JP2010053979A - 真空断熱材およびこれを用いた断熱箱体並びに冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱性能と環境負荷の両立を図ることができ、循環型エコリサイクルを実現される真空断熱材を提供すること。
【解決手段】有機繊維集合体からなる芯材3と、ガス又は水蒸気を吸着するゲッター剤4と、芯材3及びゲッター剤4を収納するガスバリア性をもつ外包材2と、を備え、外包材2の内部を真空封止した真空断熱材1であって、芯材3は、炭素と水素からなる環境に優しく、且つ吸湿性の低い素材を溶融紡糸で直接形成した長繊維ウェブからなるもの。具体的には、芯材3は汎用のポリスチレン樹脂であり、さらに、メルトブローンおよび/またはスパンボンドの溶融紡糸により形成されたものである。また、芯材の平均繊維径が8μm〜20μmであり、芯材の密度が150〜300Kg/m3である真空断熱材。
【選択図】図1

Description

本発明は、保温・保冷機能を向上させるとともに、環境負荷が小さくリサイクル性の優れた真空断熱材およびこれを用いた断熱箱体並びに冷蔵庫等に関する。
近年、地球温暖化に対する観点から、家電品の消費電力量削減の必要性が望まれている。その中でも冷蔵庫、エアコン等は特に消費電力量の多い製品であり、消費電力量削減が地球温暖化対策として必要な状況にある。冷蔵庫を例に挙げると、冷蔵庫の消費電力は庫内の負荷量が一定であれば、庫内冷却用圧縮機の効率と、庫内からの熱漏洩量に関係する断熱材の断熱性能によってその大部分が決まる。そのため、冷蔵庫の技術開発においては、圧縮機の効率と共に断熱材の性能向上が求められている。
このような課題を解決する断熱材の一つとして真空断熱材がある。真空断熱材はガスバリア性を有する外包材中に断熱性に優れた芯材を入れ、内部を真空にすることで作製される。真空断熱材の芯材には、無機繊維のグラスウールが用いられ、極細繊維(平均繊維径:3〜5μm)で製品化されている。
一方、有機繊維の芯材としては、次に示すような公開公報等に開示されている。例えば、特許文献1には、グラスウールと熱可塑性樹脂の繊維とを含有する真空断熱材用コア材において、熱可塑性樹脂繊維としてのポリプロピレン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレンを加熱溶融および加圧でグラスウールと接着した構成とすることで吸着剤を封入させずに、耐圧性が高い形状維持の優れた断熱性能を有する真空断熱材が記載されている。
また、特許文献2には、ポリエステル繊維を含有する芯材を収容する内包材が減圧状態の外包材に収容した真空断熱材において、ポリエステル繊維の太さが1〜6デニール、内包材がポリエチレンテレフタレート、芯材の密度が150〜300Kg/m3とすることにより、製造時およびリサイクル時において環境負荷が低く、取り扱い性や生産効率に優れ長期にわたり良好な断熱性の真空断熱材が記載されている。
また、特許文献3には、融点の異なる少なくとも2種類のポリエステル繊維を含む繊維集合体をシート状の真空断熱材用芯材において、繊維集合体がサーマルボンド法、ニードルパンチ法でシート状に加工して、低融点ポリエステル繊維が110〜170℃、高融点ポリエステル繊維がさらに20℃以上高く、繊維太さが1〜6デニールで配合割合が重量比10:90〜30:70とすることにより、製造時やリサイクル時に環境負荷が低く、作業性に優れる良好な断熱性の真空断熱材が記載されている。
また、特許文献4には、芯材が繊維太さ1〜6デニールのポリエステル繊維を50重量%以上含有するシート状繊維集合体であり、平均繊維径が9〜25μm、繊維集合体がニードルパンチでシート状に加工され、芯材の密度が150〜300Kg/m3とすることにより、製造時およびリサイクル時の環境負荷が低く、取り扱い性に優れる良好な断熱性の真空断熱材が記載されている。
また、特許文献5には、芯材が有機繊維からなるシート状繊維集合体であり、芯材の真空引き後の真空断熱材厚みが0.1〜5mm、ガス吸着物質が軟質包袋のポリエステル繊維不織布、その目付けが30〜200g/m2、芯材がポリエステル繊維とすることにより、製造時およびリサイクル時における取り扱い性が容易で、真空引き後の曲面加工性や断熱性に優れる真空断熱材が記載されている。
特開2003-155651号公報 特開2006-283817号公報 特開2006-57213号公報 特開2006-29505号公報 特開2006-153199号公報
しかしながら、上記の公開公報である特許文献1〜5に開示された技術には、次のような解決すべき課題が存在する。例えば、上記特許文献1に記載された真空断熱材では、グラスウールと熱可塑性樹脂繊維を加熱溶融(約180〜220℃)および加圧(約1Kg/cm2)することで、グラスウールに接着する芯材としたものである。そのため、熱可塑性樹脂の繊維が有機バインダーの機能を有するため、アウトガスの影響で断熱性能が低下する。
また、適量のグラスウールと熱可塑性樹脂を満遍なく混合開繊して綿状混合物の積層体を芯材とした場合、熱可塑性樹脂繊維の混合では、繊維同士の接合点面積が増加して熱移動経路が増し、断熱性能が低下する課題がある。即ち、グラスウールと熱可塑性樹脂繊維の場合、芯材が混合の繊維積層体と各々の繊維積層体では熱伝導率が異なり、明細書中に記載される混合繊維積層体では断熱性が大きく劣る。
さらに、真空断熱材の折り曲げは述べられていないが、グラスウールの芯材では被取り付け部の形状に沿う曲げが困難で、無理に曲げるとグラスウールの切断と曲げ部で起こる芯材厚みの減少により断熱性能が劣る。近年では、ガラス繊維のグラスウール含有の芯材では、人体への粉塵影響、CO2排出量の低減、循環型エコリサイクルを考慮した環境負荷への課題を有する。
上記特許文献2に記載された真空断熱材では、環境負荷が小さくリサイクル性が優れる。しかし、芯材がポリエステル繊維では分子中にエステル結合の極性基を有するため、吸水率が約0.4〜0.5%と高い値を示す。真空断熱材では減圧後の総ガス量の大部分が水分であり、ポリエステル繊維の芯材を組み立てる間に空気中の水分を徐々に吸着(吸湿)する。芯材の水分量が熱伝導率に大きく影響するため、真空断熱材を組み立てる直前に水分の除去および水分の再吸着を防ぐ管理処理が必要になる。
