JPWO2019167666A1 - 真空断熱材、それを用いた断熱構造体、ならびに、それらを用いた家電製品、住宅壁および輸送機器 - Google Patents

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Abstract

真空断熱材(10)は、ガスバリア性を有する袋状の外被材(12)と、外被材(12)の内部に、減圧密閉状態で封入される芯材(11)と、芯材(11)とともに、外被材(12)の内部に封入される気体吸着剤(13)と、を備えている。外被材(12)には、フィラーとして、少なくとも層状粘土鉱物を含有するガスバリア層(122)が含まれている。気体吸着剤(13)は、少なくとも、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトを含んでいる。

Description

本開示は、層状粘土物質を配合したガスバリア層を有する真空断熱材、この真空断熱材を用いた断熱構造体、ならびに、この真空断熱材またはこの断熱構造体を用いた家電製品、住宅壁および輸送機器等に関する。
真空断熱材は、外被材の内部に、芯材(コア材)を減圧密閉状態(略真空状態)で封入した構成を有している。
外被材は、内部の略真空状態を維持するために、ガスバリア性を有している。従来、ガスバリア性を向上させる手法の一つとして、外被材が備えるガスバリア層に対して、層状粘土鉱物を配合することが提案されている。
例えば、特許文献1には、樹脂および無機層状化合物からなるガスバリア性樹脂組成物層(ガスバリア層)を、少なくとも一層有する樹脂積層体(外被材)が開示されている。そして、その外被材で被覆された真空断熱材が開示されている。
具体的な無機層状化合物としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物、カルコゲン化物および粘土系鉱物が挙げられている。このうち粘土系鉱物としては、溶媒への膨潤性、または、へき開性を有するものが好適に用いられ、実施例では、天然モンモリロナイトの使用が例示されている。
特許文献1に開示された真空断熱材においては、樹脂積層体に被覆され、真空排気されたコア材(芯材)を含有する中空部内に、さらにゲッター剤(気体吸着剤)も封入されている。このゲッター剤としては、鉄粉、合成ゼオライト、および合金系ゲッター剤等が挙げられている。合成ゼオライトは、加熱等により予め脱水されていることが好ましく、空孔径が8〜13Åのものが、より好ましいと記載されている。
ところで、近年は、真空断熱材に対して、より一層、優れた断熱性能が求められる傾向にある。真空断熱材の断熱原理は、熱を伝える空気を可能な限り排除し、気体による熱伝導を低減することである。したがって、真空断熱材の断熱性能を向上するための一つの手法としては、内部圧力をより一層低圧とし、分子の衝突による気体熱伝導を抑制することが挙げられる。
しかしながら、真空ポンプを用いて、工業的レベルで実用的に達成可能な真空度は0.1Torr(約13.3Pa)程度である。それゆえ、内部圧力を、より低圧にしようとしても、0.1Torrより低圧の高真空にすることは実質的に困難である。そこで、真空断熱材の断熱性能を、より向上するための手法としては、特許文献1に開示されるように、ゲッター剤、すなわち気体吸着剤を内部に封入して気体を除去することが挙げられる。
真空断熱材の内部は、前述の通り、略真空の低圧状態にある。芯材または外被材の内面等から、何らかのガスが僅かに発生したり、真空断熱材の外部から内部に、僅かな空気が経時的に透過浸入したりする可能性がある。このような気体を、便宜上「内部気体」と呼ぶと、この内部気体の具体的な種類としては、窒素、酸素、水分、水素等が挙げられる。これらの内部気体が真空断熱材の内部に存在(発生または浸入)することは、真空断熱材の経時的な断熱性能の劣化を招く要因となる。それゆえ、これらの内部気体を、気体吸着剤により吸着除去すれば、真空断熱材の初期の断熱性能を向上し、経時的な断熱性能を良好に維持することが可能となる。
特開平11−257573号公報
本開示は、層状粘土鉱物を含有するガスバリア層と、内部に封入される気体吸着剤とを併用する真空断熱材において、より一層良好な断熱性能を実現可能とするものである。
本開示に係る真空断熱材は、ガスバリア性を有する袋状の外被材と、外被材の内部に、減圧密閉状態で封入される芯材と、芯材とともに、外被材の内部に封入される気体吸着剤と、を備えている。外被材には、フィラーとして、少なくとも層状粘土鉱物を含有するガスバリア層が含まれている。気体吸着剤は、少なくとも、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトを含んでいる。
このような構成によれば、外被材が層状粘土鉱物を含有するガスバリア層を含むとともに、外被材の内部に封入される気体吸着剤として、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトが用いられている。これにより、気体吸着剤の存在箇所において、局所的に熱伝導率が高くなることを回避して、気体吸着剤に由来するヒートリークを有効に回避できる。また、合成ゼオライトの空孔径が上述の範囲内であるため、温度変化によって、吸着された気体が再び脱離することを有効に抑制することができる。これにより、温度変化による内部の真空度(内部圧力)の変化が有効に抑制されるので、従来よりも、一層良好な断熱性能を有する真空断熱材を得ることができる。
また、本開示には、上述した構成の真空断熱材と、真空断熱材の外面の、少なくとも一部を被覆する発泡断熱材と、を備え、パネル状に形成された断熱構造体も含まれる。
さらに、本開示には、上述した構成の真空断熱材、または、上述した構成の断熱構造体を備えた、家電製品、住宅壁および輸送機器も含まれる。
本開示によれば、層状粘土鉱物を含有するガスバリア層と、内部に封入される気体吸着剤とを併用する真空断熱材において、より一層、良好な熱伝導率を実現することができる。
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る真空断熱材の構成の一例を示す模式的断面図である。 図2Aは、本開示の第1の実施の形態に係る真空断熱材が備える外被材の構成の一例を示す模式的断面図である。 図2Bは、本開示の第1の実施の形態に係る真空断熱材が備える外被材の構成の別の一例を示す模式的断面図である。 図2Cは、本開示の第1の実施の形態に係る真空断熱材が備える外被材の構成のさらに別の一例を示す模式的断面図である。 図3は、本開示の第1の実施の形態における、真空断熱材の製造過程を、平面構成の対比により示す模式図である。 図4は、本開示の第2の実施の形態に係る断熱パネルの構成の一例を示す模式的断面図である。 図5は、本開示の第2の実施の形態に係る断熱パネルの構成の他の例を示す模式的断面図である。
(本開示の基礎となる知見)
特許文献1では、断熱性能を長期にわたって維持することを目的として、前述したように、無機層状化合物を含有するガスバリア層と、内部に封入されるゲッター剤(気体吸着剤)とを併用した真空断熱材が提案されている。しかしながら、発明者らの鋭意検討の結果、ゲッター剤の種類によっては、良好な断熱性能を実現できないおそれがある。
例えば、特許文献1では、ゲッター剤として、前述の通り、鉄粉、合成ゼオライト、および、合金系ゲッター剤が挙げられているが、実施例では、市販の合金系ゲッター剤が用いられている。合金系ゲッター剤は、固体熱伝導率が相対的に高いので、これを真空断熱材の内部に封入すると、ゲッター剤の存在箇所の熱伝導率が増加してしまう。無機層状化合物を含有するガスバリア層そのものの熱伝導率は低いとしても、局所的に熱伝導率が高いものが存在すると、真空断熱材の一部にヒートリークが生じやすくなる。
また、気体吸着剤として鉄粉を用いた場合、吸着可能な気体の種類が限定されるため、内部気体を十分に吸着除去できないおそれがある。さらに、気体吸着剤として一般的な合成ゼオライトを用いた場合、温度変化が生じると、合成ゼオライトに吸着された気体が再び脱離しやすくなる。真空断熱材による断熱性能は、温度変化が生じる環境においてこそ求められる性能である。それゆえ、合成ゼオライトが、温度変化により一度吸着した内部気体を脱離するのであれば、温度変化によって、内部の真空度(内部圧力)が変化し、結果的に断熱性能が不安定化することになる。
以上の知見に基づいて、発明者は本開示をするに至った。
(本開示の実施の態様の一例)
本開示に係る真空断熱材は、ガスバリア性を有する袋状の外被材と、外被材の内部に、減圧密閉状態で封入される芯材と、芯材とともに、外被材の内部に封入される気体吸着剤と、を備えている。外被材には、フィラーとして、少なくとも層状粘土鉱物を含有するガスバリア層が含まれている。気体吸着剤は、少なくとも、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトを含んでいる。
このような構成によれば、外被材が、層状粘土鉱物を含有するガスバリア層を含むとともに、外被材の内部に封入される気体吸着剤として、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトが用いられている。これにより、気体吸着剤の存在箇所において、局所的に熱伝導率が高くなることを回避して、気体吸着剤に由来するヒートリークを有効に回避できる。また、合成ゼオライトの空孔径が、上述の範囲内であるため、温度変化によって、吸着された気体が再び脱離することを有効に抑制することができる。これにより、温度変化による内部の真空度(内部圧力)の変化が有効に抑制されるので、従来よりも、一層良好な断熱性能を有する真空断熱材を得ることができる。
