JP2011058538A - 真空断熱材及びそれを用いた冷却機器または断熱容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷蔵庫等の冷却機器または断熱容器の箱体強度の向上と箱体の断熱性能の向上を可能とする真空断熱材を提供する。
【解決手段】メルトブローン紡糸法又はスパンボンド紡糸法で繊維化した有機繊維を芯材4に含む真空断熱材1において、平均繊維径が8〜12μm(標準偏差1〜3μm)の有機繊維を含む芯材4を適用することで外被材2の表面に細かい凹凸を設けることにより、冷却機器や断熱機器の箱体との間でホットメルト接着剤や硬質発泡ポリウレタン等との接着力向上と、ヒートブリッジ低減による箱体断熱性能向上の両方を実現する。また、外被材2の凹凸部を、その溝深さを0.2〜1.0mmとし、その溝幅を0.2〜2.0mmとすることで、アンカー効果を大きくして箱体との接着力を高めること。
【選択図】図1
【解決手段】メルトブローン紡糸法又はスパンボンド紡糸法で繊維化した有機繊維を芯材4に含む真空断熱材1において、平均繊維径が8〜12μm(標準偏差1〜3μm)の有機繊維を含む芯材4を適用することで外被材2の表面に細かい凹凸を設けることにより、冷却機器や断熱機器の箱体との間でホットメルト接着剤や硬質発泡ポリウレタン等との接着力向上と、ヒートブリッジ低減による箱体断熱性能向上の両方を実現する。また、外被材2の凹凸部を、その溝深さを0.2〜1.0mmとし、その溝幅を0.2〜2.0mmとすることで、アンカー効果を大きくして箱体との接着力を高めること。
【選択図】図1
Description
本発明は、真空断熱材及びそれを用いた冷却機器または断熱容器に係わり、特に箱体との接着力を向上させ、断熱性能に優れた真空断熱材に関するものである。
近年、省エネルギー志向の高まりから、冷蔵庫、冷凍庫をはじめとした冷却機器に断熱性能が高い真空断熱材が適用されている。真空断熱材はグラスウール等を芯材として、ガスバリア性を有する外被材内部に収納し、真空排気後封止して作製される高性能な断熱材である。冷却機器等に真空断熱材を適用するにあたり、冷却機器等を構成する箱体との接着力が弱いと箱体強度が低下したり、外観歪みが発生するなどして、製品不良に繋がってしまう。
接着力改善の従来例としては、例えば、特許文献1に示すように、バインダや熱プレスにより芯材を固めて成形した真空断熱材の例が提案されている。この特許文献1に開示の技術は、芯材の少なくとも片側表面において繊維をバインダにより熱固定することで硬化層を形成し、硬度を上げると共に表面の平滑性を保った真空断熱材とし、硬化層側を冷蔵庫外箱の内面側にホットメルト等の接着剤で固定して、接着力を向上したものである。
しかしながら、上記の特許文献1に記載の真空断熱材では、表面性を向上することで、ホットメルト等の塗り斑は少なくなるが、表面凹凸がほとんどないため、アンカー効果等の接着強化を実現しにくく、基材と接着剤との接着力だけで接着力を確保しなければならないという課題があった。また、芯材がバインダや芯材の溶着によって接触熱抵抗が下がってしまい、真空断熱材の断熱性能が低下してしまうという課題があった。
また、接着力が強い基材としては、例えばポリアミドが挙げられるが、ポリアミドの吸水性、吸湿性が高いため、基材に吸着している水分が真空排気の阻害要因となってしまい、真空断熱材の高性能化には限りがあるという課題が生じていた。
そこで、本発明では、上記課題に鑑みて、箱体との接着力を高めて箱体強度を向上させるとともに、断熱性能に優れた真空断熱材を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
メルトブローン紡糸法又はスパンボンド紡糸法で繊維化した有機繊維を含む芯材と、前記芯材を覆い且つガスバリア性を有する外被材と、を備えた真空断熱材であって、前記有機繊維は、その平均繊維径が8〜12μmでその標準偏差が1〜3μmの繊維であり、前記有機繊維を芯材に適用することによって、前記芯材及び前記外被材の表面に凹凸部を形成する構成とする。そして、前記有機繊維の目付量は0.20〜0.24kg/m2の範囲である構成とする。さらに、前記外被材の表面の凹凸部における凸部の頂部から凹部の底部までの溝の深さが0.2〜1.0mmの範囲であり、隣接する凸部同士の溝の幅が0.2〜2.0mmの範囲である構成とする。さらに、前記真空断熱材において、前記有機繊維の積層体は吸水率の小さいポリスチレンを主成分とする構成とする。
