JP2007211982A - 真空断熱材の製造方法 - Google Patents

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宗登 山田
Kazuo Hashimoto
一夫 橋本
Hiroaki Katsumura
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Kiyoshi Kinoshita
清志 木下
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Abstract

【課題】比較的厚みのある芯材を使用した場合であっても、熱溶着の範囲が広くでき、真空断熱材のシール不良を低減でき、シール性をより向上させることができるようにする。
【解決手段】2枚の外被材12a,12bが芯材13を覆うように製造装置20に外被材12a,12bと芯材13が配置され、チャンバー16内は上側の外被材12aにより2つの空間16a,16bに区切られる。そして上下の熱板17により外被材12a,12bを加熱すると共に、配管18a,18bを通じてチャンバー16内の真空排気を行う。チャンバー16内が所定の真空度に到達したとき、まず、枠シールヒーター21により外被材12a,12bの外周部がシールされ、配管18aより真空開放を行う。このとき真空断熱材19の内外で差圧が発生し、外被材12aと外被材12bが互いに接触していき、芯材13に沿って熱溶着がされる。
【選択図】図2

Description

本発明は、真空断熱材の製造方法に関するものである。
近年、地球環境保護が大きく叫ばれるなか、家電製品の省エネルギー化は緊急に取り組むべき重要な課題となってきている。この解決方法の一つとして、無駄な熱の伝熱を防ぐ目的での真空断熱材の適用がある。
真空断熱材は、発泡樹脂や繊維材等を芯材として外被材内に入れた断熱材で、断熱材内部を真空に保つことにより気体の熱伝導率を著しく低下させたものであり、その断熱性能を長期に渡って維持するためには、断熱材内部を真空に保ち続ける必要がある。しかし、長期的に見ると、外被材端辺部分にある熱溶着した樹脂層を透過して真空断熱材の内部に、外部から空気や水蒸気などのガスが徐々に侵入し、真空度が低下して断熱性能が悪化してしまうという課題がある。
特許文献1には、熱溶着層を有するガスバリア性の外被材の前記熱溶着層同士を対向させた間に板状の芯材を配置し、減圧下で、前記外被材の間に前記芯材がある部分を含めて弾性体で構成された熱板で加熱加圧して、対向する前記熱溶着層同士を芯材形状に沿うように熱溶着する真空断熱材の製造方法が開示されている。
この特許文献1に開示された真空断熱材の製造方法によれば、芯材の周囲の熱溶着の幅を大きくできるので、外被材内部の真空度低下が抑制され、真空断熱材の断熱性能を維持することができる。
特開2004−197935号公報
また、特許文献1に開示されたものは、外被材の間に芯材がある部分を含めて弾性体で構成された熱板で加熱加圧することにより、外被材を熱溶着するので、熱板で加熱加圧している時に、外被材の間に芯材のない部分は、外被材の間に芯材のある部分に較べて圧力が掛かりにくく、そのため、使用可能な芯材が圧縮時に数ミリ以下の厚みになる芯材に限られ、比較的厚みのある芯材を使用した場合は、外被材の間に芯材のない部分に加圧不足が生じて熱溶着不良が生じる可能性があり、また、外被材の間に芯材のない部分に加圧不足が生じないように熱板の荷重を大きくすると、芯材の圧縮が大きくなって芯材部分の固体熱伝導が大きくなり、真空断熱材の断熱性能が悪くなる可能性があった。また、外被材の間に芯材のない部分に掛かる圧力の大きさは、熱板の柔軟性および弾性と芯材の形状や厚みに依存しやすいので、外被材の間に芯材のない部分(熱溶着すべき部分)に掛かる圧力の制御が困難であった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、比較的厚みのある芯材を使用した場合であっても、熱溶着の範囲を広くでき、シール不良を低減できる真空断熱材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材の製造方法は、内面に熱溶着層を有するガスバリア性のラミネートフィルムからなる外被材内に芯材を減圧空間内において減圧密封した後、前記外被材の外圧を高めて前記外被材の外圧と内圧との差圧で前記外被材の間に芯材がない部分の前記外被材同士を密着させ、前記差圧で前記外被材同士が密着している部分に前記熱溶着層が溶融するのに必要な熱を非接触で加えて、前記密着している前記外被材同士を熱溶着するのである。