また、ポリエステル繊維の芯材を用いた真空断熱材では、明細書中に記載されるように熱伝導率が3mW/m・K以上と高く断熱性能が劣る。現製品に使用のグラスウールは、平均繊維径が3〜5μmの極細繊維を用い、熱伝導率が約2mW/m・Kと低い。従って、新たな有機繊維の真空断熱材であっても、グラスウール並みの断熱性能が求められる。その理由として、例えば冷蔵庫等に熱伝導率が劣るポリエステル繊維の真空断熱材を搭載すると、冷蔵庫の熱漏洩量が高く消費電力量の低減が小さいという課題が発生する。
さらに、真空断熱材の折り曲げの内容は述べられていないが、ポリエステル繊維の芯材では被取り付け部の形状に沿って曲げが困難で、無理に曲げると繊維が切断され、曲げ部で真空断熱材厚みの減少により断熱性能が劣る課題を有する。
上記特許文献3に記載された真空断熱材では、環境負荷が小さくリサイクル性が優れる。しかし、芯材が融点の異なる2種類のポリエステル繊維集合体では、分子中にエステル結合の極性基を有するため、吸水率が約0.4〜0.5%と高い値を示す。真空断熱材では減圧後の総ガス量の大部分が水分であり、ポリエステル繊維の芯材を組み立てられるまでの間に空気中の水分を徐々に吸着(吸湿)する。芯材の水分量が熱伝導率に大きく影響するため、真空断熱材を組み立てる直前に水分の除去および水分の再吸着を防ぐ管理処理が必要になる。
また、繊維集合集合体がサーマルボンド法でシート状に加工され、低融点ポリエステル繊維が110〜170℃の加温と高融点ポリエステル繊維がさらに20℃以上高い加温処理を行う。2種のポリエステル繊維の真空断熱材では、明細書中に記載されているように熱伝導率がいずれも4mW/m・K以上と高く断熱性能が劣る。現製品に使用のグラスウールでは、平均繊維径が3〜5μmの極細繊維で熱伝導率が約2mW/m・Kと低い。従って、新たな有機繊維の真空断熱材であっても、グラスウール並みの断熱性能が求められる。その理由として、例えば冷蔵庫等に熱伝導率が劣るポリエステル繊維の真空断熱材を搭載すると、冷蔵庫の熱漏洩量が高く消費電力量の低減が小さいという課題が起こる。
さらに、真空断熱材の折り曲げの内容は述べられていないが、ポリエステル繊維芯材では被取り付け部の形状に沿って曲げが困難で、無理に曲げると繊維が切断され、曲げ部で厚みの減少により真空断熱材の断熱性能が劣る課題を有する。
上記特許文献4に記載された真空断熱材では、環境負荷が小さくリサイクル性が優れる。しかし、芯材の繊維太さが1〜6デニールのポリエステル繊維を50重量%以上含有するシート状繊維集合体では分子中にエステル結合の極性基を有するため、吸水率が約0.4〜0.5%と高い値を示す。真空断熱材では減圧後の総ガス量の大部分が水分であり、ポリエステル繊維の芯材を組み立てられるまでの間に空気中の水分を徐々に吸着(吸湿)する。芯材の水分量が熱伝導率に大きく影響するため、真空断熱材を組み立てる直前に水分の除去および水分の再吸着を防ぐ管理処理が必要になる。
また、ポリエステル繊維集合体に含有される他の繊維はポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、アラミド、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリウレタンの合成繊維や無機繊維や天然繊維等があり、この芯材を用いた真空断熱材では明細書中に記載されるように、熱伝導率がいずれも3mW/m・K以上で断熱性能が劣る。現製品に使用のグラスウールでは、平均繊維径が3〜5μmの極細繊維では熱伝導率が約2mW/m・Kと低い。従って、新たな有機繊維の真空断熱材であってもグラスウール並みの断熱性能が求められる。その理由として、例えば冷蔵庫等に熱伝導率が劣るポリエステル繊維の真空断熱材を搭載すると、冷蔵庫の熱漏洩量が高く消費電力量の低減が小さいという課題が起こる。
さらに、真空断熱材の折り曲げの内容は述べられていないが、ポリエステルの繊維芯材では被取り付け部の形状に沿って曲げが困難で、無理に曲げると繊維が切断され、曲げ部で厚みの減少により真空断熱材の断熱性能が劣る課題を有する。
上記特許文献5に記載された真空断熱材では、環境負荷が小さくリサイクル性が優れる。しかし、芯材が有機繊維からなるシート状繊維集合体であり、芯材の真空引き後の厚みが0.1〜5mmでガス吸着材の包袋がポリエステル繊維製不織布、芯材がポリエステル繊維であり分子中にエステル結合の極性基を有するため、吸水率が約0.4〜0.5%と高い値を示す。真空断熱材では減圧後の総ガス量の大部分が水分であり、ポリエステル繊維の包袋および芯材は組み立てられるまでの間に空気中の水分を徐々に吸着(吸湿)する。芯材の水分量が熱伝導率に大きく影響するため、真空断熱材を組み立てる直前に水分の除去および水分の再吸着を防ぐ管理処理が必要になる。
また、真空断熱材の真空引き後の厚みが0.1〜5mmでは非常に薄く断熱性が不十分で、明細書中に記載されているように熱伝導率がいずれも4mW/m・K以上と高い値を示す。現製品に使用のグラスウールでは、平均繊維径が3〜5μmの極細繊維では熱伝導率が約2mW/m・Kと低い。
従って、新たな有機繊維の真空断熱材であっても、グラスウール並みの断熱性能が求められる。その理由として、冷蔵庫等に厚さが薄いポリエステル繊維の真空断熱材を搭載すると、断熱性が不十分な問題がおこる。グラスウールの真空断熱材では消費電力量の観点から、通常の場合には真空引き後の厚みが約10mmである。薄い真空断熱材では折り曲げ性は優れるが、冷蔵庫の断熱材に用いた場合、消費電力量を低減させる効果が小さい課題を有する。
本発明の目的は、炭素と水素からなる環境に優しく、吸湿性が低いポリスチレン素材の長繊維ウェブを真空断熱材の芯材とすることにより、グラスウールを用いた場合と同等の熱伝導率(2mW/m・K)を示す高性能な真空断熱材を提供することにある。さらに、従来、グラスウールやポリエステル繊維を用いた際に、環境負荷と断熱性の両立が課題であった熱伝導率、折り曲げ性、水分除去、粉塵度合、CO2排出量が改良され、循環型エコリサイクルが可能な真空断熱材の断熱箱体並びに冷蔵庫を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
