JP2017187126A - 真空断熱装置及びその製造方法 - Google Patents

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貴行 中尾
浩樹 村上
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浩樹 村上
菅野 哲生
Tetsuo Sugano
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【課題】曲面を有する形状であっても断熱性能と信頼性を損なうことのない真空断熱装置を提供する。【解決手段】層間フィルム3を介して積層された複数の断熱材層1A、1Bと、その複数の断熱材層の積層方向両端に配設されたガスバリア性を有する一対の外装フィルム2A、2Bとを備え、前記一対の外装フィルムの内部が真空状態に排気され、前記複数の断熱材層の周囲部で前記一対の外装フィルム相互が、前記層間フィルムの周囲方向の少なくとも一部を挟んで気密に接着され、所望形状の屈曲部Bが形成された真空断熱装置であって、少なくとも一つの前記断熱材層は、前記屈曲部に対応する位置に、その延在面の方向に複数に分割された分割部11、または厚み方向に形成された溝状の複数の切目部が設けられて成るように構成した。【選択図】図1

Description

本発明は板状に形成された断熱材層を心材としてその両面をフィルムで挟む形で密封し内部を真空状態にした真空断熱装置及びその製造方法に関するものである。
従来、グラスウールや、樹脂繊維等を板状にした心材をフィルムで挟む真空断熱装置が冷蔵庫や保冷箱等に利用されている。この方式の断熱板は平板状のものが多く、曲面や凹凸、箱の角に合わせて曲げる等、平面以外の形状に対応することは困難である。平板状の真空断熱装置の曲げを可能とするために、真空断熱装置の延在方向に断熱材層の無い部分を設け、その部分で表裏のフィルムを溶着することでその部分での曲げを可能にしたものがある(例えば特許文献1参照)。また、芯材を覆うようにして対向する外包材の少なくとも一方に折り目線部を設け、その折り目線部をきっかけとして真空断熱装置を屈曲可能としたものがある(例えば特許文献2参照)。
特開2004−197935号公報(第1頁、図1) 特開2015−38374号公報(第1頁、図1)
特許文献1のような技術では、断熱材層の無い部分を設け、その部分で表裏のフィルムを溶着することでその部分での曲げを可能にしているが、表裏のフィルムが直接接する箇所を設けていることで、当該部分で断熱性能が失われている問題があった。また、特許文献2のような技術では、溝部分を折り曲げ易くしているが、溝を設ける時点でフィルムに応力が発生し、ガスバリア性を失う可能性があるという課題があった。
本発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、屈曲部を有する形状においても断熱性能と信頼性を損なうことのない真空断熱装置を提供することを目的としている。
本発明に係る真空断熱装置は、層間フィルムを介して積層された複数の断熱材層と、その複数の断熱材層の積層方向両端に配設されたガスバリア性を有する一対の外装フィルムとを備え、前記一対の外装フィルムの内部が真空状態に排気され、前記複数の断熱材層の周囲部で前記一対の外装フィルム相互が、前記層間フィルムの周囲方向の少なくとも一部を挟んで気密に接着され、所望形状の屈曲部が形成された真空断熱装置であって、少なくとも一つの前記断熱材層は、前記屈曲部に対応する位置に、その延在面の方向に複数に分割された分割部、または厚み方向に形成された溝状の複数の切目部が設けられて成ることを特徴としたものである。
また、本発明に係る真空断熱装置の製造方法は、層間フィルムを介して積層された複数の断熱材層と、その複数の断熱材層の積層方向両端に配設されたガスバリア性を有する一対の外装フィルムとを備えた積層体を、所望形状の屈曲部を有する一対の型で挟んで、密封容器内に収容し、該密封容器内を真空状態に排気した後、該密封容器内で、前記外装フィルム及び前記層間フィルム相互を、積層された前記断熱材層の外周囲部に沿って融着する真空断熱装置の製造方法であって、少なくとも一つの前記断熱材層は、屈曲予定部に対応する位置に、該断熱材層が、その延在面の方向に複数に分割された分割部、または厚み方向に形成された溝状の複数の切目部が設けられたものを用いることを特徴とするものである。