さらに、合成ゼオライトが、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトであってもよい。
さらに、外被材は、さらに熱融着層を含み、外被材の周縁部の少なくとも一部に、熱融着層を熱融着した熱融着部が形成され、熱融着部の幅は8mm以上であってもよい。
さらに、気体吸着剤は、外被材の内部であって、熱融着部から内部側に30〜200mmの範囲内となる領域に配置されていてもよい。
また、本開示に係る断熱構造体は、上述した構成の真空断熱材と、真空断熱材の外面の、少なくとも一部を被覆する発泡断熱材と、を備え、パネル状に形成された構成である。
さらに、発泡断熱材は、硬質ウレタンフォームであってもよい。
さらに、硬質ウレタンフォームは、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、ポリオール成分の水酸基(−OH)に対する、イソシアネート成分のイソシアネート基(−NCO)の当量比が0.70〜1.10の範囲内となるように、混合して反応させたものであってもよい。
さらに、発泡断熱材の厚さが1mm以上であってもよい。
また、本開示には、上述した構成の真空断熱材、または、上述した構成の断熱構造体を備えた、家電製品、住宅壁および輸送機器等も含まれる。
以下、本開示の実施の形態の一例を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図を通じて、同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では、本開示に係る真空断熱材の代表的な一例について、図1から図3を参照して、具体的に説明する。
[真空断熱材の構成例]
図1に示すように、第1の実施の形態に係る真空断熱材10は、芯材11と、外被材(外包材)12と、気体吸着剤13とを備えている。
芯材11は、外被材12の内部に、減圧密閉状態(略真空状態)で封入され、真空断熱材10における、内部の略真空状態の空間(内部空間)を保持する。
外被材12は、例えば、ガスバリア性を有する袋状の部材であり、その内部に、芯材11および気体吸着剤13を収容可能とする。
気体吸着剤13は、芯材11とともに、外被材12の内部に封入され、真空断熱材10の内部空間に存在する内部気体を吸着する。この気体吸着剤13としては、所定範囲の空孔径を有する合成ゼオライトが、少なくとも用いられる。なお、気体吸着剤13の具体的な構成については後述する。
外被材12は、ガスバリア性を発揮するために、フィラーとして、少なくとも層状粘土鉱物を含有するガスバリア層を含んでいる。なお、説明の便宜上、このガスバリア層を、「粘土鉱物ガスバリア層122」と称する。また、外被材12の具体的な構成は、特に限定されないが、本実施の形態では、後述するように、例えば、2枚の積層シートを対向させて、その周囲を封止することで、袋状となったものを用いている。
外被材12の周囲における封止箇所は、その内部に芯材11が存在せず、積層シート同士が接触している封止部14として構成されている。この封止部14は、真空断熱材10の本体から外周に向かって延伸する、ヒレ状となっている。外被材12は、後述するように熱融着層(熱溶着層)121を含む。熱融着層121同士を熱融着して、熱融着部15を形成することによって、ヒレ状の封止部14が構成される。なお、外被材12の具体的構成については、後述する。
芯材11は、断熱性を有するものであれば、特に限定されない。具体的には、繊維材料および発泡材料等の、公知の材料を挙げることができる。例えば、本実施の形態では、芯材11として、無機繊維を用いている。無機繊維は、無機系材料からなる繊維であればよく、具体的には、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、スラグウール繊維およびロックウール繊維等を挙げることができる。また、芯材11は板状に成形して用いてもよいので、無機繊維以外に、公知のバインダ材および粉体等を含んでもよい。これらの材料は、芯材11の強度、均一性および剛性等の、物性の向上に寄与する。
無機繊維以外で、芯材11として用いることのできる材料としては、熱硬化性発泡体を挙げることができる。熱硬化性発泡体は、熱硬化性樹脂、または、これを含む樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を、公知の方法で発泡させて形成されるものであればよい。熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリイミドおよびポリウレタン等を挙げることができるが、特に限定されない。また、発泡方法も特に限定されず、公知の発泡剤を用いて、公知の条件で発泡させればよい。また、無機繊維および熱硬化性発泡体以外で、芯材11として使用可能な材料としては、公知の有機繊維(有機系材料からなる繊維)を挙げることができるが、その具体的な種類は特に限定されない。
[外被材の構成例]
次に、真空断熱材10が備える外被材12の具体的な構成例について説明する。図2A〜図2Cに示すように、外被材12としては、多層構造の積層シートで構成される、外被材12A〜12Cを例示することができる。外被材12A〜12Cのそれぞれは、前述の通り、熱融着層121および粘土鉱物ガスバリア層122を含んでいる。
例えば、図2Aに示す外被材12Aは、熱融着層121、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護層123を備えた、3層構造の積層シートである。粘土鉱物ガスバリア層122は、熱融着層121および外面保護層123の間に挟持されている。外面保護層123は、真空断熱材10の外面(真空断熱材10の外側の表面)を構成し、熱融着層121は、真空断熱材10の内面(内部空間の表面)を構成する。
また、図2Bに示す外被材12Bは、熱融着層121、粘土鉱物ガスバリア層122、金属ガスバリア層124および外面保護層123を備えた、4層構造の積層シートである。熱融着層121と外面保護層123との間には、粘土鉱物ガスバリア層122および金属ガスバリア層124の、2層のガスバリア層が挟持されている。したがって、外被材12Bは、外側から内側に向かって、外面保護層123、金属ガスバリア層124、粘土鉱物ガスバリア層122および熱融着層121の順で積層されている。なお、図示しないが、熱融着層121および外面保護層123の間に、3層以上のガスバリア層が挟持されてもよい。
また、真空断熱材10が備える外被材12は、図2Aに示す外被材12A、または、図2Bに示す外被材12Bのように、熱融着層121および外面保護層123の間に、1層以上のガスバリア層を備える構成の積層シートに限定されない。例えば、2枚の積層シートの周囲を封止して、袋状に構成する場合、外被材は、熱融着層121を備えるとともに、ガスバリア性を有する構成であればよい。
例えば、図2Cに示す外被材12Cでは、外側が、外面保護兼ガスバリア層125であり、内側が熱融着層121である、2層構造の積層シートである。外側の外面保護兼ガスバリア層125は、外面保護層123の機能を兼ねた「外面保護兼ガスバリア層125」となっている。外面保護兼ガスバリア層125は、フィラーとして、層状粘土鉱物を含有していればよい。さらに、図示しないが、単層のガスバリア層が、熱融着層121の機能および外面保護層123の機能を兼ねることで、外被材12として構成されてもよい。この場合、単層のガスバリア層が、フィラーとして、層状粘土鉱物を含有していればよい。
熱融着層121は、積層シート同士を対向させて貼り合わせるための層(接着層)であればよいが、真空断熱材10の内面を保護する層(内面保護層)としても機能することが好ましい。真空断熱材10の内部には、芯材11が封入されるので、熱融着層121が粘土鉱物ガスバリア層122の表面(内面)を覆うことにより、内部の封入物から粘土鉱物ガスバリア層122に与えられる影響を抑制、または、回避することができる。この場合、粘土鉱物ガスバリア層122から見れば、熱融着層121は「内面保護層」として機能する。
熱融着層121として用いられる材料は、加熱により溶融して接着可能な、熱融着性を有する材料であれば特に限定されないが、代表的には、各種の熱可塑性樹脂(熱融着性樹脂)であればよい。具体的な樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(U−PE,UHPEまたはUHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、および、ナイロン(ポリアミド、PE)等を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの中でも、融点が250℃以下の熱可塑性樹脂(ポリエチレン類、ポリプロピレンおよびEVA等)が、より好ましい。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせたポリマーアロイとして用いられてもよい。ポリマーアロイには、熱融着層121として好適な樹脂以外の樹脂が含まれてもよい。さらに、熱融着層121には、前述した樹脂以外の成分(各種添加剤等)が含まれてもよい。つまり、熱融着層121は、前述した樹脂のみで構成されてもよいが、他の成分を含む樹脂組成物で構成されてもよい。
