JP2002174486A - 冷蔵庫扉 - Google Patents

冷蔵庫扉

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JP2002174486A
JP2002174486A JP2000373931A JP2000373931A JP2002174486A JP 2002174486 A JP2002174486 A JP 2002174486A JP 2000373931 A JP2000373931 A JP 2000373931A JP 2000373931 A JP2000373931 A JP 2000373931A JP 2002174486 A JP2002174486 A JP 2002174486A
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door
heat insulating
refrigerator door
urethane foam
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Kuninari Araki
邦成 荒木
Katsumi Fukuda
克美 福田
Hisao Yokokura
久男 横倉
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウレタンフォームを用いる冷蔵庫扉において、
地球環境に優しく、しかも低コスト、高信頼性で、高断
熱性能を有するようにすること。 【解決手段】扉外箱11と扉内箱13とで形成する空間
内に不織布に収納された炭酸ガス吸着剤9を設置し、こ
の空間を形成する扉外箱11あるいは扉内箱13のガス
バリア性のないプラスチック部分や接続部等をガスバリ
ア性のある密閉用フィルム15で密閉し、この密閉フィ
ルム15で密閉された空間内に発泡断熱材の原液を注入
して独立気泡ウレタンフォーム17を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫扉に係り、
特に断熱材としてウレタンフォームを用いる冷蔵庫扉に
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球温暖化に対する観点から、冷
蔵庫の消費電力量を削減するために、冷蔵庫に用いるウ
レタンフォームの断熱性能の向上が求められている。一
方、オゾン層破壊を防止するために、冷蔵庫に用いるウ
レタンフォームの発泡剤がクロロフルオロカーボン類
(以下CFC類という)からハイドロクロロフルオロカ
ーボン類(以下HCFC類という)に代わり、更にはオ
ゾン破壊係数が0である炭化水素類(以下HC類とい
う)が使用されるようになってきている。
【0003】しかしながら、冷蔵庫に用いるウレタンフ
ォームにおいては、断熱材中に生ずるガスのために、断
熱性能が経時的に低下するという問題があった。また、
HC類はガスの熱伝導率がCFC類、HCFC類等と比
較して高いため、HC類の発泡剤を使用したウレタンフ
ォームにおいては、CFC類やHCFC類の発泡剤を用
いたウレタンフォームより断熱性能が悪くなるとう問題
があった。
【0004】従来においては、冷蔵庫用断熱材の断熱性
能向上のために、次の3方面からの取り組みがなされて
いる。その一つ目は、HC類を発泡剤として使用しつつ
断熱性能を向上させる取り組みである。また、二つ目
は、HC類に替る発泡剤を使用して断熱性能を向上させ
る取り組みである。さらに、三つ目は、真空断熱パネル
(以下VIPという)を使用する取り組みである。
【0005】一つ目におけるHC類を発泡剤として使用
したウレタンフォームの断熱性能を向上させるための取
り組みとしては、発泡時に副次的に発生するガス熱伝導
率の高いガスを吸着除去する試みがある。
【0006】具体的には、特開平6−322166号公
報(従来技術1)に開示されているように、ウレタン発
泡時に発生するガス熱伝導率の高い炭酸ガスを炭酸ガス
吸着剤によって吸着して断熱性能を向上させる方法であ
る。この従来技術1によれば、ウレタンの原液であるポ
リオール中に水酸化ナトリウムあるいはソーダ石灰等の
強アルカリ性試薬を混入し、発泡後にに発生する炭酸ガ
