明
発明の名称 溶融金属の非金属介在物除去システム
技術分野
5 本発明は、 鋼の連続铸造設備糸 等において溶融金属中の非金属 田
介在物を分離除去するためのタンディ ッ シュ、 移動磁場発生用 電磁コイル装置、 およびこれらの移動装置ならびに操業方法を 含む溶融金属非金属の介在物除去システムに関する。
背景技術
1 0 高級薄鋼板の製造技術のなかで 段階での非金属介在物 除去は製品の不良率を大き く左右する技術である。 近年の溶鋼 清浄化技術の動向と しては、 ( 1 ) 連続铸造における取鍋とモールド間の中間容器、 すなわ ちタ ンディ ッ シュの大型化を図り、 タンディ ッ シュ内での溶鋼t-
1 5 滞留時間を延長する こ と に よ り 介在物の浮上を期待する も の、
( 2 ) タンディ ッ シュ内に多段の堰を設け、 堰によ り溶鋼の通
過経路を制御し、 やはり タ ンディ ッシュ内での溶鋼滞留時間を 延長するもの、
( 3 ) イマ一ジョ ンノズル吐出孔形状の変更によるモール ド内 の溶鋼流流動制御を行い、
モールド内において、 ノズル吐出孔よ りの溶鋼流によ り生ず るモール ドパウダー巻き込みを防止するもの、
などがあげられる。
しかしながら、 これらの方法では十分な品質改善効果は得ら れず、 と く に鍋交換と呼ばれる注入の非定常時の品質は問題と なるレベルであった。 そこで、 その対策と して、 特開昭 5 8 — 2 2 3 1 7号、 同 5 5 - 1 0 7 7 4 3号、 特開平 0 1 - 3 1 2 0 2 4号および同 0 2 — 2 1 74 3 0号公報に開示されるよう に、 溶鋼を水平回転流とせしめ、 介在物を浮上させるという方 法がある。 これらの技術は、 溶融金属と非金属介在物に水平回 転による遠心力を与え、 その比重差によ り非金属介在物を旋回 中心に集め、 衝突、 吸着、 凝集合体を促進するこ とによ り分離 する という技術である。 本技術は、 単に滞留時間を延長した り、 タ ンディ ッシュ内の溶鋼通過経路を制御するという方法に 比べて介在物の分離効果を向上させるこ とができ、 また、 同一 分離能力を期待した場合、 タ ンディ ッシュの大幅な小型化が可
能であるという点で有効であると考えられる。
と ころで、 特開昭 5 8 — 2 2 3 1 7号公報開示された技術で は、 旋回力の発生装置をタンディ ッ シュの外側に単に付設して いるにすぎず、 また、 特開昭 5 5 — 1 0 7 7 4 3号公報、 特開 平 0 1 - 3 1 2 0 2 4号や同 0 2 - 2 1 7 4 3 0号公報等に開 示された技術では、 タンディ ッシュの外周に単に励磁コイルを 配設しているのみであり、 具体的な設備構成は全く 示されてい ない。 従って、 これらの技術を適用した場合、 タ ンディ ッ シュ を修理等で移動させる際にはこの移動量はかなり多く なるが、 旋回力の発生装置や励磁コイルも一緒に移動させるこ とになる ため、 電源ケーブルや冷却水等の着脱の制約をう けるという問 題があった。
特に、 旋回力を電磁気的に付与する装置 (励磁コイル) の場 合には、 ケーブルの接続など多く の人手を要しており 、 それら の作業が極めて困難とな ている。 反面、 タ ンディ ッ シュと コ ィ ルの取り あいは、 事前に調整できる という メ リ ッ トがある 力 それにもま して前述の困難さが問題である。
また、 特開昭 5 8 — 2 2 3 1 7号や特開昭 5 5 — 1 0 7 7 4 3号公.報では上述した水平回転流を用いて溶鋼の清浄化を図る 方法には、 以下のような問題点がある。
( 1 ) 溶鋼を水平回転させた場合には、 溶鋼の外周が遠心力に よ りパラボラ状に盛り上がり、 その盛り上がり高さは半径およ び回転数の二乗に比例するため、 半径の増加は設備高さの大幅 な増大を招く うえ、 溶鋼全てを水平回転させるためには、 大き な電磁コイルが必要であり、 設備費も増大するため、 現実的で はない。
( 2 ) 回転半径を小さ くするこ とは、 設備的には好ま しい方向 ではあるが、 タンディ ッシュ容量を小さ く すると、 取鍋交換を 実現するための溶鋼パッファ一機能が果たせなく なる。
( 3 ) 回転流によって生じる空気巻き込みによる溶融金属の上 面の空気酸化や耐火物の溶損等が同時に進行し、 容器内で生成 される非金属介在物が急激に増加し、 大型の非金属介在物が流 出してしまう。 この対策と しては、 耐磨耗性に優れた高価な耐 火物を容器全体にわたって使用し、 また、 容器全体をガス等で シールする必要があり、 、コス トアップとなる。
また、 上述したように、 溶融金属の連続鎊造に際して、 タン ディ ッシュ内の非金属介在物や取鍋スラグ等 (以下、 スラグと いう) の铸型内への持込みを著しく減少させるために、 従来よ り、 溶融金属の鐯造に際しスラグを分離除去する手段と して、 溶融金属を水平に回転させ、 溶融金)!とスラグの密度差によつ
て生じる遠心力の差を利用し、 非金属介在物を回転中心に集中 分離する手段 (特開昭 5 5 - 1 0 7 7 4 3号公報参照) あるい は水平回転後に自然浮上によ り非金属介在物を分離させる手段 (特開平 0 1 - 3 1 2 0 2 4号公報参照) を用いたものがあ る。
しかしながら、 いずれの場合もタンディ ッ シュ 5 4の溶融金 属回流槽 5 4 aの回流部が取鍋ノ ズル 5 3近傍にあ り 、 図 3 4 、 3 5 に示すよ う に取鍋ノ ズル 5 3 を回転する溶融金属 5 1 中に浸漬させるため、 溶融金属 5 1 の流速によ り 力を受け 溶損や折損等の恐れがある。 図 3 4にて、 5 8はタ ンディ ッ シュノズル、 5 9は铸型、 6 0は铸片である。
また、 上述した水平回転流を用いて溶鋼の清浄化を図る方法 にも、 さらに以下のような問題点がある。
( 4 ) 水平回転によ り介在物を分離した溶鋼を、 回転槽底部の 単に溶鋼の回転中心から近い部分よ り流出させたのでは、 タ ン ディ ッ シュの溶鋼レベルが低下した時には、 介在物分離効果が 減少する。
( 5 ) 特に底部、 つま り回転槽耐火物の底面から直接溶鋼を铸 型内へ流出させる場合は、 注入の全域にわたり優れた介在物分 離効果を得るこ とは困難である。
これは、 回転槽から直接モールドに注入する形式の場合も、 回転槽から浮上槽 (分配槽) を経て铸型に注入する場合も同様 である。
また、 一般に、 タンディ ッシュには、 炭素鋼が用いられてお り、 特に静磁場を印加する場合には、 磁場の減衰を抑えるため にオーステナイ ト系ステンレス鋼が使用されている (特開平 1 一 2 7 9 7 0 6号、 特開平 2 — 2 1 7 4 3 0号および特開平 1 - 3 1 2 0 2 4号公報参照) 。
タンディ ッシュに移動磁場を印加する場合、 タンディ ッ シュ 容器部材が炭素鋼のときは、 磁界が減衰されてタンディ ッ シュ 内の溶鋼に有効に磁場を与えることができないという問題点が あつに。
また、 タンディ ッシュ容器部材がステンレス鋼のときは、 磁 界は減衰されないが、 電気的に良導'体であるため、 移動磁場内 では、 タンディ ッシュ容器部材内に渦電流が発生し、 そのため 容器を動かそう とする力が発生して、 容器全体を振動させると いう問題があった。
また、 上述したように、 タンディ ッシュの中の溶鋼の温度低 下防止と、 この溶鋼に回転力を付与させ遠心力の差で溶鋼中の 介在物をタンディ ッシュ中央に浮上分離する方法と しては、 例
えば特開平 0 1 — 2 4 5 0 1 9号に記載されているよ う に図 4 5 または 4 6に示す装置が本出願人によ り提案されている。 図 4 5 、 4 6に示される装置の特徴は、 タ ンディ ッ シュ 9 1 の 周囲に加熱を目的と したソ レノィ ドコイル 9 2 と回転撹拌を目 的と した移動磁界発生用のコイル 9 3 とを設置している点にあ る
の装置は加熱と回転撹拌とをそれぞれ個別に機能させる場 合は問題ないが、 同時に運転させた場合に問題が生じる。
図 4 5 、 4 6に加熱用のソ レノイ ドコイル 9 2 と撹拌用の移 動磁界発生用コイル 9 3を同時に運転した場合の溶鋼 9 4に発 生する溶鋼のフローパターンを示す。
加熱用のソ レノィ ドコイル 9 2によって生じる溶鋼 9 4のフ 口一パターンは、 「財団法人省エネルギーセンター発刊 "工業 用電気加熱" の P . 1 1 1 の図 4 . 2 3 J に示されるるっぽ誘 導炉の場合と同様であり '、 ソ レノイ ドコイル 9 2 を中心に上下 方向の反転流 9 5が形成されるこ とがわかっている。
—方、 回転撹拌を目的と した移動磁界発生用コイル 9 3によ り生じる溶鋼のフローパターンは水平方向の回転流 9 6 であ る。
従って、 加熱用のコイル 9 2 と撹拌用のコイ ル 9 3 を同時に
運転した場合には、 介在物の分離を目的と した水平方向の回転 流 9 6 は加熱用コイル 9 2 の運転によって生じる上下反転流
9 5によって乱され、 結果的には水平方向の回転流 9 5が弱ま るため、 介在物の分離機能が低下するという問題が生じる。
また、 上述したように、 成品品質を決定する上での重要なポ イ ン 卜 となる連続铸造設備のタンディ ッシュにおける介在物浮 上分離技術が、 特開平 1一 3 1 2 0 2 4号に開示されている。 すなわち、 図 4 9 、 5 0 に示されるよ う に長方形タ ンディ ッ シュ 1 1 0においてレードル 1 0 5からの溶鋼の落下槽となる 回流槽 1 1 0 aの外周に、 移動磁界を発生する半円筒のコイル 装置 1 0 1 を設置し、 これによつて前記槽 1 1 O a内の溶鋼
1 0 6を攪拌し比重の小さい介在物を遠心力で浮上分離する方 法があげられる。 1 0 2は溶鋼通路、 1 0 3は鉄皮、 1 0 4は 耐火材料、 1 0 7 は レー ドルの浸漬ノ ズル、 1 0 8 はタ ン ディ ッ シュの浸漬ノズル、 1 0 9 は溶鋼の回転を示す矢印、 1 1 0 bは分配槽である。
この装置によ り溶鋼 1 0 6に水平回転流 1 0 9を与えると、 タンディ ッシュ 1 1 0の回流槽 1 1 0 aの溶鋼回転湯面 1 0 6 aは図 4 8に示すように回転数との関係で凹面となる。 1 0 6 bは溶鋼静止湯面を示す。 図 4 8 に示す溶鋼の凹面深さを Z
( m ) 、 溶鋼の回転数を N ( r p m ) 、 回転半径を r ( m ) 重力を g とすれば、 これらの関係は次式で示される。
3 0 2 g Z
N = ( 1 ) π r 溶鋼の回転湯面 1 0 6 a (凹面) が発生するこ とによって生 ずる問題と して、 レードル 1 0 5から溶鋼 1 0 6を酸化させる こ と な く 注入するための浸漬ノ ズル 1 0 7が長く な り すぎる と、 ノズルコス トが高く なるばかりカ 熱的な衝撃等によ り折 れ易く なる欠点が生じる。 また、 凹面が発生するこ とによって、 溶鋼表面 1 0 6 aの面 積は大き く なるため、 溶鋼表面 1 0 6 aの酸化が促進されると いう問題もあった。 また、 図 4 9〜 5 0の例ではタンディ ッ シュ 1 1 0の形状が 規定されており、 半円筒のコィル装置 1 0 1 によって発生する 移動磁界で十分な回転力が得られるが、 タ ンディ ッ シュ 1 1 0 の形状は図 4 9〜 5 0 に限るものではなく 、 例えば図 5 3、 5 4に示す形状もある。 図 5 3、 5 4のよ うな形状のタンディ ッシュ 1 1 0の回流槽 1 1 0 aの溶鋼に回転力を与えるためのコイル装置 1 0 1 を設 置するに当たっては、 いずれの場合も回流槽 1 1 0 aの外周が
両側の分配槽 1 1 0 bによ り 2分割される形状のため、 各コィ ル装置 1 0 l a , 1 0 1 b , 1 0 1 c , 1 O l dは回流槽 1 1 0 aの外周の 1 8 0 ° をカバ一することはできない。
こ こで、 移動磁界によって溶鋼に回転力を与える原理を図 5 5のようにリニァ形の移動磁界発生用コィル装置の場合につい て説明する。 コイルは一般的に 2極であり、 図 5 5のよ うに電 極 1 1 1 から電極 1 1 2に磁束 1 1 3が飛ぶ。 1 1 4は鉄芯、 1 1 5は巻線コイルである。 移動磁界によって発生する渦電流 は紙面の垂直方向に生じ、 溶鋼 1 0 6には移動磁界の移動方向 1 1 7に生じる水平方向の力 1 8 と移動磁界の移動方向 1 1 7 に対し直角方向の押付力 1 1 9が発生する。 水平方向の力 1 1 8を発生するための磁束密度の成分は、 溶鋼 1 0 6の垂直方向 の成分 1 2 0である。
従って、 移動磁界によ り溶鋼 1 0 6に有効な回転力を与える ためには、 溶鋼 1 0 6の垂直方向の磁束密度成分 1 2 0を大き く することが必要である。 この成分を大き く するために、 一般 的には移動磁界発生用コィル装置のポールピッチ 1 2 1 (コィ ルが 2極の場合はコイル長 1 2 2の 1 Ζ 2 ) を大き く する必要 があるからコイル長 1 2 2を長く しなければならない。
図 5 5のようなコイル配置では、 前述のように図 4 9〜 5 0
に示す配置に く らべコイル装置長 1 2 2 が短く なるため溶鋼 1 0 6の垂直方向の磁束密度成分 1 2 0は小さ く 、 溶鋼 1 0 6 の回転力も小さ く なり、 溶鋼 1 0 6中の介在物分離が困難にな る。
また、 上述した特開平 0 1 — 3 1 2 0 2 4号ゃ特開平 0 2 — 2 1 7 4 3 0号によれば、 コイル装置の外殻は磁気損失の少な いオーステナイ 卜系ステンレス鋼等の金属で構成されており 、 溶融金属容器に直接対向して配設されている。 前記コイル装置 は、 例えば図 5 7に示すよ うにケーシング 1 5 2内にコイル本 体 1 5 1 を有し、 このケーシング 1 5 2 には金属が用いられて いる。
と ころで、 コイル装置のケ一シングに金属のよ うな導電体を 用いるような方法では、 ケーシ ング部材内部に移動磁場によ り 渦電流が発生し、 発熱を引き起こ してケーシングの強度低下や ケーシング内のコィル本体を焼損するという問題があった。
また、 上記のようにコイル装置の金属ケーシ ングを露出した 場合には、 溶融金属のタンディ ッ シュから放散される熱を直接 コイル装置の金属ケーシ ングに受け、 コイル装置の故障を引き 起こすという問題があった。 また、 万一溶融金属のタ ンディ ッ シュから溶融金属が溢れ出た場合、 コイル装置を溶損する とい
う問題があつた。
また、 上記のように溶融金属容器周囲に近接してコイル装置 を配置するような場合には溶融金属容器からの放熱がコィル装 置に直接伝わり コィル装置のケーシング強度低下と コィル性能 の低下をまねく という問題や、 溶融金属容器部材の温度が上昇 し強度低下が起こるという問題があつた。
また、 上述したように、 従来よ り溶融金属の铸造に際して非 金属介在物の金属中侵入を避ける方法と して、 容器の流入口か ら流出口へ短絡する流速の大きな溶融金属の流れへの非金属介 在物の巻き込みを防止する目的で、 タ ンディ ッ シュ等におい て、 磁力による回転力を与えて非金属介在物を遠心力によって 分離除去する方法が知られている (特開昭 58 - 223 1 7号参照) 。
また一方で、 容器への流入口において、 容器への落下エネル ギ一によつて、 溶融金属表面を覆った酸化物の金属中へのたた き込み防止の観点から、 溶融金属に先端を浸漬したノズルを用 いて注入する方法が図 6 2に示すように一般的である。 図 6 2 において、 1 8 1 は溶融金属、 1 8 2は取鍋、 1 8 3 aはロン グノズル、 1 8 4はタンディ ッシュ、 1 8 はサブマージ ドノ ズル、 1 8 8は上ぶた、 1 9 3は堰である。