本発明に係る真空断熱装置によれば、熱の貫通方向に断熱材層が欠落した部分を無くすことが可能となることにより断熱性能に優れ、しかも屈曲予定部に対応する位置に、断熱材層が、その延在面の方向に複数に分割された分割部、または厚み方向に形成された溝状の複数の切目部が設け屈曲部を含むようにしたことで、所望の形状に曲げられ、更に外装フィルムにかかる応力が軽減された信頼性の高い真空断熱装置を得ることができる。
また、本発明に係る真空断熱装置の製造方法によれば、断熱性能に優れ、しかも屈曲部を含む所望の形状に対応され、さらに外装フィルムにかかる応力が軽減された信頼性の高い真空断熱装置を容易に製造することができる。
本発明の実施の形態1による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。 図1の真空断熱装置の構成部材の積層順序を示す斜視図である。 図1の真空断熱装置の変形例を概念的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3による真空断熱装置の構成部材の積層順序を示す斜視図である。 図5に示された層間フィルムを示す斜視図である。 本発明の実施の形態3の変形例による真空断熱装置の一部を切欠いて概念的に示す斜視図である。 図7に示された層間フィルムを示す斜視図である。 本発明の実施の形態4による真空断熱装置の構成とその積層順序を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。 図10の真空断熱装置の変形例を概念的に示す断面図である。 本発明の実施の形態6による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。 図12に示す層間フィルムと断熱材層の積層工程における状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態6の変形例による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。 本発明の実施の形態7による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による真空断熱装置を概念的に示す断面図、図2は図1の真空断熱装置の構成部材の積層順序を示す斜視図、図3は図1の真空断熱装置の変形例を概念的に示す断面図である。なお、各図を通じて同一または相当する部材や部分には同一符号を付して説明する。図において、真空断熱装置は断熱材層1(1A、1B)、ガスバリア性を有する外装フィルム2(2A、2B)、及び層間フィルム3を用いて構成されている。断熱材層1は、例えばガラス繊維、樹脂繊維、植物繊維等の繊維材、または発泡ウレタンや発泡スチロール等の樹脂材、さらにはガラスボールを混練した樹脂等からなる、多孔質で空隙率が高く、熱伝導率の低い断熱材料であり、例えば真空断熱板用の断熱材として知られている公知の断熱材料から適宜選択して用いることができる。
外装フィルム2としては、公知の例えば、耐衝撃性を強化させた最外層、金属蒸着膜などでガスバリア性をもたせた中間層、及び密封構造を得るための熱融着機能をもたせた最内層からなり、断熱材層の形状に沿いやすい例えば0.1〜1mmの厚みを持つ複合プラスチックラミネートフィルム等から適宜に選択して用いることができる。なお、ガスバリア特性は、例えばアルミニウム箔やアルミニウム蒸着層を設けた樹脂膜等を用いることによって確保される。
層間フィルム3は、外装フィルム2と同じ複合プラスチックラミネートフィルムを用いることができる他、ガスバリア性は外装フィルム2が担うので、ガスバリア特性を有する膜がラミネートされていないものでも良く、例えば、アクリル・塩化ビニル・PET・ABS等の単層のプラスチックフィルム、プラスチックシートなどの他、容易に成形可能なアルミ板等の金属板などを用いても良い。外装フィルム2及び層間フィルム3の各フィルムは、何れも表裏両面の内、少なくとも一方の面が熱可塑性樹脂を用いた接着面となっており、相互に重ね合わせた状態でフィルムの面方向に沿って加熱すると共に重合方向に加圧することで前述の接着面が溶融して接着部Aが形成され、重合されたフィルム同士の接着による封止が可能となっている。