スが発泡後にアルカリ性試薬に吸着されて徐々に断熱性
能が向上するものである。
【0007】そして、別の例としては、特開平8−20
0937号公報(従来技術2)に開示されているよう
に、少なくともアルカリ金属の水酸化物、或いはアルカ
リ土金属の水酸化物を含む無機化合物にアルカリ金属の
水酸化物とアルカリ土金属の水酸化物に対して1ミリモ
ル以上の水分とを予め保持させた無機化合物表面を有機
樹脂化合物にて被膜成形した炭酸ガス吸着材を、硬質ウ
レタンフォーム中に一体発泡する方法がある。
【0008】また、二つ目におけるHC類に替る発泡剤
で発泡した断熱材により断熱性能を向上させるための取
り組みとしては、特開平8−110153号公報(従来
技術3)に開示されているように、ハイドロフルオロヨ
ウドカーボン類(以下HFIC類という)やフルオロヨ
ウドカーボン類(以下FIC類という)を発泡剤として
使用したフォーム断熱材の例がある。
【0009】更に、三つ目におけるVIPを使用した冷
蔵庫用断熱材の例としては、特開平5−256563号
公報(従来技術4)に開示されているように、アルミ箔
を貼付けたアルミ蒸着フィルムとアルミラミネートシー
トとで連通硬質ウレタンフォーム及び水酸化カルシウム
や活性炭等のシート形吸着材を包んで内部を真空引きす
ることによりVIPを構成し、このVIPを内箱と外箱
からなる空間内に配置し、この空間内に独立気泡硬質ウ
レタン断熱材を充填したものがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1及び2では、アルカリ性試薬またはアルカリ性試薬
を樹脂コーティングしたものをウレタンのポリオール原
液中に混入し発泡するために、以下に述べるような問題
点があった。
【0011】即ち、従来技術1及び2は、冷蔵庫の内箱
と外箱との空間に充填発泡する設備に関して、アルカリ
性試薬あるいはアルカリ性試薬を樹脂コーティングした
ものをポリオール原液中に混ぜる為の設備変更が必要で
あり、その設備は耐食性に優れたニッケル等のコストが
高い材料で製作する必要があると共に、発泡機等につい
ても耐食性に優れた高い材料で製作する必要がある。こ
のため、種々の容量及びタイプの冷蔵庫に用いる充填発
泡の設備をそれぞれ高価なものに変更する必要があり、
設備費が高くなるという問題があった。また、内箱は一
般にガスバリア性のないプラスチックで製作され、この
プラスチック製内箱を通して発泡断熱材中にガスが進入
してくるために、断熱性能が低下するという問題があっ
た。
【0012】そして、従来技術3では、HFIC類やF
IC類を発泡剤として使用したフォーム断熱材を用いて
いるために、以下に述べるような問題点があった。
【0013】即ち、従来技術3では、HFIC類やFI
C類を発泡剤として使用することにより断熱性能を向上
することができるが、それでもフォーム断熱材中から発
生するガスにより、断熱性能が経時的に低下するという
問題があった。
【0014】そして、従来技術4では、VIPを使用し
ているために、以下に述べるような問題があった。
【0015】即ち、従来技術4では、連通硬質ウレタン
フォームを用いてその内部を真空にすることによりVI
Pの断熱性能を向上するようにしているため、その真空
度を極めて高いものとする必要があると共に、その高い
真空度を維持することが必要である。このため、VIP
の密閉用フィルムとして、ガスバリア性が特に優れたア
ルミ箔や多層構造のアルミ蒸着フィルム等を使用する必
要があり、コストアップになると共に、VIP製造工程
において高い真空度の真空包装が必須であると共に、真
空引き工程に時間がかかり、この点からもコストアップ
になるという問題があった。また、VIPの密閉用フィ
ルムにピンホールが存在すると、真空度が激減し、内蔵
した連通硬質ウレタンフォームにおける断熱性能が大幅
に低下してしまい、これによりVIPの断熱性能が大幅
に低下してしまうという問題があった。
【0016】本発明の目的は、地球環境に優しく、しか
も低コスト、高信頼性で、高断熱性能を有する冷蔵庫扉
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の特徴は、扉外箱と扉内箱とで形成する
