JP5414569B2 - 真空断熱材およびそれを用いた機器 - Google Patents

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Description

本発明は無機粒子を含む有機繊維集合体を芯材とした保温・保冷機能を向上させる真空断熱材およびそれを用いた機器に関する。
近年、地球温暖化に対する観点から、家電品の消費電力量削減の必要性が望まれている。その中でも冷蔵庫,エアコン等は特に消費電力量の多い製品であり、消費電力量の削減が地球温暖化対策として必要な状況にある。冷蔵庫を例に挙げると、冷蔵庫の消費電力は庫内の負荷量が一定であれば、冷却用圧縮機の効率と、庫内からの熱漏洩量に関係する断熱材の断熱性能によってその大部分が決まる。そのため、冷蔵庫の技術開発においては圧縮機の効率と共に断熱材の性能向上が求められる。
近年では、高性能な断熱材として真空断熱材があり無機繊維のグラスウール(平均繊維径:3〜5μm)を芯材にした真空断熱材が製品化されている。真空断熱材としては、ガスバリア性の外包材中に断熱性に優れる芯材を入れ、内部を真空状態にすることで作製される。しかし、グラスウールを用いる芯材の場合には、粉塵,CO2排出量,エコリサイクル等への環境負荷が問題視されてきている。これに対して、環境負荷に優れる有機繊維を芯材として用いた真空断熱材が提案されている(特許文献1)。
一方、超極細のアクリロニトリル繊維等の樹脂繊維が形成する空間にシリカ等の無機微粉末を配置した芯材を用いた真空断熱材も提案されている(特許文献2)。
特開2007−239764号公報 特開平7−96580号公報
近年、地球温暖化に対する観点から、家電品の消費電力量削減が望まれており、特に冷蔵庫は家電品の中で消費電力量の多い製品であることから、冷蔵庫の断熱箱体中に真空断熱材を積極的に採用し、断熱箱体の熱漏洩量低減を試みている。
しかし、現在汎用的に用いられている真空断熱材の芯材は、グラスウール等の無機繊維集合体がほとんどである。しかし、グラスウールはリサイクル性に乏しく、廃棄時にその廃棄方法が問題となる。
グラスウール代替材としては、高分子樹脂を繊維化したものが考えられ、ポリエチレン
テレフタレート樹脂繊維等が提案されている。
しかしながら、ポリエチレンテレフタレート等の有機樹脂繊維を積層し芯材とした真空断熱材の断熱性能はグラスウールを芯材とした真空断熱材並みには及ばないことが分かった。これらの樹脂繊維では真空排気後に大気圧が掛かった際に繊維自体の強度が不足しているため、繊維同士が密着している面積が大きくなり、熱流通が多くなることが影響していると考えられる。これらの樹脂繊維を芯材とする場合、空隙率の確保が課題となる。
一方、特許文献2に記載された真空断熱材は、フィビリル化させたアクリルニトリル繊維に粒径が10μm以下の無機粒子を混合し、通気性を有する不織布に入れたものをプレス加工したグラスウール挟み成形した芯材である。アクリロニトリル繊維に対して無機粒子が80重量%混合されている。そのため、アクリロニトリル繊維と混合された無機粒子が熱移動経路となり断熱性能が低下する問題がある。さらに、プレス加工したグラスウールで挟み成形しているため、人体への粉塵影響,CO2排出量の低減,循環型リサイクルへの環境負荷に対する課題を有する。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、断熱性能とともに環境負荷に優れた真空断熱材を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様では、有機繊維集合体からなる芯材とゲッター剤,前記芯材およびゲッター剤を収納するガスバリア性外包材を備え、外包材内部を減圧後封止した真空断熱材において、前記有機繊維集合体を構成する有機繊維中に無機粒子が含まれることにある。
係る本発明の第1の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記有機繊維がポリスチレン,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレートの少なくとも1種からなること。
(2)前記有機繊維集合体を構成する有機繊維の繊維径が5から20μmであること。
(3)前記無機粒子が炭酸カルシウム,酸化ケイ素,珪酸マグネシウムの少なくとも1種からなること。
(4)前記無機粒子が有機繊維集合体を構成する有機繊維に対して20重量%以下の濃度で含まれること。
(5)前記無機粒子の粒径が1〜5μmであること。
(6)前記無機粒子の粒径が有機繊維集合体を構成する有機繊維の直径の1/4以下であること。
(7)前記繊維集合体とゲッター剤を内袋内部に収納し、内袋を収納した前記外包材の内袋を含む内部を減圧密封してなること。
また、本発明の第2の態様では外箱と内箱とで形成される空間に真空断熱材を設置し発泡断熱材を充填してなる断熱箱体であって、前記真空断熱材の芯材が有機繊維集合体からなり、該有機繊維集合体を構成する有機繊維が無機粒子を含み、該芯材とゲッター剤を内包して内部を減圧封止したガスバリア性の外包材を有することである。
また、本発明の第3の態様では有機繊維集合体からなる芯材とゲッター剤,前記芯材およびゲッター剤を収納するガスバリア性外包材を備え、外包材内部が減圧後封止され、前記有機繊維集合体を構成する有機繊維中に無機粒子が含まれた真空断熱材を備えた機器である。
本発明により、断熱性能とともに環境負荷に優れた真空断熱材を提供することができる。