しかしながら、 回転中溶融金属はその回転中心部が凹状に大
き く く ぼむ為、 ノズルを回転中心部へ浸漬する場合には、 ノズ ル 1 8 3 aを容器の底部に達するほど長く しすぎると、 耐火物 コス トの増大につながるばかりか、 強度を保つこ と も困難であ る れを回避するためにノズルを回転中心部よ り はずれて浸 漬する場合には、 溶湯の回転力によ り ノズルが折損するという 危険性を無視するこ とはできない。
これに対し、 浸漬タイブのロングノズルを用いない注湯方法 では、 溶鋼表面を覆った酸化物の溶融金属中 1 8 1 の強制的た たき込みを避けるこ とができず、 回転力によって、 その非金属 介在物を分離除去できたと しても、 取鍋〜回転容器間の中継部 分に問題があった。
すなわち、 図 6 3に例示するように、 一般的に浸漬ノズルを 用いない注湯において、 注湯流を空気酸化から防止する目的で 使用 しているシール管 1 9 4 は、 注湯流からの金属スブラ ッ シュによる断面積の減少を考慮して取鍋ノズル径の 4 〜 5倍以 上の径を有するものが多い。 その為、 取鍋交換時に大気に通じ る開孔部が大き く 、 その際に容器中に空気が混入し、 酸素、 窒 素濃度が、 上昇し、 非定常部の铸片品質を悪化させるという問 題や、 定常部においても、 取鍋とシール管の間のシールを要す る場所が多く 、 不活性ガス導入管 1 8 9を設けてもシールが不
完全となり、 同じく空気が混入するという問題を避けるこ とが できなかった。
また、 上述したように、 タンディ ッシュ内溶鋼に水平回転力 を付与させ溶鋼に遠心力を作用させ、 溶鋼中の介在物を比重差 による求心力でタンディ ッシュ中央に浮上分離する方法を適用 する特開平 1 一 2 7 9 7 0 6号に記載の装置が図 6 7に示され る。 レ一 ドル 2 0 1 からタ ンディ ッシュ 2 0 3 にノズル 2 0 2 を介して注入された溶鋼 2 0 7に、 移動磁界発生コイル 2 0 9 から水平回転流 2 0 6を与え、 溶鋼 2 0 7中の介在物を浮上分 離させ、 溶鋼 2 0 7 の回転中心から偏心した位置よ り タ ン ディ ッシュノズル 2 0 2を介して清浄鋼を抽出する。
図 6 7に示す従来の方法では、 タンディ ッシュ 2 0 3内溶鋼 2 0 7は、 空気との接触による再酸化を防止するため、 可能な 限り空気の混入を防ぐことと、 注入時のスプラッシュ飛散防止 のために、 タンディ ッシ、ュ 2 0 3上に蓋を設ける場合もある。 図 6 7に示す従来のような装置構成では、 タンディ ヅ シュ 2 0 3内の溶鋼 2 0 7の回転状況の判定が困難であるばかりでな く 、 連続鏡造設備の一連の操業パターン (例えば铸込初期、 定 常期、 レー ドル交換) で各時期に適切な回転力を与え、 介在物 の浮上形態を制御することができないという問題があつた。
本発明は、 上記従来技術の問題点を解消し、 タ ンディ ッ シュ 内の溶鋼を旋回させるための励磁コイルの電源ケーブルや冷却 水などの着脱上の制約をうけずに、 容易にタ ンディ ッ シュの交 換ゃ修理が可能な機能付きタ ンディ ッ シュおよび付帯設備を有 する鋼の連続鐯造用タ ンディ ッ シュ移動装置を提供するこ とを 主目的と している。
また、 本発明は、 タ ンディ ッ シュを移動するための移動台 (通常タ ンディ ッ シュ力一という) に、 あらかじめコイルを組 み込んでおき 、 この コ イ ルに対面する よ う着脱可能な タ ン ディ ッ シュを取り込み、 タンディ ッ シュ内の溶鋼の回流部とそ の側壁に対面するコイルとの取り あいが迅速にできる構造と し た鋼の連続铸造用タ ンディ ッ シュ移動装置を提供するこ とを他 の目的と している。
また、 本発明は、 以上のような問題点を解決するもので、 溶 融金属中の非金属介在物の分離除去を効果的かつ経済的に実現 するための溶融金属中の非金属介在物の除去装置を提供するこ とを他の目的とする。
本発明は、 以上のような問題を克服し、 溶融金属中の小型か ら大型までのスラグの効率的な分離をするための連続铸造用タ ンディ ッ シュを提供するこ とを他の目的と している。
本発明は、 以上のような問題点を解決するもので、 溶鋼中の 介在物の分離除去を取鍋交換時、 定常時ともに効果的に実現す るための溶融金属中の非金属介在物の除去装置を提供するこ と を他の目的とする。
本発明は、 前記問題点を解決 υた溶融金属中の非金属介在物 を分離除去するための振動抑止タンディ ッ シュを提供するのを 他の目的とする。
本発明は、 加熱用コイルを作動しても上下反転流を生じない ようにするこ とによ り、 介在物分離機能を確保できる溶融金属 の非金属介在物除去装置を提供するこ とを他の目的と してい る。
本発明は前記問題点を解決し、 溶鋼の酸化を防止し、 介在物 の分離機能も確保した移動磁界発生用コイル装置を有するタ ン ディ ッシュを提供することを他の目的とする。
本発明は、 タンディ ッシュ溶鋼の回転攪拌を強化し溶鋼中の 介在物分離効果を向上する移動磁界発生用コィル装置を有する タンディ ッ シュを提供することを他の目的と している。
本発明は前記問題点を解決し断熱性あるいは耐火性の改善さ れた移動磁場発生用電磁コィル装置を提供するのを他の目的と する。
本発明は前記問題点を解決しコイルの性能低下や焼損を防止 した移動磁場発生用電磁コイル装置を提供するのを他の目的と する。
本発明は、 前記問題点を解決し溶融金属容器からの放熱を促 進する装置を有する溶融金属の非金属介在物除去装置を提供す るのを他の目的とする。
したがって、 本発明は、 前述のような問題を克服し、 取鍋か らタ ンディ ッ シュ内に持ち込まれる非金属介在物を抑制しつ つ、 かつタ ンディ ッ シュ内においては、 積極的な非金属介在物 の分離除去を促進する手段を用いて铸造を安定して行い品質の 良い鎵片を得るこ とのできる铸造方法を提供するこ とを他の目 的とする。
本発明は、 前記問題点を解決し、 タ ンディ ッ シュ内溶鋼処理 の各操業期で適切な回転力を溶鋼に与えるためのタ ンディ ッ シュ内溶鋼処理方法を提供するこ とを他の目的と している。 発明の開示
上記第 1 の目的を達成するために、 本発明の第 1 の態様によ れば、 回流槽を有する移動式夕 ンディ ッ シュおよびコイルを有 し、 前記コイルと前記タ ンディ ッ シュの回流槽を対面して接近
するように相対的に移動可能な構成と したこ とを特徴とする鋼 の連続铸造用タンディ ッ シュ移動装置が提供される。
こ こで、 前記タ ンディ ッシュは、 走行または旋回手段によ り 移動するのが好ましい。 また、 前記コイルは、 昇降手段あるい は走行または旋回手段によ り移動可能とするのが好ま しい。 上記第 2の目的を達成するために、 本発明の第 2の態様によ れば、 移動台と、 前記移動台上の所定の位置に搭載した回流槽 を有するタンディ ッシュと、 該タンディ ッシュの回流槽側壁に 接近して対面するよう前記移動台上に相対的に移動可能に搭載 されたコイルと、 前記コイルへの電力供給手段とを有してなる 鋼の連続铸造用タンデイ ツシュ移動装置が提供される。
こ こで、 前記移動台は、 前記タンディ ヅ シュと コイルとを所 定の位置に位置決めするためのガイ ドを有するのが好ましい。
また、 本発明第 3の態様によれば溶融金属に水平回転流を与 えるこ とによって、 溶融金属中の非金属介在物を分離除去させ る装置において、 溶融金属を受け入れてこれを水平回転させる 回流槽と、 該回流槽と連接して流出口を備え溶融金属中の非金 属介在物を浮上させる浮上槽とを具え、 その回流槽寸法を、 h≥ 0 . 4 7 q 1 / 3 … ( 1 )
t m ≥ 2 … ( 2 ) h : 回流槽の最低溶鋼レベル (m )
q : 浮上槽からの溶鋼流出量 ( t o n Z m i n ) t m : 回流槽内の溶鋼平均滞留時間 ( m i n )
を満足するよ う構成してなるこ とを特徴とする溶融金属中の非 金属介在物の除去装置が提供される。
また、 本発明によれば、 溶融金属に水平回転流を与えるこ と によって、 溶融金属中の非金属介在物を分離除去させる装置に おいて、 溶融金属を受け入れてこれを水平回転させる回流槽 と、 該回流槽と連接して流出口を備え溶融金属中の非金属介在 物を浮上させる浮上槽とを具え、 その回流槽半径および浮上槽 寸法を、 上記第 3の態様で定まる hに基づき、
q · t m ( r · ω ) 2
h = ~~ 一 ( 3 )
P · π · r 2 4 g
q · t ( r · ω ) q
H =
P ( a · b + π r 4 g p · π · r
( 4 ) h : 回流槽の最低溶鋼レベル (m )
H : 回流槽の最高溶鋼レベル (m) q : 浮上槽からの溶鋼流出量 o n Zm i n m : 回流槽内の溶鋼平均滞留時間 (m i n )
P : 溶鋼比重 ( 1: o nZm 3 ) r : 回流槽半径 (m) ω : 回流槽内水平回転速度 ( r a dZm i η ) g : 重力加速度 (mZm i n 2 ) t c : 回流槽への最長注入停止時間 (m i n ) a : 浮上槽の縦寸法 (m ) b : 浮上槽の横寸法 (m) を満足するよう構成して、なることを特徴とする溶融金属中の非 金属介在物の除去装置が提供される。
また、 本発明によれば、 少なく と も受入槽と回流槽とを有 し、 回流槽内の溶融金属をコイルによ り回流させるようにした タンディ ッシュであって、 前記受入槽と回流槽との間に、 下方 に連通孔を有する仕切り壁を有するこ とを特徴とする溶融金属
の連続铸造用タ ンディ ッ シュが提供される。
また、 本発明によれば、 少なく と も受入槽と回流槽と流出槽 とを有し、 回流槽内の溶融金属をコイルによ り回流させるよ う にしたタ ンディ ッ シュであって、 前記受入槽と流出槽との間に 回流槽を設け、 前記受入槽と回流槽の間および回流槽と流出槽 との間に、 それぞれ下方に連通孔を有する仕切り壁を有するこ とを特徴とする溶融金属の連続铸造用タ ンディ ッ シュが提供さ れる。
こ こで、 前記流出槽は、 複数の流出口を有するのが好ま し い。
また、 本発明によれば、 溶融金属に水平回転流を与えるこ と によって、 溶融金属中の非金属介在物を分離除去させる装置に おいて、 溶融金属を受け入れてこれを水平回転させる回流槽 と、 該回流槽と連接して流出口を備え溶融金属中の非金属介在 物を浮上させる浮上槽と'を具え、 前記回流槽と浮上槽とを仕切 る隔壁のほぽ直下かまたは浮上槽側の底壁から突出する障壁を 設け、 前記隔壁と障壁との間に連通口を形成するこ とを特徴と する溶融金属中の非金属介在物の除去装置が提供される。
ま こ、 本発明によれば、 少なく とも回流槽を有し、 回流槽内 の溶融金属をコイ ルによ り 回流させるよ うにしたタ ンディ ッ
シュにおいて、 前記コイルにより印加される電磁範囲内のタン ディ ッシュ回流槽の部材を不良導体で構成してなる振動抑止夕 ンディ ッシュが提供される。
ここで、 前記不良導体で構成される部材は、 補強材で補強さ れた不良導体であるのが好ましい。
また、 前記補強材は、 鉄筋またはカーボンファイバ一である のが好ましい。
また、 本発明によれば、 溶融金属に水平回転流を与えるこ と によって、 溶融金属中の非金属介在物を除去させる回流槽を少 なく とも有するタンディ ッシュと、 これに対向してこの周囲の 上下に複数系列の移動磁界発生用コイルとを有し、 前記上系列 と下系列のコィルの周波数および Zまたは電流を変更可能に構 成するこ とを特徴とする溶融金属の非金属介在物除去装置が提 供される。
また、 本発明によれば; 溶融金属に水平回転流を与えるこ と によって、 溶融金属中の非金属介在物を除去させる回流槽を少 なく とも有するタンディ ッシュと、 これに対向してこの周囲の 上下方向に複数系列の移動磁界発生用コィルとその制御装置と を有し、 前記上方向のコイルによる溶融金属の回転速度が少な く とも前記下方向のコイルによる溶融金属の回転速度よ り も小
さ く なるよ う コイルの電流、 周波数または極性を変更可能に構 成するこ とを特徴とする移動磁界発生用コイル装置を有するタ ンディ ッ シュが提供される。
また、 本発明によれば、 回流槽およびその両側に浮上槽を有 するタ ンディ ッ シュと、 前記タンディ ッ シュの回流槽の外周に 対向して配置されるコイル装置とを有し、 このコイル装置は複 数の電極を有すると ともに、 前記回流槽をはさんで対向する位 置に電極を配置し、 該対向する電極の極性が互いに異なるよう にしたこ とを特徴とする移動磁界発生用コイル装置を有するタ ンディ ッ シュが提供される。
また、 本発明によれば、 溶融金属に水平回転流を与えるこ と によって、 溶融金属中の非金属介在物を分離除去させる回流槽 を少なく と も有するタンディ ッシュに対向して配設するコイル 装置であって、 少なく とも溶融金属容器に面するコイル装置の 外面に断熱材を有するこ'とを特徴とする移動磁場発生用電磁コ ィル装置が提供される。
また、 本発明によれば、 溶融金属に水平回転流を与えるこ と によって、 溶融金属中の非金属介在物を分離除去させる回流槽 を少なく と も有するタンディ ッシュに対向して配設するコイル 装置であって、 少なく とも溶融金属容器に面するコイル装置の
ケ一シングの内面および または前記タンディ ッシュの少なく とも前記コィル装置と対面する部分に冷却装置を有するこ とを 特徴とする移動磁場発生用電磁コィル装置が提供される。
こ こで、 前記冷却装置は、 水ジャケッ トまたは水管パネルで あるのが好ま しい。
また、 本発明によれば、 溶融金属に水平回転流を与えるこ と によって、 溶融金属中の非金属介在物を分離除去させる回流槽 を少なく とも有するタンディ ッシュとこれに対向して配設する コィル装置とを有する装置であって、 前記タンディ ッシュと コ ィル装置との隙間に冷却用流体を噴出する冷却装置を有するこ とを特徴とする溶融金属の非金属介在物除去装置が提供され る。
こ こで、 前記冷却用流体は、 空気または水ミス ト入り空気で あるのが好ましい。
また、 本発明によれば、 溶融金属を取鍋からタンディ ッシュ を介して铸型に注入する铸造方法において、 ( a ) タンディ ッ シュ内の溶融金属に磁力による水平回転流を与え、 ( b ) タン ディ ッシュは密閉性の良いふたを備えると ともに、 容器内を铸 造前および铸造中も不活性ガスによって置換しつつ、 ( c ) ふ たで密閉されたタンディ ッシュ内に達し、 かつ、 回転中の溶融
金属に浸漬するこ との無い長さの耐火物性ノズルを介して取鍋 下部よ り溶融金属をタンディ ッシュ内の溶融金属に注入するこ とを特徴とする溶融金属の铸造方法が提供される。
また、 本発明によれば、 移動磁界発生コイルを用いた回転撹 拌によ り溶融金属に凹面を形成させ、 該凹面を形成したタ ン ディ ッ シュで溶融金属中の非金属介在物を処理するに際し、 前 記溶融金属の凹面の中心部および外周部の高さを検出し、 該検 出値から溶融金属の回転数を演算し、 該演算値にも とづいて溶 融金属の回転数を制御するこ とを特徴とするタ ンディ ッ シュ内 溶融金属処理方法が提供される。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明に係る鋼の連続铸造用タ ンディ ッシュ移動装 置を適用した連続铸造装置の一実施例の模式図である。
図 2 は、 図 1 における'タンディ ッシュの平面図である。
図 3は、 本発明の鋼の連続铸造用タ ンディ ッ シュ移動装置に おけるコイルの昇降とタンディ ッシュとの関係を示す説明図で ある。