有機繊維集合体からなる芯材と、ガス又は水蒸気を吸着するゲッター剤と、前記芯材及び前記ゲッター剤を収納するガスバリア性をもつ外包材と、を備え、前記外包材の内部を真空封止した真空断熱材であって、前記芯材は、炭素と水素からなる環境に優しく、且つ吸湿性の低い素材を溶融紡糸で直接形成した長繊維ウェブを有する構成とする。さらに、前記芯材は汎用のポリスチレン樹脂であり、さらに、このポリスチレン樹脂は、メルトブローンおよび/またはスパンボンドの溶融紡糸により形成されている。さらに、芯材の平均繊維径が8μm〜20μmであり、前記芯材の密度が150〜300Kg/m3である構成とする。
また、外箱と内箱とで形成される空間に、真空断熱材を設置するとともに発泡断熱材を充填した断熱箱体であって、前記真空断熱材は、有機繊維集合体からなる芯材、ガス又は水蒸気を吸着するゲッター剤、前記芯材及び前記ゲッター剤を収納するガスバリア性をもつ外包材、を有して前記外包材の内部を真空封止したものであり、前記真空断熱材の芯材はポリスチレン樹脂の長繊維ウェブを有する構成とする。さらに、前記真空断熱材は、前記空間を形成した前記外箱上または前記内箱上に設置されている。さらに、前記真空断熱材は、前記外箱または前記内箱の2つの面が交差する角部に折り曲げて設置されている。
本発明によれば、炭素と水素からなる環境に優しいポリスチレン素材の長繊維ウェブを新たな芯材とすることで、グラスウールの真空断熱材と同等な熱伝導率(2mW/m・K)を示す高性能な真空断熱材を提供することができる。
さらに、グラスウールやポリエステル繊維で課題であった断熱性能と環境負荷の両立が図れる真空断熱材として、熱伝導率、折り曲げ性、水分除去、CO2排出量が改良され、循環型エコリサイクルが可能な真空断熱材およびそれを用いた断熱箱体並びに冷蔵庫を提供することができる。
本発明の実施形態に係る真空断熱材について、その構成上の特徴、並びにその機能又は作用を以下詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る真空断熱材の構成を示す断面図である。図1において、1は真空断熱材、2は外包材、3はポリスチレン長繊維の芯材、4はゲッター剤、をそれぞれ表す。
まず、本発明の実施形態に係る真空断熱材について、主として断熱性能と環境負荷の観点でその特徴を順を追って説明する。本実施形態の特徴は、有機繊維の芯材、ゲッター剤(後述するが、ガスや水蒸気を吸収するもの)、外包材を有し、外包材が減圧封止される真空断熱材において、有機繊維が炭素と水素からなる環境に優しい、ポリスチレン素材の長繊維ウェブを配したことにある。真空断熱材の芯材は、大気圧からその形状を保持するスペーサの機能を持ち、減圧時の圧縮応力を受けても高空隙を有する繊維が好ましい。また、断熱性能の指標である熱伝導率が芯材の種類で大きく異なるため、安価な汎用品で吸湿性が低い高剛性の繊維体として、ポリスチレン繊維の芯材を新たに選定したことを特徴とする。
本実施形態で使用するポリスチレンは、側鎖のベンゼン環が嵩高くて分子鎖が剛直で絡み難くて脆く、曲げ弾性率が約3000MPa以上の汎用品であるポリスチレンが好ましい。ポリスチレンは疎水性の非極性基を有し、吸湿性が低く、分子量は繊維化されれば制限はなく約20万〜40万が好ましい。例えば、ポリスチレン繊維の代りに汎用のポリエチレンやポリプロピレンの繊維を用いると、吸湿性は低いが曲げ弾性率が低くクリープ現象も大きいため、減圧時の圧縮応力で高空隙を得ることが難しく熱伝導率が5mW/m・K以上と高く、断熱性能が劣る。
繊維の状態としては、短繊維のようにポイント繊維集合体で長さが短いと熱伝導率が高くなるため、連続した長繊維(連続した不定の長さの繊維)で平均繊維径が約20μm以下、特に5〜20μmが熱伝導率の観点から好ましい。例えば、繊維の剛さは繊維直径の4乗とヤング率の積に比例することから、長径を1/2にした際に剛さが1/16まで小さくなり、非常に柔らかくなり約5μm以上が好ましい。
逆に、繊維径が大きすぎると繊維の接触が線に近くなり接触熱抵抗の低減で熱伝導率が高くなり、約20μm以下が好ましい。なお、平均繊維径は走査式電子顕微鏡を用いて、約10本の繊維を含む視野の繊維直径を測定した。
さらに、芯材の密度が150Kg/m3以下では芯材の強度が低下して、熱伝導率が高くなる傾向にある。また、逆に300Kg/m3以上では重くなり空隙率等の観点から熱伝導率が高くなる。即ち、芯材の密度は軽すぎても重すぎても、断熱性が低下する傾向にあり前記平均繊維径では、好ましい密度が150〜300Kg/m3である。なお、芯材の密度は外包材に収容した真空引き後の密度で、真空断熱材を作製した重量から外包材とゲッター剤の重量を差し引き後の芯材重量および真空断熱材の体積から密度を算出した。
有機繊維集合体の形成は、ポリスチレン樹脂を溶融紡糸で、ノズルから押し出し延伸で直接形成した長繊維ウェブである。ポリスチレン繊維は、押出し温度が約200〜320℃で紡糸され、温度が低いと押し出しトルクが増大し、温度が高いとゲル化しやすく繊維化しにくい。長繊維集合体は、サーマルボンドやニードルパンチ等で接着結合されていない芯材が好ましく、配向したウェブが生ずるように形成捕集される。
具体的には、メルトブローンでポリスチレンをノズル先端から押出し、空気の噴射で繊維を延伸してコレクター上に捕集させてウェブを形成する。スパンボンドでは、複数の紡糸ノズル先端から連続的に押出し、空気の噴射でエジェクターから繊維をコレクター上に捕集させて、同様にウェブを形成する。なお、繊維形状としては円形に限らず、略円形状、略Y形状、略楕円形状、略星形状、略多角形状等であってもよく、ポリスチレンは成形収縮率が小さいため、繊維径のバラツキが比較的少ない繊維集合体が提供できる。当然ながら、リサイクル材のポリスチレン樹脂を用いて、上記と同様な長繊維ウェブを単独もしくは併用させても真空断熱材に使用できる。また、ポリスチレン長繊維の真空断熱材をさらに高温化するには、スキン層部等に少し変形温度の高い長繊維(例えばポリカーボネート、ポリサルホン等)を併用させて複合化して使用することも可能である。