本発明の真空断熱材の断面模式図である。 本発明の真空断熱材を備えた断熱箱体の断面模式図である。 本発明の真空断熱材を備えた冷蔵庫の縦断面図である。
本発明の無機粒子を含む有機繊維から形成される有機繊維集合体について、詳細に説明する。無機粒子を含む有機繊維とは、有機樹脂中に無機粒子を混合したのち、溶融紡糸で繊維化,捕集を行い有機繊維集合体とした芯材の形態である。また、無機粒子を混合するには、通常のエクストルーダーやニーダーにより溶融して混合する。混合される無機粒子の比率としては、0.5重量%以上が好ましく1重量%以上がさらに好ましく、20重量%以下が好ましい。混合比率が0.5重量%未満であると曲げ弾性率,耐熱性が低く好ましなく、20重量%以上であると溶融紡糸する際に繊維の切断が発生するため好ましくない。
具体的には、有機繊維集合体からなる芯材とゲッター剤,前記芯材およびゲッター剤を収納するガスバリア性外包材を備え、外包材内部を減圧後封止した真空断熱材において、前記有機繊維集合体を構成する有機繊維中に無機粒子を含むことにある。
真空断熱材の芯材は、大気圧からその形状を保持するスペーサの機能を持ち、減圧時の圧縮応力を受けても空隙の高い繊維体が必要になる。また、断熱性の指標である熱伝導率が芯材の種類で大きく異なることから、吸湿性が低く高剛性の繊維とするのにアモルファスからなる樹脂が好ましい。その理由として、熱伝導率はミクロ的には周期的に分子が並び易い秩序性の高い結晶質よりも溶融状態で分子がランダムに冷却される長繊維が、ランダム状態で固化したアモルファス構造が熱伝導率の低減に有用と推察した。その一例として、樹脂の熱伝導率から判断すると、例えば、結晶性のポリプロピレンが約0.24W/m・Kであるのに対し、アモルファスのポリスチレンが約0.15W/m・K、ポリカーボネートが約0.2W/m・K、ポリイミド系が約0.1W/m・Kと低くなる。
本発明の有機樹脂は紡糸可能な熱可塑性樹脂であれば用いることができる、汎用樹脂であるポリスチレン,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフタレートの市販品および冷蔵庫棚板等の粉砕物であるポリスチレンのリサイクル再生材やPETボトルやPETフィルム等の粉砕物であるポリエチレンテレフタレートのリサイクル再生材やコンパクトディスク等の粉砕物であるポリカーボネートのリサイクル再生材も使用できる。
無機粒子としては、有機樹脂の弾性率,耐熱性を向上するものであれば用いることができ、炭酸カルシウム,酸化ケイ素,珪酸マグネシウムが挙げられる。また、無機粒子の粒径は平均で1〜5μmのものを用いると有機樹脂に混合した際に溶融紡糸可能であり、さらに形成する有機の繊維径の1/4以下の粒径とすることでも有機樹脂に混合した際に溶融紡糸可能である。さらに、無機粒子の形状としては球形でも扁平形でも使用できる。
さらに、長繊維の形成方法は公知の方法が適用され、紡糸工程とウェブ形成工程およびサーマルボンド等の接着工程があり、熱伝導率の観点から接着レスの手法が好ましい。その紡糸法には湿式,乾式,直接式があり、湿式が紡糸短繊維を水中に懸濁しウェブを形成する方法、乾式がエアレイ法やカード法である。本発明は直接式で溶融樹脂(ペレットやフレーク等)から紡糸されるメルトブローンやスパンボンドが好ましい。
本発明に用いる樹脂として、例えば、汎用ポリスチレンの場合で説明すると、側鎖のベンゼン環が嵩高く分子鎖が剛直で絡み難く脆く、曲げ弾性率が約3000MPaと高いものが好ましい。ポリスチレンは、疎水性の非極性基を有し吸湿性が低く、繊維化できれば分子量に制限がなく約6万〜35万が好ましい。しかし、ポリスチレンの代りに、例えば、結晶性樹脂のポリエチレンやポリプロピレンで吸湿性は低いが、曲げ弾性率も低く減圧時の圧縮応力で高空隙が難しく、熱伝導率が5mW/m・K以上と高くなってしまう。繊維の長さとしては、繊維が短すぎると繊維集合体の各繊維の向きが不揃いになりやすく、断熱方向の熱伝導率が高くなり好ましくない。断熱方向に対して直交する方向に繊維集合体の各繊維の向きが揃うように繊維長を設定することが好ましい。また、平均繊維径としては、5〜20μmが好ましい。繊維の剛さは繊維直径の4乗とヤング率の積に比例し、長径を1/2にすると剛さが1/16まで小さくなることから、平均繊維径は約5μm以上が好ましい。逆に、繊維径が大きすぎると繊維の接触が線に近く、接触熱抵抗の低減により熱伝導率が高くなるため、約20μm以下が好ましい。なお、平均繊維径は、走査式電子顕微鏡で約10本の繊維を含む視野の繊維直径を測定することで求められる。
本発明の無機粒子を含む有機繊維は、例えばポリスチレンと炭酸カルシウムを用いて2軸押出し混練機で混練した混合材を溶融紡糸でノズルから押出し延伸により直接形成させる未接着の繊維である。ポリスチレンは、曲げ弾性率が高いGPPS(PSジャパン社製で商品名がPSJ−ポリスチレン),樹脂の溶融粘度(メルトフローレート:MFR)が射出成型用または良流動から高流動のペレットが好ましい。無機粒子を含む有機繊維としては、接着結合されていない芯材であり、配向した繊維ウェブが生ずるように形成捕集される。具体的には、溶融紡糸法のメルトブローンやスパンボンドで無機粒子含む有機樹脂をノズル先端から押出して空気の噴射により繊維を延伸しコレクター上に付着させて、未接着の繊維ウェブを形成した。なお、繊維の形状は、円形に限らずY形状,楕円形状,星形状,多角形状等でも良く、しかも、アモルファス樹脂は、成形収縮率が小さく繊維径のバラツキが少ない繊維ウェブである。当然ながら、粉砕物のリサイクル再生材を用い、繊維ウェブを単独もしくは併用させて芯材に使用できる。また、支障のない範囲であれば、相溶化剤,酸化防止剤,帯電防止剤の補助成分を添加することも可能である。
