JP2020012508A - 真空断熱材の製造方法 - Google Patents

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【課題】断熱性能を長期間維持できる真空断熱材を容易に製造可能な、真空断熱材の製造方法を提供する。【解決手段】真空断熱材1の製造方法は、第1融着工程と、排気工程と、第2融着工程と、を有する。第1融着工程において、フィルム21,22を面内において部分的に融着する複数の融着部を設けることにより、Y方向における端部27aのみが外部に連通する第1領域27と、Y方向と交差するX方向において融着部を挟んで第1領域27と隣り合うとともにY方向における端部29aのみが外部に連通する第2領域29と、を区画形成する。排気工程において、端部27aと端部29aを介して第1領域27と第2領域29から空気を排気する。第2融着工程において、端部27aと端部29aとにおいてフィルム21,22を融着することにより第1領域27と第2領域29とを封止する。【選択図】図2

Description

本発明は、真空断熱材の製造方法に関する。
建築物、自動販売機、クーラーボックス等に用いられる真空断熱材が普及している。真空断熱材は、一組のフィルムを部分的に融着して袋体を形成し、その内部に芯材を収容することにより形成されている。芯材が収容される領域(以下「芯材領域」という。)から空気を排出し、当該領域を真空に近い状態とすることにより、真空断熱材は高い断熱性能を発揮する。真空断熱材の断熱性能を長期間維持するためには、外部から芯材領域への空気の流入を抑制することが肝要である。
これに対し、特許文献1には、芯材領域の外周の領域(以下「外周領域」という。)も真空状態とした真空断熱材が開示されている。外周領域は、芯材領域を区画形成する融着部の外周に、さらに融着部を設けることにより区画形成されている。換言すれば、芯材領域は、二重の融着部により囲まれている。
特開平11−132389号公報
しかしながら、特許文献1記載の構成は、その製造工程において、空気を排気する工程と、フィルムを融着して領域を封止する工程とを、それぞれ少なくとも2度、必要とする。つまり、当該構成では、芯材領域から空気を排出し、一組のフィルムを融着して芯材領域を封止した後、さらに外周領域から空気を排出し、一組のフィルムを融着して外周領域を封止する必要がある。このように、特許文献1の構成によれば、真空断熱材の製造工程が煩雑となり、真空断熱材の製造コストが増加するという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、断熱性能を長期間維持できる真空断熱材を容易に製造可能な、真空断熱材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、一組のフィルムを重ね合わせる重合工程と、一組のフィルムを面内において部分的に融着する複数の融着部を設けることにより、第1方向における端部のみが外部に連通する第1領域を一組のフィルムの間に区画形成する第1融着工程と、第1領域に芯材を収容する芯材収容工程と、第1領域の端部を介して第1領域から空気を排出する排気工程と、第1領域の端部において一組のフィルムを融着することにより第1領域を封止する第2融着工程と、を有し、第1融着工程において、第1方向と交差する第2方向において融着部を挟んで第1領域と隣り合うとともに第1方向における端部のみが外部に連通する第2領域を一組のフィルムの間に区画形成し、排気工程において、第2領域の端部を介して第2領域から空気を排気し、第2融着工程において、第2領域の端部において一組のフィルムを融着することにより第2領域を封止する真空断熱材の製造方法が提供される。
上記製造方法により製造された真空断熱材では、第1領域の外周のうち、第2領域が形成されている部位には、二重の融着部が設けられる。これにより、外部から第1領域への空気の流入を抑制することが可能になる。
また、上記製造方法によれば、第1領域及び第2領域からの空気の排出は、それぞれの端部を介して行われる。当該それぞれの端部は、いずれも第1方向における端部である。同一方向の端部を介して空気を排出するため、1つの排気工程において、それぞれの端部を介して、第1領域からの空気の排出と、第2領域からの空気の排出とを、容易に行うことが可能になる。また、同一方向の端部を介して空気を排出することにより、第2融着工程における第1領域の封止と第2領域の封止も容易になる。この結果、断熱性能が長期間維持される真空断熱材を、容易に製造することが可能になる。
本発明の他の好ましい態様によれば、第1融着工程において、第1領域の端部と第2領域の端部とが一組のフィルムの一辺に沿って隣り合うように、第1領域及び第2領域を区画形成する。