これによって、比較的厚みのある芯材を使用した場合であっても、熱溶着の範囲を広くでき、真空断熱材のシール不良を低減でき、シール性をより向上させることができる。
本発明の真空断熱材は、比較的厚みのある芯材を使用した場合であっても、熱溶着の範囲を広くでき、真空断熱材のシール不良を低減でき、シール性をより向上させることができる。
本発明の請求項1に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、内面に熱溶着層を有するガスバリア性のラミネートフィルムからなる外被材内に芯材を減圧空間内において減圧密封した後、前記外被材の外圧を高めて前記外被材の外圧と内圧との差圧で前記外被材の間に芯材がない部分の前記外被材同士を密着させ、前記差圧で前記外被材同士が密着している部分に前記熱溶着層が溶融するのに必要な熱を非接触で加えて、前記密着している前記外被材同士を熱溶着することを特徴とするものであり、通常の確立された真空断熱材の製造方法で、外被材内に芯材を減圧空間内において減圧密封した真空断熱材を得た後、外被材の外圧と内圧との差圧で外被材同士が密着する部分に熱溶着層が溶融するのに必要な熱を非接触で加えて、密着している外被材同士を熱溶着することにより、熱溶着層同士が密着する部分のすべての外被材が熱溶着された真空断熱材を提供することができる。また、部材で押圧することなく外被材同士を密着でき、外被材の外圧と内圧との差圧で外被材同士が密着する部分を熱溶着する時の熱を、非接触で加えるので、芯材の形状に合わせた加熱板等を必要とせずに加熱できるとともに、外被材に折り目などのストレスをかけたり傷を付けたりすることがなく、ピンホール等の発生を抑制することができる。
したがって、比較的厚みのある芯材を使用した場合であっても、熱溶着の範囲が広くでき、真空断熱材のシール不良を低減でき、シール性をより向上させることができる。
また、請求項2に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記減圧空間内において外被材内に芯材を減圧密封する工程が、前記芯材が挿入された袋状の外被材の開口部を熱溶着するものであり、例えば、予め3方を熱溶着でシールして袋状にした外被材を使用し、芯材を袋状の外被材に挿入した後、減圧空間内において外被材の開口部を加熱部材で押さえて溶着するものである。
また、請求項3に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記減圧空間内において外被材内に芯材を減圧密封する工程が、前記芯材を覆う2枚の前記外被材の外周部を熱溶着するものである。
また、請求項4に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記外被材の外圧と内圧との差圧で前記外被材の間に芯材がない部分の前記外被材同士を密着させる時に、前記外被材の外圧を大気圧にするものであり、例えば、減圧空間内において外被材内に芯材を減圧密封した真空断熱材を、前記減圧空間から取り出すことにより、外被材の外圧を大気圧に高めることができる。
また、請求項5に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、外被材内に芯材を減圧密封する工程と、前記外被材の外圧を高めて前記外被材の外圧と内圧との差圧で密着している前記外被材同士を熱溶着する工程とを、内部空間の真空排気と真空開放が可能なチャンバー内で行うことを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、請求項5記載の発明において、前記非接触で加える熱溶着層が溶融するのに必要な熱は、外被材の外圧と内圧との差圧で前記外被材の間に芯材がない部分の前記外被材同士が密着する前から加えることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、請求項4記載の発明において、前記減圧空間内において外被材内に芯材を減圧密封したものを、前記減圧空間から取り出すことにより、前記外被材の外圧を大気圧に高めることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明において、前記非接触で加える熱溶着層が溶融するのに必要な熱が、ヒータの輻射熱と周囲の温度であることを特徴とするものである。