メルトブローン紡糸法又はスパンボンド紡糸法で繊維化した有機繊維を含む芯材と、前記芯材を覆い且つガスバリア性を有する外被材と、を備えた真空断熱材であって、前記有機繊維は、その平均繊維径が8〜12μmでその標準偏差が1〜3μmの繊維であり、前記有機繊維を芯材に適用することによって、前記芯材及び前記外被材の表面に凹凸部を形成する構成とする。そして、前記有機繊維の目付量は0.20〜0.24kg/m2の範囲である構成とする。さらに、前記外被材の表面の凹凸部における凸部の頂部から凹部の底部までの溝の深さが0.2〜1.0mmの範囲であり、隣接する凸部同士の溝の幅が0.2〜2.0mmの範囲である構成とする。さらに、前記真空断熱材において、前記有機繊維の積層体は吸水率の小さいポリスチレンを主成分とする構成とする。
また、上記の真空断熱材を、内箱と外箱の間に配設し、前記外被材の表面に形成された前記凹凸部を有する前記真空断熱材がホットメルト接着剤を介して前記外箱に固着された冷却機器又は断熱機器である構成とする。
本発明の真空断熱材によれば、冷蔵庫等の箱体強度の向上による外観歪みの抑制と、優れた断熱性能による省エネ化を両立した冷蔵庫等の冷却機器、断熱容器等を提供することができる。
本発明の実施形態に係る真空断熱材について、図1〜図5を参照しながら以下詳細に説明する。まず、図1と図2を用いて、本発明の実施形態に係る真空断熱材の構成と作製手法の全体像を説明する。本発明は、以下に説明する実施形態が備える技術思想を含むものであれば、例示する実施形態に限定されるものでないことは当然である。
図1において、芯材4となる有機樹脂繊維やガラス繊維材等の無機繊維等の繊維系材料を、吸着剤5と共に内包材3に収納する。そして、芯材4を圧縮しながら、内包材3の周縁部を熱溶着や接着等により封止することで芯材4を圧縮保持する。この処理により、芯材4を外被材2にスムーズに挿入することができ、作業性が向上するが、内包材3を用いなくとも芯材4を外被材2にスムーズに挿入することができる場合、内包材3を用いる必要は特にない。
続いて、例えば略矩形形状の周縁部の三方が熱溶着等で接合された袋状の外被材2へ芯材4を収納する。その後、減圧を効率よく行えるように内包材3の封止部をカットして、外被材2の内部を真空排気し、外被材2の開口部を熱溶着等によって封止することにより、真空断熱材1を得ることができる。図1で示すように、芯材4の表面に、繊維径や目付量(布状体などの単位面積当たりの重量)により、凹凸が発生することで、内包材3や外被材2に対して凹凸が発生し、真空断熱材1の表面に特異的な表面凹凸が形成される。
外被材2における芯材4を含まない部分である外被材の余剰部分2aは芯材4を含む部分と含まない部分とを境に折り曲げ(後述する図5を参照)、テープ、両面テープ、接着剤などで固定してもよい。また、外被材の余剰部分2aは4辺すべてを折り曲げてもよいが、必要に応じて4辺すべてを折り曲げなくてもよい。例えば、最終封止部のみを折り曲げて固定することも可能である。ここで、真空断熱材1の形状は特に限定されず、適用される箇所と作業性に応じて各種形状及び厚さのものが適用可能である。
次に、図1を用いて真空断熱材1の各基材の構成、加工条件等について詳細に説明する。外被材2とは、真空断熱材1の内部を真空状態に保つために芯材を覆うものである。外被材2は外層より、表面保護層、ガスバリア層、熱溶着層により構成される。表面保護層は耐傷付き性、耐衝撃性に対応するためのものであり、ガスバリア層はガスバリア性を確保するためのものであり、熱溶着層は熱溶着によって真空断熱材1の内部を密閉するためのものである。したがって、これらの目的に適うものであれば、全ての公知材料が使用可能である。
表面保護層、ガスバリア層、熱溶着層からなる外被材2の材料として、例えば、ポリエチレンフィルム(高密度、中密度、低密度、直鎖状低密度)、ポリプロピレンフィルム(延伸、無延伸、ハイレトルト、セミレトルト)、ポリカーボネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、アイオノマーフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、エチレン−メタクリル酸共重合体フィルム、ポリアミドフィルム等があり、これらはKコートフィルム(ポリ塩化ビニリデンをコーティングし、ガスバリア性や防湿性を向上させたフィルム)であっても良い。なお、これらの材料が具体的にどのように使用されるかの使用例は後述する実施例で述べる。
外被材2の最外層表面はコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等による表面修飾、表面改質処理を実施してもよい。具体的には、外被材2の最外層表面にコロナ放電処理等を実施することで、表面層基材においてラジカル化等が発生し、炭化水素ラジカル等の極性基が形成される。酸素存在下ではラジカル化等の発生後、酸化が起こってカルボニル基等の極性基が形成される。極性基同士(外被材表面に形成された極性基と、硬質発泡ポリウレタン又はホットメルト接着材の極性基との間では)は水素結合、イオン結合等による強力な結合を形成しやすいため、表面基材における接着力が向上する。
