JP4017713B2 - 真空断熱体、冷蔵庫、断熱パネル、及び真空断熱体の製造方法 - Google Patents

真空断熱体、冷蔵庫、断熱パネル、及び真空断熱体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫または建築物の断熱材として使用可能な真空断熱体及び断熱パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の観点から、冷蔵庫用断熱材の発泡剤として使用されているCFC11によるオゾン層破壊が、地球的規模で注目されている。このような背景から、新規発泡剤を用いた断熱材の研究が行われており、代替フロンとしては、HCFC141b、非フロン系では、シクロペンタン等が候補として選ばれつつある。
【0003】
しかしながら、これらの新規発泡剤は、いずれも、CFC11より気体熱伝導率が大きく、冷蔵庫の断熱性能低下は避けられない状況下にある。一方、将来のエネルギー規制に対し、冷蔵庫の省エネルギー化は避けられない問題であり、断熱性能向上は達成すべき大きな課題である。
【0004】
このような課題を解決する一手段として無機粉末を用いた真空断熱体が考案され、その内容が、特開昭57−173689号公報に記載されている。その内容は、フィルム状プラスチック容器に、単粒子が1μm以下の粉末を充填し内部を減圧後密封することにより、真空断熱体を得ると言うものである。
【0005】
効果としては、工業化が容易な0.1〜1mmHgの真空度で製造することができ、シリカ粉末が微粒子であるため、同じ真空度の場合、真空断熱体の断熱性能がより向上することを見出したものである。
【0006】
また、特開昭57−133870号公報で述べられている連続気泡構造の硬質ウレタンフォームを用いた真空断熱体は、粉末真空断熱体に比べて軽量であり、かつ、真空包装工程での取り扱いが良好であるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
真空断熱体の断熱原理は、熱を伝える空気を排除することである。しかしながら工業レベルにおいて高真空を得ることは困難であり、実用的に到達可能な真空度は0.1〜10mmHgである。
【0008】
したがって、この真空度で目的とする断熱性能を得ることが必要である。
空気が介在して熱伝導が行われる場合の断熱性能に影響を及ぼす物性として、平均自由行程がある。平均自由行程とは、空気を構成する分子の一つが別の分子と衝突するまでに進む距離のことで、平均自由行程よりも形成されている空隙が大きい場合は空隙内において分子同士が衝突し、空気による熱伝導が生じるため真空断熱体の熱伝導は大きくなる。逆に平均自由行程よりも空隙が小さい場合は真空断熱体の熱伝導は小さくなる。これは、空気の衝突による熱伝導がほとんどなくなるためである。
【0009】
したがって、特開昭57−173689号公報に記載されている真空断熱体では、シリカ粉末等の微細な粒径を有する粉末を用いるため、空隙が細かくなり、空気の衝突による熱伝導がほとんどなくなる。この結果、真空断熱体の熱伝導率が向上する。
【0010】
しかし、従来の構成では、シリカ粉末が微細な粒径を有するため、比表面積に対する自重が軽く飛散し易い。そのため、作業性が悪化する問題があった。また、球状の粒子形状であるため、高密度化が避けられず、真空断熱体自体の重量が、重くなる。
【0011】
また、特開昭57−133870号公報で述べられている真空断熱体では、連通気泡構造の硬質ウレタンフォーム製造時の歩留まりが悪く、コストが掛かりすぎる問題があった。
【0012】
上記課題を鑑み、真空断熱体の芯材として、冷蔵庫及び建材等の廃棄によって不要になった硬質ウレタンフォーム等を含む粉末材料を利用する試みがある。このことにより、安価で軽量な真空断熱体を得ることができるものである。
【0013】
しかし、この時、粉末材料が少なくとも硬質ウレタンフォームを有しているため、ウレタン樹脂中に多数存在する親水基が、大気中の水分を容易に取り込むため、外被材中に真空減圧包装を行った後も、ウレタン粉末の表面吸着及び、吸蔵水の離脱により、真空度が悪化し、気体による熱伝導が増大する課題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空断熱体は、外被材中に芯材を充填し減圧密封した真空断熱体において、前記芯材が、少なくとも、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末と、前記ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子とをブレンドして、均一に前記水分吸着剤の粒子を前記ウレタン粉末の表面上に分散させたものであることを特徴とするものである。
