明 細 書
皮膚疾患治療剤及びメタロチォネィン誘導剤
技術分野
本発明は、 副作用が少なく、 種々の形態で使用できるサンバーンセルの産生を 抑制する方法、 メタロチォネィンを誘導する方法、 皮霜疾患の治療方法及び紫外 線を防止する方法、 並びに化粧料組成物及び紫外線防止用組成物に闋する。
背景技術
従来、 ステロイ ド剤ゃ酸化亜鉛剤は、 皮膚疾患治療剤として、 例えば皮膚炎、 日焼け症、 神経皮膚炎、 湿疹、 肛門性器そう痒症などの如き皮盧症状の治療に局 所的に用いられてきた。 しかし、 ステロイ ド剤は副作用が強いため、 大量長期投 与が困難であった。 また、 酸化亜鉛剤は局所収れん作用を持つが、 水に不溶性で その使用にあたつては内服が困難なこともあり、 製剤的な問題点を抱えていた。
—方、 原子エネルギーの利用発達は近年凄まじく、 原子力発電、 各種疾病の診 断、 癌治療などの放射線治療法等多くの分野で利用されているが、 その利用によ る被曝障害が問題となってきた。 このような障害としては、 白血球の減少、 脱毛、 皮藤の発赤などの早期障害や長期間の経過後に現れる発癌、 白内障、 胎児障害な どの晩発障害がある。 また、 放射線の急性被曝による全身障害、 例えば原爆被爆、 原子力発電事故、 放射線治療の副作用における吐き気、 食欲不振、 全身倦怠感と いった二日酔いに似た症状もある 〔踺谷 勤, 3 3 4— 3 6 0, 活性酸素, 医歯 薬出版株式会社, 1 9 8 7年発行〕 。 上記放射線障害の原囪の一つとして放射線 被曝による体内での異常なフリーラジカルの生成が挙げられている。 しかし、 放 射線障害を予防したり、 被曝を受けた場合の障害を安全に減弱し得る有効な薬剤 は今だにない。
—方、 化粧料にあっては、 日焼け止め等を目的として、 パラアミノ安息香酸誘 導体、 桂皮酸誘導体、 サリチル酸誘導体、 カンファ一誘導体、 ゥロカ二ン酸誘導 体、 ベンズフ ノン誘導体及び複素環誘導体などの紫外線吸収剤が専ら外用剤に 配合され、 利用されている。 これら紫外線吸収剤は、 紫外線による皮廣の紅斑や 氷疱の形成を抑制し、 更にはメラニン形成の抑制による色素沈着の予防效果、 皮 廣の老化予防をその目的としたものである。
ところでいわゆる 「日焼け」 には、 上記したように急性炎症性変化としてのサ ンバーン (sunburn) とそれに引き続いて生じるメラニン色素沈着、 サン タン (suntaii) の 2つの異なった反応が含まれる。 このサンバーンを起こ す光の波長は 320 ππι 下の中波長紫外線 (UVB) と呼ばれる領域であり、 紅 斑を発生させる。 紫外線による紅斑反応は熱によるャケド (burn) とは異な り、 日光暴露の直後には発現せず、 数時間の潜伏期間をおいて現れる。 サンバ一 ンを生じた皮雳を病理組織学的に観察すると、 照射量に応じて種々の程度の炎症 性変化が表皮及び真皮に認められ、 中でも特徵的といえる所見は、 表皮内 に出現するいわゆる日焼け細胞 (サンバーンセル: sunburn c e l l (SBC) ) である。 組織染色標本で見ると強く好酸性に染色され核の濃縮した 細胞が散見され、 これが表皮細胞の壊死を示す所見とされている 〔摁尾武, Fr agranc e J ourna l, 9, 15-20 (1991) 〕 。 かかる 日焼けを防ぐために上記の如くパラァミノ安息香酸誘導体、 桂皮酸誘導体等の紫 外線吸収剤が使用されているが、 必ずしもそれらの紫外線吸収効果は満足するも のではなく、 その使用にあっては、 使用感ゃ安定性も悪いという問題を有し、 他 の配合剤との相溶性も低く、 耐水性及び耐油性においても間題を多々有していた。 かかる事情から、 皮膚疾患治療剤にあっては、副作用が少なく、 製剤的にも外 用だけでなく内服にも使用し得る新しい作用効果を持った皮膚疾患治療剤の開発 が望まれ、放射線障害治療及び予防剤にあっては、 より安全に放射線被曝による 酸化的障害を抑制治療できる薬剤の開発が望まれ、 化粧料にあっては、上記の使 用感及び製剤の安定性等の問題点を解決できる化粧料の開発が望まれている。 従 つて、本発明の目的は上記の特性を有する皮膚疾患治療剤、 メタ Dチォネイン誘 導剤、 サンバーンセル産生抑制剤及び化粧料を提供することにある。
生体の必須徴量金属である亜鉛は、 生殖器の発達促進、 創傷治癒の促進、 金属 酵素の成分として、 脱氷素藓素の促進 Θ子として、 また、 免疫系の賦活化などの さまざまな働きとともに金属結合蛋白であるメタ口チォネイン (MT) の誘導面 子として知られている。 この MTは炎症時に生じるフリーラジカルのスカぺ ンジャーの働きがあると報告されている 〔Ha 11 a d a, k. , e t a 1. , Derma t o l og i e s, 179 (supp l. 1) 143 (1989) 〕 。
そこで、 本発明者らは、 紫外線等による日焼けなどの外的刺激による皮膚の炎 症においても、 MTは炎症部位に集まる白血球、 特に顆粒球の放出するフリーラ ジカルを捕捉し、 これにより抗酸化作用を示し、 リンパ球への傷害を抑制し、 免 疫系を賦活化し、 更には、 抗酸化作用により皮膚の老化促進を予防すると考えた。 そして、 亜鉛化合物を投与して MTを皮膚の表皮角質層に誘導し、 又は増加せし めることにより紫外線暴露後のサンバーンセル (S B C) の形成を抑制すること ができると考えた。 また上記 MTの抗酸化作用は、 X線、 線、 /3線、 r線、 中 性子線、 加速電子線等の放射線による放射線障害の治療にも利用できると考えた。 かかる実情において本発明者らは、 種々の亜鉛化合物についてその薬理作用を 検討したところ、 ある特定の化合物の亜鉛塩又は亜鉛錯体が、 公知の薬理作用か ら全く予測困難な優れた MT誘導作用及び紫外線による S B Cの産生抑制作用を 有し、 日焼け症改善、 日焼け予防、 皮膚疾患改善、 放射線障害改善等を目的とし た化粧料や医薬として有用であることを見出し、 本発明を完成した。
発明の開示
本発明は次の一般式 (1 )
〔式中、 Rは水素原子、 水酸基、 ニトロ基、 ハロゲン原子、 アルコキシ基、 了ル キル基、 カルボキシル基、 一 C O OM (Mはアルカリ金属を示す) 又は窒素原子 上のォキシドを示す〕
で表されるピリジンカルボン酸類、 ニコチン酸アミ ド、 ピコリン酸アミ ド、 3, 4—ジヒドロキシ安息香酸、 アミノ酸、 ペプチド及ぴヒノキチオールから選ばれ る化合物の亜鉛塩もしくは亜鉛錯体又はその塩を含有する組成物の有効量を投与 し、 サンバーンセルの産生を抑制する方法、 メタ口チォネインを誘導する方法、 皮廣疾患の治療方法及び紫外線を防止する方法である。
また本発明は、 当該亜鉛塩もしくは亜鉛錯体又はその塩を舍有する化粧料組成 物及び紫外線防止用化粧料組成物である。
図面の簡単な説明
図 1は、 実施例 2における、 紫外線照射により表皮 lcm長中に形成された SBCの数を示すグラフであり、 図 2は、 実施例 2における、 紫外線照射の前後 における外耳の厚さの変化を示すグラフであり、 図 3は、 製造例 2で得られた化 合物 A及び原料であるニコチン酸の波数 20 0 ~40 Ocm— 1における I Rスぺク トルであり、 図 4は、実施例 34における実施例 22の組成物の紫外線紅斑に対 する効果を示す図であり、 図 5は、 実施例 34における実施例 23の組成物の紫 外線紅斑に対する効果を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明において、 上記一般式 (1) 中の Rで示される基のうち、 ハロゲン原子 としては、 塩素原子、 フッ素原子、 臭素原子、 ョード原子等を例示できる。 了ル コキシ基としては、 メ トキシ、 エトキシ、 IIープ πポキシ、 イソプロボキシ、 n —ブトキシ、 t e r t—ブトキシ、 n—ペンチルォキシ、 η— ^ ^キシルォキシ、 η—へプチルォキシ、 II—ォクチルォキシ、 2—ェチルへキシルォキシ、 II—ノ ニルォキシ、 II—デシルォキシ、 η—ゥンデシルォキシ、 η—ドデシルォキシ等 の炭素数 1~1 2の直鎖又は分技状のアルコキシ基を例示できる。 アルキル基と しては、 メチル、 ェチル、 η—プロピル、 イソプロピル、 η—ブチル、 t e r t —ブチル、 n—ペンチル、 T1一へキシル、 n—^ »プチル、 II—ォクチル、 n—ノ ニル、 n—デシル、 n—ゥンデシル、 n—ドデシル等の炭素数 1〜12の直鎖又 は分枝妆のアルキル基を例示できる。
上記一般式 (1) で表される化合物の亜鉛塩又は亜鉛錯体としては、亜鉛ジピ コリネート (z i n c d i p i c o l i na t e) 、 2, 5—ピリジンジカル ボン酸の亜鉛塩又は亜鉛鐯体、 ビス (2, 5—ピリジンジカルボキシレート) 亜 鉛' 2ナトリウ厶塩、 2, 6—ピリジンジカルポン酸の亜鉛塩又は亜鉛錯体、 3 -ピリジン力ルポン酸の亜鉛塩又は亜鉛錯体、 4—ピリジンカルポン酸の亜鉛塩 又は亜鉛鐯体、 2, 4—ジカルポキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛鐯体、 3—ヒド ロキシ一 2—力ルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 3— n—プロポキシ一 2一力ルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 3 - II—へキシルォキシ一 2— 力ルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜 鐯体、 5—II—プロポキシ一 2—力ルボキ
シピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 5— n—ブトキシー 2—力ルポキシピリジン の亜鉛塩又は亜鉛錯体、 5— (2—ェチル一^ ^キシルォキシ) 一 2—カルボキシ ピリジン亜鉛塩又は亜鉛錯体、 6— n—ブトキシー 2—力ルポキシピリジンの亜 鉛塩又は亜鉛錯体、 3—メ トキシ一 2—カルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯 体、 5—メ トキシ一 2—カルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 6—メ トキ シ一 2—カルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 6— n—へキシルォキシ一 2—力ルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 3—メチルー 2—力ルポキシピ リジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 4一メチル一 2—力ルボキシピリジンの亜鉛塩又 は亜鉛錯体、 4— t e r t一ブチル一 2—カルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛 錯体、 5—メチル一 2—カルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 5— Ti—へ キシルー 2—カルポキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 3— n—ゥンデシル一 2—カルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 4— n—ゥンデシル一 2—カル ボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 5— TI—プチルー 2—力ルポキシピリジ ンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 6— n—ゥンデシルー 2—力ルポキシピリジンの亜鉛 塩又は亜鉛錯体、 4一二トロ一 2—力ルポキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 4—クロル— 2—力ルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 5—ヒドロキシ一 一力ルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 4—プロモー 2—力ルポキシピ リジンの亜鉛塩又は亜鉛錯体、 4—フルオロー 2—力ルボキシピリジンの亜鉛塩 又は亜鉛錯体、 6—クロル一 2—カルボキシピリジンの亜鉛塩又は亜鉛鐯体、 2 一力ルポキシピリジン N—ォキシドの亜鉛塩又は亜鉛錯体を例示することができ また、 アミノ酸としては亜鉛と塩又は錯体を形成し得るアミノ酸であれば中性 アミノ酸、 塩基性了ミノ酸、 酸性アミノ酸のいずれでもよく、 例えばグリシン、 一ァラニンなどのァラニン、 セリン、 システィン、 ジェンコール酸、 アミノ酪 酸、 トレオニン、 ノヽ'リン、 メチォニン、 ロイシン、 ィソロイシン、 フエ二ル了ラ ニン、 チロシン、 チロキシン、 プロリン、 トリプトファン、 タウリン、 了スパラ ギン酸、 グルタミン酸、 アルギニン、 リジン、 オル二チン、 ヒスチジン等が挙げ られ、 これらは D体、 L体、 D L体のいずれであってもよい。 ペプチドとしては 天然又は合成べプチドのいずれも挙げられるが、 経口又は経皮吸収の面から分子
量 3 0 0 0以下程度のものが好ましい。 例えば上記例示の同一又は異なる了ミノ 酸を組み合わせたジぺプチド、 トリぺプチド、 テトラべプチド、 ペンタぺプチド、 へキサペプチド、 ヘプタペプチド、 ォクタペプチド、 ノナペプチド、 デカぺプチ ドなどのアミノ酸 2〜1 0個のオリゴペプチドが挙げられるが、 これらのぺプチ ドを構成するアミノ酸は、 単一のアミノ酸、 或いは異なる了ミノ酸 2種以'上から なる組み合せであってもよい。 更に具体的には、 ヒスチジンと上記例示了ミノ酸 とから構成されるォリゴペプチドゃジ L—アルギニン一 Lーァスパラギン酸、 L —了ルギニン一 L—グルタミン酸、 グリシルグリシン、 L—グルタミン酸一 D L —ァラニン、 ジ D L—ピロリ ドンカルボン酸、 L—了ラニル一グリシル一グリシ ン、 jS—ァラニル一 L一ヒスチジン、 グリシルーグリシルーグリシン、 グリシル —グリシルーグリシルーグリシン、 L—口イシル一グリシルーグリシン、 D L— ロイシル一グリシル一 D L—フヱニルァラニン、 グルタチオン等が例示される。 本発明で用いられる亜鉛塩又は亜鉛錯体のうち、 塩基性基を有する化合物は、 医薬的又は化駐品学的に許容される通常の酸を作用させることにより容易に酸付 加塩とすることができる。 このような酸としては、例えば、 硫酸、 リン酸、臭化 水素酸等の無機酸、 シユウ酸、 齚酸、 コハク酸、 マロン酸、 メタンスルホン酸、 マレイン酸、 フマール酸、 リンゴ酸、 酒石酸、 クェン酸、安息香酸等の有機酸を 挙げることができる。
また、 本発明で用いられる亜鉛塩又は亜鉛錯体のうち、 酸性基を有する化合物 は、医薬的又は化粧品学的に許容される通常の塩基性化合物を作用させることに より容易に塩とすることができる。 このような塩基性化合物としては、例えば、 水酸化ナトリウム、 氷酸化力ルシゥ厶、 炭酸ナトリウム、 炭酸水素力リゥ厶等を 挙げることができる。
なお、本発明に用いられる亜鉛化合物には、 光学異性体及び立体異性体も包含 される。
本発明で用いられる亜鉛化合物は、 既に公知のもの及び新規なものを含むが、 公知の方法により又は公知の方法に準じて製造することができ、各製造工程にお いて、 目的化合物は通常の分錐手段により容易に単雜精製することができる。 こ のような分雜手段としては、 例えば溶媒抽出法、 希釈法、 再結晶法、 カラムクロ
マトグラフィ一、 プレパラティブ薄層クロマトグラフィ一等が挙げられる。
本発明で用いられる亜鉛化合物は、 一般式 (1 ) で表されるピリジンカルボン 酸類、 ニコチン酸アミ ド、 ピコリン酸アミ ド、 3, 4—ジヒドロキシ安息香酸、 アミノ酸、 ペプチド又はヒノキチオールに通常の亜鉛塩 〔Π〕 を適当な不活性溶 媒中で反応させることにより製造される。
上記亜鉛塩 〔Π〕 としては特に限定されず、 通常の亜鉛塩を使用できるが、 例 えば酢酸亜鉛塩、 プロピオン酸亜鉛塩等の低級アルカン酸亜鉛塩、 硫酸亜鉛、 硝 酸亜鉛、 塩化亜鉛、 臭化亜鉛、 ヨウ化亜鉛、 炭酸亜鉛等の無機酸との亜鉛塩及び 酸化亜鉛を例示できる。 使用される亜鉛塩 〔Π〕 の量は、 一般式 (1 ) で表され る化合物、 ニコチン酸アミド、 3 , 4—ジヒド口キシ安息香酸、 アミノ酸、 ぺプ チド又はヒノキチオールに対して特に限定なく、 各種の割合で使用できるが、一 般に、 少なくとも 0 . 5倍モル量程度、 通常は、 0 . 5〜 2倍モル量程度が使用 される。
また、 不活性溶媒としては特に限定されず、 通常の不活性溶媒を使用できるが、 例えば水、 メタノール、 ェタノール、 プロパノール等の低級了ルコール、 ジォキ サン、 テトラヒ ド πフラン等のエーテル類、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルス ルホキシド等、 又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
この反応は通常の脱酸剤の存在下に行なうことができる。 脱酸剤としては、具 体的にはアンモニア水、 永酸化ナトリウム、 炭酸ナトリウム、 炭酸水素ナトリゥ ム、 水素化ナトリウム、 炭酸力リウム等の無機炭酸塩類等を例示できる。
また本反応は、 特に限定なく各種の反応条件を採用できるが例えば室温〜 1 0 0で程度、 5分〜 8時間程度で有利に実施できる。
これらの亜鉛化合物のうち、 亜鉛ジピコ リネートは、 例えば米国特許第 4 , 3 1 5 , 9 2 7号明細書に開示された方法により容易に製造すること ができる。 また、 アミノ酸の亜鉛塩又は亜鉛錯体は、 例えば国際公開 WO 8 6 / 0 0 0 0 4号公報の記載に準じて製造される。 また、 本発明の有効成分である前 記亜鉛塩若しくは亜鉛錯体は、 化粧品として後記に示すように化粧品組成物に配 合される場合、 例えば水等の溶剤を用いて溶液、 ゲル状又はコロイド状の化粧品 組成物を調製する時に一般式 (1 ) で表されるピリジンカルボン酸類、 ニコチン
酸ァミ ド、 3, 4—ジヒドロキシ安息香酸、 アミノ酸、 ぺプチド又はヒノキチォ ールを添加し、 更に前記の通常の亜鉛塩 〔II〕 を添加して前記した反応条件下に 混合攪拌等で反応させ、 有効成分である亜鉛塩若しくは亜鉛錯体を単雜精製する ことなく使用でき、 次いで必要ならば他の化粧品基剤を加えて化粧品組成物を製 造することもできる。
亜鉛ジ ピ コ リ ネ ー ト は貧血、 皮膚病変、 腸性肢端皮膚炎 (Ac r ode rma t i t i s ent er opat h i ca) の治療剤や、 成長障害の改善剤として有用であることが知られている。 また、 亜 ジピコリネ —トが優れた抗動脈硬化作用を示すことも報告されているが 〔鈴木慶二ら, 動脈 硬化, J_8., ( 11 ) 983, (1990) 〕 、 皮膚疾患、 特に日焼け症などの 外的刺激による皮膚症拔ゃ心因性の神経皮膚炎や皮膚脈管炎、乾癬、 多形性紅疹、 ペーチエツト病、水痘性皮膚炎、 セメント皮膚炎、湿疹、 肛門性器そう痒症など の如き皮藤症状や白血球の減少、 脱毛、 皮藤の発赤、吐き気、 食欲不搌、 全身倦 怠感などの放射線被曝障害での使用報告は全くなく、 ましては化粧料への使用報 告はない。
また、 ヒスチジンと亜鉛の化合物については、前立腺疾患の治療法に用いられ る化合物として米国特許 4, 946, 688号明細書に、食品添加物として DE - 3230292号公報に、 甲状腺組織に送るアミノ酸キレート組成物として PCT国際公開 W087/04622号公報に開示されている。 またニコチン酸 了ミドの亜鉛化合物も公知の方法により製造できる。
前記亜鉛化合物は、後記実施例に示すように優れた MT誘導作用紫外線による SBCの産生抑制作用を有する。 また、 例えば亜鉛ジピコリネートは、 成人に対 し 144ragZ日、 4週間経口投与しても何ら異常は生じさせず [Agent s and Ac t i ons, 21, 1/2, 223— 228 (1987) 〕 、 これ らの亜 塩及び亜鉛錯体は安全性の髙ぃものである。
本発明における亜鉛化合物を、 皮藤疾患治療剤、 MT誘導剤又は SB C産生抑 制剤の有効成分として用いる場合、 当該亜鉛化合物はそのままで、 あるいは慣用 の製剤担体と共に投与することができる。 投与形態は特に限定されず、 必要に応 じ適宜選択して使用される。 かかる投与形態としては、 錠剤、 カプセル剤、顆粒