また、請求項9に記載の真空断熱材の製造方法の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の発明において、前記非接触で加える熱溶着層が溶融するのに必要な熱が、外被材全体を加熱するものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図、図2は同実施の形態の真空断熱材の製造装置の概略断面図である。
図1において、真空断熱材19は、2枚の外被材12で芯材13を覆ってなり、外被材12の内部を真空に保っている。
外被材12は熱溶着層14a,14bを有し、熱溶着層14aは芯材13に沿って熱溶着されており、上下の外被材12の熱溶着層14a,14bが一体化している。なお熱溶着層14aと熱溶着層14bの厚みは異なる厚みとなっており、熱溶着層14bにより外被材12の外周部がシールされている。
真空断熱材19は図2における製造装置20で作製される。製造装置20はチャンバー16内に上下2枚の熱板17と外被材12の外周部を熱溶着するための枠シールヒーター21を有し、上下から真空排気および真空開放が行えるように配管18a,18bが接続された構造となっている。
製造装置20に外被材12a,12bと芯材13が配置され、チャンバー16内は外被材12aにより2つの空間16a,16bに区切られる。そして上下の熱板17により外被材12を加熱すると共に、配管18a,18bを通じてチャンバー16内の真空排気を行う。チャンバー16内が所定の真空度に到達したとき、まず、枠シールヒーター21により外被材12の外周部がシールされ、配管18aより真空開放を行う。このとき真空断熱材19の内外で差圧が発生し、外被材12aと外被材12bが互いに接触していき、芯材13に沿って熱溶着がされる。
以上のように、真空断熱材19は外被材12の外周とその内周側とで表面の状態が異なり、気体の圧力が真空断熱材19の内外に発生する差圧によるものであり、外圧は大気圧であり加圧装置を設ける必要がなく、容易に真空断熱材19を提供することができる。
本実施の形態の真空断熱材19は、熱溶着層14a,14b同士が対向するガスバリア性の外被材12で芯材13が覆われ、外被材12全体が熱溶着層14a,14bが溶融する温度に加熱され、且つ、枠シールヒーター21により外被材12の外周部の熱溶着層14b同士が熱溶着され、さらに、外被材12全体に均等に外被材12の外側から内側への圧力が加えられて、対向する熱溶着層14a同士が熱溶着されたものである。
また、本実施の形態の真空断熱材19は、熱溶着層14a,14b同士が対向するガスバリア性の外被材12の間に芯材13が減圧密封されて成り、外被材12全体が熱溶着層14a,14bが溶融する温度に加熱され、且つ、枠シールヒーター21により外被材12の外周部の熱溶着層14b同士が熱溶着され、さらに、外被材12全体に均等に外被材12の外側から内側への圧力が加えられて、対向する熱溶着層14a同士が熱溶着されているものである。
上記のように構成された本実施の形態の真空断熱材19は、外被材12全体が熱溶着層14a,14bが溶融する温度に加熱され、且つ、枠シールヒーター21により外被材12の外周部の熱溶着層14b同士が熱溶着され、さらに、外被材12全体に均等に外被材12の外側から内側への圧力が加えられて、対向する熱溶着層14a同士が熱溶着されているので、10ミリを超えるような比較的厚みのある芯材13を使用した場合であっても、芯材13を必要以上に圧縮することなく、外被材12の間に芯材13のない部分(熱溶着すべき部分)に所定の圧力が加えられて確実に熱溶着されている。
したがって、比較的厚みのある芯材13を使用した場合であっても、芯材13の近傍において、シワの発生を抑えて、大気圧で外被材12同士が密着する部分の全てが確実に熱溶着された真空断熱材19を得ることができ、芯材13の際まで熱溶着の範囲が広がりシール性をより向上させることができ、対向する熱溶着層14a同士が熱溶着された熱溶着部の品質、信頼性を均一にすることができ、長期信頼性を有する真空断熱材19を提供することができる。
また、本実施の形態では、熱溶着層14aの熱溶着時の圧力を、流体により加えられる圧力としており、流体を使うことにより、外被材12全体に均等に圧力をかけることが容易に行える。