この態様によれば、排気工程において、一組のフィルムの一辺を排気装置の熱融着用シールバーに配置することにより、第1領域の端部と、第2領域の端部とを、当該熱融着用シールバーに同時に配置することが可能になる。また、第2融着工程において、当該一辺に沿って延びる融着部を設けることにより、第1領域の封止と、第2領域の封止とを、同時に行うことができる。この結果、真空断熱材をより容易に製造することが可能になる。
本発明の他の好ましい態様によれば、真空断熱材は、平面視で略矩形状を呈し、第1融着工程において、真空断熱材の長辺方向に沿って延びる複数の長辺側融着部を設けて一組のフィルムを融着することにより、第1領域及び第2領域を区画形成し、第2融着工程において、真空断熱材の短辺方向に沿って延びる短辺側融着部を設けて一組のフィルムを融着することにより、第1領域と第2領域とを封止する。
この態様によれば、第1領域の外周のうち、真空断熱材の長辺に対応する部位には、二重の長辺側融着部が設けられる。これにより、真空断熱材の短辺に対応する部位に二重の融着部を設けた場合に比べて、外部から第1領域への空気の流入を広範囲に亘って抑制することが可能になる。また、第2融着工程において、真空断熱材の短辺に沿って延びる短辺側融着部を設けて第1領域の封止と第2領域の封止とを行うため、真空断熱材1の長辺に対応する部位に二重の融着部を設けてこれらの封止を行う場合に比べて、融着する範囲を狭くすることができる。この結果、第2融着工程における作業を簡単なものとすることが可能になる。
ところで、第2領域は、その容積が大きいほど、第1領域への空気流入の抑制効果が高まる。しかしながら、排気工程において第2領域から空気が排出されると、一対のフィルムは大気圧により押圧され、第2領域の容積が減少する。
本発明の他の好ましい態様は、排気工程に先駆けて、第2領域に中空部材を収容する中空部材収容工程を有し、第2領域に中空部材が収容された状態で、排気工程において第2領域から空気を排出するとともに、第2融着工程において第2領域を封止する。
上記態様によれば、第2領域に収容された中空部材が一対のフィルムを支持するため、排気工程後も、第2領域は少なくとも中空部材の内部に相当する容積が確保される。したがって、外部から第2領域に空気が流入した場合でも、第2領域における圧力の上昇を緩慢にすることができる。この結果、第2領域から第1領域への空気の流入をさらに確実に抑制することが可能になる。
本発明の他の好ましい態様によれば、中空部材は、略円筒形状を呈し、中空部材収容工程において軸線が第1方向に沿うように収容される。
この態様によれば、中空部材収容工程において、第2領域の端部から中空部材を挿入することにより、中空部材を第2領域の奥まで容易に収容することができる。この結果、中空部材収容工程における作業を簡単なものとしながら、排気工程後も、第2領域を所定の容積を有するものとすることが可能になる。
本発明によれば、断熱性能を長期間維持できる真空断熱材を容易に製造可能な、真空断熱材の製造方法を提供することができる。
実施形態に係る製造方法により製造される真空断熱材を示す平面図である。 図1のII−II断面を示す断面図である。 重合工程の説明図である。 第1融着工程の説明図である。 芯材収容工程の説明図である。 排気工程の説明図である。 第2融着工程の説明図である。 変形例に係る製造方法により製造される真空断熱材を示す平面図である。 図8のIX−IX断面を示す断面図である。 中空部材収容工程の説明図である。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照しながら、実施形態に係る製造方法により製造される真空断熱材1の概略を説明する。図1は、真空断熱材1を示す平面図であり、図2は、図1のII−II断面を示す断面図である。発明の理解を促すため、図2は、後述するフィルム21,22の厚みや、第2領域29の大きさ等を誇張して示している。
真空断熱材1は全体として略平板形状を呈している。図1に示されるように、真空断熱材1は、平面視では略矩形状を呈しており、長辺1Lと、短辺1Sと、を有している。真空断熱材1は、例えば、建築物、自動販売機、クーラーボックスに適用可能である。
尚、図1には、真空断熱材1の短辺方向に沿うX軸と、X軸と直交し真空断熱材の長辺方向に沿うY軸と、X軸及びY軸と直交するZ軸と、からなる座標が示されている。Y方向は、本発明に係る第1方向の一例であり、X方向は、本発明に係る第2方向の一例である。同様の座標は図2以降にも示されており、本明細書では、当該座標に基づいて真空断熱材1を説明する。
