JP2018096388A - 断熱部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】寸法精度が高い断熱部材を提供する。【解決手段】断熱部材10は、芯材2とフィルム体1とを備える。フィルム体1は、芯材2を内部に保持し、ガスバリア性を有する。フィルム体1の内部はフィルム体1の外部と比べて減圧されている。フィルム体1は、第1接触部分11aと、第2接触部分12aと、第1延在部分11bと、第2延在部分12bとを含む。第1延在部分11bと第2延在部分12bとの少なくとも一部は、芯材2から距離を隔てて配置された封止用固定部3と、芯材2と封止用固定部3との間に位置する少なくとも1つの位置決め固定部4a〜4eとにおいて固定されている。【選択図】図2
Description
本発明は、断熱部材およびその製造方法に関する。
従来、真空断熱板などの断熱部材については、フィルム体で作られた袋の中に芯材を入れ、当該芯材を袋の上から平面状に押さえた状態で減圧し、そのまま袋を封止する方法で作られていた(たとえば、特開平7−269781号公報および特開2004−197935号公報参照)。
上述した従来の断熱部材の製造方法では、減圧前の芯材の体積が大きいために、袋の寸法を大きくする必要がある。その結果、減圧後の断熱部材では芯材の周囲に余剰のフィルム体が突出していた。この場合、余剰のフィルム体を折りたたんで断熱部材の形状を整える必要が有った。
また、フィルム体が余っていることで減圧後の断熱部材の表面にシワや角部などにフィルム体の一部が突出した部分が発生することがあった。さらに芯材の位置がフィルム体の内部において変動し、断熱部材の形状や減圧封止時の封止部の品質に影響を及ぼすことがあった。
特許文献1では、このような真空断熱材において、芯材をフィルム体の上に置き、芯材を挟むように当該フィルム体を折り曲げて、フィルム体の外周部を溶着することで、断熱部材の外周部におけるフィルム体の形状の安定化を図っている。しかし、特許文献1に開示された断熱部材では、上記のように余剰のフィルム体によるシワが発生する可能性が有る。
特許文献2では、芯材をフィルム体により挟んだ状態で、真空下で芯材の周囲のフィルム体を溶着している。しかし、特許文献2に開示された断熱部材では、真空状態から大気圧に開放する時に芯材の形状や位置が変化する可能性が有る。上記のような問題は、断熱部材を冷蔵庫等の機器に取り付けた場合の断熱性能に影響する可能性がある。
そこで、本発明は、減圧後においても芯材周囲のフィルム体の形状と芯材の位置とが安定し、全体の寸法精度が高い断熱部材を提供することを目的とする。
本開示に従った断熱部材は、芯材とフィルム体とを備える。芯材は、第1表面部分と、第2表面部分とを含む。第2表面部分は、第1表面部分と反対側に位置する。フィルム体は、芯材を内部に保持し、ガスバリア性を有する。フィルム体の内部はフィルム体の外部と比べて減圧されている。フィルム体は、第1接触部分と、第2接触部分と、第1延在部分と、第2延在部分とを含む。第1接触部分は、芯材の第1表面部分に接する。第1延在部分は、第1接触部分に連なり芯材と距離を隔てて配置される。第2接触部分は、芯材の第2表面部分に接する。第2延在部分は、第2接触部分に連なり芯材と距離を隔てて配置されるとともに、第1延在部分に面して配置される。第1延在部分と第2延在部分との少なくとも一部は、芯材から距離を隔てて配置された封止用固定部と、芯材と封止用固定部との間に位置する少なくとも1つの位置決め固定部とにおいて固定されている。
本開示に従った断熱部材の製造方法は、内部に芯材が配置され、ガスバリア性を有するフィルム体を準備する工程と、少なくとも1つの位置決め固定部を形成する工程と、フィルム体の芯材が配置された内部を減圧する工程と、減圧されたフィルム体の内部をフィルム体の外部から封止する工程と、を備える。芯材は、第1表面部分と、第1表面部分と反対側に位置する第2表面部分とを含む。フィルム体は、第1接触部分と、第2接触部分と、第1延在部分と、第2延在部分とを含む。第1接触部分は、芯材の第1表面部分に接する。第1延在部分は、第1接触部分に連なり芯材と距離を隔てて配置される。第2接触部分は、芯材の第2表面部分に接する。第2延在部分は、第2接触部分に連なり芯材と距離を隔てて配置されるとともに、第1延在部分に面して配置される。第1延在部分と第2延在部分との少なくとも一部は、芯材から距離を隔てて配置された封止用固定部において固定される。少なくとも1つの位置決め固定部を形成する工程において、第1延在部分と第2延在部分との少なくとも一部を固定するように、芯材と封止用固定部との間に位置する少なくとも1つの位置決め固定部を形成する。
位置決め固定部を形成することで、芯材の位置精度が改善し、さらに減圧封止後のフィルムの余剰が減少することで外形形状が安定した、断熱部材を得ることができる。さらに、位置決め固定部を形成するときに芯材の位置や形状を調整し、固定することができる。結果として外形の寸法精度の高い断熱部材を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
実施の形態1.