表面改質処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、電子線処理、紫外線処理、イオンボンバード処理等がある。また、ポリウレタン系硬化剤等のコーティング剤やアンカーコート剤を用いる方法がある。この中で、量産性(コスト、容易性、スピード等)を考慮すると、コロナ放電処理による改質が特に好ましい。また、これらの表面改質処理は、外被材2のラミネート前に処理する方法とラミネート後に処理する方法の両方があるが、特に限定されることは無い。
外被材2の具体的構成としては、表面保護層として二軸延伸ポリポロピレン、2層形成のガスバリア層としてそれぞれアルミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムを蒸着したエチレン−ビニルアルコール共重合体、熱溶着層として直鎖状低密度ポリエチレンを用いたラミネートフィルムが例として挙げられる。このとき、ガスバリア層における互いのアルミニウム蒸着面を貼り合わせると、ガスバリア性がより高くなる。また、各層を接着するための接着剤としては2液硬化型ポリウレタン系接着剤が用いられるが、特にこれに限定されるわけではない。例えば、代わりにアクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤等を用いてもよい。そして、この外被材2はその周縁部で熱溶着層同士を貼り合わせた袋として使用される。
また、更に改善する手段として、例えば、表面保護層に金属または無機酸化物を蒸着することで耐衝撃性の他にガスバリア性を付加したり、ガスバリア層に金属蒸着または無機酸化物蒸着を有するフィルムを設けたり、あるいは金属箔を用いてもよい。用いる金属としては、アルミニウムやステンレス等が挙げられ、無機酸化物としては、シリカ蒸着等が挙げられる。
熱溶着層としては、シール性や耐ケミカルアタック性などから高密度ポリエチレン樹脂が好ましいが、この他に、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂などを用いてもよい。
外被材2の残存有機溶剤等の脱ガスを目的として、芯材4の挿入前に外被材2のエージングを施すことは有効である。このときの条件は、各種有機溶剤の除去が可能であるということから、例えば70℃以上で3時間以上の真空乾燥を行うことが望ましい。
内包材3としては、熱溶着や接着剤等による接着が可能であり、アウトガスが発生しない袋状または容器状のものであればよい。材質は特に限定されるわけではないが、例えば、シール性や耐ケミカルアタック性に優れたポリエチレン樹脂(高密度、中密度、低密度)や、ポリプロピレン樹脂が代表的である。内包材3の厚さは芯材4を圧縮保持できる厚みとすればよく、特に限定されないが、取り扱い性やコストを考えると、20〜50μmとするのが望ましい。内包材3は芯材4の内部を減圧するため、真空排気する直前にカットする。
芯材4はポリスチレン繊維等の柔軟性を持つ有機繊維を主に用い、任意の目付量のシート品を複数積層したものを適当なサイズ、形状にカットして用いる。他の有機繊維やガラス短繊維材等の無機繊維を含んでいても良く、複数種類の有機繊維または無機繊維を積層させて芯材として用いても良い。
有機樹脂繊維の平均繊維径は8〜12μm(標準偏差1〜3μm)であることが好ましい。これは平均繊維径が上記の範囲(8〜12μm(標準偏差1〜3μm))より大きくなると、隣接する繊維同士の接触面積が大きくなって接触熱抵抗が小さくなるので、熱伝導率が劣ってしまう(熱伝導率が高くなってしまい断熱性能が低下する)。一方、平均繊維径を上記の範囲未満とすると、表面凹凸が小さくなり、アンカー効果が低下するため、真空断熱材の箱体への接着力が低下する。
このような有機繊維を芯材4として用いることで、真空断熱材1の表面に細かい凹凸を付与することが可能となる。また、表面の凹凸は溝となる部分(凹の部分)の深さ(凸部の頂部から凹部の底部までの深さ:溝深さ)が0.2〜1.0mmの範囲であり、凸の部分同士の幅(隣接する凸部間の溝幅)が0.2〜2.0mmの範囲とすることが望ましい。溝の深さが1mmより大きい場合、接着剤が塗布できない部分が生じてしまうため、真空断熱材1の接着力が低下してしまう。また、溝の深さが0.2mm以下の場合、アンカー効果が十分に得られず、接着力が低下する。また、凸の部分同士の幅が0.2mm未満または2mmを超える場合においては、アンカー効果を得るのに適した表面凹凸形状にならないため、接着力が低下する。このように、芯材の有機樹脂繊維の平均繊維径の寸法にしたがって溝深さと溝幅が決まることとなるが、このときに、芯材の目付量(布状体の単位面積当たりの重量)は、0.20〜0.24kg/m2の範囲であり、これを条件とすることにより表面凹凸を接着力向上のための形状とすることができる。具体的には、目付量が大であると(芯材が厚いと)凹凸が大きくなり、小であると凹凸が小さくなる。
