JP7269468B2 - 真空断熱パネルの製造方法及び真空断熱パネル - Google Patents

真空断熱パネルの製造方法及び真空断熱パネル Download PDF

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Description

本発明は、真空断熱パネルの製造方法及び真空断熱パネルに関する。
冷蔵庫等に使用されている真空断熱パネルは、薄くて優れた断熱性能を有する。しかし、包材にラミネートフィルムを使用しているため、耐熱温度が低く、200℃を超える温度では使用できない。また、ヒートシール構造のためシール部よりガス(空気や水蒸気)が透過し、性能が経年劣化する問題もある。
一方、200℃以上で使用可能な優れた断熱性能を有する断熱材として、フュームドシリカ系(耐熱温度1000℃以上)の断熱材が各社より販売されている。しかし、フュームドシリカ系の断熱材は高価である。
このため、安価で経年劣化がなく、且つ高温においても優れた断熱性能を有する真空断熱パネルが求められている。
上記問題を顧みてアルミやステンレス等金属製の包材を使用し、シーム溶接やレーザ溶接等で真空封止を行い、シール部からのガス透過と耐熱性を改善した真空断熱パネルも提案されている。このような真空断熱パネルであればシール部からのガスの透過が無く80℃以下の温度領域では良好な断熱性能が維持できる。しかしながら、80℃を超える高温温度領域において使用した場合、真空断熱パネルの内部から種々のガスが発生し真空度を低下し、断熱性能が悪化する。このため、80℃を超える高温温度領域においても優れた断熱性能を有した真空断熱パネルを得るためには、このガスの発生を防止する必要がある。
このような高温時に発生するガスを除去する方法として、500℃で真空加熱処理を行いガス吸着剤で発生したガスを吸着する技術が提案されている(特許文献1参照)。
更に、芯材に対して、高周波加熱、マイクロ波加熱等の誘電加熱処理を行い、無機繊維断熱材に吸着した微量水分を除去し再吸着を防止する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特許4365736号公報 特開2007-24268号公報
しかし、特許文献1は、真空中で500℃まで加熱するための大型の真空加熱炉が必要となり、経済的ではなく、生産性も悪い。
特許文献2は、無機繊維断熱材に吸着した水分を除去するために高周波加熱、マイクロ波加熱等の誘電加熱処理で加熱する方法が提案されているが、誘電加熱装置はコストが高く経済的ではない。
本発明は、安価で、高温での使用が可能で、且つ高温においても優れた断熱性能を有する断熱パネルを製造する方法、及びその真空断熱パネルを提供することを目的とする。
本発明は、無機系の断熱材を加熱して、前記断熱材の結合水を除去する第1加熱工程と、一方が排気用の開口を備えた第1金属板と第2金属板との間に前記断熱材を配置する断熱材配置工程と、前記断熱材が間に配置された状態で、前記第1金属板と前記第2金属板の外周側を溶接して真空引き前パネルを製造する溶接工程と、前記真空引き前パネルを加熱して前記真空引き前パネルの付着水分を除去する第2加熱工程と、前記真空引き前パネルの内部空間を、前記開口を通じて真空引きする真空引き工程と、前記開口を封止材により塞ぐ封止工程と、を含む真空断熱パネルの製造方法を提供する。
前記第1加熱工程は、300°以上、熱間収縮温度以下で行うことが好ましい。
前記第2加熱工程は、100~300℃で行うことが好ましい。
前記真空引き工程は、前記内部空間の温度を80℃以上に保持した状態で行うことが好ましい。
また、本発明は、第1金属板と第2金属板との間に真空状態で無機系の断熱材が配置され、
400℃での熱伝導率が10mW/m・K以下である、真空断熱パネルを提供する。
