JP2007070792A - 繊維分散体からなるスポンジ状構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単繊維の数平均直径が1nm〜50μmである繊維分散体を含有したスポンジ状構造体。
【選択図】図2
Description
ここで、「分散状態」とは繊維が分散した形態のものを指し、具体的には単繊維が実質的に凝集していない状態である。実質的とは、単繊維間が完全にバラバラで無配向の状態である場合、もしくは、部分的に結合しているものの大部分がバラバラで無配向の状態である場合をいい、いわゆる単繊維レベルで繊維状の形態であればよい。以下、繊維が分散した状態のものを繊維分散体と呼ぶことがある。また、後述の実施例1で得られた、繊維が分散された状態で固定化されたスポンジ状構造体のSEM写真を、繊維分散体の一例として、図1および図2に示す。
FV(%)=(W/Sg)/V×100 (1)
この時、繊維以外の他の成分、例えば添加剤等が含まれている場合には、その添加剤の密度と重量も考慮した上で例えば下記(2)式を用いて空隙率を求めれば良く、さらに複数の添加剤等が含まれている場合においても、同様の考え方で空隙率を求めることができる。
Fv(%)=((Wf/Sf)+(Wt/St))/V×100 (2)
ここで、Wf:繊維の重量、Sf:繊維の比重、Wt:添加剤の重量、St:添加剤の比重である。
また、本発明のスポンジ状構造体は、吸音材として用いる場合、優れた吸音性能を発揮するために、周波数が100〜5000Hzの間で、最大吸音率が70%以上であることが重要である。吸音率を70%以上とするためには、スポンジ状構造体中に多数の空気が含まれていることが必要である。空気層の粘性抵抗により、音波を熱エネルギーに変換して吸収する。本発明のスポンジ状構造体において、その吸音率を70%以上とするためには、スポンジ状構造体の見かけ密度を0.1g/cm3以下に設計することが求められる。吸音率の測定方法については後述の実施例中に詳細に記載されているが、JIS−A1405(1999)に記載の「垂直入射吸音率測定法」に従い測定する。
このようにして紡糸したポリマーアロイ繊維(海島型繊維)の易溶解性ポリマーを溶剤で除去することにより本発明で使用するナノファイバーを得ることができる。
繊維分散液中での繊維の分散性を均一にするため、あるいはスポンジ状構造体とした際に構造体の力学的強度を向上させるためには、分散液中の繊維濃度は分散液全重量に対して0.001〜30重量%にすることが好ましい。特に構造体の力学的強度は分散液中の繊維の存在状態、すなわち繊維間距離に大きく依存するため、分散液中の繊維濃度を上記範囲に制御することが好ましい。分散液中の繊維濃度はより好ましくは0.01〜10重量%であり、さらに好ましくは0.05〜5重量%である。
また、本発明で用いられるナノファイバーは、使用する用途に応じて様々な処理を行うことも可能である。処理としては、加熱処理、冷却処理、凍結処理、酸やアルカリによる加水分解処理、溶媒処理、熱水処理、グロー放電処理、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、γ線処理、電子線処理、レーザー処理、紫外線処理、赤外線処理、オゾン処理、加圧処理、減圧処理、加圧蒸気処理、ガス処理、蒸気処理、火炎処理、コーティング処理、グラフト重合処理、延伸処理、真空処理、架橋処理、化学的修飾処理およびイオン注入等が挙げられるが、これらに限定されない。
東洋精機製作所製キャピログラフ1Bによりポリマーの溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までのポリマーの貯留時間は10分とした。
Perkin Elmaer社製 DSC−7を用いて2nd runでポリマーの融解を示すピークトップ温度をポリマーの融点とした。このときの昇温速度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
ツェルベガーウスター株式会社製USTER TESTER 4を用いて給糸速度200m/分でノーマルモードで測定を行った。
サンプルに白金を蒸着し、超高分解能電解放射型走査型電子顕微鏡で観察した。
SEM装置:日立製作所(株)製UHR−FE−SEM
E.TEMによる繊維の横断面観察
分散前の繊維束を用い、これの横断面方向に超薄切片を切り出してTEMでナノファイバーの横断面を観察した。また、必要に応じ金属染色を施した。
TEM装置:日立製作所(株)製H−7100FA型
F.繊維の数平均直径
ポリマーアロイ繊維中の島成分の数平均直径や繊維束の単繊維(ナノファイバー)の数平均直径は、以下のようにして求める。
上記繊維束中の直径解析を利用し、繊維束中のそれぞれの単繊維直径をdiとし、その2乗の総和(d1 2+d2 2+・・+dn 2)=Σdi 2(i=1〜n)を算出する。また、直径500nmより大きい繊維束中のそれぞれの繊維直径をDiとし、その2乗の総和(D1 2+D2 2+・・+Dm2)=ΣDi 2(i=1〜m)を算出する。Σdi 2に対するΣDi 2の割合を算出することで、全繊維に対する粗大繊維の面積比率、すなわち繊維構成比率とした。