粘土鉱物ガスバリア層122、金属ガスバリア層124および外面保護兼ガスバリア層125は、真空断熱材10の内部に、外気が透過浸入することを防ぐための層である。これらのうち、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125は、フィラーとして、少なくとも層状粘土鉱物を含有しており、この層状粘土鉱物によりガスバリア性を発揮する。なお、これらの粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125は、層状粘土鉱物以外のフィラーを含有してもよい。
具体的な層状粘土鉱物としては、例えば、リザーダイト、アメサイト、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、タルク、パイロフィライト等の1:1層型;サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、バイデライト、3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライト、金雲母、黒雲母、レピドライト、イライト、白雲母、パラゴナイト、クリントナイト、マーガライト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、ドンバサイト、クッケアイト(クーカイト)、スドーアイト等の2:1層型;アンチゴライト、グリーナライト、カリオピライト等のミスフィット類;等を挙げることができるが、特に限定されない。なお、クリントナイトは、2:1層型だけでなく、ミスフィット類にも分類できる。これらの層状粘土鉱物は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
さらに、層状粘土鉱物は、必ずしも天然に産する鉱物に限定されず、合成ヘクトライトおよび変性ベントナイト等の、合成または変性された、人工的な鉱物であってもよい。したがって、本開示において、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125が含有するフィラーは、天然物または人工物に関わらず、層状ケイ酸塩であればよい。
このような層状粘土鉱物を、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125に含有させた場合、層の広がり方向(通常、水平方向)に沿って、層状粘土鉱物が配向する。これにより、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125をガスが透過しようとしても、層の広がり方向に配向した層状粘土鉱物によって、透過が妨げられる。その結果、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125は、良好なガスバリア性を実現することができる。
なお、層状粘土鉱物の具体的な構成、例えば、層状粘土鉱物の粒径、および、層状粘土鉱物アスペクト比等については特に限定されず、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125の厚さ等の諸条件に応じて、適宜設定することができる。一般的には、層状粘土鉱物のアスペクト比は、10〜3000の範囲内を挙げることができ、好ましいアスペクト比としては、20〜2000を挙げることができる。
金属ガスバリア層124は、少なくとも金属で構成されるガスバリア層であればよいが、具体的には、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔等の金属箔;金属を基材フィルムに蒸着した金属蒸着フィルム;等を挙げることができる。この金属蒸着フィルムは、基材フィルムとなる樹脂フィルムに対して、金属を蒸着した蒸着層を有するものであってもよいし、この金属蒸着フィルムの表面に、さらに公知のコーティング処理を施したフィルム(コーティング金属蒸着フィルム)であってもよい。蒸着する金属としては、アルミニウム、銅、および、これらの合金等を挙げることができるが、特に限定されない。
また、図示しないが、金属ガスバリア層124に代えて、金属以外の無機化合物を基材フィルムに蒸着させた無機蒸着フィルムを用いてもよい。無機蒸着フィルムの具体的な構成は、特に限定されず、基本的には、金属蒸着フィルムと同様に、基材フィルムに、無機化合物を蒸着した蒸着層を形成すればよい。蒸着する無機化合物としては、アルミナおよびシリカ等の酸化物を挙げることができるが、特に限定されない。
したがって、外被材12は、ガスバリア層として、少なくとも粘土鉱物ガスバリア層122を含んでいればよいが、さらに、層状粘土鉱物を含有しない、公知の金属箔、金属蒸着フィルム、無機蒸着フィルム、または、他の構成のガスバリア層を含んでいてもよい。
ここで、ヒートリークを抑制する観点から、外被材12が備えるガスバリア層としては、少なくとも、粘土鉱物ガスバリア層122を含んでいればよく、他のガスバリア層を含む場合には、金属蒸着フィルムまたは無機蒸着フィルム等の無機材料蒸着フィルムを含んでいればよい。金属箔は、良好なガスバリア性を発揮できるものの、他のガスバリア層に比較して、ヒートリークが高い。
粘土鉱物ガスバリア層122、金属ガスバリア層124、外面保護兼ガスバリア層125および他のガスバリア層のうち、少なくともいずれかの基材としては、公知の樹脂を用いることができる。具体的な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等を挙げることができるが、特に限定されない。また、基材としては、樹脂以外の成分を含む樹脂組成物が用いられてもよい。
ガスバリア層が無機材料蒸着フィルムの場合には、基材である樹脂(樹脂組成物)フィルムの表面に、金属等の無機材料を蒸着させればよい。ガスバリア層が、フィラーとして、層状粘土鉱物を含有する場合には、基材である樹脂または樹脂組成物にフィラーを分散させて、公知の方法でフィルム状に成形すればよい。
外面保護層123は、真空断熱材10の外面(表面)を保護するための層である。その具体的な材料は、特に限定されないが、代表的には、ある程度の耐久性を有する各種の樹脂であればよい。具体的な樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(ポリアミド、PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリサルフォン(PSF)、および、超高分子量ポリエチレン(U−PE,UHPEまたはUHMWPE)等を挙げることができるが、これらに特に限定されない。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせたポリマーアロイとして用いられてもよい。ポリマーアロイには、外面保護層123として好適な樹脂以外の樹脂が含まれてもよい。さらに、外面保護層123には、前述した樹脂以外の成分(各種添加剤等)が含まれてもよい。つまり、外面保護層123は、前述した樹脂のみで構成されてもよいが、他の成分を含む樹脂組成物で構成されてもよい。
図2Aおよび図2Bにそれぞれ示される、外被材12Aおよび外被材12Bは、外面保護層123が、1層(単層)の樹脂フィルムとして構成されているが、複数の樹脂フィルムを積層して構成してもよい。外面保護層123の厚さは、特に限定されず、外被材12(および真空断熱材10)の外面を保護できる範囲の厚さを有していればよい。
なお、図示しないが、外被材12A〜12Cにおいては、熱融着層121が、フィラーを含有してもよい。このフィラーは、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125と同様に層状粘土鉱物であってもよいし、それ以外の公知のフィラーであってもよい。層状粘土鉱物を含有することで、熱融着層121もガスバリア層として機能することが可能になる。また、公知の他のフィラーを含有することで、熱融着層121に対して、様々な機能を付与することができる。また、図示しないが、外面保護層123がフィラーを含有してもよい。
ここで、外被材12を構成する各層の厚さは、特に限定されない。例えば、粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125であれば、その材質等に応じて、ガスバリア性を発揮できる範囲の厚さであればよい。粘土鉱物ガスバリア層122および外面保護兼ガスバリア層125が、フィラーとして層状粘土鉱物を含有する構成であれば、層状粘土鉱物の粒径、アスペクト比および添加量等の諸条件も考慮した上で、厚さを設定すればよい。
また、外面保護層123は、その材質にもよるが、外被材12の外面、すなわち真空断熱材10の外面を保護できる程度の厚さを有していればよい。また、熱融着層121は、外被材12同士を貼り合わせたときに、十分な接着性を発揮できる厚さを有していればよく、望ましくは、内面保護層として外被材12の内面を保護できる範囲の厚さを有していればよい。