剤、 各種経口用液剤などの経口剤;注射剤、 坐剤などの非経口剤;液状塗布剤、 ローション剤、 エアゾール剤、 リニメント剤、 軟膏剤、 パップ剤などの外用剤等、 一般的な医薬製剤の形態が挙げられる。
また、 これら本発明の皮膚疾患治療剤、 MT誘導剤及び S B C産生抑制剤は、 ヒトの皮膚炎、 日焼け症、 神経皮膊炎、 皮膚脈管炎、 乾癬、 多形性紅疹、 ペーチ Xット病、 水痘性皮膚炎、 セメント皮膚炎、 湿疹、 肛門性器そう痒症などの皮膚 疾患;白血球の減少、 脱毛や皮膚の発赤、 吐き気、 食欲不振などの放射線被曝障 害の治療に用いられる以外に、 ヒト以外の哺乳動物 (犬、 猫等のぺッ トゃ牛、 馬 等の家畜など) の皮霜疾患等の治療にも用いることができる。
本発明の皮膚疾患治療剤、 MT誘導剤及び S B C産生抑制剤は、 通常医薬に使 用されている各種の希釈剤、 賦形剤等を適宜使用して、 常法に従って製造される。 例えば、経口剤のうちの錠剤は前記亜鉛化合物をゼラチン、 澱粉、 乳粉、 ステ 了リン酸マグネシウム、 滑石、 了ラビ了ゴムなどの製剤学的賦形剤と混合し、 賦 形化して製造される。 カプセル剤は、 前記亜鉛化合物を不活性の製剤充塡剤もし くは希釈剤と混合し、 硬質ゼラチンカプセル、 軟質カプセルなどに充塡して製造 される。 経口用液剤のシ Dップ剤及びェリキシル剤は前記亜鉛化合物をショ糖な どの甘味剤、 メチルパラベン類、 プロピルパラペン類などの防腐剤、 着色剤、 調 味剤などと混合して製造される。
また、 かかる経口剤は、 必要に応じて各種のビタミン剤、 シュクロースなどの エネルギー源としての炭水化物、 カゼインなどの蛋白源、 メチォニンなどのアミ ノ酸及び食塩などの電解質との配合による食事用皮膚疾患改善剤、 食事用 M T誘 導剤及び食事用 S B C産生抑制剤としても投与できる。
また、 非経口剤は、 例えば、 前記亜鉛化合物を滅菌した液状担体に溶解して製 造される。 好ましい担体は水又は食塩氷である。 所望の透明度、 安定性及び非経 口使用の適応性を有する液剤は前記亜鉛化合物を、 氷及び有機溶剤に溶解し、 更 に分子量 2 0 0〜 5 0 0 0のポリエチレングリコールに溶解して製造される。 か かる液剤にはナトリウムカルボキシメチルセル ϋース、 メチルセルロース、 ポリ ビニルピロリ ドン、 ポリビニルアルコールなどの潤滑剤が配合されるのが好まし い。
更に、 上記の経口剤及び非経口剤には、 ベンジル了ルコール、 フヱノール、 チ メ サールなどの殺菌剤及び防カビ剤、 更に必要に応じ、 ショ糖、 局所麻酔剤、 安定剤、 緩衝剤の他、 すでに公知の紫外線吸収剤として知られている成分を配合 することができる。
また、 非経口投与用薬剤は、 その安定性の観点から、 カプセルなどに充塡後、 冷凍し、 通常の凍結乾燥技術により水を除去し、 使用直前に凍結乾燥粉末から液 剤を再調製することもできる。
かくして得られる、 経口剤、 非 口剤中に含有される前記亜鉛化合物の量は特 に限定されないが、 投与単位形態中に 0 . 1〜2 0 D ragが好ましい。 また、投与 されるべき有効成分である亜鉛化合物の量も特に限定がなく、 広い範囲から適宜 選択されるが、 所期の劲果を発揮するためには大人 (体重 5 0 kg) で 0 . 1 〜2 0 O rag/日の用量にて 1〜数回にわけて投与するのが好ましい。
また、本発明の皮膚疾患治療剤、 MT誘導剤又は S B C産生抑制剤を外用剤と して調製するにあたっては、通常の親油性もしくは親氷性基剤、例えば脂肪、脂 防油、 ラノ リン、 ワセリン、 ノ ラフィン、 ロウ、 グリコール類、 グリセリン、 氷 等を使用して、 常法に従って行えばよい。
上記の外用剤には、 必要に応じて通常添加されることの知られている各種の添 加剤、 例えば安定化剤、番料、 着色剤等の他、すでに公知の紫外線吸収剤として 知られている成分を配合することができる。
かくして得られる外用剤中に舍有される前記亜鉛化合物の量は特に限定されず、 広範囲から適宜選択されるが、 通常製剤中に約 0 . 0 0 0 1〜3 0重量 の範囲 が好ましい。 また本発明治療剤の適用量及び方法は、 該製剤の形態、製剤中の有 効成分量、 これを適用される患者の年齢、 性別その他の条件、皮膚病変の程度等 に応じて決定することができ、 例えば本発明治療剤は、 これを患部全体に充分に 行きわたる量で、 一日に 1〜複数回、 該患部に散布、 塗布等により適用すること がで含る。
また、 本発明における前記亜鉛化合物を紫外線防止用等の化粧料の成分として 用いる場合、 当該化粧料は、 前記亜鉛化合物を有効成分として含有させる以外は、 通常の化 料と同様にして、 各種の形態に調製される。
例えば洗浄用化粧料、 化粧水、 クリーム、 乳液、 メイクアップクリーム、 化粧 用オイル、 パック等の基礎化粧料、 ファンデーション、 口紅、 想紅、 アイライナ 一、 マスカラ、 アイシャ ドー、 マニキュア、 白粉等の仕上げ化粧料、 整髪剤、 養 毛剤等の頭髪用化粧料、 浴用剤、 美白剤、 サンスクひーン剤、 二キビ用剤等の各 種形態とすることができ、 各々は常法に従って製造することができる。 ' また、 かかる化粧料の製造の際には必要に応じて公知の各種化粧料基剤、 例え ば賦形剤、 結合剤、 滑沢剤、 崩壊剤等を使用することができ、 更に必要に応じて 本発明の効果を損なわない範囲内で各種の油脂、 ロウ、 炭化氷素、 脂肪酸、 髙級 アルコール、 エステル油、 金属石ケン等の油脂原料、 動物 ·植物抽出液、 ビタミ ン剤、 ホルモン剤、 アミノ酸等の薬効剤、 界面活性剤、 色素、 染料、 顔料、 香料、 防腐剤、 殺菌剤、 保湿剤、 増粘剤、 酸化防止剤、 金属封鎖剤の他、 すでに公知の 紫外線吸収剤として知られている成分、 その他の添加剤を組み合わせて使用し得
Q。
本発明化粧料中への前記亜鉛化合物の配合量は、 得られる化粧料の形態や 所望の効果等に応じて、 適当に選択できるが、 通常全組成物中に 0. 0001〜 99. 9重量%程度、 好ましくは約 0. 001〜30重量%程度、 より好ましく は約 0. 001〜10重量%程度の範面となる量とされるのが適当である。 また、 本発明の化粧料は氷又は適当な溶媒により希釈して使用することも可能である。 実施例
本発明をより詳しく説明するために以下に実施例を挙げて説明する。
実施例 1 ( S H R— S Pに対する亜鉛ジピコリネートの MT誘導効果の検討試験)
SHR (髙血圧自然発症ラッ ト : Spon t aneous l y
hyp e r t ens i v e r a t s) は岡本らが 1963年に WKY (ゥイス タ一系京都ラッ ト) より得た遺伝的に高血圧を発症するラットの動物モデルで、 その多くが脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化性の血管病変により死亡する動物モ デルであり 〔〇kamo t o, K. & Aok i, K. , J p n. C i r c. J. , 27, 282 - 293 (1963) 3 , 更に交配を重ねて、 脳卒中を高い 頻度で発症するモデルラッ トが SHR— SP (脳卒中易発症ラット SHR— — S t r ok ep r one) である。
SHR— SPを用いて亜鉛ジピコリネートの MT誘導効果を 下の方法で行つ た。 SHR— SPは (株) 船榛農場より入手した。 実験は次の 3群にて行った。 すなわち、 通常の飼料 ( (株) 船撟農場製) と氷の代わりに 1%食塩水を与えた 群をコントロール群とし、 亜鉛ジピコ リネート 1. 5mgZ20 g飼料になるよう に加えた飼料と、 1 %食塩水を与えた群を低濃度群とした。 更に亜鉛ジピコリネ —ト 15ragZ20 g飼料になるように加えた飼料と、 1%食塩水を与えた群を髙 濃度群とした。 生後 4〜5週目より、 3群 (コントロール群 3匹、 低濃度群 9匹、 髙濃度群 7匹) に分けて各濃度の亜鉛ジピコリネートの投与を開始した。
観察項目は、 飼料及び水の摂取量、 体重の変動を観察した。
その結果、 観察斯間中、 飼料、 水ともに 3群間でその摂取量に差はなく、 また 観察日からの体重の変勖は 3群間で差はなかった。
次にラッ トの背部の皮膚を採取後、 抗ラット肝 MT抗体を用いて免疫組織化学 的染色を行ない MTが誘導されているか確認した。 免疫組織化学的染色方法は、 特開平 2— 247200号に記載の方法に従った。 .即ち、 採'集した皮膚をホルマ リン固定し、 パラフィン包埋した後、 常法に従って切り出し、 ガラス切片をキシ レン ·アルコール濃度勾配にて脱氷した後、 そのガラス切片プレート上に固定し た。 次にプレートを TBS 〔2 OmMトリス、 50 OmM NaCi (pH7. 5) 〕 に 10分間浸し、振盪した後、 ブロッキング液 (TBSに 3%ゼラチンを加えた もの) にプレートを浸し、 5分間振盪した。 これをもう一度繅り返した後、 T B Sに 1 %ゼラチンを加えた抗体希釈液で 400倍に希釈した一次抗体液 (抗 ラット MTゥサギ I gG抗体の抗体希釈液) にプレートを浸し一晩振盪した。 次 いで、 TTBS液 (TBSに 0. 05%Twe en— 20を加えたもの) にプレ ートを 5分間振盪した。 この操作をもう一度繰り返した後、 GAR— HRP二次 抗体液 (山羊抗ゥサギ I gG抗体、 ホースラデイシュペルォキシダーゼコンジュ ゲートの抗体希釈液による 400倍希釈液) にプレートを浸し、 1時間以上振盪 した。 更に、 TTBSにプレートを浸し、 5分間振盪する操作を、 2回緩り返し た後、 TBSにプレートを浸し、 5分間振盪する操作を、 1回繰り返した。 基質 液 ( 60 mgの基質を含む 20 m^i冷メタノールと 30 %H202を 60 1を舍む 100m2 TBSを使用直前に混合して調製) にプレートを浸し、 45分間振盪
した。 蒸留水にプレートを浸し、 軽く洗い、 風乾した後写真とり、 ィムノアッセ ィを行なつた。
3群における表皮、 脂腺、 及び毛囊部と MT抗体との反応性を表 1に示した。 該表中、 (一) は MT染色で MTと反応なし、 (+) は弱い反応あり、 (+ +) は反応あり、 ( + + +) は強い反応ありを表す。
表 1