ポリスチレン長繊維を芯材に用いた真空断熱材では、従来のグラスウールやポリエステル繊維の芯材に比べ、折り曲げ部を加温しながら変形させることが可能で形状曲げができる真空断熱材が得られる。その理由として、ポリスチレン繊維が非晶性でありガラス転移温度付近で軟化し易くなる。
一方、グラスウールは折り曲げ難く、ポリエステル繊維は結晶性でガラス転移温度付近でも、非晶領域の鎖状分子が結晶領域に連結して拘束されることで加温による軟化が難しい。即ち、非晶性のポリスチレンは、ガラス転移温度付近で軟化し易くなり、結晶性のポリエステルはガラス転移温度付近でも結晶が融解する温度まで軟化しにくい。有機繊維は温度上昇により、ガラス転移温度付近でヤング率や強さが低下して伸度が増加するため、加温による形状曲げが容易になる傾向が見られる。
また、グラスウールやポリエステル繊維の芯材では、吸水性が高く熱伝導率への影響が顕著であるため、例えば、外包材へ挿入する前にグラスウールの際には約300℃の乾燥処理、ポリエステル繊維の際には約120℃の乾燥処理が不可欠であり、これに対して、本実施形態のポリスチレン繊維の芯材では、吸水性が低いため、乾燥処理が特に必要なものではない。
外包材は内部に気密部を設ける芯材を覆う材料構成であり、減圧封止で芯材形状を反映する材質が好ましい。例えば、外包材に剛性の高いものを用いると折り曲げが困難になり、曲げ加工後にピンホールが発生する原因となる。従って、外包材としてはラミネートフィルムを袋状とするものが用いられる。衝撃対応の最外層とガスバリア性確保の中間層と、熱融着によって密閉できる最内層が好ましい。
最外層にポリアミドフィルムを用いることで耐突き刺し性を向上させ、中間層にアルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体フィルムを設け、最内層は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリプロピレンが挙げられ、シール性やケミカルアタック性から高密度ポリエチレンが好ましい。例えば、具体的には、最外層にポリエチレンテレフタレート、中間層にアルミニウム箔、最内層に高密度ポリエチレンからなるプラスチックラミネートフィルムや最外層にポリエチレンテレフタレート、中間層にアルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体、最内層に高密度ポリエチレンからなるプラスチックラミネートフィルム等である。
真空断熱材の信頼性向上にゲッター剤を用いる。ゲッター剤は、二酸化炭素、酸素、窒素等のガス、水蒸気を吸収するものであればよく、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、金属水酸化物のゲッター剤、あるいはモレキュラーシーブス、シリカゲル、酸化カルシウム、ゼオライト、疎水性ゼオライト、活性炭、水酸化カリウム、水酸化リチウムの吸収剤を使用する。その際、ゲッター剤の突起による突き刺しで外包材にピンホールが発生し易いため、ポリスチレン長繊維に挟めて用いることで外包材のピンホール発生が抑制でき好ましい。
上述した真空断熱材は、断熱箱体を有する冷蔵庫等に使用することができる。冷蔵庫等は外箱と内箱とで空間を作製し、その空間内に発泡樹脂フォームを充填されているものであり、発泡樹脂フォームを充填する空間に真空断熱材を挿入できる。真空断熱材と発泡樹脂の挿入方法は、あらかじめ内箱と外箱とで形成した空間に真空断熱材を設置しておき、その後、発泡樹脂フォームを注入して一体成型する方法、あるいは真空断熱材と発泡樹脂フォームをあらかじめ一体成型した真空断熱材を作製しておき、その真空断熱材を内箱あるいは外箱に貼り付けまたは両者で挟持する方法がある。これらの方法は、断熱性能を必要とする物品に応じて適宜使用される。
上述した真空断熱材は保温・保冷の必要な各製品に適用できる。例示すれば、冷蔵庫、車両、建築物建材、自動車、医療用機器等である。特に、熱交換部を含み断熱が必要な製品全般に有効である。冷蔵庫へ本発明の真空断熱材を適用することにより保温・保冷機能を向上させ、熱漏洩量の低減および省エネルギー化が期待できる。冷蔵庫等には、家庭用や業務用の冷蔵・冷凍庫の他に、自動販売機、商品陳列棚、保冷庫、クーラーボックス等が含まれる。また、車両に適用することにより、省スペース化の真空断熱材の設置により車内空間が拡大され、十分な断熱効果を持たせ結露等の問題解決が期待できる。
次に、本発明の実施形態に係る真空断熱材及びこれを適用した冷蔵庫に関する構成と作製手法について、図1〜図5を参照しながら以下説明する。図1は本発明の実施形態に係る真空断熱材の構成を示す断面図である。図2は従来技術における真空断熱材の構成を示す断面図である。図3は本実施形態に係る真空断熱材を適用した断熱箱体の構成を示す断面図である。図4は本実施形態に係る真空断熱材を適用した冷蔵庫の構成を示す断面図である。図5は本発明の実施形態に係る真空断熱材の具体例である複数の実施例について、比較例と対比してその属性を表す図である。
図面において、1は真空断熱材、2は外包材、3はポリスチレン長繊維の芯材、3’は芯材曲げ部、4はゲッター剤、5はグラスウール又はポリエステル繊維、6は従来の真空断熱材、7は断熱箱体、8は硬質ポリウレタンフォーム、9は箱体、10は冷蔵庫、11は冷蔵庫内箱、12は冷蔵庫外箱、をそれぞれ表す。
本実施形態に係る真空断熱材1は、ポリスチレン長繊維の芯材(コア材)3にゲッター剤4と共に外包材2で減圧封止される構成のものである。本実施形態の真空断熱材1によれば、ポリスチレン長繊維の芯材3を用いて、断熱性能と環境負荷が両立できる熱伝導率の低い平面形状の真空断熱材1が得られる。また、この真空断熱材1を、外包材2の溶着温度以下の約60〜80℃で加温しながら曲げることにより、外包材2への歪みが少なく熱伝導率が低い曲げ形状の真空断熱材1も作製可能である。その結果、平面形状や曲げ形状の真空断熱材1を組み合わせて、箱体並びに冷蔵庫に使用できる優れた真空断熱材1を提供する。