【0015】
我々は、水分吸着剤の仕様について鋭意研究を重ねた結果、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末よりも大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子をウレタン粉末とブレンドすることにより効果的に水分を除去できることを見いだした。これは、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末よりも大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子をウレタン粉末とブレンドすることにより、ウレタン粉末に対する付着エネルギーが大きくなり、少量の添加で均一に吸着剤をウレタン表面上に分散することができたためと推測される。
【0016】
また、本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤を用いることを特徴とするものである。
【0017】
これにより、ウレタン粉末よりも大きい比表面積を有する水分吸着剤の中でも上記範囲の比表面積を有する水分吸着剤が効果的に水分を除去できるものである。
【0018】
これは、吸着剤のウレタンに対する付着エネルギーが、吸着剤自身が有する運動エネルギーよりも大きいことが寄与していると考えられる。
【0021】
また、本発明の冷蔵庫は、発泡合成樹脂と内箱と外箱と真空断熱体とによって構成された断熱箱体を用いた冷蔵庫において、前記真空断熱体に上記本発明の真空断熱体を用いたものである。
【0022】
これにより、吸着水分の離脱による真空度の悪化に起因した熱伝導率の悪化を抑制することができ、冷蔵庫に適用した場合、長期に亘って使用しても真空断熱体の断熱性能を維持することができる。この結果、真空断熱体の急激な熱伝導率の悪化に起因したコンプレッサーの過剰運転による冷蔵庫の信頼性が低下するといった問題が解決される。
【0023】
また、本発明の断熱パネルは、発泡合成樹脂と面材と真空断熱体を備え、前記真空断熱体複数個あり、かつそれぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂によって覆われている断熱パネルにおいて、前記真空断熱体に上記本発明の真空断熱体を用いたものである。
【0024】
これにより、真空断熱体の断熱性能が非常に優れているため、硬質ウレタンフォーム等の発泡合成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬質ウレタンフォーム等を単独で使用した場合よりも優れたものとなる。
【0025】
また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることがなく、破袋等によって真空断熱体の断熱性能が著しく悪化するといった問題がない。
【0026】
さらに、現場施工によって断熱パネルを切断する場合等も、複数個の真空断熱体を有するため、破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪化することがない。特に、真空断熱体には凝集体または成型体が充填されているため、切断面から粉末が飛び散ることがなく、施工現場での作業性を損なうことがない。
【0027】
また、本発明による真空断熱体の製造方法は、少なくとも、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末と、前記ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子とをブレンドして、均一に前記水分吸着剤の粒子を前記ウレタン粉末の表面上に分散させたものについて、120℃から250℃の温度で加熱脱水を行った後、もしくは加熱脱水と同時に5〜100kg/cm2の条件下で加圧成形を行って得た成形体を非通気性の外被材に挿入し、内部を減圧密封した真空断熱体の製造方法である。
【0028】
これにより、粉末を凝集した状態で外被材に挿入するため、粉末の飛散がなくなり製造時の作業効率が向上するものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、外被材中に芯材を充填し減圧密封した真空断熱体において、前記芯材が、少なくとも、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末と、前記ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子とをブレンドして、均一に前記水分吸着剤の粒子を前記ウレタン粉末の表面上に分散させたものであることを特徴とする真空断熱体である。