空間内に不織布に収納された炭酸ガス吸着剤を設置し、
前記空間を形成する扉外箱あるいは扉内箱のガスバリア
性のないプラスチック部分や接続部等をガスバリア性の
ある密閉用フィルムで密閉し、前記密閉フィルムで密閉
された空間内に発泡断熱材の原液を注入して独立気泡ウ
レタンフォームを形成したことにある。
【0018】好ましくは、前記不織布に収納された炭酸
ガス吸着剤を前記扉外箱の内面中央部に設置したことに
ある。
【0019】また、好ましくは、前記炭酸ガス吸着剤と
して水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、または酸化カルシウム等の
アルカリ性の強い試薬を使用したことにある。
【0020】また、好ましくは、前記密閉用フィルムと
してポリアクリロニトリル(以下PANという)、アル
ミ蒸着フィルム、またはアルミ箔等を使用したことにあ
る。
【0021】また、好ましくは、前記パネル用ウレタン
フォームの発泡剤としてハイドロカーボン、フルオロヨ
ウドカーボン、またはハイドロフルオロヨウドカーボン
を使用したことにある。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図を
用いて説明する。
【0023】まず最初に、本発明の冷蔵庫扉の断熱性能
の比較を行なうための断熱パネルAに関して図3から図
5を用いて説明する。図3は本発明の冷蔵庫扉の断熱性
能の比較を行なうための断熱パネルの断面図、図4は図
3の平面図、図5は図3の断熱パネルの炭酸ガス吸着状
況を説明する模式図である。
【0024】図3及び図4に示す断熱パネルAは、袋状
の密閉用フィルム1内にウレタンフォーム2及び炭酸ガ
ス吸着剤3を封入し、この密閉用フィルム1の開口周縁
部をシール材4によってシールして構成されている。ま
た、断熱パネルA内は10Torr程度に減圧されている。
【0025】密閉用フィルム1は、炭酸ガス不透過性に
優れたPANフィルム、アルミ蒸着フィルム、及びアル
ミ箔等を使用して形成されている。これらのものは炭酸
ガス不透過性に優れているので、本発明における密閉用
フィルムとして好ましいものであるが、本発明において
はVIPほど透過性を問題しない。なお、PANフィル
ムは、アルミ蒸着フィルムやアルミ箔と比較して、安価
で、取り扱いが容易である。
【0026】ウレタンフォーム2は、発泡剤としてHC
類、FIC類、及びHFIC類、具体的には、シクロペ
ンタン、ペンタフルオロヨウドエタン、及びジフルオロ
ヨウドエタン等を使用して発泡させた独立気泡のウレタ
ンフォームで構成されている。このウレタンフォーム2
は、大きく成形されたものからスラブ状に切断またはス
ラブ状に発泡されて製作される。
【0027】炭酸ガス吸着剤3は、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、または酸化カルシウム等のアルカリ性の強い試薬を
不織布で包んで形成されている。
【0028】次に、本実施形態に用いる断熱パネルAの
具体的な実施例1及び2を次に示す表1を用いて説明す
る。
【0029】
【表1】 (実施例1)断熱パネルAに係る実施例1は、表1で明
らかなように、発泡剤としてHC類の一つであるシクロ
ペンタンを用いたものである。
【0030】ウレタンフォーム2は、トリレンジアミン
系ポリエーテルポリオールとトリエタノールアミン系ポ
リエーテルポリオール及びビスフェノールA系ポリエー
テル等を適量混合したポリオール100重量部中に発泡
剤としてシクロペンタン18重量部、シリコーン系整泡
剤2重量部、アミン系触媒3重量部を混合したものに、
補助発泡剤として水2重量部を適量混合したポリオール
プレミックス液と、ポリメチレンポリフェニルジイソシ
アネート(MDI)系イソシアネート140重量部とを
高圧発泡機によって混合し、この混合した液を500×
500×50tのアルミパネル内で発泡させるように、
キュア温度60℃、キュア時間5分で、自由発泡時のポ
リウレタンフォーム量に対して110%の原液を注入
し、オーバーパック率10%で製作したウレタン発泡断
熱材である。
【0031】炭酸ガス吸着剤3は、フレーク状の水酸化