一方、図2に従来の真空断熱材6の断面模式図を示す。グラスウールの芯材やポリエステル繊維の芯材5をゲッター剤4と共に外包材2で減圧封止する構成の真空断熱材である。従来の真空断熱材6は、グラスウールでは断熱性が良いものの環境負荷が劣り、ポリエステル繊維では環境負荷が良いものの断熱性が劣り、断熱性能と環境負荷を両立される芯材が得られず、芯材5の折り曲げ性もグラスウールやポリエステル繊維では難しく、無理に曲げると繊維の切断や曲げ部で厚み減少や外包材2の外側部分の薄膜化で起こるピンホールが生じ易くなり、真空断熱材への断熱性能を悪化させる。
図3に本実施形態の真空断熱材1を備えた断熱箱体7の斜視模式図を示す。この断熱箱体7は、鉄板をプレス成型した箱体9の内面側の一部に、ポリスチレン長繊維を入れた真空断熱材1を挿入し、さらに、空隙部分に硬質ポリウレタンフォーム8を発泡充填した構成のものである。真空断熱材1を作製する際には、芯材3の一部を加温部3’で折り曲げた曲げ形状の真空断熱材を使用している。
本実施形態の真空断熱材は、ポリスチレン長繊維の条件等を変えて作製し、熱伝導率および熱伝導率の経時劣化、折り曲げ性、水分除去、CO2排出量、エコリサイクルを確認した。また、ポリスチレン長繊維以外の繊維芯材を用いたものを比較例1〜4として作製し同様に確認した。その確認の結果を図5に示す。
図5によると、本実施形態に係る真空断熱材の具体例である実施例1〜5が、比較例1〜4と対比して挙げられており、以下これらについて具体的に説明する。
「実施例1」
本実施形態の平板形状の真空断熱材は、以下のように作製した。汎用のポリスチレン樹脂(分子量:約20万、曲げ弾性率:約3000MPa)を用い、スパンボンド紡糸でポリスチレンを複数のノズル先端を通しながら、約290℃の温度で連続的に押出し、空気噴射で制御されたエジェクターから繊維をコレクター上に捕集させて、略円形状の長繊維ウェブを形成した。その平均繊維径が約15.6μmで密度が約230Kg/m3である。
さらに、ガスバリア性フィルムからなる外包材の中に形成した長繊維ウェブの芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を挟めて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れてチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールで真空封止した。
得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、英弘精機(株)製のAUTO−Λを用いて10℃で測定した。熱伝導率が2.5mW/m・K、さらに、真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後、熱伝導率を再測定した結果4.2mW/m・Kであった。このことから、ポリスチレンの長繊維ウェブを有した真空断熱材では、環境負荷に優れ吸湿性が低く、ガスバリア性および内部の真空度が維持される高性能な真空断熱材が提供できる。
「比較例1」
実施例1のポリスチレン繊維の代りに、ポリエステル繊維集合体(平均繊維径:約16.5μm、密度:約180Kg/m3)は吸湿性が高いために、水分除去(120℃/1h乾燥)の処理をした芯材を用い、ガスバリア性の外包材にガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)と共に入れ、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れ、チャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールして真空封止により真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を作製した。このようにして得られた実施例1と同様の真空断熱材は熱伝導率が4.2mW/m・K、真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後の熱伝導率を再測定した結果、8.2mW/m・Kであった。
このことから、ポリエステル繊維を用いた芯材では環境負荷に対する問題(粉塵度合、CO2排出量、エコリサイクル)は見られないが、吸湿性が高くてガスバリア性および内部の真空度が低下する真空断熱材では、熱伝導率が高く断熱性能の低下が見られる。
「実施例2」
本実施形態の曲げ形状の真空断熱材は、以下のように作製した。汎用のポリスチレン樹脂(分子量:約30万、曲げ弾性率:約3200MPa)を用い、メルトブローン紡糸でポリスチレンをノズル先端から通しながら約260℃の温度で連続的に押出し、空気の噴射で繊維を延伸して、コレクター上に捕集させた略Y形状の長繊維ウェブを形成した。平均繊維径は約8.0μmで密度が約150Kg/m3である。
さらに、ガスバリア性の外包材に形成した長繊維ウェブの芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(疎水性ゼオライトHiSiv−3000)を挟め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れ、チャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールして真空封止で真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を得た。その後、曲げ試験機の支持台圧子に真空断熱材を挟み、約60〜80℃の温度で加温しながら曲げ形状の真空断熱材を作製した。
熱伝導率を測定した結果、2.0mW/m・Kを示した。また、折り曲げ性を評価するため、曲げ試験機を用い試験条件(速度が10mm/min、支点間距離が100mmで支持台および圧子がφ20mmの丸棒を加温)、変位量40mmでの最大曲げ荷重(N)を測定した。その結果、折り曲げ性は70.5Nと低く、さらに、その真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後の熱伝導率を再測定した結果、3.2mW/m・Kであった。
このことから、ポリスチレンの長繊維ウェブを有した真空断熱材では、折り曲げても熱伝導率の劣化が抑制されている。曲げ形状の真空断熱材は、加温される芯材を反映して曲げても外包材に過度の応力が加わることなく、熱伝導率が優れる高性能な真空断熱材を提供できる。