<断熱部材の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る断熱部材の斜視模式図である。図2は、図1の線分II−IIにおける断面模式図である。図1および図2を参照して、本実施の形態に係る断熱部材10の構成を説明する。
<断熱部材の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る断熱部材の斜視模式図である。図2は、図1の線分II−IIにおける断面模式図である。図1および図2を参照して、本実施の形態に係る断熱部材10の構成を説明する。
図1および図2に示すように、真空断熱板である断熱部材10は、外装フィルムであるフィルム体1および芯材2により構成されている。断熱材層となる芯材2は、任意の断熱性の材料を用いることができる。たとえば、芯材2の材料としては、ガラス繊維、樹脂繊維、植物繊維等の繊維、または発泡ウレタンや発泡スチロール等の樹脂、さらにはガラスボールを混練した樹脂等の断熱材料である。
フィルム体1は、ガスバリア性を有する任意の材料を用いることができるが、たとえば複合プラスチックラミネートフィルムなどから形成される。フィルム体1は、少なくとも片側のフィルムの接触面が熱可塑性樹脂となっている。そのため、フィルムを重ね合わせた状態で加熱し、フィルムの面方向に加圧することでフィルムの溶着面が溶融し、フィルム同士の溶着が可能である。
芯材2は2枚のフィルムからなるフィルム体1に挟まれた状態になっている。芯材2の平面形状は図1からも分かるように四角形状となっているが、他の形状であってもよい。それぞれのフィルムの辺縁部は、上記の溶着方法により、第一の熱溶着部としての封止用固定部3により互いに溶着されている。芯材2の辺縁部に沿って第二の熱溶着部としての位置決め固定部4a〜4eが形成されている。位置決め固定部4a〜4eにおいても2枚のフィルムは互いに接合されている。さらに最終的に芯材2を封止するための第三の溶着部としての最終封止用固定部5が設けられている。
フィルム体1を構成する2枚のフィルムに挟まれた形で芯材2を配置し、封止用固定部3と、最終封止用固定部5とによりフィルムを封止することで、フィルム体1の内部を真空に保つため断熱効果のある板である断熱部材10を製造できる。なお、断熱部材10の製造方法の詳細については後述する。また、上記封止用固定部3、位置決め固定部4a〜4e、最終封止用固定部5は、それぞれ複数箇所の溶着部を含んでいてもよい。
一部重複する記載もあるが、上記した断熱部材10の特徴的な構成を異なる観点から言えば、本開示に従った断熱部材10は、芯材2とフィルム体1とを備える。芯材2は、第1表面部分2aと、第2表面部分2bとを含む。第2表面部分2bは、第1表面部分2aと反対側に位置する。フィルム体1は、芯材2を内部に保持し、ガスバリア性を有する。フィルム体1の内部はフィルム体1の外部と比べて減圧されている。フィルム体1は、第1接触部分11aと、第2接触部分12aと、第1延在部分11bと、第2延在部分12bとを含む。第1接触部分11aは、芯材2の第1表面部分2aに接する。第1延在部分11bは、第1接触部分11aに連なり芯材2と距離を隔てて配置される。第2接触部分12aは、芯材2の第2表面部分2bに接する。第2延在部分12bは、第2接触部分12aに連なり芯材2と距離を隔てて配置されるとともに、第1延在部分11bに面して配置される。第1延在部分11bと第2延在部分12bとの少なくとも一部は、芯材2から距離を隔てて配置された封止用固定部3と、芯材2と封止用固定部3との間に位置する少なくとも1つの位置決め固定部4a〜4eとにおいて固定されている。上記断熱部材10において、少なくとも1つの位置決め固定部4a〜4eは、互いに間隔を隔てて配置された複数の固定部4a〜4eを含む。位置決め固定部4a〜4dは、それぞれ芯材2の外周に沿って線状に延びるように形成されている。また、位置決め固定部4eは、芯材2、すなわち芯材2が配置された領域6の外周における角部に沿って屈曲した形状を有している。
上記断熱部材において、芯材2は、第1端面2cと第2端面2d、2eとを含む。第1端面2cは、第1表面部分2aと第2表面部分2bとを繋ぐ。第2端面2d、2eは、第1表面部分2aと第2表面部分2bとを繋ぎ、第1端面2cと異なる面である。少なくとも1つの位置決め固定部は、第1端面2cに面する第1固定部4aと、第2端面2d、2eに面する第2固定部4d、4bとを含む。
<断熱部材の作用効果>
図1および図2に示した断熱部材10では、後述する製造方法からも分かるように、芯材2を封止固定する前に、あらかじめ位置決め固定部4a〜4eにより芯材2の位置決めを実施できる。そのため、グラスファイバー等の繊維で形成された芯材2の形状を安定化し、フィルム体1のシワや寸法不具合の発生を抑制できる。
図1および図2に示した断熱部材10では、後述する製造方法からも分かるように、芯材2を封止固定する前に、あらかじめ位置決め固定部4a〜4eにより芯材2の位置決めを実施できる。そのため、グラスファイバー等の繊維で形成された芯材2の形状を安定化し、フィルム体1のシワや寸法不具合の発生を抑制できる。
また、上記断熱部材10において、少なくとも1つの位置決め固定部4a〜4eは、互いに間隔を隔てて配置された複数の固定部4a〜4eを含む。この場合、芯材2を封止するときに、複数の固定部4a〜4eの間から芯材2周囲の空気をフィルム体1の外部へ抜くことができる。したがって、フィルム体1内部を真空状態にする過程で、位置決め固定部4a〜4eが芯材2の周囲から排気される空気の流れを阻害することを抑制できる。
上記断熱部材10において、少なくとも1つの位置決め固定部4a〜4eは、芯材2の第1端面2cに面する第1固定部4aと、芯材2の第2端面2d、2eに面する第2固定部4d、4bとを含む。このように、芯材2の異なる方向に向く第1端面2cおよび第2端面2d、2eに面して第1固定部4aおよび第2固定部4d、4bが配置されているので、これらの第1および第2固定部4a、4b、4dに芯材2を添わせることで芯材2の配置を容易に決定できる。
<断熱部材の製造方法>
図3は、図1に示した断熱部材の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4は、図3に示した断熱部材の製造方法を説明するための模式図である。図3および図4を用いて図1に示した断熱部材10の製造方法を説明する。
図3は、図1に示した断熱部材の製造方法を説明するためのフローチャートである。図4は、図3に示した断熱部材の製造方法を説明するための模式図である。図3および図4を用いて図1に示した断熱部材10の製造方法を説明する。
図3に示すように、断熱部材10の製造方法では、まず、フィルム体投入工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、フィルム体1となるべき2枚のフィルムを重ねて配置する。