カルシウム(試薬特級)がウレタンフォーム2の重量比
5%となる量(13.25重量部)を不織布に収納した
ものである。なお、炭酸ガス吸着剤3としては、上記水
酸化カルシウムの他に、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等でもよ
く、アルカリ性の強い試薬が良い。
【0032】密閉用フィルム1は、PANフィルムで厚
さ50μmのものを用い、上述したウレタンフォーム2
及び炭酸ガス吸着剤3を封入し、内部を10Torr程度に
真空包装したものである。なお、密閉用フィルム1は、
PANフィルムの他に、アルミ蒸着フィルム、またはア
ルミ箔でもよい。
【0033】そして、表1における対照区は、実施例1
と比較して、炭酸ガス吸着剤3及び密閉用フィルム1を
有していないウレタンフォーム2単体で断熱パネルAを
構成している点にて実施例1と相違しており、その他の
点においては実施例1と同じである。
【0034】表1に示す対照区と実施例1との比較から
明らかなように、密閉用フィルム1及び炭酸ガス吸着剤
3を用いない対照区における断熱パネルAの熱伝導率
は、時間が経過するに従って、19.8mW/mKから
30日目に20.4mW/mK、さらには90日目に2
0.8mW/mKと徐々に増加しているのに対して、密
閉用フィルム1及び炭酸ガス吸着剤3を用いた実施例1
における断熱パネルAの熱伝導率は、その対照区と比べ
て、1日目から19.2mW/mKに下がり、それから
30日目に18.8mW/mK、90日目に18.6m
W/mKとなり、徐々に下がっていることが確認でき
た。即ち、実施例1の断熱パネルAは、経時的に断熱性
能が低下することなく、かえって経時的に断熱性能が向
上するものである。
【0035】この実施例1の断熱パネルAの熱伝導率が
1日目から下がった理由は、密閉用フィルム1内が減圧
されることと、イソシアネートと水との反応によって発
生する炭酸ガスが発泡直後に於いて多く残留するため、
この炭酸ガスが密閉用フィルム1と炭酸ガス吸着剤3を
用いることによって除去されるためである。
【0036】また、その後、実施例1の断熱パネルAの
熱伝導率が徐々に下がった理由は、ウレタンフォーム2
が発生する炭酸ガスを密閉用フィルム1内の炭酸ガス吸
着剤3で吸着することによるものである。
【0037】このウレタンフォーム2が発生する炭酸ガ
スを炭酸ガス吸着剤3で吸着する原理を図5を参照しな
がら説明する。ウレタンフォーム2は、ウレタン部2a
とそのウレタン部2a内に独立して多数形成される気泡
部2bとを有し、ウレタン部2aから気泡部2b内に炭
酸ガスが徐々に放出されるものである。一方、炭酸ガス
吸着剤3は、アルカリ性試薬を不織布で包んで構成さ
れ、その周囲の空間a1の炭酸ガスを内部に進入させて
吸着するものである。空間a1は、その炭酸ガスが炭酸
ガス吸着剤3に吸着されて、炭酸ガスの濃度が低下す
る。これにより、空間a1の炭酸ガス濃度はこれに隣接
する気泡部2bの空間a2の炭酸ガス濃度より低くな
る。この炭酸ガスの濃度差により、空間a2の炭酸ガス
は、ウレタン部2aを透過して空間a1に至り、空間a
2の炭酸ガス濃度が低下し、隣接する空間a3の炭酸ガ
ス濃度より低い炭酸ガス濃度になる。この炭酸ガスの濃
度差により、空間a3の炭酸ガスは、ウレタン部2aを
透過して空間a2に至り、空間a3の炭酸ガス濃度が低
下し、隣接する空間a4の炭酸ガス濃度より低い炭酸ガ
ス濃度になる。このようにしてウレタンフォーム2の中
央部で発生する炭酸ガスも炭酸ガス吸着剤3に吸着され
る。これにより、ウレタンフォーム2全体における炭酸
ガス濃度が低減し、ウレタンフォーム2の断熱性能が向
上する。 (実施例2)断熱パネルAに係る実施例2は、表1で明
らかなように、発泡剤としてFIC類の一つであるペン
タフルオロヨウドエタンを用いたものである。
【0038】ウレタンフォーム2は、トリレンジアミン
系ポリエーテルポリオールとトリエタノールアミン系ポ
リエーテルポリオール及びビスフェノールA系ポリエー
テル等を適量混合したポリオール100重量部中に発泡
剤としてペンタフルオロヨウドエタン30重量部、シリ
コーン系整泡剤2重量部、アミン系触媒3重量部を混合
