JP6793571B2 - 真空断熱材、それを備えた機器及び真空断熱材の製造方法 - Google Patents
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Description
図1は本発明に係る真空断熱材の断面を示す模式図である。図1に示すように、真空断熱材1は、外包材3と、外包材3に収納された芯材2及び吸着剤(ゲッター剤11)とを有する。外包材3は、一対の積層膜10a,10bが、端部(図1のA部分)で熱溶着によって接合されて封止されている。なお、吸着剤11は必要に応じて外包材3に封入されるものであり、本発明において必須の構成ではない。
次に、上述した本発明に係る真空断熱材を備えた機器の例について説明する。図5は本発明に係る真空断熱材を備えた機器(冷蔵庫)の一例の断面を示す模式図であり、図6は本発明に係る真空断熱材を用いたヒートポンプ給湯器の一例の断面を示す模式図である。
図9は、本発明に係る真空断熱材の製造方法の一例を示すフロー図である。図9に示すように、本発明に係る真空断熱材の製造方法は、外包材3を構成する一対の積層膜10a,10bを作製する工程(S1)と、作製した一対の積層膜10a,10bの内側に芯材2を配置する工程(S2)と、一対の積層膜10a,10bの端部において、一対の積層膜10a,10bのそれぞれの熱溶着層(8a,8b)を接合(熱融着)する工程(S3)とを有する。
図1に示す構成を有する真空断熱材を作製した。芯材2には、ガラス繊維の集合体(繊維集合体)を用いた。これは、ソーダライムガラスを遠心法により溶融紡糸した平均繊維径5.0μmのグラスウール繊維を、吸引機能がついたコンベアで集積したグラスウールシートである。グラスウールシートの目付(シート状のグラスウール1m2あたりの重量)は1枚当り1500g/m2となっており、本実施例では3枚重ねて使用した。また、芯材2は使用前に300mm×300mmの大きさに切断し、温度200℃の乾燥炉で30分間乾燥した。
作製した真空断熱材1の厚さは18mmであった。作製した真空断熱材1の熱伝導率(初期値)を英弘精機(株)製のオートラムダを用いて平均温度10℃で測定した結果、1.89mW/m・Kであった。さらに、作製した真空断熱材について、経時的な熱伝導率の変化を評価するため70℃で30日間の加熱試験を実施した。その結果、加熱試験後の熱伝導率は3.01mW/m・Kとなり、熱伝導率の変化分を初期値で割って100倍した、変化率は59となった。実施例1の真空断熱材の熱伝導率の評価結果を、後述する表1に併記する。
実施例1の真空断熱材を用いて図5に示す冷蔵庫を作製し、消費電力を測定したところ、実施例1の真空断熱材を用いない場合と比較して約40%低くなった。このことから、本実施例の真空断熱材を用いることで機器の消費電力を低く抑えられることが明らかとなった。
実施例2の真空断熱材は、外包材3の表面保護層5a,5b、保護層6a,6b及びガスバリア層7a,7bについては実施例1と同様である。実施例2では、熱溶着層8a,8bとして高密度ポリエチレンフィルム(厚さ75×10−6m)を用い、熱溶着部の幅を7mmとした。実施例1と同様に積層膜(10a,10b)を作製し、顕微鏡によって断面を観察したところ、角度αは1.2°であった。実施例2の熱溶着層の構成を、後述する表1に併記する。
作製した真空断熱材1の厚さは18mmであった。作製した真空断熱材1の熱伝導率(初期値)、加速試験後の熱伝導率及び変化率を、実施例1と同じ装置及び条件を用いて評価を行ったところ、熱伝導率(初期値)は1.79mW/m・K加熱試験後の熱伝導率は2.75mW/m・K、熱変化率は54となった。実施例2の真空断熱材の熱伝導率の評価結果を、後述する表1に併記する。
実施例2の真空断熱材1を複数枚用いて図6に示すヒートポンプ給湯器18を作製した。本実施例の真空断熱材を適用した場合COPに約10%の改善が確認された。このことから、本実施例の真空断熱材を用いることで機器の消費電力を低く抑えられることが明らかとなった。
実施例3の真空断熱材は、外包材3の表面保護層5a,5b、保護層6a,6b及びガスバリア層7a,7bについては実施例1及び2と同様である。実施例3では、熱溶着層8a,8bとして直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(厚さ50×10−6m)を用い、熱溶着部の幅を20mmとした。実施例1と同様に積層膜(10a,10b)を作製し、顕微鏡によって断面を観察したところ、角度αは0.3°であった。実施例3の熱溶着層の構成を、後述する表1に併記する。
作製した真空断熱材1の厚さは18mmであった。作製した真空断熱材1の
熱伝導率(初期値)、加速試験後の熱伝導率及び変化率を、実施例1と同じ装置及び条件を用いて評価を行ったところ、熱伝導率(初期値)は1.83mW/m・K、加熱試験後の熱伝導率は2.8mW/m・K、変化率は53となった。実施例3の真空断熱材の熱伝導率の評価結果を、後述する表1に併記する。
実施例4の真空断熱材は、外包材3の表面保護層5a,5b、保護層6a,6b及びガスバリア層7a,7bについては実施例1〜3と同様である。実施例4では、熱溶着層8a,8bとして直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(厚さ100×10−6m)を用い、熱溶着部の幅を7mmとした。実施例1と同様に積層膜(10a,10b)を作製し、顕微鏡によって断面を観察したところ、熱溶着層は外周部へ向かって傾斜しており、その角度αは1.6°であった。実施例4の熱溶着層の構成を、後述する表1に併記する。
作製した真空断熱材1の厚さは18mmであった。作製した真空断熱材1の熱伝導率(初期値)、加速試験後の熱伝導率及び変化率を、実施例1と同じ装置及び条件を用いて評価を行ったところ、熱伝導率(初期値)は1.83mW/m・K、加熱試験後の熱伝導率は2.92mW/m・K、変化率は60となった。実施例4の真空断熱材の熱伝導率の評価結果を、後述する表1に併記する。