本発明によれば、安価で、高温での使用が可能で、且つ高温においても優れた断熱性能を有する真空断熱パネルを製造する方法、及びその真空断熱パネルを提供することができる。
真空断熱パネル1の断面図である。 真空断熱パネル1の分解斜視図である。 真空断熱パネル製造装置2を示すブロック図である。 真空断熱パネル1の製造方法を示すフローチャートである。 評価に用いた加熱試験装置100を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 実施形態の真空断熱パネルの評価結果を示すグラフで、(a)は加熱温度ごとの冷却面温度を示したグラフで、(b)は加熱温度ごとの熱伝導率を示したグラフである。
(真空断熱パネル1)
以下、本発明の真空断熱パネル1の製造方法及びその製造方法で製造された真空断熱パネル1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は真空断熱パネル1の断面図である。図2は真空断熱パネル1の分解斜視図である。
真空断熱パネル1は、無機系の断熱材10と、断熱材10を挟むように配置される第1金属板20及び第2金属板30と、を備える。
(断熱材10)
断熱材10は、断熱性を有する素材であるガラス繊維やロックウール等の無機繊維を用いて、所定の厚みを有するように積層されて構成されている。
(金属板20,30)
本実施形態で、第1金属板20及び第2金属板30は、平面視において断熱材10よりも一回り大きな矩形形状で、断熱材10の上面及び下面を覆うように配置される。
第1金属板20及び第2金属板30の材料としては、アルミニウム合金板及びステンレス鋼板等の各種金属板を用いることができるが、耐熱性や長期に亘っての外観維持の観点から、強度及び耐食性に優れたステンレス鋼板を用いることが好ましい。実施形態ではステンレス鋼板を用いた。
第1金属板20及び第2金属板30の厚さは、真空断熱パネル1の内部の真空状態を好適に保ちつつ、高温加熱時の変形に耐え、軽量化する観点から、0.1mm~0.3mmであることが好ましい。
(膨出部21,31)
第1金属板20及び第2金属板30の中央部には断熱材収容用に膨出部21,31が設けられている。膨出部21,31は、第1金属板20及び第2金属板30のそれぞれの内面側が断熱材10に対応する形状に凹んで外面側に膨出した形状を有する。
その膨出部21、31の内面側(凹状になっている側)に断熱材10を収容した状態で、第1金属板20と第2金属板30とが重ね合わされている。重ね合わされた第1金属板20及び第2金属板30の周縁部40(4辺)はシーム溶接されている。また、第2金属板30の中央には円形の開口32が設けられている。
(補強材50)
また、第2金属板30の上部には補強材50が配置されている。補強材50は、円環形状に形成され、中央に第2金属板30の開口32と略同径の円形の開口部51が設けられている。開口部51の中心と、開口32の中心とが一致するようにして、補強材50は第2金属板30上に配置され、補強材50と第2金属板30とは全周においてレーザ溶接されている。
(封止材60)
補強材50の上側には、円板状の封止材60が配置され、封止材60により開口部51が封止されている。実施形態では、封止材60は、補強材50と同一径である。補強材50と、封止材60とは、後述するようにレーザ溶接され、真空断熱パネル1の内部は真空状態に保たれている。
本実施形態では、補強材50及び封止材60として、磁性体であるSUS430が用いられている。ただし、これに限定されず、補強材50は磁性体に限らず他の金属部材であってもよく、また封止材60は他の磁性体であってもよい。
(真空断熱パネル製造装置2)
つぎに、上述の真空断熱パネル1を製造する真空断熱パネル製造装置2について説明する。図3は、真空断熱パネル製造装置2を示すブロック図である。真空断熱パネル製造装置2は、断熱材10を加熱する加熱装置4と、第1金属板20及び第2金属板30の外周のシーム溶接工程を行うシーム溶接装置5と、シーム溶接が行われて、まだ内部が真空にされていない状態のパネルの内部を真空にして封止する真空装置3と、を備える。真空装置3は、真空吸引部3Aとレーザ溶接部3Bとを備える。