真空断熱材1は、フィルム21,22と、芯材3と、吸着剤4と、を備えている。
[フィルム]
フィルム21,22は積層シートであり、最外層に保護フィルムを、中間層にガスバリア性フィルムを、最内層に融着性フィルムを備えている。保護フィルムは、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート)系フィルム、ポリスチレンフィルム、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリルーブタジエンースチレンフィルム、メタクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ナイロンフィルム、ポリアミド樹脂フィルムにより構成される。保護フィルムの厚さを10μm以上とすることにより、フィルム21,22の破損を有効に防止することができる。
ガスバリア性フィルムは、アルミニウム、ステンレス、銅などの金属箔、アルミニウム、シリカ、アルミナの蒸着フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールなどの樹脂フィルムから構成される。ガスバリア性フィルムの厚さを10μm以上とすることにより、フィルム21,22の破損を有効に防止することができる。
融着性フィルムは、フィルム21,22同士を融着させる目的で積層シートの最内層に配置されている。融着性フィルムとして、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂又はエチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマーのフィルムが挙げられる。また融着性フィルムの厚さは、25μm以上とすることにより、融着性フィルム同士を融着させた融着部の密封性を高めることができ、真空包装後において融着部からの漏れ(リーク)発生し難くなる。
このように構成されたフィルム21,22は、図2に示されるように、融着性フィルムが配置された面21a,22aを対向させるように重ね合わせて配置されている。そして、フィルム21,22は、面内において部分的に融着している。
詳細には、X方向及び−X方向におけるフィルム21,22の端部は、いずれも長辺側融着部23aにおいて融着している。また、長辺側融着部23aよりも内側では、フィルム21,22は、2つの長辺側融着部23bにおいて融着している。長辺側融着部23aは、フィルム21,22のY方向端部と−Y方向端部との間で、Y軸に沿って(つまり、真空断熱材1の長辺方向に沿って)直線状に延びている。
また、−Y方向及びY方向におけるフィルム21,22の端部は、それぞれ短辺側融着部25a,25bにおいて融着している。短辺側融着部25a,25bは、フィルム21,22のX方向端部と−X方向端部との間で、X軸に沿って(つまり、真空断熱材1の短辺方向に沿って)直線的に延びている。短辺側融着部25a,25bは、長辺側融着部23a,23bの端部と連続するように設けられている。
フィルム21とフィルム22とが部分的に融着することにより、フィルム21とフィルム22との間には、第1領域27と、2つの第2領域29と、が区画形成されている。
第1領域27は、長辺側融着部23b,23b及び短辺側融着部25a,25bにより囲まれている。第1領域27は、これらの融着部により封止され、気密性を有している。第1領域27は、平面視で真空断熱材1の中央部に配置されている。
第2領域29は、長辺側融着部23a,23b及び短辺側融着部25a,25bにより囲まれている。第2領域29は、これらの融着部により封止され、気密性を有している。第2領域29は、X方向において長辺側融着部23bを挟んで第1領域27と隣り合うように配置されている。
[芯材]
芯材3は扁平形状を呈しており、第1領域27に収容されている。芯材3は、真空断熱材1の断熱性能を担う部材であり、無機繊維マットからなる。無機繊維とは、無機物からなる繊維であり、例えば短繊維からなるグラスウール、長繊維からなるガラス繊維、エアロゲル、シリカ粒子等を挙げることができる。具体的には、断熱吸音材として一般的に用いられているグラスウール、ガラス繊維を好適に用いることができる。
グラスウールは、平均繊維径が3〜7μmのものが好ましい。平均繊維径が3μm以上であれば、無機繊維の製造及び入手が容易となる。平均繊維径が7μm以下であれば、芯材として必要な断熱性能を得ることができる。
グラスウール、ガラス繊維の製法については特に限定されないが、例えば遠心法を用いた乾式芯材や、抄紙法を用いた湿式芯材が挙げられる。