外包材は、内部に気密部を設け芯材を覆う材料構成であり、減圧封止において芯材形状が反映される材質が好ましい。外包材はラミネートフィルムを袋状とするものが用いられ、衝撃対応の最外層とガスバリア性確保の中間層と熱融着によって密閉する最内層を有する。例えば、最外層にポリアミドフィルムで耐突き刺し性を向上し、中間層にアルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体フィルムを設け、最内層に高密度ポリエチレンが挙げられる。具体的には、最外層にナイロンやポリエチレンテレフタレート,中間層にアルミニウム箔,最内層に高密度ポリエチレンからなるラミネートフィルムや最外層にポリエチレンテレフタレート,中間層にアルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体,最内層に高密度ポリエチレンからなるラミネートフィルムである。
真空断熱材の信頼性を向上させるには、ゲッター剤を用いる。ゲッター剤は、二酸化炭素,酸素,窒素等のガス,水蒸気を吸収するものであればよく、ドーソナイト,ハイドロタルサイト,モレキュラーシーブス,シリカゲル,酸化カルシウム,ゼオライト,疎水性ゼオライト,活性炭,水酸化カリウム,水酸化リチウム等の吸収剤が使用される。当然ながら、より高い信頼性を得るために有機ガスを吸着するゲッター剤を用いることもできる。
前記の真空断熱材は、断熱箱体を有する冷蔵庫等にも使用できる。冷蔵庫は外箱と内箱とで空間を作製し、空間内に真空断熱材を挿入し発泡ウレタンを充填する。真空断熱材と発泡ウレタンの挿入は、あらかじめ内箱と外箱とで形成される空間に真空断熱材を設置し、発泡ウレタンを注入させて一体成型する方法、または真空断熱材と発泡ウレタンをあらかじめ一体成型した真空断熱材を作製し、内箱あるいは外箱に貼り付け両者で挟持する方法があり、断熱性能を必要とする機器に応じて適宜使用される。
前記の真空断熱材は、保温や保冷の必要な各製品に適用できる。例えば、冷蔵庫,車両,建築建材,自動車,医療用機器等である。特に、熱交換部を含み断熱性が必要な機器全般に有効である。冷蔵庫等に本発明の真空断熱材を適用することで保温や保冷機能を向上させ、熱漏洩量および消費電力量の低減が期待できる。冷蔵庫等には、家庭用や業務用の冷蔵冷凍庫,自動販売機,商品陳列棚,保冷庫,クーラーボックス等が含まれる。また、車両に適用することで、省スペース化の真空断熱材の設置により車内空間が拡大され、断熱効果を持たせ結露等の問題解決が期待できる。
次に、本発明の真空断熱材および該真空断熱材を挿入した冷蔵庫の構造と作製について、図面を参照して説明する。図1に、本発明の真空断熱材1の断面模式図を示す。この真空断熱材1は、繊維集合体を形成する有機繊維が無機粒子含む芯材3とゲッター剤4とを外包材2で減圧封止される構成である。真空断熱材1によれば、繊維集合体を形成する有機繊維が無機粒子含む芯材3を用いて、断熱性能と環境負荷が両立される熱伝導率の低い真空断熱材が得られる。また、真空断熱材1は、断熱箱体並びに冷蔵庫等および機器に使用できる真空断熱材を提供する。
一方、従来の真空断熱材は、グラスウールの芯材やポリエステル単繊維の芯材をゲッター剤と共に外包材で減圧封止する構成である。従来の真空断熱材は、グラスウールの場合に断熱性は良いが環境負荷に問題があり、ポリエステル単繊維の場合に環境負荷は良いが断熱性に劣り、断熱性能と環境負荷の両立が図れる芯材が得られていない。
図2に本発明の真空断熱材1を備えた断熱箱体7の斜視模式図を示す。この断熱箱体7は、鉄板をプレス成型した箱体7の内面側の一部に、繊維集合体を形成する有機繊維が無機粒子含む芯材を入れた真空断熱材1を挿入し、さらに、空隙部分に発泡ウレタン6を発泡充填した構成である。
冷蔵庫等に関してもこれと同様であって、図3に示すように、内箱9と外箱10とで構成される空間内に真空断熱材1を設置し、残りの空間内に発泡ウレタン等の発泡断熱材6を充填してなる。なお、真空断熱材1と発泡断熱材6とを一体成型してなる断熱材を箱体9内に収納する場合には、真空断熱材1を内箱9に貼り付けると共に、発泡断熱材6を外箱10に貼り付けて、内箱9及び外箱10の両者で挟持する。冷蔵庫等には、家庭用や業務用の冷蔵冷凍庫,自動販売機,商品陳列棚,保冷庫,クーラーボックス等が含まれる。
本発明の真空断熱材は、繊維集合体を形成する有機繊維が無機粒子含む芯材であり、熱伝導率および熱伝導率の経時劣化,耐熱性,環境負荷(粉塵,CO2排出量,エコリサイクル性)を確認した。また、繊維集合体を構成する有機繊維が無機粒子を含まない芯材を用いたものを比較例1〜3で作製して、同様に確認した。その結果を表1に示す。なお、表1において、断熱特性指数はそれぞれの樹脂でフィラーを添加しない場合の熱伝導率を100とした場合の指数で表記しており、数値が低いほど断熱性能に優れることを表している。
本実施例の真空断熱材は、以下のように作製した。有機樹脂として、汎用のポリスチレン(PSジャパン社製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.0μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子を1.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、230℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は100℃、曲げ弾性率は3800(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法により溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.3μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して80(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