室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に、破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り、伸度として強伸度曲線を求めた。
スポンジ状構造体の見かけ密度ρa(g/cm3)は次のようにして求めた。すなわち、スポンジ状構造体を例えば立方体や直方体などの形状に切り出し、定規やノギス等を用いて各辺の大きさを測定し、該スポンジ状構造体の体積を求め、これをV(cm3)とする。また、切り出した該構造体の重量を測定し、これをW(g)とする。WをVで除すことにより見かけ密度ρaを求める。
スポンジ状構造体の空隙率FV(%)は次のようにして求めた。すなわち、前述の見かけ密度を求めた際に使用した体積V(cm3)とW(g)を用い、さらにスポンジ状構造体を形成する繊維の比重Sg(g/cm3)を用いて次式により求める。
FV(%)=(W/Sg)/V×100 (1)
この時、繊維以外の他の成分、例えば添加剤等が含まれている場合には、その添加剤の密度と重量も考慮した上で例えば下記(2)式を用いて空隙率を求める。さらに複数の添加剤等が含まれている場合においても、同様の考え方で空隙率を求めることができる。
Fv(%)=((Wf/Sf)+(Wt/St))/V×100 (2)
ここで、Wf:繊維の重量、Sf:繊維の比重、Wt:添加剤の重量、St:添加剤の比重である。
上記D項で撮影したSEM写真上に1辺が50mmとする正方形の枠を任意の場所に描く。さらに枠内の繊維画像を画像処理ソフト(WINROOF)に取込み、取込んだ画像上に均等間隔で任意の8本以上の輝度分布測定用ラインを載せ、その上の各繊維の輝度分布を画像を2値化するために測定する。表面輝度が高い方から10本の繊維を選択し、その輝度を平均して平均高輝度Lhとする。平均高輝度Lhの50%の輝度をしきい値Luとして、輝度Lu以下の繊維を画像処理(Threshold機能)で消去する(この処理で表面部分付近の孔を選択したことになる)。選択された繊維に囲まれた面積Ai(nm2)を画像処理で全数測定する(手作業、コンピュータ自動方式どちらでも可能)。Aiを孔数nで除し、その値から円換算直径を求めることで数平均孔径を求める。
熱伝導率はJIS−A1412−2(1999)に記載の「熱絶縁材の熱抵抗および熱伝導率の測定方法−第2部:熱流計法」に従い測定する。20cm角のサンプルを保護熱板に挟み、室温から80℃の間で少なくとも2点以上の熱伝導率を測定し、測定温度と得られた値の1次直線を求め、温度0℃に補外したときの熱伝導率の値λ0を求めた。
吸音率はJIS−A1405(1999)に記載の「垂直入射吸音率測定法」に従い測定する。測定範囲は周波数100〜2000Hz(A音響管)、800〜5000Hz(B音響管)とした。サンプルサイズはA音響管の場合は91.6mmφ、B音響管の場合には40.0mmφとした。
溶融粘度57Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点220℃のN6(20重量%)と重量平均分子量12万、溶融粘度30Pa・s(240℃、剪断速度2432sec-1)、融点170℃のポリL乳酸(光学純度99.5%以上)(80重量%)を2軸押出混練機で220℃で溶融混練してポリマーアロイチップを得た。尚、N6の262℃、剪断速度121.6sec-1での溶融粘度は53Pa・sであった。また、このポリL乳酸の215℃、剪断速度1216sec-1での溶融粘度は86Pa・sであった。また、このときの混練条件は以下のとおりであった。
スクリュー :直径37mm、有効長さ1670mm、
L/D :45.1
混練部長さはスクリュー有効長さの1/3より吐出側に位置
温度 :220℃
ベント :2箇所
このポリマーアロイチップを230℃の溶融部で溶融し、紡糸温度230℃のスピンブロックに導いた。そして、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度215℃とした口金から紡糸速度3500m/分で溶融紡糸した。この時、口金としては口金孔径0.3mm、吐出孔長0.55mmのものを使用したが、バラス現象はほとんど観察されなかった。また、この時の単孔あたりの吐出量は0.94g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点(チムニーの上端部)までの距離は9cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、口金から1.8m下方に設置した給油ガイドで給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して巻き取った。