。また、粗骨材として、JIS A0203−2014中の番号2312で規定されるものが挙げられる。例えば粗骨材としては、川砂利、陸砂利、山砂利、海砂利、石灰砂利、これらの砕石、高炉スラグ粗骨材、フェロニッケルスラグ粗骨材、軽量粗骨材(人工及び天然)及び再生粗骨材等が挙げられる。細骨材、粗骨材は種類の違うものを混合して使用してもよく、単一の種類のものを使用してもよい。
水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、嵩容積は、好ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に好ましくは60%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下である。嵩容積は、コンクリート1m中の粗骨材の容積(空隙を含む)の割合である。
また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、好ましくは500kg/m以上、より好ましくは600kg/m以上、更に好ましくは700kg/m以上であり、そして、好ましくは1,000kg/m以下、より好ましくは900kg/m以下である。
水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、好ましくは800kg/m以上、より好ましくは900kg/m以上、更に好ましくは1,000kg/m以上であり、そして、好ましくは2,000kg/m以下、より好ましくは1,800kg/m以下、更に好ましくは1,700kg/m以下である。
水硬性組成物としては、コンクリート等が挙げられる。なかでもセメントを用いたコンクリートが好ましい。本発明の水硬性組成物は、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、地盤改良用、グラウト用、寒中用等の何れの分野においても有用である。
本発明の水硬性組成物は、更にその他の成分を含有することもできる。例えば、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、等〔(A)〜(E)成分に該当するものを除く〕が挙げられる。
〔水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法〕
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分を混合する、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法を提供する。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。(A)成分と(B)成分に加え、(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分を単独で又は組み合わせて混合して、(A)成分と(B)成分と(C)成分と、(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分とを単独で又は組み合わせて含有する水硬性組成物用分散剤組成物を製造することもできる。(D)成分、及び(E)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法では、(B)成分と(C)成分とを含有する組成物を製造することから、(B)成分の混合量と(C)成分の混合量の合計に対する(B)成分の混合量の割合が0モル%超100モル%未満となるように、(B)成分と(C)成分とを混合する。この割合は、モル基準で、(B)成分の混合量/[(B)成分の混合量+(C)成分の混合量]×100により算出される。この割合は、分散性向上の観点から、0モル%超であり、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましく、15モル%以上がより更に好ましく、30モル%以上がより更に好ましく、45モル%以上がより更に好ましく、60モル%以上がより更に好ましく、70モル%以上がより更に好ましく、そして、100モル%未満であり、99モル%以下が好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と異なる、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類の何れかが異なる場合は、前記割合は、80モル%以上がより更に好ましく、87モル%以上がより更に好ましく、95モル%以上がより更に好ましく、97モル%以上がより更に好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と同じである、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類が何れも同じである場合は、前記割合は、77モル%以上がより更に好ましく、そして、95モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法では、分散性の観点から、(A)成分の混合量と(B)成分の混合量と(C)成分の混合量の合計に対する(A)成分の混合量の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。この割合は、質量基準で、(A)成分の混合量/[(A)成分の混合量+(B)成分の混合量+(C)成分の混合量]×100により算出される。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法は、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を製造する方法として好適である。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法としては、(A)成分と(B)成分と(C)成分と水とを含有する水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法が挙げられる。この場合、(A)成分と(B)成分と(C)成分と水との混合は、性能を低下させない範囲で任意の方法で行うことができる。例えば、予め混合槽へ水もしくは温水を仕込み、次に溶融した(B)及び(C)の混合物を仕込み水溶液化した後に、(A)成分を仕込み、攪拌器で混合する方法や、(A)成分、(B)成分及び(C)成分をそれぞれ水に溶解させ、(A)成分の水溶液、(B)成分の水溶液及び(C)成分を混合する方法のように行うことができる。