次に、第一溶着部溶着工程(S20)を実施する。具体的には、一辺を残して2枚のフィルムの辺縁部を熱溶着により接合して、第一溶着部としての封止用固定部3を形成する。この工程でフィルム体1は袋状に形成される。
次に、芯材投入工程(S30)を実施する。この工程(S30)では、この袋状のフィルム体1の内部に芯材2を挿入し、芯材2の位置を調整する。その後芯材2を対向する平板を持つ装置により圧縮し、内部を真空にした後の厚みになるまでつぶす。
次に、第二溶着部溶着工程(S40)を実施する。この工程(S40)では、芯材2を圧縮した状態下で第二溶着部としての位置決め固定部4a〜4eとなる、芯材2近傍に位置するフィルム体1の複数箇所を部分的に溶着する。溶着して形成された位置決め固定部4a〜4eは、たとえば点線状に配置された複数の固定部となる。この位置決め固定部4a〜4eにより、芯材2の位置を固定する。この結果、図4に示すような構造が得られる。なお、図1では位置決め固定部4a〜4eは所定の間隔を隔てて点線状に配置されているが、この間隔は任意に調整しても良い。
次に、乾燥・真空引き工程(S50)を実施する。この工程(S50)では、断熱部材10となるべきフィルム体1と芯材2との積層体の周囲を減圧し、フィルム体1の内部の空気と水分を取り除く。この時、水分の蒸発を加速するために積層体を加熱してもよい。位置決め固定部4a〜4eは点線状に断続的に形成されているため、当該位置決め固定部4a〜4eの間の領域を空気が通過可能である。このため、芯材2の周囲も減圧でき、真空状態にできる。
次に、減圧下で第三溶着部の溶着工程(S60)を実施する。この工程(S60)では、最終封止用固定部5となるべき、封止されずに残っている一辺を熱溶着により封止する。この結果、最終封止用固定部5が形成される。
その後、周囲大気解放工程(S70)を実施する。具体的には、工程(S70)では、積層体の周囲を大気圧に戻す。この結果、フィルム体1内部がほぼ真空状態であることから、大気圧によって芯材2にフィルム体1が密着する。また、断熱部材10では、芯材2により真空となる空間が確保されている。このようにして、図1に示した断熱部材10を得ることができる。
なお、上記の工程では、芯材2の位置の調整から、封止までの工程を一つの装置で実施するのが望ましいが、芯材2の位置調整と、位置決め固定部4a〜4eの形成(S40)と、真空引きの工程(S50)とがそれぞれが別の装置において実施されてもよい。
上述した断熱部材10の製造方法の特徴的な構成を異なる観点から言えば、本開示に従った断熱部材10の製造方法は、内部に芯材2が配置され、ガスバリア性を有するフィルム体1を準備する工程(S10〜S30)と、少なくとも1つの位置決め固定部4a〜4e(図1参照)を形成する工程(S40)と、フィルム体1の芯材2が配置された内部を減圧する工程(S50)と、減圧されたフィルム体1の内部をフィルム体1の外部から封止する工程(S60)と、を備える。芯材2は、図4に示すように、第1表面部分2aと、第1表面部分2aと反対側に位置する第2表面部分2bとを含む。フィルム体1は、第1接触部分11aと、第2接触部分12aと、第1延在部分11bと、第2延在部分12bとを含む。第1接触部分11aは、芯材2の第1表面部分2aに接する。第1延在部分11bは、第1接触部分11aに連なり芯材2と距離を隔てて配置される。第2接触部分12aは、芯材2の第2表面部分2bに接する。第2延在部分12bは、第2接触部分12aに連なり芯材2と距離を隔てて配置されるとともに、第1延在部分11bに面して配置される。第1延在部分11bと第2延在部分12bとの少なくとも一部は、芯材2から距離を隔てて配置された封止用固定部3において固定される。少なくとも1つの位置決め固定部を形成する工程(S40)において、第1延在部分11bと第2延在部分12bとの少なくとも一部を固定するように、芯材2と封止用固定部3との間に位置する少なくとも1つの位置決め固定部4a、4b、4dを形成する。
<断熱部材の製造方法の作用効果>
このように、封止用固定部3および最終封止用固定部5とは別に位置決め固定部4a〜4eを形成したことにより、乾燥・真空引き工程(S50)において芯材2の位置が固定され、断熱部材10の全体の寸法が安定する。この結果、本開示に従った断熱部材10を容易に製造できる。
このように、封止用固定部3および最終封止用固定部5とは別に位置決め固定部4a〜4eを形成したことにより、乾燥・真空引き工程(S50)において芯材2の位置が固定され、断熱部材10の全体の寸法が安定する。この結果、本開示に従った断熱部材10を容易に製造できる。
<断熱部材の製造方法の変形例およびその作用効果>
図5は、図3に示した断熱部材の製造方法の変形例を説明するためのフローチャートである。図5を用いて、断熱部材の製造方法の変形例を説明する。
図5は、図3に示した断熱部材の製造方法の変形例を説明するためのフローチャートである。図5を用いて、断熱部材の製造方法の変形例を説明する。
図5に示した断熱部材の製造方法は、基本的には図3に示した断熱部材の製造方法と同様の工程を備えるが、一部が図3に示した工程と異なっている。すなわち、図3に示した方法では、フィルム体1の第三の溶着部としての最終封止用固定部5を解放した状態で第二の溶着部としての位置決め固定部4a〜4eを溶着したが、図5に示した製造方法では、の工程(S30)においてプレス装置により芯材2を圧縮した状態で、第1溶着部溶着工程(S120)を実施する。具体的には、工程(S120)では、第一の溶着部としての封止用固定部3によりフィルムの外周部全辺を溶着する。
次に、図5の第2溶着部溶着工程(S40)を実施する。具体的には、フィルム体1において芯材2の近傍であって、第二の溶着部あるいは位置決め固定部4a〜4eとなる部分を溶着してもよい。
次に、図5に示した製造方法では、端部開封工程(S130)が実施される。具体的には、この工程(S130)では、位置決め固定部4a〜4eを溶着により形成した後に、溶着した封止用固定部3の少なくとも一部を切断または剥離により開放する。その後、工程(S50)〜工程(S70)を、図3に示した断熱部材の製造方法と同様に実施することで、図1に示した断熱部材10を得る。
このように断熱部材10の製造方法にかかわらず、芯材2がフィルム体1の内部に入った直後に第二の溶着部としての位置決め固定部4a〜4eを用いて芯材2の位置決めを行うことで、芯材2の位置を安定化することが可能である。
また、芯材2となる材料はたとえばガラス繊維であるグラスウールが多く用いられるが、乾式グラスウールと呼ばれるプレス成型されていない素材を芯材2として用いて断熱部材10を製造する場合において、従来の製造方法においては断熱部材10の形状が不安定になる場合があった。しかし、上述した断熱部材10の構成および当該断熱部材10の製造方法によれば、断熱部材の形状を安定させることができる。