したものに、粘度調節用として水を適量混合したポリオ
ールプレミックス液と、MDI系イソシアネート153
重量部とを高圧発泡機によって混合した液を500×5
00×50tのアルミパネル内で発泡させるように、キ
ュア温度60℃、キュア時間5分で、自由発泡時のポリ
ウレタンフォーム量に対して110%の原液を注入し、
オーバーパック率10%で製作したウレタン発泡断熱材
である。
【0039】炭酸ガス吸着剤3はフレーク状の水酸化カ
ルシウム(試薬特級)がウレタンフォーム2の重量比5
%となる量(16.65重量部)を不織布に収納したも
のである。なお、炭酸ガス吸着剤としては上記水酸化カ
ルシウムの他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム等でもよく、アルカ
リ性の強い試薬が良い。
【0040】密閉用フィルム1は、PANフィルムで厚
さ50μmのものを用い、上述したウレタンフォーム2
及び炭酸ガス吸着剤3を封入し、内部を10Torr程度に
真空包装したものである。なお、密閉用フィルム1は、
PANフィルムの他に、アルミ蒸着フィルム、またはア
ルミ箔でもよい。
【0041】そして、表1における実施例2の対照区
は、実施例2と比較して、炭酸ガス吸着剤3及び密閉用
フィルム1を有していないウレタンフォーム2単体で断
熱パネルAを構成している点にて実施例2と相違してお
り、その他の点においては実施例2と同じである。
【0042】表1から明らかなように、発泡剤としてペ
ンタフルオロヨウドエタンを使用した実施例2の対照区
における断熱パネルAは、上述した対照区の断熱パネル
Aと比較して、形成した初期から低い熱伝導率のパネル
が得られたが、炭酸ガス吸着剤3が密閉用フィルム1内
に炭酸ガス吸着剤3と共に封入されたものではないた
め、対照区の場合と同様の理由で、熱伝導率が1日目の
16.5mW/mKから30日目に17.0mW/m
K、さらには90日目に17.4mW/mKと徐々に増
加している。これに対し、表1から明らかなように、実
施例2の断熱パネルAは、実施例1及び実施例2の対照
区のものと比較して、形成した初期から低い熱伝導率の
パネルが得られ、実施例1と同様の理由で、熱伝導率が
1日目の16.0mW/mKから30日目に15.6m
W/mK、さらには90日目に15.4mW/mKと徐
々に下がっていることが確認できた。
【0043】上述したように、図3及び図4に示す断熱
パネルAの構造にすれば、表1に示す効果があることが
判ったので、これを利用して本発明の冷蔵庫扉を案出し
たものである。本発明の冷蔵庫扉は、断熱パネルAの実
施例1、2の断熱パネルに使われた密閉用フィルム1の
一部をコスト低減するべく、扉外箱と扉内箱を上記密閉
用フィルムの代わりにしたものである。
【0044】次に、図1及び図2を用いて、断熱パネル
Aを直接冷蔵庫の扉断熱材とした例で説明する。換言す
ると、断熱パネルAを扉断熱材として製作した例で説明
する。図1は本発明の一実施形態の冷蔵庫扉の断面図、
図2は図1の冷蔵庫扉を用いた冷蔵庫の一部断面側面図
である。
【0045】図1及び図2に於いて、5は冷蔵庫本体、
7は冷蔵庫扉、13は扉内箱、15は密閉用フィルム、
17は独立気泡ウレタンフォーム、19は炭酸ガス吸着
剤である。冷蔵庫扉7は矩形鉄板の左右端面部をコの字
に折曲げ、上下端面部にはエンドピース9を係合させ、
冷蔵庫扉の外箱11を形成している。エンドピース9は
冷蔵庫扉7の上端と下端に配設され、シール板、化粧板
の役目をしている。扉内箱13は炭酸ガス等のガスバリ
ア性のないプラスチックで出来ている。密閉用フィルム
15はガスバリア性を有し、扉内箱13の内面側に設置
され、扉外箱11と扉内箱13との接合部16を覆い、
扉内に密閉空間を形成している。
【0046】密閉用フィルム15を扉内箱13の内面側
のみに設置し、扉外箱11に設置しないのは、扉外箱1
1は鉄板製でガスバリア性があるためである。上記密閉
用フィルム15は炭酸ガス不透過性に優れたPAN製で
厚さ50μmのフィルム、アルミ蒸着フィルムまたはア
ルミ箔が使われる。密閉用フィルム15の不透過性につ
いては、VIPの真空度(一般に10-2Torr以下)のよ