グラスウールやガラス繊維とは、その厚さや密度に拘わらず、無機繊維が集積された集合物を指す。芯材3は、無機繊維マット1枚からなる単層体であってもよく、無機繊維マットが2〜4枚積層された積層体であってもよい。
芯材3の密度(後述するように真空包装された状態での密度)は特に限定されないが、180〜330kg/m3であることが好ましい。密度が180kg/m3以上の芯材は耐圧縮性に優れるため、芯材密度の上昇による断熱性能の低下が起こり難く、断熱性能に優れる。また、適度な剛性を有するため、第1領域27に充填し易い。芯材3の密度を210〜300kg/m3以上とすることが更に好ましい。芯材3を構成する繊維間に適度な空隙が保たれ、繊維同士が過度に接触せず、断熱性能を高めることができる。また、芯材3に適度な可撓性、柔軟性を付与することができるため、真空断熱材1の表面に不陸(多数の凸部)が形成され難い。芯材3の密度が330kg/m3以上であると、無機繊維間に適度な空隙がなくなり、無機繊維同士が接触してしまい、断熱性能が低下してしまう。
ガラス繊維やグラスウールは、上述のように繊維質が集積されているだけでも構わないが、有機バインダーに由来する熱硬化性樹脂が付与された繊維質であることが好ましい。このようなガラス繊維やグラスウールは、適度な剛性を有しており、潰れ難いため、芯材密度が上昇し難い。したがって、芯材の熱伝導が増加することに起因する断熱性能の低下が起こり難い。
有機バインダーの種類は特に限定されないが、脱水縮合により重合体を形成し得る前駆体を好適に用いることができる。脱水縮合により形成される重合体としては、例えばアルデヒド縮合性樹脂、ポリエステル、ポリアミド等を挙げることができる。アルデヒド縮合性樹脂としては、例えばレゾール型フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂等を挙げることができる。中でも、レゾール型フェノール樹脂が好ましい。
したがって、有機バインダーとしては、これらの重合体(熱硬化性樹脂)を形成し得る前駆体、例えば、 ホルムアルデヒドとフェノールとの混合物、他にはポリカルボン酸とポリオール(糖類を含む)/アミノアルコール/イミノアルコール及びポリアミンの群から選択される少なくとも1種の物質との混合物を用いることが好ましい。中でも、これらを成分とする水性バインダーを用いることが更に好ましい。
ポリカルボン酸とポリオール等混合物としては、ポリオール等の(水酸基、アミノ基、イミノ基の総モル数)/カルボキシル基のモル数のモル比が、0.5以上とすると、バインダーを構成する殆どの分子が硬化反応に関与して、未反応の遊離ポリカルボン酸を減少させることができる。なお、未反応の遊離ポリカルボン酸、未反応の遊離ポリオール等を減少させることで、これらの物質が経時的にガス化し(アウトガス)、アウトガスによって真空断熱材1の断熱性が低下する不具合を有効に防止することができる。
芯材3における熱硬化性樹脂の含有率は、ガラス繊維やグラスウールと熱硬化性樹脂の合計質量に対し0.5質量%以上とすることにより、芯材3の剛性が高まり、真空包装時に芯材3が潰れ難くなるため、断熱性能の低下が起こり難い。また、芯材3が垂れ難くなり、芯材3の搬送や包装袋への充填等、ハンドリング性が向上する。
なお、熱硬化性樹脂の含有率は、強熱減量法(LOI:Loss of Ignition)により測定された強熱減量に基づき算出される。強熱減量の測定は、有機バインダーを付着させ、乾燥させたマット状物の乾燥試料を約550℃で強熱することにより減少した質量を測定することにより行う。
[吸着剤]
吸着剤4は、芯材3とともに第1領域27に収容されている。吸着剤4は、例えば、窒素、酸素、二酸化炭素等のガス、及び/又は水分を吸着する物質である。吸着剤4としては、酸化カルシウム、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、酸化バリウム、バリウム−リチウム合金又はこれらの混合物等が挙げられる。ガス吸着性能及び生産性の観点から、酸化カルシウムが好ましい。吸着剤は公知であり、市場において容易に入手することができるか、又は調製可能である。
[第1領域及び第2領域の機能]
真空断熱材1は、第1領域27及び第2領域29から空気を排出し、第1領域27において芯材3及び吸着剤4を真空包装することにより構成されている。第1領域27の圧力と、第2領域29の圧力は、いずれも、例えば1〜2Pa程度に設定される。芯材3は、真空包装に伴い圧縮されることにより、所定の剛性を発揮する。これにより、真空断熱材1は、その略平板形状を維持することができる。