図2において外箱鋼板23と真空断熱材1の接着の図を示す。芯材4として用いる有機繊維を上記の条件範囲(平均繊維径(標準偏差)と目付量)とすることで、真空断熱材1にホットメルト接着剤26を塗布したときに、真空断熱材1の表面に形成された凹凸の溝の部分にホットメルト接着剤26が入り込み、真空断熱材1の接着において適切なアンカー効果を得ることができ、接着力が向上する。なお、真空断熱材1にホットメルト接着剤26を塗布した後に外箱鋼板23に重ね合わせる。
芯材の有機繊維としては、ポリスチレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエステル繊維、ポリ乳酸繊維等の断熱性と加工性を両立できるものであれば何でもよく、特に限定されるものではないが、好ましくは、吸水率の小さい断熱性や曲げ強度、汎用性に優れるポリスチレン繊維を用いると、繊維の潰れが小さいため、真空断熱材表面の凹凸を作りやすい。
また、有機樹脂を繊維化する方法としてはメルトブローン紡糸法がある。これは押出機で溶融した樹脂を極細のノズル穴から押出しながら高速のガス流体で延伸することで樹脂を繊維化し、積層するものである。溶融温度、繊維延伸時ガス流速、ノズル穴径、コレクト時コンベア速度等によって、平均繊維径、目付量等を制御可能である。その他の繊維化手段として、スパンボンド紡糸法等を用いても良い。
ガラス短繊維材としては、平均繊維径が3〜5μmであることが好ましい。ガラス短繊維材は平均繊維径により熱伝導率特性及びコストに大きく影響する。コストが安価である平均繊維径が5μmを超えるグラスウール等は、繊維の接触が点ではなくて線(線接触)に近くなるために接触熱抵抗が小さくなるので、熱伝導率及び経時劣化が大きく劣る(真空断熱材の断熱性能を高めるためには熱伝導率を低く保つ必要がある)。
一方、平均繊維径が2μm未満では、繊維の接触が小さくなることで接触熱抵抗は大きくなるが、1枚当たりの厚みが薄く断熱性能が劣るため、シート状の無機繊維集合体を重ねて厚みを稼ぐことで熱伝導率と経時劣化を低減しなければならず、生産性が劣ると共にコストも高騰する。
ガラス短繊維材及び有機繊維の繊維方向については、真空断熱材の厚み方向(図1の図示例で上下方向)に対し垂直に交わる水平方向(図1の図示例で左右方向)に並んで配列するものが断熱性能の点で好ましい。これは真空断熱材の厚み方向の熱伝導を低減するのに有効なためである。
芯材4の脱水、脱ガスを目的として、外被材2への挿入前に芯材4を乾燥処理することは有効である。このときの加熱温度は最低限表面に付着した水分の除去が可能であるということから、70℃以上であることが望ましく、ガラス短繊維材の場合は芯材の含水率を極力減少させるために180℃以上で乾燥するのがより好ましく、ポリスチレン繊維の場合は70〜80℃が好ましい。その他の有機繊維については、繊維の耐熱温度以下の範囲でなるべく高い温度で乾燥するのが好ましい。このとき、真空乾燥を併用してもよい。
吸着剤5は、アルミノ・シリケートの含水金属塩を主成分とした親水性合成ゼオライト、揮発性または疎水性の有機系ガスの吸着能力を高めた疎水性合成ゼオライト、ドーソナイト、ハイドロサルタイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバー、グラファイトナノファイバー等の炭素繊維体等といった、被吸着分子と吸着剤とが物理化学的な親和力で吸着を実現する物理吸着剤や、生石灰をはじめとしたアルカリ土類金属の酸化物、アルカリ金属の酸化物、金属酸化物等のガス吸着剤やバリウム−リチウム合金等の合金といった吸着性能に優れた化学反応型吸着剤を用いる。公知の吸着剤を単独あるいは併用して適用しても良い。また、形状はペレット、ビーズ、パウダー等、特に限定されるものではない。
化学反応型吸着剤とは、主に化学反応によって被吸着分子と吸着剤とが化学結合することにより吸着を実現する吸着剤を指す。ここで言う化学結合とは、共有結合、イオン結合、金属結合、水素結合等の簡単には解離しない強い結合のことである。化学反応型吸着剤の例として、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウム等が挙げられる。