本発明の水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法では、(B)成分と(C)成分とを前記割合で含有する混合物を用いることができる。例えば、一般式(B1)の化合物は、一般式(C1)の化合物に硫酸化剤を反応させて硫酸化することで製造できる。その際、硫酸化剤の使用量を調整することで、硫酸化物〔(B)成分〕と非硫酸化物〔(C)成分〕とを含有する反応生成物を得ることができる。その反応生成物において、(B)成分と(C)成分の割合が本発明の範囲にあるものは、そのまま本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を調製する際の原料として用いることができる。
本発明は、下記工程1及び工程2を有する水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法を提供する。
工程1:一般式(C1)で表される化合物に硫酸化剤を反応させて、一般式(B1)で表される化合物と一般式(C1)で表される化合物とを含有する反応生成物を調製する工程
工程2:工程1で得られた反応生成物と、(A)成分とを混合する工程
工程1の一例を説明する。反応容器、例えば四つ口フラスコに、一般式(C1)の化合物を仕込む。該化合物が固体の場合は、溶融させたものを仕込む、もしくは固形物を仕込んだ後、前記化合物を、該化合物の融点以上、反応温度以下の温度で溶融させる。反応容器内を窒素置換する。高い反応率を求める場合、すなわち、(B)成分の割合を高めたい場合は、次に減圧脱水を行う。反応容器内に、硫酸化物剤、例えば、スルファミン酸を仕込む。仕込み量は、一般式(C1)の化合物に対するモル比で調整する。高い反応率を求めない場合、すなわち、(B)成分の割合を低くしたい場合は、硫酸化剤、例えばスルファミン酸の一般式(C1)の化合物に対するモル比を1.00以下にする。更に、反応容器内を窒素置換する。窒素置換終了後、窒素ガス流通下で、反応温度まで昇温する。反応温度は一般式(C1)の化合物によって異なるが、110℃以上150℃以下とすることができる。反応温度到達後、反応を開始する。反応時間は2時間以上3時間以下が好ましい。高い反応率を求める場合、すなわち、(B)成分の割合を高めたい場合は、より長い反応時間とする。所定時間の反応を行った後、冷却する。必要に応じて、反応率を確認してよい。冷却後、残存する硫酸化剤、例えばスルファミン酸の量により、濾過が必要な場合は濾過を行う。濾過後、アンモニア水などのpH調整剤で反応生成物のpHを調整することができる。これにより、(B)成分と(C)成分とを所定のモル比で含有する反応生成物を得ることができる。
工程2では、工程1で得られた反応生成物と、(A)成分とを混合する。
〔水硬性組成物の製造方法〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分を混合する水硬性組成物の製造方法を提供する。
本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる(A)成分と(B)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法に用いられる水硬性粉体の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
更に、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分に加え、(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分を単独で又は組み合わせて混合して、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分とを含有する水硬性組成物を製造することもできる。(D)成分、及び(E)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、及び水硬性組成物で述べた事項は、本発明の水硬性組成物の製造方法に適宜適用することができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、(B)成分と(C)成分とを含有する組成物を製造することから、(B)成分の混合量と(C)成分の混合量の合計に対する(B)成分の混合量の割合が0モル%超100モル%未満となるように、(B)成分と(C)成分とを混合する。この割合は、モル基準で、(B)成分の混合量/[(B)成分の混合量+(C)成分の混合量]×100により算出される。この割合は、分散性向上の観点から、0モル%超であり、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましく、15モル%以上がより更に好ましく、30モル%以上がより更に好ましく、45モル%以上がより更に好ましく、60モル%以上がより更に好ましく、70モル%以上がより更に好ましく、そして、100モル%未満であり、99モル%以下が好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と異なる、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類の何れかが異なる場合は、前記割合は、80モル%以上がより更に好ましく、87モル%以上がより更に好ましく、95モル%以上がより更に好ましく、97モル%以上がより更に好ましい。
