JP5037144B2 - 水硬性組成物用分散剤 - Google Patents

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本発明は、水硬性組成物用分散剤及び水硬性組成物に関する。
水硬性組成物用混和剤の中で、流動性付与効果の大きい高性能減水剤と呼ばれているものがある。その代表的なものに、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩(ナフタレン系)、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩(メラミン系)、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリカルボン酸系等がある。しかし一般に、セメント分散剤を用いて高減水したコンクリートを調製すると、スランプロスが著しく、充填性や施工性などの作業性が低下するという課題がある。
そのため従来より、それ自体にスランプロス防止性能を有する水溶性ビニル共重合体をセメント分散剤として使用することが提案されている。
さらに水硬性粉体として、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントなどの高ビーライトセメント(セメント成分であるC2Sを高めたセメント)、また高炉スラグが配合されたスラグセメントを用いて調製したコンクリートの場合、所要の流動性を得るために用いるセメント分散剤の添加量が少なくなるために、経時的にスランプフローが減少する場合がある。
さらに高強度コンクリートは、普通強度(一般強度)のコンクリートに比べ、水/水硬性粉体比(以下、水/セメント比と表す)の小さい配合組成で練り混ぜられて調製されているために、コンクリート粘性が高いなど課題がある。
この粘性増大の問題については、ポリカルボン酸系減水剤でもまだ十分解決されておらず、よりコンクリート粘性低減効果の高い添加剤が望まれている。
このような背景から、特許文献1には、高鎖長のオキシアルキレン基と短鎖長のオキシアルキレン基と特定の単量体を含むビニル共重合体を必須成分とする、高強度コンクリートの粘性低減と凝結遅延の抑制に優れる混和剤が開示されている。
また、特許文献2には、水の配合比にかかわらず優れた流動特性と高い分散効果と早い凝結性を発現できるセメント用分散剤を得るために、ポリアルキレングリコール鎖を有するモノエステル又はモノエーテルと、不飽和結合及び燐酸基を有する単量体との重合物を用いることを提案している。
また、特許文献3は3種の単量体より得た重合体とその水硬性組成物用途を開示している。
特開平11−157897号公報 特開2000−327386号公報 国際公開第2006/006732号パンフレット
超高強度領域のコンクリート等の水硬性組成物においては、特許文献1や特許文献2の重合体も流動性と粘性低減の更なる向上が望まれる。また、セメントや骨材等の材料汎用性を拡大する観点からも、特許文献1以外の構造の重合体を使用できることは望ましい。
近時、コンクリートに代表される水硬性組成物には、多数のセメント種が用いられ、鉱物組成が異なるセメントのみならず、中庸熱ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメントなどの高ビーライトセメントや高炉スラグが配合されたスラグセメントのような特殊セメントも用いられる。また、コンクリートにおける水/水硬性粉体比も幅広い範囲にわたり、特に、水/水硬性粉体比が20〜35重量%のいわゆる高強度領域のコンクリートとこれを超える水/水硬性粉体比のいわゆる一般領域のコンクリートとでは要求特性も異なる。さらに水硬性組成物を製造する業者から考慮した場合、組成、材質により分散剤を使い分けることは、製造上、煩雑であることのみならず、当業者の敷地内に各種分散剤のタンク(1種類につき2〜10m3のタンク)を数種設置しなければならず、このような背景からも、水硬性組成物に用いられる分散剤は、こうした幅広い組成、材質の水硬性組成物に対して、それぞれに要求される効果を満遍なく発現するものが望まれる。
こうした要望に対して、添加成分の特性を考慮して、複数の成分を組み合わせて水硬性組成物用の分散剤や混和剤を構築することが考えられる。その際、初期分散性能に優れた成分(初期分散成分)、分散性の保持性能に優れた成分(分散保持成分)、及び、適度な硬化遅延をもたらす成分(遅延成分)等を組み合わせることで、分散性、流動性、流動保持性の付与効果をバランス良く得ることができると考えられるが、特許文献1、2の混和剤は、このような観点からの用途では十分な効果が発現するとは言い難い。
本発明の課題は、幅広い組成、材質の水硬性組成物に対して、分散性、流動性、流動保持性に優れた効果を発現する水硬性組成物用分散剤を提供することである。
本発明は、下記一般式(1)で表される単量体1(以下、単量体1という)と、下記一般式(2)で表される単量体2(以下、単量体2という)と、下記一般式(3)で表される単量体3(以下、単量体3という)と、下記一般式(4)で表される単量体4(以下、単量体4という)とを、pH7以下で共重合して得られる重合体を含有する水硬性組成物用分散剤であって、重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.0〜2.6である水硬性組成物用分散剤に関する。
Figure 0005037144
〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)r4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、pとqは同時に0ではなく、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
Figure 0005037144
〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
Figure 0005037144
〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
Figure 0005037144
〔式中、R17〜R19は、それぞれ水素原子、メチル基又は(CH2)sCOOM7であり、(CH2)sCOOM7はCOOM6又は他の(CH2)sCOOM7と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM6、M7は存在しない。sは0〜2の数を表す。M6、M7は、それぞれ水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルケニル基を表す。〕
本発明はさらに、上記一般式(1)で表される単量体1と、上記一般式(2)で表される単量体2と、上記一般式(3)で表される単量体3と、上記一般式(4)で表される単量体4とを、連鎖移動剤の存在下、pH7以下で共重合するリン酸エステル系重合体の製造方法を提供する。
