JP2009228886A - 真空断熱材及びこれを用いた断熱箱 - Google Patents

真空断熱材及びこれを用いた断熱箱 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱い性及び断熱性能に優れた真空断熱材を提供する。
【解決手段】真空断熱材100は、繊維集合体3aが積層されて構成された芯材3と、ガスバリア性を有し、芯材3を収容して内部が真空にされる外包材1と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、真空断熱材及びこれを用いた断熱箱に関し、特に取り扱い性及び断熱性能に優れた真空断熱材及びこれを用いた断熱箱に関するものである。
従来から、冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、保冷庫、保温庫、保冷車、車両用空調機、給湯機などの冷熱機器の断熱箱に使用される断熱材としてウレタンフォームが多く利用されている。近年、省エネや省スペース大容量化などの市場の要請からウレタンフォームよりも断熱性能に優れている真空断熱材をウレタンフォーム中に埋設し、真空断熱材及びウレタンフォームを併用する形態が用いられるようになってきている。この真空断熱材とは、ガスバリア性のアルミ箔ラミネートフィルムなどで構成された外包材の中に粉末や発泡体、繊維体などを芯材として挿入し、その内部を数Pa(パスカル)の真空度に保つように構成されたものである。
このような真空断熱材の取り扱い性及び断熱性能は、内部に挿入される芯材の材質に影響される。真空断熱材の芯材としては、シリカなどの粉末やウレタンなどの発泡体、繊維の集合体(繊維体)が多く利用されている。このうち繊維の素材には、ガラス繊維やセラミック繊維などの無機繊維(たとえば、特許文献1及び8参照)、あるいはポリプロピレン繊維やポリ乳酸繊維、アラミド繊維、LCP(液晶ポリマー)繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維などの有機繊維(たとえば、特許文献2及び7参照)が利用されている。
その中でも、断熱性能に特に優れているガラス繊維の集合体を真空断熱材の芯材として利用することが主流になっている。そして、このような無機繊維あるいは有機繊維を集合させて繊維体を構成し、真空断熱材の芯材として利用している。繊維体の形状としては、たとえば綿状(繊維が不規則に絡み合って一体化されている状態)やシートを積層した形状(たとえば、特許文献3及び4参照)、シートを繊維配向が交互になるように積層した形状(たとえば、特許文献5及び6参照)などが開示されている。
特開平8−028776号公報(第2−3頁) 特開2002−188791号公報(第4−6頁、図1) 特開2005−344832号公報(第3−4頁、図1) 特開2006−307924号公報(第5−6頁、図2) 特開2006−017151号公報(第3頁−図1) 特公平7−103955号公報(第2頁、図2) 特開2006−283817号公報(第7−8項) 特開2005−344870号公報(第7頁、図2)
上述したように、現在の真空断熱材には、主に無機繊維であるガラス繊維が芯材として使用されている。このガラス繊維は、硬くて脆いという性質を有している。そのため、真空断熱材の製造時に粉塵が飛び散り、作業者の皮膚や粘膜などに付着することで、作業者が刺激を受ける可能性があり、その取り扱い性及び作業性が問題となっている。また、リサイクルの場面を考えた場合、たとえば冷蔵庫ではリサイクル工場で製品ごと粉砕され、ガラス繊維はウレタン屑などに混じってサーマルリサイクルに供されるが、燃焼効率を落としたり残渣となったりするなど、リサイクル効率が低いという欠点がある。
一方、有機繊維であるポリエステル繊維等を芯材として使用した真空断熱材は、ガラス繊維を芯材として使用した真空断熱材に比べて、取り扱い性及びリサイクル性に優れているものの、断熱性能が劣るという欠点がある。つまり、ポリエステル繊維等を芯材として使用した真空断熱材は、断熱性能を表す指標である熱伝導率が0.0030[W/mK](特許文献7参照)程度であり、ガラス繊維を芯材として用いた一般的な真空断熱材の熱伝導率である0.0020[W/mK]に比べて大きく、断熱性能に劣っているということが理解できる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、取り扱い性及び断熱性能に優れた真空断熱材及びこれを用いた断熱箱を提供することを目的としている。