【0030】
これにより、ウレタン粉末に比べ、吸着剤のウレタン粉末に対する付着エネルギーが大きくなり、少量の添加で均一に吸着剤をウレタン表面上に分散することができる。よって、吸着剤の添加量を低減することが可能となり、コストダウンの効果を生むと同時に、性能面では、吸着剤自身が有する固体熱伝導を低減することができるものである。また、ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤を用いることにより、ウレタン粉末よりも大きい比表面積を有する水分吸着剤の中でも上記範囲の比表面積を有する水分吸着剤が効果的に水分を除去できるものである。これは、吸着剤のウレタンに対する付着エネルギーが、吸着剤自身が有する運動エネルギーよりも大きいことが寄与していると考えられる。
【0035】
また、本発明の請求項に記載の発明は、発泡合成樹脂と内箱と外箱と真空断熱体とによって構成された断熱箱体を用いた冷蔵庫において、前記真空断熱体が請求項1記載の真空断熱体であるものである。
【0036】
これにより、冷蔵庫に適用した場合、長期に亘って使用しても真空断熱体の断熱性能を維持することができる。この結果、真空断熱体の急激な熱伝導率の悪化に起因したコンプレッサーの過剰運転による冷蔵庫の信頼性が低下するといった問題が解決される。
【0037】
また、本発明の請求項に記載の発明は、発泡合成樹脂と面材と真空断熱体を備え、この真空断熱体は、複数個有し、かつそれぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂によって覆われている断熱パネルであり、この真空断熱体が請求項1記載の真空断熱体であるものである。
【0038】
これにより、真空断熱体の断熱性能が非常に優れているため、硬質ウレタンフォーム等の発泡合成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬質ウレタンフォーム等を単独で使用した場合よりも優れたものとなる。
【0039】
また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることがなく、破袋等によって真空断熱体の断熱性能が著しく悪化するといった問題がない。
【0040】
さらに、現場施工によって断熱パネルを切断する場合等も、複数個の真空断熱体を有するため、破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪化することがない。特に、真空断熱体には凝集体または成型体が充填されているため、切断面から粉末が飛び散ることがなく、施工現場での作業性を損なうことがない。
【0041】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、少なくとも、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末と、前記ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子とをブレンドして、均一に前記水分吸着剤の粒子を前記ウレタン粉末の表面上に分散させたものについて、120℃から250℃の温度で加熱脱水を行った後、もしくは加熱脱水と同時に5〜100kg/cm2の条件下で加圧成形を行って得た成形体を非通気性の外被材に挿入し、内部を減圧密封した真空断熱体の製造方法に関するものである。
【0042】
これにより、粉末を凝集した状態で外被材に挿入するため、粉末の飛散がなくなり製造時の作業効率が向上するものである。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0044】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例における真空断熱体の断面図であり、1は真空断熱体、2は硬質ウレタンフォーム粉末からなる芯材、3は硬質ウレタンフォーム粉末よりも大きい比表面積を持つ水分吸着剤、4は金属箔または金属蒸着層を有するプラスチックラミネートフィルムからなる外被材である。
【0045】