また、真空下で封止した後に装置内を大気圧下に戻す工程(S70)の過程で、断熱部材10内部は真空状態が保持されるため、断熱部材10内外の気圧差によりフィルム体1は芯材2に密着する。この時に余剰のフィルム体1にシワが発生し、シワの突起部が大きくなることで断熱部材10の外形形状に大きく影響する。また、フィルム体1のシワによる突起部は、例えば断熱部材10を冷蔵庫に適用した場合に、冷蔵庫の外形形状の凹凸になったり、冷蔵庫などの機器の内部に充填する樹脂の流動を阻害したりすることが有る。
本実施の形態1に係る断熱部材10は、あらかじめ芯材2の周囲のフィルム体1が位置決め固定部4a〜4eにより固定されているため、このシワの発生を抑制することができる。
<断熱部材の変形例の製造方法>
図6は、図1に示した断熱部材の変形例の製造方法を説明するための模式図である。図6に示して断熱部材の変形例の製造方法を説明する。図6に示した断熱部材の製造途中の構成は、基本的には図4に示した断熱部材の製造途中の構成と同様であるが、第1延在部分11bと第2延在部分12bとに形成される封止用固定部13が溶着ではなく接着剤層により構成されている点で、図4に示した構成と異なっている。すなわち、図3に示した工程のうち、工程(S10)を実施した後、工程(S20)において溶着ではなく、接着剤の塗布および重ね合わせ、押圧、乾燥といった処理が実施される。その後、図3の工程(S30)〜工程(S70)を実施することで、図7に示す断熱部材の変形例が得られる。
図6は、図1に示した断熱部材の変形例の製造方法を説明するための模式図である。図6に示して断熱部材の変形例の製造方法を説明する。図6に示した断熱部材の製造途中の構成は、基本的には図4に示した断熱部材の製造途中の構成と同様であるが、第1延在部分11bと第2延在部分12bとに形成される封止用固定部13が溶着ではなく接着剤層により構成されている点で、図4に示した構成と異なっている。すなわち、図3に示した工程のうち、工程(S10)を実施した後、工程(S20)において溶着ではなく、接着剤の塗布および重ね合わせ、押圧、乾燥といった処理が実施される。その後、図3の工程(S30)〜工程(S70)を実施することで、図7に示す断熱部材の変形例が得られる。
<断熱部材の変形例の構成および作用効果>
図7は、図1に示した断熱部材の変形例を説明するための模式図である。なお、図7は図2に対応する。図7に示した断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材10と同様の構成を備えるが、封止用固定部13が接着剤層により構成されている。このような構成によっても、図1および図2に示した断熱部材と同様の効果を得ることができる。
図7は、図1に示した断熱部材の変形例を説明するための模式図である。なお、図7は図2に対応する。図7に示した断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材10と同様の構成を備えるが、封止用固定部13が接着剤層により構成されている。このような構成によっても、図1および図2に示した断熱部材と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
<断熱部材の構成>
図8は、本発明の実施の形態2に係る断熱部材の斜視模式図である。図8を用いて、本発明の実施の形態2に係る断熱部材10を説明する。
<断熱部材の構成>
図8は、本発明の実施の形態2に係る断熱部材の斜視模式図である。図8を用いて、本発明の実施の形態2に係る断熱部材10を説明する。
図8に示すように、断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材10と同様の構成を備えるが、位置決め固定部である第1固定部4fおよび第2固定部4gの構成が図1および図2に示した断熱部材10と異なっている。図8に示した断熱部材10における第1および第2固定部4f、4gは、2枚のフィルムを接合している部分であって、芯材2の辺縁部に沿って線状に延びている。また、第1および第2固定部4f、4gは、芯材2を挟んで互いにほぼ平行に伸びるように配置されている。異なる観点から言えば、図8に示した断熱部材10において、芯材2の平面形状は長方形状である。芯材2の第1端面2cおよび第2端面2eは、長方形状の長辺部に位置する。位置決め固定部である第1固定部4fは第1端面2cに沿って線状に延びる。位置決め固定部である第2固定部4gは第2端面2eに沿って線状に延びる。
<断熱部材の作用効果>
図8に示す構成によれば、図1および図2に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、図8に示した断熱部材10では、断熱部材10の形状を安定化させる効果に加え、芯材2の長辺部側の固定部を封止用固定部3と位置決め固定部の第1固定部4fまたは第2固定部4gという2重の固定部とすることにより、フィルム体1の固定部の信頼性を高めることができる。
図8に示す構成によれば、図1および図2に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、図8に示した断熱部材10では、断熱部材10の形状を安定化させる効果に加え、芯材2の長辺部側の固定部を封止用固定部3と位置決め固定部の第1固定部4fまたは第2固定部4gという2重の固定部とすることにより、フィルム体1の固定部の信頼性を高めることができる。
<断熱部材の製造方法およびその作用効果>
図8に示す断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材と同様の工程により製造できる。ただし、図3の工程(S40)において、位置決め固定部の第1固定部4fおよび第2固定部4gを形成する位置が、図1および図2に示した断熱部材10とは異なる。第1固定部4fおよび第2固定部4gは、芯材2の長辺2辺に隣接し、熱溶着によって当該長辺に沿って線状に形成される。この時、第1固定部4fおよび第2固定部4gは、芯材2の短辺側に位置する封止用固定部3と交差する。また、工程(S60)において、最終封止用固定部5が第1固定部4f、第2固定部4gおよび封止用固定部3と交差するようにフィルム体を溶着することにより形成される。上記工程(S40)および工程(S60)以外の工程については、図1および図2に示した断熱部材10の製造方法と同様の工程を実施する。このようにして、図8に示す断熱部材10を得ることができる。
