JP3725958B2 - 断熱体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫、冷凍庫、保温器、保冷器、食品貯蔵庫などの断熱箱体用途に用いられる断熱体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、機器の省エネルギーの観点から断熱材の高性能化が進められている。断熱材の断熱性能を向上する技術としては、大きく2つの流れに分類される。1つは真空断熱材の開発であり、もう1つは発泡断熱材の断熱性を決定している気泡内の気体成分の制御である。
従来、冷蔵庫などに多く用いられている真空断熱材としては、真空断熱パネルがある。その製造方法は、連続気泡からなる硬質ウレタンフォームなどのような連通構造のコア材をガスバリア性の金属−プラスチックラミネートフィルム等で覆い、内部を真空排気した後に、パックしてパネルとするものであった(例えば特開平7−293785号公報)。これを冷蔵庫などの断熱箱体に用いる場合には、箱体の容器材料に貼り付けられ、さらに発泡ウレタン樹脂を注入して発泡成形する二重構造で構成されていた。
【0003】
また、真空断熱箱体としては、前述の真空断熱パネルによるものの他に、真空排気による断熱箱体がある(例えば特開平6−174186号公報、特開平7−148752号公報など)。これらの断熱箱体は、独立構造または連通構造を有する材料が箱体の中に充填されており、その中を真空にするために真空ポンプが用いられている。また、経時的な断熱性能を確保するために真空インジケータを付け、再度真空排気する方法もある(特開平7−148752号公報)。
さらに、発泡断熱材の断熱性を決定する気泡内の気体成分を制御して真空断熱材を形成する方法として、発泡成形による真空断熱材がある(特開平7−53757号公報、特開平7−53769号公報など)。これらの方法では、樹脂原料中に二酸化炭素固定化剤を加えておく。そして、二酸化炭素で発泡させた樹脂断熱材中の気泡中に存在している二酸化炭素を前記二酸化炭素固定化剤により固定化することによって、気泡内部を減圧ないし真空化して断熱性能を向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の真空断熱パネルの製造方法は、連続気泡の硬質ウレタンフォームのブロックを製造した後に、任意のサイズに切り出して真空排気設備によって真空パックして製造するものである。したがって、通常の発泡断熱材と組み合わせるには、別に製造しておくことが必要があった。さらに、断熱箱体の容器に貼り付ける工程などが必要であり、生産性、作業性、コスト面で望ましくなかった。また、真空パネルを組み合わせて用いるために、断熱箱体に部分的に真空断熱の性能がでない部分が存在し、断熱性能面でも問題がある。
また、前述の真空排気による断熱箱体は、真空断熱パネルのように別の製造工程や貼り付け工程などは必要ではなく、箱体全体を真空断熱にすることができる断熱箱体製造工程である。しかし、真空排気のための真空ポンプが必要であり、十分な真空度を得るには長時間排気する必要があるために生産性に問題があった。加えて、経時的に断熱性能を維持するためには、真空排気を続けたり、真空度をチェックした上で再度真空排気を行うなど、真空ポンプを必要とするために、作業性、長期の信頼性に対しても問題がある。
【0005】
さらに、発泡成形による真空断熱材は、発泡注入によって製造できるため、生産性に優れ、経時的にも二酸化炭素の固定化を行わせることで信頼性を確保することができるという特長がある。しかし、原料に二酸化炭素の固定化剤を加えておくために、二酸化炭素で発泡形成される樹脂が完全に成形される途中から二酸化炭素の固定化が進行することもあり、まだ完全に硬化せずに柔らかい状態の発泡樹脂が収縮しやすくなったりする。これを防ぐために二酸化炭素を多く入れると、添加する二酸化炭素固定化剤の量が多くなったりするために、生産性の面でさらに改善が必要であった。
本発明は、上述の課題を解決し、高い断熱性を有するとともに、長期信頼性、生産性およびコスト面において優れた断熱体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の断熱体の製造方法は、二酸化炭素からなる充填気体を用いて気体遮蔽性容器内に発泡体を形成する原料、粉体または繊維体を充填し、連通構造体を形成する工程と、前記気体遮蔽性容器と連通して設置され、かつ、吸収材が充填された気体貯蔵容器内に前記二酸化炭素を導入させ前記吸収材に前記二酸化炭素を吸収させることにより、前記気体遮蔽性容器内を減圧状態にする気体貯蔵工程とを含む。