図 4は、 本発明のタンディ ッ シュ移動装置におけるコイルの 水平移動とタ ンディ ッシュとの関係を示す説明図である。
図 5は、 本発明の鋼の連続铸造用タ ンディ ッ シュ移動装置の 一実施例の平面図である。
図 6は、 図 1 に示す本発明装置の部分断面正面図である。 図 7は、 本発明装置の別の実施例のコィル昇降手段の正面図 である。
図 8は、 本発明装置の別の実施例の斜視図である。
図 9は、 本発明装置の別の実施例の模式的平面図である。 図 1 0 は、 本発明装置の別の実施例の模式的平面図であ る。
図 1 1 は、 本発明装置の別の実施例の模式的平面図であ る。
図 1 2 は、 本発明装置の別の実施例の模式的平面図であ る。
図 1 3 は、 本発明装置の別の実施例の模式的平面図であ る。 、
図 1 4は、 本発明の鋼の連続铸造用タンディ ッシュ移動装置 の別の実施例を示す平面図である。
図 1 5は、 図 1 4の移動装置の側面図である。
図 1 6は、 タンディ ッシュとコイルとを正確に位置決めする ためのガイ ドの配置図である。
図 1 7 は、 図 1 6 の IV - IV方向に見た部分断面平面図であ る。
図 1 8は、 本発明の回流槽および浮上槽を有する非金属介在 物除去装置の模式図であり、 ( a ) はその平面図、 ( b ) はそ の側面断面図である。
図 1 9は、 溶融金属を水平回転させた場合の湯面形状の模式 図である。
図 2 0は、 取鍋交換時の湯面レベル低下の様子を示す模式図 である。
図 2 1 は、 実施例に使用した本発明の設備の寸法を示す模式 図であり、 ( a ) はその平面図、 ( b ) はその側面断面図であ る。
図 2 2 は、 回流槽のみの設備の場合の回流槽半径と最高湯面 レベルの関係を示す図である。
図 2 3は、 実施例の実験結果を示す図である。
図 2 4は、 第 1 発明の一実施例を示す溶融金属の連続铸造用 中間容器の平面図である。
図 2 5は、 図 1 を I I一 I I線で見た断面図である。
図 2 6は、 第 2発明の一実施例を示す溶融金属の連続铸造用 中間容器の平面図である。
図 2 7は、 図 3を I V— I V線で見た断面図である。
図 2 8は、 複数ス トラン ドに適用した中間容器の一例を示す 平面図である。
図 2 9は、 複数ス トラン ドに適用した中間容器の他の例を示 す平面図である。
図 3 0は、 定常部の製品欠陥率指数のグラフである。
図 3 1 は、 非定常部の製品欠陥率指数のグラフである。
図 3 2 は、 本発明法におけるスラグの粒径別分布図であ る。
図 3 3は、 従来法におけるスラグの粒径別分布図である。 図 3 4は、 従来の中間容器の一例を示す断面図である。
図 3 5は、 従来の中間容器の他の例を示す断面図である。 図 3 6は、 本発明の一実施例を示す溶融金属中の非金属介在 物の除去装置の平面図である。
図 3 7は、 図 1 に示す装置の縦断面図である。
図 3 8は、 連通口を回流槽の底壁に直接設置した場合のタン デイ ツシュ内介在物の移動を示す説明図である。
図 3 9は、 本発明のタンディ ッシュ内介在物の移動を示す説 明図である。
図 4 0は、 浮上槽の底壁に障壁を設けた夕ンディ ヅ ュ内介在
物の移動を示す説明図である。
図 4 1 は、 本発明のタンディ ッシュの一実施例を示す斜視図 である。
図 4 2は、 本発明の他の実施例を示す不良導体容器部の斜視 図である。
図 4 3 は、 図 2の I I I - I I I 線でみた断面図である。
図 4 4は、 本発明の一実施例を示す溶融金属の非金属介在物 除去装置の断面図である。
図 4 5は、 従来の溶融金属の非金属介在物除去装置における 溶鋼のフローパターンの説明図である。
図 4 6は、 従来の溶融金属の非金属介在物除去装置の他の例 における溶鋼のフローパターンの説明図である。
図 4 7は、 本発明の一実施例を示すタ ンディ ッ シュの断面図 である。
図 4 8は、 従来のタンディ ッシュにおける溶鋼回転状態の説 明図である。
図 4 9 は、 従来のタ ンディ ッ シュの一例を示す断面図であ る。
図 5 0 は、 図 5 0 に示すタ ンディ ッ シュの平面説明図であ る。
図 5 1 は、 本発明のタンディ ッシュにおける溶鋼攪拌の説明 図である。
図 5 2は、 本発明のタンディ ッシュの一例を示す配置図であ る。
図 5 3は、 回流槽の両側に分配槽を有するタンディ ッ シュに おけるコイルの配置の一例を示す図である。
図 5 4は、 回流槽の両側に分配槽を有するタンディ ッシュに おけるコイルの配置の他の例を示す図である。
図 5 5は、 移動磁界によって溶鋼に移動力を与える説明図で ある。
図 5 6は、 本発明の一実施例を示すコイル装置を取りつけた タンディ ッ シュの断面図である。
図 5 7は、 本発明の一実施例を示すコイル装置を取りつけた タンディ ッシュの断面図である。
図 5 8は、 本発明に用いる冷却装置の一例を示す斜視図であ る。
図 5 9は、 本発明に用いる冷却装置の他の例を示す斜視図で ある。
図 6 0は、 本発明の一実施例を示す非金属介在物除去装置の 断面図である。
図 6 1 は、 本発明に用いる冷却装置の一例を示す斜視図であ る。
図 6 2は、 従来の注入方法を説明するための図である。
図 6 3は、 ノズルを用いずシール管を用いる従来の方法を説 明するための図である。
図 6 4は、 本発明の铸造方法を説明するための図である。 図 6 5は、 実施例 1 3の結果を示す図である。
図 6 6は、 本発明方法を用いた溶鋼処理装置の一例を示すフ ロー図である。
図 6 7は、 従来の溶鋼処理装置の一例を示すフロー図であ る。
発明を実施するための最良の形態
以下に本発明の溶融金属の非金属介在物除去システムを詳細 に説明する。
まず、 以下に本発明に係る鋼の連続铸造用タンディ ッ シュ移 動装置を添付の図面に示す好適実施例に基づいてさらに詳細に 以下に説明する。
図 1 は本発明の鋼の連続铸造用タンディ ッシュ移動装置の一 実施例を適用する鋼の連続铸造の一例を模式的に示す模式図で ある。
先ず、 図 1 を参照して本発明のタンディ ッシュ移動装置の一 実施例を適用する鋼の連続铸造の概要を説明すると、 取鍋 1 と タンディ ッシュ 3 とモールド 8 とを組合わせた装置において、 取鍋 1 内の溶鋼 2はエアーシールパイプ 4を介して回流槽 1 6 と分配槽 1 7を有するタンディ ッシュ 3の回流槽 1 6へ注入さ れる。 '
前記回流槽 1 6では旋回力発生装置 (コイル) 1 2によって 回流槽 1 6内の溶鋼に回転力が付与され、 ここで回流された溶 鋼の一部は回流槽 1 6の底部の流通口 2 0から分配槽 1 Ίに移 り、 さらにタンディ ッシュ 3の底部に設けたスライディ ングノ ズル 6およびイマ一ジョ ンノズル 7を経てモ一ルド 8に注入さ
れ、 所定の寸法に鐯造される。
従って、 かかるプロセスで回流槽 1 6で溶鋼から非金属介在 物を分離し、 分配槽 1 7を経由してモール ド 8内に清浄な溶鋼 5が注入される。
図 2は前記タンディ ッシュ 3の平面図で、 取鍋 1 内の溶鋼 2 は回流槽 1 6のほぼ中央の流入□ 1 8から注入され、 コイ ル
1 2によって回転力が付与され矢印のように回流する の回 流槽 1 6 と分配槽 1 7 との間には仕切り壁 1 9が設けられ、 前 記溶鋼の一部はこの仕切り壁 1 9に設けた流通口 2 0から分配 槽 1 7を経て流出ロ 2 1 からモールド 8へ注入される。
前記回流槽 1 6へ注入された溶鋼 2中の介在物の大半は回流 槽 1 6で凝集分離され、 その残り も分配槽 1 7でほぼ完全に浮 上分離される。
こ こで、 本発明は、 タンディ ッシュ 3 と コイル 1 2 とは別体 で互いに分離されており '、 これらの少なく と も一方が相対的に 移動するこ とができる。 本発明の第 1 の態様では、 タ ンディ ヅ シュ 3の移動手段と コイ ル 1 2 の移動手段とは別体であ り 、 タ ンディ ッ シュ 3 と コイル 1 2 とは互いに独立して移動するこ とができる。 本発明の第 2の態様では、 タ ンディ ッ シュ 3 と コ ィル 1 2 とは同一の移動台 (例えば、 タ ンディ ッ シユカ一) 上
に搭載されるが、 互いに分離され、 コイル 1 2は移動台上に固 定され、 タンディ ッシュ 3は移動台から取り外しが可能である ことで両者の相対移動を可能と している。
まず、 本発明の第 1 の態様の鋼の連続鏡造用タンディ ッシュ 移動装置について説明する。
本発明の第 1 の態様においては、 铸込床付近に、 前後、 上 下、 左右への走行もしく は旋回により移動可能とする移動装置 1 3を備えたもしく は固定されたコイル 1 2を配置する。 この コィルの移動量を少なく するもしく はなく すこ とで、 電源ケ一 ブル等の制約をう ける こ とがな く なる。 本態様では、 タ ン ディ ッ シュ 3 をコイル移動装置 1 3 とは別の駆動装置 (タ ン ディ ッ シュ駆動系) によって铸造位置に移動した後、 コイル 1 2を移動装置 1 3によって移動させタンディ ッ シュ 3の鉄皮 に接近させるかまたはコイル 1 2を移動装置 1 3によつて鐯造 位置の所定の位置へ移動'した後に、 固定し、 固定されたコイル 1 2にタンディ ッシュ 3を前述のタンディ ッシュ駆動系によつ て移動させ、 あるいは始めから铸造位置の所定の位置に固定さ れているコイル 1 2 にて、 タ ンディ ッ シュ 3 の鉄皮をコイル 1 2に接近させる。 この移動にともない、 コイル 1 2用の電源 および冷却水の供給も追従する必要があるが、 これは伸縮、 も
し く は回転機能を付加した供給装置 (例えば、 図 7に符号 3 2 で示すコ イ ル用電源ケーブルや冷却水用ケーブルなどを含む ケーブルベアなど) を設置するこ とで解決可能である。
これによつて、 錶造中のタンディ ッ シュ内溶鋼に旋回力を付 与するこ とが可能であり、 タンディ ッシュはタ ンディ ッ シュ駆 動系によって固定されたコイルに干渉するこ となく移動するこ とができるし、 タ ンディ ッシュの移動にコイルが干渉する場合 でもまたタ ンデイ ツ シュを前記タンディ ッ シュ駆動系による旋 回、 走行な どによ っ て移動する前に、 一旦、 コ イ ルをタ ン ディ ッ シュから遠ざけるこ とが可能である。 本発明によれば、 コイルは铸造位置においてタンディ ッシュに適用するのみであ り 、 すなわちコイ ル移動装置を用いて着脱するだけでよいの で、 従来タ ンディ ッ シュの基数分必要であったコイルも、 最低 1 基で操業可能である。
本発明に用いられる夕'ンディ ッシュ駆動系は、 特に制限的で なく 、 図 9に示すような軌道 (タンディ ッ シュ力一レール) 9 上に載せて、 図示しないモータなどの駆動源によって前記タ ン ディ ッ シュ移動台車 1 1 を駆動するこ とによ り走行させ、 タ ン ディ ッ シュ 3を移動するためのタンディ ッ シュ駆動系を構成す るこ とができる。 但し、 図 7に示すような、 本発明に用いられ
るタンディ ッシュ移動台車 1 1 はコイル 1 2を載せる必要がな いので、 図 1 8に示すタンディ ッシュ移動台車 1 1 よ り も小型 でよいこ とはいう までもない。 また、 タンディ ッシュ駆動系と して後述する図 5 または図 8に示すようにタレツ ト式移送架台 を用いてもよいのはもちろんである。 この他タンディ ッ シュ駆 動系と して可能であれば、 前後、 左右に走行させる駆動系、 上 下に昇降する駆動系などであってもよい。 また、 コイル 1 2が 予め鍀造位置の所定位置に固定れている場合には、 タンディ ッ シュ駆動系はコイル 1 2 とタンディ ッシュ 3 との間の間隔を細 かく調整することができるものであるのが好ましい。
次に、 本態様の最も特徴的なコィルの移動手段であるコイル 移動装置 1 3について説明する。
図 3に示すコィル移動装置 1 3の場合はコイル 1 2を垂直方 向に移動 (昇降) させてタンディ ッシュ 3の鉄皮に接近させ、 図 4に示すコィル移動装置 1 3の場合はコイル 1 2を水平方向 の移動、 例えば走行または旋回によって鉄皮に接近させるもの である。 これらの場合のコイル 1 2の移動に用いられるコイル 移動装置 1 3 と しては油圧装置、 スク リ ュージャ ッキなどの一 般的 重量物移動用の仕組みを使用すればよ く 、 と く に限定さ れるものではない。 また、 これらのコイル 1 2 の移動に伴う
水、 電源ケーブル、 空気などのユーティ リ ティ 一は、 いわゆる ケーブルベア、 ロータ リージョイ ン ト、 スリ ップリ ングなどの 手段 (例えば、 図 7に符号 3 2で示すコイル用電源ケーブル) によって中継されればよい。
次に、 コイル移動装置を組み込んだ本発明の鋼の連続铸造用 タンディ ッ シュ移動装置の具体的実施例について具体的に説明 する。
図 5および図 6は本発明装置の一具体的実施例を示す。 図 5 および図 6に示す本発明装置は、 タンディ ッ シュ 3は旋回手段 によ り、 コイル 1 2は昇降手段によ り移動するものである。 図 5にはタ ンディ ッシュ駆動系と してタンディ ッ シュ 3を旋回手 段によ り移動するタ レツ ト式タンディ ッ シュ移送架台を用いる ものを示す。 この場合は旋回中心 2 2 aにタ ンディ ッ シユ タ レツ ト 2 3を設け、 そのアーム 2 4にてタンディ ッ シュ 3を支 持し、 旋回中心軸 2 2 を中心にアーム 2 4 を旋回 してタ ン ディ ッ シュの軌跡 2 6内の所定位置に移動するこ とができる。 こ こで参照符号 2 5 はタ ンディ ッ シュ 3の吊 り具、 参照符号 2 8は取鍋 1 の旋回中心、 参照符号 2 9は取鍋 1 のスイ ングタ ヮーをそれぞれ示す。
前記コイル 1 2の昇降手段の一例を上げると、 例えば図 6に
示すよ う にタ ンディ ッ シュ 3 の下方に昇降台 (コイル用台) 2 7を設け、 昇降台 2 7の下側に上下動装置 3 0を取り付け、 昇降台 2 7の上にコイル 1 2を搭載固定し、 公知の油圧シリ ン ダ等の作動によって回流槽 1 6に接近させ、 铸造中の溶鋼に磁 場を印加する。 なお、 図 6にはタンディ ッシュ駆動系の図示は 省略されている。 また、 昇降台 2 7を下降させるこ とによ り、 コ イ ル 1 2 は同時に下降するので、 干渉する こ と な く タ ン ディ ッシュ 3の旋回が可能となる。
次に、 図 7にタ ンディ ッ シュ 3 は走行手段によ り 、 コイル 1 2は昇降手段によ り移動する本発明装置の別の実施例の断面 模式図を示す。
ここで、 コイル 1 2はコイル用台車 1 0に載置され、 油圧シ リ ンダ 3 1 によって昇降される。 ここで台車 1 0を内壁面 3 3 に沿ってなめらかに移動させるための車輪 3 4が台車 1 0に取 り付けられる。 また、 コイル 1 2を電源に接続するためのコィ ル用電源ケーブル 3 2が台車 1 0を通して取り付けられ、 この ケーブル 3 2は台車 1 0の昇降に対しても十分な長さを持ち、 下降位置では U字状に懸架されるように搆成される。 この他、 コイル 1 2 に必要な水、 空気などのュ一テイ リ ティ も、 この ケーブル 3 2同様に公知の手段によ り昇降可能に台車 1 0を通
してコイ ル 1 2 に取り付けられる。 一方、 タ ンディ ッ シュ 3 は、 車輪 3 4を持つタンディ ッ シュ台車 (タ ンディ ッ シュ移動 台車) 1 1 に載置して図示しない軌道 (タ ンディ ッ シュ力一 レール) 上を走行するように構成される。 こ こで、 モ一ル ドの 図示は省略されている。