「比較例2」
実施例2のポリスチレン繊維の代りに、ポリエステル繊維集合体(平均繊維径:約17.2μm、密度:約210Kg/m3)は吸湿性が高いために、水分除去(120℃/1h乾燥)の処理をした芯材を用い、ガスバリア性の外包材にガス吸着のゲッター剤(疎水性ゼオライトHiSiv−3000)と共に入れて、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れ、チャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールで真空封止して、真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を得た。
その後、実施例2と同様に曲げ試験機で加温しながら、曲げ形状の真空断熱材を形成したが曲げ難い。また、実施例2と同様に最大曲げ荷重(N)を測定した結果、折り曲げ性が120Nで、熱伝導率が5.2mW/m・Kを示した。その後、真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後に熱伝導率を再測定した結果、9.5mW/m・Kまで高くなった。
このことから、ポリエステル繊維の芯材では曲げにくいため、真空断熱材の芯材および外包材に応力が加わりガスバリア性および内部の真空度低下により、熱伝導率の経時劣化が高く断熱性能の低下が見られる。
「実施例3」
本実施形態の平板形状の真空断熱材は以下のように作製した。汎用のポリスチレン樹脂を用い、スパンボンド紡糸で形成した略円形状の平均繊維径が約20μmの長繊維ウェブ、および汎用のポリスチレン樹脂を用い、メルトブローン紡糸で形成した略Y形状の平均繊維径が約9.2μmの長繊維ウェブの両者を芯材に用いた。密度は約300Kg/m3である。まず、薄いポリエチレン等の内袋を用いて、スパンボンド紡糸とメルトブローン紡糸で形成した両者の長繊維ウェブをガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)と共に入れて仮真空封止後、さらに、ガスバリア性の外包材に挿入して内袋を開封後、直ちに真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止して真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を作製した。
なお、実施例3では外包材に芯材を挿入する際に非常に入れ易い方法として、熱伝導率に影響を与えない内袋を用いたものである。熱伝導率を測定した結果、2.4mW/m・K、さらに、真空断熱材を60℃の恒温槽中に入れ30日間放置後に熱伝導率を再測定した結果、3.8mW/m・Kであった。
このことから、繊維径が異なる2種のポリスチレン長繊維を用いた真空断熱材でも、吸湿性が低くてガスバリア性および内部の真空度が維持され高性能な真空断熱材を提供できる。
「実施例4」
実施例3の平板形状の真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を、曲げ試験機の支持台圧子に真空断熱材を挟み、約60〜80℃の温度で加温しながら曲げ形状の真空断熱材を作製した。熱伝導率を測定した結果、2.8mW/m・Kであり、平板形状の真空断熱材とほぼ同等の熱伝導率を示した。
また、折り曲げ性の評価として、曲げ試験機を用い試験条件(速度が10mm/min、支点間距離が100mmで支持台および圧子がφ20mmの丸棒を加温)、変位量40mmでの最大曲げ荷重(N)を測定した。その結果、折り曲げ性は72.9Nと低く、さらに、その真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後の熱伝導率を再測定した結果、4.4mW/m・Kであった。
このことから、ポリスチレン長繊維ウェブを2種有した真空断熱材でも、折り曲げても熱伝導率の劣化が抑制されている。曲げ形状の真空断熱材は、加温される芯材を反映して曲げても外包材に過度の応力が加わることなく、熱伝導率が優れる高性能な真空断熱材を提供できる。
「実施例5」
本実施形態の平板形状の真空断熱材は、以下のように作製した。冷蔵庫のトレー等からリサイクル材のポリスチレン樹脂(分子量:約23万、曲げ弾性率:約3500MPa)をスパンボンド紡糸により、複数のノズル先端を通しながら約300℃の温度で連続的に押出し、空気噴射で制御されたエジェクターから繊維をコレクター上に捕集させて、略円形状の平均繊維径が約14.2μmの長繊維ウェブを用いた。芯材の密度は約210Kg/m3である。
さらに、ガスバリア性の外包材中に形成した長繊維ウェブの芯材を重ねて入れ、ガス吸着のゲッター剤(モレキュラーシーブス13X)を挟め、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れ、チャンバー内部の圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールにより真空封止した。得られた真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)の熱伝導率は、2.6mW/m・K、さらに、真空断熱材を60℃の恒温槽中に30日間放置後に熱伝導率を再測定した結果、4.1mW/m・Kであった。
このことから、リサイクル材のポリスチレン長繊維を用いた真空断熱材では、吸湿性が低くガスバリア性および内部の真空度が維持されることで、熱伝導率が優れる高性能な真空断熱材を提供できる。
「実施例6」
本実施形態の実施例6は、図4に示すように、本実施形態の真空断熱材を冷蔵庫に用いた例である。冷蔵庫は、真空断熱材およびその他の断熱材により断熱されている。冷蔵庫において、外気温との温度差が特に大きいのは、コンプレッサー周辺部と、冷蔵庫背面の内箱の外面側である。この部位に本実施形態の真空断熱材1を使用することが有効である。真空断熱材にはポリスチレン長繊維の芯材を設け、変形部と平面部を組み合わせて作製したものを用いた。