本発明に係る真空断熱材は、繊維集合体が積層されて構成された芯材と、ガスバリア性を有し、前記芯材を収容して内部が真空にされる外包材と、を備えたことを特徴とする。また、本発明に係る断熱箱は、上記の真空断熱材を用いたことを特徴とする。
本発明に係る真空断熱材によれば、繊維の配向方向を伝熱方向に略直角に配向することができるので、断熱性能を向上できる。また、本発明に係る断熱箱によれば、上記の断熱性能を向上できる真空断熱材を用いているので、同様に断熱性能に優れたものとなる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る真空断熱材100の断面構成を示す概略縦断面図である。図2は、真空断熱材100の概略構成を示す模式図である。図1及び図2に基づいて、真空断熱材100の構成について説明する。この真空断熱材100は、たとえば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、保冷庫、保温庫、保冷車、車両用空調機、給湯機などの冷熱機器の断熱箱に用いられるものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
図1に示すように、真空断熱材100は、芯材3及び吸着剤2を外包材3に収容して構成されている。外包材1は、たとえばガスバリヤ層に約6μmのアルミ箔、最内層のシール層にポリエチレンを適用したプラスチックラミネートフィルムで構成するとよい。つまり、外包材1は、ガスバリア性を有し、内部を減圧状態に維持できるものであれば、どのような材質で構成してもよいのである。吸着剤2は、真空断熱材100の内部の水分を吸着し、真空断熱材100の内部における真空度の経時劣化を抑制するためのものである。この吸着剤2は、たとえばCaO(酸化カルシウム)を不織布袋に入れて構成するとよい。
芯材3は、プラスチックラミネートフィルムを外包材1に用いる真空断熱材100において、大気圧を支えて真空断熱材100の内部空間を確保する役割と、内部空間を細かく分割してガスの熱伝導などを低減する役割と、を担うものである。この実施の形態1では、芯材3は、繊維集合体3aを多数重ねた多層構造となっている。このようにして、断熱方向である厚さ方向と、その厚さ方向と略垂直に配置される繊維の配向方向と、を整えるようになっている。なお、ガスの熱伝導抑制の観点では、真空断熱材100の内部空間の距離を、その真空度における空気分子の自由行程距離より小さくなるようにすることが望ましい。
図3は、芯材3の縦断面構成を拡大して示す概略図である。図3に基づいて、芯材3の構成について詳細に説明する。図3に示すように、芯材3は、繊維集合体3aの各層を、繊維が厚さ方向への重なりがないように一方向に配向した状態にし、上下に積層される各層とは繊維を略直交するように重ねることで構成されている。具体的には、芯材3は、紡糸した繊維を繊維どうしの重なりがないように一方向へ配向して並べて形成した繊維集合体3aを、繊維の方向が略直交するように交互に積層して形成されている。
繊維集合体3aの各層は、フィルムを延伸して分子配向させた後に、割り裂くようにして製造してもよい。このような方法を用いれば、フィルムを割り裂く際、繊維を完全に分離させずに、部分的に繊維間の連結部を残すようにすることができ、割り裂き後のシートを、繊維方向と直交する方向に引き伸ばして、繊維と繊維との間に間隔を持つようにすることで繊維集合体3aを製造することができるので、芯材3の取り扱い性が向上することになる。なお、繊維集合体3aを構成する繊維の材質には、たとえばポリエステル等を使用するとよい。
次に、得られた芯材3をプラスチックラミネートフィルムの外包材1に挿入する。それから、芯材3を挿入した外包材1を、温度100℃で5hr程度乾燥させる。その後、不織布袋に入ったCaO(吸着剤2)を5g程度、外包材1内に配置してから、芯材3及び吸着剤2が収容された外包材1を真空チャンバー内にセットする。そして、真空チャンバー中で3Paまで真空引きし、そのまま真空チャンバー内で開口部をヒートシールして真空断熱パネルとしての真空断熱材100が完成する。
図4は、真空断熱材100の熱伝導率の測定結果を示す表である。図5は、図4で示した測定結果を図形化したグラフである。図4及び図5に基づいて、上記方法で得られた真空断熱材100の断熱性能評価として行なった熱伝導率の測定結果について説明する。図4及び図5には、真空断熱材100の平均繊維径(d)及び各層内の平均繊維間隔(P)と、熱伝導率(W/mK)の関係を示している。なお、図4には、比較例として綿状繊維(たとえば、ポリエステル繊維)を芯材に用いた真空断熱材の熱伝導率を併せて示している。また、図5では、横軸が平均繊維間隔/平均繊維径(P/d)を、縦軸が熱伝導率(W/mK)を示している。