また本発明は、上記本発明の水硬性組成物用分散剤と、水硬性粉体と、水とを含有する水硬性組成物であって、水硬性粉体が、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び高炉スラグセメントからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である水硬性組成物に関する。
また本発明は、上記本発明の水硬性組成物用分散剤と、水硬性粉体と、細骨材と、粗骨材と、水とを含有する水硬性組成物であって、水/水硬性粉体比が20〜60重量%、単位水量が120〜185kg/m3である水硬性組成物に関する。
本発明によれば、幅広い組成、材質の水硬性組成物に対して、分散性、流動性、流動保持性に優れた効果を発現する水硬性組成物用分散剤が提供される。
本発明に係る重合体は、前述の一般式(1)で表される単量体1と、前述の一般式(2)で表される単量体2と、前述の一般式(3)で表される単量体3と、前述の一般式(4)で表される単量体4とを、必須成分とし、pH7以下で共重合して得られる重合体である。そして、重合体に導入されるこれら一般式(4)のカルボキシル基並びに一般式(2)及び(3)のリン酸基が水硬性粉体への吸着基として機能し、一般式(1)のオキシアルキレン基が水硬性粉体粒子間の反発基として機能すると推定される。
カルボキシル基とリン酸基の水硬性粉体への吸着特性については、不明なるも以下のように推定される。
一般に、セメント分散剤は、混練直後から分散性を発現する「初期分散成分」と混練後ある程度時間が経過してから分散性を発現する「分散保持成分」とが配合される。従来のポリカルボン酸系分散剤は、組成(水セメント比)や材質(セメント種)により、初期分散成分と分散保持成分の配合比を変動させ使い分けている。すなわち添加量が比較的多く必要となる普通ポルトランドセメントや高強度コンクリートの場合は、初期分散成分を多くすることで対応し、比較的添加量が少なくなるスラグセメント、高ビーライトセメント(C2Sが多い)や一般強度コンクリートでは、分散保持成分を多くすることで分散保持性を満足している。このように組成や材質で、添加量が変動するためにセメント分散剤を使い分ける必要がある。
添加量の変動因子をセメント種で考えてみると、セメントの化学成分は焼成によって、珪酸三カルシウム(C3S)、珪酸二カルシウム(C2S)、アルミン酸三カルシウム(C3A)、鉄アルミン酸四カルシウム(C4AF)などの化合物が含まれている。ポリカルボン酸系分散剤の初期分散成分は、普通ポルトランドセメントに比較的多く含有するC3Aに特異的に吸着する傾向がある。そこで、スラグセメントや高ビーライトセメント等のC3Aが比較的少ないセメントで初期分散成分と分散保持成分の配合比を最適化したポリカルボン酸系分散剤を普通ポルトランドセメントで使用した場合、ポリカルボン酸系分散剤の初期分散成分は、初期水和反応が激しいC3Aに特異的に吸着し、初期分散成分の相当量が初期水和数分の段階で消失(分散剤が水和物に埋没する)するために、初期流動性が得られず、しかも分散保持成分により経時的に流動性が発現する傾向にある(添加量を多くし初期流動性を発現した場合は、分散保持成分過多となり経時的にさらに大きく流動発現する)。逆に普通ポルトランドセメントで初期分散成分と分散保持成分の配合比を最適化した場合は、スラグセメントや高ビーライトセメントでは添加量が少なくなってしまい流動保持効果が得られない結果となる。
一方、リン酸基は、カルボキシル基と比較して、セメント鉱物に対する特異吸着性は見られないが、水溶解性が低くなることから、セメント水和反応に伴う塩濃度の影響を受けることがある。すなわち初期水和反応が著しいC3Aが多く含まれる普通ポルトランドセメントでは、水中の塩濃度が多くなり、吸着速度が速くなる傾向にあり、C3Aが少なくなるスラグセメントや高ビーライトセメントでは、吸着速度が遅くなる傾向にある。
したがって、この吸着特性の異なるカルボキシル基とリン酸基を含有し最適化することで、幅広い組成、材質の水硬性組成物に対して、それぞれに要求される効果を満遍なく発現するものと推察される。
[単量体1]
単量体1において、一般式(1)中のR1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基である。R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)r4であり、水素原子が好ましい。一般式(1)のアルケニルとして、アリル基、メタリル基等が挙げられる。pが0の場合はAOは(CH2)qとエーテル結合、pが1の場合はエステル結合をする。qは0〜2であり、好ましくは0又は1であり、更に好ましくは0である。pとqは同時に0ではない。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基であり、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基が好ましく、エチレンオキシ基(以下、EO基)を含むことがより好ましく、EO基が70モル%以上、更に80モル%以上、更に90モル%以上、特に全AOがEO基であることが好ましい。rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数であり、重合体の水硬性組成物に対する分散性と粘性低減効果の点で、3〜300であり、好ましくは4〜120であり、より好ましくは4〜80、さらに好ましくは4〜50、特にこのましくは4〜30である。また、平均r個の繰り返し単位中にAOが異なるもので、ランダム付加又はブロック付加又はこれらの混在を含むものであっても良い。例えばAOは、EO基以外にもプロピレンオキシ基等を含むこともできる。
4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基であり、更に1〜12、更に1〜4、更に1、2のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
単量体1としては、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸、マレイン酸との(ハーフ)エステル化物や、(メタ)アリルアルコールとのエーテル化物、及び(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アリルアルコールへの炭素数2〜4のアルキレンオキシド付加物付加物が好ましく用いられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸の意味であり、(メタ)アリルは、アリル及び/又はメタリルの意味である(以下同様)。
より好ましくはアルコキシ、特にはメトキシポリエチレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物である。具体的には、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステル、ω−メトキシポリオキシアルキレンアクリル酸エステル等を挙げることができ、ω−メトキシポリオキシアルキレンメタクリル酸エステルがより好ましい。