真空断熱装置は図1に示すように、所望の形状に湾曲ないしは屈曲して形成されており、断熱材層1は、その厚み方向に断熱材層1A、及び断熱材層1Bの複数層設けられている。そして、屈曲部Bにおける内側(曲率半径が小さい側)の断熱材層1Aは、図示の例では屈曲されている角度約90度の屈曲部Bが曲面に対応し得るように、延在面の方向に分割された複数の分割片からな分割部11によって構成され、隣り合う分割部11相互の間に断熱材層を貫通する方向に隙間Cが存在する形状になっている。なお、断熱材層1Aにおける分割部11と隙間Cを交互に形成した部分は、図1の紙面の前後方向(断面に直交する方向)の全領域に跨るように形成した例を図示したが、必ずしもその必要は無く、紙面の前後方向に対して部分的に設けるようにしても良い。また、分割部11の断面形状は直方体状の四角形に限定されず、例えば台形や三角形などであっても良い。
そして、層間フィルム3は厚み方向に隣り合う断熱材層1A、1B双方の間を仕切るように介装されている。また、層方向の両端面の全体を覆うように配設された一対の外装フィルム2A、2Bと層間フィルム3とは、複数層の断熱材層1A、1Bの外周囲部において、該外周囲部に沿って重合され相互に一括して接合された接着部Aによって封止され、内部が真空状態となっている。なお、断熱材層1Aの分割部分の隙間Cは、厚み方向に貫通して断熱材層1Aが分断されている必要は無く、厚み方向に形成された図2のような切込みや溝からなる切目部12が複数形成され、その切目部12の底部において延在面方向(図の左右の方向)に繋がって全体が一体的になっているものでも良い。なお、各図とも構成部材相互の隙間や厚さなどの相対的な寸法はノンスケール(NTS)で概念的に示されており、層間の間隙など誇張されている部分もある。
次に、上記のような真空断熱装置の製造方法について図2を参照して説明する。図2の斜視図に示すように、図における下側から上方向に、外装フィルム2A、断熱材層1A、層間フィルム3、断熱材層1B、及び外装フィルム2Bの順に積層し、屈曲部を含む所望の形状に形成された上型、下型からなる金属型(図示省略)で上下からその積層体部分を挟み、断熱材層1A、1Bが圧縮されて図1の如く屈曲されるように加圧する。次に、金属型を周囲の気圧を真空状態に減圧できるように構成された、図示省略している気密構造の容器の中に配置し、該金属型で断熱材層1A、1Bを圧縮して屈曲させた状態のまま、容器内の空気を排気して真空状態に減圧する。
このとき、外装フィルム2と層間フィルム3は、断熱材層1及び金属型の寸法よりも大きく、該金属型の外にはみ出された各フィルムの外周部が断熱材層1の周りに沿って延在し、相互の隙間から外装フィルム2A、2Bの内部も真空状態に排気される。そして、はみ出された外周部分の各フィルムは、前述の気密構造の容器の中で、真空状態に減圧された雰囲気下で上下の外装フィルム2B、2Aの間に層間フィルム3を重ね合わせた状態でフィルム全周の接着予定部を加熱しながら加圧することで接着し、断熱材層1A、1Bを密封する。その後、気密構造の容器の中を大気圧に開放し、金属型から取り出すことで、内外の圧力差により外装フィルム2が断熱材層1を圧縮し、金属型に倣った形状で固定され、図1に示す所望形状に屈曲ないしは湾曲された真空断熱装置が形成できる。
層間フィルム3は金属型の形状に沿った状態で外装フィルム2と共に周囲4辺が接着固定される。特に、周囲四辺の内、曲がっている二辺においてはその屈曲形状を保つ形で接着固定される。このため、外装フィルム2と層間フィルム3は、断熱材層1が平面形状に戻ろうとする復元力に抗して型の形状に沿った形を保つようになる。さらに、断熱材層1の復元力は複数のフィルムに分散して作用する。この構造により、外装フィルム2と層間フィルム3にかかる応力を低減し、安定して任意の形状を保つ真空断熱装置を得ることができる。
なお、断熱材層1の設置層数は2層に限定されるものではなく、図3の変形例のように3層以上に構成することもできる。層間フィルム3は隣り合う断熱材層1の間に介装されることが好ましいので、断熱材層1の設置層数から1を差し引いた数だけ設けられる。図3の場合は、断熱材層1が6層、層間フィルム3が5層設けられている。