図4及ぶ図5に示す測定結果から、平均繊維間隔(P)が平均繊維径(d)の3倍乃至8倍の範囲で、比較例よりも熱伝導率が小さい、すなわち断熱性能に優れていることが分かる。これは、比較例の綿状繊維を芯材に用いた真空断熱材では、繊維が伝熱方向である厚さ方向に向かっている箇所があるのに対し、この実施の形態1に係る真空断熱材100では、伝熱方向である厚さ方向には、別の繊維との接点を介してしか伝熱することがないので接触熱抵抗の効果が得られ、それに伴って芯材3を伝わる固体伝熱を低減できるので熱伝導率を低減、すなわち断熱性能を向上できたと考えられるからである。
一方、平均繊維間隔(P)が平均繊維径(d)の3倍より小さい場合には、比較例よりも熱伝導率が大きい、すなわち断熱性能が悪化していることが分かる。これは、比較例に比べて、繊維が密になるため、伝熱の経路が短くなり、また真空断熱材100中での固体の体積分率が高くなったからであると考えられる。それはまた、平均繊維間隔(P)を広く(平均繊維径(d)の3倍以上に)していくと、真空断熱材100中の固体の体積分率を小さくでき、また伝熱距離を長くすることができるので、熱伝導率が次第に小さくなったということからも理解できる。
また、図4及び図5の測定結果から、平均繊維間隔(P)が平均繊維径(d)の3倍乃至7倍の範囲では、ほとんど熱伝導率が変わらず、8倍を越えたところから熱伝導率が次第に大きい、すなわち伝熱性能が悪化していることが分かる。これは、平均繊維間隔(P)を広くするにつれて、繊維どうしの接点を支点とする繊維のたわみが大きくなり、厚さ方向へ繊維が向いてしまい、各層の間をまたいで繊維同士の接触が発生してしまったからだと推定される。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る真空断熱材100に適用する繊維集合体3bの構成例を示す斜視図である。図6に基づいて、繊維集合体3bの別の構成について説明する。図6に示すように、繊維集合体3bは、繊維を織ることで構成されている。このように、繊維を織物にすることで、繊維の間隔が調整しやすくなり、繊維集合体3bの取り扱いが容易にできるというメリットがある。たとえば、繊維径20μのポリエステル繊維を用い、平織りで製造した繊維集合体3bを、300枚積層して芯材3とし、実施の形態1と同様にして真空断熱材100を得ることができる。なお、積層枚数は、所望する真空断熱材の厚さによって調整すればよい。
図7は、繊維集合体3bを適用した真空断熱材100の熱伝導率の測定結果を示す表である。図7に基づいて、繊維集合体3bを積層した芯材3を適用した真空断熱材100の断熱性能評価として行なった熱伝導率の測定結果について説明する。図7には、真空断熱材100の熱伝導率(W/mK)と、比較例として実施の形態1と同様な綿状繊維を芯材に用いた真空断熱材の熱伝導率(W/mK)とを示している。図7の測定結果から、繊維を織ることにより、比較例に比べて断熱性能が改善できることが分かった。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係る真空断熱材100に適用する繊維集合体3cを示す平面図である。図8に基づいて、繊維集合体3cについて説明する。図8に示すように、繊維集合体3cは、長繊維不織布で構成されている。このように、長繊維不織布で繊維集合体3cを構成することで、繊維集合体3a及び繊維集合体3bに比べて、生産性が高いというメリットがある。また、繊維集合体3cの端部での繊維の抜けやほつれが少なく、取り扱い性を更に向上することができる。
不織布は、紡糸ノズルから溶出した樹脂を、冷風で冷却した後、繊維中の分子を配向させ、剛性を高めるために延伸装置で延伸してから、コンベア上に補集し、コンベアを任意の速度で動かしながら、ローラーで加圧し巻き取って製造した。なお、真空断熱材内に残存している空気の熱伝導率が0.0001W/mK未満となるように繊維径を10μmとした。また、コンベア上に捕集した不織布は、繊維どうしがばらばらで取り扱い性が悪い場合があり、この場合には加圧時に熱を加え、繊維同士を溶着してもよい。この際、過度の加圧及び加熱溶着は、繊維間の接触面積を増大し、伝熱の増加を招くため、溶着の面積をできるだけ少なくした方がよく、全面積の5%以下に抑えることが望ましい。この方法で、コンベアの速度などの製造条件を調整し、目付けを変えた繊維集合体3cを製造し、300枚積層して実施の形態1と同様にして真空断熱材100を得ることができる。