図8に示す断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材と同様の工程により製造できる。ただし、図3の工程(S40)において、位置決め固定部の第1固定部4fおよび第2固定部4gを形成する位置が、図1および図2に示した断熱部材10とは異なる。第1固定部4fおよび第2固定部4gは、芯材2の長辺2辺に隣接し、熱溶着によって当該長辺に沿って線状に形成される。この時、第1固定部4fおよび第2固定部4gは、芯材2の短辺側に位置する封止用固定部3と交差する。また、工程(S60)において、最終封止用固定部5が第1固定部4f、第2固定部4gおよび封止用固定部3と交差するようにフィルム体を溶着することにより形成される。上記工程(S40)および工程(S60)以外の工程については、図1および図2に示した断熱部材10の製造方法と同様の工程を実施する。このようにして、図8に示す断熱部材10を得ることができる。
上述のように第1固定部4fおよび第2固定部4gは封止用固定部3および最終封止用固定部5とそれぞれ交差するように溶着される。また、図8に示すように、芯材2の長辺側に位置する固定部(溶着部)は2重構造となる。この構造により、芯材2の位置を固定しながら溶着部を2重化することができる。この結果、断熱部材10の寸法の安定化と信頼性の向上が可能になる。また、実施の形態1に係る断熱部材10と同様に角部のシワや突起の発生を抑制できる。
実施の形態3.
<断熱部材の構成>
図9は、本発明の実施の形態3に係る断熱部材の平面模式図である。図9を用いて、本発明の実施の形態3に係る断熱部材10を説明する。
<断熱部材の構成>
図9は、本発明の実施の形態3に係る断熱部材の平面模式図である。図9を用いて、本発明の実施の形態3に係る断熱部材10を説明する。
図9に示すように、断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材10と同様の構成を備えるが、位置決め固定部4a、4c、4eの芯材2に対する配置、および芯材2の封止用固定部3に対する配置が、図1および図2に示した断熱部材10と異なる。具体的には、フィルム体1において芯材2と重なる領域である第1接触部分11aおよび第2接触部分12a(図2参照)と連なる領域のうち、一部領域20a、20bにおいては位置決め固定部4aが形成されておらず、固定部としての封止用固定部3のみが形成されている。図9では、フィルム体1の左側の外縁および下側の外縁である上記一部領域20a、20bにおいて、封止用固定部3のみ形成されている。そして、芯材2は、芯材2の左辺および下辺が上記一部領域20a、20bにおける封止用固定部3に沿うように配置されている。一方、位置決め固定部4aは芯材2の右側の辺に沿って配置されている。位置決め固定部4cは芯材2の上辺に沿って配置されている。位置決め固定部4eは、芯材2の右辺と上辺との接続部である角部に沿って配置されている。つまり、フィルム体1の第1延在部分と第2延在部分とのうち、位置決め固定部4a、4c、4eが形成された領域以外の領域である上記一部領域20a、20bでは、固定部としての封止用固定部3が形成されている。封止用固定部3に隣接するように芯材2が配置されている。
<断熱部材の作用効果>
上記断熱部材10は、基本的に図1および図2に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、上記断熱部材10では、第1延在部分と第2延在部分との他の一部である一部領域20a、20bが、芯材2に隣接して配置された固定部としての封止用固定部3において固定されている。つまり、フィルム体1を袋状にする封止用固定部3を利用して芯材2の位置決めを行うことができるので、図1および図2に示したように芯材2の周囲を囲むように位置決め固定部4a〜4eを配置する場合より、位置決め固定部4a、4c、4eの数を減らすことができる。
上記断熱部材10は、基本的に図1および図2に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、上記断熱部材10では、第1延在部分と第2延在部分との他の一部である一部領域20a、20bが、芯材2に隣接して配置された固定部としての封止用固定部3において固定されている。つまり、フィルム体1を袋状にする封止用固定部3を利用して芯材2の位置決めを行うことができるので、図1および図2に示したように芯材2の周囲を囲むように位置決め固定部4a〜4eを配置する場合より、位置決め固定部4a、4c、4eの数を減らすことができる。
<断熱部材の製造方法および作用効果>
図9に示す断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材と同様の工程により製造できる。ただし、図3の工程(S30)において、袋状にしたフィルム体1の内部に芯材2を挿入し、芯材2を袋の奥の角部、具体的には図9の左下における封止用固定部3の交点、に突き当てる。
図9に示す断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材と同様の工程により製造できる。ただし、図3の工程(S30)において、袋状にしたフィルム体1の内部に芯材2を挿入し、芯材2を袋の奥の角部、具体的には図9の左下における封止用固定部3の交点、に突き当てる。
その後、工程(S40)において、芯材2をプレス装置により圧縮し、フィルム体1の内部を真空にした後における厚みにする。このように芯材2を圧縮した後、芯材2において封止用固定部3に接していない辺の周辺部に位置するフィルム体1の部分を、熱溶着することにより、第二の溶着部である位置決め固定部4a、4c、4eを形成する。位置決め固定部4a、4c、4eは、それぞれ芯材2の外周に沿って線状に延びるとともに、間隔を隔てて配置されている。
その後、実施の形態1と同様に工程(S50)〜工程(S70)を実施することにより、図9に示した断熱部材10を得ることができる。
以上の工程により、工程(S20)において作られた袋状のフィルム体1の封止用固定部3で構成された2辺を使って芯材2の位置を決めることができる。このため、フィルム体1に覆われた芯材2の位置を安定させることが可能になる。また第一の溶着部としての封止用固定部3のうち、芯材2を突き当てた封止用固定部3が位置するフィルム体1の辺については、位置決め固定部を別途形成する必要がない。そのため、当該辺については余剰となるフィルム体1が少なくなる。
また、異なる観点から言えば、上記断熱部材10の製造方法では、フィルム体1を準備する工程(S20、S30)において、フィルム体1の第1延在部分と第2延在部分との他の一部である一部領域20a、20bが、固定部としての封止用固定部3により固定されるとともに、芯材2は固定部3に隣接するように配置される。この場合、フィルム体1を袋状にする封止用固定部3を利用して芯材2の位置決めを行うことができるので、位置決め固定部4a、4c、4eの数を減らすことができる。
実施の形態4.