(B)成分の陰イオン界面活性剤のアニオン基部分を除いた部分の構造が、(C)成分の非イオン界面活性剤の主たる構造と同じである、例えば、炭化水素基の炭素数、オキシアルキレン基の平均付加モル数、及び炭化水素基が結合する原子の種類が何れも同じである場合は、前記割合は、77モル%以上がより更に好ましく、そして、95モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(A)成分を、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、更に好ましくは0.3質量部以上、より更に好ましくは0.4質量部以上、より更に好ましくは0.5質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下、混合する。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(B)成分を好ましくは0.001質量部以上10質量部以下、混合する。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、水硬性粉体100質量部に対して、(C)成分を好ましくは0.001質量部以上10質量部以下、混合する。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、分散性の観点から、(A)成分の混合量と(B)成分の混合量と(C)成分の混合量の合計に対する(A)成分の混合量の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。この割合は、質量基準で、(A)成分の混合量/[(A)成分の混合量+(B)成分の混合量+(C)成分の混合量]×100により算出される。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分を単独で又は組み合わせて混合することができる。(D)成分、及び(E)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
(D)成分を用いる場合、水硬性粉体100質量部に対して、(D)成分を、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.02質量部以上、より更に好ましくは0.04質量部以上、より更に好ましくは0.06質量部以上、より更に好ましくは0.08質量部以上、より更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.3質量部以上、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1.5質量部以下、より更に好ましくは1.3質量部以下、より更に好ましくは1質量部以下、より更に好ましくは0.8質量部以下、より更に好ましくは0.6質量部以下、混合する。
(E)成分を用いる場合、水硬性粉体100質量部に対して、(E)成分を、好ましくは0.000001質量部以上、より好ましくは0.00005質量部以上、更に好ましくは0.00025質量部以上、より更に好ましくは0.0005質量部以上、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、更に好ましくは0.075質量部以下、より更に好ましくは0.05質量部以下、混合する。
また、本発明の水硬性組成物の製造方法では、セメント等の水硬性粉体と、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物とを混合する方法が好ましい。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物は、粉末であっても液体であってもよく、水硬性粉体に対して、(A)成分、(B)成分、(C)成分、さらには(D)成分、及び(E)成分から選ばれる成分が、前述の添加量となるように添加されることが好ましい。具体的には、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物を、水硬性粉体100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上、より更に好ましくは0.15質量部以上、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、より更に好ましくは2質量部以下混合する。
水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分との混合は、モルタルミキサー、強制二軸ミキサー等のミキサーを用いて行うことができる。また、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、そして、好ましくは5分間以下、より好ましくは3分間以下混合する。水硬性組成物の調製にあたっては、水硬性組成物で説明した材料や薬剤及びそれらの量を用いることができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法では、前記の水/水硬性粉体比が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下の水硬性組成物を製造することが好ましい。このような水/水硬性粉体比となるように水と水硬性粉体とを用いることが好ましい。
得られた水硬性組成物は、更に、水硬性組成物を型枠に充填し養生し硬化させる。型枠として、建築物の型枠、コンクリート製品用の型枠等が挙げられる。型枠への充填方法として、ミキサーから直接投入する方法、水硬性組成物をポンプで圧送して型枠に導入する方法等が挙げられる。
水硬性組成物の養生の際、硬化を促進するために加熱養生し、硬化を促進させてもよい。ここで、加熱養生は、40℃以上、80℃以下の温度で水硬性組成物を保持して硬化を促進することができる。
本発明により、
水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分を混合して水硬性組成物を調製する工程
調製された前記水硬性組成物を型枠に充填、養生、硬化させる工程、及び、
硬化した前記水硬性組成物を脱型する工程、
を有する硬化体の製造方法が提供される。本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、この硬化体の製造方法にも適用することができる。
