JPWO2020195380A1 - ポリオレフィン微多孔膜、二次電池用セパレータ、及び二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
二次電池、例えばリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いため、パーソナルコンピュータ、携帯電話などに用いる電池として広く使用されている。また、二次電池は、電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用電源、定置用蓄電池としても期待されている。
近年、二次電池におけるエネルギー密度の高密度化が進んでおり、それに伴い使用される電極はより熱安定性が低下(熱暴走開始温度が低下)している。従って、二次電池用セパレータに用いる微多孔膜は、短絡や、過充電に伴う電池の異常発熱時には、より低温でシャットダウンし、正極側と負極側のイオン移動を防ぐことにより熱暴走を抑止することが要求される。
特許文献2では、電解液注液性が20秒以下であり、シャットダウン温度が132℃以下であり、膜厚を20μmに換算した透気度が700秒/100cm3以下であり、膜厚を20μmに換算した突刺強度が2,000mN以上であるポリオレフィン微多孔膜が開示されている。ポリプロピレンをフィルム中に均一に分散させた、低融点、低分子量のポリエチレンを含有するポリオレフィン微多孔膜によりこれが達成できるとされている。
本発明の課題は上記問題を解決することにある。すなわち、微多孔膜のシャットダウン温度が低いだけでなく、シャットダウン温度における膜強度に優れ、二次電池用セパレータとして使用した場合に優れたシャットダウン特性と高い安全性を付与するポリオレフィン微多孔膜を提供することにある。
〔1〕
シャットダウン温度が135℃以下であり、シャットダウン温度における結晶融解率が50%以下であるポリオレフィン微多孔膜。
〔2〕
示差走査熱量分析により測定した結晶融解熱量の温度分布曲線における結晶融解ピークの半値幅が12℃以下である〔1〕に記載のポリオレフィン微多孔膜。
〔3〕
厚み10μm換算の突刺強度が2.3N以上である、〔1〕又は〔2〕に記載のポリオレフィン微多孔膜。
〔4〕
1Hzで測定した40℃での貯蔵弾性率をE’(40℃)、シャットダウン温度での貯蔵弾性率をE’(SD)とした場合に、E’(40℃)/E’(SD)が300以下である〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
〔5〕
少なくとも一方の表面に、1層以上のコーティング層を備える、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
〔6〕
ハーフドライ法により計測される平均孔径が25nm以下である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
〔7〕
バブルポイント法により計測される最大孔径が40nm以下である、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
〔8〕
バブルポイント法により計測される最大孔径とハーフドライ法により計測される平均孔径の差が25nm以下である、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
〔9〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られる微分分子量分布曲線における、分子量1万未満の成分の面積率が20%以下である、〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
〔10〕
〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜を含む二次電池用セパレータ。
〔11〕
〔10〕に記載の二次電池用セパレータを含む二次電池。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜は、シャットダウン温度が135℃以下であり、シャットダウン温度における結晶融解率が50%以下である。
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度は135℃以下である。より好ましくは132℃以下、さらに好ましくは130℃以下、特に好ましくは128℃以下である。シャットダウン温度を135℃以下に制御することにより、これを二次電池用セパレータとして使用した場合の安全性に優れる。シャットダウン温度の下限は特に限定されないが、製膜時の孔閉塞によるイオン透過性の低下を抑制できることから100℃以上であることが好ましい。上記したシャットダウン温度の範囲とするには、微多孔膜を構成するポリオレフィン原料の組成を後述する範囲に調整し、製膜条件を後述する範囲とすることで可能である。
シャットダウン温度は、後述の方法にて測定することが可能である。