真空断熱材は、断熱壁の曲げ部に沿って配設した真空断熱材である。真空断熱材を曲げ部の内箱側に設置する場合は、内箱の形状に沿って内箱に密着するように設置してある。また、真空断熱材は、曲げ部の外箱側に設置する場合は、外箱の形状に沿って設置してある。断熱壁の曲げ部は断熱壁の変形部を構成する部分である。なお、外箱の背面部および冷蔵庫扉の1つにも真空断熱材を配置してある(図4を参照)。
箱体にポリオールとイソシアネートとを、高圧発泡機を用い注入充填して冷蔵庫の断熱材を作製した。発泡断熱材の硬質ポリウレタンフォームは、ポリオールとして、平均水酸基価が450のm−トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを40重量部、平均水酸基価が470のオルト‐トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを30重量部、平均水酸基価が380のo−トリレンジアミンにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを30重量部の混合ポリオール成分100重量部に、シクロペンタン15重量部に水1.5部および反応触媒としてテトラメチルヘキサメチレンジアミン1.2重量部とトリメチルアミノエチルピペラジン2部、整泡剤として有機シリコーン化合物X−20−1614を2重量部、イソシアネート成分としてミリオネートMRのジフェニルメタンイソシアネート多核体を125部用いて発泡充填した。
断熱後の冷蔵庫の熱漏洩量および消費電力量を測定した。冷蔵庫の熱漏洩量は、冷蔵庫の動作状態と反対の温度条件を設定し庫内からの熱漏洩量として測定を行った。具体的には、−10℃の恒温室内に冷蔵庫を設置し、庫内温度を所定の測定条件(温度差)になるようにヒータにそれぞれ通電し冷蔵庫の消費電力と冷却性能を比較する温度条件で測定した。冷蔵庫の消費電力量はJIS測定基準で行った。
その結果、真空断熱材を挿入しなかった冷蔵庫に比べて、熱漏洩量で8.5%、消費電力量で12%低減可能な冷蔵庫を提供できた。なお、前記の硬質ポリウレタンフォームは、本実施形態の真空断熱材1と共に、冷蔵庫および断熱箱体に使用することが可能であり、硬質ポリウレタンフォーム以外にフェノールフォームやスチレンフォーム等が例示されるが、シクロペンタンおよび水を混合発泡剤とする硬質ポリウレタンフォームが好ましい。
「実施例7」
本実施形態の実施例7は、真空断熱材をダブルスキン構造材の車両の断熱材として使用する例である。ダブルスキン構造を有する車両においては、軽量化と耐圧性向上を図るため、その側面および屋根構造体が曲面を有する構造となっており、従来の真空断熱材では貼り付けが困難である。また、貼り付けると外包材に歪みが生じ、内部の真空度が低下して断熱性能が劣る。真空断熱材はポリスチレン長繊維ウェブの芯材を有し、平板形状と曲げ形状を組み合わせて作製したものを用いた。
本実施形態の真空断熱材1を用いた場合は、構造体の曲面に沿って貼り付けることが可能となり、車両の断熱効果を有し、車両内の結露等の問題も発生しなかった。また、断熱特性に優れる真空断熱材であり、断熱材の厚さを低減することにより車両の室内空間が広くなる効果も見られ、本実施形態の真空断熱材は車両用断熱材としても有効である。
「実施例8」
本実施形態の実施例8は、真空断熱材を自動販売機の断熱材として使用する例である。自動販売機においても省エネ化と空間容積向上を図るため、その側面の平板形状真空断熱材、下面の曲げ形状真空断熱材を有する構造となっており、従来の真空断熱材では曲げ難く、無理に曲げると外包材に歪みが生じ、内部の真空度が低下して断熱性能が悪化する。
そこで、実施例8においては、真空断熱材1はポリスチレンの長繊維ウェブを用いた芯材を有し、平板形状と曲げ形状を組み合わせて作製したものを用いた。
本実施形態の真空断熱材1を用いることにより、構造体の曲面に沿っても貼り付けることが可能で、冷蔵庫と同様に硬質ポリウレタンフォームを箱体に充填する。真空断熱材は、平板および曲げ形状共に、内部の真空度が低下せず断熱特性に優れるため、省エネ化と空間容積が向上して本発明の真空断熱材は、自動販売機用断熱材としても有効である。
「比較例3」
実施例1,2のポリスチレン繊維の代りに、極細繊維で平均繊維径が4.1μmのグラスウール集合体(密度:250Kg/m3)は吸湿性が高いために、水分除去(約300℃/1h乾燥)の処理をした芯材を用い、ガスバリア性の外包材にガス吸着のゲッター剤4(モレキュラーシーブス13X)と共に入れ、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れ、チャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールして真空封止により真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を作製した。
このようにして得られた平板状の真空断熱材は、熱伝導率が2.0mW/m・Kを示し、60℃の恒温槽中で30日間放置後に熱伝導率を再測定した結果、3.2mW/m・Kと優れていた。しかし、曲げ形状の真空断熱材を形成したが曲げ難く、折り曲げ性を実施例2,4と同様に測定をした結果、最大曲げ荷重が134Nと高い値を示した。
このことから、グラスウールを用いた芯材では、水分除去の乾燥工程を取り入れることで熱伝導率は低く断熱性能が優れる。しかし、形状曲げ性や環境負荷(粉塵度合、CO2排出量、エコリサイクル)が劣る課題を有する。
「比較例4」
実施例1,2のポリスチレン繊維の代りに、ポリプロピレン繊維集合体(平均繊維径:16.5μm、密度:180Kg/m3)の芯材を用い、ガスバリア性の外包材にガス吸着のゲッター剤4(モレキュラーシーブス13X)と共に入れ、真空包装機のロータリーポンプで10分、拡散ポンプで10分、真空チャンバー内に入れチャンバーの内部圧力が1.3Paになるまで排気後、外包材の端部をヒートシールで真空封止により真空断熱材(大きさ:500mm×500mm×10mm)を作製した。
このようにして得られた真空断熱材は、熱伝導率が5.8mW/m・Kで、さらに、60℃の恒温槽中に30日間放置後の熱伝導率を再測定した結果、10.5mW/m・Kであった。また、曲げ形状の真空断熱材を形成したが曲げ難く、折り曲げ性を実施例2,4と同様に測定をした結果、最大曲げ荷重が124Nと高い。