コンクリート製品である型枠を用いる水硬性組成物の硬化体としては、土木用製品では、護岸用の各種ブロック製品、ボックスカルバート製品、トンネル工事等に使用されるセグメント製品、橋脚の桁製品等が挙げられ、建築用製品では、カーテンウォール製品、柱、梁、床板に使用される建築部材製品等が挙げられる。
〔分散性能の向上方法〕
本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分とを混合して水硬性組成物を調製する際に、(B)成分と(C)成分とを添加する、(A)成分の水硬性粉体に対する分散性能の向上方法を提供する。(A)成分は、水硬性粉体用の分散剤として知られ、その分散性能によって水硬性組成物の流動性が向上する。本発明では、(B)成分及び(C)成分を添加することにより、(A)成分を単独で用いた場合よりも、水硬性組成物の流動性が向上する。すなわち、(B)成分及び(C)成分を添加することで、(A)成分の水硬性粉体に対する分散性能を向上させるといえる。
本発明の分散性能の向上方法は、前記の水/水硬性粉体比が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下の水硬性組成物を調製する際に適用することが好ましい。
本発明の分散性能の向上方法に用いられる(A)成分と(B)成分と(C)成分の具体例及び好ましい態様は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の分散性能の向上方法に用いられる水硬性粉体の具体例及び好ましい態様は、本発明の水硬性組成物で述べたものと同じである。
また、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、及び水硬性組成物の製造方法で述べた事項は、本発明の分散性能の向上方法に適宜適用することができる。
〔使用〕
本発明は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する組成物の、水硬性組成物用分散剤としての使用を開示する。
また、本発明は、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有とを含有する組成物の、水硬性組成物としての使用を開示する。この組成物では、前記の水/水硬性粉体比が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下である。
これらの使用には、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、無機粉体用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、水硬性組成物の製造方法、及び分散性能の向上方法で述べた事項を適宜適用することができる。
また、本発明は、水硬性組成物用分散剤に用いるための、(A)成分と、(B)成分と(C)成分とを含有とを含有する組成物を開示する。
また、本発明は、水硬性組成物に用いるための、水硬性粉体と、水と、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する組成物組成物を開示する。この組成物では、前記の水/水硬性粉体比が、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下である。
これらの組成物には、本発明の水硬性組成物用分散剤組成物、無機粉体用分散剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物用分散剤組成物の製造方法、水硬性組成物の製造方法、及び分散性能の向上方法で述べた事項を適宜適用することができる。
<実施例1及び比較例1>
(1)(B)成分及び(C)成分を含有する反応生成物の製造
四つ口フラスコに、溶融したポリオキシエチレンオレイルエーテル(平均付加モル数60、OHV=19.6、重量平均分子量=2862.65)385.92gを仕込んだ。100℃に昇温した後、真空減圧を1時間行った。その後80℃まで冷却した。冷却後、窒素を流通した。硫酸源としてスルファミン酸(分子量=97.1)15.55gを仕込み、窒素置換を行った。窒素置換終了後、窒素ガスを流通させ、125℃まで昇温した。125℃到達後、3時間熟成した。100℃まで冷却後、内容物を金属メッシュ(目開き メッシュ200)で濾過した。濾過後の内容物を50〜60℃まで冷却後、25%アンモニア水0.7gで中和して反応生成物を得た。該反応生成物は、(B)成分であるポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(平均付加モル数60)と、(C)成分であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(平均付加モル数60)とを含み、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(平均付加モル数60)とポリオキシエチレンオレイルエーテル(平均付加モル数60)の合計に対するポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(平均付加モル数60)の割合が95モル%であった。
(1)モルタルの調製
モルタルミキサー(株式会社ダルトン製 万能混合撹拌機 型式:5DM−03−γ)を用いて、セメント(C)、細骨材(S)を投入し空練りをモルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて10秒行い、(A)成分、前記反応生成物((B)成分及び(C)成分を含む)、及び消泡剤を含む練り水(W)を加えた。そして、モルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて150秒間本混練りしてモルタルを調製した。モルタルの調製は、20℃の雰囲気温度下で行った。
モルタルの配合条件は、水110g、セメント400g、細骨材700g、水/セメント比(W/C)は27.5質量%とした。
用いた成分は以下のものである。
・水(W):上水道水(水温22℃)
・セメント(C):普通ポルトランドセメント(二種混合:太平洋セメント/住友大阪セメント=1/1、質量比)、密度3.14g/cm