その後、糸条を、温度90℃の第1ホットローラーと、温度130度の第2ホットローラーとで延伸熱処理した。この時、第1ホットローラーと第2ホットローラーによる延伸倍率を1.5倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は62dtex、36フィラメント、強度3.4cN/dtex、伸度38%、U%=0.7%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、ポリL乳酸が海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は55nmであり、N6が超微分散化したN6ナノファイバーの前駆体であるポリマーアロイ繊維が得られた。
分散液の製造例1のN6を溶融粘度212Pa・s(262℃、剪断速度121.6sec-1)、融点220℃のN6(45重量%)とした以外は分散液の製造例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。次いで、これを分散液の製造例1と同様に溶融紡糸、延伸熱処理しポリマーアロイ繊維を得た。得られたポリマーアロイ繊維は67dtex、36フィラメント、強度3.6cN/dtex、伸度40%、U%=0.7%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEMで観察したところ、分散液の製造例1と同様にポリL乳酸が海、N6が島の海島構造を示し、島N6の数平均による直径は110nmであり、N6が超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
オスターブレンダー(オスター社製)に仕込む水および分散剤の量は変えずに、叩解後の繊維量を変更することで、N6ナノファイバーの含有率を0.1重量%とした以外は分散液の製造例2と同様にして分散液3を得た。
オスターブレンダー(オスター社製)に仕込む水および叩解後の繊維量は変えずに、分散剤を用いなかったこと以外は分散液の製造例1と同様にして分散液4を得た。
分散液の製造例5ではN6ナノファイバーのカット長を0.5mm、分散液の製造例6ではN6ナノファイバーのカット長を5mmとした以外は分散液の製造例1と同様にしてN6ナノファイバーの含有率が1.0重量%の分散液5及び6を得た。
溶融粘度120Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点225℃のPBT(ポリブチレンテレフタレート)と2エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリスチレン(PS)を用い、PBTの含有率を20重量%とし、混練温度を240℃として分散液の製造例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。この時、共重合PSの262℃、121.6sec-1での溶融粘度は140Pa・s、245℃、1216sec-1での溶融粘度は60Pa・sであった。
溶融粘度220Pa・s(262℃、121.6sec-1)、融点225℃のPTT(ポリトリメチレンテレフタレート)と新日鐵化学(株)製共重合PS(ポリスチレン)(“エスチレン”KS−18、メチルメタクリレート共重合、溶融粘度110Pa・s、262℃、121.6sec-1)を、PTTの含有率を25重量%とし、混練温度を240℃として分散液の製造例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。また、この共重合PSの245℃、1216sec-1での溶融粘度は76Pa・sであった。
分散液の製造例1のN6を溶融粘度350Pa・s(220℃、121.6sec-1)、融点162℃のPP(ポリプロピレン)(23重量%)とした以外は分散液の製造例1と同様に溶融混練し、ポリマーアロイチップを得た。なお、ポリL乳酸の220℃、121.6sec-1における溶融粘度は107Pa・sであった。このポリマーアロイチップを溶融温度230℃、紡糸温度230℃(口金面温度215℃)、単孔吐出量1.5g/分、紡糸速度900m/分で分散液の製造例1と同様に溶融紡糸を行った。得られた未延伸糸を延伸温度90℃、延伸倍率を2.7倍、熱セット温度130℃として分散液の製造例1と同様に延伸熱処理した。得られたポリマーアロイ繊維は、77dtex、36フィラメント、強度2.5cN/dtex、伸度50%であった。
溶融粘度280Pa・s(300℃、1216sec−1)のPETを80重量%、溶融粘度160Pa・s(300℃、1216sec−1)のポリフェニレンサルファイド(PPS)を20重量%として、下記条件で2軸押出混練機を用いて溶融混練を行い、ポリマーアロイチップを得た。ここで、PPSは直鎖型で分子鎖末端がカルシウムイオンで置換された物を用いた。