(真空断熱パネル1の製造方法)
図4は真空断熱パネル1の製造方法を示すフローチャートである。
本実施形態の真空断熱パネル1の製造方法は、第1加熱工程と、補強材溶接工程と、第1シーム溶接工程と、断熱材配置工程と、第2シーム溶接工程と、第2加熱工程と、真空引き工程と、封止工程と、切断工程と、を備える。
(第1加熱工程)
まず、断熱材10を、加熱装置4において、300℃以上、使用される断熱材10の熱間収縮温度以下、例えば400℃加熱の場合、0.5時間以上~2時間以下、例えば400℃で1時間加熱し、断熱材10の結合水を除去する(ステップ11)。
(熱間収縮温度以下の理由)
第1加熱工程は、断熱材10の結合水を除去することを主目的としている。結合水は、物質表面に付着している一般的な水分と違い、一旦除去すると再付着することは無く不可逆性のものと考えられる。このため、第1加熱工程において、断熱材10に付着した結合水を先ずは除去する。この加熱工程において一旦断熱材10に付着した水分も除去されるが、冷えると空気中の水蒸気を再吸着するため次項で述べる第2加熱工程で再除去する。結合水は断熱材10の主成分であるシリカの表面に存在する水酸基(-OH)と水素結合した水分子と考えられ、除去には高い熱エネルギーを必要とする。このため、300℃以上の高温で断熱材10を加熱することが好ましい。
しかし、断熱材10の熱間収縮温度以上になると、断熱材10が収縮して密度が増加し断熱効果が薄れるため、上限を熱間収縮温度以下とする。なお、熱間収縮温度は、グラスウールの場合、約400℃、ロックウールの場合、約600℃である。
(加熱時間の影響)
なお、結合水の除去は、加熱時間を長くするよりも加熱温度を上げる方が効果が高いと考えられる。この理由は、断熱材を300℃で2時間加熱した物と300℃で24時間加熱した物で高温加熱時の熱伝導率に大きな差が見られなかったためである。
300℃が結合水を完全除去できる温度であれば、長時間加熱することで結合水は次第に減少し、高温加熱時において熱伝導率に改善効果が見られるが、結果は同じであった。
つまり、両条件とも除去された結合水の量は同じだったと考えられる。一方、400℃で2時間加熱した物は300℃で2時間加熱した物より高温加熱時において熱伝導率が低くなっており性能改善効果が顕著であった。400℃で1時間加熱の物も性能は良好であった。
以上の結果より、加熱温度は300以上で熱間収縮温度以下が好ましい。また加熱時間は0.5~2時間が好ましい。
300℃では1~2時間加熱が必要で、但しこの条件では完全に結合水は除去できていないと考えられるが、性能改善効果が見られる。
400℃では、0.5~1時間必要で、1時間で結合水は除去され、より高性能な真空断熱パネルを得ることができる。
以上のように300℃以上熱間収縮温度以下で、0.5時間以上~2時間以下の時間で加熱することにより、断熱材10の結合水を除去できる。
(補強材溶接工程)
第2金属板30の開口32と補強材50の開口部51が一致するように重ね、レーザ接合により第2金属板30と補強材50を円周溶接する(ステップ12)。
(第1シーム溶接工程)
膨出部21が形成された第1金属板20を膨出部21が下方を向くように配置する。そして、その第1金属板20の上に、補強材50が取付けられた第2金属板30を膨出部31が上側を向くように重ね合わせる。この際、第2金属板30に接合された補強材50は外面側になるよう配置する。
そして、第1金属板20と第2金属板30の外周の、対向する2辺をシーム溶接により溶接する(ステップ13)。
(断熱材配置工程)
上述のように2辺がシーム溶接されたる第1金属板20と第2金属板30とのシーム溶接されていない側面を楕円状に開いて、膨出部21と膨出部31との間に、第1加熱工程において結合水が除去された断熱材10を挿入する(ステップ14)。