上記したシャットダウン温度における結晶融解率とするには、微多孔膜を構成するポリオレフィン原料の組成を後述する範囲に調整し、製膜条件を後述する範囲とすることで可能である。
なお、ポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度における結晶融解率は、示差走査熱量分析(DSC)法を用いて、シャットダウン温度以下での結晶融解熱量及び全結晶融解熱量を測定し、下記式により算出することができる。
式:シャットダウン温度における結晶融解率(%)=(シャットダウン温度以下での結晶融解熱量/全結晶融解熱量)×100(%)
本発明の実施形態にかかるポリオレフィン微多孔膜を1Hzで測定した貯蔵弾性率(E’)について、40℃での貯蔵弾性率をE’(40℃)、ポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度での貯蔵弾性率をE’(SD)とした場合、E’(40℃)/E’(SD)は、好ましくは300以下であり、より好ましくは200以下、さらに好ましくは150以下である。E’(40℃)/E’(SD)を300以下とすることにより、二次電池のセパレータとして用いた場合に、シャットダウン時の膜強度が高く、より安全性に優れる。E’(40℃)/E’(SD)の下限は特に設けないが、製膜中にイオン透過性が低下してしまうことを抑制できるため、10以上であることが好ましい。
平均孔径はASTM E1294−89に準拠した方法(ハーフドライ法)によって測定される値であり後述の方法により測定することができる。
最大孔径は、JIS K 3832(1990)に規定される方法(バブルポイント法)によって測定される値であり後述の方法により測定することができる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられ、ポリエチレンを主成分とすることがシャットダウン挙動、強度、透過性といった機能バランスの観点から好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、エチレン単独重合体であってもよく、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。
高密度ポリエチレンはポリオレフィン微多孔膜全質量に対して、10質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。
高密度ポリエチレンの融点の上限は、好ましくは135℃以下、より好ましくは133℃以下、さらに好ましくは131℃以下であり、下限は、好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上である。高密度ポリエチレンの融点を上記範囲とすることにより、低いシャットダウン温度とポリオレフィン微多孔膜(フィルム)の透過性を両立することができる。
超高分子量ポリエチレンの融点は好ましくは132℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは128℃以下である。下限は特に設けないが115℃以上とすることで、微多孔膜のイオン透過性の低下を抑制できる。超高分子量ポリエチレンの融点を上記範囲とすることで、得られる微多孔膜は均一微細な孔構造を有し、二次電池用セパレータとして用いた場合に低いシャットダウン温度と、シャットダウン時における結晶融解率の低減を両立し、安全性に優れたセパレータとなる。
コーティング層としては、ポリオレフィン以外の他の多孔質層が挙げられる。
他の多孔質層としては、特に限定されないが、例えば、バインダーと無機粒子とを含む無機粒子層などの多孔質層が好ましい。無機粒子層を構成するバインダー成分としては、特に限定されず、公知の成分を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。無機粒子層を構成する無機粒子としては、特に限定されず、公知の材料を用いることができ、例えば、アルミナ、ベーマイト、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ素などを用いることができる。
次に、本発明の実施形態におけるポリオレフィン微多孔膜の製造方法について示す。ポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、例えば、乾式の製膜方法及び湿式の製膜方法が挙げられる。本実施形態におけるポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、膜の構造及び物性の制御の観点から湿式の製膜方法が好ましい。
以下、湿式でのポリオレフィン微多孔膜の製造方法について説明する。なお、以下の説明は、製造方法の一例であって、この方法に限定されるものではない。
(1)前記ポリオレフィン樹脂、成膜用溶剤を溶融混練し、ポリオレフィン樹脂組成物を調製する工程
(2)前記ポリオレフィン樹脂組成物を押出し、冷却しゲル状シートを形成する工程