混練部長さはスクリュー有効長さの34%
混練部はスクリュー全体に分散させた。
ポリマー供給 PPSとPETを別々に計量し、別々に混練機に供給した。
ベント 無し
ここで得られたポリマーアロイチップを分散液の製造例1と同様に紡糸機に導き、紡糸を行った。この時、紡糸温度は315℃、限界濾過径15μmの金属不織布でポリマーアロイ溶融体を濾過した後、口金面温度292℃とした口金から溶融紡糸した。この時、口金としては、吐出孔上部に直径0.3mmの計量部を備えた、吐出孔径が0.6mmのものを用いた。そして、この時の単孔あたりの吐出量は1.1g/分とした。さらに、口金下面から冷却開始点までの距離は7.5cmであった。吐出された糸条は20℃の冷却風で1mにわたって冷却固化され、脂肪酸エステルが主体の工程油剤が給油された後、非加熱の第1引き取りローラーおよび第2引き取りローラーを介して1000m/分で巻き取られた。この時の紡糸性は良好であり、24時間の連続紡糸の間の糸切れはゼロであった。そして、これを第1ホットローラーの温度を100℃、第2ホットローラーの温度を130℃として延伸熱処理した。この時、第1ホットローラーと第2ホットローラー間の延伸倍率を3.3倍とした。得られたポリマーアロイ繊維は400dtex、240フィラメント、強度4.4cN/dtex、伸度27%、U%=1.3%の優れた特性を示した。また、得られたポリマーアロイ繊維の横断面をTEM観察したところ、海ポリマーであるPET中にPPSが島として直径100nm未満で均一に分散していた。また、島の円換算直径を画像解析ソフトWINROOFで解析したところ、島の平均直径は65nmであり、PPSが超微分散化したポリマーアロイ繊維が得られた。
海成分にアルカリ可溶型共重合ポリエステル樹脂60重量%、島成分にN6樹脂40重量%を用い、溶融紡糸で島成分を100島とし、5.3dtexの高分子配列体複合繊維(以後複合繊維)を作成後、2.5倍の倍率で延伸して2.1dtexの複合繊維を得た。この複合繊維の強度は2.6cN/dtex、伸度は35%であった。その後、この複合繊維を98℃の3%濃度の水酸化ナトリウム水溶液にて1時間処理することで、複合繊維中のポリエステル成分の99%以上を加水分解除去し、酢酸で中和後、水洗、乾燥してN6の極細繊維を得た。得られた極細繊維の平均単糸繊度をTEM写真から解析したところ、0.02dtex(平均繊維径2μm)相当であった。得られたN6極細繊維を2mm長に切断してカット繊維とした後、このカット繊維50g、分散剤としてアニオン系分散剤であるシャロール(登録商標)AN−103P(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、および水500gをオスターブレンダー(オスター社製)に仕込み、回転数13900rpmで30分間撹拌して、N6極細繊維の含有率が1.0重量%の分散液11を得た。
単成分の直接溶融紡糸法により単糸繊度2.2dtex(平均繊維径14μm)のPET繊維を得た後、これを2mm長に切断して、カット繊維を得た。このカット繊維50g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲン(登録商標)EA−87(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、および水500gをオスターブレンダー(オスター社製)に仕込み、回転数10000rpmで1分間撹拌して、PET繊維の含有率が1.0重量%の分散液12を得た。
単成分の直接溶融紡糸法により単糸繊度10dtex(平均繊維径30μm)のPET繊維を得た後、これを2mm長に切断して、カット繊維を得た。このカット繊維50g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲン(登録商標)EA−87(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、および水500gをオスターブレンダー(オスター社製)に仕込み、回転数10000rpmで1分間撹拌して、PET繊維の含有率が1.0重量%の分散液13を得た。
従来公知の溶融紡糸法により単糸繊度33dtex(平均繊維径55μm)のPET繊維を得た後、これを2mm長に切断して、カット繊維を得た。このカット繊維50g、分散剤としてノニオン系分散剤であるノイゲン(登録商標)EA−87(第一工業製薬(株)製:分子量10000)を0.5g、および水500gをオスターブレンダー(オスター社製)に仕込み、回転数10000rpmで1分間撹拌して、PET繊維の含有率が1.0重量%の分散液14を得た。
分散液の製造例1で得られたナノファイバー分散液1を用い、この分散液1を容量が200ccのPP製のボトルに100g入れ、さらに液体窒素(−196℃)で凍結した後、−80℃の超低温フリーザー中に30分間静置した。