図4に示すように、熱溶着部4´における角度αをつけず、熱溶着層8a´,8b´の外側の表面80a´,80b´と接合面81´とが平行になるようにしたこと以外は実施例1と同様にして比較例1の積層膜10a´,10b´を作製した。
作製した真空断熱材1の厚さは18mmであった。作製した真空断熱材1´の熱伝導率(初期値)、加速試験後の熱伝導率及び変化率を、実施例1と同じ装置及び条件を用いて評価を行ったところ、熱伝導率(初期値)は1.83mW/m・K、加熱試験後の熱伝導率は3.9mW/m・K、変化率は113となり、実施例1と比較して大幅に高い値となった。これは、熱溶着層が外気に接触する面積が大きくなり、ガスの透過量が高くなったためと考える。
図4に示すように、角度αをつけず、熱溶着部4´における熱溶着層8a´,8b´の外側の表面80a´,80b´と接合面81´とが平行になるようにしたこと以外は実施例2と同様にして比較例2の積層膜10a´,10b´を作製した。
作製した真空断熱材1の厚さは18mmであった。作製した真空断熱材1´の熱伝導率(初期値)、加速試験後の熱伝導率及び変化率を、実施例1と同じ装置及び条件を用いて評価を行ったところ、熱伝導率(初期値)は1.85mW/m・K、加熱試験後の熱伝導率は3.78mW/m・K、変化率は104となり、実施例2と比較して大幅に高い値となった。これは、熱溶着層が外気に接触する面積が大きくなり、ガスの透過量が高くなったためと考える。
Claims (7)
- 芯材と、前記芯材を挟んで対向して設けられた一対の積層膜からなる外包材と、を備え、
前記積層膜は、外側から順に、表面保護層、保護層、ガスバリア層及び熱溶着層がこの順で積層された物であり、
前記一対の積層膜の端部において、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層が互いに接合されており、
前記積層膜の端部は、前記積層膜を構成する各層の積層方向に対して垂直な方向に沿って、前記外包材の内部から外部へ向かって先細りとなる形状を有し、
前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の接合面と、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の外側の表面とがなす角αが鋭角であり、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の接合面の最端部は、厚さが無くなるように熱溶着されていることを特徴とする真空断熱材。 - 前記αは、3°以下であることを特徴とする請求項1記載の真空断熱材。
- 前記接合面の幅が7〜20mmであることを特徴する請求項1又は2に記載の真空断熱材。
- 前記熱溶着層の接合面以外の部分の厚さが30×10−6m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空断熱材。
- 芯材と、前記芯材を挟んで対向して設けられた一対の積層膜からなる外包材と、を備え、
前記積層膜は、外側から順に、表面保護層、保護層、ガスバリア層及び熱溶着層がこの順で積層された物であり、
前記一対の積層膜の端部において、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層が互いに接合されており、
前記積層膜の端部は、前記積層膜を構成する各層の積層方向に対して垂直な方向に沿って、前記外包材の内部から外部へ向かって先細りとなる形状を有し、
前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の接合面と、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の外側の表面とがなす角αが鋭角であり、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の接合面の最端部は、厚さが無くなるように熱溶着されていることを特徴とする真空断熱材を備えた機器。 - 前記機器が、冷蔵庫又はヒートポンプ給湯器であることを特徴とする請求項5記載の機器。
- 芯材と、前記芯材を挟んで対向して設けられた一対の積層膜からなる外包材と、を備え、前記積層膜は、外側から順に、表面保護層、保護層、ガスバリア層及び熱溶着層がこの順で積層された物である真空断熱材の製造方法であって、
前記一対の積層膜を作製する工程と、
前記一対の積層膜の内部に前記芯材を配置し、前記一対の積層膜の端部において、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層を接合する工程と、を有し、
前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層を接合する工程において、前記積層膜の端部が、前記積層膜を構成する各層の積層方向に対して垂直な方向に沿って、前記外包材の内部から外部へ向かって先細りとなる形状を有するように、かつ、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の接合面と、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の外側の表面とがなす角αが鋭角であり、前記一対の積層膜のそれぞれの前記熱溶着層の接合面の最端部は、厚さが無くなるように熱溶着されているように前記一対の積層膜の前記熱溶着層を熱溶着することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
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