うな高真空度は要求されないので密閉用フィルム15は
コスト的に安価なもので済む。
【0047】ウレタンフォーム17は冷蔵庫扉7の扉外
箱11と密閉用フィルム15との間に充填発泡されてい
る。発泡後に、図示されていないがウレタンフォーム1
7の原液の注入口及びガス抜き孔を封止して冷蔵庫扉7
を得る。ウレタンフォーム17は、その発泡剤として、
HC類、FIC類、またはHFIC類を使用する。HC
類、FIC類、またはHFIC類は地球環境に優しいも
のであり、特にFIC類、またはHFIC類はその熱伝
導率がHC類の発泡剤よりも低いため、これらを用いる
ことによって断熱性能の良い冷蔵庫扉7が得られる。
【0048】炭酸ガス吸着剤19は、ガス熱伝導率の高
い炭酸ガスを吸着するものであり、冷蔵庫扉7の外箱1
1と密閉用フィルム15との間に挿入する。この場合、
炭酸ガス吸着剤19の有効吸着範囲は半径0.5m以内
である関係上、炭酸ガス吸着剤19は扉外箱11の内面
の中央部に配設されることが好ましい。炭酸ガス吸着剤
19として水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水
酸化マグネシウムなどアルカリ性の強い試薬を使用す
る。炭酸ガス吸着剤19の具体例として、フレーク状の
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム(試薬特級)が
発泡断熱材の重量比5%となる量を不織布に収納したも
のを使用する。なお、密閉用フィルム15および炭酸ガ
ス吸着剤19を用いないウレタンフォームの熱伝導率は
表1に示す断熱パネル試験からも判るように徐々に増加
するが、本発明の密閉用フィルム15と炭酸ガス吸着剤
19を用いた冷蔵庫扉7は熱伝導率の高い炭酸ガスが除
去されるのでウレタンフォーム17の熱伝導率は徐々に
低下し、冷蔵庫扉の断熱性能が向上する。換言すると、
発泡時に発生する炭酸ガスは勿論、経時変化とともに発
生する炭酸ガスは不織布を通過し、炭酸ガス吸着剤19
に吸着されるものである。
【0049】次に、本実施形態に用いる冷蔵庫扉7の具
体的な実施例3及び4を次に示す表2を用いて説明す
る。
【0050】
【表2】 (実施例3)冷蔵庫扉7に係る実施例3は、表2で明ら
かなように、発泡断熱材としてポリウレタンフォーム1
7を使用し、発泡断熱材の発泡剤としてFIC類を使用
し、炭酸ガス吸着剤19としてフレーク状の水酸化カリ
ウム、水酸化マグネシウム(試薬特級)が発泡断熱材の
重量比5%となる量を不織布に収納したものを使用し、
密閉用フィルム15はPAN製で厚さ50μmのものを
使用したものである。このものは表1の実施例2を扉に
応用した例である。 (実施例4)冷蔵庫扉7に係る実施例4は、発泡断熱材
としてポリウレタンフォーム17を使用し、発泡剤とし
てHFIC類を使用し、炭酸ガス吸着剤19としてフレ
ーク状の水酸化カリウム、水酸化マグネシウム(試薬特
級)が発泡断熱材の重量比5%となる量を不織布に収納
したものを使用し、密閉用フィルム15はPAN製で厚
さ50μmのものを使用したものである。
【0051】実施例3、4の断熱性能は表2の如くな
る。表2で対照区1は断熱パネルの入らないウレタンフ
ォームで断熱材を形成した従来の冷蔵庫扉である。ま
た、対照区2は、対照区1にFICの断熱パネルAを入
れた冷蔵庫扉であり、扉の発泡断熱材Vに対する断熱パ
ネルAの体積比率が30%のものである。
【0052】冷蔵庫扉7の断熱性能を伝熱係数で求め、
対照区1の伝熱係数を100とした時、対照区2の伝熱
係数は85であるのに対し、本発明の実施例3の伝熱係
数は70となり、また、本発明の実施例4の伝熱係数は
75となり、本発明の実施例3、4においては断熱性能
が格段に優れた冷蔵庫扉が得られる。
【0053】以上の実施例3、4の構成に於いては、強
アルカリ性試薬を不織布に包んだ炭酸ガス吸着剤19と
してを用いるため、従来の空間用ウレタンフォームのポ
リオールに炭酸ガス吸着剤を混合して発泡するもののよ
うに、空間用ウレタンフォームの混合装置、発泡機等に
耐食性の材料を使用する必要がなく、従って多額の設備
投資が必要ないものである。また、冷蔵庫扉7にVIP
等の断熱パネルを一切用いないので、真空包装あるいは