また、断熱材層1に分割部11や、切目部12を設ける位置や範囲は、曲げ曲面に対応して調整することで、厚みのある真空断熱装置であっても曲面に忠実に対応した形状が実現できる。図3のように、断熱材層1における曲率半径が最も大きい最外周部の断熱材層1を除く内側の5層は、屈曲部分において厚み方向に外周部側から形成された切込みが、延在方向にそれぞれ複数設けられV字形状の切目部12を形成している。切込みの延在方向の間隔は曲率に対応して断熱材層1毎に調整されている。このため、断熱性の向上を図るために断熱材層1の層数を増やした厚みのある真空断熱装置であっても、皺や捩れなどの無い曲面に対応した滑らかな形状にすることができる。
また、層間フィルム3を複数設けた場合においても各層の端部は、図示省略している金属型の形状に沿って曲げられ複数の断熱材層1の周囲部において相互に接着固定される。図3の紙面の前後方向の辺の接着固定部では、複数の断熱材層1の復元力がそれぞれの層間フィルムに分散されるので、層間フィルム3の層数が多くなるに従って金属型の形状を保持し易くなる。
また、各フィルムの接着部Aは融着による接合に代えてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリアミド・アクリル・ポリカーボネート等の接着剤等を用いて接着固定しても良い。
上記のように実施の形態1によれば、延在面の方向に断熱材層1が存在しない欠落部分を生じることなく曲面を含む所望の形状に対応することが容易であり、断熱性能に優れ、さらに外装フィルム2などにかかる応力が低減され、安定して任意の形状を保つ信頼性の高い真空断熱装置を得ることができる。また、外装フィルム2と、層間フィルム3を外周部で一括で接着したことにより、外装フィルム2と層間フィルム3は、断熱材層1が平面形状に戻ろうとする復元力に抗して成形時の金属型の形状に沿った形を保つようになる。また、断熱材層1の復元力は2つの外装フィルム2と層間フィルム3の複数のフィルムに分散して作用するので形状保持がより安定する。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。図において、真空断熱装置は屈曲部における断熱材層1が曲率半径の小さい側から大きい側に向けて、断熱材層1A、断熱材層1B、及び断熱材層1Cの3層設けられている。真空断熱装置の屈曲部Bにおいて、断熱材層1Aには厚み方向外側にV字状の溝からなる切目部12が形成され、断熱材層1Bは分割部11や切目部12は設けられておらず、最外層の断熱材層1Cは延在方向に複数に分割された複数の分割部11が相互に隙間Cをあけて設置されている。そして、外側の外装フィルム2Bは、分割部11相互の隙間Cに入り込むように波形状に設けられている。なお、外装フィルム2Bの波形は各部材を積層し、減圧下で各フィルムを接着固定した後、大気圧に開放することで形成される。また、波形の底部ないしは谷底部と層間フィルム3との間には空隙が形成されて、真空部分が介在されている。その他の構成は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
上記のように構成された実施の形態2においては、外力によって屈曲部Bの曲率が大きくなる方向に変形した場合においても、外周側の外装フィルム2Bは谷になる部分が開くように変形し、実施の形態1の形状に比べて外周側の外装フィルム2Bにかかる応力が低減し、信頼性の向上が可能になる。また、曲率が小さくなるように変形した場合においても外周側の外装フィルム2Bにかかる圧縮方向の応力や皺の発生を低減できる。
なお、図4では曲げ方向の外周部の外装フィルム2Bを波状に形成した例を示したが、内周側の外装フィルム2Aにも同様の波形状を形成し、内周側の圧縮や引き延ばし時の外装フィルム2Aにかかる応力を回避できるようにすることもできる。また、隙間Cの部分は内周側が断熱材層1Cの延在方向に繋がって、例えば断面コ字形ないしはU字形状等の溝状の切目部になっていても良い。