(3)前記ゲル状シートを延伸する第1の延伸工程
(4)前記延伸後のゲル状シートから成膜用溶剤を除去する工程
(5)前記成膜用溶剤除去後のシートを乾燥する工程
(6)前記乾燥後のシートを延伸する第2の延伸工程
(7)前記乾燥後のシートを熱処理する工程
(8)前記乾燥後のシートに対して架橋処理及び/又は親水化処理する工程
以下、各工程についてそれぞれ説明する。なお、以下の説明において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
ポリオレフィン樹脂を、可塑剤(成膜用溶剤)に加熱溶解させたポリオレフィン樹脂組成物を調製する。可塑剤としては、ポリオレフィンを十分に溶解できる溶剤であれば特に限定されないが、比較的高倍率の延伸を可能とするために、溶剤は室温で液体であることが好ましい。溶剤としては、ノナン、デカン、デカリン、パラキシレン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィン等の脂肪族、環式脂肪族又は芳香族の炭化水素、および沸点がこれらに対応する鉱油留分、並びにジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の室温では液状のフタル酸エステルが挙げられる。液体溶剤の含有量が安定なゲル状シートを得るために、流動パラフィンのような不揮発性の液体溶剤を用いるのが好ましい。
ポリオレフィン樹脂と可塑剤との配合割合は、成形加工性を損ねない範囲で適宜選択して良いが、ポリオレフィン樹脂組成物全質量に対し、ポリオレフィン樹脂の含有量は10〜50質量%であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂を10質量%以上(可塑剤を90質量%以下)とすると、シート状に成形する際に、口金の出口でスウェルやネックインが大きくならないため、シートの成形性や製膜性が良好となる。一方、ポリオレフィン樹脂を50質量%以下(可塑剤が50質量%以上)では、厚み方向の収縮が抑制され、成形加工性が良好となる。
また二軸押出機での混錬時、押出質量Q(kg/hr)とスクリュー回転速度Ns(rpm)の比から算出されるQ/Nsの下限は0.05以上であることが好ましく、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上である。これにより混練時の樹脂劣化による強度低下を防ぐことができる。また、上限は3.0以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましく、1.0以下であることが特に好ましい。これによりポリオレフィン樹脂組成物に十分なせん断を加えることができ、均一な分散状態を得ることができる。
ポリオレフィン樹脂組成物の溶融物を押出機からダイに供給し、シート状に押し出す。
押出方法はフラットダイ法及びインフレーション法のいずれでもよい。また、同一または異なる組成の複数のポリオレフィン樹脂組成物を、複数の押出機から1つのマルチマニホールド型の複合Tダイへ供給し層状に積層し、積層構成のシート状に押出してもよい。押出温度は140〜250℃好ましく、押出速度は0.2〜15m/分が好ましい。シート状に溶融押出された樹脂組成物は、冷却固化されることによりゲル状シートとなる。冷却工程では10〜50℃まで冷却するのが好ましい。これは、最終冷却温度を結晶化終了温度以下とするのが好ましいためで、高次構造を細かくすることで、その後の延伸において均一延伸が行いやすくなる。また、この時の冷却速度は50℃/分以上の速度で行うのが好ましく、より好ましくは100℃/分以上、さらに好ましくは150℃/分以上である。冷却速度を50℃/分以上とすることで、結晶化度の上昇を抑制し、延伸に適したゲル状シートとなりにくい。一般に冷却速度が遅いと、比較的大きな結晶が形成されるので、ゲル状シートの高次構造が粗くなり、それを形成するゲル構造も大きなものとなる。対して冷却速度が速いと、比較的小さな結晶が形成されるので、ゲル状シートの高次構造が密となり、均一延伸に加え、フィルムの強度および伸度の向上につながる。この時の冷却方法としては冷風、冷却水、その他の冷却媒体に直接接触させる方法、冷媒で冷却したロールに接触させる方法、キャスティングドラム等を用いる方法等がある。
次に、得られたゲル状シートを少なくとも一軸方向に延伸する。ゲル状シートは、加熱後、テンター法、ロール法、インフレーション法、又はこれらの組合せにより所定の倍率で延伸するのが好ましい。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸、逐次延伸及び多段延伸(例えば同時二軸延伸及び逐次延伸の組合せ)のいずれでもよい。