(第2シーム溶接工程)
断熱材10の位置を微調整後、第1シーム溶接工程と同一条件で、第1シーム溶接工程で残された2辺の金属板周縁部を第1シーム溶接工程のシーム溶接部と交差するように接合する(ステップ15)。
この時点で、残された開口部は補強材50の開口部51のみとなる。
以上の工程により、内部が真空にされていない真空引き前パネルが製造される。
(第2加熱工程)
真空引き前パネルを加熱装置4で再度加熱して、パネル内の包材と芯材に付着した水分を除去する(ステップ17)。
第2加熱工程での加熱温度の範囲は、第1加熱工程より低温で、100℃以上300℃以下が好ましく、例えば300℃である。加熱時間は1時間以上3時間以下、例えば2時間である。第2加熱工程における加熱温度を100℃以上とすることで、真空引き前パネルの付着水分を好適に除去できる。また、第2加熱工程における加熱温度を300℃以下とすることで、加熱により真空断熱パネル製造装置2に与える影響を低減できる。
(真空引き工程)
加熱直後に真空装置3に真空引き前パネルをセットし、補強材50の開口部51より真空引きを行う(ステップ17)。
この真空引き工程は、第2加熱工程直後に実施する事が好ましい。加熱直後に実施することでパネル内部が高温に保たれており、パネル内部で残存する空気及び水蒸気分子が活発に熱運動を起こしており真空引きの際に容易に排気が行えるからである。更に、真空引きはパネルを加熱しながら行うことでより効率的に排気が行える。加熱温度は、パネル内部が80℃以上、200℃以下で行うことが好ましく、例えば、パネルの片面側を300℃で加熱するとよい。
次いで図示しない真空ポンプを作動させ。チャンバ内が目標真空度2Pa以下になるまで真空引きを行う。
目標真空度到達後、封止材60により開口部51を塞ぐ。そして、封止材60を補強材50側に押圧する。この押圧により、降下した封止材60と、補強材50と第2金属板30とが重ねられた部分とは、隙間なく押さえられた状態になる。
(封止工程)
そして、レーザ溶接機を用い、封止板と補強材50を接合して真空封止する(ステップ18)。
(切断工程)
真空断熱パネルの外周部における余剰部分を切断する(ステップ19)。
以上の工程により、真空断熱パネル1が完成する。
(性能評価)
上述の製造方法により製造した真空断熱パネル1と、比較のために製造した比較例1及び比較例2の真空断熱パネルとの性能評価を行った結果について説明する。
比較例1の真空断熱パネルは、断熱材に第1加熱工程を行わなかった点と、第2加熱工程は200℃で2時間である点以外は実施形態の真空断熱パネル1と同様である。
比較例2の真空断熱パネルは、断熱材に第1加熱工程を行わなかった点以外は実施形態の真空断熱パネル1と同様であり、実施形態と同様に第2加熱工程を300℃で2時間行った。
断熱材10としては、寸法が350mm×350mm×10mmのグラスウールを用いた。
補強材50及び封止材60は、厚さ0.3mm、外径寸法70mmである。補強材50の開口部51は、第2金属板30に設けた開口32と同一となる直径20mmである。
第1加熱工程では断熱材10を400℃で2時間加熱した。
補強材溶接工程及び封止工程では、レーザ溶接機はIPG社製のファイバーレーザ溶接機を使用した。溶接速度:10m/min、出力:550W、レーザスポット径:φ0.2mm、レーザ発振方式は連続発振である。溶接条件は、出力のみ異なり補強材溶接工程では550W、封止工程では700Wの条件で溶接した。第1金属板20及び第2金属板30は、SUS304の鋼板を用い、寸法は400mm×400mm×0.1mmである。第2金属板30の中央には開口32があり、開口32の直径は20mmである。