経時等により長辺側融着部23aが劣化した場合について、図2を参照しながら説明する。第2領域29の圧力が1〜2Pa程度であるのに対し、真空断熱材1の外部の圧力は大気圧程度(100kPa程度)である。長辺側融着部23aが劣化すると、この第2領域29内外の圧力差に伴い、矢印AFで示されるように、空気が長辺側融着部23aを通過して第2領域29に徐々に流入することがある。
前述したように、第2領域29は、長辺側融着部23a,23b及び短辺側融着部25a,25bにより封止されている。このため、第2領域29に流入した空気は、外部に排出されることなく、第2領域29で滞留する。
空気の滞留に伴い、第2領域29の圧力が上昇する。しかしながら、第2領域29は予め真空に近い状態とされていたため、圧力の上昇は緩慢なものとなる。空気の流入から所定の期間は、第2領域29の圧力は、例えば10〜20Pa程度に留まる。
このため、第2領域29の圧力(10〜20Pa程度)と第1領域27の圧力(1〜2Pa程度)との差は、第2領域29の圧力と大気圧(100kPa程度)との差に比べて、極めて小さい。このため、第2領域29で滞留している空気は、長辺側融着部23bを介して第1領域27に流入し難い。
このように、第1領域27の外周のうち、第2領域29が形成されている部位には、長辺側融着部23a,23bの二重の融着部が設けられる。これにより、外部から第1領域27への空気の流入を抑制することが可能になる。
次に、図3から図7を参照しながら、真空断熱材1の製造方法について説明する。図3は、重合工程の説明図である。図4は、第1融着工程の説明図である。図5は、芯材収容工程の説明図である。図6は、排気工程の説明図である。図7は、第2融着工程の説明図である。
本実施形態に係る製造方法は、重合工程と、第1融着工程と、芯材収容工程と、排気工程と、第2融着工程と、を有している。
[重合工程]
まず、重合工程において、図3に示すように、フィルム21とフィルム22とを重ね合わせる。このとき、フィルム21,22は、融着性フィルムが配置された面21a,22a(面21aについては図2参照)が互いに対向するように配置される。
[第1融着工程]
第1融着工程では、重ね合わせたフィルム21,22の面内の一部を加熱する。詳細には、フィルム21,22のうち、前述した長辺側融着部23a,23b及び短辺側融着部25aに対応する部位を加熱する。加熱により、融着性フィルムの温度がその融点に達すると、長辺側融着部23a,23b及び短辺側融着部25aが設けられ、フィルム21,22が融着する。第1融着工程における加熱方式としては、真鍮や銅製の熱板の中に埋めこまれたニクロム線により熱板を発熱させてフィルム21,22を加熱する熱板方式や、発熱体であるニクロム線により直接フィルム21,22を加熱するインパルス方式等、種々のものを採用することができる。
第1融着工程により長辺側融着部23a,23b及び短辺側融着部25aが設けられると、フィルム21とフィルム22との間には、第1領域27、及び、2つの第2領域29が区画形成される。このとき、短辺側融着部25b(図1参照)はまだ設けられていないため、Y方向における第1領域27の端部27a、及び、第2領域29の端部29aは、外部に連通している。すなわち、第1領域27及び第2領域29は、いずれも封止されていない。端部27aと端部29aは、短辺1Sに沿ってX方向に隣り合うように配置されている。
[芯材収容工程]
芯材収容工程では、図5に示されるように、芯材3を第1領域27に収容する。本実施形態では、端部27aから第1領域27に芯材3を挿入する。
[排気工程]
排気工程では、図6に示されるように、芯材3が収容された第1領域27、及び、第2領域29から、端部27a,29aを介して空気を排出する。このとき、第1領域27の端部27aと、第2領域29の端部29aとは、不図示の排気装置の熱融着用シールバーに配置される。
[第2融着工程]
第2融着工程では、重ね合わせたフィルム21,22のうち、前述した短辺側融着部25bに対応する部位を加熱する。加熱により、融着性フィルムの温度がその融点に達すると、短辺側融着部25bが設けられ、フィルム21,22が融着する。これにより、第1領域27及び第2領域29が封止され、第1領域27に芯材3が密封された真空断熱材1が完成する。第2融着工程後、真空断熱材1が排気装置から取り出されて大気開放されると、フィルム21,22が大気圧により押圧され、芯材3が圧縮される。
次に、本実施形態に基づく作用効果について説明する。
この製造方法によれば、第1領域27及び第2領域29からの空気の排出は、端部27a,29aを介して行われる。端部27a,29aは、いずれもY方向における端部である。同一方向の端部を介して空気を排出するため、1つの排気工程において、端部27a,29aを介して、第1領域27からの空気の排出と、第2領域29からの空気の排出とを、容易に行うことが可能になる。また、同一方向の端部を介して空気を排出することにより、第2融着工程における第1領域27の封止と第2領域29の封止も容易になる。この結果、断熱性能が長期間維持される真空断熱材1を、容易に製造することが可能になる。