また、本実施の形態では、熱溶着層14aの熱溶着時の圧力が、流体により直接的に加えられるものであり、外被材12にストレスをかけたり傷を付けたりすることがなく、ピンホール等の発生が抑制された真空断熱材19を提供することができる。
また、本実施の形態では、流体に気体を使用している。そのため、流体に液体を使用するものに較べて、簡単で、外被材12に付着した液体を取り除くなどの後処理がいらず、外被材12に悪影響を及ぼす可能性が少ない。
また、本実施の形態では、気体により加えられる圧力を大気圧としている。そのため、真空に近い減圧空間内で、芯材13を外被材12で覆った後、減圧空間を常圧に戻すだけで、外被材12全体に均等に外被材12の外側から内側へ大気圧を加えることができ、また、大気圧は熱溶着に充分な加圧となるので、加圧装置を設ける必要がなく、容易に真空断熱材11を提供することができる。
なお、熱溶着層14a,14bにポリエチレンを用いると、ポリエチレンは比較的低い温度で溶着できるので、追加加熱による溶着が容易で、より低コストで真空断熱材19を提供することができる。
また、外被材12の最外層にポリエチレンテレフタレートからなる保護層を設けてもよい。このように外被材12の最外層に表面保護を目的とした材料を配設することで、より確実な耐傷付き性や耐突き刺し性を発揮させてピンホール等の発生を抑制する作用を有し、長期信頼性を有する真空断熱材19を提供することができる。その中でポリエチレンテレフタレートは安価な材料であり、より低コストで真空断熱材19を提供することができる。
また、熱溶着層14aの熱溶着時の加熱を、非接触で外被材12に加える場合は、芯材13の形状に合わせた加熱板等を必要とせずに加熱できるとともに、外被材12に折り目などのストレスをかけたり傷を付けたりすることがなく、ピンホール等の発生を抑制することができる。
また、熱溶着層14aの熱溶着時の加熱を、熱板17の輻射熱により加える場合は、非接触で加熱することができるとともに、減圧空間中でも外被材12を加熱することができる。
なお、本実施の形態の真空断熱材19は、吸着剤を備えていないが、吸着剤を備えても良い。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図、図4は同実施の形態の真空断熱材の要部断面図である。
図3において、真空断熱材22は、2枚の外被材23で芯材24を覆ってなり、外被材23の内部を真空に保っている。
真空断熱材22の外周ヒレ部25は、外被材23が通常に熱溶着されたシール部26と、あとからの加熱で熱溶着された密着シール部27とからなる。
図4において、外被材23は外側から第1の保護層28と、第2の保護層29と、ガスバリア層30と、熱溶着層31とを有するラミネートフィルムであり、2枚のラミネートフィルムを向かい合わせている。第1の保護層28はポリエチレンテレフタレートフィルム、第2の保護層29はナイロンフィルム、ガスバリア層30はアルミニウム箔、熱溶着層31は超低密度ポリエチレン(VLDPE)フィルムを用いて、その厚さは、ポリエチレンテレフタレートフィルムは12μm、ナイロンフィルムは15μm、アルミニウム箔は6μm、超低密度ポリエチレン(VLDPE)フィルムは50μmである。
次に、真空断熱材22の製造方法を図3と図4に基づき説明する。
芯材24は、密度275kg/m3のグラスウールボードで、140℃の乾燥炉で1時間乾燥させる。外被材23は、予め3方をシールして袋状にしておく。次に真空近く(例えば10Pa)まで減圧した空間内で芯材24を袋状の外被材23に挿入し、外被材23の開口部を加熱板で押さえて溶着し、シール部26を形成したのち減圧空間から取り出して通常の真空断熱材22を得る。このとき、外周ヒレ部25は大気圧で密着し、シール部26とまだ溶着されていない密着シール部27とよりなる。
次に、真空断熱材22の追加加熱として、上下にヒーターが設置された間を密着シール部27の熱溶着層が溶融する温度になるように通過させる。このとき外被材23は、ヒーターの輻射熱と周囲の温度によって加熱される。そして、大気圧下のまま直ちに冷却して密着シール部27を含めて外被材すべてを熱溶着した真空断熱材22を作製する。
以上のように、真空断熱材22は、外被材全体を加熱して外被材23の外周ヒレ部25のシール部26を熱溶着した後、シール部26とは別の密着シール部27も熱溶着したことにより、シール幅が拡大してシール性が向上するとともに、シワの発生やシール不良が発生せず、外部からのガスバリア性が向上し、長期信頼性を有する真空断熱材を提供することができる。