表 1の結果より、 コント D—ル群の MTの誘導はほとんど認められなかったが、 亜鉛ジピコリネート投与群は表皮、 脂腺、 及び毛囊ともに亜鉛ジピコリネートの 濃度が高くなるにつれて M Tの誘導が強くなることがわかる。
このことより、 亜鉛ジピコリネートの投与は、 MTの誘導効果を高め、 この作 用は亜鉛ジピコリネートの皮霜疾患治療改善剤として強く期待できるものと思わ れる。 また、経口投与において強い効果が現れることから、 外用剤によっても亜 鉛ジピコリネートの効果が期待できる。
実施例 2 (紫外線障害に対する亜鉛ジピコリネートの効果)
紫外線照射には光源として F L 2 0 S E - 3 0螢光太陽ランプチューブ (東芝 製) を備えた D E RMA R Y— 1 0 0 (クリニカル 'サプライ社製) を用いた。 紫外線照射障害の程度は、 紫外線照射後の表皮中の S B Cの数を力ゥントする
ことと外耳の腫張を測定することにより概算した。
BALBZc系マウス (5週齢) 5匹を用い、 各マウスの外耳の右側に 10% エチルアルコール中に 1. 0%亜鉛ジピコリネートを含有する溶液を作製し、 同 溶液を 3回塗布した。 同時にマウスの外耳の左側にコントロールとして 10%ェ チルアルコール溶液を 3回塗布した。 3回目塗布終了 24時間後、各マウスの両 外耳に 10 OmJZon2照射を行った。 照射 24時間後、 照射部皮霜を生検し、 常 法にのっとった組織学的技術を用いて処理を行ない組織切片標本を作製した。 作 製した各標本をへマトキシリン ·ェォジン染色した後、 外耳の表皮における SBCの数をカウントした。
また、 外耳の腫張は紫外線照射前後における外耳の厚さを TH I CKNE S S
GAGE (OZAKI -MFG Co. 製) を用いて測定することによりその 程度を定量した。
これらの結果を図 1及び図 2に示す。
図 1は、紫外線照射により表皮 1 cm長中に形成された S B Cの数を示し、 コン トロール群が 19. 6±3. 2個 (M土 S. E. ) に対して亜鉛ジピコリネート 外用群は SBCの数が 15. 4±2. 1假 (M±S. E. ) と少なく紫外線照射 による細胞の障害を抑制していることが判明した。
図 2は、 紫外線照射前後における外耳の厚さの変ィヒ (外耳の腫張の程度) を示 し、 コントロール群の外耳の厚さが 0. 6±0. 12rara (M土 S. E. ) であつ たものが亜鉛ジピコリネート群は、 0. 1±0. 10mro (M±S. E. ) と有意 に外耳の腫張を抑制していた。
上記の結果より紫外線刺激などによる皮膚炎や日焼けの改善、 日焼けの予防に 亜鉛ジピコリネートは皮膚疾患治療剤、 或いは化粧料として有用に用いることが できる。
実施例 3 (亜鉛ジピコリネートによるメタロチォネィン誘導効果)
亜! §ジピコリネートによるメタ Dチォネィン mRNAの誘導を検討するために ヒトメタロチォネィン一 II aをプローブとしたノ一ザンブ πットハイブリダィゼ ーションを行なった。
まずプローブに使用するヒトメタロチォネィン cDNAには、 ヒトメタロチォ
ネィン— ΠΑ c DNA (hMT-IIA cDNA : ATCC 5 7 1 5 3, U S A製) を用いた。 この hMT— IIA c DNAはヒ トメタ nチォネィン遺伝子 [C e 1 1 , 3 7, 2 6 3 - 2 7 2 ( 1 9 84 ) : Na t u r e, 2 9 9, 7 9 7 - 8 0 2 ( 1 9 8 2 ) : Nu c l e i c A c i d s R e s. , 1 5, 1 0 9 4 9 ( 1 9 8 7 ) ] の制限酵素 E c oR I -H i n d III領域の 4 0 0塩基からな る D N A断片である。 これをマルチプラ イ ム D N A ラベル化法 [F e i n b e r g, A. P. , e t a 1. , An a l. B i o c h e m. , 1 3 7, 2 6 6 - 2 6 7 ( 1 9 8 4 ) ] を用いたマルチプライ厶 DNA標識シス テム (了マシャム社製) により、 一 [32P] — dCTPを使って標識化しプロ ーブとした。 ]9一了クチン c DNAも同様にして32 P標識した。
HT- 1 3 7 6細胞はヒト膀胱瘙榭立表皮細胞株でその性質については、 J. Na t. C a n c e r I n s t. , _5_8_, 88 1 - 8 9 0 ( 1 9 7 7 ) に記載 され、 細胞は ATCC (了メリカン 'タイプカルチャー 'コレクション) に寄託 番号 ATCC CRL 1 4 7 2なる番号で寄託されている。
HT— 1 3 7 6細胞を 3 7 :、 5 %C〇2下にてコルチコステ αィ ドゃ EGF (Ep i d e rma l Gr owt h F a c t o r ) を含まず、 5 %F B S (ゥシ胎児血清) 添加 MEM培地 (ギブコ社製) にて 4日間培養した。
HT- 1 3 7 6細胞 (6 X 1 05/皿) を直径 1 0 cmの培養皿 1 6枚に撒き、 そのうちの 4皿に 5〃Mの濃度になるように 4 0m£培地に希釈して亜鉛ジピコリ ネ一トを添加した。 また、 塩化力ドミゥムを陽性対照として、 各 4皿に塩化力ド ミゥム (CdC^2:シグマ社製) を、 カドミウムとして 1 0 MMの濃度になる ように 4 0m£の上記培地にそれぞれ希釈調製して添加した。 更にコントロールと して培地のみからなる群を設けた。
上記各物質を添加した培養皿を 3 7でで 2 4時間培養し、 各物質を暴露させた 後、 PBS (リン酸緩衝生理食塩氷) で洗い出し、 遠心分離 (1 0 0 Orpmx 5 分簡) して、 細胞を収集した。 得られた細胞をグァニジン ·チオシ了ネート *セ シゥムト リフルォロ酢酸密度 配遠心法 (S amb r 0 0 k, e t a 1. , Mo l e c u l a r C l o n i ng, 7— 1 9, Co l d S p r i ng Ha r b o r L a b o r a t o r y, 1 9 8 9 ) に準じて全 RN Aを得た。
1. 2%の了ガ D—ス 1 gを 1 0 XM〇P S緩衝液 [0. 2M MOPS (モ ルホリノプロパンスルホン酸) 、 pH 7. 0、 5 0mM酢酸ナト リ ウム、 1 0 mM
EDTA] 10m£、再蒸留水 85? ^を加えて 5分間オートクレーブで溶解後、
60t位まで冷ました後、 脱イオン化した 5. 5? ^の 37%ホルムアルデヒドを 力 σえて攪拌し、 ゲルトレイに流し込みゲルを作成した。 また RN Αの一定量をェ タノール沈澱し、乾燥した。 全 RNA2 O jugをサンプル緩衝液 [l xMOPS 緩衝液、 2. 2Mホルムアルデヒド、 50%ホルムアミ ド、 l Omii EDTA] に溶解して 65 :、 15分間処理し、 0. 5mgZm£臭化工チジゥムを舍む色素液
[50%グリセロール、 0. 1%ブ πモフエノールブルー、 0. 1%キシレンシ ァノール] を 2 χ·δ加えた。 次に 10 〇?5緩衝液100m£、 ホルム了ルデ ヒド 55^、水 850mを混合した緩衝液中で 100 V、 約 2〜3時間泳動した。 写真撮影後、 ゲルをトレイに移し 10 xS SC [l xS SC = 0. 1 5M
NaC«2、 0. 01 5Mクェン酸ナトリウム] に 20分、 2回浸してゆつくり振 盪しホルム了ルデヒドを除いた。 次に 20 xS SCを用いてニトロセルロースフ ィルターに 12時間ブロットし、 フィルタ一を室温で風乾した後、 80 :で 2時 間べ一キングした。
フィルタ一を 3 xS SCで湿らせた後、 プレハイブリダィゼーシヨン液 [5 x SSC、 50%ホルム了ミド、 5 OmMリン酸ナトリウム、 100 xgZm£熱変性 サケ精子 DNA、 1%SDS、 1 0 xデンハート氏液 (1 xデンハート氏液- 0. 02%ゥシ血清アルブミン、 0. 02%フイコール、 0. 02%ポリビニル ピロリドン) ] で 43 tで 2〜 3時間プレハイブリダィズした。 次にハイブ ダ ィゼーシヨン液 [プレハイブリダィゼーシヨン液、 10%硫酸デキストラン、 2 ~3 X 1 (TcprnZmiの標識プローブ (沸騰水中で変性し急冷したプローブ) ] と 交換し 43でで 20時間ハイブリダィズした。
ハイブリダィゼーショ ン終了後、 2 xS SCで洗浄後、 再度 )9—ァクチン c DN Aを標識プローブとしたハイブ )ダイゼーション液に交換して 43 で 20時間再ハイブリダィズした。
2 xS SCで 2回フィルターを洗浄した後、 0. 2 xSSC、 0. 1%SDS にて 65でで 30分 2回洗浄した後、 室温にて乾燥した。 フィルターを濾紙には
りつけて X線フイルムカセッ トに入れ、 X線フィルム (コダック社製) を重ねて -7 0でで二夜感光させるォートラジオグラフィーを行なった。
その結果、 既にメタロチォネィン mRNAの発現を上昇させることが知られて いる力ドミゥムと同様に亜鉛ジピコリネートもメタロチォネィン mRNAの発現 を上昇させることが確認された。 ここで用いた力ドミゥ厶は毒性が強いためヒト に対して投与できないのに対し、 亜鉛ジピコリネートは前記の如く安全性が高い。 このことより、 亜鉛ジピコリネートはヒトにおける MTの蛋白誘導剤として有用 d、ある ο
実施例 4 (紫外線障害に対するビス (2, 5—ピリジンジカルポキシレート) 亜 鉛 · 2ナトリウム塩 (以下、 「ビス亜鉛 · 2Na塩」 と略称する) の効果) 紫外線照射には光源として F L 20 S E健康線用蛍光ランプ (東芝製) 2本を 備えた照射装置を用いた。
紫外線照射障害の程度は、 紫外線照射後の表皮中の S B Cの数を力ゥントする ことにより概算した。
ヘアレスマウス 〔BALB/cA J c l— h r、 日本クレ了社より購入 (8 週齢) 〕 8匹を用い、 そのうちの 6匹を各マウスの体幹部皮膚に供試化合物とし て 1%のビス亜鉛 · 2 N a塩を舍有する水溶液を作製し、 同溶液を 8時間毎、 3 回外用した。 同時に 2匹のマウスの体幹部皮膚にコント ϋールとして蒸留水を同 様に 8時間毎、 3回外用した。 最後の外用の 24時間後に、 マウス背部皮膚に紫 外線 (20 OmJ/cm2) 照射を行った。 照射の 24時間後、 マウスを屠殺し、 皮膚を常法にのっとった組織学的技術を用いて、 組織を取り出し、 1 0%ホルマ リンで固定した後、 組織切片標本を作製し、 これをへマトキシリン♦ェォジン染 色した。 作製した組織染色標本長さ 1mm当りの SB C数を数えた。 その結果を以 下の表 2に示す。