本工程における延伸倍率(面積延伸倍率)は、25倍以上が好ましく、36倍以上がより好ましい。また、機械長手方向及び機械幅方向(MD方向及びTD方向)のいずれでも5倍以上となることが好ましく、MD方向とTD方向での延伸倍率は、互いに同じでも異なってもよい。延伸倍率が25倍以上であることにより、機械的強度を高めることができ好ましい。また、延伸倍率を100倍未満とすることで、破膜を防ぎ、シャットダウン温度の上昇を抑制できる。なお、本工程における延伸倍率とは、本工程直前のポリオレフィン微多孔膜を基準として、次工程に供される直前のポリオレフィン微多孔膜の面積延伸倍率のことをいう。
本工程の延伸温度は、ポリオレフィン樹脂の結晶分散温度(TCD)〜TCD+30℃の範囲内にするのが好ましく、TCD+5℃〜TCD+28℃の範囲内にするのがより好ましく、TCD+10℃〜TCD+26℃の範囲内にするのが特に好ましい。延伸温度が前記範囲内であるとポリオレフィン樹脂の延伸による破膜が抑制され、高倍率の延伸ができる。
結晶分散温度(TCD)は、ASTM D4065による動的粘弾性の温度特性測定により求められる。ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン系樹脂を用いる場合、超高分子量ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン以外のポリエチレン及びポリエチレン樹脂組成物は約100〜110℃の結晶分散温度を有するので、延伸温度を90〜130℃とするのが好ましく、より好ましくは105〜120℃にし、さらに好ましくは110〜117℃にする。
以上のような延伸によりポリエチレンラメラ間に開裂が起こり、ポリエチレン相が微細化し、多数のフィブリルが形成される。フィブリルは三次元的に不規則に連結した網目構造を形成する。
洗浄溶媒を用いて、成膜用溶剤の除去(洗浄)を行う。ポリオレフィン相は成膜用溶剤相と相分離しているので、成膜用溶剤を除去すると、微細な三次元網目構造を形成するフィブリルからなり、三次元的に不規則に連通する孔(空隙)を有する多孔質の膜が得られる。洗浄溶媒およびこれを用いた成膜用溶剤の除去方法は公知であるので説明を省略する。例えば日本国特許第2132327号公報や日本国特開2002−256099号公報に開示の方法を利用することができる。
成膜用溶剤を除去したポリオレフィン微多孔膜を、加熱乾燥法又は風乾法により乾燥する。乾燥温度はポリオレフィン樹脂の結晶分散温度(TCD)以下であることが好ましく、特にTCDより5℃以上低いことが好ましい。乾燥は、ポリオレフィン微多孔膜の全質量を100質量部(乾燥質量)として、残存洗浄溶媒が5質量部以下になるまで行うのが好ましく、3質量部以下になるまで行うのがより好ましい。
乾燥後のポリオレフィン微多孔膜を、少なくとも一軸方向に延伸をしても良い。ポリオレフィン微多孔膜の延伸は、加熱しながら上記と同様にテンター法、ロール法、インフレーション法等により行うことができる。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸及び逐次延伸のいずれでもよい。
本工程における延伸温度は、特に限定されないが、通常90〜135℃であり、より好ましくは95〜130℃である。
本工程における面積延伸倍率の上限は16.0倍以下であることが好ましく、4.0倍以下であることがより好ましく、2.0倍以下であることがさらに好ましい。二軸延伸の場合、MD方向とTD方向での延伸倍率が互いに同じでも異なってもよい。なお、本工程における延伸倍率とは、本工程直前のポリオレフィン微多孔膜を基準として、次工程に供される直前のポリオレフィン微多孔膜の延伸倍率のことをいう。
また、乾燥後のポリオレフィン微多孔膜は、熱処理を行うことができる。熱処理によって結晶が安定化し、ラメラが均一化される。熱処理方法としては、熱固定処理及び/又は熱緩和処理を用いることができる。熱固定処理とは、膜の寸法が変わらないように保持しながら加熱する熱処理である。熱緩和処理とは、膜を加熱中にMD方向やTD方向に熱収縮させる熱処理である。熱固定処理は、テンター方式又はロール方式により行うのが好ましい。例えば、熱緩和処理方法としては日本国特開2002−256099号公報に開示の方法があげられる。熱処理温度はポリオレフィン樹脂のTCD〜融点の範囲内が好ましい。
また、乾燥後のポリオレフィン微多孔膜に対して、さらに、架橋処理および親水化処理を行うこともできる。
例えば、ポリオレフィン微多孔膜に対して、α線、β線、γ線、電子線等の電離放射線の照射することに、架橋処理を行う。電子線の照射の場合、0.1〜100Mradの電子線量が好ましく、100〜300kVの加速電圧が好ましい。架橋処理によりポリオレフィン微多孔膜のメルトダウン温度が上昇する。
また、親水化処理は、モノマーグラフト、界面活性剤処理、コロナ放電等により行うことができる。モノマーグラフトは架橋処理後に行うのが好ましい。
本発明は、上述のポリオレフィン微多孔膜を含む二次電池用セパレータ、及び二次電池用セパレータを含む二次電池にも関する。
[膜厚]
ポリオレフィン微多孔膜の50mm×50mmの範囲内における5点の膜厚を接触厚み計(株式会社ミツトヨ製ライトマチック)により測定し、平均値を膜厚(μm)とした。