これらの吸着剤を用いることで、真空断熱材1において真空排気し切れなかった水蒸気をはじめとするガスを吸着し、さらに真空断熱材1内部の真空度を高めることができ、真空断熱材1を高性能化する。また、芯材4から放出される水蒸気や、外被材2を通して外部より進入するガス及び外被材2自身から発生するガスを吸着し、真空断熱材1の経時劣化を低く抑えることができる。
吸着剤5は、芯材4の内部に挿入される。この挿入により、吸着剤5が真空断熱材1の表面に突出しないため、吸着剤5の粒によって外被材2を傷つけたり破断したりすることがなく、真空断熱材1の断熱性能に対する信頼性を損なうことがない。
このようにして作製される本発明の真空断熱材1では、真空断熱材1の断熱性能を大きく向上することができると共に、真空断熱材1の箱体に対する接着力が向上する。
次に、本発明の実施形態に係る真空断熱材を作製する手順について説明する。まず、真空断熱材1は、内包材3と、芯材4と、吸着剤5と、内包材3、芯材4及び吸着剤5を収納し且つガスバリア性フィルムからなる外被材2と、とから構成される。この真空断熱材1を作製する手順は次のとおりである。
吸着剤5を芯材4の内部に設置し、これらを内包材3に収納して上下からプレスすることによって圧縮を行い、その状態で内包材3の開口部を熱溶着して封止することで芯材4を圧縮保持する。芯材4は内包材3への収納前に80℃の炉内で乾燥する。
続いて、例えば略矩形形状の周縁部の三方が熱溶着で溶着された袋状の外被材2へ圧縮成形された芯材4を収納する。これらは真空断熱材1の断熱性能向上のため、真空排気工程の前に70℃前後に調整された乾燥炉に通すことで水分除去する。乾燥工程後直ちにこれを真空チャンバ内にセットし、真空排気の直前に内包材3の開口部をカットして、真空排気を開始する。
真空チャンバ内の真空度が1Paとなるまで真空排気による減圧を行い、外被材2の開口部を熱溶着によって封止することによって、真空断熱材1を得る。図1に本実施形態で得られる真空断熱材1の一例を示す。なお、真空断熱材1作製時の温度及び湿度はそれぞれ約25℃、20%RHであった。真空断熱材1の寸法は幅450mm、長さ1400mm、厚さ10mmである。
次に、本発明の実施形態に係る真空断熱材の具体的構成及び機能を示す実施例について、その比較例(実施例と対比される具体的構成例)とともに以下説明する。
「実施例1」
本実施形態で述べた作製方法による真空断熱材1において、各材料構成を以下のように選定した。
本実施形態で述べた作製方法による真空断熱材1において、各材料構成を以下のように選定した。
外被材2は表面保護層、ガスバリア層、及び熱溶着層で構成され、それぞれ表面保護層として、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(20μm)、2層形成のガスバリア層としてアルミニウムを蒸着(厚さ50nm)したポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)及びアルミニウムを蒸着(厚さ50nm)したエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(12μm)、熱溶着層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(30μm)としたラミネートフィルムを用いた。各層間は2液硬化型ポリウレタン系接着剤で接着し、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムについては、アルミニウム蒸着面同士を向かい合わせる構成とした。
内包材3は高密度ポリエチレン樹脂フィルム(厚さ20μm)を、芯材4はメルトブローン紡糸法で繊維化したポリスチレン繊維(日本ポリスチレン製GPPS−679)を、吸着剤5は合成ゼオライト(商品名モレキュラーシーブ、親水性、細孔径約1.3nm、平均粒度2mm、使用量約10g)を用いた。
ポリスチレン繊維(目付量約0.22kg/m2)6層を重ねて芯材4とした。ポリスチレン繊維は平均繊維径が10μm(標準偏差2μm)であり、溝となる部分(凹の部分)の深さ(図1の溝深さ)が0.5mm、凸の部分同士の幅(図1の溝幅)が1mm以下である。
評価は熱伝導率性能、ホットメルト接着剤26(図2と図5を参照)との接着力について実施した。熱伝導率性能は真空断熱材1を作製した1日後に英弘精機製のオートΛHC−074で測定した。ホットメルトとの接着力は幅600mm×長さ1700mmの鋼板にホットメルト接着剤26(スチレン・イソプレン系熱可塑性エラストマーを主成分とする)を用いて真空断熱材1を接着した複合体とし、これを60℃恒温室で厚さ方向に対して垂直になるように立て掛けたとき、剥がれて落下するまでの日数で評価した。尚、ホットメルト接着剤26は軟化点約100℃、溶融粘度4000mPa・s(200℃)、7500mPa・s(180℃)のものを180℃以上に加熱して溶かして用い、ロールコータにて真空断熱材1に厚さ100±10μmで塗布した。