表 2 供試化合物 SBC数 (長さ 1画当り) 平均土 SD コント口一リレ 3, 5 4.0±1.4
1%ビス亜鉛 · 2Na塩 4, 0, 1, , 1, 0 1.3±1.5
表 2の結果より、 コントロール群の SBC数が 4. 0 ± 1. 4個に対して 1% ビス亜鉛 · 2 Na塩外用群は SB Cの数が 1. 3 ± 1. 5個と少なく、 紫外線照 射による細胞の障害をビス亜鉛 · 2 N a塩が抑制していることが判明した。
上記の結果より紫外線刺激などによる皮 JI炎や日焼けの改善、 日焼けの予防に ビス亜鉛 · 2 N a塩は皮膚疾患治療剤、 放射線障害治療剤、 或いは化粧料として 有用に用いることができる。
実施例 5 (ラッ トに対するビス (L—ヒスチジノレート) 亜鉛 (II) (H i s— Zn) の MT誘導効果の検討試験)
Wi s t a r系ラッ ト 5匹 〔7週齢 ·体重 1 8 0~2 0 0 g、 雄 SPFラッ ト (指示された病原菌に感染されていないラット) 、 日本クレア社より購入〕 に飼 料 (CE— 2、 日本クレア社製) を 1週間与えて、 検疫検査に合格したラッ ト使 用した。 製造例 3で得られた供試化合物 (H i s— Zn) を水溶液 1 0m£に超音 波によってサスペンドし、 溶かしたものを 1 0 OmgZl Om£Zkgに調整して、 1 日 1回、 胃ゾンデを用いて強制柽ロ投与した。 また、 コン トロールとして化 合物無投与群 (5匹) を同様に設けた。 供試化合物投与後、 1 2時 ffi及び
2 4時間後に肝臟を摘出し、 肝臓中の MTの濃度を分析した。 MTの濃度分 析は中鵃らのラジオィ 厶ノ アツセィ法 CNak a j ima, . , e t a 1. , Me t o d s i n En z ymo l o g , 2 0 5, 388 -
39 5 ( 1 9 9 1 ) 〕 に準じて行った。
即ち、 摘出したラッ ト肝臓を 5〜 1 0倍に希釈した 5 OraMトリス一塩酸 (pH8. 5) でホモジナイズした後、 4 で 3 0分間遠心分錐 (40 0 0 g) し、 その上清を集めて、更に 3分間沸騰永中にて熱処理した後、 4でに冷却した。 次 に上記の抽出物を 4 :で 2 0分間遠心分雜 (2 0 0 0 g) し、 上清を分雜した後、 抽出物を標準希釈液; 5 OraMリン酸緩衝液 CO. 2 5%BSA (牛胎児血清) 、 1 OmM EDTA-2Na, 0. 0 l%Na 3 (PH7. 4) 〕 で希釈し、試験 サンプルとした。 MTのラジオィ厶ノアッセィは J¾下のように行った。
まず、 1 0 x 7 5睡グラスチューブに 2 0 0 u の標準希釈液、 1 0 0 X の 標準希釈液に希釈した抗 MT ·ゥサギ血清 (2 0 0 0 0倍希釈したもの) 、 1 0 0 ^の試験サンプル、 1 0 0 ·2の
125 I—標識ーチロシン一 ΜΤ
(約 1000 Ocpm) を添加した。 次に上記混合液を 4 tで 48時間ィンキュベ 一トした後、 抗ゥサギ I gGヒッジ血清及び正常ゥサギ血清を 100 の標準 希釈液に各々充分に希釈して添加し、 更に 200
の 12. 5%のポリエチレ ングリコールを添加した。 室温で 30分間インキュベーション後、 反応液を 4 : で 30分間遠心分雜 ( 300 Orpm) し、 上清を取り、 この液と沈殿物の放射性 活性を T一カウンタ一にてカウントとした。
その結果を表 3に示す。
表 3
表 3より、 コントロール群の肝臓中の MT濃度が 4. 4±2. 肝臓 であるのに対して H i s— Zn群投与群は投与後、 12時間後が、 117. 0土 56. ljugZg肝臓で、 24時間後が 32. 4 ±9. OjugZg肝臓とコント 口ール群に比較して MTの誘導能が高かった。
上記の結果より、 H i s— Zn投与は、 MTの誘導効果を高め、 この作用は Hi s— Z nの皮廣疾患治療改善効果、 SBC産生抑制効果、放射線障害治療効 果及び日焼け予防等の紫外線予防効果として強く期待できるものと思われ ¾。 上記のように、 経口投与にて強い効果が現れることから、 外用剤によっても Hi s-Znの効果が期待できる。
製造例 1 ジヒノキチォレート亜鉛 (II)
ヒノキチオールは、 髙砂香料工業 (株) 製の試薬を、 酌酸亜鉛 2水和物及びェ タノールは、 和光純薬工業 (株) 製の特級品をそのまま用いた。
ヒノキチオール 5. 0 gを攪拌しながらェタノール 2 0 0 m£に溶解し、 更にそこに齚酸亜鉛 2水和物 3. 4 を溶解した。 5時間攪拌し、 析出した沈殿 を No. 5Cろ紙にてろ過し、 バキユウムポンプ (VACUUM PUMP 4 VP— C4 ; (株) 日立製作所製) において減圧乾燥を行い、 目的のジヒノキチ ォレート亜鉛 (II) を 4. 6 g得た。
製造例 2 ニコチン酸亜鉛 (化合物 A)
ニコチン酸は、 関東化学 (株) 製の特級品を、 齚酸亜鉛 2水和物及び了ンモニ ァ氷は、和光純薬工業 (株) 製の特級品をそのまま用いた。
ニコチン酸 5. 0 gを脱イオン水 1 0 0m£に温浴上で攪拌しながら溶解させた。 同様に齚酸亜鉛 2水和物 4. 5 gを脱ィオン永 1 0 0 πι2に温浴上で溶解させ、両 者を強攪拌して混合した。 次にアンモニア水 (2 5%了ンモニ了水と蒸留水の 1 : 1混合物) を加えて ΡΗを 8. 5に調節した。 温浴上約 8 0でで 1 0分間加熱す ることにより反応を完結させ、 更に加熱を続け約 2 にまで濃縮した。 冷蔵庫 にて冷却後、 析出物を No. 5 Bろ紙にてろ過し、 脱イオン水にて洗狰した。 脱 イオン氷 2 0 0mにその物質を加熱溶解後 2 0m£まで濃縮し、室温にて冷却後、 析出物を脱イオン水にて洗浄する操作を 3回行い精製した。 電気乾燥機にて 6 5
で以下で充分に乾燥させることにより目的のニコチン酸亜鉛 (以下、 「化合物 A」 と略称する) を 3. 0 g得た。
結晶形:白色粉末状又は白色板状結晶
元素分析:
実験値 (%) C 45. 60 '
H 2. 83
N 8. 92
Zn 21. 16
元素舍有量計算値 (%) を基にした、 実験値にもっとも近い計算値は、 以下の 比率であった。
ニコチン酸:亜鉛: H20=2 : 1 : 0
隨 Rスぺク トル:
JNM-GSX270 (日本電子社製) を用いて NMRスぺク トルを測定した。
固体 l3C -閥 R <5 pm; 172.5(C=0)
150.KC-6, 2)
139.7 (C— 4)
132.5(C-3)
125.5(C-5)
IRスぺク トル:
ニコチン酸 (原料)
2200〜3000αΐΓ 1 m (C00H伸縮振動)
1730 s (力ルポン酸の C=D伸縮振動)
1419 [1)0:—0—11変角振動)
1330, 1305 s(C— 0伸縮捩動)
ニコチン酸亜鉛 (化合物 A)
2700〜3600cm— 1 m (0— H伸縮振動)
1638 (1600〜1650) s (力ルポン酸陰ィォン C00—逆射称伸縮振動)
1416(1360〜U50) s (カルボン酸陰ィォン C00—対称伸縮振動)
上記より、 ニコチン酸には遊離の特に 2量体化していない力ルポキシル基の存
在が示唆されるのに対し、 化合物 Aではカルボン酸塩型になっていると推測され る。
また、 図 3の波数 2 0 0〜4 0 O cnr1の I Rスぺクトルから、 2 2 Ο αη—1付近 のピークが亜 ISと窒素の結合によるものと推測され、 ニコチン酸と亜鉛がイオン 結合或いは配位結合をしているものと推測された。
製造例 3 ビス (L—ヒスチジノレート) 亜 (II)
L一ヒスチジン、 硫酸亜鉛 7水和物及び炭酸氷素ナト リウムは、 和光純薬工業 (祙) 製の特級品をそのまま用いた。
硫酸亜鉛 7水和物 7. 4 gを脱ィオン水 6 0 m£に温浴上で攪拌しながら溶解さ せた。 この溶液を強攪拌しながら炭酸水素ナト リウム 6 . 4 gを加え、 温浴上 8 O tで 1 0分間加熱することにより反応を完結させ、 炭酸亜鉛を生成させた。 更にこの溶液に強攪拌しながら L—ヒスチジン 8. 0 gを加え、 温浴上 8 0でで 1 0分間加熱することにより反応を完結させ、更に加熱を続け約 3 まで濃縮 した。 室温にて冷却後、 沈殿した錯体を N 0. 5 Cろ紙にてろ過し、脱ィォン氷 5 0 ??1£で洗净デカンテ一シヨン後、 キヤビラリ一で上澄みを除去した。 結晶を脱 イオン氷 2 0 0 m£にて温浴上で攪拌洗浄、 デカンテーシヨン後上澄み液を除去す る操作を 3回行い精製した。 電気乾燥機にて 6 5 :iTFで充分に乾燥させること により目的のビス (L—ヒスチジノレ一ト) 亜鉛 (II) を 5. 6 g得た。
製造例 4 ビス (3 , 4—ジヒドロキシベンゾエート) 亜鉛 (II)
- 2 % -
3, 4—ジヒド口キシ安息香酸 (プ πトカテキュ酸) は、 東京化成工業 (株) 製の試薬を、 酢酸亜鉛 2水和物、 メタノール及び水酸化ナトリゥムは、 和光純薬 工業 (株) 製の特級品をそのまま用いた。
酢酸亜鉛 2永和物 7. O gを脱イオン水 40m£に温浴上で攪拌しながら溶解さ せた。 同様にプロトカテキュ酸 5. 0 gをメタノール水 10m£に温浴上で溶解さ せ、 脱イオン水 20m£を加えた後、 両者を強攪拌して混合した。 次に水酸化ナト リウム溶液 (0. 25mo^Z£に希釈) を加えて pHを 5. 5に調節した (pHメー ター使用) 。 温浴上約 80 で10分間加熱することにより反応を完結させ、 更 に加熱を続け約 20m£にまで濃縮した。 氷冷却後、 析出した錯体を No. 5Cろ 紙にてろ過し、 脱イオン水にて洗浄した。 脱イオン水 200m£、 メタノールにて 洗'净ろ過を 3回行い精製した。 電気乾燥機にて 65で以下で充分に乾燥させるこ とにより目的のビス (3, 4—ジヒドロキシベンゾェート) 亜鉛 (II) を 4. 0 g得た。
製造例 5 ビス (2, 5—ピリジンジカルボキシレート) 亜鉛 (II) · 2ナトリ ゥム