図9は、繊維集合体3cを適用した真空断熱材100の熱伝導率の測定結果を示すグラフである。図9に基づいて、繊維集合体3cを積層した芯材3を適用した真空断熱材100の断熱性能評価として行なった熱伝導率の測定結果について説明する。図9では、横軸が体積目付け(cc/m2 )を、縦軸が熱伝導率(W/mK)を示している。通常、目付けは、1m2 あたりの繊維の重量目付けで表されるが、ここでは比重の異なるその他の材質でも比較できるように1m2 あたりの体積目付けで表している。
図9に示す測定結果から、14cc/m2 (具体的には13cc/m2 )よりも低い目付けで、綿状の芯材を用いた場合(図4及び図7参照)よりも熱伝導率が小さく、すなわち断熱性能が高くなることが分かった。これは、目付けを低くすることにより繊維集合体3cの厚さが薄くなり、繊維集合体3c中の繊維が厚さ方向に向きにくくなり、断熱方向と直交する方向である面方向により向きやすくできたからであると考えられる。なお、目付けは、低くするほど面方向に向きやすくなると考えられるが、低くしすぎると繊維集合体3cの強度が弱くなり3.5cc/m2 以下では巻き取ることができなかった。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る真空断熱材100では、繊維集合体を構成する繊維の断面形状を三角形断面としている。つまり、この実施の形態4では、異形断面の繊維を用いて繊維集合体を製造し、300枚積層して芯材3を得、実施の形態1と同様の方法で真空断熱材100に製造した場合を例に説明する。なお、繊維集合体は、実施の形態2及び実施の形態3などいずれの製造方法で製造してもよいが、ここでは実施の形態3の製造方法で繊維集合体を製造した場合を例に説明する。
図10は、異形断面の繊維を用いた繊維集合体を適用した真空断熱材100の熱伝導率の測定結果を示す表である。図10に基づいて、異形断面、つまり三角形断面の繊維を用いた繊維集合体を適用した真空断熱材100の断熱性能評価として行なった熱伝導率の測定結果について説明する。なお、図10には、比較例として同等の断面積を有する円形断面の繊維を芯材に用いた真空断熱材の熱伝導率を併せて示している。図10に示す測定結果から、三角形断面を有する繊維を用いた繊維集合体を適用した真空断熱材100では、円形断面を有する繊維を用いた繊維集合体を適用した真空断熱材よりも断熱性能が向上できることが分かった。
真空断熱材100の内部は略真空状態にあるので、芯材3を構成する繊維集合体は外包材1を介して大気圧を受けているが、ある繊維どうしの任意の接点を基準にして見てみると、繊維はその他の接点の両側近傍のその他の繊維との接点を支点とし圧力を受けて撓んでいる。したがって、伝熱性能が向上したのは、繊維断面を三角形としたことにより、同等の断面積を有する円形断面を有する繊維に比べて剛性が向上し、大気圧を受けた時の繊維の撓みが減少したことによると考えられる。このことから、断面形状は三角形に限定されるものではなく、同等の断面積で断面二次モーメントが高くなるような形状であれば、真空断熱材100中で大気圧を受けた時の変形を小さくでき、真空断熱材中の固体の体積分率を低減できるため、断熱性能を向上できるものと考えられる。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5に係る真空断熱材100の繊維集合体を構成する繊維5の形状を示す模式図である。図11に基づいて、真空断熱材100の繊維集合体を構成する繊維5について説明する。その他の芯材の固体伝熱を低減する方法としては、特開2007−285496号公報に開示されているように中空繊維を用いる方法が示されているが、中空繊維は、繊維が長くなるほど真空断熱パネルを製造する際の中空部の排気性が極めて悪くなるため生産性が低いという欠点がある。
そこで、実施の形態5では、繊維5の断面形状を略C字型形状とすることにより、芯材3の固体伝熱を低減している。なお、繊維集合体は、実施の形態3の製造方法で製造した場合を例に説明する。図11に示すように、繊維5の断面形状を略C字型形状にすることにより、真空断熱材の真空引き工程における排気性を高める、つまり真空引き性を悪化させないことが可能で、真空パック後には中空繊維と同様に真空断熱材中の固体の体積分率を低減することができるので、断熱性能を向上できる。この繊維集合体を300枚重ねて外包材1へ挿入した後、実施の形態1と同様の方法で真空断熱材100を得ることができる。
図12は、断面形状が略C字型形状の繊維5を用いて構成された繊維集合体を適用した真空断熱材100の熱伝導率の測定結果を示す表である。図12に基づいて、繊維5を用いて構成された繊維集合体を適用した真空断熱材100の断熱性能評価として行なった熱伝導率の測定結果について説明する。なお、図12には、比較例として円形断面の繊維を芯材に用いた真空断熱材の熱伝導率を併せて示している。ここで、繊維5の外径及び内径とは、真空パック後に略C字型形状の開口部が閉じた状態での外径及び内径を示しているものとする。また、芯材3の密度は、芯材3である繊維集合体の重量を真空断熱材の内容積で除したものである。真空断熱材の内容積は、真空断熱材の外寸法から外包材の厚さを引いてから計算して求めている。