本発明の重合体の製造に用いる単量体1は、例えば、アルコキシポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化によって得ることができる。該エステル化物の未反応の(メタ)アクリル酸は単量体4として用いることができる。単量体4の量のばらつきを少なくしてコンクリート分散剤に用いた場合の必要添加量を一定にする観点から、該エステル化物の未反応の(メタ)アクリル酸は、酸型換算で単量体1に対して5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1.5重量%以下がさらに好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。単量体1の製造時に残留する(メタ)アクリル酸の量を低減する方法として、トッピング、スチーミング、溶媒抽出等が挙げられる。
[単量体2]
単量体2は、一般式(2)において、R11は水素原子又はメチル基であり、R12は炭素数2〜12のアルキレン基である。m1は1〜30の数であり、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。一般式(2)中のm1は1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
具体的には、有機ヒドロキシ化合物のリン酸モノエステルが挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートアシッドリン酸エステル等が挙げられる。例えば、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸エステル〕等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
[単量体3]
単量体3は、一般式(3)において、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基であり、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基である。m2、m3は、それぞれ1〜30の数であり、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である。一般式(3)中のm2、m3は、それぞれ1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
具体的には、有機ヒドロキシ化合物のリン酸ジエステルが挙げられる。具体的には、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートアシッドリン酸ジエステル等が挙げられる。例えば、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステル、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)アクリル酸〕エステル等が挙げられる。中でも、製造の容易さ及び製造物の品質安定性の観点から、リン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルが好ましい。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩などであっても良い。
単量体2及び3は、単量体2及び単量体3を含む混合単量体として用いることができる。また、単量体2及び単量体3として、一般式(5)で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤とを反応させて得られるリン酸エステルを用いても良い。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体は、例えば、一般式(5)で表される有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤を所定の仕込み比で反応させることで、反応生成物として製造することもできる。
Figure 0005037144
〔式中、R20は水素原子又はメチル基、R21は炭素数2〜12のアルキレン基、m4は1〜30の数を表す。〕
一般式(5)中のm4は、1〜20が好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。
リン酸化剤としては、オルトリン酸、五酸化リン(無水リン酸)、ポリリン酸、オキシ塩化リン等が挙げられ、オルトリン酸、五酸化リンが好ましい。これらは単独でも2種以上を組み合わせて用いることも出来る。有機ヒドロキシ化合物とリン酸化剤とを反応させる際のリン酸化剤の量は目的とするリン酸エステル組成に応じ適時決めることができる。
リン酸エステルとして、例えばリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物を製造する場合、公知の技術(例えば特開昭57−180618号)により、合成することができる。
単量体2及び単量体3を含む混合単量体としては、モノエステル体とジエステル体とを含む市販品を使用することができ、例えば、ホスマーM、ホスマーPE、ホスマーP(ユニケミカル)、JAMP514、JAMP514P、JMP100(何れも城北化学)、ライトエステルP−1M、ライトアクリレートP−1A(いずれも共栄社化学)、MR200(大八化学)、カヤマー(日本化薬)、Ethyleneglycol methacrylate phosphate(アルドリッチ試薬)などとして入手できる。
単量体2、3は、不飽和結合とヒドロキシル基を有する単量体のリン酸エステル化物であり、上記の市販品や反応生成物にはモノエステル体(単量体2)とジエステル体(単量体3)以外の化合物を含んでいる事が確認されている。それらの他の化合物は、重合性、非重合性のものが混在していると考えられるが、本発明ではこのような混合物(混合単量体)をそのまま使用することができる。
[単量体4]
単量体4は、一般式(4)において、R17〜R19は、それぞれ水素原子、メチル基又は(CH2)sCOOM7であり、(CH2)sCOOM7はCOOM6又は他の(CH2)sCOOM7と無水物を形成していてもよい。その場合、それらの基のM6、M7は存在しない。sは0〜2の数を表す。R17は水素原子が好ましく、R18はメチル基が好ましい。R19は水素原子又は(CH2)sCOOM7が好ましい。
6、M7は、それぞれ水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルケニル基である。M6、M7は、それぞれ水素原子、アルカリ金属が好ましい。
具体的には、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等のジカルボン酸系単量体、又はこれらの無水物もしくは塩(例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、水酸基が置換されていてもよいモノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜8)アンモニウム塩)もしくはエステルが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、更に好ましくは(メタ)アクリル酸又はこれらのアルカリ金属塩である。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸の意味である(以下同様)。