ここにおいて、気体遮蔽性容器と気体貯蔵容器とは、開閉栓または気体透過性材料を介して接続されている構成が好ましい。
【0007】
本発明の好ましい態様において、連通構造体を形成する工程が、少なくともポリオール、水、およびイソシアネートを含むウレタン原料を気体遮蔽性容器に注入する注入工程と、前記ウレタン原料が反応して発生する二酸化炭素によって水発泡連続気泡ウレタン樹脂を前記気体遮蔽性容器に充填する発泡成形工程からなり、前記気体貯蔵工程が、二酸化炭素を気体貯蔵容器内の吸収材に吸収させる工程からなる。
本発明の好ましい他の態様において、連通構造体を形成する工程が、充填気体を用いて粉体原料を気体遮蔽性容器に封入する充填工程からなる。
本発明の好ましい他の態様において、連通構造体を形成する工程が、発泡剤を含み無処理または予備発泡された発泡粒子原料を気体遮蔽性容器に注入する注入工程と、前記発泡粒子原料をスチームにて加熱処理して前記気体遮蔽性容器内に発泡粒子成形体からなる連通構造体を形成する発泡成形工程からなり、前記気体貯蔵工程が、前記スチームで用いられて残留している水蒸気を気体貯蔵容器内の吸収材に吸収させる工程からなる。
【0008】
本発明で用いる気体貯蔵容器内には少なくとも充填気体の吸収材と共に、空気成分である窒素、酸素、二酸化炭素、水蒸気の吸収材が混合されているのが好ましい。
本発明によって、生産性および断熱性に優れるとともに、断熱性の長期信頼性の良い断熱体および断熱箱体を提供することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明を適用することにより、断熱性、生産性、作業性に優れた断熱体および断熱箱体が形成される理由は以下に示すとおりである。
本発明の断熱体は、上述のように、気体遮蔽性容器の内部に連通構造体が形成されており、その形成の際に用いた充填気体を気体遮蔽性容器と連通して接続された気体貯蔵容器に吸収させることによって構成されている。したがって、充填気体を気体貯蔵容器に閉じ込めておくことによって断熱体全体が減圧状態であり、真空ポンプなどで排気することなく真空断熱による高い断熱性能が得られている。また、気体貯蔵容器を接続した状態であるので、長期に渡っても真空ポンプによる排気を継続することなく減圧状態を保持することができ、断熱性能を維持することができる。
【0010】
本発明の断熱体の製造方法は、充填気体を用いて連通構造体を気体遮蔽性容器に形成する工程、および気体貯蔵容器内に少なくとも充填気体を吸収して気体遮蔽性容器内を減圧状態にする工程を経て製造する。したがって、上述した断熱体としての優れた断熱性能に対する効果と合わせて、生産性や作業性の面で次の3つの効果が得られる。
第1は、断熱体を構成する気体遮蔽容器に連通構造体を形成することで、容器と一体化した真空断熱体を製造できるという高い生産性、作業性がある。
第2は、気体貯蔵容器に接続することによって真空ポンプによる真空排気が必要でなく、生産性で優れている上に、長期に渡って性能を保持することができるためにメンテナンスが不要で作業性に優れている。
第3は、気体遮蔽性容器と気体貯蔵容器を隔離して配置することによって、気体遮蔽性容器に十分に連通構造体が充填気体によって形成されて断熱体の基本構成が完了した工程の後に、開閉栓や気体透過性材料を介することによって充填気体を気体遮蔽性容器から気体貯蔵容器へ吸収させる工程を行うことができる。したがって、断熱体が収縮することなく、かつ効率的な気体貯蔵による減圧状態を実現できるために、良質な断熱体を高い生産性で提供することが可能となる。
【0011】
本発明の断熱箱体は、優れた断熱性能を有する上記の断熱体で構成されている。気体遮蔽性容器と連通して接続された気体貯蔵容器が断熱箱体の外部に設置されているので、先に説明した断熱体の製造時に、充填気体を用いて連通構造体を気体遮蔽性容器に形成する工程の後に、気体貯蔵容器内に少なくとも充填気体を吸収して気体遮蔽性容器内を減圧状態にする工程に移行する際に、作業性良く実施することが可能になる。ただし、気体貯蔵容器が断熱箱体の内部に設置される構成においても、優れた断熱性能を実現することができる。この場合には、製造時の作業性の若干の低下と箱体内の容積低減などが生じるが、本発明の効果は達成される。
【0012】
以下に、本発明の具体的な実施の形態について図1、図2、および図3を用いて説明する。図1は本発明による断熱体の構成例を示す。この断熱体は、気体遮蔽性容器1に連通構造体2が形成されて構成されている。そして、気体遮蔽性容器1には、充填気体を吸収する吸収材料4を充填した気体貯蔵容器3が取り付けられており、連通構造体2と吸収材料4との間には容器1の開口に設置した気体透過性シート5が介在している。