<断熱部材の構成>
図10は、本発明の実施の形態4に係る断熱部材の平面模式図である。図10を用いて、本発明の実施の形態4に係る断熱部材10を説明する。
<断熱部材の構成>
図10は、本発明の実施の形態4に係る断熱部材の平面模式図である。図10を用いて、本発明の実施の形態4に係る断熱部材10を説明する。
図10に示すように、断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材10と同様の構成を備えるが、芯材2の平面形状および位置決め固定部4hの形状が図1および図2に示した断熱部材10と異なっている。図10に示した断熱部材10では、領域6に配置された芯材2の平面形状が円形状となっている。また、位置決め固定部4hは、芯材2の外周に沿って曲線状に形成されている。位置決め固定部4hは所定の間隔を隔てて複数配置されている。図10では、2つの位置決め固定部4hが示されているが、3つ以上の位置決め固定部4hを形成してもよい。図10では、平面形状が扇形である位置決め固定部4hが芯材2の外周を囲むように配置されているが、当該位置決め固定部4hの平面形状は、芯材2に対向する部分が当該芯材2の外周に沿った曲面状であれば、任意の形状とすることができる。
<断熱部材の作用効果>
上記断熱部材10は、基本的に図1および図2に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、図10に示した断熱部材10では、芯材2の平面形状に整合させるように、少なくとも1つの位置決め固定部4hの平面形状が曲線状となっている。このため、円形や曲線等を外周部の形状として有する平面形状の芯材2を用いた場合であっても、当該芯材2の位置決めを容易に行うことができ、またシワの発生や断熱部材10の寸法変動を抑制できる。
上記断熱部材10は、基本的に図1および図2に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、図10に示した断熱部材10では、芯材2の平面形状に整合させるように、少なくとも1つの位置決め固定部4hの平面形状が曲線状となっている。このため、円形や曲線等を外周部の形状として有する平面形状の芯材2を用いた場合であっても、当該芯材2の位置決めを容易に行うことができ、またシワの発生や断熱部材10の寸法変動を抑制できる。
<断熱部材の製造方法および作用効果>
図10に示す断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材と同様の工程により製造できる。ただし、工程(S30)において、平面形状が円形状である芯材2を袋状のフィルム体1の内部に挿入する。その後、工程(S40)では、芯材2の外周部の近傍において溶着用の加熱ヘッドをフィルム体1に押し当てる。この加熱ヘッドは芯材2の形状に対応したものになっている。フィルム体1に加熱ヘッドを押し当てた時点では、当該加熱ヘッドは加熱されておらず、フィルム体1を構成する材料の融点以下の温度になっている。芯材2はたとえばグラスウール等の綿状の材料でもよい。この場合、加熱ヘッドをフィルム体1に押し当てることで、芯材2が変形し、目的とする形状に芯材2の形状を整えることができる。
図10に示す断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材と同様の工程により製造できる。ただし、工程(S30)において、平面形状が円形状である芯材2を袋状のフィルム体1の内部に挿入する。その後、工程(S40)では、芯材2の外周部の近傍において溶着用の加熱ヘッドをフィルム体1に押し当てる。この加熱ヘッドは芯材2の形状に対応したものになっている。フィルム体1に加熱ヘッドを押し当てた時点では、当該加熱ヘッドは加熱されておらず、フィルム体1を構成する材料の融点以下の温度になっている。芯材2はたとえばグラスウール等の綿状の材料でもよい。この場合、加熱ヘッドをフィルム体1に押し当てることで、芯材2が変形し、目的とする形状に芯材2の形状を整えることができる。
この加熱ヘッドを押しあてたままで芯材2をプレス装置により圧縮し、フィルム体1の内部を真空にした後の芯材2の厚みになるまで当該芯材2をつぶす。その後、工程(S40)において、加熱ヘッドの温度を上昇させ、第二の溶着部である位置決め固定部4hを形成する。その後、実施の形態1と同様に工程(S50)〜工程(S70)を実施することにより、図10に示した断熱部材10を得ることができる。
芯材2の材料はガラス繊維や樹脂繊維等が用いられることが多く、一般的には圧縮時に芯材2の変形が発生する。このため、芯材2について曲面等の形状を作った場合は断熱部材10の形状精度が悪くなり得る。しかし、上記断熱部材10の製造方法において、少なくとも1つの位置決め固定部4hを形成する工程(S40)を実施する前に、芯材2の位置および形状の少なくともいずれか一方が調整される。このため、本実施の形態の構造と製法により、断熱部材10の形状精度を改善することができる。また、加熱ヘッドで芯材2の端部を押さえた状態で、加熱ヘッドを移動させることでフィルム体1内部での芯材2の位置調整も可能である。この結果、断熱部材10の形状をより安定化させることができる。
<断熱部材の変形例の構成および作用効果>
図11は、本発明の実施の形態4に係る断熱部材の変形例の平面模式図である。図11を用いて、本発明の実施の形態4に係る断熱部材10の変形例を説明する。
図11は、本発明の実施の形態4に係る断熱部材の変形例の平面模式図である。図11を用いて、本発明の実施の形態4に係る断熱部材10の変形例を説明する。
図11に示した断熱部材10は、基本的には図10に示した断熱部材10と同様の構成を備えるが、芯材2の中央に円形状の穴7が形成されている点、また当該穴7の内部に位置決め固定部4iが形成されている点が、図10に示した断熱部材10と異なっている。
このような構成の断熱部材10によっても、図10に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、図11に示した断熱部材10では、芯材2に穴7が形成され、当該穴7の内部に位置決め固定部4iが形成されている。そのため、当該位置決め固定部4iを形成するための加熱ヘッドが穴7の内側においてフィルム体1を押圧し、穴7の形状などを調整することができる。このため、図11のように芯材2の中央部に穴7が有る場合においても穴7の形状精度を高めることができる。
実施の形態5.