〔比較例1〕
無機粒子を含まない繊維を汎用のポリスチレン(PSジャパン社製)を用いて作製した。樹脂の加重たわみ温度は80℃、曲げ弾性率は3300(MPa)である。この樹脂を260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.1μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は100(指数)となった。
有機樹脂として、冷蔵庫からリサイクルしたポリスチレン樹脂と無機粒子として二酸化ケイ素粒子(平均粒径2.4μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が1.5重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、230℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は102℃、曲げ弾性率は4000(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は9.8μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して74(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
有機樹脂として、汎用のポリスチレン(PSジャパン社製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.0μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が3.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、230℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は108℃、曲げ弾性率は4100(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.45μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して72(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
有機樹脂として、汎用のポリスチレン(PSジャパン社製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.0μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が5.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、230℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は110℃、曲げ弾性率は4400(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.1μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して65(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
本実施例の真空断熱材は、以下のように作製した。有機樹脂として、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.0μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が1.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、240℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は138℃、曲げ弾性率は2500(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.0μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して78(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
〔比較例2〕
無機粒子を含まない繊維をポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製)を用いて作製した。樹脂の加重たわみ温度は136℃、曲げ弾性率は2300(MPa)である。この樹脂を260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.05μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は100(指数)となった。