【0013】
この断熱体を製造するには、まず、気体貯蔵容器3を結合した気体遮蔽性容器1内に、充填口6から充填気体を用いて連通構造体2を形成する。この際、容器内に十分に連通構造体2を形成するために、充填時の気体排出口7を開放しておき、容器1内の空気を排出するとともに、過剰な充填気体を排出する。続いて、形成後に、充填口6と排出口7を密閉する。この時、充填気体は気体透過性シート5を通して気体貯蔵容器3内の吸収材料4に吸収され、気体遮蔽性容器1内は充填気体が無くなり減圧状態となる。気体透過性シート5は、徐々に充填気体を透過するために、気体遮蔽性容器1内の急激な減圧を生じることなく、充填工程と気体貯蔵工程を時間的に分離する働きを担っている。
【0014】
例えば、連通構造体2が無機粉体あるいは有機粉体からなる粉体成形体である場合には、充填気体を用いて粉体成形体の粉体原料を十分緻密に気体遮蔽性容器1に封入する必要がある。この時には充填気体と共に粉体原料を充填口6から圧入して充填を行い、充填口6と排出口7を封止して充填工程が完了した後に、主に充填気体が気体貯蔵容器3に貯蔵されて減圧真空化する気体貯蔵工程となり、容器と一体化した優れた断熱性能の真空断熱体が得られる。
封止時の気体遮蔽性容器1内の充填気体量以上の気体吸収材料4を気体貯蔵容器3に入れておけば、製造時だけでなく長期にわたって断熱性能を維持することができる。この時、気体貯蔵容器3内には、充填気体の吸収材料4だけでなく、気体遮蔽性容器1内に残留している空気成分や経時的に発生してくる脱ガス成分の吸収材料を加えておけば、さらに優れた効果が得られる。
【0015】
図2は本発明による断熱箱体10の構成例を示す。箱体形状に加工した気体遮蔽性容器11内に連通構造体12が形成されている。断熱体を構成する気体遮蔽性容器11には、断熱箱体10の外部に、吸収材料14を収容した気体貯蔵容器13、およびこの容器を容器11に連結するパイプ16が設けられている。パイプ16には開閉栓15を有する。
この断熱箱体の製造方法の一例では、まず、開閉栓15を閉じておき、気体遮蔽性容器11に設けた充填口17から連通構造体12の原料を注入する。この際、充填気体によって原料が気体遮蔽性容器11内に十分充填されて連通構造体12を形成するように、充填口17を開放しておき、気体遮蔽性容器1内の空気を排出する。続いて、充填口17を密閉・封止する。この後、十分に連通構造体12が成形された後に、開閉栓15を開いて気体貯蔵容器13内の吸収材料14に充填気体を吸収させる。こうして気体遮蔽性容器11内は減圧状態となり、高性能な断熱箱体が得られる。開閉栓15は、充填工程、成形工程、および気体貯蔵工程を時間的に分離する働きを担っている。
【0016】
連通構造体12が例えば、水発泡連続気泡ウレタン樹脂である場合には、まず、少なくともポリオール、水、およびイソシアネートを含むウレタン原料を気体遮蔽性容器11に注入する。このウレタン原料のうちイソシアネートと水が反応して発生する二酸化炭素によって、ウレタン樹脂を形成しながら発泡し、ウレタンフォームが気体遮蔽性容器11内に充填される。この発泡成形工程において、十分にウレタンフォームを加熱キュアして十分な樹脂形成を行わせた後に開閉栓15を開ける。気体貯蔵容器13に少なくとも二酸化炭素固定化剤を吸収材14として充填しておくと、気体遮蔽性容器11内の充填気体である二酸化炭素が気体貯蔵容器13に貯蔵され、気体遮蔽性容器11内が減圧化して真空断熱の箱体が製造される。この時に、ウレタン原料に気泡の破泡成分を加えておくと、連続気泡のウレタンフォームが形成され、気泡内の二酸化炭素が気体貯蔵容器13に急速に貯蔵することができるため好ましい。
【0017】
また、連通構造体12が発泡粒子成形体である場合には、まず、発泡剤を含んだ発泡粒子の原料を用い、無処理あるいは予備発泡された発泡粒子原料を気体遮蔽性容器11に注入充填する。この発泡粒子原料をスチームにて加熱処理すると、その水蒸気圧と発泡剤の加熱気化による圧力によって、粒子が発泡して気体遮蔽性容器11に十分に充填し成形される。この際に、充填量を調整したり、スチーム温度を調整したりしておくと、発泡した粒子間に連通部が形成される。気体貯蔵容器13に少なくとも水分吸着剤を吸収材14として充填しておくと、気体遮蔽性容器11内の充填気体である水蒸気が気体貯蔵容器13に貯蔵され、気体遮蔽性容器11内が減圧化する。
【0018】