本発明に係る重合体は、単量体1と、単量体2と、単量体3と、単量体4とを、pH7以下で共重合させて得られるリン酸基−カルボキシル基複合重合体である。単量体2及び単量体3を含有する混合単量体を用いることも好ましい。
単量体1、2、3及び4の好ましいものはそれぞれ前記の通りであり、また前記した市販品や反応生成物を使用することもできる。
単量体の共重合に際して、重合に用いる全単量体中、単量体1の割合が60〜98重量%が好ましく、70〜95重量%がより好ましく、70〜90重量%がさらにより好ましい。単量体2及び単量体3の合計の割合が1〜39重量%が好ましく、2〜28重量%がより好ましく、5〜25重量%がさらにより好ましい。単量体4の割合が1〜39重量%が好ましく、1〜28重量%がより好ましく、1〜15重量%がさらにより好ましい。
また、単量体1と、単量体2、3及び単量体4とのモル比は、(単量体1)/(単量体2+単量体3+単量体4)=5/95〜95/5、更に、10/90〜90/10が好ましい。また、単量体2、3と単量体4とモル比は、(単量体2+単量体3)/単量体4=5/95〜95/5、更に10/90〜90/10が好ましい。なお、本発明では、単量体2と単量体3、単量体4については、酸型の化合物に基づき重量比、重量%、モル比やモル%を算出するものとする(以下、同様)。
また、重合体の製造では、反応に用いる全単量体中、単量体3の比率が1〜15重量%、更に1〜12重量%、特に2〜10重量%、さらに3〜6重量%が好ましい。
単量体3は得られる重合体に分岐構造を付与する。本発明に係る重合体は適度の分岐構造を有することにより、水硬性粉体に吸着した時に水硬性粉体上の占有面積を小さくすることができる。したがって、より多くの数の重合体が水硬性粉体に吸着することができ、後述するMw/Mnの値が特定範囲にあり分子量分布が狭い場合には、さらに多くの数の重合体が水硬性粉体に吸着することにできる。その結果、優れた分散性、流動性及び流動保持性を発現すると考えられる。
また、単量体2と単量体3のモル比を、単量体2/単量体3=99/1〜4/96、更に99/1〜5/95とすることが好ましい。
ゲル化を抑制する観点から、単量体3を含む単量体溶液のpHを7以下で反応に用いることが好ましい。
以下、ゲル化抑制、好適分子量の調整及び水硬性組成物用分散剤の性能設計の観点から、更に好ましい製造条件を説明する。このような観点から、共重合の際に、単量体1、2、3及び4の合計モル数に対して4モル%以上、更に6モル%以上、特に8モル%以上の連鎖移動剤を使用することが好ましい。また、連鎖移動剤の使用量の上限は、単量体1、2、3及び4の合計モル数に対して好ましくは100モル%以下、より好ましくは60モル%以下、更に好ましくは30モル%以下、特に好ましくは15モル%以下とすることができる。よって、連鎖移動剤の使用量の範囲は、単量体1、2、3及び4の合計モル数に対して、4〜60モル%が好ましく、6〜30モル%がより好ましく、8〜15モル%が更に好ましい。
単量体2、3及び4の反応率は60%以上、更に70%以上、更に80%以上、更に90%以上、特に95%以上を目標に行うことが好ましく、連鎖移動剤の使用量は、この観点から選定することができる。ここに、単量体2、3及び4の反応率は、下記の式によって算出する。
Figure 0005037144
なお、反応開始時と反応終了時の反応系中のリン含有化合物中の単量体2、3及び4のエチレン性不飽和結合の割合(モル%)は、下記の1H−NMRの測定結果に基づき算出することができる。
1H−NMR条件]
水に溶解した重合体を減圧乾燥したものを3〜4重量%の濃度で重メタノールに溶解し、1H−NMRを測定する。エチレン性不飽和結合の割合は、5.5〜6.2ppmの積分値により測定される。なお、1H−NMRの測定は、Varian社製「Mercury 400 NMR」を用い、データポイント数42052、測定範囲6410.3Hz、パルス幅4.5μs、パルス待ち時間10S、測定温度25.0℃の条件で行う。
重合体の製造においては、上記単量体1、2、3及び4の他に、共重合可能なその他の単量体を用いることもできる。共重合可能な他の単量体としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、これら何れかのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩を挙げることができる。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などのアクリル酸系単量体を挙げることができ、またこれらの何れか1種以上のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、メチルエステル、エチルエステルや無水マレイン酸などの無水化合物であっても良い。更に、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド−2−メタスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−エタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、スチレン、スチレンスルホン酸などが挙げられる。全単量体中、単量体1、2及び3の合計の割合は、30〜100モル%、更に50〜100モル%、特に75〜100モル%が好ましく、更に、95モル%超〜100モル%、更に97〜100モル%、特に100モル%が好ましい。
重合体の製造は、好ましくは所定量の連鎖移動剤の存在下で、単量体を共重合させる。また、共重合可能な他の単量体や重合開始剤等を用いても良い。
単量体1、2、3及び4の反応温度は、40〜100℃、更に60〜90℃が好ましく、反応圧力はゲージ圧で101.3〜111.5kPa(1〜1.1atm)、更に101.3〜106.4kPa(1〜1.05atm)が好ましい。
なお、反応系のpHは、必要に応じて、無機酸(リン酸、塩酸、硝酸、硫酸等)や、NaOH、KOH、トリエタノールアミンなどを用いて調整できる。
ここで、単量体3を含む単量体溶液は、pH測定上、含水系(すなわち、溶媒が水を含むこと)である事が好ましいが、非水系の場合には必要量の水を加えて測定しても良い。単量体溶液の均一性、ゲル化防止、性能低下の抑制の観点で、pHは7以下が好ましく、0.1〜6がより好ましく、更に0.2〜4.5が好ましく、更に0.5〜3が好ましい。また、単量体1もpH7以下の単量体溶液として用いることが好ましい。このpHは、20℃のものである。
本発明では、反応途中(反応開始時〜反応終了時)で採取した反応液の20℃でのpHを、反応中のpHとする。反応中のpHが7以下となることが明らかな条件(単量体比率、溶媒、その他の成分等)で反応を開始することが好ましい。
なお、反応系が非水系の場合は、pH測定可能な量の水を反応系に加えて測定することができる。