第1シーム溶接工程及び第2シーム溶接工程では、シーム溶接機は直流インバーター式の溶接機を使用した。上側電極は、直径120mmで厚さ6mmの電極先端部がフラットの円盤状の物を用い、下側電極は、直径120mmで厚さ6mmの電極先端部の曲率が20Rの円盤状の物を用いた。溶接条件は、加圧力150N、溶接速度2m/min、溶接電流1.8kA、通電時間のON/OFF比は、3ms/2msとした。
第2加熱工程では、真空引き前パネルを300℃で2時間加熱した。
(常温での評価)
英弘精機社製の熱伝導率測定装置(型式:FOX200)を用い、真空断熱パネルの中央部の平均温度が25℃となる条件で熱伝導率を測定した。
その結果、比較例1,2、実施例のいずれの場合も熱伝導率は2.5~3.0mW/m・Kの範囲であり、常温においては断熱性能に差はなかった。
(高温での評価)
次に高温加熱時の断熱性能について評価した。
図5は評価に用いた加熱試験装置100を説明する図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。加熱試験装置100は、180mm角サイズのヒータ加熱部101を備えるホットプレートと、ヒータ加熱部101の外周に配置されて真空断熱パネルPを保持する断熱保持部材102と、真空断熱パネルPの加熱面(下面)と冷却面(上面)との中央部にそれぞれに取り付けられる2つの熱電対103と、真空断熱パネルPの冷却面に取り付ける1つの熱流計104と、を備える。熱電対103は、真空断熱パネルPの加熱面と冷却面の温度差を測定するために用い、熱流計104は真空断熱パネルPを通過した熱量を測定し、温度差、通過熱量、厚みより真空断熱パネルPの熱伝導率を算出した。
評価方法は以下である。
断熱保持部材102上に比較例1、比較例2、実施例の真空断熱パネルPをそれぞれ載置し、ヒータ加熱部101により加熱面を加熱した。そして、熱流計104により真空断熱パネルPの冷却面での熱流束を測定した。外気温は25℃と一定とした。
比較例1、比較例2、実施例それぞれの真空断熱パネルPの加熱面を、ヒータ加熱部101により、100℃、200℃、300℃、400℃、500℃のそれぞれの加熱温度に加熱し、冷却面の表面が平衡状態となった温度を熱電対103により測定し、冷却面温度とした。
評価結果を図6に示す。(a)は加熱温度ごとの冷却面温度を示したグラフで、(b)は加熱温度ごとの熱伝導率を示したグラフである。
(冷却面温度の差)
図6(a)のグラフに示すように、加熱温度が100℃と200℃とにおいて、比較例1、比較例2、実施例の真空断熱パネルPの間で冷却面温度に差は見られなかった。
加熱温度が300℃において、比較例1に対して、比較例2及び実施例の真空断熱パネルPの冷却面温度は低かった。
加熱温度が400℃において、真空断熱パネルPの熱伝導率は、比較例1、比較例2、実施例の順で低くなった。
加熱温度が500℃において、比較例1及び比較例2と、実施例との真空断熱パネルPの間で冷却面温度の差がより顕著となり、比較例1に対する実施例は表面温度が35℃以上低くなった。
(熱伝導率の差)
図6(b)のグラフに示すように、加熱温度が100℃と200℃とにおいて、比較例1、比較例2、実施例の真空断熱パネルPの間で熱伝導率にあまり差は見られなかった。
加熱温度が300℃において、比較例1に対して、比較例2及び実施例の真空断熱パネルPの熱伝導率は低かった。
加熱温度が400℃において、真空断熱パネルPの熱伝導率は、実施例が一番低く次いで比較例2、比較例1の順で低くなった。
加熱温度が500℃において、比較例1及び比較例2と、実施例の真空断熱パネルPの間での熱伝導率の差がより顕著となり、比較例1での熱伝導率は32mW/m・K程度、比較例2での熱伝導率28mW/m・K程度であったが、実施例では熱伝導率が10mW/m・Kと非常に小さい値となった。