ここで、本開示におけるガスバリア性とは、おおよそ、気体透過度が10 [cm /m ・day・atm]以下のものであればよく、望ましくは10 [cm /m ・day・atm]以下のものであればよく、より望ましくは10 [cm /m ・day・atm]以下のものであればよい。したがって、外被材12が有するガスバリア性(少なくとも粘土鉱物ガスバリア層122によるガスバリア性)は、前述の気体透過度の上限値以下であればよい。
[気体吸着剤の構成例]
気体吸着剤13は、芯材11とともに、外被材12の内部に封入される。気体吸着剤13は、外被材12の内部、すなわち真空断熱材10の内部空間に残存する気体、および、外部から経時的に透過浸入する気体(すなわち前述した内部気体)を吸着して除去する。また、気体吸着剤13は、少なくとも水分吸着性を有している。言い換えれば、気体吸着剤13の有する吸着性には、気体吸着性だけでなく、水分吸着性も含まれる。気体吸着剤13の水分吸着性は、基本的には、水蒸気を吸着する性質であり、気体吸着性の一部とみなすことができる。
本開示においては、気体吸着剤13として、少なくとも合成ゼオライトが用いられ、この合成ゼオライトは、その空孔径が5Å以上8Å未満の範囲内である。合成ゼオライトの具体的な種類は、特に限定されないが、ZSM−5型、SSZ−13型、SAPO−34型、ベータ型、フェリエライト型、モルデナイト型、L型、Y型等を挙げることができる。これらの中でもZSM−5型ゼオライトが好ましく、金属イオン交換されてなるZSM−5型ゼオライトがより好ましく、銅イオン交換されてなるZSM−5型ゼオライト(銅イオン交換ZSM−5型ゼオライト)が特に好ましい。銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、良好な気体吸着性と水分吸着性とを有している。
本開示において、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトの具体的な構成は、特に限定されないが、代表的には、市販されているZSM−5型ゼオライトへの銅イオン交換、水洗、乾燥および熱処理等のプロセスを経て製造されたものであればよい。
銅イオン交換プロセスの具体的な方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。一般的には、公知の銅の可溶性塩の水溶液をイオン交換用水溶液として、これに市販のZSM−5型ゼオライトを浸漬する方法を挙げることができる。このとき用いられるイオン交換用水溶液としては、例えば、塩化銅水溶液、および、アンミン酸銅錯イオンを含む塩の水溶液等を挙げることができる。中でも、プロピオン酸銅(II)または酢酸銅(II)等の、カルボキシラトを含むCu2+溶液が好ましい。このようなカルボキシラト含有Cu2+溶液をイオン交換用水溶液として用いれば、得られる銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトの気体吸着活性を、より一層良好なものとすることができる。
銅イオン交換プロセスにおいて、イオン交換回数、イオン交換用水溶液における銅イオンの濃度、イオン交換時間、および、イオン交換時の温度等の諸条件は、特に限定されない。ただし、得られる銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトにおいては、より優れた気体吸着性を発揮する観点から、イオン交換率が100%〜180%の範囲内であれば好ましく、110%〜170%の範囲内であればより好ましい。ここでいうイオン交換率とは、ZSM−5型ゼオライトにおける2つのNa 当たりにCu2+が交換されることを前提とした計算値である。銅がCu として交換される場合、イオン交換率は、計算上100%を超える数値として算出される。
銅イオン交換後の水洗プロセスおよび乾燥プロセスの具体的な方法も、特に限定されない。例えば、水洗プロセスについては、銅イオン交換後のZSM−5型ゼオライトを、蒸留水等で十分に洗浄すればよい。また、乾燥プロセスについては、水洗後に、加熱または減圧下で、表面に付着した水を除去できる程度に十分に乾燥すればよい。
熱処理プロセスについては、水洗および乾燥の後に、所定の低圧条件かつ温度条件で、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトを処理すればよい。熱処理は、イオン交換により導入されたCu2+(2価)イオンを、Cu (1価)イオンに還元し、良好な気体吸着能を発現させるために重要である。熱処理時の圧力は、特に限定されないが、代表的には10mPa以下であればよく、好ましくは1mPa以下であればよい。また、熱処理時の温度も特に限定されないが、代表的には、Cu2+からCu への還元を良好に進行させる観点から、300℃以上であればよく、好ましくは500℃〜600℃程度の範囲内であればよい。
このようにして得られた銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、特に良好な気体吸着活性を有している。このような銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素および水素等の気体に対して、良好な気体吸着活性を発揮するとともに、水蒸気等の水分に対しても、良好な吸着活性を発揮することができる。その結果、温度変化が発生しても、真空断熱材の内部空間で吸着された内部気体が再び脱離することを、有効に抑制することができる。これにより、層状粘土鉱物を含有するガスバリア層を備える真空断熱材において、より一層、良好な熱伝導率を実現することが可能となる。
銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトが粉体として用いられる場合、この粉体の具体的な構成は特に限定されず、一般的な粒径、例えば、数μm〜数十μmの範囲内であればよい。また、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、粉体を袋体内に封入したものであってもよい。このとき用いられる袋体の具体的な構成は特に限定されず、粉体の気体吸着剤を用いる場合に、公知のものを好適に用いることができる。また、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、粉体を所定形状に成形した成形体であってもよいが、成形体の形状、および、成形方法等についても特に限定されず、公知の手法を好適に用いることができる。成形体は、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライト以外に、公知のバインダ成分を含有してもよい。
バインダ成分の具体的な種類は特に限定されず、従来公知の材料を好適に用いることができるが、代表的には、無機バインダを挙げることができる。無機バインダであれば、低圧下での熱処理プロセス時に、有機ガスの発生を回避することができるとともに、真空断熱材の内部空間に封入した状態でも、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトにより、良好な気体吸着性を保持することができる。
無機バインダの具体的な種類は、特に限定されないが、例えば、シリカおよびアルミナのうち、少なくともいずれかを含むものを挙げることができる。より具体的には、例えば、水分散シリカゾル、水分散アルミナゾル、コロイダルシリカ、および、水ガラス等を、無機バインダとして好適に用いることができる。このような無機バインダであれば、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトの成形時に、より良好な成形性を実現することができる。
気体吸着剤13として用いられる成形体が、バインダ成分を含有している場合、その含有率は特に限定されないが、バインダ成分が、特に無機バインダである場合には、0重量%を超え20重量%以下の範囲であることが好ましく、0重量%を超え10重量%以下の範囲であることがより好ましい。バインダ成分の含有量がこの範囲内であれば、必要最低限のバインダ成分の量で、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトを良好に成形できるので、成形体の体積が過剰に大きくなることを有効に抑制することができる。これにより、真空断熱材の内部空間において、気体吸着剤に由来するヒートリークを回避することにも寄与できる。
気体吸着剤13の使用形態は特に限定されず、粉末、粉末の包装体、および、粉末の成形体等が挙げられる。気体吸着剤13が合成ゼオライトであれば、粉末を所定形状に成形した成形体を挙げることができる。また、気体吸着剤13が銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトであれば、公知の容器または包装体内に封止する構成を挙げることができる。前述の通り、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、減圧下での熱処理プロセスにより、良好な気体吸着性を実現するが、熱処理プロセスの後に大気中で取り扱うと、空気を吸着してしまう。そこで、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライト(またはその成形体等)を、任意の容器または包装体等の中に封止して保管し、真空断熱材の内部空間に封入してから、容器または包装体を開封して気体吸着可能にすればよい。