重合体の製造方法において、単量体1、2、3及び4は、以下の(1)、(2)に例示した条件で反応を行えば、その他の条件の考慮の下で、通常は、反応中のpHも7以下になると考えられる。
(1)単量体1、2、3及び4を全て含むpH7以下の単量体溶液を、単量体1、2、3及び4の共重合反応に用いる。
(2)単量体1、2、3及び4の共重合反応をpH7以下で開始する。すなわち、単量体1、2、3及び4を含む反応系を、pH7以下にした後、反応を開始する。
[連鎖移動剤]
連鎖移動剤は、ラジカル重合における連鎖移動反応(成長しつつある重合体ラジカルが他の分子と反応してラジカル活性点の移動が起こる反応)をもたらす機能を有し、連鎖単体の移動を目的として添加される物質である。
連鎖移動剤としては、チオール系連鎖移動剤、ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤等が挙げられ、チオール系連鎖移動剤が好ましい。
チオール系連鎖移動剤としては、−SH基を有するものが好ましく、特に一般式HS−R−Eg(ただし、式中Rは炭素原子数1〜4の炭化水素由来の基を表し、Eは−OH、−COOM、−COOR’または−SO3M基を表し、Mは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有機アミン基を表し、R’は炭素原子数1〜10のアルキル基を表わし、gは1〜2の整数を表す。)で表されるものが好ましく、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等が挙げられ、単量体1〜3を含む共重合反応での連鎖移動効果の観点から、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノールが好ましく、メルカプトプロピオン酸が更に好ましい。これらの1種または2種以上を用いることができる。
ハロゲン化炭化水素系連鎖移動剤としては、四塩化炭素、四臭化炭素などが挙げられる。
その他の連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、2−アミノプロパン−1−オールなどを挙げることができる。連鎖移動剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
[重合開始剤]
重合体の製造方法では、重合開始剤を使用することが好ましく、特に、単量体1、2、3及び4の合計モル数に対して重合開始剤を5モル%以上、更に7〜50モル%、特に10〜30モル%使用することが好ましい。
水系の重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム塩又はアルカリ金属塩あるいは過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート等の水溶性アゾ化合物が使用できる。また、重合開始剤と併用して、亜硫酸水素ナトリウム、アミン化合物などの促進剤を使用することもできる。
[溶媒]
重合体の製造では、溶液重合法で実施することができ、その際に使用される溶媒としては、水、あるいは、水と、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールアセトン、メチルエチルケトン等とを含有する含水溶媒系の溶媒が挙げられる。取り扱いと反応設備から考慮すると、水が好ましい。特に水系の溶媒を用いる場合、単量体3を含む単量体溶液のpHは7以下であることが好ましく、更に0.1〜6、特に0.2〜4で反応に用いて共重合反応を行うことが、モノマー混液の均一性(取り扱い性)、モノマー反応率の観点や、リン酸系化合物のピロ体の加水分解により架橋を抑制する点で好ましい。
重合体の製造方法の一例を示す。反応容器に所定量の水を仕込み、窒素等の不活性気体で雰囲気を置換し昇温する。予め単量体1、単量体2、単量体3、単量体4、連鎖移動剤を水に混合溶解したものと、重合開始剤を水に溶解したものとを用意し、0.5〜5時間かけて反応容器に滴下する。その際、各単量体、連鎖移動剤及び重合開始剤を別々に滴下してもよく、また、単量体の混合溶液を予め反応容器に仕込み、重合開始剤のみを滴下することも可能である。すなわち、連鎖移動剤、重合開始剤、その他の添加剤は、単量体溶液とは別に添加剤溶液として添加しても良いし、単量体溶液に配合して添加してもよいが、重合の安定性の観点からは、単量体溶液とは別に添加剤溶液として反応系に供給することが好ましい。何れの場合も、単量体3を含有する溶液はpH7以下が好ましい。また、酸剤等により、pHを7以下に維持して共重合反応を行い、好ましくは所定時間の熟成を行う。なお、重合開始剤は、全量を単量体と同時に滴下しても良いし、分割して添加しても良いが、分割して添加することが未反応単量体の低減の点では好ましい。例えば、最終的に使用する重合開始剤の全量中、1/2〜2/3の重合開始剤を単量体と同時に添加し、残部を単量体滴下終了後1〜2時間熟成した後、添加することが好ましい。必要に応じ、熟成終了後に更にアルカリ剤(水酸化ナトリウム等)で中和し、本発明に係る重合体を得る。この製造例は、本発明に係る重合体Aの製造方法として好適である。
反応系の単量体1、2、3及び4並びに共重合可能なその他の単量体の総量は、5〜80重量%が好ましく、10〜65重量%がより好ましく、20〜50重量%が特に好ましい。
重合体は、重量平均分子量(Mw)が10,000〜100,000であることが好ましい。この重合体Aは、分散効果の発現や粘性低減効果の観点から、Mwが10,000以上であり、好ましくは12,000以上、さらに好ましくは13,000以上、より好ましくは14,000以上、特に好ましくは15,000以上で、架橋による高分子量化、ゲル化の抑制や性能面では分散効果や粘性低減効果の観点から、100,000以下であり、好ましくは95,000以下、さらに好ましくは90,000以下、より好ましくは85,000以下、特に好ましくは80,000以下であり、前記両者の観点から、好ましくは12,000〜950,000、より好ましくは13,000〜90,000、さらに好ましくは14,000〜85,000、特に好ましくは15,000〜80,000である。さらにより好ましくは20,000〜60,000であり、さらにより好ましくは30,000〜50,000である。この範囲のMwを有することが好ましい。
本発明に係る重合体は、Mw/Mnが1.0〜2.6である。ここで、Mnは数平均分子量である。ここに、Mw/Mnの値は分散度であり、1に近いほど分子量分布が単分散に近づき、1から離れる(大きくなる)ほど分子量分布が広くなることを意味する。
重合体のMw/Mnは、分散効果と粘性低減効果の観点から、好ましくは1.0〜2.4、より好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.0〜1.8である。
上記のようなMw/Mnの値を持つ本発明に係る重合体は、単量体3のジエステル構造に基づく分岐構造を有する重合体でありながら、分子量分布が非常に狭いという大きな特徴がある。このような本発明の重合体は例えば連鎖移動剤の量を調整することにより好適に製造できる。連鎖移動剤の量を増やすとMw/Mnの値は小さくなる。