芯材2は、硬質ウレタンフォーム粉末であり、ポリイソシアネートとポリオールに添加剤を充填して発泡したものであり、現在工業的に広範囲で使用されている硬質ウレタンフォームを粉砕したものである。添加剤は、発泡剤、整泡剤、アミン系触媒等、発泡の反応性の調整やフォーム強度を確保するためのものである。また、粉末は、断熱性を考慮して、粒径が300μm以下となるように微粉砕を行ったものを使用した。
【0046】
硬質ウレタンフォーム粉末は、100μm〜300μmの気泡径を有する発泡体を粉砕しているため、気泡骨格と気泡膜の一部を有する複雑な針状構造となる。したがって、隣り合う粉末同士が立体障害を持つため、真空断熱体を低密度に保つことができる。
【0047】
また、硬質ウレタンフォーム粉末は、粉末であるため比表面積が50〜100 2 /g大きく、表面吸着水を有している。我々は、加熱乾燥によってかなりこれを除去することができたが、十分ではなく、経時的な熱伝導率の悪化が問題となった。
【0048】
そこで、吸着剤の仕様を検討した結果、ウレタン粉末の持つ比表面積の5倍〜20倍の比表面積を有するものが、水分吸着能力に優れていた。具体的に水分吸着剤としては、粒子形状が均一であることからゼオライトを使用することが望ましいと考えるが、活性アルミナ、シリカゲル、五酸化燐、無水塩化カルシウム等でも、上記の比表面積を有するものであれば、特に問題なかった。
【0049】
この吸着メカニズムは明確でないが、ウレタン粉末に比べ吸着剤の比表面積が5〜20倍にあるものは、ウレタン粉末に対する付着エネルギーが吸着剤自身の持つ運動エネルギーより大きくなったことが主たる要因であると推測される。
【0050】
また、ウレタン粉末に比べ、吸着剤の比表面積が20倍以上になると吸着効果が低減した。これは、比表面積を必要以上に大きくすることにより、吸着剤同士の付着エネルギーが向上し、吸着剤の凝集が進行した結果、見かけ上比表面積が低減したためと推測される。
【0051】
さらに、吸着剤の比表面積が5倍以下になると、吸着効果が低減した。これは、ウレタン粉末に対する付着エネルギーが低減した結果、吸着剤をウレタン表面上に分散することができなかったためと推測される。
【0052】
また、上記工程の中で、ウレタン粉末と水分吸着剤をブレンドしたものを通気性の袋に挿入し、140℃、2時間乾燥を行い、予め、ウレタン表面に付着した水分の除去を行った後、もしくは同時に、真空パック後の真空断熱体に5kg/m2〜100kg/m2のプレス圧を加えることにより、大きな密度の増加がなく、安定な成形体を得ることができた。
【0053】
(実施例2)
図2は、本発明の一実施例における冷蔵庫の断面図であり、5は冷蔵庫であり、1は真空断熱体、6は発泡合成樹脂、7はコンプレッサーである。
【0054】
真空断熱体1は、冷蔵庫側面に2枚、天面に1枚、背面に1枚、合計4枚埋設している。適用枚数については特に指定はなく、箱体吸熱量を低減するのに効果がでるよう設計し枚数を決定するのが好ましい。真空断熱体1に用いた芯材は、実施例1記載と同様の真空断熱体である。
【0055】
したがって、長期に亘って冷蔵庫を使用した場合においても、真空断熱体の急激な熱伝導率悪化に起因したコンプレッサーの過剰運転による信頼性低下等といった問題が解決される。
【0056】
外被材としては、片面に、表面保護層がポリエチレンテレフタレート(12μm)、中間層がアルミ箔(6μm)、熱溶着層が高密度ポリエチレン(50μm)、もう片面に、表面保護層がポリエチレンテレフタレート(12μm)、中間層がアルミ蒸着ポリエチレン・ビニルアルコール共重合体(15μm)、熱溶着層が高密度ポリエチレン(50μm)をラミネートした積層フィルムを用いている。
【0057】
両面とも、ガスバリヤ性を有するアルミを中間層に有しているため、外被材から侵入してくるガス量を小さくし、真空断熱体1の経時的断熱性能の悪化を抑制している。
【0058】
また、片面はアルミの層が非常に薄い蒸着層を形成したバリヤフィルムであるため、アルミを伝わる熱が小さく外被材を伝わる熱による断熱性能の悪化をもたらすことがない。
【0059】
前記構成は、一例であり、表面保護層には、突き刺し強度、曲げ強度等に優れた二軸延伸ナイロン等も適用可能である。また、熱溶着層には、熱溶着性に優れたポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、低密度ポリエチレン等も適用可能である。
【0060】
また、発泡合成樹脂6は、シクロペンタンを発泡剤とする硬質ウレタンフォームであり、冷蔵庫の断熱壁の中に真空断熱体1を覆うように充填され一体に発泡されている。コンプレッサー7は、冷蔵庫の分割された各部屋の温度をそれぞれ一定に保つのに必要な運転率で運転するよう制御されている。