図12に示す測定結果から、繊維5の内径寸法が繊維外径寸法の20乃至70%のものである場合に、真空断熱材100中の芯材3の体積分率を低下させることができ、中実断面の繊維のものである場合よりも断熱性能の向上が確認できた。そして、内径寸法が繊維外径寸法の60乃至70%のものである場合に、もっとも優れた断熱性能を示すことがわかった。数Pa乃至数十Pa程度の真空度で用いる真空断熱材では、断熱性能に与える芯材の固体伝熱の寄与率が大きいので、繊維の内径を大きくするにつれて同一繊維外径における固体の体積分率が減らせる効果がある。
これにより、断熱性能が向上していくが、一方で内径が大きくなるにつれ断面二次モーメントが低下するため剛性が低下して、繊維同士の交点を支点とした撓みが増加するとともに、繊維交点での繊維体自体のつぶれが増加することになる。したがって、真空断熱材中の芯材の密度は、内径拡大による固体分減少の計算通りには低下せず、内径寸法が繊維外径の60乃至70%の領域での芯材の密度190kg/m3 を下限として増加へ転じ、断熱性能が悪化したものと考えられる。
実施の形態1に係る真空断熱材の断面構成を示す概略縦断面図である。 真空断熱材の概略構成を示す模式図である。 芯材の縦断面構成を拡大して示す概略図である。 真空断熱材の熱伝導率の測定結果を示す表である。 図4で示した測定結果を図形化したグラフである。 実施の形態2に係る真空断熱材に適用する繊維集合体の構成例を示す斜視図である。 繊維集合体を適用した真空断熱材の熱伝導率の測定結果を示す表である。 実施の形態3に係る真空断熱材に適用する繊維集合体を示す平面図である。 繊維集合体を適用した真空断熱材の熱伝導率の測定結果を示すグラフである。 異形断面の繊維を用いた繊維集合体を適用した真空断熱材の熱伝導率の測定結果を示す表である。 実施の形態5に係る真空断熱材の繊維集合体を構成する繊維の形状を示す模式図である。 断面形状が略C字型形状の繊維を用いて構成された繊維集合体を適用した真空断熱材の熱伝導率の測定結果を示す表である。
符号の説明
1 外包材、2 吸着剤、3 芯材、3a 繊維集合体、3b 繊維集合体、3c 繊維集合体、5 繊維、100 真空断熱材。

Claims (10)

  1. 繊維集合体が積層されて構成された芯材と、
    ガスバリア性を有し、前記芯材を収容して内部が真空にされる外包材と、を備えた
    ことを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記芯材は、
    繊維の重なりがないように繊維の方向を一方向に配向して構成された前記繊維集合体を、繊維の方向が略直交するように交互に積層して構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記繊維集合体が繊維の織り構造である
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  4. 前記繊維集合体が不織布である
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  5. 前記不織布の体積目付けを3.5cc/m2乃至13cc/m2としている
    ことを特徴とする請求項4に記載の真空断熱材。
  6. 前記繊維集合体を構成する繊維の断面形状を略三角形状としている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の真空断熱材。
  7. 前記繊維集合体を構成する繊維の断面形状を略C字型形状としている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の真空断熱材。
  8. 前記略C字型形状を有する前記繊維の開口部が閉じた状態の内径寸法が前記繊維の外径寸法の20%乃至70%としている
    ことを特徴とする請求項7に記載の真空断熱材。
  9. 不織布袋に入れられた吸着剤を前記外包材内に収容している
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の真空断熱材。
  10. 前記請求項1乃至9のいずれかに記載の真空断熱材を用いた
    ことを特徴とする断熱箱。
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