2, 5—ピリジンジカルポン酸、 炭酸ナトリウム (無水) 及び酌酸亜鉛 2氷和 物は、 和光純薬工業 (株) 製の特級品をそのまま用いた。
2, 5—ピリジンジカルボン酸 1. 0 gを攪拌しながら、 これに等量より若干 過剰の炭酸ナト リウムを 15 m£の脱ィォン水に溶解させたものを加え、 両者を混 合した。 二酸化炭素の発生が止まった後更に少量の炭酸ナトリウムを加え、 次に
醉酸亜鉛 2水和物を 2 , 5—ピリジンジカルポン酸と等量より若干過剰に加え、 室温で 1 5~3 0分攪拌し、 生じた沈殿を No. 5 Bろ紙にて吸収ろ過し、 脱ィ オン氷にて洗淨した。 その後、 バキユウムポンプ (VACUUM PUMP 4 VP-C4; (株) 日立製作所製) において減圧乾燥を行い、 目的のビス (2, 5—ピリジンジカルボキシレート) 亜鉛 (II) · 2ナト リウムを 0. 7 g得た。 結晶形:白色粉末犹
測定溶媒: D20 (重永) に溶解し、 NMRにかける濃度 ( 1 %ΡΎ) とし、 Gemi n i - 2 0 0 M (V a r i an社製) を用いて NMRスぺク トルを測定 し ο
JH-隠 (D20) δ : 8.25 (2Η, d, J=7.88Hz), 8.47 (2H, d), 8.83 (2H, s)
製造例 6 ニコチン酸了ミド亜鉛 (化合物 B )
ニコチン酸アミド 4. 8 9 g (0. 0 4πιο·β) をエタノール 1 0 0mlに溶解す る。 これに、 ZnC£2 2. 7 3 g (0. 0 2mo_fi) をエタノール 5 0mlに溶解 した溶液を混合する。 攪捽すると直ちに白い結晶が析出する。 これを No.5。濾紙 で濾過し、 エタノール、 次いでジェチルエーテルで洗净する。 これを放置してジ ェチルエーテルを揮発させた後、 電気乾燥機中、 6 0でで乾煶させ、 目的化合物 を得た。
元素分析:
計算値 (%) C : 3 7. 8 7 H: 3. 1 8 N: 1 4. 7 2
Zn : 1 7. 1 8
実験値 (%) C: 3 7. 4 1 H: 3. 1 8 N: 1 4. 42
Zn : 1 8. 6 2
元素含量計算値を基にした、 実験値に最も近い計算値は以下の比率であった。 ニコチン酸アミ ド :亜鉛 =2 : 1
IRスぺク トル:
ニコチン酸アミド (原料)
3200〜3500απ-1 s(- CO- ΝΗ2-に基づく、 ΝΗ伸縮振動)
1683 s(C=0伸縮振動)
1623 m(- N- H変角振動)
ニコチン酸アミ ド亜鉛 (化合物 B)
3200〜3500cnr 1 s (- CO- NH2-に基づく、 NH伸縮振動〉
1683 s(C=0伸縮振動)
1608 m(- N- H変角振動)
上記の結果より、 320 0〜35 00 cm— 1の一 CO— NH2に基づく、 NH伸 縮振動がニコチン酸アミ ドに比べ、 ニコチン酸アミ ド亜鉛でブロードになり 1 6 50 cm— 1付近におけるピリジン環の N— H変角振動にも変化が認められるこ とにより、 ニコチン酸アミ ドと亜鉛が配位結合をしているものと推定された。
UVスぺク トル
エタノールに溶解して測定した。
ニコチン酸アミ ド (原料) - ピーク バレー (谷)
吸光度 λ 吸光度
262.4 0.715 245.8 0.549
217.6 1.779
ニコチン酸アミ ド亜鉛
ピーク バレー (谷)
λ 吸光度 λ 吸光度
262.6 0.498 246.4 0.380
216. 1.407
製造例 7 ピコリン酸ァミド亜鉛 (Ζη: ピコリン酸ァミド = 1 : 1 ) (化合物 C) ピコリン酸了ミ ド 1. 83 g (0. 0 1 5mo£) をエタノール 35m2に溶解す る。 これに、 ZnC^2 2. 04 g (0. 0 1 bmoi) をエタノール 40m£に溶 解した溶液を混合し、 一晩攪拌してピコリン酸アミ ド亜鉛 0. 2 Mのエタノール 溶液を得た。
製造例 8 ピコリン酸了ミ ド亜鉛 (Zn: ピコリン酸ァミ ド = 1 : 2) (化合物 D) ピコリン酸アミ ド 3. 66 g (0. 0 3πιο£) をエタノール 7 5m£に溶解する。 これに、 ZnC fi2 2. 04 g (0. 0 1 5mo_g) をエタノール 40m£に溶解し た溶液を混合する。 一晩攪拌すると白い結晶がわずかに析出する。 これを No.5 C
攄紙で濾過し、 エタノール、 次いでジェチルエーテルで洗淨する。 これを放置し てジェチルエーテルを揮発させた後、 電気乾燥機中、 6 Ot:で乾燥させ、 目的化 合物を得た。
元素分析
計算値 (%) C: 37. 87 H: 3. 18 N: 14. 72
Zn: 17. 18
実験値 (%) C: 37. 46 H: 3. 15 N: 14. 50
Zn: 18. 69
元素含量計算値を基にした、 実験値に最も近い計算値は以下の比率であった。
ピコリン酸了ミド:亜 =2 : 1
実施例 6
錠剤
(処方) (g)
(1) 亜鉛ジピコリネート 10
(2) 乳糖 (日本薬局方品) 40
(3) コーンスターチ (日本薬局方品) 20
(4) 結晶セルローズ (日本薬局方品) 20
(5) ヒドロキシプロピルセルローズ (日本薬局方品) 5
(6) ステ了リン酸マグネシウム (日本薬局方品) 2
mm
上記 (1) 〜 (4) 及び (6) を充分混合したものを (5) の 5%水溶液で顆 粒化し、 200メッシュの篩に通して注意深く乾燥し、 これを常法により打錠し て錠剤 1000錠を調製した。
実施例 7
親氷ヮセリ ン軟膏
(処方) (g)
(1) 亜鉛ジピコリネート 1
(2) ステアリル了ルコール 220
(3) 白色ヮセリン 250
(4) パラォキシ安息香酸プ ピル 0. 15
(5) パラォキシ安息香酸メチル 0. 25
(6) プロピレングリコール 120
(7) ラウ リル硫酸ナト リウム 15
(8) 精製永 適 量
全 量 1000
(I) 第九改正日本薬局方 (第二部) 親水軟膏の製法に準じて上記 (2) 〜 (3) の成分を氷浴上で溶解した後、 撹拌して 75での混合物を形成した。
(II)上記 (1) 及び (4) ~ (7) の成分を上記 (8) の精製水に添加した後、 加熱溶解して 75 tの氷溶液を調製した。
(III) 次いで、 上記 (II)で調製された水溶液を上記 (I)で形成された混合物に添 加した後、 固まるまでよく撹拌し、 目的の親水軟脊剤を得た。
実施例 8
バニシングクリーム
(処方)
(1) ステアリン酸 10 0
(2) パラフィンワックス (135 F) 2 0
(3) 鯨ロウ 2 0
( ) セチリレ了 Jレコー Jレ 2 0
(5) イソオクタン酸セチル 5 0
(6) モノラウ リ ン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン (20 E〇) 3 0
(7) パラォキシ安息香酸ブチル 0 1
(8) パラォキシ安息香酸メチル 0. 1
( 9 ) 水酸化ナト リウム 0. 15
( 10 ) 濃グリセリ ン 5. 0
(11) 化合物 A 0. 5
( 12 ) 香料 適 量
(13) 精製水にて全量 100. 0
(製法)
(I) 上記 (1) 〜 (7) の成分を 80〜85 に加温し、 均一に溶解した。
(II)上記 (8) 〜 (11) の成分と (13) の精製水を 80〜85"Cに加温し、 均一に溶解した。
(III) 次いで、 80でで上記(I)に上記 (II)を少量ずつ添加し、 均一に乳化した 後、撹拌下 45 :まで冷却した。
(IV) 45 tで (III)に上記 (12) の香料を添加後、 均一に撹拌し、更に撹拌下 室温まで冷却した。
得られたバニシングクリームは安定なェマルジヨンであった。
実施例 9
クレンジングク リーム
(処方) m%)
(1) サラシミツロウ 3. 0
(2) 流動パラフィン 30. 0
(3) セチル了ルコール 2. 0
(4) イソオクタン酸セチル 10. 0
(5) パラォキシ安息香酸ブチル 0. 1
(6) パラォキシ安息香酸メチル 0. 1
(7) ト リエタノール了ミン 0. 2
(8) プロピレングリコール 5. 0
(9) 亜鉛ジピコリネート 0. 1
(10) 酸化防止剤 適 量
( 11 ) 香料 適 量
(12) 精製水にて全量 100. 0
mm
上記 (1) 〜 (12) の成分を実施例 8に準じて添加し、乳化したところ、 安 定なェマルジヨンが得られた。
実施例 10
ミルクローション
(処方)
(1) ステアリン酸 3. 0
(2)鯨 ウ 3. 0
(3) 親油型モノステ了リン酸グリセリン 2. 0
(4) サラシミツロウ 2. 0
(5) 飽和脂肪酸 (C8〜C12) トリダリセライ ド 10 0
(6)パラォキシ安息香酸ブチル 0 1
(7)パラォキシ安息香酸メチル 0 1
(8) L一了ルギニン 1 0
(9) ソルビトール 3 0
(10) ビス (L一ヒスチジノレート) 亜鉛 (II) 0 3
( 11 ) 眷料 0 1
(12)精製水にて全量 100 0
(製法)
上記 (1) 〜 (12) の成分を実施例 8に準じて添加し、 乳化したところ、 安 定なェマルジヨンが得られた。
実施例 11
メイクアップクリーム
(処方)
(1) セチルアルコール 2, 0
(2) ステアリン酸 5. 0
(3) 自己乳化型モノステ了リン酸グリセリン 2. 0
(4) パラォキシ安息番酸ブチル 0, 1
(5) 酸化チタン 1, 0
(6) 酸化鉄顔料 0, 5
(7) パラォキシ安息香酸メチル 0, 1
(8) 2—ァミノ一 2—メチル一1, 3—プ口パンジオール L 0
(9) ポリエチレングリコール 1500 3 0
(1 0) ビス (3, 4ージヒ ドロキシベンゾエート) 亜鉛 (II) 0. 5
( 11 ) 香料 適 量
(12) 精製氷にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (12) の成分を実施例 8に準じて添加し、 乳化したところ、 安 定なェマルジヨンが得られた。
実施例 12
栄養クリー厶
(処方)
(1) サラシミツロウ 10. 0
(2) ノヾチルアルコール 1. 0
(3) スクヮラン 20. 0
(4) ト リオクタン酸グリセリル 20. 0
( 5 ) 親油型モノステ了リン酸グリセリン 2. 0