その結果、真空断熱材1の熱伝導率は0.0020W/m・Kであり、高性能な真空断熱材を得ることができた。真空断熱材1を接着した複合体は60℃恒温室に投入後7日経過後も剥がれなかった。
「実施例2」
実施例1の真空断熱材1に対し、メルトブローン紡糸条件を変更してポリスチレン繊維の平均繊維径を12μm(標準偏差2μm)とし(実施例1では平均繊維径を10μm(標準偏差2μm))、溝となる部分(凹の部分)の深さ(図1の溝深さ)を最大1mm、凸の部分同士の幅(図1の溝幅)を2mm以下として同様に評価を実施した。
実施例1の真空断熱材1に対し、メルトブローン紡糸条件を変更してポリスチレン繊維の平均繊維径を12μm(標準偏差2μm)とし(実施例1では平均繊維径を10μm(標準偏差2μm))、溝となる部分(凹の部分)の深さ(図1の溝深さ)を最大1mm、凸の部分同士の幅(図1の溝幅)を2mm以下として同様に評価を実施した。
その結果、真空断熱材1の熱伝導率は0.0021W/m・Kであり、高性能な真空断熱材を得ることができた。真空断熱材1を接着した複合体は60℃恒温室に投入後7日経過後も剥がれなかった。
「実施例3」
実施例1の真空断熱材1に対し、メルトブローン紡糸条件を変更してポリスチレン繊維の平均繊維径を8μm(標準偏差3μm)とし、溝となる部分(凹の部分)の深さ(図1の溝深さ)を最大0.4mm、凸の部分同士の幅(図1の溝幅)を1mm以下として同様に評価を実施した。
実施例1の真空断熱材1に対し、メルトブローン紡糸条件を変更してポリスチレン繊維の平均繊維径を8μm(標準偏差3μm)とし、溝となる部分(凹の部分)の深さ(図1の溝深さ)を最大0.4mm、凸の部分同士の幅(図1の溝幅)を1mm以下として同様に評価を実施した。
その結果、真空断熱材1の熱伝導率は0.0019W/m・Kであり、高性能な真空断熱材を得ることができた。真空断熱材1を接着した複合体は60℃恒温室に投入後7日経過後も剥がれなかった。
「実施例4」
実施例1の真空断熱材1に対し、図3で示すように、芯材4としてメルトブローン紡糸法で繊維化したポリスチレン繊維4b(日本ポリスチレン製GPPS−679)の他に、グラスウール4a(平均繊維径約4μm)を用いた。グラスウール4a(目付量約1.1kg/m2)1層と、ポリスチレン繊維4b(目付量約0.22kg/m2)3層とを重ねて芯材4とした。
実施例1の真空断熱材1に対し、図3で示すように、芯材4としてメルトブローン紡糸法で繊維化したポリスチレン繊維4b(日本ポリスチレン製GPPS−679)の他に、グラスウール4a(平均繊維径約4μm)を用いた。グラスウール4a(目付量約1.1kg/m2)1層と、ポリスチレン繊維4b(目付量約0.22kg/m2)3層とを重ねて芯材4とした。
その結果、真空断熱材1の熱伝導率は0.0018W/m・Kであり、高性能な真空断熱材を得ることができた。真空断熱材1を接着した複合体は60℃恒温室に投入後7日経過後も剥がれなかった。
「比較例1」
実施例1の真空断熱材1に対し、メルトブローン紡糸条件を変更してポリスチレン繊維の平均繊維径を16μm(標準偏差2μm)とし(実施例1では平均繊維径が10μm(標準偏差2μm))、溝となる部分(凹の部分)の深さを最大2mm(実施例1では深さ0.5mm)、凸の部分同士の幅を2mm以下(実施例1では幅1mm以下)として同様に評価を実施した。
実施例1の真空断熱材1に対し、メルトブローン紡糸条件を変更してポリスチレン繊維の平均繊維径を16μm(標準偏差2μm)とし(実施例1では平均繊維径が10μm(標準偏差2μm))、溝となる部分(凹の部分)の深さを最大2mm(実施例1では深さ0.5mm)、凸の部分同士の幅を2mm以下(実施例1では幅1mm以下)として同様に評価を実施した。
その結果、真空断熱材1の熱伝導率は0.0030W/m・Kであった。真空断熱材1を接着した複合体は60℃恒温室に投入後1日以内に剥がれて落下した。
「比較例2」
実施例1の真空断熱材1に対し、メルトブローン紡糸条件を変更してポリスチレン繊維の平均繊維径を5μm(標準偏差3μm)とし、溝となる部分(凹の部分)の深さを最大0.2mm、凸の部分同士の幅を0.2mm以下として(実施例1では凹深さが0.5mm、凸の部分同士の幅が1mm以下)、同様に評価を実施した。
実施例1の真空断熱材1に対し、メルトブローン紡糸条件を変更してポリスチレン繊維の平均繊維径を5μm(標準偏差3μm)とし、溝となる部分(凹の部分)の深さを最大0.2mm、凸の部分同士の幅を0.2mm以下として(実施例1では凹深さが0.5mm、凸の部分同士の幅が1mm以下)、同様に評価を実施した。