実施例2〜10については分散液の製造例2〜10で得られたナノファイバー分散液2〜10を用い、実施例1と同様に凍結乾燥を行い、スポンジ状構造体を得た。繊維分散体の数平均直径、微細孔の数平均孔径、見かけ密度、空隙率は表2に示したとおりであった。
分散液の製造例11で得られた極細繊維の分散液11を用い、実施例1と同様に凍結乾燥を行い、スポンジ状構造体を得た。繊維分散体の数平均直径、微細孔の数平均孔径、見かけ密度、空隙率は表2に示したとおりであった。
実施例12においては分散液の製造例12の繊維分散液12を、実施例13においては分散液の製造例13の繊維分散液13を用い、実施例1と同様に凍結乾燥を行い、スポンジ状構造体を得た。繊維分散体の数平均直径、微細孔の数平均孔径、見かけ密度、空隙率は表2に示したとおりであった。
分散液の製造例14で得られた繊維分散液14を用い、実施例1と同様に凍結乾燥を行なったが、繊維分散体の数平均直径が大きすぎるため、分散液14中での繊維の分散性が不良であるため、実施例のようなスポンジ状構造体を得ることができなかった。
分散液の製造例1で得られたナノファイバー分散液1を用い、この分散液1を容量が200ccのPP製のボトルに100g入れ、50℃で熱風乾燥して分散媒を除去し、スポンジ状構造体を得た。繊維分散体の数平均直径、微細孔の数平均孔径、見かけ密度、空隙率は表2に示したとおりであった。
分散液の製造例1で得られたナノファイバー分散液1を用い、この分散液1を容量が200ccのPP製のボトルに100g入れ、室温で0.1kPaの真空度で真空乾燥してスポンジ状構造体を得た。繊維分散体の数平均直径、微細孔の数平均孔径、見かけ密度、空隙率は表2に示したとおりであった。
実施例16においては実施例1のスポンジ状構造体を、実施例17においては実施例2のスポンジ状構造体を用い、それぞれ、121℃、103.7kPaの条件下で20分間加圧蒸気処理を行った。
分散液の製造例1で得られたナノファイバー分散液1を用い、この分散液1をステンレス製のトレイ(サイズ:295mm×231mm×49mm)に入れ、さらに液体窒素(−196℃)で急速凍結した後、−80℃の超低温フリーザー中に30分間静置した。
実施例18で得られたスポンジ状構造体を用い、100〜5000Hzの周波数の垂直入射吸音率を測定したところ、図3に示すように、4000Hz付近で約90%の吸音率であり、吸音材として優れた性能を示すことがわかった。
また、フィルター用途に好適であり、マスクなどの生活資材用途からエアフィルター、液体フィルターなどの産業用途や血液フィルターなどのメディカル用途に利用することができる。例えば、クリーンルーム用、自動車用、工場や焼却場などの排気用、住宅用などのエアフィルターや、化学プロセス、食品、医薬・医療用の液体フィルター、HEPAやULPAフィルターが適用される分野などに好適である。
Claims (13)
- 数平均直径が1nm〜50μmである繊維が分散状態で固定化されたことを特徴とするスポンジ状構造体。
- 前記繊維が熱可塑性ポリマーからなることを特徴とする請求項1に記載のスポンジ状構造体。
- 前記繊維の数平均直径が1〜500nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のスポンジ状構造体。
- 見かけ密度が0.0001〜0.5g/cm3であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスポンジ状構造体。
- 前記繊維で構成される微細孔の数平均孔径が100μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスポンジ状構造体。
- 前記繊維同士が部分的に接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスポンジ状構造体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のスポンジ状構造体を含む断熱材。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のスポンジ状構造体を含む吸音材。
- 数平均直径が1nm〜50μmである繊維を分散媒中に分散させた繊維分散液を乾燥して分散媒を除去することを特徴とするスポンジ状構造体の製造方法。
- 前記乾燥が凍結乾燥であることを特徴とする請求項9に記載のスポンジ状構造体の製造方法。
- 前記繊維が熱可塑性ポリマーを含むことを特徴とする請求項9または10に記載のスポンジ状構造体の製造方法。
- 前記繊維の数平均直径が1〜500nmであることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のスポンジ状構造体の製造方法。
- 直径500nmより大きい単繊維の繊維構成比率が3重量%以下であることを特徴とする請求項12に記載のスポンジ状構造体の製造方法。
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