(6) モノラウリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン (20 EO) 2. 0
(7) パラォキシ安息香酸プロピル 0. 1
(8) パラォキシ安息香酸メチル 0. 1
(9) 濃グリセリン 5. 0
(10) ジヒノキチォレート亜鉛 (II) 0. 02
(11) 酸化防止剤 適 量
(12) 精製永にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (12) の成分を実施例 8に準じて添加し、 乳ィヒしたところ、 安 定なェマルジョンが得られた。
実施例 13
WZO型クリー厶
(処方) (重量%)
(1) サラシミツロウ 10. 0
(2) バチルアルコール 3. 0
(3) 流動パラフィ ン 30. 0
(4) ト リオクタン酸グリセリル 20. 0
(5) パラォキシ安息香酸ブチル 0. 2
(6) レシチン 5. 0 '
(7)亜鉛ジピコリネート 0. 1
(8)酸化防止剤 適 量
(9)精製氷にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (9) の成分を実施例 8に準じて添加し、 乳化したところ、 安定 なェマルジヨンが得られた。
実施例 14
パック (ピールオフ型)
(処方) (重量%)
(1) ポリビニールアルコール 15. 0
(2) ポリビニルピロ リ ドン 5. 0
(3)パラォキシ安息香酸メチル 0. 2
(4)濃グリセリン 5. 0
(5) ジヒノキチォレート亜鉛 (II) 0. 0001
(6) エチルアルコール 15. 0
( 7 ) 精製水にて全量 100. 0
(製法)
上記 (7) の精製永に一部のエチルアルコールで湿潤した成分 (1) のポリビ ニルアルコールと成分 (2) のポリビニルピロリドンを加えた後、 70でに加温 し時々撹拌しながら一昼夜放置する。 翌日、 成分 (4) (5) と成分 (6) の残 部を加え均一に撹拌した後、 撹拌下室温まで冷却し、 パックを得た。
実施例 15
化粧氷
(処方)
(1) エチルアルコール 10, 0
(2) ポリオキシエチレンラウリルエーテル (9E〇) 2. 0
(3) 感光素 201号 0. 001
(4) 番料 適 量
( 5 ) 濃グリセリ ン 5. 0
(6) 1, 3—ブチレングリコール 3. 0
(7) ビス亜鉛' 2Na塩 0. 05
(8) 色素 適 量.
( 9 ) 精製永にて全量 100. 0
mm
(I) 上記 (1) のエチルアルコールに上記 (2) 〜 (4) の成分を力 Πえ、 均一に 溶解した。
(II)上記 (9) の精製水に上記 (5) 〜 (7) を加え、 均一に溶解した。
(III) 次いで、 上記 (I)に上記 (II)を加え、 均一に混合し可溶化した後上記 (8) の色素で着色し化粧水を得た。
実施例 16
ハンドクリー厶
(処方) (重量%)
(1) サラシミツロウ 2. 0
(2) ステアリン酸 2. 0
(3) 飽和脂肪酸 (C8~C12) トリグリセライド 10. 0
(4) セチ Jレア Jレコーリレ 4. 0
(5) モノステ了リン酸
ポリエチレングリコール (10EO) 2. 0
(6) パラォキシ安息眷酸プロピル 0. 1
(7) パラォキシ安息香酸メチル 0. 1
(8) トリエタノールアミン 1. 0
(9) 濃グリセリン 3. 0
(10) ビス 'ニコチン酸了ミ ド亜鉛 0. 001
(11) 酸化防止剤 適 量
(1 ) 精製水にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (12) の成分を実施例 8に準じて添加し、 乳化したところ、 安 定なェマルジヨンが得られた。
実施例 17
粉白粉
(処方) (重量%)
(1) 沈降炭酸カルシウム 30. 0
(2) 二酸化チタン 3. 0
(3) ステ了リン酸亜鉛 5. 0
(4)顔料 適 量
(5)香料 適 量
(6) 化合物 A 5. 0
(7) タルクにて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (7) の成分を均一に混合し、 常法に従って粉白粉を製した。 実施例 18
練白粉
(処方) (重量%)
(1)二酸化チタン 20. 0
(2) 亜鉛華 5. 0
(3)酸化鉄顔料 5. 0
(4) 亜鉛ジピコリネート 30. 0
(5) 香料 適 量
(6) 濃グリセリン 10. 0
(7)精製水にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (4) の成分を均一に混合しながら上記成分 (5) の番料を均一
に噴霧し、 これに上記成分 (6) (7) を徐々に加えて練り合わせて製した 実施例 19
サンスクリーン乳液
(処方)
(1) ステァリン酸 2. 0
(2) セチルアルコール 1. 0
( 3 ) 自己乳化型モノステ了リン酸グリセリン 1. 0
(4) ジメチルポリシロキサン 2. 0
(5) セチ Jレアルコール 1. 0
(6) ジヒノキチォレート亜鉛 (II) 2. 0
(7) 流動パラフィン 10. 0
f、o Q )ノ k 1 Πソ "1 "ノ ノ }—JU ミヽンノ 1. 0
(9) プロピレングリコール 3. 0
10) 酸化チタン 5. 0
11) ベントナイ ト 0. 5
12 ) 殺菌防腐剤
13) 番料 M 量
14) 精製水にて全量 100. 0
- (製法)
上記 (1) ~ (14) の成分を実施例 8に準じて添加し、乳化したところ、 安 定なェマルジヨンが得られた。
実施例 20
Uップクリーム
(処方) (重量%)
(1) キャンデリラロウ 10. 0
(2) カルナゥバロウ 4. 0
(3) セレシン 3. 0
(4) マイクロクリスタリンワックス 3. 0
(5) ラノ リン 10. 0
(6) ト リオクタン酸グリセリル 40. 0
(7) ヒマシ油 20. 0
(8) 亜鉛ジピコリネート 0. 003
(9) 酸化防止剤 適 量
(10) 流動パラフィ ンにて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (10) の成分を加温 (85t) し均一相とした後、 脱泡後型に 流し込み急冷してスティック状とした。
実施例 21
親氷軟脊
(処方) 1%)
( 1 ) ステアリルアルコ一ル 20. 0
(2) 白色ヮセリ ン 25. 0
( 3 ) パラォキシ安息香酸プロピル 0. 2
(4) パラォキシ安息香酸メチル 0. 2
(5) プロピレングリコール 12. 0
(6) 化合物 A 1, 0
(7) N—ァシルグルタ ミン酸モノナト リウム 1, 0
(8) 精製水にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (8) の成分を実施例 8に準じて添加し、 乳化したところ、 安定 な軟膏剤が得られた。
実施例 22〜 27
(処方)
表 4
実 施 例
Not 成 分 名 S-L CVl 上
22 23 24 25 26 27
1 ト リオクタン酸グリセ リル 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0
2 サラシミツ πゥ 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5
3 親油型モノステアリ ン酸グリセリ ン 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
4 ステアリ ン酸バチル 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0
5 ポリオキシエチレンべへュルエーテル (10E0) 丄, υ 丄. υ 1上, η υ 1丄. η υ 1上, η υ 1丄, η υ 1.0
CO 6 ポリオヰシエチレンべへュルェ一テル (20E0) 丄, U 丄, u 1.0 1.0 1丄. η U 丄. U 1, n w
7 化合物 A 0.093
8 亜鉛ジビコ リネート 0.093
9 ジヒノキチォレート亜鉛 (II) 0.118
10 ビス (3, 4—ジヒドロ牛シベンゾネート) 亜鉛 (II) 0.050
11 ビス (L—ヒスチジノレート) 亜鉛 (Π) 0.066
12 ビス (2, 5—ビリジンカルボ牛シレート) 亜鉛 (II) · 0.132 2ナト リウム
13 精製水 適 量
合 計 100. 0 (重量%)
mm
( I ) 上記成分 1〜 1 2を 8 o t:に加温し、 均一に混合した。
(II) 上記成分 13を 8 O :に加温した。
(III) 次いで、 8 O で上記 (I) に上記 (II) を少量ずつ添加し、 均- に乳 化した後、 攪拌下 2 O :まで冷却した。
得られた乳液は安定なエマルシヨンであった。
実施例 28
乳 剤
ノ
( 1 ) ト リオクタン酸グリセリル 30. 0
(2) サラシミツロウ 2. 5
(3) 親油型モノステ了リン酸グリセリン 1. 0
(4) ステアリン酸バチル 2. 0
(5) ポリオキシエチレンベへニルエーテル (10BO) 1. 0
(6) ポリオキシエチレンベへニルエーテル (20BO) 1. 0
(7) 殺菌防腐剤
(8) ニコチン酸 0. 1
(9) 塩化亜鉛 0. 06
(10) 精製水にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (10) の成分を実施例 8に準じて添加し、 乳化したところ、 安 定なエマルシヨンが得られた。
実施例 29
乳 剤
(処方) (重量 )
(1) 親油型モノステアリン酸グリセリン 2. 5
(2) 精製了ボガド油 8. 0
(3) 水素添加レシチン 1. 0
(4) 化合物 A 0. 1
(5)殺菌防腐剤 適量
( 6 ) 精製永にて全量 100. 0
mm
上記 (1) 〜 (6) の成分を実施例 22に準じて添加し、 乳化したところ、 安 定なエマルシヨンが得られた。
実施例 30
化粧水
(処方) (重量%)
(1) 1 %水酸化ナトリウム水溶液 2. 5
(2)濃グリセリン 1, 0
(3) ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル (15B0) 0, 3
(4) ニコチン酸 0 1
(5)塩化亜鉛 0 06
(6) エチルアルコール 15. 0