【0061】
したがって、発泡合成樹脂とともに冷蔵庫の断熱壁に使用すれば、真空断熱体の断熱性能が優れているため、コンプレッサーの運転率を低減することができ、電力消費量を低減することができる。
【0062】
(実施例3)
図3は、本発明の一実施例における断熱パネルの断面図であり、8は断熱パネルであり、1は真空断熱体、5は硬質ウレタンフォームからなる発泡合成樹脂、9は石膏ボードからなる面材である。
【0063】
以上のような構成からなる断熱パネル8は、発泡合成樹脂6と真空断熱体1を併用しているため、従来の硬質ウレタンフォームからなる断熱パネルに比べ優れた断熱性能を有する。
【0064】
その結果、断熱パネルの壁厚を低減でき、施工性が著しく改善できる。
また、真空断熱体1が発泡合成樹脂6によって覆われているため、外的衝撃が真空断熱体1に直接加わることがない。この結果、施工時等の衝撃において真空断熱体が破袋し、断熱パネルの性能を悪化することが原因で、結露が生じるといった問題が解決される。さらに、真空断熱体には凝集体または成型体が充填されているため、切断面から粉末が飛び散ることがなく、施工現場での作業性を損なうことがない。
【0065】
(実施例4)
図4は、本発明の一実施例における真空断熱体の減圧密封前の断面図である。図において、10は真空包装機で、11は真空チャンバー12内に設けたヒートシール機で、外被材4の開口部端面13をはさんで熱溶着するものである。14はヒートシール機11の溶着板であり、15は真空包装機10の真空ポンプである。
【0066】
図1の構成において、まず、硬質ウレタンフォームを粒径分布として平均約300μmまで微粉砕したウレタン粉末2(比表面積50〜100 2 /g)とこのウレタン粉末よりも5〜20倍の比表面積を有する水分吸着剤3とをブレンドしたものについて、120℃〜250℃の温度で加熱脱水を行った後、もしくは同時に、5〜100kg/cm2の条件下で加圧成形し板状にしたものを、三辺に隣接する端面を熱溶着により袋状にした外被材4に挿入する。
【0067】
その後、これを真空包装機10のチャンバー12内に入れ、かつ、外被材4の開口部端面13をヒートシール機11の上下の溶着板14間に設置する。次に、真空チャンバー12内が10-2torrに減圧された状態で5分間維持した後、ヒートシール機11が作動し、外被材4の開口部端面13は密封される。
【0068】
ここで、粉末は、凝集した状態で外被材4に挿入するため、粉末の飛散がなくなり製造時の作業効率が向上するものである。また、同時に、芯材を通気性の不織布に充填する必要がなくなり、材料コストの低減にもつながるものである。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明の真空断熱体は、外被材中に芯材を充填し減圧密封した真空断熱体において、前記芯材が、少なくとも、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末と、前記ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子とをブレンドして、均一に前記水分吸着剤の粒子を前記ウレタン粉末の表面上に分散させたものであることを特徴としている。
【0070】
これにより、ウレタン粉末に比べ、吸着剤のウレタン粉末に対する付着エネルギーが大きくなり、少量の添加で均一に吸着剤をウレタン表面上に分散することができる。よって、吸着剤の添加量を低減することが可能となり、コストダウンの効果を生むと同時に、性能面では、吸着剤自身が有する固体熱伝導を低減することができる。また、ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤を用いることにより、ウレタン粉末よりも大きい比表面積を有する水分吸着剤の中でも上記範囲の比表面積を有する水分吸着剤が効果的に水分を除去できるものである。これは、吸着剤のウレタンに対する付着エネルギーが、吸着剤自身が有する運動エネルギーよりも大きいことが寄与していると考えられる。
【0076】
また、本発明の断熱箱体は、発泡合成樹脂と内箱と外箱と真空断熱体とによって構成された断熱箱体を用いた冷蔵庫において、前記真空断熱体が上記本発明の真空断熱体であることを特徴としている。
【0077】
これにより、冷蔵庫に適用した場合、長期に亘って使用しても真空断熱体の断熱性能を維持することができる。この結果、真空断熱体の急激な熱伝導率の悪化に起因したコンプレッサーの過剰運転による冷蔵庫の信頼性が低下するといった問題が解決される。