重合体のMw及びMnは、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されたものである。なお、本発明における重合体のMw及びMnは、該重合体のピークに基づいて算出されたものとする。
[GPC条件]
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算
また、上記条件でのGPC法で得られる分子量分布を示すチャートのパターンにおいて、分子量10万以上の面積が当該チャート全体の面積の5%以下であることが、分散性(必要添加量低減)や粘性低減効果の点でより好ましい。
<水硬性組成物用分散剤>
本発明の水硬性組成物用分散剤は、水硬性粉体、特にセメント100重量部に対し、固形分濃度で、0.1〜5重量部、更に0.2〜3重量部の比率で用いられることが、流動性発現と粘性低減効果の点で好ましい。
本発明の水硬性組成物用分散剤は、その他の添加剤(材)を含有することもできる。例えば、樹脂石鹸、飽和もしくは不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸(塩)、アルカンスルホネート、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル(塩)、ポリオキシアルキレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステル(塩)、蛋白質材料、アルケニルコハク酸、α−オレフィンスルホネート等のAE剤;起泡剤;増粘剤;珪砂;AE減水剤;塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム、臭化カルシウム、沃化カルシウム等の可溶性カルシウム塩、塩化鉄、塩化マグネシウム等の塩化物等、硫酸塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸塩、チオ硫酸塩、蟻酸(塩)、アルカノールアミン等の早強剤又は促進剤;発泡剤;樹脂酸(塩)、脂肪酸エステル、油脂、シリコーン、パラフィン、アスファルト、ワックス等の防水剤;高炉スラグ;流動化剤;ジメチルポリシロキサン系、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル系、鉱油系、油脂系、オキシアルキレン系、アルコール系、アミド系等の消泡剤;防泡剤;フライアッシュ;メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物系、アミノスルホン酸系、ポリマレイン酸系等の高性能減水剤;シリカヒューム;亜硝酸塩、燐酸塩、酸化亜鉛等の防錆剤;ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、オレイルアルコールのEO付加物もしくはこれとビニルシクロヘキセンジエポキシドとの反応物等の合成系等の水溶性高分子;(メタ)アクリル酸アルキル等の高分子エマルジョンが挙げられる。本発明のコンクリート分散剤の全固形分中、重合体の濃度は、20〜100重量%、更に、更に20〜80重量%、更に25〜70重量%、特に30〜70重量%であることが好ましい。
また、本発明に係る重合体は、単独で使用してもよいが、さらに保持性を向上する観点から、上記「分散保持成分」(以下、保持剤という)を併用することが好ましい。その場合、本発明に係る重合体/保持剤=20/80〜90/10、更に25/75〜80/20が好ましい。保持剤としては、限定されないが、単量体4を含まず、単量体1、単量体2、単量体3をpH7以下で共重合して得られる重合体が好ましい。
保持剤とは、経時的に水硬性粉体に吸着し水硬性組成物の流動性を発現する剤である。本発明に係る重合体と保持剤とを併用することで、混練後から時間が経過しても水硬性組成物の流動性が維持される。
本発明に係る重合体と保持剤を併用すれば混練後に時間が経過しても、水硬性組成物は流動性を有するので、工場でフレッシュコンクリート(まだ固まらないコンクリート)を製造し、打設現場までの運搬時間が長い、例えば30分以上の、ケースで有用である。
逆に、同一敷地内でコンクリート製品を製造するケースや、フレッシュコンクリートを製造する場合でも打設現場までのフレッシュコンクリートの運搬時間が短い、例えば30分未満の、ケースでは本発明に係る重合体を単独で使用することが好ましい。
また、上記記載の通り、保持剤としては限定されない理由として、本発明に係る重合体は、水硬性粉体と水とを混練した直後の初期水和反応時に水硬性粉体に吸着することによって本発明の効果を発現するので、経時的に吸着し流動性を発現する保持剤は、本発明に係る重合体の水硬性粉体と水とを混練した直後の初期水和反応時の吸着に影響しないためと推察される。
経時的に水硬性粉体に吸着し水硬性組成物の流動性を発現する観点から、上記記載の単量体1、単量体2、単量体3をpH7以下で共重合して得られるリン酸エステル系重合体の組成は、該重合体の重合に用いる単量体中、単量体1が好ましくは60〜90モル%、より好ましくは60〜85モル%、さらに好ましくは65〜80モル%を用いた重合体であり、単量体2と3の合計で好ましくは10〜40モル%、より好ましくは15〜40モル%、さらに好ましくは20〜35モル%を用いた重合体である。単量体2と3の比率は、本発明に係る重合体と同様のモル比のものを用いることができる。
さらに、ポリカルボン酸系分散剤の保持剤の併用も有効である。ポリカルボン酸系分散剤の保持剤の一例として、単量体1と単量体4を共重合して得られる重合体が挙げられ、経時的に水硬性粉体に吸着し水硬性組成物の流動性を発現する観点から、該重合体の重合に用いる単量体中、単量体1が好ましくは20〜70モル%、より好ましくは25〜60モル%、さらに好ましくは30〜50モル%を用いた重合体であり、単量体4が好ましくは30〜80モル%、より好ましくは40〜75モル%、さらに好ましくは50〜70モル%を用いた重合体である。このような中でも、経時的な水硬性組成物の増粘抑制の点から、リン酸エステル系重合体による保持剤が好ましい。
<水硬性組成物>
本発明の対象となる水硬性組成物は、水硬性粉体と水を含有する水硬性組成物であり、水硬性粉体とは、水和反応により硬化する物性を有する粉体のことであり、セメント、石膏等が挙げられる。好ましくは普通ポルトランドセメント、ビーライトセメント、中庸熱セメント、早強セメント、超早強セメント、耐硫酸セメント等のセメントであり、またこれらに高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石粉(炭酸カルシウム粉末)等が添加されたものでもよい。なお、これらの粉体に骨材(細骨材、粗骨材)として、砂、砂及び砂利が添加されて最終的に得られる水硬性組成物が、一般にそれぞれモルタル、コンクリートなどと呼ばれている。本発明の分散剤、水硬性組成物は、生コンクリート、コンクリート振動製品分野の外、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、石膏スラリー用、軽量又は重量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、グラウト用、地盤改良用、寒中用等の種々のコンクリートの何れの分野においても有用である。