この時に、発泡粒子内部の気泡は独立気泡であり、その内部には発泡剤と水蒸気が充填されているが、水蒸気は拡散しやすいために発泡粒子の気泡壁を透過して気体貯蔵容器13に吸収される。それによって、発泡粒子の気泡内は低い断熱性能の水蒸気がなくなり、高い断熱性能の発泡剤の気体のみになって、優れた断熱性能の断熱箱体が得られる。また、気体貯蔵容器13内に用いた発泡剤の吸収材料を加えておけば、徐々に発泡剤の気体も発泡粒子の独立気泡内から無くなり、経時的に真空断熱化することもできる。
この実施の形態においては、連通構造体の形成工程やその後の気体貯蔵工程において、補助的に真空ポンプなどによる真空排気を併用すれば、より効率的に製造できることは上記の説明において明らかである。すなわち、連通構造体の形成後に気体遮蔽性容器内を短時間真空排気し、その後に残りの充填気体を貯蔵して減圧を行うことにより気体貯蔵はより速やかに行われ、気体貯蔵容器内の吸収材の量が少なくてすむ。
【0019】
次に、本発明の構成材料について詳細に説明する。
気体遮蔽性容器の材料としては、鋼鉄、銅、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属材料、ガラス、陶器などの無機材料を真空保持できるように成形加工したものを用いることができる。また、有機材料をベースとした材料としては、ガスバリア性の高い、テフロンなどのフッ素系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂などのビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリルなどのアクリロニトリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などが単独あるいはラミネートなど複合化して用いられる。さらに、これら樹脂に金属箔、金属蒸着、ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物の蒸着などを行ってガスバリア性を高めたものなども好ましい。これらを組み合わせて、気体遮蔽度の高い容器を構成する。
【0020】
連通構造体としては、大きく3つの材料系に分類できる。第1には、シリカ、パーライト、アルミナなどの無機粉末や、ポリビニルアルコール粉末、ポリウレアのキセロゲル、ポリウレタン粉末など各種樹脂粉末などである。第2には、無機繊維、有機繊維などである。第3には、発泡樹脂成形体であり、ポリウレタンフォーム、ポリカルボジイミドフォームなどの注入発泡成形体、ポリスチレンフォーム、塩化ビニリデン樹脂フォームなどの発泡粒子成形体などである。これらに限らず、気体遮蔽性容器内に充填できて、連通構造体を形成できれば用いることができる。
【0021】
充填気体としては、二酸化炭素、水蒸気、酸素、窒素など空気成分や、フロン、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、シクロペンタン、ブタンなどの炭化水素などの有機化合物や、6フッ化硫黄など無機気体を代表として用いることができるが、これらに限定されることはなく、常温常圧で気体、または蒸気圧が高い低沸点化合物を用いることができる。また、これらは単独あるいは混合して用いることもできる。特に、充填気体としては拡散しやすく、比較的化学反応しやすいものが好ましく、二酸化炭素や水蒸気、酸素が適している。これらは、充填気体として、気体遮蔽性容器内で化学的反応により発生して連通構造体を形成してもよいし、物理的に容器内に連通構造体を形成してもよい。充填気体の充填状態としては、例えば二酸化炭素であれば、気体状態、液化状態、超臨界液化状態など様々な状態を用いることができ、形成する連通構造体によって選択すればよい。また、これら固体中を拡散しやすい気体を用いれば、気体遮蔽性容器へ形成する構造体としては必ずしも連通構造体である必要はないが、気体貯蔵速度が遅くなるので好ましくは連通構造体が適している。
【0022】
気体貯蔵容器としては、気体遮蔽性容器と同様のものが使用できる。好ましくは、断熱体への設置前に気体貯蔵容器内の気体吸収材料の気体を除くために、加熱または減圧などの処理をする必要がある場合もあるから、金属製の容器が適している。
気体貯蔵容器に充填されている気体吸収材料としては、充填気体を吸収する材料の他に、残留気体成分や経時的脱ガス成分を吸収する材料を混合して用いることができる。残留気体成分としては空気成分がほとんどである。そのため、空気成分である窒素、酸素、二酸化炭素、水蒸気の吸収材が混合されるのが好ましい。また、経時的脱ガス成分としては、気体遮蔽性容器内壁や連通構造体内に存在する吸着ガス成分や、連通構造体から経時的な発生ガス成分である。吸着ガス成分は空気成分がほとんどであり、発生ガス成分は二酸化炭素、水蒸気、有機化合物ガスなどがほとんどである。上記の気体成分を吸収する材料としては、一般的な物理的、化学的に気体を吸収するものを用いることができる。