また、気体吸着剤13の使用量は特に限定されず、真空断熱材の用途および大きさ等の諸条件に応じて、好適な使用量を適宜設定することができる。例えば、気体吸着剤13として銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトを用いる場合であり、かつ、真空断熱材が住宅用であって、平板面積が1m未満であり、厚さ1cmである場合には、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトの好適な使用量として、0.3g〜3.0gの範囲内を挙げることができる。
さらに、気体吸着剤13としては、合成ゼオライト以外に、他の公知の気体吸着剤を併用することができる。他の気体吸着剤の具体的な種類は、特に限定されず、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、金属系吸着材、および、ゼオライト等の公知の材料を、好適に用いることができる。これらの材料は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。したがって、本開示においては、気体吸着剤13は、少なくとも合成ゼオライトから構成されていればよい(つまり、気体吸着剤13が合成ゼオライトそのものであってもよい)し、合成ゼオライトとともに、他の気体吸着剤を含有してもよい。
なお、合成ゼオライトの骨格は、前述の通り、5Å以上8Å未満の細孔を有する多孔体である。これに対して、例えば、従来の合金系の気体吸着剤(金属系のゲッター剤、特許文献1参照)は、細孔を有していない。それゆえ、合金系の気体吸着剤は、合成ゼオライトに比べて、熱伝導率が高くなる。したがって、従来の合金系の気体吸着剤を真空断熱材10に適用すると、気体吸着剤の存在箇所の熱伝導率が部分的に増大してしまい、真空断熱材10の断熱性能を低下させることになる。
合成ゼオライトの空孔径の下限は、5Å以上であればよい。また、合成ゼオライトの空孔径の上限は8Å未満であればよい。より好ましい上限としては、7Å以下を挙げることができる。合成ゼオライトの空孔径が5Å以上8Å未満であれば、真空断熱材10の内部空間においても気体分子を捕捉しやすく、かつ、温度変化の発生によっても、脱離しにくくすることができる。
発明者らの鋭意検討によれば、減圧された環境下において、合成ゼオライトの空孔径は、捕捉対象の気体の分子サイズよりも、ある程度大きい場合、その気体分子を捕捉しやすいものの、温度変化によって気体分子が空孔から脱離しやすい。一方、合成ゼオライトの空孔径が、捕捉対象の気体の分子サイズに近すぎると、逆に、気体分子を捕捉しにくいことも明らかとなった。
捕捉対象である窒素(N)の分子サイズは3.6Åであり、酸素(O)の分子サイズは3.5Åであり、水の分子サイズは3Åである。また、二酸化炭素(CO)の分子は直線状であり、縦方向(長手方向)が4.6Åであり、横方向(長手方向に直交する方向、断面方向)が3.3Åであるとされている。特許文献1では、二酸化炭素、酸素、窒素、および、水蒸気等を吸着するゲッター剤として、空孔径が8Å〜13Åの合成ゼオライトが例示されている。このように、従来、合成ゼオライトの空孔径は、分子サイズの倍以上であることが好ましいと判断されていた。
しかしながら、真空断熱材10の内部空間のように、略真空状態の環境下では、空孔径が8Å〜13Åであると、例えば2〜3℃程度の温度変化が発生するだけでも、気体分子が容易に脱離する。これは、略真空状態のような減圧環境下では、2〜3℃程度の温度変化であっても、これに伴う分子の運動エネルギーの増加が顕著に作用して、気体分子が空孔から脱離しやすくなるためだと考えられる。温度変化が10℃以上であれば、気体分子の運動エネルギーはさらに増加するので、より一層、気体分子が空孔から脱離しやすくなることがと考えられる。
特許文献1では、真空断熱材の内部圧力(中空部内の圧力)は、通常1Torr以下であり、断熱効果の観点から0.1Torr以下がより好ましく、0.01Torr以下が特に好ましいと記載されている。しかしながら、真空断熱材で実用的に達成可能な内部圧力は0.1Torr程度であり、0.1Torrより低圧の高真空を実現することは困難な状況にある。それゆえ、特許文献1では、実質的には、真空度の上限を1Torrとする、比較的「高い圧力(低い真空度)」を想定しており、その結果として、8Å〜13Åの範囲内の空孔径が好適であると判断しているものと考えられる。
ここで、本開示に係る真空断熱材10では、外被材12のガスバリア層として、少なくとも粘土鉱物ガスバリア層122が用いられる。この粘土鉱物ガスバリア層122は、金属箔、金属蒸着フィルムおよび無機蒸着フィルム等のようなガスバリア層に比べて、ヒートリークが少ない。言い換えれば、粘土鉱物ガスバリア層122は、それ自体が「断熱性能」を有するということができる。そして、気体吸着剤13である合成ゼオライトは、外被材12に覆われた内部空間に配置(封入)される。真空断熱材10の内部空間は十分に減圧されているため、真空断熱材10としての断熱性能を発揮する。
これらを考慮すれば、合成ゼオライト(気体吸着剤13)は、粘土鉱物ガスバリア層122の「断熱性能」と、真空断熱材10(略真空状態の内部空間)の「断熱性能」という二重の「断熱性能」によって、熱的な影響から「保護」されていると考えることが可能である。しかしながら、真空断熱材10は、内外の大きな温度差を熱的に遮断するために用いられるため、内部空間に位置する合成ゼオライトであっても、2〜3℃程度の温度変化の影響を受けてしまうと考えられる。それゆえ、従来の合成ゼオライトであれば、空孔径が大きすぎて、一度吸着した内部気体を脱離することにより、内部の真空度(内部圧力)が変化し、結果的に、断熱性能が不安定化するものと考えられる。
[真空断熱材の製造方法]
前述した、本実施の形態に係る真空断熱材10の具体的な製造方法は、特に限定されず、公知の製造方法を好適に用いることができる。
本実施の形態では、外被材12を袋状に構成した上で、その内部に、芯材11および気体吸着剤13を挿入して、減圧環境下(略真空状態)で、袋状の外被材12を密閉封止する製造方法を採用している。
外被材12を袋状に構成する方法は、特に限定されないが、外被材12となる積層フィルムを2枚準備し、それぞれの熱融着層121同士を対向配置した状態で、周縁部の大部分を熱融着して、線状の熱融着部15を形成することで、袋状に構成する方法を挙げることができる。
具体的には、例えば、図3に示すように、外被材12の周縁部の一部(図3における向かって左側に示す外被材12の上方)を開口部16として残しておき、開口部16を除いた周縁部の残部を熱融着し、中央部分(芯材11が収容される部分)を包囲するように、3本の線状の熱融着部15を形成すればよい。なお、熱融着部15が形成された周縁部は、前述の通り、封止部14となる。
その後、開口部16から、芯材11および気体吸着剤13を、外被材12の内部に挿入し、例えば、減圧チャンバ等の減圧設備内で減圧する。これにより、開口部16から、袋状の外被材12の内部(袋内部)が十分に減圧され、略真空状態となる。その後、他の周縁部と同様に、開口部16を熱溶着により密閉封止すれば(図3の向かって右側に示す外被材12参照)、外被材12の周囲が封止部14となった真空断熱材10を得ることができる。
なお、熱溶着および減圧等の諸条件については、特に限定されず、公知の種々の条件を、好適に採用することができる。また、袋状の外被材12は、2枚の積層フィルムを用いる構成に限定されない。例えば、1枚の積層フィルムを半分に折り曲げて、両方の側縁部を熱溶着すれば、開口部16を有する袋状の外被材12を得ることができる。また、積層フィルムを筒型に成形して、一方の開口部16を封止してもよい。
真空断熱材10の製造に際して、封止部14の幅、および、封止部14を構成するための熱融着部15の幅は、特に限定されない。封止部14が大きすぎると、外被材12における内部空間、すなわち断熱構造に寄与する面積が相対的に小さくなるため、封止部14の占める面積は、できるだけ小さい方が好ましい。一方、封止部14の占める面積が小さすぎると、適切な熱融着部15を形成できなくなり、内部空間の略真空状態を良好に維持できなくなるおそれがある。それゆえ、封止部14の幅は、熱融着部15の幅に基づいて適宜設定すればよい。
熱融着部15の幅は特に限定されないものの、熱融着部15の幅が小さすぎると、熱融着部15を介して、外部からの空気が内部空間に浸入するおそれがある。例えば、図1に示すように、封止部14の外周端には、外被材12を構成する粘土鉱物ガスバリア層122および熱融着層121の末端が露出している。そのため、熱融着部15には、ガスバリア機能を発揮し得る構造が存在しないことになる。
そこで、熱融着部15の幅の、好ましい下限としては、例えば8mm以上を挙げることができる。真空断熱材10の具体的な構成にもよるが、熱融着部15の幅が8mm以上であれば、熱融着部15からの気体の浸入を有効に抑制することが可能である。もちろん、真空断熱材10の構成によっては、熱融着部15の幅が8mm未満であっても、熱融着部15からの気体の浸入を抑制できる場合がある。熱融着部15の幅の、より好ましい下限としては、10mm以上を挙げることができる。
また、熱融着部15の幅の上限は、特に限定されないが、熱融着部15の幅が大きすぎると、封止部14の幅が大きくなり、外被材12における内部空間、すなわち断熱構造に寄与する面積が相対的に小さくなる。それゆえ、熱融着部15の幅の好ましい上限としては、例えば20mm以下を挙げることができ、より好ましい上限としては、15mm以下を挙げることができる。もちろん、真空断熱材10の構成によっては、熱融着部15の幅が20mmを超えてもよい。