・細骨材(S):城陽産山砂 密度2.55g/cm
・(A)成分:ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物のナトリウム塩、花王株式会社、マイテイ150、重量平均分子量13000
・(B)成分:ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(平均付加モル数60)
・(C)成分:ポリオキシエチレンオレイルエーテル(平均付加モル数60)
・消泡剤:フォームレックス797、日華化学株式会社製、オキシプロピレン基を有する消泡剤
消泡剤は、(B)成分及び(C)成分の合計(固形分換算)に対して、6質量%添加した。
(2)流動性の評価
JIS R 5201の試験方法に従って、調製したモルタルのフローを測定した。ただし、落下運動を与える操作は行っていない。結果を表1に示した。
Figure 2018048069
表中、添加量は、セメント100質量部に対する(A)成分又は(B)成分又は(C)成分の添加量(質量部)である(以下同様)。
また、表中、合計添加量は、セメント100質量部に対する(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計の添加量(質量部)である(以下同様)。
また、表中、(B)/[(B)+(C)](モル%)は、(B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の割合(モル%)である(以下同様)。
<実施例2及び比較例2>
実施例1と同様にモルタルを調製し、流動性を評価した。ただし、表2の(B)成分、(C)成分を表2の量で用いた。表2中、(B)成分、(C)成分の化合物のかっこ内の数字はエチレンオキサイド平均付加モル数であり、POEはポリオキシエチレンの略である。結果を表2に示す。
Figure 2018048069

Claims (25)

  1. (A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物と、(B)陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕と、(C)非イオン界面活性剤〔以下、(C)成分という〕とを含有する、水硬性組成物用分散剤組成物。
  2. (B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の割合が0モル%超100モル%未満である、請求項1記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  3. (B)成分が、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、硫酸エステル基、カルボン酸基、及びリン酸エステル基から選ばれる基とを有する陰イオン界面活性剤である、請求項1又は2記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  4. (B)成分が、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、オキシアルキレン基と、硫酸エステル基、カルボン酸基、及びリン酸エステル基から選ばれる基とを有する陰イオン界面活性剤である、請求項1〜3の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  5. (B)成分が、下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、下記一般式(B4)で表される化合物、及び下記一般式(B5)で表される化合物から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤である、請求項1〜4の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
    Figure 2018048069

    〔式中、
    Rは、炭素数6以上30以下の炭化水素基、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
    nは、AOの平均付加モル数であり、0以上300以下の数、
    Xは、O又はCOO、
    Yは、R−O−(AO)n’(n’は0以上の数)、又はOMであり、R−O−(AO)n’の場合は、nとn’の合計が0以上300以下の数であり、
    n1、n2は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n1とn2の合計は0以上300以下の数、
    、Xは、それぞれ、CHCOOM、PO(OM)、又はSO
    Mは、対イオン
    を表す。〕
  6. (C)成分が、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、オキシアルキレン基とを有する非イオン界面活性剤である、請求項1〜5の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  7. (C)成分が、下記一般式(C1)で表される化合物、及び下記一般式(C2)で表される化合物から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤である、請求項1〜6の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
    Figure 2018048069

    〔式中、
    11、R21は、それぞれ、炭素数6以上30以下の炭化水素基、
    12、R22、R23は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
    n3は、AOの平均付加モル数であり、0以上300以下の数、
    n4、n5は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n4とn5の合計は1以上300以下の数、
    11は、O又はCOO、
    を表す。〕