また、第1融着工程において、第1領域27の端部27aと第2領域29の端部29aとがフィルム21,22の一辺に沿って隣り合うように、第1領域27及び第2領域29を区画形成する。
この態様によれば、排気工程において、フィルム21,22の一辺を排気装置の熱融着用シールバーに配置することにより、第1領域27の端部27aと、第2領域29の端部29aとを、当該熱融着用シールバーに同時に配置することが可能になる。また、第2融着工程において、当該一辺に沿って延びる融着部を設けることにより、第1領域27の封止と、第2領域29の封止とを、同時に行うことができる。この結果、真空断熱材1をより容易に製造することが可能になる。
また、真空断熱材1は、平面視で略矩形状を呈している。第1融着工程において、真空断熱材1の長辺方向に沿って延びる長辺側融着部23a,23bを設けてフィルム21,22を融着することにより、第1領域27及び第2領域29を区画形成する。第2融着工程において、真空断熱材1の短辺方向に沿って延びる短辺側融着部25bを設けてフィルム21,22を融着することにより、第1領域27と第2領域29とを封止する。
この態様によれば、第1領域27の外周のうち、真空断熱材1の長辺1Lに対応する部位には、二重の長辺側融着部23a,23bが設けられる。これにより、真空断熱材1の短辺1Sに対応する部位に二重の融着部を設けた場合に比べて、外部から第1領域27への空気の流入を広範囲に亘って抑制することが可能になる。また、第2融着工程において、真空断熱材1の短辺1Sに沿って延びる短辺側融着部25bを設けて第1領域27の封止と第2領域29の封止とを行うため、真空断熱材1の長辺1Lに対応する部位に二重の融着部を設けてこれらの封止を行う場合に比べて、融着する範囲を狭くすることができる。この結果、第2融着工程における作業を簡単なものとすることが可能になる。
次に、図8から図10を参照しながら、変形例について説明する。図8は、変形例に係る製造方法により製造される真空断熱材1Aを示す平面図である。図9は、図8のIX−IX断面を示す断面図である。図10は、中空部材収容工程の説明図である。
真空断熱材1Aは、図8及び図9に示されるように、第2領域29にパイプ5が収容されている点で、真空断熱材1と異なる。真空断熱材1Aのうち、真空断熱材1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を適宜省略する。真空断熱材1Aは、前述した真空断熱材1と同様に、建築物、自動販売機、クーラーボックス等に適用可能である。
パイプ5は、本発明に係る中空部材の一例であり、アルミニウムにより形成されている。パイプ5を形成する材料としては、アルミニウムの他にも、硬質樹脂等、パイプ5に所定の剛性を与えるものを適宜選択することができる。
[中空部材収容工程]
パイプ5は、中空部材収容工程において、第2領域29に収容される。中空部材収容工程は、前述した排気工程に先駆けて行われる。図10は、前述した芯材配置工程と中空部材収容工程とを同時に行う形態を示している。中空部材配置工程では、軸線51をY方向に沿わせ、端部29aから第2領域29に挿入する。
中空部材収容工程後、前述した実施形態と同様に、排気工程が行われる。排気工程では、第2領域にパイプ5が収容された状態で、第1領域27、及び、第2領域29から、端部27a,29aを介して空気を排出する。
排気工程後の第2融着工程では、第2領域29にパイプ5が収容された状態で、短辺側融着部25b(図1等参照)が設けられ、フィルム21,22が融着する。これにより、第1領域27及び第2領域29が封止され、第1領域27に芯材3が密封され、第2領域29が密封された真空断熱材1Aが完成する。
第2融着工程後、真空断熱材1Aが排気装置から取り出されて大気開放されると、フィルム21,22が互いに接近する方向に大気圧が作用する。しかしながら、第2領域29では、所定の剛性を有するパイプ5が、その外周面5aにおいてフィルム21,22を支持する。これにより、フィルム21,22の接近が妨げられ、第2領域29では、排気工程後も、少なくともパイプ5の内部に相当する容積が確保される。
次に、本変形例に基づく作用効果について説明する。
変形例に係る真空断熱材1Aの製造方法は、排気工程に先駆けて、第2領域29にパイプ5を収容する中空部材収容工程を有している。そして、第2領域29にパイプ5が収容された状態で、排気工程において第2領域29から空気を排出するとともに、第2融着工程において第2領域29を封止する。