(7)精製水にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) ~ (7) の成分を実施例 15に準じて添加し、均一に混合したとこ ろ、 安定な化粧氷が得られた。
実施例 31
化粧氷
(処方) (重量%)
(1) L—ァスパラギン酸 0. 1
(2)塩化亜鉛 0. 09
(3) エチルアルコール 5. 0
(4)精製水にて全量 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 ) の成分を実施例 15に準じて添加し、 均一に混合したとこ ろ、安定な化粧水が得られた。
実施例 32
二層性ローション
(処方)
(1) ビス ·ニコチン酸アミ ド亜鉛 0 3
(2)酸化亜鉛 0 8
(3) エチルアルコール 5 0
(4)精製水にて全量 100 0
(製法)
上記 (1) 〜 (4) の成分を実施例 15に準じて添加し、 均一に混合したとこ ろ、 二層性ローションが得られた。
実施例 33
ェモリエントクリ一ム
(処方)
(1) スクヮラン 5 0
(2) ォクチルドデカノール 6 0
(3) 還元ラノ リン 2 0
(4) ステアリルアルコ一ル 7. 0
(5) ポリオキシエチレンセチルエーテル (25B0) 3. 0
( 6 ) 親油型モノステ了リン酸グリセリン 2. 0
(7)化合物 D 0. 5
(8)濃グリセリン 5. 0
(9)防腐剤
(10)精製水にて 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (10) の成分を実施例 8に準じて添加し、 常法に従ってェ-モリ ェントクリームを製造した。
実施例 34
日焼け止めクリーム (重量%)
(1) 固形パラフィン 5. 0
(2) サラシミッロウ 10. 0
(3) マイクロクリスタリンワックス 5. 0
(4) 白色ヮセリン 10. 0
(5) スクヮラン 40. 0
(6) ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート (20B0) 1, 0
(7) ソルビタンセスキォレエ一ト 5, 0
(8) ニコチン酸了ミ ド 0. 1
(9) 塩化亜鉛 0. 05
(1 0) PH調整剤
(11) 防腐剤
(12) 精製水にて 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (12) の成分を実施例 8に準じて添加し、常法に従って日焼け 止めクリームを製造した。
実施例 35
化粧水
(処方)
(1) 濃グリセリン 5 0
(2) ポリエチレングリコール 1 500 2 0
(3) ポリオキシエチレンォレイルエーテル (15B0) 2 0
(4) 化合物。 1 5
(5) エタノール 8. 5
(6) 防腐剤 適量
(7) 精製水にて 100. 0
(製法)
上記 (1) 〜 (7) の成分を実施例 15に準じて添加し、常法に従って化粧氷 を製造した。
実施例 36
ヘアトニック
(処方)
(1 ) エタノール 7 0. 0
(2) 酢酸^—な トコフヱロール 0. 0 5
(3) パントテニールアルコール 0. 2
(4) プロピレングリコール 3. 0
(5) エタノール可溶性ポリぺプタイ ド 8. 5
(6) 化合物 B 0. 1
(7) PH調整剤
(8) 香料
(9) 防腐剤
( 1 0) 精製水にて 1 0 0. 0
(製法)
上記 ( 1) 〜 (1 0) の成分を実施例 1 5に準じて添加し、 常法に従ってへ了 トニックを製造した。
実施例 3 7 (紫外線障害に対する亜鉛化合物配合組成物の効果)
紫外線照射には光源として F L 2 0 S E健康線用蛍光ランプ (東芝製) を 2本 を備えた照射装置を用いた。
紫外線照射障害の程度は、 紫外線照射後の表皮中のサンバーンセル (SBC : s un b u r n c e l l ;紫外線照射により障害をうけた細胞) の数を力ゥン トすることにより行った。
実験に用いた組成物は、 前記実施例 2 2、 実施例 2 4、 実施例 2 5、 実施例 2 6及び実施例 2 7に示される処方の組成物を用いた。
へ了レスマウス (BALBZc J c 1 -h r ;日本クレ了社製) の背部を剃 毛した後、 比較例 1の処方を基剤として用い、 更に対照として無処置マウスをコ ントロールとした。 上記各供試組成物を麻酔下にて 8時間毎に 3回塗った。 最後 の塗布の 2 4時間後に、 各マウスの体基部に 2 5 OmJ cm2 を照射した。 照射 2 4時間後、 マウスを屠殺し、 皮膚を採取した後、 1 0%ホルマリン固定を行い、 常法にのっとった組織学的技術を用いて、 組織を取り出し、 処理を行い組織切片 標本を作製した。 作製した各標本をへマトキシリン ·ェォジン染色した後、 背部
上皮における S B Cの数を 3人によりカウントし、 3人の平均の S B C数を採用 しん
その結果を表 5に示す。
表 5
表 5の結果より、 比較例 1及びコントロールと比較して、 上記各供試組成物が 紫外線照射による細跑の障害を抑制していることが確認された。
上記の結果より紫外線刺激などによる皮膚炎や日焼けの改善、 日焼けの予防に 上記各供試組成物は皮膚疾患治療剤、 放射線障害治療剤、 或いは化粧料として有 用であな。
実施例 38 (紫外線紅斑 (UVB紅斑) に対する亜鉛化合物配合組成物の抑制効 果の検討)
紫外線照射には光源として FL 20 SE-30サンランプチューブ (東芝製) を備えた DERMARY— 10 0 (クリニカル 'サプライ製) を用いた。
紅斑の測定にはダーマぺクトロメーター (商品名: De rma Sp e c t r ome t e r ) ¾r用いて行つた。
ハートレイ系モルモット (体重 300 g ;日本クレア社より購入) 2匹の背部 を電気バリ力ン及び電気力ミソリにて剃毛した後、 モルモッ卜の背部皮廣にコン ト口ールとして比較例 1を基剤として用い、実施例 22及び実施例 23の組成物 を 1. Ocm2 の範面、 2力所に塗布した。 24時間後に組成物を除去し 3 ME D
(90 OmJZon2 ) の紫外線 (UVB) を照射し、 その後経時的に局所の紅斑
量を照射後から 72時聞後まで無麻酔下に測定した。 紅斑量は紅斑指数で表した。 紅斑指数の詳細は、 ディフィ一らの報告に述べられた通りである 〔Di f f ey, B. L. , e t a 1. , Br i t. J. De rma t o l. , 663
- 672 ( 1984 ) 〕 即ち、 以下の式で示される。 反射した光の赤を構成する部分の吸収
紅斑指数 =£og10
反射した光の緑を構成する部分の吸収 その結果を図 4及び図 5に示す。
図 4中、 縦軸は紅斑指数を横軸は紫外線照射後の時間経過を示し、 C 0 n tは コントロール群を示し、 Zn. Tiは実施例 22群を示す。
図 5中、 縦軸は紅斑指数を、 横軸は紫外線照射後の時間経過を示し、 c on t はコントロール群を示し、 Zn. pは実施例 23群を示す。
図 4中及び図 5中の結果から、 コントロール群に比較して実施例 22群及び実 施例 23群ともに紫外線照射直後の紅斑の出現を抑制し、 24時間後から出現す る遅発性の紅斑についても同様に抑制する傾向が確認された。
一般に紫外線による紅斑の出現は紫外線照射直後に出現する紅斑と紫外線照射 後およそ 24時間後当りから出現する遅発性の紅斑の 2蜂性の紅斑を示すとされ るが、 上記の結果の如く本発明の亜鉛化合物含有組成物は、 紫外線による紅斑を 抑制することから、 紫外線刺激などによる皮膚炎や日焼けの改善、 日焼けの予防 に有用である。
実施例 39 (亜鉛化合物外用による MT誘導及び SBC形成に対する抑制効果) ヘアレスマウス 〔BALBZc J c -h 日本クレア社より購入 (7週 齢) 〕 を 1群 3匹として用い、 本発明の亜鉛化合物の MT誘導劲果及び SB C形 成抑制効果を調べた。
亜鉛化合物としては、 化合物 B及び化合物 Cの 3 X 10— 3M及び 3 X 10"4M
1. 5%エタノール溶液を用い、 コントロールとして 1. 5%エタノール溶液を 用いた。
ヘアレスマウスに抱水クロラール (3. 6%) を腹腔注射 (0. 8cc/100g) により麻酔を行ない、 背部 ·耳介皮膚に亜鉛化合物又はエタノール溶液を 8時間
毎 3回外用した。
採取した皮藤をホルマリン固定し、 実施例 1と同様にして MT抗体との反応性 を調べた。 結果を表 6に示す。 なお、 該表中、 (一) は MT染色で MTと反応な し、 (+) は弱い反応あり、 (++) は反応あり、 (+++) は強い反応ありを 表す
表 6
表 6の結果より、 コント ール群の MTの誘導はほとんど認められなかったが、 亜鉛化合物外用群は表皮、 脂腺ともに亜鉛化合物の濃度が髙くなるにつれて MT の誘導が強くなることがわかる。
また、 亜鉛化合物を 8時間每 3回外用後のマゥス背部及び耳介皮 »に U V B 2 0 0 mJ/crn2 を照射した。 照射 2 4時間後、 マウスを屠殺し、 背部及び耳介の 皮膚を 6 ramトレパンにて採取した。 これを 1 0 %ホルマリンで固定した後、 組織 切片標本を作製し、 これをへマトキシリン♦ェォジン染色した。 作製した組織染 色標本長さ 1 mm当りの S B C数を数えた。 結果を表 7に示す。
表 Ί
表 7の結果より、 コント口ール群に比べ亜鉛化合物外用群の S B C数は少なく、 紫外線照射による細胞の障害を亜鉛化合物が抑制していることがわかった。
産業上の利用可能性
本発明の皮膚疾患治療剤、 MT誘導剤、 S B C産生抑制剤、 紫外線防止用等の 化粧料は、 優れた日焼け症改善効果、 日焼け予防効果、 皮膚疾患改善効果、 放射 線障害治療効果を有する。
従って、本発明の皮膚疾患治療剤、 MT誘導剤、 S B C産生抑制剤はヒトの皮 霜炎、 日焼け症、 神経皮膚炎、 皮膚脈管炎、 乾癬、 多形性紅疹、 ペーチエツ ト病、 水 性皮膚炎、 セメント皮膚炎、 湿瘆、 肛門性器そう痒症などの皮膚疾患の治療 及び放射線障害治療剤として放射線被賜による白血球の減少、 脱毛、 皮膚の発赤、 吐き気、 食欲不振、 全身倦怠感などの被曝障害の治療剤として有用であり、 また 本発明の化粧料は日焼けの予防や皮膚の老化の予防に有用なものである。 また、 本発明の亜鉛化合物は経口及び皮庸外用投与による吸収性が良く、 作用が長く、 かつ低毒性で優れている。