JP2006017151A - 真空断熱材 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空引きに要する時間を短縮することにより、生産に要する時間を短縮することができる真空断熱材を提供すること。
【解決手段】積層したプラスチックの不織布21をコア材2として、プラスチックフィルム31で密閉した後にプラスチックフィルム31の内部を真空状態にして、コア材2とプラスチックフィルム31とを一体化した真空断熱材1において、不織布21をなす繊維の配向方向が一枚ずつ交互に交差するように不織布21を積層するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】積層したプラスチックの不織布21をコア材2として、プラスチックフィルム31で密閉した後にプラスチックフィルム31の内部を真空状態にして、コア材2とプラスチックフィルム31とを一体化した真空断熱材1において、不織布21をなす繊維の配向方向が一枚ずつ交互に交差するように不織布21を積層するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、真空断熱材に関し、特に、積層した不織布をコア材とする真空断熱材に関するものである。
従来、積層した不織布をコア材として、フィルムで密閉した後に、フィルムの内部を真空状態として、コア材とフィルムを一体化した真空断熱材が知られている(特許文献1参照)。
このような真空断熱材は、積層した不織布をコア材としているために、フィルムの内部の真空圧力を6Pa以下にしてから封止しなければならなかった。このように真空圧力が6Pa以下で封止した真空断熱材は、0.0035W/mkの断熱性能を得ることができる。
しかしながら、真空圧力を6Pa以下にするためには、いわゆる真空引きに長時間を必要とするので、真空断熱材の生産に長時間を要していた。
本発明は、上記実情に鑑みて、真空引きに要する時間を短縮することにより、生産に要する時間を短縮することができる真空断熱材を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る真空断熱材は、積層した不織布をコア材として、フィルムで密閉した後に前記フィルムの内部を真空状態にして、前記コア材と前記フィルムとを一体化した真空断熱材において、前記不織布をなす繊維の配向方向が交互に交差するように、前記不織布を積層したことを特徴とする。
本発明に係る真空断熱材は、不織布をなす繊維の配向方向が交互に交差するように、不織布を積層したので、真空断熱材は嵩高くなり、フィルムの内部を早期に真空状態にすることができる。このため、真空断熱材の生産に要する時間を短縮できるという効果を奏する。
また、真空断熱材は、不織布をなす繊維の配向方向が交互に交差するように、不織布を積層したので、繊維同士の接触点を少なくすることができる。このため、繊維同士の接触にともなう熱伝導を抑制できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る真空断熱材の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例に係る真空断熱材を示す図である。図1に示すように、本発明の実施例に係る真空断熱材1は、コア材2と、被覆材3とからなる。
コア材2は、真空断熱材1の芯になるものである。コア材2は、主に一方向に配向したプラスチック繊維からなる不織布21を積層したものであり、繊維の配向方向が交互に交差するように、より好ましくは一枚ずつ交互に直交するように、積層してある。
被覆材3は、コア材2を密閉するものである。被覆材3は、ガスバリア性を有するプラスチックのフィルム31からなり、コア材2を収納し密閉した後に、内部を真空状態にして封止し、コア材2と被覆材3とを一体化してある。なお、被覆材3は、製造上の観点から予め袋状にしたものを用いることが好ましい。
したがって、プラスチック繊維の配向方向が一枚ずつ交差するように不織布21を積層してコア材2とした後に、被覆材3の内部、すなわち、袋状のプラスチックのフィルム31の内部にコア材2を収納し密閉する。そして、被覆材3の内部を真空状態にした後に、被覆材3を封止して、真空断熱材1とする。