この態様によれば、第2領域29に収容されたパイプ5がフィルム21,22を支持するため、排気工程後も、第2領域29は少なくともパイプ5の内部に相当する容積が確保される。したがって、外部から第2領域29に空気が流入した場合でも、第2領域29における圧力の上昇を緩慢にすることができる。この結果、第2領域29から第1領域27への空気の流入をさらに確実に抑制することが可能になる。
また、パイプ5は、略円筒形状を呈し、中空部材収容工程においてその軸線51がY方向に沿うように収容される。
この態様によれば、中空部材収容工程において、第2領域29の端部29aからパイプ5を挿入することにより、パイプ5を第2領域29の奥まで容易に収容することができる。この結果、中空部材収容工程における作業を簡単なものとしながら、排気工程後も、第2領域29を所定の容積を有するものとすることが可能になる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されず、適宜変更することができる。
上記実施形態では、一対のフィルムの例として、互いに独立したフィルム21とフィルム22とを挙げているが、本発明はこの形態に限定されない。本発明に係る一対のフィルムとして、例えば、重ね合わせることができるように折り曲げた単一のフィルムを用いてもよい。この例では、単一のフィルムのうち、重ね合わせられる2つの部分が、本発明に係る「一対のフィルム」に相当する。この例によれば、前述した短辺側融着部25bが不要になるため、外部から第1領域への空気の流入をさらに確実に抑制することが可能になる。
1,1A:真空断熱材
1L:長辺
1S:短辺
21,22:フィルム
23a,23b:長辺側融着部(融着部)
25a,25b:短辺側融着部(融着部)
27:第1領域
27a:第1領域の端部
29:第2領域
29a:第2領域の端部
3:芯材
5:パイプ(中空部材)
51:軸線

Claims (5)

  1. 真空断熱材の製造方法であって、
    一組のフィルムを重ね合わせる重合工程と、
    前記一組のフィルムを面内において部分的に融着する複数の融着部を設けることにより、第1方向における端部のみが外部に連通する第1領域を前記一組のフィルムの間に区画形成する第1融着工程と、
    前記第1領域に芯材を収容する芯材収容工程と、
    前記第1領域の前記端部を介して前記第1領域から空気を排出する排気工程と、
    前記第1領域の前記端部において前記一組のフィルムを融着することにより前記第1領域を封止する第2融着工程と、を有し、
    前記第1融着工程において、前記第1方向と交差する第2方向において前記融着部を挟んで前記第1領域と隣り合うとともに前記第1方向における端部のみが外部に連通する第2領域を前記一組のフィルムの間に区画形成し、
    前記排気工程において、前記第2領域の前記端部を介して前記第2領域から空気を排気し、
    前記第2融着工程において、前記第2領域の前記端部において前記一組のフィルムを融着することにより前記第2領域を封止することを特徴とする、真空断熱材の製造方法。
  2. 前記第1融着工程において、前記第1領域の前記端部と前記第2領域の前記端部とが前記一組のフィルムの一辺に沿って隣り合うように、前記第1領域及び前記第2領域を区画形成する、請求項1に記載の真空断熱材の製造方法。
  3. 前記真空断熱材は、平面視で略矩形状を呈し、
    前記第1融着工程において、前記真空断熱材の長辺方向に沿って延びる複数の長辺側融着部を設けて前記一組のフィルムを融着することにより、前記第1領域及び前記第2領域を区画形成し、
    前記第2融着工程において、前記真空断熱材の短辺方向に沿って延びる短辺側融着部を設けて前記一組のフィルムを融着することにより、前記第1領域と前記第2領域とを封止する、請求項1又は2に記載の真空断熱材の製造方法。
  4. 前記排気工程に先駆けて、前記第2領域に中空部材を収容する中空部材収容工程を有し、
    前記第2領域に前記中空部材が収容された状態で、前記排気工程において前記第2領域から空気を排出するとともに、前記第2融着工程において前記第2領域を封止する、請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材の製造方法。
  5. 前記中空部材は、略円筒形状を呈し、前記中空部材収容工程において軸線が前記第1方向に沿うように収容される、請求項4に記載の真空断熱材の製造方法。
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