【0023】
二酸化炭素の吸収材料は、物理的吸着剤としてモレキュラーシーブス、ゼオライトなどを用いることができる。
化学的な二酸化炭素固定化剤としては、金属無機化合物、有機化合物がある。金属無機化合物はソーダ灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの金属炭酸化合物、など二酸化炭素と反応して金属炭酸化合物や金属炭酸水素化合物を生成するものが代表的なものである。これらは、反応に水を必要としたり、反応によって水が発生したりするので、吸収材の選定には水分吸着剤との最適な組合せが必要である。
【0024】
また、有機化合物との反応は、代表的なものとしてはエタノールアミン系のアミン化合物、遊離アミノ基を担持した固体物質などがある。さらに、エポキシ化合物への付加反応も反応収率が高いために用いることができる。
具体的には、エポキシエタン、1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、3,4−エポキシ−1−プロペン、スチレンオキシド、シ クロヘキセンオキシド、グリシジルフェニル、パーフルオロプロピレンオキシド等の単官能及び多官能エポキシ化合物、酢酸グリシジルエステル、プロピオン酸グリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル化合物、フェニルグリシジルエーテル、トリメチルシリルグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、アリールグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物といったエポキシ化合物を挙げることができる。
【0025】
これらエポキシ化合物による二酸化炭素の吸収においては、反応触媒として有機亜鉛化合物、マグネシウム系の触媒、または各種オニウム塩化合物を併用すると、高い反応選択性で二酸化炭素を吸収して好ましい。
反応触媒として具体的には、ジアルキル亜鉛やジアルキルマグネシウムと2価の活性水素化合物、例えば水、一級アミン、2価のフェノール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸とのモル比1:1で反応させた物質、ジエチル亜鉛/γ-アルミナ、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、塩化亜鉛/テトラブチルアンモニウムブロマイド等の有機亜鉛系触媒や無機系触媒、トリエチルアルミニウム/ルイス塩基系、ジエチルアルミニウムジエチルアミド、α,β,γ,δ-テトラフェニルポルフィナトアルミニウムメトキシド等のアルミニウム化合物系触媒を挙げることができる。
さらに、二酸化炭素を固定化する別の有機化合物として、プロピレンイミン等の環状イミン化合物、4員環エーテルであるオキセタン、ホルムアルデヒド、メチルアジリジン等の3員環アミン、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン、プロピレンスルフィド、エチレンフェニルフォスファイト、亜リン酸エステルと芳香族一級アミンあるいは芳香族ジアミンの混合物、さらにクラウンエーテルとアルキルジハロゲン化物と金属ジアルコキシドの混合物等を挙げることができる。
【0026】
次に、水分の吸収材料としては、ゼオライト、モレキュラーシーブス、塩化カルシウム、酸化カルシウム、硫化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、吸水性高分子など一般的に知られている吸湿、吸水材料の水分吸着剤を用いることができる。
また、酸素の吸着剤についても、鉄粉、無水硫酸第一鉄など鉄系脱酸素剤、チタン系脱酸素剤、マグネシウム系脱酸素剤、サルコミン系コバルト錯体などの酸素吸収剤など一般的なものを使用することができる。
窒素の吸収材としては、ゲッタ材であるリチウム、バリウム、チタンやジルコニウム系合金、リチウム−バリウム系合金などを用いることができる。
水素に吸収材としてはパラジウム微粉等を用いることができる。
アルゴンなど希ガスに関しては、モレキュラーシーブスなどを用いることができる。
さらに、有機ガス成分に対しては、活性炭、モレキュラーシーブス、ゼオライト、シリカ、アルミナなど各種吸着剤を用いることができる。