ここで、気体吸着剤13は、気体吸着活性を有する合成ゼオライト、好ましくは銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトを、主成分として含有している。そのため、真空断熱材10の製造工程で周囲の空気を吸着する可能性がある。気体吸着剤13が周囲の空気を吸着すると、気体吸着剤13の気体吸着容量の多くが消費されてしまうので、真空断熱構造の内部で気体を十分に吸着除去できない可能性がある。それゆえ、真空断熱材10の製造に際して、気体吸着剤13を、空気曝露した状態で外被材12内に挿入する場合には、空気曝露時間をできるだけ短くすることが望ましい。
または、気体吸着剤13を、公知の密閉容器に充填した状態で外被材12内に挿入してもよい。具体的には、例えば、気体吸着剤13を密閉容器に充填した上で、芯材11の上面に載置し、内部を減圧して開口部16を封止した後に、外被材12の外部から外力を加えることで密閉容器を開封する。これにより、気体吸着剤13は、気体吸着容量ができるだけ消費されない状態で外被材12の内部に収容されることになる。また、このような真空断熱材10において、気体吸着剤13は、真空断熱材10の内部空間において、開封された容器内に存在していることになる。
ここで、真空断熱材10の内部空間における気体吸着剤13の配置箇所は、特に限定されない。外被材12が粘土鉱物ガスバリア層122を含む場合、気体吸着剤13は、図1および図3に示すように、熱融着部15に隣接する位置に配置されることが好ましい。より具体的には、熱融着部15から内部側に、30〜200mmの範囲内となる領域に配置されることが好ましく、30〜150mmの範囲内となる領域に配置されることがより好ましい。これにより、熱融着部15から浸入する可能性のある気体を、気体吸着剤13により速やかに吸着することが可能になる。
このように、本開示に係る真空断熱材10は、外被材12が粘土鉱物ガスバリア層122を含むとともに、外被材12の内部に封入される気体吸着剤13として、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトが用いられている。
これにより、気体吸着剤13の存在箇所において、局所的に熱伝導率が高くなることを回避して、気体吸着剤13に由来するヒートリークを有効に回避できる。そして、合成ゼオライトの空孔径が前述の範囲内であるため、温度変化によっても、吸着された気体が再び脱離することを有効に抑制することができる。これにより、温度変化による内部の真空度(内部圧力)の変化が有効に抑制されるので、従来よりも一層良好な断熱性能を有する真空断熱材10を得ることができる。
また、このような真空断熱材10は、さまざまな断熱用途に好適に用いることができる。代表的な断熱用途の一例として、家電製品を挙げることができる。家電製品の具体的な種類は、特に限定されないが、例えば、冷蔵庫、給湯器、炊飯器およびジャーポットを挙げることができる。また、他の断熱用途の一例として、住宅壁を挙げることができる。さらに他の断熱用途の一例として、輸送機器を挙げることができる。輸送機器の具体的な種類は特に限定されないが、例えば、タンカー等の船舶、自動車および航空機等を挙げることができる。特に、真空断熱材10は、標準的な湿度環境だけでなく、蒸暑地域のような多湿環境下でも良好に使用することが可能であるため、多湿環境での使用が想定される、住宅壁、家電製品および輸送機器に、好適に用いることができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、本開示に係る真空断熱材の代表的な一例について説明したが、本開示には、前述した構成の真空断熱材をパネル化した断熱構造体(断熱パネル)も含まれる。そこで、第2の実施の形態では、本開示に係る断熱パネルの代表的な一例について、図4および図5を参照して説明する。
[断熱パネルの構成例]
図4に示すように、本実施の形態に係る断熱パネル20は、真空断熱材10および発泡断熱材23を備えている。発泡断熱材23は、真空断熱材10の外面の少なくとも一部を被覆する。図4に示す構成では、発泡断熱材23は、真空断熱材10の外面全体を被覆している。また、本実施の形態において、発泡断熱材23は、断熱パネル20の、表面材21および裏面材22の間に充填されている。したがって、本実施の形態に係る断熱パネル20は、真空断熱材10および発泡断熱材23に加えて、表面材21および裏面材22を備えている。
表面材21および裏面材22の具体的な構成は、特に限定されず、断熱パネル20の分野で公知のものを好適に用いることができる。表面材21としては、木材、石膏、樹脂および金属等で構成される板材を用いることができる。具体的には、例えば、木材製の板材として、合板製のものを挙げることができ、金属製の板材として、例えば、亜鉛メッキ鋼板等を挙げることができるが、特に限定されない。また、裏面材22としては、紙、樹脂、金属等のフィルムおよび箔を用いることができる。具体的には、例えば、紙製のフィルムとしては、クラフト紙、および、炭酸カルシウム紙等を挙げることができ、金属箔としては、アルミニウム箔を挙げることができるが、特に限定されない。
発泡断熱材23の具体的な構成は特に限定されず、断熱パネル20の分野で公知のものを好適に用いることができる。具体的には、例えば、硬質ウレタンフォーム(PUF)、ポリエチレンフォーム(PEF)、ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)、および、フェノールフォーム(PF)等を挙げることができるが、特に限定されない。これらの中でも、後述する理由から、硬質ウレタンフォームが特に好ましく用いられる。
表面材21、裏面材22および発泡断熱材23の具体的な厚さについては、特に限定されない。これらの厚さは、断熱パネル20の用途等に応じて適宜設定することができる。ただし、発泡断熱材23の厚さは1mm以上であることが好ましい。これは、発泡断熱材23は真空断熱材10の外面の少なくとも一部を被覆するためである。なお、発泡断熱材23の具体的な構成については後述する。
断熱パネル20が備える真空断熱材10は、第1の実施の形態で説明したように、芯材11、外被材(外包材)12、および気体吸着剤13を備えている。ガスバリア性を有する外被材12の内部に、芯材11が、減圧密閉状態(略真空状態)で封入されている。また、外被材12の内部には、芯材11とともに気体吸着剤13が封入されている。
断熱パネル20は、表面材21、裏面材22および発泡断熱材23、ならびに、真空断熱材10以外の部材を備えてもよい。また、断熱パネル20の具体的な製造方法は特に限定されない。例えば、公知の治具等を用いて、表面材21および裏面材22の間に真空断熱材10を配置するとともに、表面材21および裏面材22の間に、発泡断熱材23の層となる空間を形成し、この空間に発泡断熱材23を充填すればよい。
真空断熱材10の外被材12には、第1の実施の形態で説明したように、粘土鉱物ガスバリア層122が含まれている。粘土鉱物ガスバリア層122によるガスバリア性は、層状粘土鉱物が層の広がり方向に沿って配向しているので、層の厚さ方向では、多数の層状粘土鉱物が重なり合うことにより、ガス(気体)の透過経路が延長かつ複雑化する。つまり、粘土鉱物ガスバリア層122では、厚さ方向において、層状粘土鉱物により、ガスの透過経路が迷路のようになり(迷路効果)、これによりガスバリア性を発揮することができる。
一方、粘土鉱物ガスバリア層122において、厚さ方向に重なり合った層状粘土鉱物が吸湿すると、水蒸気が容易に透過して真空断熱材10の内部に浸入しやすくなるとともに、他のガスも透過浸入しやすくなる。その結果、粘土鉱物ガスバリア層122のガスバリア性が低下する。これに対して、本実施の形態においては、真空断熱材10の内部には、水分吸着性を有する気体吸着剤13が封入されている。それゆえ、粘土鉱物ガスバリア層122に残存または透過した水蒸気を吸着(吸湿)することができる。これにより、真空断熱材10の内部の略真空状態を良好に維持できるとともに、粘土鉱物ガスバリア層122のガスバリア性の低下を抑制することもできる。
[発泡断熱材の構成例]
本実施の形態において、発泡断熱材23は、真空断熱材10の外面の少なくとも一部を被覆する。層状粘土鉱物は親水性であるため、多湿環境が長期にわたって継続すると、層状粘土鉱物が水分を含有する。層状粘土鉱物が水分を含有すると、粘土鉱物ガスバリア層122のガスバリア性、すなわち真空断熱材10の外被材12のガスバリア性が低下してしまう。
これに対して、本実施の形態では、真空断熱材10の外面の少なくとも一部を発泡断熱材23で被覆している。一般に、発泡断熱材23は、繊維系の断熱材に比較して吸湿性が低く、吸湿による断熱低能の低下が少ない。さらに、発泡断熱材23は、発泡率が相対的に小さいほど、吸湿性を小さくすることができ、良好な耐水性を実現することができる。よって、真空断熱材10の外面、すなわち外被材12の外側を発泡断熱材23で被覆することによって、粘土鉱物ガスバリア層122が吸湿してガスバリア性が低下することを有効に抑制することができる。
しかも、上述の通り、外被材12の内側(真空断熱材10の内部)で、気体吸着剤13が水分を吸着する。これにより、外被材12の外側における発泡断熱材23による作用と、外被材12の内側における気体吸着剤13による作用との相乗効果により、粘土鉱物ガスバリア層122のガスバリア性の低下による真空断熱材10の断熱抵抗の低下を、有効に抑制することができる。