ポリオレフィン微多孔膜の質量w1とそれと等価な空孔のないポリオレフィン膜(幅、長さ、厚み、組成の同じポリオレフィン膜)の質量w2とを比較した、以下の式によって求めた。
式:空孔率(%)=(w2−w1)/w2×100
10μm換算突刺強度は、フォースゲージ(株式会社イマダ製 DS2−20N)を用いて、先端が球面(曲率半径R:0.5mm)の直径1mmの針で、ポリオレフィン微多孔膜を25℃の雰囲気下、2mm/秒の速度で突刺したときの最大荷重(N)を計測し、これを10μm換算した下記の式で求める値である。
式:突刺強度(10μm換算)(N)=最大荷重(N)×10(μm)/ポリオレフィン微多孔膜の膜厚(μm)
膜厚T1(μm)のポリオレフィン微多孔膜に対して、JIS P−8117に準拠して、透気度計(旭精工株式会社製、EGO−1T)で25℃の雰囲気下、透気抵抗(sec/100cm3)を測定した。また、下記の式により、膜厚を10μmとしたときの透気抵抗(10μm換算)(sec/100cm3)を算出した。
式:透気抵抗(10μm換算)(sec/100cm3)=透気抵抗(sec/100cm3)×10(μm)/ポリオレフィン微多孔膜の膜厚T1(μm)
ポリオレフィン微多孔膜の結晶融解熱量、結晶融解ピークの半値幅、および原料のポリオレフィン樹脂の融点は、示差走査熱量分析(DSC)法により測定した。アルミパンに6.0mgの試料を封入し、Parking Elmer製 PYRIS Diamond DSCを用いて、30℃から230℃まで10℃/minで昇温(1回目の昇温)後、230℃で5分間保持し、10℃/分の速度で冷却し、再度10℃/分の昇温速度で30℃から230℃まで昇温した(2回目の昇温)。
(結晶融解率)
ポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度における結晶融解率の算出は、試料としてポリオレフィン微多孔膜を使用し、1回目の昇温での全結晶融解熱量と、後述するポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン温度測定により得られた、シャットダウン温度以下での結晶融解熱量から、以下の式により算出した。
式:シャットダウン温度における結晶融解率(%)=(シャットダウン温度以下での結晶融解熱量/全結晶融解熱量)×100(%)
(結晶融解ピークの半値幅)
ポリオレフィン微多孔膜の結晶融解ピークの半値幅は、試料としてポリオレフィン微多孔膜を使用し、1回目の昇温における結晶融解熱量の温度分布曲線における半値幅を算出した。
(ポリオレフィン樹脂の融点)
原料ポリオレフィン樹脂の融点は、試料として原料ポリオレフィン樹脂を使用し、2回目の昇温における結晶融解熱量の温度分布曲線において、ピークトップとなる温度を融点(℃)とした。
ポリオレフィン微多孔膜を5℃/minの昇温速度で加熱しながら、透気度計(旭精工株式会社製、EGO−1T)により透気抵抗度を測定し、透気抵抗度が検出限界である1×105秒/100ccAirに到達した温度を求め、シャットダウン温度(℃)とした。
測定セルはアルミブロックで構成され、ポリオレフィン微多孔膜の直下に熱電対を有する構造とし、サンプルを5cm×5cm角に切り取り、周囲をОリングで固定しながら昇温測定した。
動的粘弾性測定機(TAインスツルメント社製レオメーター RSA−G2)を用いて測定を行った。ポリオレフィン微多孔膜を幅方向に10mm、長さ方向に50mmとなるようサンプリングし、初期チャック間距離;20mm、初期ひずみ;0.1%、周波数;1Hz、温度走査範囲30〜180℃、昇温速度;5℃/min、初期張力50gf、ひずみ自動調整プログラムとして最小ひずみ0.1%、最大ひずみ1.5%、最小張力1.0g、最大張力300.0gとした。以上の測定を同じフィルム中の異なる箇所で、長さ方向がMD方向、TD方向になるよう各3点ずつ測定を実施し、計6点の平均値から貯蔵弾性率(E’)(MPa)を算出した。この時、40℃での貯蔵弾性率をE’(40℃)(MPa)、シャットダウン温度における貯蔵弾性率をE’(SD)(MPa)とした。
ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン微多孔膜の重量平均分子量(Mw)は以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。また、得られたポリオレフィン微多孔膜の微分分子量分布曲線から、分子量1万未満の面積率を算出した。具体的には、微分分子量分布曲線におけるピーク面積全体に対する、分子量1万未満に相当するピーク面積の割合として含有率を算出した。
・測定装置:Waters Corporation製GPC−150C
・カラム:昭和電工株式会社製Shodex UT806M
・カラム温度:135℃
・溶媒(移動相):o−ジクロルベンゼン
・溶媒流速:1.0 ml/分
・試料濃度:0.1 wt%(溶解条件:135℃/1h)
・インジェクション量:500μl