このことから、ポリプロピレン繊維を用いた芯材では環境負荷に対する問題(粉塵度合、CO2排出量、エコリサイクル)は見られないが、ポリプロピレン繊維の芯材では柔らかくて空隙率が低く、内部の真空度低下により熱伝導率が高く断熱性能が劣る課題を有する。
以上説明したように、本発明の実施形態によると、炭素と水素からなる環境に優しいポリスチレン素材の長繊維ウェブを新たな芯材とすることで、グラスウールの真空断熱材と同等の熱伝導率(2mW/m・K)を示す高性能な真空断熱材とすることができる。さらに、グラスウールやポリエステル繊維で課題であった断熱性能と環境負荷の両立を図ることのできる真空断熱材とすることができる。また、真空断熱材を冷蔵庫に搭載して、硬質ポリウレタンフォームを発泡充填することにより、熱漏洩量および消費電力量が低減できる。特に、ポリスチレン長繊維の真空断熱材は、保温・保冷等の熱交換部を含む断熱箱体や冷蔵庫等に有効である。
敷衍して、本発明の実施形態に係る真空断熱材を取り纏めると、次のような特徴を備えるものである。すなわち、有機繊維集合体からなる芯材と、ガス又は水蒸気を吸着し芯材中に配されたゲッター剤と、前記芯材および前記ゲッター剤を収納するガスバリア性をもつ外包材と、を備え、前記外包材の内部を真空封止した真空断熱材において、その芯材が、炭素と水素からなる環境に優しい素材を直接紡糸で形成した(溶融紡糸で直接形成した)長繊維ウェブを有するものである。そして、より好ましい構成例として次のものを挙げることができる。すなわち、前記芯材が炭素と水素からなる素材がポリスチレン樹脂であること。また、前記ポリスチレン樹脂が汎用品でメルトブローンおよび/またはスパンボンドの溶融紡糸により形成してなること。さらに、前記芯材の平均繊維径が8μm〜20μmおよび密度が150〜300Kg/m3であること。さらに、前記芯材の長繊維ウェブが内袋内部に収納され、この内袋を収納した前記外包材における内袋を含む内部を減圧し密封してなること。
また、本発明の他の実施形態では、外箱と内箱とで形成される空間に真空断熱材を設置し発泡断熱材を充填してなる断熱箱体であって、前記真空断熱材は芯材に少なくともポリスチレンの長繊維ウェブを有し、前記芯材とゲッター剤を内包し、内部を減圧して封止したガスバリア性をもつ外包材を有するものである。そして、より好ましい構成例として次のものを挙げることができる。すなわち、前記断熱箱体において、前記外箱または前記内箱に前記真空断熱材を設置する構成とすること。さらに、前記断熱箱体において、前記外箱または前記内箱の2つの面が交差する角部に前記真空断熱材を折り曲げて設置する構成とすること。
本発明の実施形態に係る真空断熱材の構成を示す断面図である。 従来技術における真空断熱材の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る真空断熱材を適用した断熱箱体の構成を示す断面図である。 本実施形態に係る真空断熱材を適用した冷蔵庫の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る真空断熱材の具体例である複数の実施例について、比較例と対比してその属性を表す図である。
符号の説明
1 真空断熱材
2 外包材
3 ポリスチレン長繊維の芯材
3’ 芯材曲げ部
4 ゲッター剤
5 グラスウール又はポリエステル繊維
6 従来の真空断熱材
7 断熱箱体
8 硬質ポリウレタンフォーム
9 箱体
10 冷蔵庫
11 冷蔵庫内箱
12 冷蔵庫外箱

Claims (9)

  1. 有機繊維集合体からなる芯材と、ガス又は水蒸気を吸着するゲッター剤と、前記芯材及び前記ゲッター剤を収納するガスバリア性をもつ外包材と、を備え、前記外包材の内部を真空封止した真空断熱材であって、
    前記芯材は、炭素と水素からなる環境に優しく、且つ吸湿性の低い素材を溶融紡糸で直接形成した長繊維ウェブを有する
    ことを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1において、
    前記芯材は、ポリスチレン樹脂であることを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項2において、
    前記ポリスチレン樹脂は、汎用品であって、メルトブローンおよび/またはスパンボンドの溶融紡糸により形成してなることを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項1、2または3において、
    前記芯材の平均繊維径が8μm〜20μmであり、前記芯材の密度が150〜300Kg/m3であることを特徴とする真空断熱材。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項において、
    前記芯材の長繊維ウェブは内袋の内部に収納され、前記内袋は前記外包材に収納され、
    前記外包材における内袋を含む内部を減圧し密封してなる
    ことを特徴とする真空断熱材。
  6. 外箱と内箱とで形成される空間に、真空断熱材を設置するとともに発泡断熱材を充填した断熱箱体であって、
    前記真空断熱材は、有機繊維集合体からなる芯材、ガス又は水蒸気を吸着するゲッター剤、前記芯材及び前記ゲッター剤を収納するガスバリア性をもつ外包材、を有して前記外包材の内部を真空封止したものであり、
    前記真空断熱材の芯材はポリスチレン樹脂の長繊維ウェブを有する
    ことを特徴とする断熱箱体。
  7. 請求項6において、
    前記真空断熱材は、前記空間を形成した前記外箱上または前記内箱上に設置されていることを特徴とする断熱箱体。
  8. 請求項6において、
    前記真空断熱材は、前記外箱または前記内箱の2つの面が交差する角部に折り曲げて設置されていることを特徴とする断熱箱体。
  9. 請求項6、7または8に記載の断熱箱体を備えていることを特徴とする冷蔵庫。
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