上記の吸収材料に限られるものではなく、上記の吸収材料も複数の気体成分に対して吸収能力を有しているものも多いので、用いる充填気体などを考慮して決定する必要がある。
【0027】
図3は二酸化炭素を充填気体とし、二酸化炭素固定化剤としてゼオライトを用いた場合の気体貯蔵容器21の構成を示す。まず、窒素は不活性な気体であり、その窒素吸収材26としてのリチウム−バリウム系合金は他の気体成分に対しても活性であるためにまず容器の一番奥に入れる。続いて酸素吸収剤25、二酸化炭素固定化剤24の順に入れる。二酸化炭素固定化剤24のゼオライトは、水分の存在下では二酸化炭素の吸着量が低下するために、その次に塩化カルシウムなどの水分吸着剤23を充填し、二酸化炭素の固定の前に水分を除去しておく。最後に、有機ガス成分の吸着剤22として活性炭を加えておき、他の気体吸収材料が有機ガスによって不活性化されるのを防ぐ構成とする。しかし、二酸化炭素固定化剤24として水酸化カルシウムなど金属水酸化物を用いた場合には、反応副生成物として水を発生するので、二酸化炭素固定化剤24と水分吸着剤23を混合して充填することが必要となり、吸収材料の選択によって構成は変える必要がある。27は気体遮蔽性容器との接続口である。
【0028】
気体貯蔵容器は、これら吸収材を充填した後に容器内の気体をなくす活性化の処理も必要である。また、実際には、残留する気体などは極少量の場合も多いために、充填気体のみの吸収材料を気体貯蔵容器に充填しておくだけでも十分な減圧効果が得ることはできる。
気体吸収材料の気体貯蔵容器への充填量としては、気体遮蔽性容器に充填されている気体量を貯蔵する量以上に加えておけばよい。気体遮蔽性容器の内容量に相当する量を加えておけば、経時的に貯蔵する分も含めて十分である場合が多い。
次に、開閉栓として一般的なバルブを用いることができる。気体透過性材料としては、一般的な高分子シート、不織布などを用いることができる。ただし、高分子シートの場合にはガスバリア性の高い材質ではなく、密度が低くガス透過性の高い材料が選ばれる。ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィンなどが適している。
【0029】
次に、本発明の断熱体の構成について説明する。
断熱体の構成は、図1のような板やパネル、図2のような断熱箱体、さらには器状など、連通構造体を形成できれば様々な複雑な形状にすることが可能である。
気体遮蔽性容器は、内部に連通構造体が形成されているので、容器材料自体で減圧状態を保持する必要はないため、壁厚は薄いものを使用できるし、内部に補強材などを使用しなくてもよい。連通構造体の形成時において、容器の強度が単位面積当たり1kg重以上あればよい。したがって、軽量になるし、耐久性、コストなどの面でも効果がある。壁厚としては、形成する連通構造体にもよるが、1mm以下で100μm位のものでも十分に使用ができる。これらは気体遮蔽性のあるように加工成形されて容器構造とされる。
気体貯蔵容器の気体遮蔽性容器への設置位置については、断熱体製造の作業性の面から、気体遮蔽性容器の外部とする。これらの位置については使用時の不便さのない位置であればどこでもよい。
気体貯蔵容器については、本発明の断熱体の使用が終わった時点で、容易に取り外して解体でき、分離回収できるという特徴もある。さらに、この気体貯蔵容器のまま内部の気体吸収材料を再生して再利用することもでき、利用後の廃棄に関する環境問題も配慮した構成である。
【0030】
次に、本発明の断熱体の製造工程について説明する。
気体遮蔽性容器、気体貯蔵容器、およびその接続はあらかじめ実施しておくのがよい。気体遮蔽性容器への連通構造体の形成工程は、連通構造体の材料や構造によって異なるが、充填口から注入して十分に充填後に充填口を封止する。この際、粉体などの場合のように、充填気体による注入だけで充填が完了する場合には、充填気体の気流、あるいは液状の充填気体などによって流し込む方法などを実施することができる。また、発泡成形体の場合には、充填気体は発泡ガスとしての働きを担う。
【0031】
成形が完了した後に、あるいは成形中から、時間的に遅れて気体貯蔵工程を開始する。気体透過性シートを通す場合には、成形中から徐々に貯蔵が開始されるが、成形完了後から減圧が進行することになるので、十分な成形が行われる。また、開閉栓を用いる場合には、成形完了の確認後にバルブ等を開けばよいので、完全に両工程を時間的に分離することができる。気体貯蔵による気体遮蔽性容器内の減圧が完了してからも、そのままの状態で断熱体は使用する。