追加の加熱における温度や時間は、真空断熱材の使用材料や形状や加熱装置の仕様によって最適条件を任意に決定すればよい。また、大気圧がかかっているため問題はないが、初めに熱溶着したシール部26を保護するために適度に押圧しておくことは望ましい。
本実施の形態の真空断熱材22は、芯材24をガスバリア層30と熱溶着層31とを有する外被材23で覆い、外被材23の内部を減圧して、外被材23の外周を熱溶着でシールしシール部26を形成した真空断熱材22において、シール部26の内周側の外被材23同士が密着している部分が全て熱溶着されているものである。
これにより、通常の周知の熱溶着によるシールと変わらず容易にでき、シワの発生やシール不良が発生しない上に、従来、外被材23が密着しているだけで溶着していなかった部分(密着シール部27)も熱溶着するので、熱溶着の範囲が広がりシール性をより向上させることができ、長期信頼性を有する真空断熱材22を提供することができる。
また、シール部26の内周側の熱溶着されている部分(密着シール部27)に加熱部材が加圧した跡が残っていない。そのため、外被材23に折り目などのストレスをかけたり傷を付けたりすることがなく、ピンホール等の発生が抑制された真空断熱材22を提供することができる。
また、本実施の形態では熱溶着層31はポリエチレンからなる。ポリエチレンは比較的低い温度で溶着できるので、追加加熱による溶着が容易で、より低コストで真空断熱材22を提供することができる。
また、本実施の形態では、外被材23が最外層にポリエチレンテレフタレートからなる第1の保護層28を有する。最外層には表面保護を目的とした材料を配設することで、より確実な耐傷付き性や耐突き刺し性を発揮させてピンホール等の発生を抑制する作用を有し、長期信頼性を有する真空断熱材22を提供することができる。その中でポリエチレンテレフタレートは安価な材料であり、より低コストで本実施の形態の真空断熱材22を提供することができる。
本実施の形態の真空断熱材22の製造方法は、芯材24をガスバリア層30と熱溶着層31とを有する外被材23で覆い、外被材23の内部を減圧して、外被材23の外周を熱溶着してシールした後、外被材23同士が密着しているだけで熱溶着していない非シール部に熱溶着層31が溶融するのに必要な熱を加えて熱溶着するものであり、通常の確立された製造方法に加えて、それで熱溶着されなかった外被材23の非シール部まで熱溶着することにより、熱溶着層31同士が密着する部分のすべての外被材23が熱溶着された真空断熱材22を提供することができる。
本実施の形態の真空断熱材22の製造方法は、密着シール部27の熱溶着時の熱を、非接触で加えるものであり、芯材24の形状に合わせた加熱板等を必要とせずに加熱できるとともに、外被材23に折り目などのストレスをかけたり傷を付けたりすることがなく、ピンホール等の発生を抑制することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3における製造方法を図5に基づいて説明する。真空断熱材22の材料は、実施の形態2に示したものと同一である。
図5は、実施の形態3における真空断熱材の製造装置の概略断面図である。真空断熱材22は図3に示した実施の形態2のものと同一である。
減圧空間32内で芯材24の上下を外被材23で覆い、上下の外被材23がずれないように周囲を仮固定しておく。外被材23の更に上下には面状ヒーター33を備えている。減圧状態を保ちながら、面状ヒーター33を加熱して、外被材23の表面を140℃〜170℃で30秒〜10秒間保持して外被材23の熱溶着層を溶融する。このとき外被材23は、面状ヒーター33の輻射熱によって加熱される。
続いて、外周全体を押圧板34で押さえて密着させてシール部26を形成したのち、減圧空間を常温常圧に戻す。これによって、真空断熱材22の密着シール部27は大気圧により押圧されると同時に溶着され、外周ヒレ部25全体が熱溶着される。すなわち、外周ヒレ部25は全てが熱溶着され、熱溶着されていない外被材の密着部分は存在しないことになる。
以上のように、実施の形態3においては、真空断熱材22は、外被材全体を加熱して外被材23の外周ヒレ部25のシール部26を熱溶着した後、またはほぼ同時にシール部26とは別の密着シール部27も熱溶着したことにより、シワの発生やシール不良が発生せず、シール性が向上し、外部からのガスバリア性が向上し、長期信頼性を有する真空断熱材を提供することができる。また、一つの空間内でこれらのシール部をほぼ同時に熱溶着することで、真空断熱材22の製造時間を短縮することができる。