本発明の対象となる水硬性組成物、特にコンクリートは、水/水硬性粉体比〔スラリー中の水と水硬性粉体の重量百分率(重量%)、通常W/Pと略記されるが、粉体がセメントの場合、W/Cと略記される。〕65重量%以下、更に10〜60重量%、更に12〜57重量%、更に15〜55重量%、特に20〜55重量%であることができる。特に、20〜35重量%の高強度配合において、各種セメントにおいて、本発明の分散剤の効果は顕著に奏される。
本発明の水硬性組成物は、セメント量の抑制(経済性)の観点から、当該組成物1m3当たりの水量、即ち単位水量が120〜185kg/m3であることが好ましい。特に、W/Pが20〜60重量%の場合にこの範囲の単位水量であることが好ましい。
製造例(R−1)
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水367gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)426g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とメタクリル酸64.2gと3−メルカプトプロピオン酸3.2gを混合し、それに85%リン酸を添加し、pH2.0に調製したものと、過硫酸アンモニウム11.4gを水64gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム5.7gを水32gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH6.0まで中和し、重量平均分子量48000の重合体R−1を得た。(反応率100%)
単量体の種類、そのモル%、重量%、全単量体中の単量体3の比率、反応時のpH、得られた重合体の重量平均分子量及び重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)を表1に示した。
製造例(R−2)
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水352gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)397g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)123.4gと3−メルカプトプロピオン酸6.1gを混合したものと、過硫酸アンモニウム11.9gを水67gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム2.6gを水15gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH6.0まで中和し、重量平均分子量36000の重合体R−2を得た。(反応率99%)
なお、本製造例で使用したリン酸エステル化物(A)は、反応容器中にメタクリル酸2−ヒドロキシエチル200gと85%リン酸(H3PO4)36.0gを仕込み、5酸化2リン(無水リン酸)(P2O5)89.1gを温度が60℃を超えないように冷却しながら徐々に添加した後、反応温度を80℃に設定し、6時間反応させ、冷却して得られたものである。以下の製造例の一部でも、このリン酸エステル化物(A)を使用した。
製造例(A−1)
撹拌機付きガラス製反応容器(四つ口フラスコ)に水346gを仕込み、撹拌しながら窒素置換をし、窒素雰囲気中で80℃まで昇温した。ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数23)391g(有効分60.8重量%、水分35重量%)とリン酸モノ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルとリン酸ジ−〔(2−ヒドロキシエチル)メタクリル酸〕エステルの混合物であるリン酸エステル化物(A)64.9gとメタクリル酸43.2gと3−メルカプトプロピオン酸4.9gを混合したものと、過硫酸アンモニウム14.6gを水83gに溶解したものの2者を、それぞれ1.5時間かけて滴下した。1時間の熟成後、過硫酸アンモニウム4.2gを水24gに溶解したものを30分かけて滴下し、その後1.5時間同温度(80℃)で熟成した。熟成終了後に32%水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH6.0まで中和し、重量平均分子量42000の重合体A−1を得た。(反応率100%)
製造例(A−2)
重合体A−2は、表1の単量体比率にした以外は、重合体A−1と同様に製造した。
表1に上記製造例の単量体仕込み比率等をまとめた。
Figure 0005037144
表中の記号は以下のものであり、( )内の数字はEO平均付加モル数である(以下同様)。
・MEPEG−E:ω−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
・MAA:メタクリル酸
・HEMA−MPE:2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノリン酸エステル
・HEMA−DPE:2−ヒドロキシエチルメタクリレートジリン酸エステル
・Mw:重量平均分子量
製造例(B―1及びB−2)
重合体B−1及びB−2は、表2の単量体比率にした以外は、重合体R−2と同様に製造した。表2に該製造例の単量体仕込み比率等をまとめた。
Figure 0005037144
<試験例>[コンクリート試験]
(1)セメント分散剤
表1、2の重合体等を、表4〜6の重量比で用いてセメント分散剤とした。このセメント分散剤を用いて、表3の配合のコンクリートに対する試験を以下のように行った。その結果を表4〜6に示す。なお、S−1はサッカロース(遅延剤)である。
(2)コンクリート配合
コンクリート配合は表3に示す通りである。
Figure 0005037144
表3中の使用材料は以下のものである。
W:イオン交換水
C1:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製普通ポルトランドセメントと住友大阪セメント株式会社製普通ポルトランドセメントの1:1混合物)
C2:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製低熱ポルトランドセメント)
S1:細骨材、埼玉県児玉郡産陸砂(密度:2.62g/cm3
S2:細骨材、栃木県安蘇郡産砕砂(密度:2.62g/cm3
S3:細骨材、千葉県君津産山砂中目(密度:2.61g/cm3
G:粗骨材、栃木県安蘇郡産砕石2005(密度:2.70g/cm3
(3)コンクリートの調製
使用ミキサーとして、IHI社製強制二軸ミキサーを用い、コンクリート容量30リットル、撹拌時間空練り10秒、混練水投入後90秒で、コンクリートを調製した。その際、配合I及び配合IIの場合、スランプフロー値は調製30分後に600〜680mmとなるように分散剤(重合体配合物)の添加量を調整した。また配合IIIの場合は、調製直後にスランプ20〜22cmとなるように、セメント分散剤の添加量を調整した。