気体貯蔵工程による減圧状態は、気体遮蔽性容器内に気泡や粉末間の微空間が形成されているために、10-5トール以下のような高真空は必要ない。連通構造体によるが、到達真空度としては数トールから10-3トール程度の低真空から中真空の領域で十分に優れた断熱性能を得られる。長期的にもこの真空領域を気体貯蔵によって保持できるために信頼性も高い。
【0032】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について示す。
《実施例1》
図2の構成のように厚み0.5mmのステンレス鋼板製の気体遮蔽性の断熱筐体11に、ステンレス鋼製のパイプ16でバルブを介してステンレス鋼製気体貯蔵容器13を接続した。この気体貯蔵容器中には、充填気体である二酸化炭素の吸収材など、図3の構成の気体吸収材を封入してある。
この容器に充填口17から、ポリオール、ウレタン触媒、整泡剤、破泡剤、水、およびイソシアネートからなるウレタン原料を注入し、水とイソシアネートとの反応により発生する二酸化炭素によって発泡成形を行わせた。この水発泡ウレタンフォームは、硬質で、気泡は破泡剤の添加によって完全に連通化し、二酸化炭素が充填された構成となる。このウレタンフォームを注入した容器を約40℃でキュアし、完全にウレタンフォームの樹脂形成を行い、単位面積当たりのフォーム強度1kg重以上の連通構造体を形成した。この後バルブを開放することによって、気体貯蔵容器に気泡内の二酸化炭素が貯蔵吸収され、断熱筐体内は減圧化した。
バルブ部に真空ゲージを取り付けて到達真空度を計測したところ、約0.01トールであり、真空断熱筐体が製造されていることが確認された。
この断熱筐体の断熱性能は、気体貯蔵工程前の二酸化炭素の充填されている状態の断熱性能に対して約2倍の高い断熱性能を実現できた。さらに、長期にもその性能を維持することができた。
【0033】
《実施例2》
図2の断熱箱体のように、鉄板製外箱、およびABS樹脂とアルミラミネートフィルムの張り合わせ構造の内箱から気体遮蔽性の断熱筐体を構成した。この断熱筐体に、鉄製の配管でバルブを介して鉄製気体貯蔵容器を接続した。この気体貯蔵容器中には、充填気体である二酸化炭素の吸収材として、エポキシ化合物、その付加反応触媒、および水酸化カルシウムを充填してあり、水酸化カルシウムが二酸化炭素と反応して発生する水を捕捉するために塩化カルシウムを混合して封入してある。
【0034】
この容器に充填口から、超臨界二酸化炭素に混合したパーライト粉末を注入し、連通構造体を形成した。この容器を真空ポンプで1分間排気して、数トールまで減圧した後に、バルブを開放することによって、気体貯蔵容器に気泡内の二酸化炭素が貯蔵吸収され、断熱筐体はさらに減圧化した。バルブ部に真空ゲージを取り付けて到達真空度を計測したところ、約0.1トールであり、優れた断熱性能が得られる真空断熱筐体が製造されていることが確認された。
この断熱筐体の断熱性能は、気体貯蔵工程前の二酸化炭素の充填されている状態の断熱性能に対して約1.8倍の高い断熱性能を有していた。
【0035】
《実施例3》
図1の断熱体のように、鉄板を組み合わせて気体遮蔽性容器を形成した。さらに、1μm厚さのポリエステルシートを介して鉄製気体貯蔵容器の隔離室を形成した。この気体貯蔵容器中には、充填気体である水蒸気の吸収材として、モレキュラーシーブスおよび活性炭からなる水分吸着剤を乾燥して充填してある。
この容器に充填口から、予備発泡したポリスチレン粒子を注入した後に、スチームにて本発泡して連通構造体を形成した。この発泡スチロールは、発泡剤としてシクロペンタンを含浸しているため、発泡粒子内にはシクロペンタンと水蒸気が存在する。さらに、発泡粒子の充填量としては、容器内が完全に発泡体で占められる量よりも少なくしており、連通部分が存在している。この後、連通部分に存在する水蒸気と発泡粒子の気泡中に存在する水蒸気が拡散して、徐々に気体透過性シートを通して貯蔵吸収され、断熱体は減圧化し、気泡内はシクロペンタンで満たされた。
この断熱筐体の断熱性能は、気体貯蔵工程前の水蒸気の充填されている状態の断熱性能に対してシクロペンタンの優れた断熱性能が得られ、約1.2倍の高い断熱性能を実現できた。
こうしてできた断熱体にガラス板を張り合わせて断熱ドアを構成した。
【0036】
《実施例4》
円筒の器状にステンレス鋼で構成した断熱保温容器の気体遮蔽性容器を形成した。さらに、ステンレス鋼製の配管でバルブを介してステンレス鋼製気体貯蔵容器を接続した。この気体貯蔵容器中には、充填気体である二酸化炭素の吸収材としてゼオライト、空気成分の吸収材としてリチウム−バリウム系合金、水分および有機ガスの吸着剤として活性炭を充填してある。