なお、熱溶着層31に使用する材料を超低密度ポリエチレンにすることにより、低温で熱溶着できるため工数を小さくできる。また、熱溶着層31に使用する材料を高密度ポリエチレンにすることにより、真空断熱材22の適用温度範囲をさらに高くでき、また、ガスバリア性をさらに向上させることができる。
本実施の形態の真空断熱材22の製造方法は、減圧空間32で、芯材24をガスバリア層30と熱溶着層31を有する外被材23で覆い、減圧空間32を熱溶着層31の融点を上回る温度に保持して熱溶着層31を所定の溶融状態とし、外被材23の外周を押圧しながら減圧空間32を常圧に戻して、外被材23の非押圧部を含めて密着させて熱溶着するものであり、通常の外被材23を加熱押圧する熱溶着と、大気圧による外被材23の密着を利用した熱溶着とを同時に行うことで、真空断熱材22をより短時間で製造することができる。
本発明は、比較的厚みのある芯材を使用した場合であっても、熱溶着の範囲が広くでき、真空断熱材のシール不良を低減でき、シール性をより向上させることができるので、冷蔵庫などの冷温機器に適用できる。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図 同実施の形態の真空断熱材の製造装置の概略断面図 本発明の実施の形態2における真空断熱材の断面図 同実施の形態の真空断熱材の端部を示す要部拡大断面図 本発明の実施の形態3における真空断熱材の製造装置の概略断面図
符号の説明
19,22 真空断熱材
12,12a,12b,23 外被材
13,24 芯材
14a,14b,31 熱溶着層
25 外周ヒレ部
26 シール部
27 密着シール部

Claims (9)

  1. 内面に熱溶着層を有するガスバリア性のラミネートフィルムからなる外被材内に芯材を減圧空間内において減圧密封した後、前記外被材の外圧を高めて前記外被材の外圧と内圧との差圧で前記外被材の間に芯材がない部分の前記外被材同士を密着させ、前記差圧で前記外被材同士が密着している部分に前記熱溶着層が溶融するのに必要な熱を非接触で加えて、前記密着している前記外被材同士を熱溶着することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  2. 前記減圧空間内において外被材内に芯材を減圧密封する工程は、前記芯材が挿入された袋状の外被材の開口部を熱溶着するものである請求項1記載の真空断熱材の製造方法。
  3. 前記減圧空間内において外被材内に芯材を減圧密封する工程は、前記芯材を覆う2枚の前記外被材の外周部を熱溶着するものである請求項1記載の真空断熱材の製造方法。
  4. 前記外被材の外圧と内圧との差圧で前記外被材の間に芯材がない部分の前記外被材同士を密着させる時に、前記外被材の外圧を大気圧にすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材の製造方法。
  5. 外被材内に芯材を減圧密封する工程と、前記外被材の外圧を高めて前記外被材の外圧と内圧との差圧で密着している前記外被材同士を熱溶着する工程とを、内部空間の真空排気と真空開放が可能なチャンバー内で行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材の製造方法。
  6. 前記非接触で加える熱溶着層が溶融するのに必要な熱は、外被材の外圧と内圧との差圧で前記外被材の間に芯材がない部分の前記外被材同士が密着する前から加えることを特徴とする請求項5記載の真空断熱材の製造方法。
  7. 前記減圧空間内において外被材内に芯材を減圧密封したものを、前記減圧空間から取り出すことにより、前記外被材の外圧を大気圧に高めることを特徴とする請求項4記載の真空断熱材の製造方法。
  8. 前記非接触で加える熱溶着層が溶融するのに必要な熱は、ヒータの輻射熱と周囲の温度であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の真空断熱材の製造方法。
  9. 前記非接触で加える熱溶着層が溶融するのに必要な熱は、外被材全体を加熱する請求項1から8のいずれか一項に記載の真空断熱材の製造方法。
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