<断熱部材の構成>
図12は、本発明の実施の形態5に係る断熱部材の平面模式図である。図12を用いて、本発明の実施の形態5に係る断熱部材10を説明する。
<断熱部材の構成>
図12は、本発明の実施の形態5に係る断熱部材の平面模式図である。図12を用いて、本発明の実施の形態5に係る断熱部材10を説明する。
図12に示すように、断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材10と同様の構成を備えるが、位置決め固定部4a、4c、4eの芯材2に対する配置、フィルム体1の構成、および封止用固定部3の配置が、図1および図2に示した断熱部材10と異なる。具体的には、フィルム体1は、1枚のフィルムを折り曲げて、折り曲げた部分以外の3つの辺に熱溶着部である封止用固定部3および最終封止用固定部5が形成されている。このようにフィルムを折り曲げて袋状にしたフィルム体1の内部に、芯材2が配置されている。つまり、折り曲げたフィルム体1に挟まれるように芯材2が配置されている。フィルム体1の外周部の対向する2辺は、第一の熱溶着部としての封止用固定部3により接合されている。また、フィルム体1の外周部の残る1辺は第三の溶着部としての最終封止用固定部5により封止されている。
芯材2はフィルム体1の折り曲げ部分である接続部分15に左側の辺が沿うように配置されている。また、芯材2の下側の辺が封止用固定部3に沿うように配置されている。芯材2の上側および右側の辺に沿って、位置決め固定部4a、4c、4eが配置されている。
<断熱部材の作用効果>
上記断熱部材10は、基本的に図1および図2に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、図12に示した断熱部材10において、フィルム体1は、第1接触部分11a(図13参照)と第2接触部分12a(図13参照)とを繋ぐ接続部分15を含む。接続部分15は芯材2の端面に接していてもよい。図13に示すように、第1延在部分11bおよび第2延在部分12bは、芯材2から見て接続部分15と反対側に位置する。この場合、フィルム体1の折り目である接続部分15に芯材2を押しつけるため、折り目部分は余剰のフィルム体や溶着部が無いうえに断熱部材10の形状精度が安定する。
上記断熱部材10は、基本的に図1および図2に示した断熱部材10と同様の効果を得ることができる。さらに、図12に示した断熱部材10において、フィルム体1は、第1接触部分11a(図13参照)と第2接触部分12a(図13参照)とを繋ぐ接続部分15を含む。接続部分15は芯材2の端面に接していてもよい。図13に示すように、第1延在部分11bおよび第2延在部分12bは、芯材2から見て接続部分15と反対側に位置する。この場合、フィルム体1の折り目である接続部分15に芯材2を押しつけるため、折り目部分は余剰のフィルム体や溶着部が無いうえに断熱部材10の形状精度が安定する。
<断熱部材の製造方法および作用効果>
図13は、図12に示した断熱部材の製造方法を説明するための模式図である。図13用いて、図12に示した断熱部材10の製造方法を説明する。
図13は、図12に示した断熱部材の製造方法を説明するための模式図である。図13用いて、図12に示した断熱部材10の製造方法を説明する。
図12に示した断熱部材10は、基本的には図1および図2に示した断熱部材と同様の工程により製造できる。ただし、以下の工程において一部異なる。具体的には、工程(S10)では、フィルム体1となるべき1枚のフィルムを用意する。そして、工程(S20)では、当該フィルムを折り曲げ、折り曲げた辺に連なる1辺および折り曲げた辺と対向する辺を溶着して封止用固定部3を形成する。この時にあらかじめ芯材2をフィルムにはさんでおいても良い。この工程(S20)でフィルム体1は袋状になっている。
次に、工程(S30)では、フィルム体1内部の芯材2をフィルム体1の折り曲げ部である接続部分15と、溶着した一辺、図12では下側の辺、の封止用固定部3に押し当てる。この状態で芯材2をプレス装置により圧縮し、フィルム体1の内部を真空にした後の厚みになるまで芯材2をつぶす。
上記の圧縮の後、工程(S40)では、芯材2の2辺、図12では右側の辺および上側の辺、の近傍に第二の溶着部としての位置決め固定部4a、4c、4eを形成する。位置決め固定部4a、4c、4eは、互いに間隔を隔てて形成されている。位置決め固定部4a、4c、4eは線状にフィルム体1を熱溶着することで形成される。このようにして、図13に示すような構造を得る。異なる観点から言えば、上記断熱部材10の製造方法では、フィルム体1を準備する工程(S10、S20)において、フィルム体1は、第1接触部分11aと第2接触部分12aとを繋ぐ接続部分15を含む。図13に示すように、第1延在部分11bおよび第2延在部分12bは、芯材2から見て接続部分15と反対側に位置する。
その後、実施の形態1と同様に工程(S50)から工程(S70)を実施することで、図12に示す断熱部材10を得ることができる。
以上の工程により、あらかじめ作られる袋状のフィルム体1の2辺、つまり接続部分15および図12に下側の封止用固定部3、を使って芯材2の位置を決めることができる。このため、実施の形態4に比べ、フィルム体1に覆われた芯材2の位置を安定させることが可能になる。