・検出器:Waters Corporation製ディファレンシャルリフラクトメーター(RI検出器)
・検量線:単分散ポリスチレン標準試料を用いて得られた検量線から、ポリエチレン換算係数(0.46)を用いて作成した。
パームポロメーター(PMI社製、CFP−1500A)を用いて、ポリオレフィン微多孔膜の平均孔径、最大孔径を求めた。ポリオレフィン微多孔膜への含浸液体としてGALWICK(表面張力:15.9dynes/cm)を用い、Dry−up、Wet−upの順で測定した。平均孔径(nm)については、ASTM E1294−89(1999)(ハーフドライ法)に基づき測定を行い、Dry−up測定で圧力、流量曲線の1/2の傾きを示す曲線と、Wet−up測定の曲線が交わる点の圧力(KPa)から孔径を換算した。最大孔径(nm)については、バブルポイント法(JIS K 3832(1990))に基づき測定されるバブルポイント圧力(KPa)から最大孔径を算出した。平均孔径、最大孔径いずれも、圧力と孔径の換算には下記の数式を用いた。
d=C・γ/P
(上記式中、「d(nm)」は微多孔膜の平均孔径または最大孔径、「γ(dynes/cm)」は含浸液体の表面張力、「P(KPa)」は圧力、「C」は定数であり2860とした。)
重量平均分子量(Mw)が1.5×106、融点127℃の超高分子量ポリエチレン40質量%と重量平均分子量(Mw)が3.0×105、融点133℃の分岐状高密度ポリエチレン60質量%を混合し、これをポリオレフィン混合物Aとした。上記ポリオレフィン混合物24.8質量%と酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタン0.2質量%を混合したものを二軸押出機へ投入し、二軸押出機のサイドフィーダーより流動パラフィン75質量%を供給し、200℃及び250rpm、Q/Ns=0.2の条件で溶融混練して、ポリオレフィン樹脂組成物Aを調製した。ポリオレフィン樹脂組成物AをTダイに供給し、これをシート状に押出し、30℃に温調した冷却ロールで引き取り速度4m/minで、引き取りながら冷却し、ゲル状シートを形成した。
得られたゲル状シートを80mm四方の四角形になるように切り出し、延伸温度110℃、延伸速度1000mm/minにてMD方向に5倍、TD方向に5倍となるように同時二軸延伸を行った。延伸後の膜を塩化メチレンの洗浄槽内にて洗浄して、流動パラフィンを除去し、洗浄した膜を20℃に調整された乾燥炉で乾燥し、電気オーブン内にて115℃で10分間熱固定処理することによりポリオレフィン微多孔膜を得た。
重量平均分子量(Mw)が1.5×106、融点127℃の超高分子量ポリエチレン15質量%、重量平均分子量(Mw)が3.0×105、融点133℃の分岐状高密度ポリエチレン85質量%を混合しこれをポリオレフィン混合物Aとしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。
得られたゲル状シートを80mm四方の四角形になるように切り出し、延伸温度110℃、延伸速度1000mm/minにてMD方向に7倍、TD方向に7倍となるように同時二軸延伸を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。
ポリオレフィン混合物A中100質量%を重量平均分子量(Mw)が3.0×105、融点133℃の分岐状高密度ポリエチレンとしたこと、上記ポリオレフィン混合物A29.8質量%と酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタン0.2質量%を混合したものを二軸押出機へ投入し、二軸押出機のサイドフィーダーより流動パラフィン70質量%を供給し、200℃及び250rpm、Q/Ns=0.2の条件で溶融混練して、ポリオレフィン樹脂組成物Aを調製したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。
重量平均分子量(Mw)が2.0×106、融点133℃の超高分子量ポリエチレン40質量%と重量平均分子量(Mw)が3.0×105、融点133℃の分岐状高密度ポリエチレン60質量%を混合し、これをポリオレフィン混合物Aとしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。
重量平均分子量(Mw)が2.0×106、融点133℃の超高分子量ポリエチレン40質量%と重量平均分子量(Mw)が6.0×105、融点136℃の高密度ポリエチレン60質量%を混合しこれをポリオレフィン混合物Aとした。また、重量平均分子量(Mw)が2.0×106、融点133℃の超高分子量ポリエチレン30質量%と重量平均分子量(Mw)が6.0×105、融点136℃の高密度ポリエチレン40質量%、重量平均分子量(Mw)が3.0×104、融点123℃の低分子量ポリエチレン30質量%を混合し、これをポリオレフィン混合物Bとした。