その結果、真空断熱材1の熱伝導率は0.0019W/m・Kと高性能であったが、真空断熱材1を接着した複合体は60℃恒温室に投入後1日以内に剥がれて落下した。
「実施例5」
実施例1に記載の真空断熱材1を冷蔵庫21に適用する場合における本実施形態の実施例5について、図4と図5を用いて以下述べる。
実施例1に記載の真空断熱材1を冷蔵庫21に適用する場合における本実施形態の実施例5について、図4と図5を用いて以下述べる。
冷蔵庫21はABS樹脂を成形した内箱と鋼板を成形して組み合わせてなる外箱からなり、内部に発泡断熱材25が固まった状態で充填されている箱体と、発泡断熱材25が固まった状態で充填された扉24を備えた構造となっている。扉24の内部に真空断熱材1を配設し、発泡断熱材25を充填してもよい。
箱体は仕切り等によって2室以上に分割されており、冷蔵室28、冷凍室31、野菜室32、を備え、さらに、冷蔵室28と冷凍室31の間には小形の冷凍室と製氷室が備えられている。最上段が冷蔵室28、2段目に冷凍室(小形)と製氷室があり、3段目に冷凍室(大形)31、最下段が野菜室32となっている。冷蔵庫21は少なくとも内箱22と外箱23の間に真空断熱材1が設けられており、具体的位置としては、冷蔵庫21における天井部、側面部、背面部及び底面部に配設されている。
図5で示すように、真空断熱材1の表面にホットメルト等の接着剤26をロールコータ等によって塗布し、外箱23に貼り付けることで固定する。その上で、内箱22と外箱23の内部空間に硬質発泡ポリウレタン25の原液を投入し、発泡、硬化させることで硬質発泡ポリウレタン25を固まった状態で隙間無く充填し、箱体を完成させる。
図5に示す断面構造から解るように、メルトブローン紡糸法等で繊維化した芯材1としての有機繊維を、その平均繊維径が8〜12μm(標準偏差1〜3μm)の繊維とすることで、芯材1の表面に細かい凹凸を設ける構成とする。この凹凸形状により、真空断熱材の表面にホットメルト接着剤26を塗布した際に、接着剤を全面に斑無く塗布できるようにするだけでなく、表面凹凸によるアンカー効果によってホットメルト接着剤26のぬれ性が高まり、真空断熱材1と外箱23との接着力が向上することで、箱体強度が向上する。さらに、外箱23と反対側の真空断熱材1の外被材表面も細かい凹凸形状が形成されており、この凹凸形状と硬質発泡ポリウレタン25との接着力も向上する。
また、表面凹凸によって真空断熱材1が外箱23と直接接触する部分が少なくなり(凸部だけ外箱23と接触し得る)、その凸部から伝わる熱は凹凸のジグザク経路で熱抵抗が大きくなることで、ヒートブリッジ(真空断熱材において、その表面に掛かる熱が外被材表面を伝わって表面の反対面に回りこむ現象)が低減し、断熱性能を向上できる。この際、芯材の表面に細かい凹凸を設ける構成とするために、有機繊維の目付量は0.20〜0.24kg/m2の範囲である構成とする。
ここで、天井部及び底面部に適用される真空断熱材1は冷蔵庫21における内部形状に沿って段曲げされる。天井部には電気基板とそれを収めるケース27が配設されており、この形状に合わせて略Z形状に真空断熱材1を段曲げした。このとき、真空断熱材1がケース27に接触しない形状とし、真空断熱材1とケース27の間に硬質発泡ポリウレタン25が固まった状態で充填されるようにした。
真空断熱材1と硬質発泡ポリウレタン25との接触面積は、真空断熱材1がケース27に接触する形状の場合と比べて大きくなるため、接着力の高い真空断熱材1を適用した冷蔵庫の箱体強度がより大きくなる。また、硬質発泡ポリウレタン25の原液が高流動性であるため、ケース27の形状に追従して発泡断熱材を隙間無く充填できると共に、電気基板からの熱が真空断熱材1に直接掛からないため(硬質発泡ポリウレタン25が介在しているため)、ヒートブリッジが軽減され、断熱性能を向上できるようになる。また、電気基板の熱によって真空断熱材1が劣化することを抑制し、長期に亘って高い断熱性能を維持することが可能となり、冷蔵庫21の省エネ性能が向上する。なお、同様に冷凍庫、ショーケース、保冷車等の冷却機器や断熱容器にも適用が可能である。