また、フィルム体1の折り曲げ部である接続部分15に芯材2を押しあてて真空断熱板としての断熱部材10を製造するため、接続部分15が配置された辺には溶着部が無く、断熱部材10の外形形状が安定する。また、折り曲げ部である接続部分15に対向する辺には第一の溶着部としての封止用固定部3と第2の溶着部としての位置決め固定部4aが形成されている。このため、実施の形態2に係る断熱部材10のように溶着部を2重化して封止の信頼性を改善することも可能である。つまり、折り曲げ部は余剰のフィルム体1や位置決め固定部などの溶着部が無いため、信頼性が高いうえ断熱部材10の形状精度が安定する。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 フィルム体、2 芯材、2a 第1表面部分、2b 第2表面部分、2c 第1端面、2d,2e 第2端面、3,13 封止用固定部、4a〜4i 位置決め固定部、5 最終封止用固定部、6 領域、7 穴、10 断熱部材、11a 第1接触部分、11b 第1延在部分、12a 第2接触部分、12b 第2延在部分、15 接続部分、20a,20b 一部領域。
Claims (11)
- 芯材を備え、前記芯材は、第1表面部分と、前記第1表面部分と反対側に位置する第2表面部分とを含み、さらに、
前記芯材を内部に保持し、ガスバリア性を有するフィルム体を備え、
前記フィルム体の前記内部は前記フィルム体の外部と比べて減圧されており、
前記フィルム体は、
前記芯材の前記第1表面部分に接する第1接触部分と、
前記第1接触部分に連なり前記芯材と距離を隔てて配置された第1延在部分と、
前記芯材の前記第2表面部分に接する第2接触部分と、
前記第2接触部分に連なり前記芯材と距離を隔てて配置されるとともに、前記第1延在部分に面して配置された第2延在部分と、を含み、
前記第1延在部分と前記第2延在部分との少なくとも一部は、前記芯材から距離を隔てて配置された封止用固定部と、前記芯材と前記封止用固定部との間に位置する少なくとも1つの位置決め固定部とにおいて固定されている、断熱部材。 - 前記少なくとも1つの位置決め固定部は、互いに間隔を隔てて配置された複数の固定部を含む、請求項1に記載の断熱部材。
- 前記芯材は、前記第1表面部分と前記第2表面部分とを繋ぐ第1端面と、前記第1表面部分と前記第2表面部分とを繋ぎ、前記第1端面と異なる第2端面とを含み、
前記少なくとも1つの位置決め固定部は、前記第1端面に面する第1固定部と、前記第2端面に面する第2固定部とを含む、請求項1または請求項2に記載の断熱部材。 - 前記芯材の平面形状は長方形状であり、
前記第1端面および前記第2端面は、前記長方形状の長辺部に位置し、
前記第1固定部は前記第1端面に沿って線状に延び、
前記第2固定部は前記第2端面に沿って線状に延びる、請求項3に記載の断熱部材。 - 前記第1延在部分と前記第2延在部分との他の一部は、前記芯材に隣接して配置された固定部において固定されている、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の断熱部材。
- 前記少なくとも1つの位置決め固定部の平面形状は曲線状である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の断熱部材。
- 前記フィルム体は、前記第1接触部分と前記第2接触部分とを繋ぐ接続部分を含み、
前記第1延在部分および前記第2延在部分は、前記芯材から見て前記接続部分と反対側に位置する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の断熱部材。 - 内部に芯材が配置され、ガスバリア性を有するフィルム体を準備する工程を備え、
前記芯材は、第1表面部分と、前記第1表面部分と反対側に位置する第2表面部分とを含み、
前記フィルム体は、
前記芯材の前記第1表面部分に接する第1接触部分と、
前記第1接触部分に連なり前記芯材と距離を隔てて配置された第1延在部分と、
前記芯材の前記第2表面部分に接する第2接触部分と、
前記第2接触部分に連なり前記芯材と距離を隔てて配置されるとともに、前記第1延在部分に面して配置された第2延在部分と、を含み、
前記第1延在部分と前記第2延在部分との少なくとも一部は、前記芯材から距離を隔てて配置された封止用固定部において固定され、さらに、
前記第1延在部分と前記第2延在部分との少なくとも一部を固定するように、前記芯材と前記封止用固定部との間に位置する少なくとも1つの位置決め固定部を形成する工程と、
前記フィルム体の前記芯材が配置された内部を減圧する工程と、
減圧された前記フィルム体の内部を前記フィルム体の外部から封止する工程と、を備える、断熱部材の製造方法。 - 前記フィルム体を準備する工程において、
前記フィルム体の前記第1延在部分と前記第2延在部分との他の一部は、固定部において固定されるとともに、前記芯材は前記固定部に隣接するように配置される、請求項8に記載の断熱部材の製造方法。 - 前記少なくとも1つの位置決め固定部を形成する工程を実施する前に、前記芯材の位置および形状の少なくともいずれか一方が調整される、請求項8または請求項9に記載の断熱部材の製造方法。
- 前記フィルム体を準備する工程において、
前記フィルム体は、前記第1接触部分と前記第2接触部分とを繋ぎ、前記芯材に接する接続部分を含み、
前記第1延在部分および前記第2延在部分は、前記芯材から見て前記接続部分と反対側に位置する、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の断熱部材の製造方法。
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