真空断熱パネルPは、理想的には、内部が真空であるため高温状態において対流による熱伝導は発生せず、輻射熱の増加により熱伝導率が高くなると考えられている。しかし、真空断熱パネルPは、実際には高温状態において断熱材として使用しているグラスウールからガスが発生する。これにより真空断熱パネルPの内部の真空度が低下し、熱伝導率が上昇する。ゆえに輻射熱だけでなく対流が発生して滞留による熱伝導が発生する。
グラスウールはシリカを主成分とするが、このような断熱材は親水性が高く、表面に水分が付着しやすく、更に結合力が強固な不可逆性の結合水も同時に付着している。高温状態で発生するガスは、このような付着水分や結合水によるものと考えられる。
(付着水分除去)
比較例1は第2加熱工程において200℃で真空引き前パネルPを加熱している。比較例2及び実施例では第2加熱工程において300℃で真空引き前パネルPを加熱している。
上述の評価において、比較例1の真空断熱パネルPと、比較例2及び実施例の真空断熱パネルPとは、加熱温度300℃以上で冷却面温度と熱伝導率とに差が表れている。
このことより、比較例2及び実施例のように第2加熱工程を300℃で行うことで、クラスウール表面に付着した水分が除去されたと考えられる。
(結合水除去)
比較例1及び比較例2では400℃の第1加熱を行っていないが、実施例では400℃の第1加熱を行っている。
上述の評価において、比較例1の真空断熱パネルPと、比較例2及び実施例の真空断熱パネルPと、実施例の真空断熱パネルP(1)は、加熱温度が400℃において、真空断熱パネルPの冷却面温度が、実施例、比較例2、比較例1の順で低くなり、熱伝導率も、実施例、比較例2、比較例1の順で低くなっている。
このことにより、除去には高い加熱温度(熱エネルギー)での熱処理が必要な結合水が、実施形態のように、400℃の第1加熱工程を行うことで、除去されたと考えられる。
(真空引き時の水分除去)
更に、実施形態によると真空引き時にパネル内部の温度は80℃以上を維持しており、この状態で真空引きした事により、水分の再吸着を防止できたと考えられる。
以上、本実施形態によると、400℃で予め加熱した断熱材10を、真空断熱パネル1に組み込むことで、高温加熱時にパネル内部の断熱材10から発生するガスを防止し、対流による熱伝導を抑制可能となり、その結果、熱伝導率が低い高性能な真空断熱パネル1を得ることが可能となる。
実施形態で得られた真空断熱パネル1は加熱温度が500℃においても熱伝導率が10mW/m・Kと小さい値であり、高温でも高性能な真空断熱パネル1を得ることができた。
1 真空断熱パネル
2 真空断熱パネル製造装置
3 真空装置
3A 真空吸引部
3B レーザ溶接部
4 加熱装置
5 シーム溶接装置
10 断熱材
20 第1金属板
30 第2金属板
31 膨出部
32 開口
40 周縁部
50 補強材
51 開口部
60 封止材
100 加熱試験装置、
101 ヒータ加熱部
102 断熱材
103 熱電対
104 熱流計

Claims (2)

  1. 無機系の断熱材を300℃以上、熱間収縮温度以下になるように加熱して、前記断熱材の結合水を除去する第1加熱工程と、
    一方が排気用の開口を備えた第1金属板と第2金属板との間に前記断熱材を配置する断熱材配置工程と、
    前記断熱材が間に配置された状態で、前記第1金属板と前記第2金属板の外周側を溶接して真空引き前パネルを製造する溶接工程と、
    前記真空引き前パネルを前記第1加熱工程より低温かつ100~300℃になるように加熱して前記真空引き前パネルの付着水分を除去する第2加熱工程と、
    前記真空引き前パネルの内部空間を、前記開口を通じて真空引きする真空引き工程と、
    前記開口を封止材により塞ぐ封止工程と、
    を含む真空断熱パネルの製造方法。
  2. 前記真空引き工程を、前記内部空間の温度を80℃以上に保持した状態で行う、請求項1に記載の真空断熱パネルの製造方法。
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