ポリオレフィン系樹脂組成物A、ポリオレフィン系樹脂組成物Bを、各二軸押出機から三層用Tダイに供給し、ポリオレフィン樹脂組成物B層/ポリオレフィン樹脂組成物A層/ポリオレフィン樹脂組成物B層の層構成にて、積層比が1/3/1となるようにシート状に押し出し30℃に温調した冷却ロールで引き取り速度4m/minで、引き取りながら冷却し、ゲル状シートを形成した。
重量平均分子量(Mw)が2.0×106、融点133℃の超高分子量ポリエチレン40質量%と重量平均分子量(Mw)が6.0×105、融点136℃の分岐状高密度ポリエチレン60質量%を混合し、これをポリオレフィン混合物Aとしたこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。
重量平均分子量(Mw)が2.0×106、融点133℃の超高分子量ポリエチレン30質量%と重量平均分子量(Mw)が6.0×105、融点136℃の高密度ポリエチレン70質量%を混合し、これをポリオレフィン混合物Aとしたこと、ゲル状シートを延伸温度115℃で延伸したこと、洗浄した膜を電気オーブン内にて125℃で10分間熱固定処理したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。
重量平均分子量(Mw)が2.0×106、融点133℃の超高分子量ポリエチレン30質量%と重量平均分子量(Mw)が6.0×105、融点136℃の高密度ポリエチレン40質量%、重量平均分子量(Mw)が3.0×104、融点123℃の低分子量ポリエチレン30質量%を混合し、これをポリオレフィン混合物Aとしたこと、上記ポリオレフィン混合物A29.8質量%と酸化防止剤であるテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]メタン0.2質量%を混合したものを二軸押出機へ投入し、二軸押出機のサイドフィーダーより流動パラフィン70質量%を供給し、200℃及び250rpm、Q/Ns=0.2の条件で溶融混練して、ポリオレフィン樹脂組成物Aを調製したこと、ゲル状シートを延伸温度115℃で延伸したこと以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。
実施例1〜6のポリオレフィン微多孔膜は低いシャットダウン温度を有し、且つシャットダウン温度における結晶融解率が低いため、シャットダウン時のフィルム強度が高くなり、二次電池用セパレータとして使用した場合に優れたシャットダウン特性と高い安全性を付与することができる。一方で比較例1、比較例3のポリオレフィン微多孔膜は、シャットダウン温度における結晶融解率が高く、比較例2のポリオレフィン微多孔膜はシャットダウン温度が高く、シャットダウン温度における結晶融解率が高い微多孔膜となり、安全性が十分ではない。
本出願は、2019年3月28日出願の日本特許出願(特願2019−63039)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
Claims (11)
- シャットダウン温度が135℃以下であり、シャットダウン温度における結晶融解率が50%以下であるポリオレフィン微多孔膜。
- 示差走査熱量分析により測定した結晶融解熱量の温度分布曲線における結晶融解ピークの半値幅が12℃以下である請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 厚み10μm換算の突刺強度が2.3N以上である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 1Hzで測定した40℃での貯蔵弾性率をE’(40℃)、シャットダウン温度での貯蔵弾性率をE’(SD)とした場合に、E’(40℃)/E’(SD)が300以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 少なくとも一方の表面に、1層以上のコーティング層を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- ハーフドライ法により計測される平均孔径が25nm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- バブルポイント法により計測される最大孔径が40nm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- バブルポイント法により計測される最大孔径とハーフドライ法により計測される平均孔径の差が25nm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られる微分分子量分布曲線における、分子量1万未満の成分の面積率が20%以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜を含む二次電池用セパレータ。
- 請求項10に記載の二次電池用セパレータを含む二次電池。
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