この容器に充填口から、発泡剤として二酸化炭素を含浸してあるポリエチレンテレフタレート粒子を二酸化炭素と共に注入した。この容器ごと150℃以上に加熱してポリエチレンテレフタレート粒子を発泡充填した。この発泡成形体は、発泡粒子の充填量としては、容器内が完全に発泡体で占められる量よりも少なくしており、連通構造体である。この後充填工程の後に、バルブを開放することによって、気体貯蔵容器に気泡内の二酸化炭素が貯蔵吸収され、断熱保温容器は減圧化した。バルブ部に真空ゲージを取り付けて到達真空度を計測したところ、約0.01トールであり、真空断熱筐体が製造されていることが確認された。
この断熱保温容器の断熱性能は、気体貯蔵工程前の二酸化炭素の充填されている状態の断熱性能に対して約2倍の高い断熱性能を実現できた。さらに、長期的にもその性能を維持することができた。
【0037】
《実施例5》
実施例1の断熱筐体、実施例3の断熱ドア、および冷凍サイクルを組み合わせて、冷蔵庫を作製したところ、優れた省エネ効果が得られた。
【0038】
《比較例1》
実施例1で用いた気体遮蔽性容器を連通構造体を形成せずに直接真空ポンプで真空排気したところ、容器が収縮してつぶれてしまい、箱体を形成することができなかった。
さらに補強して、箱体形状を保持して真空ポンプで1時間排気して真空度0.01トールまで減圧したが、真空断熱を得るに十分な真空度である10-5トール以下の高真空まで到達しなかったため、断熱性能の向上は見られなかった。
【0039】
《比較例2》
実施例1で用いた気体遮蔽性容器に水発泡連通硬質ウレタンフォームを充填し、直接真空ポンプによって真空排気して真空度0.01トールまで減圧した。こうして断熱性能を向上することができた。しかし、経時的には、1週間ほどで真空度が悪化して、再度真空ポンプで排気する必要があり、長期信頼性に課題があった。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高い断熱性能を有し、長期信頼性、生産性、作業性、およびコスト面などにおいても優れた断熱体を提供することができる。さらに、製品の廃棄問題に対しても回収やリサイクルが容易な断熱体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における断熱体の断面図である。
【図2】 本発明の他の実施例における断熱箱体の断面図である。
【図3】 本発明の一実施例において充填気体として二酸化炭素を用いた際の気体貯蔵容器の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1、11 気体遮蔽性容器
2、12 連通構造体
3、13 気体貯蔵容器
4、14 充填気体の吸収材料
5、 気体透過性シート材料
6、17 充填口
7 充填時の気体排出口
10 断熱箱体
15 開閉栓
16 パイプ
21 気体貯蔵容器
22 有機ガス吸着剤
23 水分吸着剤
24 二酸化炭素固定化剤
25 酸素吸収剤
26 窒素吸収剤
27 接続口
Claims (5)
- 二酸化炭素からなる充填気体を用いて気体遮蔽性容器内に発泡体を形成する原料、粉体または繊維体を充填し、連通構造体を形成する工程と、前記気体遮蔽性容器と連通して設置され、かつ、吸収材が充填された気体貯蔵容器内に、前記二酸化炭素を導入させ前記吸収材に前記二酸化炭素を吸収させることにより前記気体遮蔽性容器内を減圧状態にする気体貯蔵工程とを含む断熱体の製造方法。
- 前記連通構造体を形成する工程が、少なくともポリオール、水、およびイソシアネートを含むウレタン原料を気体遮蔽性容器に注入する注入工程と、前記ウレタン原料が反応して発生する二酸化炭素によって水発泡連続気泡ウレタン樹脂を前記気体遮蔽性容器に充填する発泡成形工程とからなり、前記気体貯蔵工程が、二酸化炭素を気体貯蔵容器内の吸収材に吸収させる工程からなる請求項1記載の断熱体の製造方法。
- 前記連通構造体を形成する工程が、充填気体を用いて粉体原料を気体遮蔽性容器に封入する充填工程である請求項1記載の断熱体の製造方法。
- 前記連通構造体を形成する工程が、発泡剤を含み無処理または予備発泡された発泡粒子原料を気体遮蔽性容器に注入する注入工程と、前記発泡粒子原料をスチームにて加熱処理して前記気体遮蔽性容器内に発泡粒子成形体からなる連通構造体を充填する発泡成形工程からなり、前記気体貯蔵工程が、前記スチームで用いられて残留している水蒸気を気体貯蔵容器内の吸収材に吸収させる工程からなる請求項1記載の断熱体の製造方法。
- 前記気体遮蔽性容器と前記気体貯蔵容器が開閉栓を介して接続されている請求項2、3または4記載の断熱体の製造方法。
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