  8. 更に、(D)カルボン酸基、リン酸基、加水分解によりカルボン酸基に変化する基、及び加水分解によりリン酸基に変化する基から選ばれる基を有するモノマー単位と、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量5,000以上1,000,000以下の重合物、請求項1〜7の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  9. 更に、(E)消泡剤を含有する、請求項1〜8の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  10. (A)が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩である、請求項1〜9の何れか1項記載の水硬性組成物用分散剤組成物。
  11. 水硬性粉体と、水と、(A)ナフタレン環を含むモノマー単位を有する高分子化合物と、(B)陰イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕と、(C)非イオン界面活性剤〔以下、(C)成分という〕とを含有する、水硬性組成物。
  12. (B)成分の含有量と(C)成分の含有量の合計に対する(B)成分の含有量の割合が0モル%超100モル%未満である、請求項11記載の水硬性組成物。
  13. (B)成分が、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、硫酸エステル基、カルボン酸基、及びリン酸エステル基から選ばれる基とを有する陰イオン界面活性剤である、請求項11又は12記載の水硬性組成物。
  14. (B)成分が、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、オキシアルキレン基と、硫酸エステル基、カルボン酸基、及びリン酸エステル基から選ばれる基とを有する陰イオン界面活性剤である、請求項11〜13の何れか1項記載の水硬性組成物。
  15. (B)成分が、下記一般式(B1)で表される化合物、下記一般式(B2)で表される化合物、下記一般式(B3)で表される化合物、下記一般式(B4)で表される化合物、及び下記一般式(B5)で表される化合物から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤である、請求項11〜14の何れか1項記載の水硬性組成物。
    Figure 2018048069

    〔式中、
    Rは、炭素数6以上30以下の炭化水素基、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
    nは、AOの平均付加モル数であり、0以上300以下の数、
    Xは、O又はCOO、
    Yは、R−O−(AO)n’(n’は0以上の数)、又はOMであり、R−O−(AO)n’の場合は、nとn’の合計が0以上300以下の数であり、
    n1、n2は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n1とn2の合計は0以上300以下の数、
    、Xは、それぞれ、CHCOOM、PO(OM)、又はSO
    Mは、対イオン
    を表す。〕
  16. (C)成分が、炭素数6以上30以下の炭化水素基と、オキシアルキレン基とを有する非イオン界面活性剤である、請求項11〜15の何れか1項記載の水硬性組成物。
  17. (C)成分が、下記一般式(C1)で表される化合物、及び下記一般式(C2)で表される化合物から選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤である、請求項11〜16の何れか1項記載の水硬性組成物。
    Figure 2018048069

    〔式中、
    11、R21は、それぞれ、炭素数6以上30以下の炭化水素基、
    12、R22、R23は、同一又は異なって、それぞれ、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基、
    AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基、
    n3は、AOの平均付加モル数であり、0以上300以下の数、
    n4、n5は、同一又は異なって、それぞれ、AOの平均付加モル数であり、0以上の数であり、n4とn5の合計は1以上300以下の数、
    11は、O又はCOO、
    を表す。〕
  18. 更に、(D)カルボン酸基、リン酸基、加水分解によりカルボン酸基に変化する基、及び加水分解によりリン酸基に変化する基から選ばれる基を有するモノマー単位と、アルキレンオキシ基を有するモノマー単位とを有する、重量平均分子量5,000以上1,000,000以下の重合物、請求項11〜17の何れか1項記載の水硬性組成物。
  19. 水硬性粉体100質量部に対して、(D)を0.001質量部以上10質量部以下含有する、請求項18記載の水硬性組成物。
  20. 更に、(E)消泡剤を含有する、請求項11〜19の何れか1項記載の水硬性組成物。
  21. 水硬性粉体100質量部に対して、(E)を0.000001質量部以上1質量部以下含有する、請求項20記載の水硬性組成物。
  22. (A)が、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩である、請求項11〜21の何れか1項記載の水硬性組成物。
  23. 水硬性粉体100質量部に対して、(A)を0.1質量部以上10質量部以下含有する、請求項11〜22の何れか1項記載の水硬性組成物。
  24. 水硬性粉体100質量部に対して、(B)を0.001質量部以上10質量部以下含有する、請求項11〜23の何れか1項記載の水硬性組成物。
  25. 水硬性粉体100質量部に対して、(C)を0.001質量部以上10質量部以下含有する、請求項11〜24の何れか1項記載の水硬性組成物。
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