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3による真空断熱装置の構成部材の積層順序を示す斜視図、図6は図5に示された層間フィルムを示す斜視図、図7は本発明の実施の形態3の変形例による真空断熱装置の一部を切欠いて概念的に示す斜視図、図8は図7に示された層間フィルムを示す斜視図である。図5において、真空断熱装置は実施の形態1と同様に、層間フィルム3を挟む形で断熱材層1A、1Bが配置され、内周側の断熱材層1Aは断面V字状の溝からなる切目部12が形成され、部分的に切り取られた形状となっている。一方、層間フィルム3の外周部は、得られる真空断熱装置の屈曲された部分が図5及び図6に示すように、切除されて切除部3aが形成されており、図の上下両端部の外装フィルム2と重合したときに、外装フィルム2と部分的に接合されないような形状となっている。
前記の状態で実施の形態1と同様に各部材を積層したものを、同様の金属型で上下から抑え付け気密構造の容器の中で真空状態に減圧排気した後、断熱材層1A、1Bの外周囲部で一対の外装フィルム2と層間フィルム3を一括で接合するとき、層間フィルム3の外周部は周方向に部分的に切除されているため、外周部の接着部においては、2枚の外装フィルム2同士が直接接着される箇所と、層間フィルム3を挟んで接着される箇所が発生する。多数のフィルムを挟み、屈曲した形状でフィルムを溶着した場合は溶着部に皺が発生することが懸念されるが、実施の形態3の構造においては、外周部の接着部分のうち、屈曲部分において層間フィルム3が切除され、外装フィルム2同士が直接溶着されているため、皺の発生を抑制することができる。
更に、図7の変形例に示すような半球に近い椀型ないしはボウル型の曲面形状からなる真空断熱装置を製造する場合には、内周側の断熱材層1Aを経度方向及び緯度方向に複数に分割すると共に、層間フィルム3を図8に示すように、図における頂点部の周りから下方向に向けた複数のスリットを放射状に形状し、下端部において層間フィルム3が一対の外装フィルム2と部分的に接着されるようにすることで、層間フィルム3において接着部以外の部分に発生する皺を抑制することが可能になり、形状がより安定する。なお、図8において、層間フィルム3の下端部の隣り合う接着用端部3b、3b同士が折り重なって接着されていても良い。
上記のように実施の形態3によれば、層方向の両端に配設された一対の外装フィルム2A、2Bと層間フィルム3とが、複数層の断熱材層1A、1Bの外周囲部に沿って重合され一括して接着された部分と、層間フィルム3における外周囲部に沿う所定部分が切除されて、その層間フィルム3が外装フィルム2と接着されていない部分とが形成されるように構成したことにより、溶着部に発生する皺が抑制された信頼性の高い真空断熱装置を得ることができる。
実施の形態4.
図9は本発明の実施の形態4による真空断熱装置の構成とその積層順序を示す斜視図である。図において、層間フィルム3は、屈曲された部分における中心部分に大きい穴3cが開けられ、更に図6の層間フィルム3と同様に、屈曲された部分の断熱材層1A、1Bの延在面方向外側に位置する箇所が、図における左右共に、対照的に切除された切除部3aが形成されている。この状態で外装フィルム2が全体を覆うように形成されている。なお、実施の形態4の場合、断熱材層1Aに設けた複数の切目部12の長さの方が切目部12に直交する方向の長さよりも長く形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のように構成された実施の形態4においては、図9の左端部または右端部の短辺の付近では、断熱材層1(1A、1B)の復元力に対して層間フィルム3の張力が働き、曲げに対する反発が抑制され、一方で中央部は層間フィルム3に穴3cが設けられているため、断熱材層1(1A、1B)の反発力を層間フィルム3によって抑える力が弱くなる。このため、短辺付近では組み立てに必要な形状精度を実現しながら、他の箇所では多少の変形が可能な構造にすることができる。
上記のように実施の形態4によれば、組み立てにおいて面方向の必要な箇所に層間フィルム3が配置されるように層間フィルム3の設置領域を選択するようにしたことで、他の部品との接続箇所等の形状精度が必要な箇所では形状精度を維持し、他の部品に合わせて変形が必要な箇所ではある程度の変形を許容することが可能な真空断熱装置を提供することができる。
実施の形態5.