さ らに、 図 8にタ ンディ ッシュ 3は旋回手段によ り、 コイル 1 2 は旋回走行手段によ り移動する本発明装置の別の実施例の 斜視図を示す。 ここで、 タンディ ッ シュ 3は、 タ ンディ ッ シュ タ レツ ト 2 3のアーム 2 4に載置され、 旋回中心軸 2 2 を中心 にして旋回するこ とにより移動される。 一方、 コイル 1 2 は、 車輪 3 4 を有するコイ ル用台車 1 0に載置固定され、 旋回軸 3 5を中心に軌道 (コイルカーレール) 3 6上を旋回走行して 移動するよ う に構成される。 こ う して、 タ ンディ ッ シュ 3 を モール ド 8が設けられている連続铸'造位置にタ ンディ ッ シユタ レッ ト 2 3によ り旋回移動して固定した後、 コイル 1 2 を台車 1 0によ り旋回走行させてタンディ ヅ シ ュ 3の鉄皮に接近させ るこ とができる。
以上、 タンディ ッ シュ 3の移動手段およびコイル 1 2の移動 手段について具体的実施例を挙げて、 本発明装置を説明した 、 本発明はこれらに限定されず、 タンディ ッ シュ 3およびコ
ィル 1 2の移動手段と して軌道走行方式などの走行手段、 また はタ レツ ト方式などの旋回手段あるいは昇降手段のいずれを用 いてもよいし、 どのように組み合わせて用いてもよい。 また、 タンディ ッ シュ 3の交換時にコイル 1 2から容易に取り外すこ とができれば、 コイル 1 2はモールド 8が配設される位置に固 定され、 タンディ ッシュ 3の移動手段によ り コイル 1 2 とタン ディ ッシュ 3の回流槽 1 6 とを対面して近接するものも本発明 に含まれる。 いずれの場合においても、 新旧のタンディ ッ シュ 3の交換時に励磁コィル 1 2をタンディ ッ シュ 3 と干渉させる こ となく タンディ ッシュ 3から相対的に退避させるこ とができ るので、 励磁コイル 1 2 は 1基で済ますこ とができるばかり 力 、 タンディ ッシュ台車 (タレッ トアーム) 1 1 も小さいもの で済ますこ とができる。 また、 上記各実施例において、 タ ン ディ ッシュ 3を位置決めした後、 コィル移動手段によ り コイル 1 2を移動してタンディ シュ 3の回流槽 1 6に対面近接させ て位置決めするようにしてもよいし、 逆にコイル 1 2を最初に 位置決めし、 後でタンディ ッシュを位置決めしてもよい。
例えば、 図 9 ( a ) および ( b ) に簡略化して模式的に示す ように、 タンディ ッシュ 3を搭載したタンディ ッシュ台車 1 1 はレール (走行軌道) 9上を走行させ、 コイル 1 2は、 旋回軸
3 5を中心と してアーム 3 7によって旋回させるこ とによ り、 コイル 1 2を着脱し、 タンディ ッ シュ 3の鉄皮に接近して対面 させる構成と してもよい。 ここで図 9 ( a ) においては、 タ ン ディ ッ シュ台車 1 1 はタンディ ッシュ 3の長手方向の両側近傍 に取り付けられた図示しない車輪によってレール 9上を長手方 向と直角な短手方向に走行する。
逆に図 9 ( b ) においては、 タンディ ッ シュ台車 1 1 はタ ン ディ ッ シュ 3の長手方向に沿ってレール 9上を走行する。
また、 図 1 0に示すようにタンディ ッ シュ 3を搭載したタ ン ディ ッ シュ台車 1 1 はその長手方向と直角な方向にレール 9上 を走行し、 一方、 コイル 1 2を搭載したコイル台車 1 0はタ ン ディ ッ シュ 3の長手方向に沿ってレール 3 6上を走行し、 コィ ル 1 2をタ ンディ ッ シュ 3から着脱する構成と してもよい。 ま た、 図 1 1 に示すよ う に、 タ ンディ ッ シュ 3 を搭載したタ ン ディ ッ シュ台車 1 1 にァ ム 2 4を取り付け、 旋回軸 2 2 を中 心と してタンディ ッ シュ 3を旋回させ、 一方コイリレ 1 2 はコィ ル台車 1 0に搭載してレール 3 6上を走行させて、 コイル 1 2 をタ ンディ ッ シュ 3に着脱する構成と してもよい。
上述の例では、 タンディ ッシュ 3およびコイル 1 2 は共に独 立して移動する構成について説明したが、 コイル 1 2 はモール
ド位置に固定され、 タ ンディ ッ シュ 3 のみを移動し、 タ ン ディ ッ シュ 3の鉄皮をコイル 1 2に接近して対面する構成と し てもよい。 例えば、 図 1 2 ( a ) および ( b ) に示すように、 タ ンディ ッシュ 3をタンディ ッシュ台車 1 1 に搭載し、 レール 9上を走行させても よい。 こ こで、 図 1 2 ( a ) ではタ ン ディ ッシュ台車 1 1 に各々 1つの回流槽 1 6 と浮上槽 1 7を有 するタ ンディ ッシュ 3を搭載しているが、 図 1 2 ( b ) のよう にタンディ 、J、 シュ台車に 1 つの回流槽 1 6 と 2つの浮上槽を有 する 2連タンディ ッ シュ 3を搭載する構成であってもよい。 ま た図 1 2 ( a ) および ( b ) のようにコイル 1 2が固定されて いる場合、 タンディ ッシュ台車 1 1 を走行させるレール 9は、 装着および退避が可能なように末端で 2方向に分岐させる必要 がある。
また、 図 1 3 に示すよう に、 タ ンディ ッ シュ 3 を搭載する タンディ ッ シュ台 1 1 を、、 これに取り付けられたアーム 2 4に よって旋回軸 2 2を中心と して旋回し、 タンディ ッシュ 3の鉄 皮を固定されたコイル 1 2に対面するように接近し、 また離隔 する搆成と してもよい。 こ こで、 コイル 1 2 は、 タ ンディ ッ シュ 3の回流槽 1 6の半円柱状の鉄皮を被う必要はなく 、 その 横側に鉄皮と対面して接近配置してタンディ ッ シュ 3内の溶鋼
に旋回力を付与できれば、 どのような形状であってもよ く 、 ま た分割されていても、 異種のコイルであってもよい。 例えば、 超電導コイルを使用する場合等に好適である。
以上、 本発明の第 1 の態様の鋼の連続铸造用タ ンディ ッ シュ 移動装置について、 種々の具体的実施例を挙げて説明したが、 本発明は図示例に限定されず、 タンディ ッ シュ台車に搭載する タンディ ッ シュの形状や数、 搭載方法および移動方向ならびに コイルの形状や数、 コイル台車の形状、 搭載方向および移動方 向など必要に応じ適宜選択するこ とができる。
つぎに、 本発明の第 2 の態様の鋼の連続铸造用タ ンディ ッ シュ移動装置を図 1 4〜図 1 7に示す実施例を参照しながら説 明する。
タ ンディ ッ シュ 3 は、 図 1 4 、 1 7に示しているようにレー ル 9上をモーターなどの駆動装置 3 8によ り走行可能な移動 台、 例えばタ ンディ ッシ'ュカー 1 1上のタ ンディ ッ シュ搭載台 3 9に搭載されている。 タンディ ッシュ搭載台と しては、 例え ばタンディ ッシュ昇降用ウォームジャ ッキ装置を挙げるこ とが できる。 このタンディ ッシュ搭載台はタ ンディ ッ シュ 3を前記 タンディ ッ シュカー 1 1上に搭載したまま、 搭載場所からモー ル ド上へ移動するためのものであ り 、 搭載場所であらかじめ
ウォームジャ ッキにより搭載台を上昇しておき次ぎにク レーン によ り タンディ ッシュを搭載台 3 9上に搭載し、 移動台をモ一 ルド上へ移動後に搭載台を下降させる方法が好ま しい。 また、 タンディ ッシユカ一 1 1 の一部をタンディ ッシュ搭載台と して 兼用してモールド上でタンディ .ツシュを搭載してもよい。
前記タンディ ッシユカ一 1 1 にはタンディ ッ シュ 3の回流槽 1 6内の溶鋼の一部または全部が回流可能なよ うに、 回流槽 1 6側壁に対面する位置にあらかじめコイル 1 2が搭載されて いる。 このコイル 1 2にはケーブルベア 1 5を介して水冷ケー ブル 3 7が接続されている。 また、 タンディ ッ シュ 3 とコイル 1 2は完全に分離されており、 タンディ ッシュ 3交換のたびに コイル 1 2をと り外す必要はない。
しかしながら、 コイル 1 2 とタンディ ヅ シュ 3 との間隙は、 タ ンディ ッ シュ 3の着脱に必要なすき間 (通常 1 0 0 m m程 度) よ り狭く するこ とが電磁気力を溶鋼に与えるためには効果 的である。
このために、 タンディ ッシュ 3をタンディ ッシュカー 1 1 に 搭載する際に位置決めが容易なように図 1 6および図 1 7に示 すよ う なガイ ド 4 0 を設け、 このガイ ド 4 0 に従ってタ ン ディ ッシュ 3をクレーンなどで吊り下げまたは吊り上げれば、
迅速、 かつ確実にタ ンディ ッ シュ 3を着脱するこ とができる。 4 0 aはタ ンディ ヅ シ ュ側ガイ ド、 4 0 bはタ ンディ ッ シュ 力一側ガイ ドである。
本態様によれば、 タ ンディ ッ シュ 3交換作業が従来のタ ン ディ ッ シュ 3本体にコイル 1 2を取りつけた場合のタ ンディ ッ シュ交換作業に比較して約 5 0分の時間短縮ができる。 この主 な要因はケーブル 3 2の接続作業に起因しており 、 ジュール熱 によるコイル 1 2の発熱を吸収するために、 コイル 1 2 は水冷 されている上、 特にこのケーブル 3 2 は可と う性に欠けてお り、 このためケーブル接続作業は重筋作業となる。 従って本発 明によ り コイル 1 2をあらかじめタンディ ッ シユカ一 1 1 上に 固定した時は、 ケーブルベア 1 5内を通してケーブル 3 2 をコ ィル 1 2に接続できるため、 タンディ ッ シュ 3本体の交換作業 だけで済むという利点がある。 また、 タ ンディ ッ シュ 3の修理 の際、 タ ンディ ッ シュ力 1 1 に搭載されたタンディ ッ シュ 3 のみを交換すればよいので、 従来タイ ンディ ッ シュ 3の基数分 必要であつたコイルも最低 1基、 作業性を考慮しても数基で操 業可能である。
また、 このよ う な構成とするこ とで、 タ ンディ ッ シュ 3の メ ン テナ ンス性がす ぐれるよ う になった。 即ち、 タ ンディ ッ
シュ 3は数チャージあるいは長く ても数十チヤ一ジの铸造後、 内壁れんが等の溶損によ りあらたに補修されたタンディ ッシュ と交換する必要がある。 この時、 タ ンディ ッ シュ 3 にコイル 1 2を取りつけた状態でハン ドリ ングすると、
( 1 ) コィルの破損、
( 2 ) コィルの絶縁低下
などの問題があつ たが、 本態様のよ う にコ イ ル 1 2 をタ ン ディ ッ シユカ一 1 1 に固定することによ り上記のハン ド リ ング に起因する問題が解決できた。
—方、 コイル 1 2 とタンディ ツ ユ 3の相対位置を確実に決定 するために移動台 1 1 に直接またはタンディ ッシュ搭載台を - して前記ガイ ド 4 0を設けるこ とによ り精度よ く位置決めがで きる。
本発明の第 1 の態様は、 以上説明したように構成されている ので、 溶鋼を旋回させる回流槽をもったタンディ ッ シュに適し ており、 タンディ ッ シュの交換、 タンディ ッシュの修理をしつ つ作業するこ とが可能となる。 また、 これによつてケ一ブル、 水、 空気などの接続作業がの頻度は低下し、 ケーブルき体の修 理以外では、 接続作業は不要となった。 これによ り、 この形式 のタンディ ッシュの実用化が可能となる。 すなわち、 本発明に
よって、 錶造中のタ ンディ ッ シュに旋回力を付与するこ とが可 能であり、 またタ ンディ ッシュを旋回、 走行などによって移動 する際には一旦、 コイルをタンディ ッシュから遠ざけるこ とが 可能である。 本発明によれば、 コイルは鐯造位置のタ ンディ ッ シュに適用するのみであり、 従来タンディ ッ シュの基数分必要 であったコイルも、 最低 1基で操業可能となる。
また、 本態様によれば、 タンディ ッ シュ と コイルを、 必要な 位置で、 必要な時期のみ、 接近でき るよ う に してあるから、 タ ンディ ッ シュ交換やタ ンディ ッ シュ内壁の修理をするため に、 铸造位置以外へ移動させるこ とが極めて容易であり 、 コィ ルを具備しないタ ンディ ッシュと同様の運転ができるよ うにな る。
本発明の第 2の態様は、 以上説明したよ うに構成されている ので、 溶鋼に旋回流動を付与するためのコイルを移動台に固定 し、 タ ンディ ッ シュと共に走行可能とするこ とによ り、 下記の 効果を奏する。
( 1 ) コイルとケーブルの接続作業がコイル取付け時のみで すみ、 タ ンディ ッ シュ交換がやりやすい。
( 2 ) タ ンディ ッ シュのメ ンテナンス時にコイルを取り外す 必要がない。
( 3 ) ノ\ン ド リ ング中の破損がない。
以上詳述したように、 溶鋼中の非金属介在物除去装置はタ ン ディ ッ シュおよびコイルのそれぞれ別体で構成される。 そこ で、 まずタンディ ッ シュの設計および構造について説明し、 次 いでコイルについて説明する。
( A ) タンディ ッ シュの設計
本発明による溶融金属中の非金属介在物の除去装置 (タ ン ディ ッ シュ) 5 0は、 回流槽 4 1 および浮上槽 4 2を具える。 回流槽 4 1 には取鍋 (図示せず) からノズル 4 3を経て溶鋼が 図 1 8の矢印で示すように注入され、 注入された溶鋼は好まし く は回転または移動磁界装置 4 4によ り水平回転流が与えられ る。 これによ り溶鋼中の非金属介在物あるいはタ ンディ ッ シュ 5 0の耐火物の溶損等による非金属介在物を回流槽のパラボラ 状渦流上に分離浮上させる。
このよう にして清浄化された溶鋼は回流槽 4 1 の底部の連通 口 4 5よ り浮上槽 4 2に入り、 静置された溶鋼中の残存非金属 介在物は浮上槽 4 2上に浮上して分離される。 このよ うにし て一層清浄化された溶鋼は流出□ 4 6を経てモールド (図示せ ず) に注入され、 铸造品となる。
と ころで、 このよ うな回流槽および浮上槽を有する非金属介
在物除去装置を最適化して設計するこ とが望まれている。 特 に、 定常時すなわち取鍋から溶鋼が回流槽に注入されている時 間領域においては、 回転流によってパラボラ状に盛り上がる溶 鋼のために回流槽の高さが問題となり、 また非定常時すなわち 取鍋の交換時で溶鋼が浮上槽の流出口から一方的に流出してい く 時間領域においては、 回流槽上に浮上している非金属介在物 が両槽の連通口 4 5を経て流出ロ 4 6 よ りモール ドへ流出しな いようにするこ とが重要である。'と りわけ、 非定常時の上記問 題は絶対に回避しなく てはならない。
本発明者らはこのような観点から非金属介在物除去装置の設 計について鋭意研究の結果、 以下のような条件を計算機シミ ュ レーショ ン、 水モデル実験および実機規模における予備実験に よって発見した。 その条件は、 ( 1 ) 、 ( 2 ) 、 ( 3 ) および ( 4 ) 式に示される通り であるが、 その導出方法を以下に示 す。 '
溶融金属を水平回転させる と遠心力によ り その表面は、 図 1 9のように静止浴面 4 6に対してパラボラ状を呈する。 その 盛り上がり高さ Δ Ηは、 次式によって表現される。 ( r · ω ) 2
Δ Η = …… ( 5 )
2 g
r 回流槽半径 (m) ω : 回流槽内水平回転速度 ( r a d Zm i η )
S 重力加速度 (mZm i n 2 ) 一方、 取鍋交換時には、 流出する溶鋼によって次式に示す高 さだけ、 容器内の溶鋼レベルが、 低下するこ とになる。 q t c
( 6 )
P ( a · b + TC r q : 浮上槽からの溶鋼流出量 ( t o nZm i n ) t c : 回流槽への最長注入停止時間 (m i n ) a : 浮上槽の縦寸法 (m) b ; 浮上槽の横寸法 (m)