さらに、真空断熱材10が発泡断熱材23により覆われているので、真空断熱材10の内部空間に封入される気体吸着剤13に対して熱的な影響が及ぶことが、より一層有効に抑制される。気体吸着剤13としては、上述の通り、5Å以上8Å未満の空孔径を有する合成ゼオライト、好ましくは銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトが用いられるので、数度の温度変化が生じても、一度吸着された気体の脱離は有効に抑制される。しかも、発泡断熱材23により、熱的な影響が、より一層抑制されるので、合成ゼオライトからの気体の脱離は、より一層有効に抑制される。その結果、真空断熱材10は、より一層良好な断熱性能を発揮できるので、真空断熱材10を備える断熱パネル20も、より一層良好な断熱性能を発揮することができる。
ここで、発泡断熱材23としては、硬質ウレタンフォームが好ましく用いられる。硬質ウレタンフォームは、ポリオール成分およびイソシアネート成分を混合して、縮合重合反応させながら発泡することにより得られるものであればよい。具体的には、ポリオール成分の水酸基(−OH)と、イソシアネート成分のイソシアネート基とがウレタン結合(−NH−CO−O−)を形成する(ウレタン化反応)。この反応に伴って、公知の発泡剤で発泡させることにより、硬質ウレタンフォームが得られる。
硬質ウレタンフォームを形成するためのポリオール成分としては、発泡断熱材23に要求される諸条件に応じて、公知のポリオール化合物を選択して用いることができる。代表的には、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、多価アルコール、および、水酸基含有ジエン系ポリマー等が挙げられる。
より具体的には、例えば、ポリエーテル系ポリオールとしては、多価アルコール、糖類、アルカノールアミン、ポリアミン、多価フェノールその他のイニシエーターに、環状エーテルまたはアルキレンオキシドを付加して得られる化合物等が挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を用いることができる。糖類としては、シュークロース、デキストロース、ソルビトール等を用いることができる。アルカノールアミンとしては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等を用いることができる。ポリアミンとしては、エチレンジアミン、トルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ポリメチレンポリフェニルアミン等を用いることができる。多価フェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フェノール樹脂系初期縮合物等を用いることができる。また、ポリエステル系ポリオールとしては、多価アルコール−多価カルボン酸縮合系のポリオール、環状エステル開環重合体系のポリオール、芳香族系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。これら化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、硬質ウレタンフォームを形成するためのイソシアネート成分としては、発泡断熱材23に要求される諸条件に応じて、公知のイソシアネート化合物を選択して用いることができる。代表的には、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂肪環族系、および、脂肪族系のポリイソシアネート、ならびに、これらを変性した変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
より具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジメチルフェニレンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、アントラセンジイソシアネート、ジメチルジフェニルジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;これらのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート変性体、ウレア変性体;等を挙げることができるが、特に限定されない。これらの化合物中における置換基の位置は、特に限定されない。また、これら化合物および変性体は単独で用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
ポリオール成分およびイソシアネート成分の縮合重合反応には、公知の触媒を用いることができる。具体的には、例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等のアミン触媒;オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート等の金属化合物系触媒;トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、酢酸カリウム、オクチル酸カリウム等のイソシアヌレート化触媒;等を挙げることができるが、特に限定されない。これら触媒は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、発泡剤としては、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分の化学反応により生じる反応熱で気化して、発泡可能な物質であればよい。具体的には、例えば、炭素数6以下の低級炭化水素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)等を挙げることができる。これらの中でも、n−ペンタン、i−ペンタン(2−メチルブタン)、c−ペンタン(シクロペンタン)等のペンタン類が好ましく用いられるが、特に限定されない。
硬質ウレタンフォームは、上述の通り、ポリオール成分の水酸基とイソシアネート成分のイソシアネート基とがウレタン化反応することにより形成される。ポリオール成分の代わりに、水がイソシアネート基と反応する場合には、イソシアネート成分(OCN−R−NCO:Rは任意の有機基)2分子と水(HO )2分子とが反応して、ウレア結合(−R−NHCONH−R−NHCONH−)が形成されるとともに、2分子の二酸化炭素が発生する(CO)(ウレア化反応)。そして、硬質ウレタンフォームには、未反応のイソシアネート基が残存する場合がある。
そのため、発泡断熱材23が硬質ウレタンフォームで形成されていれば、発泡断熱材23に水蒸気等の水分が浸入しても、残存するイソシアネート基と反応して化学的に捕捉される。これにより、発泡断熱材23で覆われている真空断熱材10の外被材12に、水分が到達する可能性を低減することができるため、外被材12が備える粘土鉱物ガスバリア層122の吸湿を、有効に抑制することができる。その結果、外被材12のガスバリア性の低下も抑制され、真空断熱材10およびこれを備える断熱パネル20の断熱性能を、良好に維持することが可能になる。
本開示においては、硬質ウレタンフォームは、上述の通り、ポリオール成分とイソシアネート成分とを混合して反応させたものであればよく、ポリオール成分とイソシアネート成分との混合反応比は特に限定されない。代表的な一例としては、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、ポリオール成分の水酸基(−OH)に対する、イソシアネート成分のイソシアネート基(−NCO)の当量比が0.70〜1.10の範囲内となるように、混合して反応させたものを挙げることができる。また、水酸基に対するイソシアネート基の当量比が0.65〜1.10の範囲内となるように、混合して反応させたものであってもよい。
ポリオール成分およびイソシアネート成分の混合比を、上述の通り、水酸基に対するイソシアネート基の当量比の範囲内となるように設定すれば、得られる硬質ウレタンフォームには、断熱性能を妨げない範囲で、十分な量のイソシアネート基を残存させることができる。これにより、イソシアネート基による水分の捕捉作用を良好に実現することができるので、外被材12のガスバリア性の低下を有効に抑制することができる。
発泡断熱材23の厚さは、その種類によらず、上述の通り1mm以上であればよい。少なくとも1mm以上の厚さがあれば、多湿環境下であっても、被覆されている真空断熱材10(外被材12)に、水蒸気等の水分が到達することを有効に抑制することができる。ここで、発泡断熱材23が硬質ウレタンフォームであれば、その好ましい厚さは2mm以上であればよく、3mm以上であればより好ましい。
上述の通り、硬質ウレタンフォームは、ポリオール成分およびイソシアネート成分の2成分を混合反応させて形成する。また、断熱パネル20の製造時には、発泡断熱材23の層となる空間に、これら2成分の混合物を行き渡らせて反応させる。それゆえ、断熱パネル20の具体的な構成にもよるが、発泡断熱材23の厚さが2mm以上、より好ましくは3mm以上であれば、発泡断熱材23の層形状が複雑であっても、これら2成分を全体的に良好に行き渡らせて反応させることができる。