図2−1に示すように、不織布をなす繊維の配向方向が同一方向となるように積層した不織布121(以下、「パラ積層の不織布」という。)をコア材12にした真空断熱材11(以下、「パラ積層の真空断熱材」という。)と、図2−2に示すように、不織布をなす繊維の配向方向が交互に交差するように積層した不織布21(以下、パラ積層の不織布という。)をコア材2にした真空断熱材1(以下、「クロス積層の真空断熱材」という。)の特性を比較する。なお、図3は、真空断熱材の特性を比較した表である。
ここで、パラ積層の真空断熱材11と、クロス積層の真空断熱材1は、ともに、150mm×150mmの不織布をそれぞれ47枚積層したものであり、真空圧力は2Paである。
図3に示すように、不織布を積層したときの積層厚は、パラ積層の不織布121が10.92mmであり、クロス積層の不織布21が11.23である。つまり、パラ積層の不織布121と比較してクロス積層の不織布21のほうが、約3%程度厚くなる。
また、真空圧力が2Paになるまでに係る時間を測定すると、パラ積層の真空断熱材11は180分であり、クロス積層の真空断熱材1は150分である。つまり、パラ積層の真空断熱材11の真空圧力が2Paになるまでの時間に較べて、クロス積層の真空断熱材1の真空圧力が2Paになるまでの時間の方が短くて済む。このことは、クロス積層の不織布21のほうがパラ積層の不織布121よりも空気(気体分子)が透過しやすいことと符合する。
完成した真空断熱材1,11の厚みは、パラ積層の真空断熱材11が6.18mmであり、クロス積層の真空断熱材1が6.22mmである。つまり、完成した真空断熱材1,11の厚みはほぼ同一である。
しかしながら、パラ積層の真空断熱材11の熱伝導率が4.47mW/mkであるのに対して、クロス積層の真空断熱材1の熱伝導率は3.62mW/mkであり、クロス積層の真空断熱材1の方が断熱性能に優れている。
さらに、真空断熱材1,11からコア材2,12である不織布21,121だけを取り出して、大気圧の圧力差に相当する荷重を加えて変形したときの圧縮弾性係数を求めると、パラ積層の不織布121が137kg/mm2であり、クロス積層の不織布21が114kg/mm2である。すなわち、見かけの嵩密度はほぼ同一であるが、クロス積層の不織布21がパラ積層の不織布121に較べて柔軟である。このことは、クロス積層の不織布21がパラ積層した不織布121よりも、繊維同士の接触点が少なく、均等に分布していることを示し、クロス積層の真空断熱材1の熱伝導率がパラ積層の真空伝熱材11の熱伝導率よりも小さいことの一因であると解される。
以上、説明したように、本実施例に係る真空断熱材1は、不織布21をなす繊維の配向方向が一枚ずつ交互に交差するように、不織布21を積層したので、真空断熱材1は嵩高くなり、フィルム31の内部を早期に真空状態にすることができる。このため、真空断熱材1の生産に要する時間を短縮できる。
また、真空断熱材1は、不織布21をなす繊維の配向方向が一枚ずつ交互に交差するように、不織布21を積層したので、繊維同士の接触点を少なくすることができ、繊維同士の接触にともなう熱伝導を抑制できる。
さらに、真空断熱材1の圧縮弾性率が小さく、柔軟なので、真空断熱材1は、平面ばかりでなく、曲面にも適用できる。
以上のように、本発明に真空断熱材は、積層した不織布をコア材とする真空断熱材に有用であって、自動販売機等の温度差が大きな区画の断熱に使用する真空断熱材に適している。
1 (クロス積層の)真空断熱材
2 コア材
21 (クロス積層の)不織布
3 被覆材
31 フィルム
11 (パラ積層の)真空断熱材
12 コア材
121 (パラ積層の)不織布
2 コア材
21 (クロス積層の)不織布
3 被覆材
31 フィルム
11 (パラ積層の)真空断熱材
12 コア材
121 (パラ積層の)不織布
Claims (1)
- 積層した不織布をコア材として、フィルムで密閉した後に前記フィルムの内部を真空状態にして、前記コア材と前記フィルムとを一体化した真空断熱材において、
前記不織布をなす繊維の配向方向が交互に交差するように、前記不織布を積層したことを特徴とする真空断熱材。
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