P : 溶鋼比重 ( t o nZm 3 ) また、 水平回転による介在物分離除去効果を発揮させるため の、 回流槽内の必要最低平均滞留時間 "fc m ( =回流槽内溶鋼容 量 ÷単位時間当たりの溶鋼流出量) を確保するために必要な湯 面レベルは、 次式のように表せる。 q · t
( 7 ) p · π · r 従って、 取鍋交換時のバッファー機能を考慮した場合に、 定 常的に溶鋼の流入 · 流出をしている状態において回転槽におけ
る必要な最高溶鋼レベル H (図 2 0参照) は、 最低溶鋼レベル に溶鋼表面の盛り上がり高さと取鍋交換時のレベル低下分を上 乗せした高さ となり、 次式で示される。 なお、 図 2 0において
4 7は回流槽の最低溶鋼レベル hに対応する浮上槽の溶鋼レべ ルを、 4 8は回流槽の最高溶鋼レベル Hに対応する浮上槽の溶 鋼レベルを示す。
q · t c Γ · ω ) 2 q · t m
H = +
p ( a · b + π · r 2 ) 4 g p · π · r
( 4 )
また、 取鍋交換時に要求される最低溶鋼レベル h (図 2 0参 照) は次式のように表せる。 q · t m ( r · ω ) 2
h = 一
p · π · r 2 4 g
…… ( 3 ) こ こで、 水平回転による介在物分離除去効果を発揮させるた めの、 回流槽内の必要最低平均滞留時間および必要最低湯面レ ベルを水モデル実験によって求めたところ、 必要最低平均滞留 時間 "t m は溶鋼流出速度にかかわらず 2分であり、 さらに、 必 要最低溶鋼レベル h m i n は、 溶鋼流出速度の 1 3乗に比例 し、 次式で示されることを知見した。 h m i n = 0 . 4 7 x q 1 / 3 - ( 8 ) これによ り、 取鍋交換時においても溶鋼のバッ ファー機能を 有しつつ、 水平回転による介在物分離除去効果を発揮させるた めの条件と して、 次の条件が見いだされた。 h≥ 0 . 4 7 X q 1 / 3 … ( 1 ) t m ≥ 2 … ( 2 ) すなわち、 非定常時 (取鍋交換時) に非金属介在物が回転槽 から浮上槽の流出口を経てモールドに至らないようにするには
( 1 ) よび ( 2 ) 式を満足する必要がある。
( 1 ) および ( 2 ) 式を満足する範囲において ( 3 ) 式よ り 、 取鍋交換等の非定常時に要求される最低溶鋼レベルを満足 する回流槽半径の範囲を決定し、 その範囲内で ( 4 ) 式で示さ れる必要最高溶鋼レベルを最小とする回流槽半径とするこ とに よ り 、 目的とする非金属介在物の分離除去効果を得つつ、 設備 高さを最小とする経済的な非金属介在物の除去装置を設計する こ とが可能となった。
本発明によれば、 鋼板等の製品欠陥の原因となる非金属介在 物を効果的に除去するための装置を設備の過大な増大をなく し て製作するこ とができ、 さ らにその装置を用いるこ とによ つ て、 取鍋交換時等の非定常時にも安定した非金属介在物の除去 効果を得るこ とができるので、 製品欠陥率が低減し、 大幅な歩 留り向上が可能となった。
また、 その結果、 大きな設備投資無しに、 低コス トで高清浄 鋼を製造するこ とがでぎるようになった。
( B ) タ ンディ ッ シュの構成例 I
図 2 4および図 2 5は本発明の他の実施例を示す溶融金属の 連続铸造用タンディ ッシュである。
タ ンディ ッ シュ 5 4は壁 5 6で仕切られた回流槽 5 4 aを有 し、 図 2 5 で見て壁 5 6の右側の受入槽 5 4 bの上方の取鍋
5 2の底部から延長する取鍋ノズル 5 3がこの槽内に装入され ている。
壁 5 6の下方には、 前記受入槽 5 4 b と回流槽 5 4 aを連通 する開孔を有する。
回流槽 5 4 aの外壁に対向して回転磁場発生コイル 5 5が配 設されている。
前記回流槽 5 4 aには底部にタンディ ヅシュノズル 5 8を設 け、 その下方の铸型 5 9へ回流槽 5 4 a内の溶融金属を注入す るようになっている。 前記タンディ ヅ シ ュノズル 5 8には溶融 金属流出量を制御するためのスライディ ングゲートもしく はス ト ッパー (図示せず) を有する。
図 2 6および図 2 7は第 2発明の一実施例を示す溶融金属の 連続铸造用タンディ ッシュである。
タ ンディ ッ シュ 5 4は壁 5 6および 5 7で仕切られた回流 槽 5 4 aを中央に有し、 '図 2 7で見て壁 5 6の右側の受入槽 5 4 bの上方の取鍋 5 2の底部から延長する取鍋ノズル 5 3力 s この槽内に装入されている。
壁 5 6の下方には、 前記受入槽 5 4 b と回流槽 5 4 aを連通 する開孔を有する。
回流槽 5 4 aの外壁に対向して回転磁場発生コイル 5 5が配
設されている。
壁 5 7の左側には開孔 5 4 eで回流槽 5 4 a と連通する流出 槽 5 4 c を有する。 この流出槽 5 4 c には底部にタ ンディ ッ シュ ノ ズル 5 8 を設け、 その下方の銬型 5 9へ流出槽 5 4 c 内の溶融金属を注入するよ う になっている。 6 5 は前記タ ン ディ ッ シュノズル 5 8からの溶融金属流出量を制御するための ス ト ッパーである。
以上はタ ンディ ッ シュノズル 5 8が 1 個の場合であるが、 本 発明は連続鎊造複数ス トラン ドにも適用できる。 すなわち、 複 数ス トラン ドの場合は一般にス トラン ドと同数の回転磁場発生 装置 (コイル) を必要としていた力 s、 このコイルの設置を 1 力 所のみにするこ とが可能となった。 図 2 8および図 2 9 はその —例である。
図 2 8では受入槽 5 4 bおよび回流槽 5 4 aに対し直交する 位置に前記流出槽にかえて断面が長方形の分配槽 5 4 f を設 け、 この分配槽 5 4 f の底部に複数の流出口 6 4を有する。 こ の場合は 1 か所にコイル 5 5を設けるだけでよい。 6 3は取鍋 (図示せず) から注入される溶融金属の流入口である。
また、 図 2 9では受入槽 5 4 bおよび回流槽 5 4 aに続いて 延長する分配槽を設けている。 この場合もコイル 5 5は 1 か所
でよい。
つぎに、 本発明のタンディ ッシュの動作例を図 2 6、 図 2 7 について説明する。 溶融金属 5 1 は、 取鍋 5 2から取鍋ノズル 5 3を介してタンデッシュ 5 4の受入槽 5 4 bに注湯される。 この受入槽 5 4 bでは溶融金属は回転しないため、 取鍋ノズル は流速による溶損は著しく減少し、 折損するこ と もない。 さら に取鍋交換等によ り浮上スラグを溶融金属中にたたきこむこ と があっても次槽の回流槽でスラグは分離できる。 この受入れた 溶融金属 5 1 は壁 5 6の開孔 5 4 dを通過し、 回転磁場発生コ ィル 5 5にて発生させた磁場によ り回流槽 5 4 aの溶融金属を 水平回転させ、 スラグ 6 2を分離した清浄な溶融金属が壁 5 7 の開孔 5 4 eを通過して流出槽 5 4 cに至り、 こ こで残存して いる非金属介在物を自然浮上させた後にタンディ ッシュノズル 5 8に達する。 すなわち、 回転磁場発生コイル 5 5にて回転す る回流槽 5 4 aの溶融金属 6 1の流速によって起こる湯面の変 動を壁 5 6、 壁 5 7の両壁にて抑え、 かつ分離浮上したスラグ 6 2を下流側へ流出するこ とを防止するこ とができる。
図 2 4 、 2 5、 および図 2 8 、 2 9の場合も受入槽 5 4 bか ら回流槽 5 4 aにいたる溶融金属からのス.ラグの分離は、 上記 と全く 同様である。
本発明は、 以上説明したよ う に構成されているので、 タ ン ディ ッ シュ内に溶融金属の受入槽と壁で仕切られた回流槽を設 け、 この槽内に水平回転流を生じさせ、 スラグ分離を行う こ と によ り、 効率よ く高品質の铸造を行う こ とができる。
( C ) タ ンディ ッ シュの構成例 Π
本発明の溶鋼中の介在物除去装置 (タ ンディ ッ シュ) 8 0 は、 回流槽 7 1 および浮上槽 7 2を具える。 回流槽 7 1 には取 鍋 (図示せず) からノズル 7 3を経て溶鋼 7 7が図 3 7の矢印 で示すよ うに注入され、 注入された溶鋼は好ま し く は回転また は移動磁界装置 (以下、 コイルという ) 7 4 によ り図 3 6の矢 印で示すように水平回転流が与えられる。 これによ り溶鋼 7 7 中の介在物あるいはタンディ ッ シュ 8 0の耐火物の溶損等によ る介在物を回流槽のパラボラ状渦流上に分離浮上させる。
こ こで、 溶鋼はある時間のあいだ回流槽 7 1 内に滞留し、 そ の後隔壁 7 8に設けた連通口 7 5を通じて浮上槽 7 2へ流出す る。 介在物はその大半が回流槽 7 1 で凝集分離され、 残り も浮 上槽 7 2 にてほぼ完全に浮上する。 その後流出ロ 7 6を通じて モール ド (図示せず) へ導かれる。 また、 回流槽 7 1 から浮上 槽 7 2への連通□ 7 5の位置は、 図 3 6においては流入□ 7 3 と流出口 7 6 とを結ぶ線上に設けた例を示してしているがこれ
に限るものではない。
本発明では図 3 7に示すよ う に障壁 7 8 aを設けて連通口 7 5の下端位置を回流槽 7 1 の底壁から hだけ離すこ とが必要 である。 いかに介在物分離能力が優れていても、 連通ロ 7 5を 回流槽 7 1 の底壁に直接設置したのでは、 取鍋交換時に溶鋼 7 7のレベルが低下した場合には、 図 3 8に示すように、 遠心 分離効果があるとはいえ、 回流槽 7 1 内に堆積した介在物ゃス ラグ 7 9の集積物がある程度の比率で連通口 7 5を介して浮上 槽 7 2へ流出するこ とが確認されている。
これに対し図 3 7において、 溶鋼 7 7のレベルが低下した場 合には、 よほど極端にレベル低下、 もしく は回転槽 7 1 の介在 物ゃスラグ 7 9が大量に堆積しないかぎり、 図 3 9に示すよう に浮上槽 7 2への介在物ゃスラグ 7 9の流出は防止される。
また、 図 4 0に示すように連通口 7 5の位置を回流槽 7 1 の 底壁に設け、 かつ浮上槽' 7 2の底壁に煉瓦等による障壁 7 8 a を設けてもよい。
この障壁 7 8 a と 7 8 との水平距離は、 3 0 0 m m程度が望 ましい。 7 8 aがモ一ルドへの流出口 7 6の近傍に存在してい たのでは介在物ゃスラグ 7 9が浮上槽 7 2へ流出するこ とを防 止できず、 ほぼ全量が流出する。
すなわち、 本発明は回流槽 7 1 と浮上槽 7 2 を分離するこ と によ って、 取鍋交換等の非定常時においても溶融金属のバッ フ ァー機能を設備コス トの大きい回転部分を大き く するこ と な く持たせるこ とができると ともに、 浮上時間を確保するこ とに よる介在物の分離効果の増大が達成され、 さらに回流槽 7 1 と 浮上槽 7 2 との間の連通口 Ί 5の位置を規定するこ とによ り、 介在物のショー トサ一キッ トによる浮上槽への流出を防ぐこ と ができ、 介在物の分離効果をよ り一層確実なものとするこ とが できた。
つま り、 図 3 6において回流槽 7 1 にて清浄化された溶鋼は 回流槽 7 1 から連通口 7 5を通り浮上槽 7 2に入り、 静置され た溶鋼中の残存介在物は浮上槽 7 2上に浮上して分離される。 このよ うにして一層清浄化された溶鋼は流出口 7 6を経てモー ル ド (図示せず) に注入され、 铸造品となる。
本発明は、 以上説明したように構成されているので、 鋼板等 の製品欠陥の原因となる介在物を効果的に除去するための装置 を設備の過大な増大をなく して製作するこ とができ、 さらにそ の装置を用いるこ とによって、 取鍋交換時等の非定常時にも安 定し 介在物除去の効果を得るこ とができるので、 製品欠陥率 が低減し、 大幅な歩留り向上が可能となった。
また、 その結果、 大きな設備投資無しに、 低コス トで高清浄 鋼を製造するこ とができるようになった。
( D ) タンディ ッシュの構成例 III
次いで、 本発明の電磁コィル装置を適用するタンディ ッ シュ の他の例と して鋼の連続铸造の場合の概要を説明すると、 例え ば取鍋とタンディ ッ シュとモールドとを組合わせた装置におい て、 取鍋内の溶融金属は図 4 1 に示す回流槽 8 3 と分配槽 8 4 を有するタ ンディ ッシュ 9 0の回流槽 8 3へ注下される。
前記回流槽 8 3では移動磁場発生用電磁コイル 8 5によって 回流槽 8 3内の溶融金属に回転力が付与され、 こ こで回流され た溶融金属の一部は回流槽 8 3の底部から分配槽 8 4に移り、 さらにタンディ ッシュ 9 0の底部を経てモールドに注入され、 所定の寸法に錡造される。 8 2 は鉄皮、 8 8は耐火材料であ る。
従って、 かかるプロセスで回流槽 8 3において溶融金属から 非金属介在物を分離し、 分配槽 8 4を経由してモールド内に清 浄な溶融金属が注入される。
本発明は、 前記コイル 8 5の磁場内範囲の夕ンディ ッシュ容 器部 8 1 を電気的に不良導体にしたものである。
移動磁場内におかれた導体内には; 渦電流が発生し、 その渦
電流よ り発生した磁場と移動磁場とが作用して力を生じる結果 となるが、 移動磁場内におかれるものを電気的に不良導体にす るこ とによ り渦電流の発生を防ぐことができ、 不要な力の発生 を抑えるこ とができる。
本発明によれば、 移動磁場内におかれたタ ンディ ッ シュの不 良導体容器部 8 1 の部材をセラミ ッ ク等の電気的に不良導体と してあるから、 渦電流が発生せず、 力も発生しないので、 前記 コイル 8 5によ り印加される電磁場範囲内の移動磁界によ り 夕 ンディ ッ シュ 9 0に不要な力が生じず、 振動が抑止され、 タン ディ ッ シュ 9 0内溶鋼の秤量が安定し、 また溶鋼表面の流動の 鎮静化が促進され、 非金属介在物などの不純物の溶鋼内への混 入が防止でき、 安定した铸造操業と鋼品質が達成できた。
また、 振動が無く なるこ とによ り、 タンディ ッ シュ 9 0内の 耐火材料 8 8の目地の緩みもなく なり、 洩鋼の危険も防止でき るよ うになった。 '
図 4 1 および図 4 3は、 タンディ ッシュ 9 0の不良導体容器 部 8 1 の他の構成例を示す。 前記不良導体容器部 8 1 に補強の 目的で金属製ワイヤーを使用しているが、 図 4 3に示すよ うに 補強用ワイヤー同士が電気的に接触しないよ うに縦方向金属線 8 6 と横方向金属線 8 7を配置するこ とで、 渦電流の発生規模
を微少にし、 振動力の発生を抑えることを可能にしている。 前記補強材 8 6 、 8 7 と しては鉄筋または力一ボンフ アイ バーが好ま しいが、 エンジニアリ ングプラスチックなどでもよ い。
鉄筋等の補強材の使用量は、 それらによって発生する渦電流 による合力が鉄皮 8 2の場合よ り小さく なるようにするこ とが 目安となる。
以上の説明において溶融金属と して溶鋼を挙げたが、 これに 限るものではない。
なお、 本発明においてコイル装置は、 一般に用いられる移動 磁場を発生する電磁コイル装置であり 、 例えばリニアーモ一 ターを挙げるこ とができる。
本発明は、 以上説明したように構成されているので、 コイル によ り印加される電磁場範囲内のタンディ ヅ シュ回流槽の部材 を不良導体とするこ とに'よ り、 タンディ ッシュに不要な力が生 じず、 振動を抑止できるという効果を奏する。 また、 これによ り安定した操業と品質が得られるという効果を奏する。
また、 前記不良導体で構成される部材を、 補強材で補強する こ とによ り、 タンディ ヅシュ内の耐火材料の目地の緩みを防止 し、 溶融金属の洩れの危険を回避できる。
( E ) コィルの構成例 I
以下に本発明の溶融金属の非金属介在物除去装置を図 4 4を 参照してさらに詳細に説明する。