図10は本発明の実施の形態5による真空断熱装置を概念的に示す断面図、図11は図10の真空断熱装置の変形例を概念的に示す断面図である。図10において、断熱材層1Aに設けられた複数の切目部12は、屈曲部における曲げ半径の小さい側から切り込まれ、曲げられた状態で断面V字状に形成され、隣り合う切目部12、12の間の断熱材層1Aは台形状になっており、切目部12の底部は図の左右方向につながっている。なお、断面V字状の切目部12の底部は図1に示す実施の形態1と同様に、断熱材層1Aの延在方向に切り離されていても良い。この状態で全体を外装フィルム2(2A、2B)が覆っている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
一方、図11に示す変形例は、図10に示す真空断熱装置の屈曲部の箇所を、曲げの方向を交互に変えて合計4か所設けると共に、断熱材層1Aと断熱材層1Bの内、屈曲部における曲げ半径が小さい側となる断熱材層1に切目部12をそれぞれ設けるようにしたものである。
上記のように構成された実施の形態5においては、用意された各部材を積層する際に、所望の屈曲面に成形するための金属型(図示省略)に各部材を沿わせつつ重合し、気密構造の容器の中で外フィルム材の周囲を真空状態下で溶着したとき、切目部12の断面形状が三角形になっているため、実施の形態1のような垂直な溝の形状に比べて隙間が発生し難い。よって、隙間が少なく、型の形状に沿った形に成形し易くなる。また、層間フィルム3による形状の保持作用があるため、断熱材層1(1A、1B)の復元力による形状の変化を低減することができる。また、断熱材層1が切目部12の底部で延在方向に連結されているため、製造が容易になる。また、図11のように、曲げる方向に応じて断熱材層1の除去箇所を設けることで複雑な形状の真空断熱装置を作ることができる。また、熱の貫通方向に断熱材層1が欠落した部分を無くすことが容易となることにより断熱性能を高めることができる。
なお、切目部12の断面形状は三角形状に限らず、四角形の凹部を設けたり、曲面で形成したりしてもよい。実施の形態1同様に、切目部12はその延在方向に断熱材層1の端から端に貫通していなくてもよい。
実施の形態6.
図12は本発明の実施の形態6による真空断熱装置を概念的に示す断面図、図13は図12に示す層間フィルムと断熱材層の積層工程における状態を示す断面図、図14は本発明の実施の形態6の変形例による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。図12において、真空断熱装置は断面方向の全体が屈曲部によって形成され、屈曲部の内周側における断熱材層1Aは延在面の方向に複数に分割された断面四角形の分割部11によって構成され、その分割部11は図13に示すように、所定間隔の隙間Cで層間フィルム3に対して接着材4により予め熱溶着されている。
なお、接着材4は、層間フィルム3の少なくとも一方の面に設けられている接着用の可塑性樹脂膜であっても良い。前記構成の各層を積層して曲げると、分割部11の曲げ中心側の角部が図12のように互いに近接または当接する状態となる。その他の構成は実施の形態1と同様である。
一方、図14に示す変形例は、真空断熱装置の屈曲部が断面方向の中央部に形成され、図の左右両端部近傍は直線状に形成されており、接着材4は断熱材層1Aの屈曲部に配設された断面四角形の分割部11の領域に部分的に設けられ、分割部11を層間フィルム3に接着固定している。
上記のように構成された実施の形態6においては、層間フィルム3に対して切断加工された分割部11を接着材4によって予め接着固定し、その後に各層を積層することで、それぞれの分割部11が製造過程で動くことがなくなるので、形状が揃った真空断熱装置を安定して製造することが容易になる。また、接着材4の厚みを厚くするように調整し、曲面形状に固定した状態に対応した形状で固化するようにすることで断熱材層1の反発力に抗して曲面形状を維持する応力を働かせることも可能である。
実施の形態7.