有機樹脂として、リサイクルされたポリカーボネート樹脂と無機粒子として二酸化ケイ素粒子(平均粒径2.3μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が1.5重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、240℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は140℃、曲げ弾性率は2650(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は9.56μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して73(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
有機樹脂として、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.0μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が3.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、240℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は141℃、曲げ弾性率は2800(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.38μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して70(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
有機樹脂として、ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.0μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が5.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、240℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は143℃、曲げ弾性率は2900(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.62μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して65(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
本実施例の真空断熱材は、以下のように作製した。有機樹脂として、ポリエチレンテレフラレート(三井化学社製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径1.9μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が1.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、230℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は101℃、曲げ弾性率は3300(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は7.89μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して81(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
〔比較例3〕
無機粒子を含まない繊維をポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック製)を用いて作製した。樹脂の加重たわみ温度は85℃、曲げ弾性率は3000(MPa)である。この樹脂を260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.26μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は100(指数)となった。
有機樹脂として、ポリエチレンテレフラレート(三井化学社製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.5μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が1.5重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、230℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は104℃、曲げ弾性率は3550(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は10.12μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して75(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
有機樹脂として、ポリエチレンテレフラレート(三井化学社製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.0μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が3.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、230℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は109℃、曲げ弾性率は3700(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.05μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して73(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
有機樹脂として、ポリエチレンテレフラレート(三井化学社製)と無機粒子として炭酸カルシウム粒子(平均粒径2.0μm)を用い、有機樹脂に対して無機粒子が5.0重量%の比率で混合したのちエクストルーダーを用いて、230℃で撹拌混合し無機粒子を含む有機樹脂ペレットを作製した。作製した無機粒子を含む有機樹脂の加重たわみ温度および曲げ弾性率を測定したところ、加重たわみ温度は111℃、曲げ弾性率は4000(MPa)となっていた。得られたペレットを用いて、260〜290℃の温度でメルトブローン法で溶融紡糸し、紡糸繊維をサクション機能付きコンベアで捕集し有機繊維集合体を作製した。繊維集合体を形成する繊維の平均繊維径は8.10μmであった。さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に、作製した有機繊維集合体を入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を同胞したのち、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。その結果、断熱特性は無機粒子を含まないポリスチレンの場合と比較して66(指数)(数値が低いほど断熱特性に優れる)となった。このことから、真空断熱材の芯材として用いる有機繊維集合体を構成する繊維中に無機粒子を含むことで、断熱特性,環境特性に優れる真空断熱材を提供できる。
Figure 0005414569
以上の実施例,比較例の結果から、いずれの樹脂においても樹脂でフィラーを添加していない比較例に対して、無機フィラーを含む有機繊維を芯材として用いた実施例の方が断熱特性が優れていることが分かる。これは、有機繊維に無機フィラーが添加することで曲げ弾性率が高くなり、外包材内部を真空排気、封止後に大気圧が掛かった際に繊維のつぶれが抑制され、これにより外包材内部の空隙率を確保できたためと考えられる。また、有機繊維に無機フィラーが添加することより荷重たわみ温度も上昇しており、耐熱性も向上することができる。
真空断熱材の芯材に用いる、有機繊維集合体を構成する有機繊維が無機粒子を含むことで、グラスウールを芯材として用いた真空断熱材と同等の断熱特性を示す高性能な真空断熱材を見出した。また、有機繊維では課題であった耐熱性にも優れ、環境負荷が期待される真空断熱材を得た。真空断熱材を冷蔵庫等に搭載し、発泡ウレタンを充填することで熱漏洩量および消費電力量が低減し、保温・保冷等の熱交換部を含む断熱箱体やそれを用いた機器に有効である。
1 真空断熱材
2 外包材
3 無機粒子を含む有機繊維芯材
4 ゲッター剤
5 断熱箱体
6 発泡ウレタン
7 箱体
8 冷蔵庫
9 冷蔵庫内箱
10 冷蔵庫外箱

Claims (10)

  1. 有機繊維集合体からなる芯材とゲッター剤,前記芯材およびゲッター剤を収納するガスバリア性外包材を備え、外包材内部を減圧後封止した真空断熱材において、前記有機繊維集合体を構成する有機繊維中に無機粒子を含むことを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1において、前記有機繊維が溶融紡糸で繊維化された繊維中に無機粒子を含むことを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1において、前記無機粒子が炭酸カルシウム,酸化ケイ素,珪酸マグネシウムの少なくとも1種からなることを特徴する真空断熱材。
  4. 請求項1において、前記有機繊維集合体を構成する有機繊維の繊維径が5〜20μmであることを特徴とする真空断熱材。
  5. 請求項1において、前記無機粒子が有機繊維集合体を構成する有機繊維に対して20重量%以下の濃度で含まれることを特徴とする真空断熱材。
  6. 請求項1において、前記無機粒子の粒径が1〜5μmであることを特徴とする真空断熱材。
  7. 請求項1において、前記無機粒子の粒径が有機繊維集合体を構成する有機繊維の直径の1/4以下であることを特徴とする真空断熱材。
  8. 請求項1において、前記繊維集合体とゲッター剤を内袋内部に収納し、内袋を収納した前記外包材の内袋を含む内部を減圧密封してなることを特徴とする真空断熱材。
  9. 外箱と内箱とで形成される空間に真空断熱材を設置し発泡断熱材を充填してなる断熱箱体であって、前記真空断熱材の芯材が有機繊維集合体からなり、前記有機繊維集合体を構成する有機繊維中に無機粒子を含み、該芯材とゲッター剤を内包して内部を減圧封止したガスバリア性の外包材を有することを特徴とする断熱箱体。
  10. 請求項1に記載の真空断熱材を箱体に設置したことを特徴とする機器。
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