先ず、 本態様の非金属介在物除去装置の一例と して鋼の連続 鐯造の場合の概要を説明する と、 例えば図 4 4に示すよ う に レー ドル (図示せず) とタンディ ッシュ 9 1 とモール ド (図示 せず) とを組合わせた装置において、 レー ドル内の溶鋼 9 4は タンディ ッ シュ 9 1 へ注下される。
前記タ ンディ ッ シュ 9 1 では移動磁界発生用コイル 9 3の周 波数切りかえによってタンディ ッシュ 9 1 内の溶鋼 9 4に回転 力と加熱とが付与され、 非金属介在物の浮上分離が促進され る。 こ こで回流された溶鋼 9 4の一部はタ ンディ ッ シュ 9 1 の 底部に回転中心と偏心した位置に設けたノズル 9 7を経てモー ルドに注入され、 所定の寸法に铸造される。
従って、 かかるプロセスでタンディ ッ シュ 9 1 内で溶鋼 9 4 から非金属介在物を分離し、 モールド内に清浄な溶鋼が注入さ れる。
本発明は、 前記移動磁界発生用コイルと してタ ンディ ッ シュ 9 1 の外周の上下にそれぞれ独立して複数系列のコイル 9 3を 設けるこ とによってタンディ ッシュ 9 1 内の溶鋼 9 4に必要な
水平回転流 9 6 を与える と と もに所望の溶鋼温度に保持する こ とができる (図 4 4は上下 2系列のコイル 9 3 を設けてい る) 。 このとき上下コイル 3を同時に作動させても加熱による 上下反転流は発生しない。
こ こで、 2系列のコイル 9 3を設ける場合には、 その一方を 加熱用 と して他方を回転用、 またはその逆と して用いればよ い。 前記加熱用の周波数は 5 0〜 1 0 0 H z、 前記回転用の周 波数は 0 . 5〜: L 0 H zの範囲が望ましい。
非定常時等の溶鋼量減少時には、 下系列コィルを加熱用に変 更すればよい。
上下コイルを多系列とし、 周波数または電流を適宜変更すれ ば、 回流槽内の溶鋼量に応じ、 または溶鋼温度、 介在物量に応 じてきめ細かい調整が可能となる。
前記コイル条件の変更によ り、 周波数の場合は加熱と回転数 の切りかえを、 また電流の場合は磁界強さを、 それぞれ変更で きる構成と したから、 回流槽内の溶鋼の加熱と回転撹拌を自由 に制御するこ とができる。
なお、 、 本発明において溶融金属は溶鋼に限るものではな い。 タ.ンディ ッシュについても少なく とも回流槽を有するもの であればよく 、 形状は限定しない。
本発明によれば図 4 4に示すようにタ ンディ ッ シュ 9 1 の回 流槽の上下に複数系列の移動磁界発生用コイ ル 9 3を設け、 こ のいずれか一方のコイルを回転撹拌主体のコイルに用い、 他方 のコイルを加熱用主体のコイルと して溶鋼の加熱に適した周波 数を印加するこ とによ り、 従来の加熱用コイルによって生じる 上下反転流 9 5のフローを消失できるようにしたから、 回転撹 拌流 9 6による介在物分離機能を維持しつつ、 加熱による溶鋼 9 4の温度低下防止が確保できる。
本発明は以上説明したように構成されているから、 本発明は 、 タンディ ッ シュの回流槽の上下に複数系列の加熱用および回 転撹拌用の移動磁界発生用コイルを設けるこ とによ り、 加熱と 同時に水平回転流が得られ、 介在物の分離も達成でき、 良好な 錶片品質を得るこ とができるようになった。
( F ) コィルの構成例 I I
以下に本発明の移動磁界発生用 コ イ ル装置を有するタ ン ディ ッ シュを図 4 7に基づいてさらに詳細に説明する。
先ず、 本発明のタンディ ッシュによる非金属介在物除去の一 例と して鋼の連続铸造の場合の概要を説明する と、 例えば図 4 7 に示すよ う に レー ドル (図示せず) と タ ンディ ッ シュ 1 1 0 とモール ド (図示せず) とを組合わせた装置において、
レ一 ドル内の溶鋼 1 0 6はタ ンディ ッ シュ 1 1 0へ注下され る。
前記タンディ ッシュ 1 1 0では移動磁界発生用コイル 1 0 1 a、 1 0 1 bによってタンディ ッシュ 1 1 0内の溶鋼 1 0 6に 回転力が付与され、 ここで回流された溶鋼 1 0 6の一部はタン ディ ッシュ 1 1 0の底部に設けたノズル 1 0 7 (図示せず) を 経てモールドに注入され、 所定の寸法に鐯造される。
従って、 かかるプロセスでタ ンディ ッ シュ 1 1 0内で溶鋼 1 0 6から非金属介在物を分離し、 モールド内に清浄な溶鋼が 注入される。
本発明は、 前記移動磁界発生用コイルと してタンディ ッ シュ
1 1 0の外周の上下方向にそれぞれ独立して複数系列の例えば コイル 1 0 1 a、 1 0 1 bを設けるこ とによってタ ンディ ッ シュ 1 1 0内の溶鋼 1 0 6に必要な水平回転流 1 0 9を与える と と もに溶鋼表面の凹面深さを浅く に保持するこ とができる (図 4 7は上下 2系列のコイル 1 0 1 a、 1 0 1 bを設けてい る) 。 このとき上下コイル 1 0 1 a、 1 0 1 bを同時に、 また は必要に応じて一方のみを作動させることができる。
こ こで、 前記のコイル 1 0 1 a、 1 0 1 bは、 少なく とも上 系列のコィル 1 0 1 aによる溶鋼の回転速度 1 0 9 aを下系列
のコイル 1 0 1 bによる回転速度 1 0 9 b よ り も小さ く なるよ う印加する コ イ ルの電流、 周波数または極性を適宜制御装置 (図示せず) で調整する。 前記制御装置と しては例えば、 サイ リスタイ ンバ一夕やサイ クロコ ンバータによる電源装置を挙げ るこ とができる。
上記例はコイルを上系列と下系列にしたものであるが、 これ を 3 , 4……の複数とするこ と もでき、 このとき回転速度が下 から上にいく に従って小さ く なるようにコイルの電流、 周波数 または極性を変更してもよい。
このよ うに上下方向のコイルを多系列と し、 電流、 周波数ま たは極性を適宜変更すれば、 回流槽内の溶鋼量に応じ、 または 介在物量に応じてきめ細かい調整が可能となる。
前記コイル条件の変更は、 電流の場合は磁界強さを、 周波数 の場合は回転を、 極性の場合は移動磁界の発生をそれぞれ変更 できる構成と したから、 回流槽内の溶鋼の回転撹拌と表面の凹 面深さ とを自由に制御するこ とができる。
こ こで、 極性の変更について、 下系列の回転方向に対して上 系列の回転方向を逆にすれば、 溶鋼の回転方向にブレーキ作用 が働き、 上層の溶鋼回転が減少するものである。
なお、 本発明において溶融金属は溶鋼に限るものではない。
タンディ ッシュについても少なく とも回流槽を有するものであ ればよく 、 形状は限定しない。
本発明によれば、 タンディ ッシュ 1 1 0の回流槽 1 1 O aの 上、 下に移動磁界発生コィル 1 0 9 a、 1 0 9 bを設け、 溶鋼 の高さ方向の上下独立に回転数を制御するこ とができるように したから、 溶鋼上層では、 回転による凹面深さ ( Z ) を低減 し、 レ一ドル 1 0 5から溶鋼 1 0 6を注入するための浸漬ノズ ル 1 0 7長は溶鋼を回転させない場合の従来長とほぼ同じ寸法 でよいため、 ノズルコス ト、 折損の頻度の増加が防止でき、 ま た溶鋼表面の面積も従来と同じレベルにでき、 溶鋼の酸化に関 しても従来レベルに保持することができる。 さらに溶鋼下層で は介在物分離機能を確保するための回転数を得るこ とができ る。
本発明はタンディ ヅ シュの槽において、 上下に移動磁界発生 コイルを設け、 溶融金属の高さ方向の上下独立に回転数を制御 することができるよ うになつたので、 従来の 1個の移動磁界発 生コィルで回転させた場合に比較し、 レードルの浸漬ノズル長 も短く できるばかりでなく 、 溶融金属酸化の防止ができ、 さら に介在物の分離機能も確保することができるようになった。 ( G ) コィ ルの構成例 I I I
以下に本発明の移動磁界発生用 コ イ ル装置を有する タ ン ディ ッ シュを図面を参照してさらに詳細に説明する。
本発明においてコイ ル装置は、 タ ンディ ッ シュの両側の浮 上槽によって分割されて 1 対となっている。 すなわち、 タ ン
5 ディ ッ シュは、 例えば図 5 1 に示すように中央の回流槽 1 1 0 aに対し両側に浮上槽 1 1 0 bを有する。 回流槽 1 1 0 aの外 周面は両側の浮上槽 1 1 0 bによ り分割されているから、 コィ ル装置も 1 0 1 cおよび 1 0 1 dの 1対となる。
各コイル装置 1 0 1 c , 1 0 1 dは、 それぞれ円弧状の鉄芯
1 0 1 1 4に等間隔に巻線コイル 1 1 5が配置される。 この巻線コ ィル 1 1 5の数は、 両側の浮上槽 1 1 0 bが図 5 1 に示すよ う に回流槽 1 1 0 a内の溶鋼回転中心 1 2 9を通る 1 直線上に配 設されている場合には通常同数と な り 、 かつ各巻線コ イ ル 1 1 5は回流槽 1 1 O a内の溶鋼回転中心 1 2 9に対して実質
I 5 的に対称となる位置に配置される。
こ こで、 本発明では例えば 3相の場合のコイル装置 1 0 1 c , 1 0 1 dを形成する電極をそれぞれ時計廻り方向に A , , B , , C D , E , F および Α 2 , B , C 2 , D 2 , E F とすると各対称位置の極性が異なるよ うにコ Π ィル線の巻き方もし く は印加する電流を変えてある (例えば、
A! 極が N極であれば A 2 極は S極となるよう に) 。 これに よって、 図 5 5 を用いて説明したよ う に、 コイル 1 0 1 c , 1 0 1 d内で溶鋼の垂直方向の磁束密度成分 1 2 0に対して、 回流槽 1 1 0 a内の溶鋼回転中心 1 2 9へも磁束が及ぶこ とに よって、 溶鋼へ回転力を発生させるための磁束密度が大き く な るため、 大きな回転力が得られる。 すなわち、 図 5 1 において 電極 A i からは電極 へ飛ぶ磁束 1 1 3 と回流槽 1 1 O a内 の溶鋼回転中心 1 2 9を介して対称極 A 2 へ飛ぶ磁束 1 1 3 a が生ずる。
なお、 以上は図 5 1 すなわちコィル装置を図 5 4のように配 置した例について説明したが、 図 5 3のように配置した場合に ついても同様な作用効果が得られる。
なお、 本発明において溶融金属は、 溶鋼に限定するものでは ない。
本発明は、 以上説明じたよ うに構成されているので、 タ ン ディ ヅシュ内における溶鋼の回転攪拌が強化され、 介在物分離 効果が大き く なり、 品質の良好な铸片を得るこ とが可能となつ た。
( H ) コィル装置の構成例
以下に本発明の移動磁場発生用電磁コィル装置を図 5 6を参
照してさらに詳細に説明する。
先ず、 本発明の電磁コイル装置を適用するタンディ ッ シュの 一例と して鋼の連続铸造の場合の概要を説明すると、 例えば図 5 6に示すよ うに取鍋 1 3 5 とタンディ ッ シュ 1 4 0 とモール ド (図示せず) とを組合わせた装置において、 取鍋 1 3 5内の 溶融金属 1 3 6は回流槽 1 4 0 a と浮上槽 1 4 0 bを有する夕 ンディ ッ シュ 1 4 0の回流槽 1 4 0 aへ注下される。
前記回流槽 1 4 0 aでは移動磁場発生用電磁コ イ ル装置 1 3 1 によって回流槽 1 4 0 a内の溶融金属 1 3 6に回転力が 付与され、 こ こで回流された溶融金属 1 3 6の一部は回流槽 1 4 0 aの底部から浮上槽 1 4 0 bに移り、 さらにタンディ ッ シュ 1 4 0の底部に設けたスライディ ングノズル 1 3 7および イ マ一ジ ョ ンノ ズル 1 3 8 を経てモール ドに注入され、 所定 の寸法に铸造される。 1 3 3 は鉄皮、 1 3 4は耐火材料であ る。
従って、 かかるプロセスで回流槽 1 4 0 aで溶融金属 1 3 6 から非金属介在物を分離し、 浮上槽 1 4 0 bを経由してモール ド内に清浄な溶融金属が注入される。
本発明は、 前記タ ンディ ッシュ 1 4 0の回流槽 1 4 0 aに対 向して配設されるコイル装置 1 であって、 少なく と も溶融金属
1 3 6を注入したタンディ ッシュ 1 4 0の回流槽 1 4 0 aに面 するコイル装置 1 3 1 の外面に断熱材 1 3 2を有する。
前記断熱材 1 3 2 としては、 タンディ ッシュ 1 4 0からの放 熱温度に耐えるもの、 例えば耐火物を挙げるこ とができる。
前記耐火物と しては A l 2 0 3 .系キャスタブル等を用いるこ とができ、 厚さは、 例えば 1 0 ~ 5 0 m m程度でよい。
前記断熱材 1 3 2を図 5 6に示すようにコィル装置 1 3 1 の 外面で、 外周部の溶融金属容器に面する部分とその上面に用い るのが好ましい。
0 本発明によれば、 コイル装置の溶融金属容器、 すなわち、 タ ンディ ッシュ 1 4 0に面する部分に断熱材 1 3 2を施してある ため、 溶融金属容器 1 4 0からの放熱を直接電磁コィルに伝え ることがなく 、 電磁コイルの故障をなく すこ とができる。 すな わち、 コイルの導線表面は絶縁材により被覆されているが、 コ δ ィル温度が上昇する と この絶縁材が劣化し、 短絡を起こす。
従って、 コイル装置の温度は 1 7 0 °C以下に維持するのが望ま しい。 また万一の溶融金属容器 1 4 0から溢れ出た溶融金属が 電磁コィルに直接接触するこ とがなく溶損による電磁コイルの 故障をなく すことができるようになる。
なお、 本発明において溶融金属は、 特に制限せず、 例えば溶
鋼を挙げるこ とができる。
また、 本発明においてコイル装置は、 一般に用いられる移動 磁場を発生する電磁コイ ル装置であ り 、 例えばリ ニア一モー 夕一を挙げるこ とができる。
本発明は、 以上説明したように構成されているので、 溶融金 属に水平回転流を与えるための移動磁場を発生する電磁コイル 装置の、 溶融金属容器に面する部分に断熱材を施したため、 溶 融金属容器からの放熱を遮断できるようになり、 また洩れた溶 鋼が電磁コイルに直接及ぶこ となく 、 電磁コイル装置の性能が 安定して維持できるようになった。
( I ) コイルの冷却例 I
以下に本発明の移動磁場発生用電磁コィル装置を図面を参照 してさらに詳細に説明する。
先ず、 本発明の電磁コイル装置を適用するタ ンディ ッ シュの 一例と して鋼の連続铸造の場合の概要を説明すると、 例えば図
5 7に示すように取鍋 1 4 5 とタンディ ッ シュ 1 5 0 とモール ド (図示せず) とを組合わせた装置において、 取鍋 1 4 5内の 溶融金属 1 4 6は回流槽 1 5 0 a と浮上槽 1 5 0 bを有するタ ンディ ッ シュ 1 5 0の回流槽 1 O aへ注下される。
前記回流槽 1 5 0 aでは移動磁場発生用電磁コ イ ル装置
1 4 1 によって回流槽 1 5 0 a内の溶融金属 1 4 6に回転力が 付与され、 こ こで回流された溶融金属 1 4 6の一部は回流槽
1 5 0 aの底部から浮上槽 1 5 0 bに移り、 さらにタンディ ッ シュ 1 5 0の底部に設けたスライディ ングノズル 1 4 7および 5 イマ一ジョ ンノズル 1 4 8を経てモールドに注入され、 所定 の寸法に铸造される。 1 4 3 は鉄皮、 1 4 4は耐火材料であ る。
従って、 かかるプロセスで回流槽 1 5 0 aで溶融金属 1 4 6 から非金属介在物を分離し、 浮上槽 1 5 0 bを経由してモール I 0 ド内に清浄な溶融金属が注入される。
本発明は、 前記タンディ ッシュ 1 5 0の回流槽 1 5 0 aに対 向して配設されるコィル装置 1 4 1 であって、 少なく と も溶融 金属 1 4 6を注入したタンディ ッシュ 1 5 0の回流槽 1 5 0 a に面するコイル装置 1 4 1 のケーシング 1 5 2の内面に冷却 : 5 装置 1 5 3 を有する。 好ま し く は、 図 5 7に示すようにタ ン ディ ッシュ 1 5 0の、 少なく ともコィル装置 1 4 1 と対面する 部分に、 冷却装置 1 5 6を配設するのがよい。