本発明における実施例に対し、将来的に高ガスバリア、低吸水性の新規材料が開発された場合も、本発明の手法を同様に適用可能であり、上述した実施例に記載の結果よりも良くなるものと考える。このように、本発明の実施形態によって、省エネ性能が高く、外観歪みの少ない冷蔵庫等の冷却機器、断熱容器を得ることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態の特徴は、次のような構成を備え、機能乃至作用を奏するものである。すなわち、本実施形態の真空断熱材は、メルトブローン紡糸法またはスパンボンド紡糸法で繊維化した有機繊維を芯材に含み、ガスバリア性を有する外被材で覆われ、外被材内部を真空とした真空断熱材において、有機繊維は平均繊維径が8〜12μm、標準偏差1〜3μmの繊維であって、表面に細かい凹凸を設ける構成とする。すなわち、繊維径を上記条件とした芯材を適用し、真空断熱材の表面に細かい凹凸を設けるものである。これにより、真空断熱材の表面にホットメルト接着剤を塗布した際に、接着剤を全面に斑無く塗布できるようにするだけでなく、表面凹凸によるアンカー効果によって接着剤のぬれ性が高まり、真空断熱材と箱体との接着力が向上することで、箱体強度が向上する。また、表面凹凸によって真空断熱材が箱体と直接接触する部分が少なくなることで、ヒートブリッジ(真空断熱材において、表面に掛かる熱が外被材表面を伝って反対面に回りこむ現象)が低減し、断熱性能を向上できる。
また、真空断熱材において、有機繊維の目付量は0.20〜0.24kg/m2の範囲である構成とする。すなわち、有機繊維の目付量の範囲を前記条件とすることで、真空断熱材の表面凹凸の接着力を高めるために適切な形状とするものである。さらに、真空断熱材において、溝となる部分(凹の部分)の深さ(図1の溝深さ)が0.2〜1.0mmの範囲であり、凸の部分同士の幅(隣接する凸で形成される凹の幅、すなわち溝幅)が0.2〜2.0mmの範囲である構成とする。すなわち、真空断熱材表面に形成される溝をこの範囲とすることで、接着剤を全面に斑無く塗布できるようにすると共に、接着剤を塗布した際のアンカー効果をより大きくして、真空断熱材と箱体との接着力を高めるものである。
また、真空断熱材において、有機繊維積層体はポリスチレンを主成分とした構成である。そして、この構成によって、吸水率が小さいポリスチレンを芯材とすることで、高性能な真空断熱材を得ることができる。また、ポリスチレンは曲げ強度に優れているため、繊維の潰れが小さく、真空断熱材表面の凹凸を作りやすい。
また、内箱と外箱からなり、少なくとも内箱と外箱の間に真空断熱材が設けられた冷却機器または断熱容器において、真空断熱材はメルトブローンまたはスパンボンドで紡糸した有機繊維を芯材に含み、ガスバリア性を有する外被材で覆われ、外被材内部を真空とした真空断熱材において、有機繊維は平均繊維径が8〜12μm、標準偏差1〜3μmの繊維であり、表面に細かい凹凸を設けた構成とする。上述した真空断熱材によって接着力を向上した真空断熱材を冷蔵庫等の冷却機器に適用するものであり、省エネ性能、箱体強度共に優れた冷却機器を提供することができる。
1 真空断熱材
2 外被材
2a 外被材の余剰部分
3 内包材
4 芯材
4a グラスウール
4b ポリスチレン繊維
5 吸着剤
21 冷蔵庫
22 内箱
23 外箱
24 扉
25 発泡断熱材
26 ホットメルト等の接着剤
27 基板ケース
28 冷蔵室
29 冷凍室(小形)
30 製氷室
31 冷凍室(大形)
32 野菜室
2 外被材
2a 外被材の余剰部分
3 内包材
4 芯材
4a グラスウール
4b ポリスチレン繊維
5 吸着剤
21 冷蔵庫
22 内箱
23 外箱
24 扉
25 発泡断熱材
26 ホットメルト等の接着剤
27 基板ケース
28 冷蔵室
29 冷凍室(小形)
30 製氷室
31 冷凍室(大形)
32 野菜室
Claims (6)
- メルトブローン紡糸法又はスパンボンド紡糸法で繊維化した有機繊維を含む芯材と、前記芯材を覆い且つガスバリア性を有する外被材と、を備えた真空断熱材であって、
前記有機繊維は、その平均繊維径が8〜12μmでその標準偏差が1〜3μmの繊維であり、
前記有機繊維を芯材に適用することによって、前記芯材及び前記外被材の表面に凹凸部を形成する
ことを特徴とする真空断熱材。 - 請求項1において、
前記有機繊維の目付量は0.20〜0.24kg/m2の範囲であることを特徴とする真空断熱材。 - 請求項1または2において、
前記外被材の表面の凹凸部における凸部の頂部から凹部の底部までの溝の深さが0.2〜1.0mmの範囲であり、隣接する凸部同士の溝の幅が0.2〜2.0mmの範囲であることを特徴とする真空断熱材。 - 請求項1、2または3において、
前記有機繊維の積層体はポリスチレンを主成分とするものであることを特徴とする真空断熱材。 - 請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の真空断熱材を、内箱と外箱の間に配設した冷却機器又は断熱機器。
- 請求項5において、
前記外被材の表面に形成された前記凹凸部を有する前記真空断熱材がホットメルト接着剤を介して前記外箱に固着された冷却機器又は断熱機器。
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