断熱包装が不要となり、これに伴なう真空引き工程、真
空封止工程、冷蔵庫扉の外箱への断熱パネルの貼り付け
工程等が一切不用となるためコスト面で大きなメリット
が得られる。
【0054】また、VIPの場合、密閉用フィルムにわ
ずかなピンホールが存在しても真空度が激減し、所定の
断熱性能を維持することが困難であるが、本発明の構成
では冷蔵庫扉7内の発泡断熱材は独立気泡から形成され
ているため、密閉用フィルム15にピンホールが存在し
たとしても熱伝導率は殆んど劣化しないため、冷蔵庫扉
7の断熱性能は変わらず、信頼性の面で優れた冷蔵庫が
得られる。
【0055】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、地球環境
に優しく、しかも低コスト、高信頼性で、高断熱性能を
有する冷蔵庫が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態の冷蔵庫扉の断面図
である。
【図2】図1の冷蔵庫扉を用いた冷蔵庫の一部断面側面
図である。
【図3】本発明の冷蔵庫扉の断熱性能の比較を行なうた
めの断熱パネルの断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3の断熱パネルの炭酸ガス吸着状況を説明す
る模式図である。
【符号の説明】
A…断熱パネル、1…密閉用フィルム、2…ウレタンフ
ォーム2a…ウレタン部、2b…気泡部、3…炭酸ガス
吸着剤、4…シール材、5…冷蔵庫本体7…断熱扉、9
…エンドピース、11…扉外箱、13…扉内箱 15…密
閉用フィルム、17…発泡断熱材、19…炭酸ガス吸着
剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横倉 久男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 3L102 JA01 KA01 MA01 MB17 MB21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】扉外箱と扉内箱とで形成する空間内に不織
    布に収納された炭酸ガス吸着剤を設置し、前記空間を形
    成する扉外箱あるいは扉内箱のガスバリア性のないプラ
    スチック部分や接続部等をガスバリア性のある密閉用フ
    ィルムで密閉し、前記密閉フィルムで密閉された空間内
    に発泡断熱材の原液を注入して独立気泡ウレタンフォー
    ムを形成したことを特徴とする冷蔵庫扉。
  2. 【請求項2】前記不織布に収納された炭酸ガス吸着剤を
    前記扉外箱の内面中央部に設置したことを特徴とする請
    求項1に記載の冷蔵庫扉。
  3. 【請求項3】前記炭酸ガス吸着剤として水酸化ナトリウ
    ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
    シウム、または酸化カルシウム等のアルカリ性の強い試
    薬を使用したことを特徴とする請求項1または2に記載
    の冷蔵庫扉。
  4. 【請求項4】前記密閉用フィルムとしてポリアクリロニ
    トリル、アルミ蒸着フィルム、またはアルミ箔等を使用
    したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の冷
    蔵庫扉。
  5. 【請求項5】前記パネル用ウレタンフォームの発泡剤と
    してハイドロカーボン、フルオロヨウドカーボン、また
    はハイドロフルオロヨウドカーボンを使用したことを特
    徴とする請求項1〜4の何れかに記載の冷蔵庫扉。
JP2000373931A 2000-12-08 2000-12-08 冷蔵庫扉 Withdrawn JP2002174486A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004272587A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 自動販売機

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