前記冷却装置 1 5 3 と しては、 渦電流で発熱した鉄皮 1 4 3 によ り熱せられたケーシング 1 5 2内を冷却するものであれば ί よ く 、 例えば図 5 8または図 5 9に示すものを挙げるこ とがで
きる。
図 5 8のものは、 一般に用いられる水ジャケッ トで、 冷却 水を入口 1 5 4から注入し出口 1 5 5から排出するものであ る。
また、 図 5 9のものは、 公知の水管パネルで、 冷却水を入口 1 5 4から注入し、 パネル状の水管内を通り出口 1 5 5から排 出するものである。
これらの冷却装置 1 5 3は、 図 5 7に示すようにケーシング 1 5 2の内面であって少なく ともタンディ ッシュ 1 5 0の回流 槽 1 0 aに対向して配設される。
特に、 図 5 7に示すように回流槽 1 5 0 aに面するコイル装 置 1 4 1 のケーシング 1 5 2の外周面および Zまたは上面に断 熱材 1 4 2 をライニングしてある場合は、 ケーシング 1 5 2 の放熱が妨げられるので前記冷却装置 1 5 3がよ り必要とな る。
また、 冷却装置 1 5 6 も、 冷却装置 1 5 3 と同様に、 コイル 装置 1 4 1 と対面する部分の鉄皮 1 4 3を冷却できればどのよ うなものでもよい。
なお、 本発明において溶融金属は、 特に制限せず、 例えば溶 鋼を挙げるこ とができる。
また、 本発明においてコイル装置は、 一般に用いられる移動 磁場を発生する電磁コイ ル装置であ り 、 例えばリ ニアーモ一 ターを挙げるこ とができる。
本発明は、 以上説明したように構成されているので、 溶融金 属に水平回転流を与えるための移動磁場を発生する電磁コィル 装置の、 溶融金属容器に面する部分のケ一シングの内面に冷却 装置を配設したため、 ケ一シング内の熱を吸収できるようにな り、 ケ一シングの強度が熱によ り低下するこ とがなく 、 またコ ィル本体の焼損が防止でき、 電磁コイル装置の性能が安定して 維持できるようになった。
( J ) コィルの冷却例 Π
以下に本発明の溶融金属の非金属介在物除去装置をさらに詳 細に説明する。
先ず、 本発明の非金属介在物除去装置の一例と して鋼の連続 鏡造の場合の概要を説明すると、 例えば図 6 0に示すように取 鍋 1 7 5 とタンディ ッシュ 1 7 0 とモールド (図示せず) とを 組合わせた装置において、 取鍋 1 7 5内の溶融金属 1 6 6は回 流槽 1 7 0 a と浮上槽 1 7 0 bを有するタ ンディ ッ シュ 1 7 0 の回流槽 1 7 0 aへ注下される。
前記回流槽 1 7 0 aでは移動磁場発生用電磁コ イ ル装置
1 6 1 によって回流槽 1 7 0 a内の溶融金属 1 6 6に回転力が 付与され、 こ こ で回流された溶融金属 1 6 6 の一部は回流槽
1 7 0 aの底部から浮上槽 1 7 0 bに移り、 さ らにタ ンデイ ツ シュ 1 7 0の底部に設けたスライディ ングノズル 1 6 7および イ マ一ジ ョ ンノ ズル 1 6 8 を経てモール ドに注入され、 所定 の寸法に铸造される。 1 6 3 は鉄皮、 1 6 4 は耐火材料であ る。
従って、 かかるプロセスで回流槽 1 7 0 aで溶融金属 1 6 6 から非金属介在物を分離し、 浮上槽 1 7 0 bを経由してモール ド内に清浄な溶融金属が注入される。
本発明は、 前記タ ンディ ッ シュ 1 7 0の回流槽 1 7 0 a と こ れに対向して配設されるコイル装置 1 6 1 との隙間に冷却用流 体を噴出する冷却装置 1 6 2を有する。
前記冷却装置 1 6 2 と しては、 例えば、 図 6 1 に示すように コイル装置 1 6 1 のタンディ ッシュ 1 7 0に対向する側面の下 端に沿って流体吹き込み用ノズルヘッダー 1 6 2 aを設け、 そ のノズル孔 1 6 2 bを上方に向けて開孔させたものを挙げるこ とができるが、 これに限るものではない。
前記冷却装置 1 6 2に、 流体と して、 例えば空気を供給して ノ ズル孔 1 6 2 bから噴出させるこ とによ り タ ンディ ッ シュ
1 7 0の鉄皮 1 6 3 とコイル装置 1 6 1 の外周面とを冷却する こ とができる。 コィルの導線表面は絶縁材によ り被覆されてい るが、 コイル温度が上昇するとこの絶縁材が劣化し、 短絡を起 こす。 従って、 コイル装置の温度は 1 7 0で以下に維持するの δ が望ましい。
前記流体と して水ミス ト入り空気を用いると冷却効果が高い ので好ましい。
前記流体の流速は、 鉄皮 1 6 3およびコイル装置外周面の温 度上昇の程度とそれらの材料の耐熱度等によって選択すればよ 1 0 く 、 例えば空気を用いた場合 1 O m Z s程度である。
なお、 本発明において溶融金属は、 特に限定せず、 例えば溶 鋼を挙げることができる。
また、 本発明においてコイル装置は、 一般に用いられる移動 磁場を発生する電磁コイル装置であり 、 例えばリニア一モー I δ 夕一を挙げるこ とができる。
本発明は、 以上説明したように構成されているので、 移動磁 場によつて溶融金属に水平回転流を与える溶融金属容器と電磁 コイル装置との隙間に冷却用流体を吹き込むようにしたから、 溶融金属容器からの熱が電磁コィル装置側に伝わらないように し なり電磁コイル装置の性能低下または故障がなく なり、 溶融金
属容器部材の温度が上昇しないようになり強度低下が防止でき る。
( K ) 溶鋼中非金属介在物除去装置の作動
本発明による具体的铸造法を図 6 4を参照しつつ説明する。 溶融金属 1 8 1 は取鍋 1 8 2からセミロ ングノズル 1 8 3を介 してタ ンディ ッ シ ュ 1 8 4 に注湯される。 タ ンディ ッ シ ュ 1 8 4では、 コイ ル 1 8 5 によ り発生させた磁場によ り溶湯 1 9 1 を水平回転させる。
従来は取鍋 1 8 2からの注入流によるスラグ等の溶湯へのた たき込みを避けかつ注入流の空気汚染を防止すべく 、 図 6 2の よ うな、 浸漬タイプのノズル 1 8 3 aを使っていたが、 溶湯の 回転力によって折損する等の トラブルが発生したのは前述の通 りである。 そこで、 非浸漬タイプのセミ ロ ングノズル 1 8 3を 用いるこ とによ りその トラブルは完全に回避でき、 また、 ノズ ルの大きさを小さ く できたこ とによって、 耐火物コス トの削減 も可能となった。
しかし、 タンディ ッシュ 1 8 4中でコイル 1 8 5の磁場によ り溶湯 1 9 1 を回転させるこ とによって非金属介在物の分離除 去が可能であり、 かつ、 溶湯の注入位置すなわちノズル 1 8 3 の位置を中心から遠ざけるこ とによって回転力によって中心に
集められた介在物、 スラグを避けて、 注入できるためスラグの たたき込みを軽減できることから、 中心よ りずらして、 注入す ることが適切であると考えられていた。 しかし溶鋼の回転中心 よ りずらして取鍋よ りタンディ ッシュ中に注入すると、 上方か らの溶鋼流速が加わり、 円滑な回転流が乱れてしまい、 効果が かえって少なく なつてしまう ことがわかった。 逆に中心に注入 すると、 スラグはたたきこんでも、 円滑な水平回転が得られる こ とから铸片 1 9 0でスラグ系の介在物が検出されるこ とは、 従来と比べても大幅に低減することができる。 さらに、 この回 転力によって、 従来問題となっていた容器内で介在物をサブ マ一ジ ドノズル 1 8 6へ導く 恐れのある短絡流を防止できる 為、 タンディ ッシュ 1 8 4を大幅に小さく するこ とができ、 ま た、 余分な堰 1 9 3等も必要なく高品質な鎳片を得つつ、 耐火 物のコス トダウンが実現できる。
また、 非浸漬とは言いつつも、 タンディ ッシュ 1 8 4の内部 まで挿入するこ とができるノズル 1 8 3を使って取鍋 1 8 2カ らタンディ ッシュ 1 8 4に注湯を実施している為、 タンディ ヅ シュ 1 8 4のふた 1 8 8に設ける開孔部面積も小さ く できる。 したがって、 注入流のシールがたとえばシール治具 1 9 2など によ り容易に行え、 かつ取鍋交換時にもパージガスによってタ
ンディ ッ シュ 1 8 4内圧力を確保するこ とによって空気の侵入 を防止する こ とができ る。 従って従来の図 6 3 に示すよ う な シール管 1 8 9を使用したシール方法に比べ、 溶湯の酸化、 吸 窒素を大幅に減少させるこ とができ、 浸漬ノズル使用時に必匹 するシール方法となっている。
本発明は、 取鍋からタンディ ッシュを介して铸型へ注入する 溶融金属の铸造において、
1 ) タ ンディ ッ シュでの磁力による溶融金属へ水平回転力を付 与しつつ
2 ) 取鍋からタンディ ッシュへの注入で、 容器内へ挿入可能な 非浸漬ノズルを用い溶鋼をタンディ ッ シュの溶鋼回転中心位置 に注入すると ともに、
3 ) 容器内を不活性ガスでシールする铸造方法を採用したこ と によ り、 溶鋼酸化を防止しつつ介在物の分離除去を促進するこ とができ、 铸片への介在物汚染を大幅に低減できるようになつ た。 そして、 製品での欠陥を大幅に改善できたこ とによって、 最終製品までの歩留向上の効果を得るこ とができる。
また、 本発明法はタンディ ッシュと して、 小型の物を使用す る事ができるためノズルの小型化と も併せて耐火物コス 卜の低 減という効果もある。
( L ) 溶鋼中非金属介在物除去装置の制御
先ず、 本発明のタンディ ッシュ内溶鋼処理方法を用いた非金 属介在物除去装置の一例と して鋼の連続铸造の場合の概要を説 明すると、 例えば図 1 6 6に示すようにレードル (図示せず) とタンディ ッシュ 2 0 3 とモールド (図示せず) とを組合わせ た装置において、 レ一 ドル内の溶鋼 2 0 7はタンディ ヅ シュ 2 0 3へ注下される。
前記タンディ ッ シュ 2 0 3では移動磁界発生コイル 2 0 9に よってタ ンディ ッ シュ 2 0 3 内の溶鋼 2 0 7に回転力が付与 され、 こ こで回流された溶鋼 2 0 7の一部はタ ンディ ッ シュ 2 0 3 の底部に設けたノズル 2 0 8を経てモール ドに注入さ れ、 所定の寸法に铸造される。
従って、 かかるプロセスでタ ンディ ッ シュ 2 0 3内で溶鋼 2 0 7から非金属介在物を分離し、 モールド内に清浄な溶鋼が 注入される。 、
本発明の構成を図 6 6 によ り 説明する。 タ ンディ ッ シュ 2 0 3の溶鋼回転中心上と溶鋼回転外周上にそれぞれ溶鋼湯面 までの距離を検出するセンサ 2 1 1 、 2 1 2を設ける。
この.湯面迄の距離を 1 ! ( m ) 、 1 2 ( m ) とすれば、 溶 鋼の回転によ り形成される凹面深さ Z ( m ) は次式で示され
る。
Z = 1 ( - 1 2 ( 1 ) 凹面深さ Z ( m ) と溶鋼 2 0 7の回転数 N ( r p m ) との 関係は、 タ ンディ ッ シュ 2 0 3 の回流槽 2 0 5 の半径を r ( m ) 、 重力を g とすると次式の関係がある。
3 0■>! 2 g Z
N =
π r 従って、 溶鋼 2 0 7の回転によ り形成される凹面深さ Ζがわ かれば回転数 Ν ( r p m ) を演算するこ とができる。
そこでこの回転数検出方法を用いれば、 操業の各期において 適切な回転力を付与する制御ができるよ うになる。
前記センサ 2 1 1 、 2 1 2 と しては、 例えばマイ クロ波レべ ル計を挙げるこ とができる。
また、 前記回転力の制御方法と しては、 例えば図 6 6に示す よ うにコ ン トローラ 2 Γ3、 設定器 2 1 4を用いあらかじめ操 業経験に基づく各操業期における適正な回転数のパターンを設 定器 2 1 4に入力しておき、 センサ 2 1 1 、 2 1 2からの信号 をコ ン トローラ 2 1 3に入力して回転数 Νを演算し、 これを設 定器 2 1 4からの出力信号と比較し、 その結果にも とづき電源
装置 2 1 0を制御する方法を挙げるこ とができる。
本発明は、 以上説明したように構成されているので、 溶鋼の 回転数を検出しタンデイ ツシュ内溶鋼処理の各操業期で適切な 回転数を溶鋼に与えるこ とができるよ うになり 、 铸込全期間 にわたつて良好なスラブ品質を得るこ とができるよ う になつ た。
( M ) その他
なお、 レードルのノズルからタンディ ッシュの回流層へ溶鋼 を注入するときは、 回流層の回転中心に注入してもよいし、 回 転中心からはずれた任意の位置に注入してもよいのはもちろん のこ とである。 そして、 レードルのノズルはタンディ ッシュの 回流層中の回転している溶鋼中に浸漬してもよいし浸漬しない ようにしてもよい。
以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例 1 )
次に図 5および図 6に示す本発明の第 1 の態様のタ ンディ ッ シュ移動装置を用い、 はじめにタンディ ッ シュ 3を位置決めし て、 コイル 1 2を対面近接して位置決めするこ とによ り 、 溶鋼 (ブリ キ材) を同一タンディ ッ シュ 3へ 1 0チャージ連続注入 したのち、 タ ンディ ッ シュ 3の交換を行った。 この交換におい てコイル 1 2の異状もなく 、 従来 8 0分かかっていた交換作業 が 3 0分で終了し、 従来に比べ交換作業時間は約 5 0分短縮で きた。 上記実施例でコイル 1 2を最初に位置決めし、 後でタ ン ディ ッ シュ 3を位置決めしても同様な効果が得られた。
本態様によれば、 タ ンディ ッ シュ 3交換作業が従来のタ ン ディ ッ シュ 3本体にコイル 1 2を取りつけた場合のタ ンディ ッ シュ交換作業に比較して約 5 0分の時間短縮ができた。 この主 な要因はケーブルの接続作業に起因しており、 ジュール熱によ るコイル 1 2の発熱を吸収するために、 コイル 1 2 は水冷され ている上、 特にこのケーブルは可と う性に欠けており 、 このた めケーブル接続作業は重筋作業と なるためである と考えられ る。 従って、 本発明によ り コイル 1 2を移動した時は、 ケープ ルベアを通してケーブルをコイル 1 2に接続できるため、 タ ン
ディ ッシュ 3本体の交換作業だけで済むという利点がある。 また、 このよう な構成とするこ とで、 タ ンディ ッシュ 3 の メ ンテナンス性がすぐれるよ う になった。 即ち、 タ ンディ ッ シュ 3 は数チャージあるいは長く ても数 1 0チャージの铸造 後、 内壁れんが等の溶損によ りあらたに補修されたタ ンディ ッ シュと交換する必要がある。 この時、 タンディ ッシュを本発明 の移動手段にてハン ドリ ングすることによ りハン ド リ ングに起 因する問題は解決できた。 以上で述べた夕ンディ ッ シュの交換 作業と はアーム 2 4上の使用済のタ ンディ ッ シュ と新タ ン ディ ッシュとを積み替える作業のことであり、 アーム 2 4を二 つ設けておき、 これを回転させるこ とでタンディ ッシュを交換 する作業でも同様に有効である。
(実施例 2 )
図 1 4、 1 5に示す本発明の第 2の態様のタンディ ッ シュ移 動装置を用い、 溶鋼 (ブ キ材) を同一タンディ ッシュへ 1 0 チヤージ連続注入したのち、 タンディ ッシュの交換を行つたが コイルの異状はなく 、 かつ交換作業時間は約 5 0分短縮でき た。 なお、 前記移動装置の各条件は下記のとおりで行った。
移動台 昇降手段付きのタンディ ッシュ
搭載台を有する移動台
タ ンディ ッ シュ容量 1 5 ト ン
回流槽の直径 1 0 0 0 m m
コイル 動磁界発生用コイル
ケーブルベア キヤタ ビラ状のもの
(実施例 3 )