ところで、上述の通り、硬質ウレタンフォームにイソシアネート基が残存していると、水とイソシアネート基とによりウレア化反応が生じるが、上述の通り、このウレア化反応では、二酸化炭素(CO)が副生する。したがって、硬質ウレタンフォームにより形成される発泡断熱材23は、残存するイソシアネート基により、水分を化学的に捕捉できるものの、二酸化炭素が副生して発泡断熱材23に残存する。このため、二酸化炭素が外被材12を透過して、真空断熱材10の内部に浸入するおそれがある。
本実施の形態においては、真空断熱材10の内部に封入される気体吸着剤13として、上述の通り、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトが好ましく用いられる。この銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、上述の通り、窒素、酸素および水分に対して優れた吸着能力を有するが、二酸化炭素についても優れた吸着能力を有する。特に、分圧が低い状態で、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、より良好な二酸化炭素の吸着能力を示す。例えば、平衡圧20Pa(真空断熱材10の内圧の目安の一つ)では、銅イオン交換されていないZSM−5型ゼオライトに比べて、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトは、二酸化炭素については1.5倍、窒素および空気については10倍程度の吸着能力を示す。
よって、発泡断熱材23が硬質ウレタンフォームであり、かつ、真空断熱材10が備える気体吸着剤13が、銅イオン交換ZSM−5型ゼオライトを含有していれば、発泡断熱材23により水分を良好に捕捉できるだけでなく、副生した二酸化炭素が、外被材12を透過浸入したとしても、気体吸着剤13で良好に吸着することができる。その結果、真空断熱材10およびこれを備えた断熱パネル20の断熱性能を、良好に維持することができる。
このように、本開示に係る断熱構造体の一例である断熱パネル20は、発泡断熱材23および真空断熱材10を備え、真空断熱材10が、粘土鉱物ガスバリア層122を有する外被材12を備え、発泡断熱材23は外被材12の少なくとも一部を被覆するように設けられている。真空断熱材10の内部には、水分吸着性を有する気体吸着剤13が封入されている。この気体吸着剤13は、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトである。
発泡断熱材23は、吸湿性が小さく良好な耐水性を示すので、外被材12の外部からの水分の浸入を抑制することができる。気体吸着剤13は、気体吸着性だけでなく水分吸着性も有する。それゆえ、層状粘土鉱物の吸湿によりガスバリア性が低下した外被材12を透過して、内部に浸入した水分をも吸着することができる。これにより、断熱構造体が多湿環境で用いられても、層状粘土鉱物の吸湿による、ガスバリア性の低下を有効に抑制することができる。その結果、標準的な湿度環境だけでなく、多湿環境下であっても、良好な断熱性能を維持することのできる断熱構造体を実現することが可能となる。
また、真空断熱材10が備える気体吸着剤13として、上述の通り、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトが用いられる。合成ゼオライトの空孔径が、上述の範囲内であるため、温度変化によって、吸着された気体が再び脱離することを有効に抑制することができる。これにより、温度変化による内部の真空度(内部圧力)の変化が有効に抑制されるので、真空断熱材10の断熱性能を、より一層良好なものとすることができ、真空断熱材10を備える断熱パネル20の断熱性能も、より一層良好なものとすることができる。
なお、図4に示す構成の断熱パネル20では、発泡断熱材23は、真空断熱材10の全ての外面を被覆しているが、本開示はこれに限定されない。例えば、図5に示す構成の断熱パネル20では、真空断熱材10の一方の面が、表面材21の内面に接しており、真空断熱材10の他方の面および全ての周囲の面(側面)が、発泡断熱材23により被覆される構成であってもよい。または、図示しないが、真空断熱材10の周囲の面の少なくとも一部に接するように、柱状の枠材等を配置して(このときヒレ状の封止部14は折り曲げればよい)、この枠材以外の外面を、発泡断熱材23で被覆してもよい。
このような断熱パネル20は、さまざまな断熱用途に好適に用いることができる。代表的な断熱用途の一例としては、家電製品を挙げることができる。家電製品の具体的な種類は特に限定されないが、例えば、冷蔵庫、給湯器、炊飯器およびジャーポットを挙げることができる。
また、他の断熱用途の一例としては、住宅壁を挙げることができる。さらに他の断熱用途の一例としては、輸送機器を挙げることができる。輸送機器の具体的な種類は特に限定されないが、例えば、タンカー等の船舶、自動車、および航空機等を挙げることができる。断熱パネル20は、標準的な湿度環境だけでなく、蒸暑地域のような多湿環境下でも、良好に使用することが可能である。このため、多湿環境での使用が想定される、住宅壁、家電製品および輸送機器等に好適に用いることができる。
なお、本開示は、上述した各実施の形態の記載に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態および複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本開示の技術的範囲に含まれる。
本開示は、真空断熱材および断熱パネル(断熱構造体)の分野に好適に用いることができるだけでなく、真空断熱材または断熱パネルを用いた家電製品、住宅壁および輸送機器等の分野にも広く好適に用いることができ、有用である。
10 真空断熱材
11 芯材
12,12A〜12C 外被材
13 気体吸着剤
14 封止部
15 熱融着部
16 開口部
20 断熱パネル
21 表面材
22 裏面材
23 発泡断熱材
121 熱融着層
122 層状粘土鉱物を含有するガスバリア層(粘土鉱物ガスバリア層)
123 外面保護層
124 金属ガスバリア層
125 外面保護兼ガスバリア層

Claims (14)

  1. ガスバリア性を有する袋状の外被材と、
    前記外被材の内部に、減圧密閉状態で封入される芯材と、
    前記芯材とともに、前記外被材の内部に封入される気体吸着剤と、を備え、
    前記外被材には、フィラーとして、少なくとも層状粘土鉱物を含有するガスバリア層が含まれ、
    前記気体吸着剤は、少なくとも、空孔径が5Å以上8Å未満の合成ゼオライトを含む、
    真空断熱材。
  2. 前記合成ゼオライトは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトである
    請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記外被材は、さらに熱融着層を含み、
    前記外被材の周縁部の少なくとも一部に、前記熱融着層を熱融着した熱融着部が形成され、
    前記熱融着部の幅は8mm以上である
    請求項1または請求項2に記載の真空断熱材。
  4. 前記気体吸着剤は、前記外被材の内部であって、前記熱融着部から内部側に30〜200mmの範囲内となる領域に配置されている
    請求項3に記載の真空断熱材。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の真空断熱材と、
    前記真空断熱材の外面の、少なくとも一部を被覆する発泡断熱材と、を備え、
    パネル状に形成された
    断熱構造体。
  6. 前記発泡断熱材は、硬質ウレタンフォームである
    請求項5に記載の断熱構造体。
  7. 前記硬質ウレタンフォームは、ポリオール成分とイソシアネート成分とを、ポリオール成分の水酸基(−OH)に対する、イソシアネート成分のイソシアネート基(−NCO)の当量比が0.70〜1.10の範囲内となるように、混合して反応させたものである
    請求項6に記載の断熱構造体。
  8. 前記発泡断熱材の厚さが1mm以上である
    請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の断熱構造体。
  9. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の真空断熱材を備えた家電製品。
  10. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の真空断熱材を備えた住宅壁。
  11. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の真空断熱材を備えた輸送機器。
  12. 請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の断熱構造体を備えた家電製品。
  13. 請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の断熱構造体を備えた住宅壁。
  14. 請求項5から請求項8までのいずれか1項に記載の断熱構造体を備えた輸送機器。
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