図15は本発明の実施の形態7による真空断熱装置を概念的に示す断面図である。なお、本実施の形態7は層間フィルム3Aとして、例えば市販の薄板状の熱可塑性材料からなるフィルム、または熱可塑性接着剤が塗布されたフィルムを用い、その層間フィルム3Aを介して積層された断熱材層1A及び断熱材層1Bが、曲げ成形過程で指定された所定の接着温度に加熱することにより、何れも層間フィルム3に対して接着固定された状態で金属型に沿った形状に変形した状態のまま固定されるようにしたものである。図において、層間フィルム3Aは薄板状の熱可塑性樹脂からなっているか、または実施の形態1と同様のフィルム材の両面に熱可塑性樹脂接着剤が塗布されたものからなっている。断熱材層1(1A、1B)、及び外装フィルム2は実施の形態1と同様のものが用いられる。
前記のような材料から図15の真空断熱装置を得るには、曲げ成形する際の金属型として加熱装置を備えたものを用いる(図示省略)。そして、実施の形態1と同様に各部材を積層し図示省略している金属型に沿わせて曲げ成形する際に、金属型の温度を層間フィルム3Aに用いた熱可塑性樹脂または熱可塑性接着剤の接着温度に加熱した後、実施の形態1と同様に真空排気、及び層間フィルム3Aと外装フィルム2の加熱融着を行うことにより、断熱材層1と層間フィルム3Aは金属型に沿った形状に変形した状態のまま固定される。この時、層間フィルムは80〜130℃程度に加熱される。これにより、断熱材層1の位置が変動せず安定した形状の真空断熱装置が得られる。なお、層間フィルム3Aとして板状の熱可塑性材料からなるフィルムを用いた場合は、積層状態で加熱する際に断熱材層1A、1Bが層間フィルム3Aに溶着固定される。
上記のように構成された実施の形態7においては、層間フィルム3Aとして、例えば市販の熱可塑性材料からなるフィルム、または熱可塑性接着剤が塗布されたフィルムを用いていることで、金属型に沿った形状に変形した後にその変形状態を維持するようにできる。このことで、断熱材層1の復元力に抗して変形形状を維持するような応力を働かせることができ、形状が安定した真空断熱装置を得ることができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を自由に組合せたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 断熱材層、1A 断熱材層、1B 断熱材層、1C 断熱材層、11 分割部、
12 切目部、2 外装フィルム、2A 外装フィルム、2B 外装フィルム、
3 層間フィルム、3A 層間フィルム、3a 切除部、3b 接着用端部、3c 穴、
4 接着材、A 接着部、B 屈曲部、C 隙間。

Claims (7)

  1. 層間フィルムを介して積層された複数の断熱材層と、その複数の断熱材層の積層方向両端に配設されたガスバリア性を有する一対の外装フィルムとを備え、前記一対の外装フィルムの内部が真空状態に排気され、前記複数の断熱材層の周囲部で前記一対の外装フィルム相互が、前記層間フィルムの周囲方向の少なくとも一部を挟んで気密に接着され、所望形状の屈曲部が形成された真空断熱装置であって、少なくとも一つの前記断熱材層は、前記屈曲部に対応する位置に、その延在面の方向に複数に分割された分割部、または厚み方向に形成された溝状の複数の切目部が設けられて成ることを特徴とする真空断熱装置。
  2. 前記層間フィルムは、隣り合う前記断熱材層の全対向面または一部の対向面を仕切るように形成されていることを特徴とする請求項1記載の真空断熱装置。
  3. 複数の前記断熱材層の内、屈曲形成された部分における最も外側または最も内側に配設された前記断熱材層は、前記分割部または前記切目部が設けられていると共に、その分割部または切目部に、前記外装フィルムが波形状に入り込んで成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の真空断熱装置。
  4. 前記屈曲部が延在方向に離間された複数個所に設けられてなり、それぞれの屈曲部においては、複数の前記断熱材層の内、当該屈曲部における最も内側に配設された前記断熱材層に、前記分割部または前記切目部が設けられ、当該屈曲部における最も外側に配設された前記断熱材層は延在面に一様に形成されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の真空断熱装置。
  5. 前記層間フィルムは、熱可塑性材料、または熱可塑性接着剤が両面に塗布されたものであることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の真空断熱装置。
  6. 前記分割部における前記断熱材層の分割片は、前記層間フィルムに熱溶着されていることを特徴とする請求項1から請求項5までの何れかに記載された真空断熱装置。
  7. 層間フィルムを介して積層された複数の断熱材層と、その複数の断熱材層の積層方向両端に配設されたガスバリア性を有する一対の外装フィルムとを備えた積層体を、所望形状の屈曲部を有する一対の型で挟んで、密封容器内に収容し、該密封容器内を真空状態に排気した後、該密封容器内で、前記外装フィルム及び前記層間フィルム相互を、積層された前記断熱材層の外周囲部に沿って融着する真空断熱装置の製造方法であって、少なくとも一つの前記断熱材層は、屈曲予定部に対応する位置に、該断熱材層が、その延在面の方向に複数に分割された分割部、または厚み方向に形成された溝状の複数の切目部が設けられたものを用いることを特徴とする真空断熱装置の製造方法。
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