【0078】
また、本発明の断熱パネルは、発泡合成樹脂と面材と真空断熱体を備え、この真空断熱体は、複数個有し、かつそれぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂によって覆われている断熱パネルであり、この真空断熱体が上記本発明の真空断熱体であることを特徴としている。
【0079】
これにより、真空断熱体の断熱性能が非常に優れているため、硬質ウレタンフォーム等の発泡合成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬質ウレタンフォーム等を単独で使用した場合よりも優れたものとなる。
【0080】
また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることがなく、破袋等によって真空断熱体の断熱性能が著しく悪化するといった問題がない。
【0081】
さらに、現場施工によって断熱パネルを切断する場合等も、複数個の真空断熱体を有するため、破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪化することがない。特に、真空断熱体には凝集体または成型体が充填されているため、切断面から粉末が飛び散ることがなく、施工現場での作業性を損なうことがない。
【0082】
また、本発明による真空断熱体の製造方法は、少なくとも、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末と、前記ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子とをブレンドして、均一に前記水分吸着剤の粒子を前記ウレタン粉末の表面上に分散させたものについて、120℃から250℃の温度で加熱脱水を行った後、もしくは加熱脱水と同時に5〜100kg/cm2の条件下で加圧成形を行って得た成形体を非通気性の外被材に挿入し、内部を減圧密封した真空断熱体の製造方法に関するものである。
【0083】
これにより、粉末を凝集した状態で外被材に挿入するため粉末の飛散がなくなり、製造時の作業効率が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による真空断熱体の断面図
【図2】本発明の一実施形態による冷蔵庫の断面図
【図3】本発明の一実施形態による真空断熱パネルの断面図
【図4】本発明の一実施形態による真空断熱体の減圧密封前の断面図
【符号の説明】
1 真空断熱体
2 ウレタン粉末
3 水分吸着剤
4 外被材
5 冷蔵庫
6 発泡合成樹脂
7 コンプレッサー
8 断熱パネル
9 面材
10 真空包装機
11 ヒートシール機
12 真空チャンバー
13 開口部端面
14 溶着板
15 真空ポンプ

Claims (4)

  1. 外被材中に芯材を充填し減圧密封した真空断熱体において、前記芯材が、少なくとも、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末と、前記ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子とをブレンドして、均一に前記水分吸着剤の粒子を前記ウレタン粉末の表面上に分散させたものであることを特徴とする真空断熱体。
  2. 発泡合成樹脂と内箱と外箱と真空断熱体とによって構成された断熱箱体を用いた冷蔵庫において、前記真空断熱体が請求項1記載の真空断熱体であることを特徴とする冷蔵庫。
  3. 発泡合成樹脂と面材と真空断熱体を備え、前記真空断熱体が複数個あり、かつ、それぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂によって覆われている断熱パネルにおいて、前記真空断熱体が請求項1記載の真空断熱体であることを特徴とする断熱パネル。
  4. 少なくとも、硬質ウレタンフォームを微粉砕してなる粒径が300μm以下で比表面積が50〜100 2 /gのウレタン粉末と、前記ウレタン粉末の比表面積よりも5〜20倍大きい比表面積を有する水分吸着剤の粒子とをブレンドして、均一に前記水分吸着剤の粒子を前記ウレタン粉末の表面上に分散させたものについて、120℃から250℃の温度で加熱脱水を行った後、もしくは加熱脱水と同時に5〜100kg/cm2の条件下で加圧成形を行って得た成形体を非通気性の外被材に挿入し、内部を減圧密封した真空断熱体の製造方法。
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