なお配合I及び配合IIにおけるスランプフロー値は、スランプフロー値の最大値と、該最大値を与える線分の1/2の長さで直交する方向で測定したスランプフロー値との平均値である。なお、コンクリートのスランプフロー試験は、JIS A 1150に従って、各層5回突き棒で一様に突いた以外は同様に試験した(粗骨材(G)の最大寸法20mm、コンクリート温度20〜22℃、試料の詰め方:3層に分けて詰める)。また、配合IIIにおけるスランプ値は、スランプ試験(JIS A 1101)に従って行った。また、コンクリート空気量(JIS A 1128)は、消泡剤を添加し、配合I及び配合IIの場合、連行空気量が3.0体積%以下となるように、配合IIIの場合、連行空気量が4.0〜5.0体積%となるように調整した。
(4)コンクリート評価
上記で調製した分散剤を添加したコンクリートについて、撹拌直後の流動性(スランプフロー又はスランプ)と15分又は30分静置後、スコップで練り返した後の流動性(スランプフロー又はスランプ)を測定した。結果を表4〜表6に示す。表4は、配合I(普通ポルトランドセメント、W/C=30重量%)、表5は配合II(低熱ポルトランドセメント、W/C=30重量%)、表6は配合III(普通ポルトランドセメントセメント、W/C=45重量%)についての結果である。配合I及びIIでは、高強度コンクリートのためスランプフローを、配合IIIでは、一般強度コンクリートのためスランプを測定した。
Figure 0005037144
表4中、添加量は、セメント重量に対する分散剤(固形分換算)の重量%である(以下同様)。
Figure 0005037144
Figure 0005037144
試験例1及び6はポリカルボン酸系重合体を用いた分散剤、試験例3及び8、試験例4及び9、並びに試験例5、10及び11は、本発明に係る重合体を用いた分散剤での試験である。全ての試験例でリン酸系重合体を併用した。
本発明に係る重合体を用いた試験例では、いずれの配合でも、直後と、15分後もしくは30分後での流動性の変化が小さく、幅広い組成(水セメント比)、材質(セメント種)の水硬性組成物に対して、それぞれ要求される効果を満偏なく発現していることがわかる。一方、普通ポルトランドセメントでW/C=30重量%である配合I(表4)では、ポリカルボン酸系重合体の併用系(試験例1)では直後のスランプフロー値が小さく15分後になって大きくなる傾向があるのがわかる。また、低熱ポルトランドセメントでW/C=30重量%である配合II(表5)では、試験例7では直後のスランプフロー値が小さく15分後になって大きくなる傾向があるのがわかる。
また、本発明に係る重合体R−2と、単量体4を用いないA−2とは、重量平均分子量及びMw/Mnの値がほぼ同じである。配合Iでそれぞれの重合体を用いた試験例4と試験例2では15分後のスランプフローの差の値は大きく異ならないが、配合IIの試験例9と試験例7では、15分後のスランプフローの差は大きく異なっている。この結果から、本発明に係る重合体は組成や材質の異なる水硬性粉体に対する汎用性が高いことがわかる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表される単量体1と、下記一般式(2)で表される単量体2と、下記一般式(3)で表される単量体3と、下記一般式(4)で表される単量体4とを、pH7以下で共重合して得られる重合体、及び保持剤を含有する水硬性組成物用分散剤であって、
    重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.0〜2.6であり、
    保持剤が、下記一般式(4)で表される単量体4を含まず、下記一般式(1)で表される単量体1と、下記一般式(2)で表される単量体2と、下記一般式(3)で表される単量体3と、pH7以下で共重合して得られる重合体である、
    水硬性組成物用分散剤。
    Figure 0005037144

    〔式中、R1、R2は、それぞれ水素原子又はメチル基、R3は水素原子又は-(CH2)q(CO)pO(AO)r4、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基又はオキシスチレン基、pは0又は1の数、qは0〜2の数、pとqは同時に0ではなく、rはAOの平均付加モル数であり、3〜300の数、R4は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表す。〕
    Figure 0005037144

    〔式中、R11は水素原子又はメチル基、R12は炭素数2〜12のアルキレン基、m1は1〜30の数、M3、M4はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
    Figure 0005037144

    〔式中、R13、R15は、それぞれ水素原子又はメチル基、R14、R16は、それぞれ炭素数2〜12のアルキレン基、m2、m3は、それぞれ1〜30の数、M5は水素原子、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を表す。〕
    Figure 0005037144

    〔式中、R17〜R19は、それぞれ水素原子、メチル基又は(CH2)sCOOM7であり、(CH2)sCOOM7はCOOM6又は他の(CH2)sCOOM7と無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM6、M7は存在しない。sは0〜2の数を表す。M6、M7は、それぞれ水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はアルケニル基を表す。〕
  2. 共重合に際して、重合体を構成する全単量体中、単量体1の割合が60〜98重量%、単量体2及び単量体3の合計の割合が1〜39重量%、単量体4の割合が1〜39重量%で得られたものである請求項1記載の水硬性組成物用分散剤。
  3. 重合体の重量平均分子量(Mw)が15,000〜80,000である請求項1又は2記載の水硬性組成物用分散剤。
  4. 保持剤の重合体の重合に用いる単量体中、単量体1が60〜90モル%、単量体2と3を合計で10〜40モル%である、請求項1〜3いずれか記載の水硬性組成物用分散剤。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の水硬性組成物用分散剤と、水硬性粉体と、水とを含有する水硬性組成物であって、水硬性粉体が、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント及び高炉スラグセメントからなる群から選ばれる少なくとも1種以上である水硬性組成物。
  6. 請求項1〜4いずれか記載の水硬性組成物用分散剤と、水硬性粉体と、細骨材と、粗骨材と、水とを含有する水硬性組成物であって、水/水硬性粉体比が10〜60重量%、単位水量が120〜185kg/m3である水硬性組成物。
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