表 1 に示す操業条件を満足するように、 ( 1 ) および ( 8 ) 式から最小最適化した本発明の回流槽および浮上槽を有する非 金属介在物除去装置 (発明例) の一例を図 2 1 に寸法付き (単 位 m m〗 で示す。
これに対し、 表 1 に示す条件で、 図 1 9に示すよ うな浮上槽 を有しない設備 (比較例) で し よ う と する と 、 取鍋交換時 の最低湯面レベルを 0. 5 m ( = 0. 4 7 X 1 . 2 1/3 ) 以上 と し、 回流槽内の設定滞留時間 3分を確保するためには、 式 ( 1 ) および ( 3 ) よ り、 回流槽半径が 0. 4 6 m以下では、 回流槽内の設定滞留時間の制約で高さが決定し、 0. 4 6 m以 上では取鍋交換時の最低湯面レベルの制約で高さが決定する。 それ故、 比較例の場合の設備高さは、 図 2 2に示す様なものに する必要がある。 図 2 2中の最低高さでも、 溶鋼の最高レベル は 1 . 5 2 mまで達し、 設備高さは発明例である図 2 1 に比べ て約 4 0 0 m mも高く する必要があるこ とになる。 タ ンディ ッ
シュ高さの増大はそれに伴う建屋高さの増大による設備コス ト の大幅増大につながり、 また、 既存の連鏡設備に適用する場合 は、 設備制約によつて実現が不可能となる場合が少なく ない。 さ らに、 設備高さを最小とする回流槽半径を採用する場合に は、 溶鋼容量がたかだか 4 t o n程度しか得られず、 取鍋交換 時の湯面レベル確保が困難であるという問題点がある。
それに比べて、 本発明例では、 上記比較例に比べて必要高さ を低く できるだけでなく、 溶鋼容量を浮上槽の大きさで調整す るこ とができるという利点もある。
実験は、 図 2 1 および表 1 に示した条件で鐯造した場合の非 金属介在物の流出数を流出口で採取したサンプルを分析するこ とによって測定した。 図 2 3には、 回流槽における回転有り · 無しでその割合を比較したものを示す。
図 2 3 よ り、 本発明による除去装置によって溶鋼中の非金属 介在物を大幅に除去する、ことが可能であり、 その効果は取鍋交 換時にも発揮できていることがわかった。
項 目 内 谷
取鍋谷量 1 0 0 t ο η
铸造鋼種 フェライ ト系ステンレス鋼
( S ϋ S 4 3 0 )
溶鋼流出量 1 . 2 t o n Z分
適槽 βの , 6 0回転 、 浴鋼回転数 ( 1 2 07c r a d/m i n )
取鍋交換時間 2分
回 ^ji 内 の 3分
設 留時間
(実施例 4 ) 図 2 6、 2 7に示すタンディ ッシュを用いて、 溶鋼 (ブリ キ 材) を連続注入し、 铸片を製造した。 製造条件は下表のとおり と した。
図 3 0、 3 1 に冷延鋼板用素材の製品化における磁粉探傷検 査結果を示す。 比較のために図 3 4に示す従来法の結果を併記 した。 製品欠陥指数について、 定常部では大きな差は見られな
いものの、 非定常部では、 従来法に比較し本発明法は大き く減 少しているこ とが判る。 また、 同チャージのサンプルをスライ ム抽出して、 このときのスラグ量の比較を図 3 2 、 3 3に示す が、 従来法に比較して減少しており本発明法では効率よ く介在 物が浮上分離されていることが明らかとなった。
(実施例 5 )
図 3 6 、 3 7に示すタ ンディ ッ シュを用い、 溶鋼 (ブリ キ 材) を同一タンディ ッシュへ 1 0チャージ連続注入した。
各条件は下記のとおり とした。
回流槽から浮上槽への流通量 ( t Zm i n ) 3 . 0 障壁の高さ ( h ) (mm ) 5 0
Οϊΐ通 ½度 (m/ s e c ) 0 . 1 障壁の位置 隔壁の直下 溶鋼の密度 ( t Zm3 ) 7. 2 この結果、 タ ンディ 、ン シュ流出後の溶鋼中の介在物量は 0 . 0 5 m gノ k g と極めて少量であった。
(実施例 6 )
図 4 1 に示すタンディ ッシュ 9 0 とコイル装置 8 5を用い、 溶鋼 (ブリキ材) を連続注入し、 錶片を製造した。 各条件は下 記のとおりで行つた。
タンディ ッ シュ容量 2 0 t
回流槽の直径 1 0 0 0 m m
耐火材料 厚さ 3 0 0 m mの塩基性
レンガ
鉄皮 : 3 5 0 °C
コィル装置 リニァ一式半円コイル
不良導体容器部 1 の材質 : 1 2 0 a 、 縦方向に鉄筋 (径 3 m m ) 、 横方向全周径 3 m mの鉄筋入り (図 4 2に示すよ う に配置)
操業中においてタンディ ッ シュ 9 0の振動はなく 、 安定した 鋼品質が得られた。 また、 9 0 チャージ連続铸造後において タ ンディ ッ シュ 9 0内の耐火材料 8 8の目地の緩みも発生しな かつた
(実施例 Ί )
図 4 4に示すタンディ 'ッシュ 9 1 を用い、 溶鋼 (ブリ キ材) を連続注入し、 铸片を製造した。
タンディ ッシュ 9 1 の内径 1 m、 溶鋼深さ 1 mと した の タ ンディ ッ シュの外周の上下に 2系列の移動磁界発生用コイル 9 3を設けた。 各コイル高さは 0. 5 mと し、 回転撹拌を目的 と した下部コイ ルには 3 H z、 1 5 0 0 Aの電流を印加し、 加
熱を目的と した上部コイルには 5 0 H z、 4 0 0 Aの電流を印 加した。
その結果、 加熱電力は 3 0 0 k wが得られ、 溶鋼のフローに ついては、 加熱コイルによる上下反転流は生じず 4 0 r p mで 回転し、 介在物の分離効果と しては回転がない場合と比較と し て 1ノ 5に低減できた。
(実施例 8 )
図 4 7に示すタ ンディ ッ シュ 1 1 0 を用い、 溶鋼 (ブリ キ 材) を連続注入し、 铸造品を製造した。
タンディ ッシュ 1 1 0の回流槽 1 1 0 aの内径 l m、 溶鋼深 さ (静止湯面) l mとした。 このタンディ ッシュの外周の上下 に 2系列の移動磁界発生用 コイ ル 1 0 1 a、 1 0 1 b を設 けた。 各コイル高さはそれぞれ 0. 3 mおよび 0. 6 mと し、 上部コイ ルには 2 0 0 Aの電流を印加し、 下部コイ ルには 1 0 0 0 Aの電流を印加した。
その結果、 上層および下層溶鋼はそれぞれ 1 0 r p m、 6 0 r p mで回転した。
溶鋼表面の凹面深さ ( Z ) は 1 . 4 c mであり、 浸漬ノズル
1 0 7:の長さも変えるこ ともなく 、 かつ溶鋼表面の酸化も通常 レベルと等しく 、 介在物の分離効果も 1個の移動磁界で回転数
を 5 O r p mにした場合の効果と同等であり、 銬片品質も良好 な結果が得られた。
(実施例 9 )
図 5 2 に示すタ ンディ ッ シュ 1 1 0 を用い、 溶鋼 (ブリ キ 材) を連続注入し、 铸片を製造した。
回流槽 1 1 0 aの内径 1 2 3力 s 1 mのタ ンディ ッ シュ 1 1 0 に対して、 回流槽 1 1 0 a内の溶鋼回転中心 1 2 9におけるコ ィル装置 1 0 1 cおよび 1 0 1 dの開度 1 2 4力 1 1 0 ° で回 流槽 1 1 0 a内の溶鋼回転中心 1 2 9からコイル装置 1 0 1 c および 1 0 1 dまでの内径 1 2 5力 s 1 m、 外径 1 2 6力 s 1 . 6 mの移動磁界発生用コイル装置 1 0 1 c , 1 0 1 dを配置し、 このコイル装置 1 0 1 c , 1 0 1 dには 3 H zで 2 0 0 0 Aの 電流を印加した。
コイ ル装置 1 0 1 c , 1 O l dを形成する各電極を回流槽 1 1 0 a内の溶鋼回転中心 1 2 9に対して実質的に対称となる 位置に対向して配置し、. これらの対向する電極が互いに異なる 極性になるよ うにした。 対向する電極が互いに同極性になるよ うにした場合での回転数 1 0 r p mに対して本発明例では 4 0 r p mの回転数を得た。 また、 この時介在物分離機能は前記同 極性の場合の 4倍になった。
なお、 浮上槽 1 1 0 bの長さ 2 7 と幅 2 8は、 2 mおよび 1 mと した。
(実施例 1 0 )
図 5 6に示すタンディ ッシュ 1 4 0 とコィル装置 1 3 1 を用 い、 溶鋼 (ブリキ材) を連続注入し、 铸片を製造した。 各条件 は下記のとおりで行った
タンティ ッシュ 2 5 卜 ン
回流槽の直径 1 0 0 0 m m
耐火材料 厚さ 2 5 mmのアルミナ系 キャスタブル
鉄皮 Ι - s 1 O m m
溶鋼温度 1 5 5 0 °C
コィル装置 リニァ一式半円コイル 断熱材 (コイル外周面) 厚さ 2 O m mのアルミナ系 キャスタブル
断熱材 (コィル上面) 厚さ 2 O m mのアルミナ系 キャスタブル
操業中においてタンディ ッシュ 1 4 0に面する側のコイル装 置 1 3 1 の温度は 1 0 0でに保たれ、 コイル装置 1 3 1 の作動 は安定していた
なお、 比較のため前記断熱材を用いない場合のコ イ ル装置 1 3 1 の同一部分の温度は 2 0 0 °Cであった。
(実施例 1 1 )
図 5 7に示すタンディ ッ シュ 1 5 0 と図 5 8に示す冷却装置 1 5 3を有するコイル装置 1 を用い、 溶鋼 (ブリ キ材) を連続 注入し、 鐯片を製造した。 各条件は下記のとおり で行った。
タ ンア ッ シュ容量 2 0 卜 ン
回流槽の直径 1 0 0 0 m m
耐火材料 厚さ 3 0 0 m mの塩基性流し 込み材
鉄皮 厚さ 1 O m m
溶鋼温度 1 5 7 0 °C
コィル装置 リニア一式半円コイル 断熱材 (コィル外周面) 厚さ 2 5 m mのアルミナ系 キャス夕ブル
断熱材 (コィル上面) 厚さ 2 0 m mのアルミ ナ系 キャス夕ブル
冷却水の入口温度 2 0で
冷却水の出口温度 2 8 °C
操業中においてタンディ ッ シュ 1 5 0に面する側のコイル装
置 1 4 1 の温度は 4 0でに保たれ、 コィル装置 1 4 1 の作動は 安定し性能の低下もなかった。
なお、 比較のため前記冷却装置を用いない場合のコイル装置 1 4 1 の同一部分の温度は 2 0 0 °Cであった。
(実施例 1 2 )
図 6 0に示すタンディ ッシュ 1 7 0 と コイル装置 1 6 1 と冷 却装置 1 6 2 とを用い、 溶鋼 (ブリキ材) を連続注入し、 铸片 を製造した。 各条件は下記のとおりで行った。
タ ンアイ ヅ シュ容量 1 5 卜 ン
回流槽の直径 1 0 0 0 m m 耐火材料 厚さ 3 0 0 mmの 塩基性レ ンガ 鉄皮 厚さ 1 0 mm 溶鋼温度 1 5 5 0 °C
コィル装置 リニァ一式半円
コイル
タ ンディ ヅ シュ と コィ ル装置
との間の隙間 0 m m
冷却用流体、 流速 空気、 1 0 m s 操業中においてタンディ ッシュ 1 7 0に面する側のコイル装
置 1 6 1 と、 これに対向する鉄皮 1 6 3表面の温度はそれぞれ 1 0 0 eCおよび 3 5 0 °Cに保たれた。
なお、 比較のため前記断熱材を用いない場合のコイ ル装置 1 6 1 と、 これに対向する鉄皮 1 6 3表面の同一部分の温度は それぞれ 2 0 0 °Cおよび 4 5 0でであった。
また、 鉄皮 1 6 3の温度は上昇せず変形や亀裂の発生がなく 長期間安定して使用できた。 また、 コイル装置 1 6 1 の温度上 昇も抑えるこ とができ、 安定した性能で長期間使用できた。 (実施例 1 3 )
ヒー トサイズ 1 0 0 tの SUS430を 2 t/min の速度で 2 0 0 X 1 2 4 0 mmサイズのスラブを図 64に示すようにして、 すな わち取鍋 1 8 2から溶鋼 1 8 1 をタンディ ッシュ 1 84の溶鋼 回転中心に注湯しながら铸造した。 また铸造は途中で取鍋を交 換し、 全部で 3 0 0 tを連続的に行なった。 タンディ ッ シュで は、 磁力によって溶湯を約 4 0〜6 O r p mの速度で回転させ 容器内は 1 8 9の導入管によ り A rでパージした。 容器の容量 は約 6 tで半径 0. 6 mのタンディ ッシュの回転中心位置に取 鍋 1 8 2のノ ズル 1 8 3からタ ンディ ッ シュ 1 8 4へ注入し た。
サンブリ ングは、 铸型 1 8 7内よ り数分毎に実施し、 トータ
ル酸素量を分析した。 卜一タル酸素量の経時変化を図 6 5に示 す。 また図 6 5には比較例と して従来法 (図 6 2に示すもの) とシール管 1 9 4を用いて磁気回転させた铸造結果を併せて示 す。 こ こで従来法とは、 タンディ ッシュと して、 回転力付与の ない 2重堰を設けた 1 2 t容量の容器であり、 シール管による ものとは、 タンディ ッシュでは同一条件で回転力を付与してい るが、 注入方法が従来タイ プの ものである。 取鍋からタ ン ディ ッシュへの注入位置は、 回転中心と した。 なお、 これらの 例で使用した溶湯は、 全て、 取鍋精鍊終了時の トータル酸素が 3 5— 3 7 p p mであったものであり、 条件に差は無いものと 思われる。
図 6 5から明らかな様にタンディ ヅ シュで溶湯に磁気的回転 を加えることによ り非金属介在物の分離が促進し铸片での全酸 素量を低減できていることがわかる。 また、 同じ溶湯の回転を 行っている場合でも、 本発明の注入方法を採用するこ とによ り、 定常部、 非定常部とも溶鋼の酸化が抑制されているこ とが わかる。
(実施例 1 4 )
図 6 9に示すように内径 1 mのタンディ ッシュ 2 0 3の上端 から湯面までの長さを検出するセンサ 2 1 1 、 2 1 2 と して
マイ クロ波レベル計を取付けた。 それぞれの検出長さを 1 > 、 1 2 とすると ( 1 ) 式によって溶鋼 2 0 7の回転によって生ず る凹面深さ Zが得られる。 この Zから、 ( 2 ) 式によ って溶 鋼 2 0 7の回転数 Nを得るこ とができる。 コ ン ト ローラ 2 1 3 は、 マイ クロ波レベル計からの信号を受け、 回転数 ( N ) を演 算すると と もに、 あらかじめ操業経験の結果、 判明している各 操業期における適切な回転数のパターンを設定した設定器 2 1 4からの出力信号と比較して、 移動磁界発生コイル 2 0 9 の電源装置 2 1 0を制御した。
なお、 湯面までの長さを検出するセンサ 2 1 1 、 2 1 2の検 出長 1 , , 1 2 および、 溶鋼の凹面の深さ Z と回転数 Nの関係 は、 铸込初期、 铸込定常期、 取鍋交換期、 铸込末期で下記の表 3のように変化させた。
表 3
以上のよ うに、 タ ンディ ッシュ 2 0 3内の溶鋼 2 0 7の回転 数を検出すると と もに、 各操業期に適切な回転数を溶鋼 2 0 7
に与えることによ り、 铸込全期間にわたつて良好なスラブを得 るこ とができた 産業上の利用可能性
溶鋼中の非金属介在物が除去された清浄な溶鋼をモールドに 供給するこ とは極めて重要である。 溶鋼を清浄化するために、 タンディ ッシュは回流槽および浮上槽を有する。 そして、 回流 槽の周囲に配設されたコイルにより溶鋼を回転させて溶鋼中の 非金属介在物を溶鋼表面に浮上させて浮上した非金属介在物を 除去する。 非金属介在物を除去した溶鋼は浮上槽に流出し、 こ こ'での静かな流れによ りさらに残存する非金属介在物は浮上す る のようにして清浄化された溶鋼が浮上槽底部からモール ドへ供給される のようなシステムによ り溶鋼中の非金属介 在物の除去程度は従来に比し大幅に改善される。
また、 タンディ ッシュとコイルとは別体で構成され、 それぞ れに対して祖対移動が可能である構造となっている。 このた め、 コイルの数は、 タンディ ッシュの数よ り少なく でき、 設備 が安価となる。 また、 タンディ ッシュの定期的交換作業、 タ ン デイ ツ シュの内張耐火れんがの補修作業もタンディ ッシュがコ
ィルとは別体で移動可能なので容易かつ短時間で行なえる。