JP2004011706A - 真空断熱材及びその真空断熱材を用いた機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の真空断熱材は、芯材と、水分吸着性物質と、外被材とを有し、前記芯材は前記水分吸着性物質が無機繊維相互を結着してボード状に成形されているもので、水分吸着物質が結合として無機繊維と一体化しているため脱落することはなく、芯材自身が水分吸着性能を有することができる。よって、減圧封止直後の初期内部圧力を低減し、かつ経時的にも内部圧力を維持することが可能となり高品質な真空断熱材が得られる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電製品、住宅及び車輌等の断熱材として使用可能な真空断熱材に関するもので、更には前記真空断熱材を適用した機器、すなわち、断熱容器、断熱箱体、電気給湯器、冷蔵庫、自動販売機、及び炊飯器などに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護が大きく叫ばれるなか、家電製品の省エネルギー化は緊急に取り組むべき重要課題となってきている。この解決方法の一つとして、無駄な熱の授受を防ぐ目的での断熱材の使用や断熱材の高性能化がある。
【0003】
断熱材の高性能化の一例としては特公平5−63715号公報に開示されているように、繊維集合体の芯材をフィルム状のプラスチックスの容器で覆って内部を真空密封する真空断熱材がある。このような真空断熱材は従来のグラスウールや硬質ウレタンフォームと比較して3倍〜6倍程度の断熱性能を有するものであり、電気ジャーポットや電気冷蔵庫などの家電製品やクーラーボックス等に適用されている。
【0004】
一方、このような真空断熱材において、初期の熱伝導率を長期間維持する手段としては、特公昭63−43669号公報に開示されているように、真空に保持された真空断熱材において、芯材に水分吸着性物質が添加含有されているものがある。これにより、真空断熱材の内部に透過侵入した水分は、水分吸着性物質に吸着され、初期の真空度を維持し熱伝導率の劣化を抑制することができる。
【0005】
更に、ガラス繊維系の芯材に限定した場合は、特公平5−59347号公報に開示されているように芯材がガラス繊維と前記ガラス繊維の表面に塗布された吸湿性物質を含有するサイジング剤からなる真空断熱材がある。これは、一般に吸湿量の高いガラス繊維を芯材とした真空断熱材の場合にも、サイジング剤中の吸湿性物質が発生した水分を吸着することにより、内部圧力を増大させないことから優れた断熱性能が得られる。また、このような断熱材はゲッター材の使用量も低減できることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、芯材に水分吸着性物質が添加含有されているだけの場合、ガラス繊維系の芯材においては、水分吸着性物質がガラス繊維からなる芯材と固定されていないため、芯材の取り扱い性が損なわれると共に、芯材の取り扱い中に水分吸着性物質が脱落し、所定量の水分吸着性物質が安定的に封入できなかった。
【0007】
また、真空排気工程では、水分吸着性物質が封止部に移動する場合があり、良好な封止状態が得られず安定的な生産ができなかった。
【0008】
一方、吸湿性物質をサイジング剤に添加して形成した芯材からなる真空断熱材においては、吸湿性物質の表面がサイジング剤や接着性物質により被覆されるため、水分吸着性能は大幅に劣るものとなっていた。
【0009】
また、サイジング剤で被覆されない場合にも、サイジング剤塗布時にサイジング剤を何らかの溶媒で希釈して使用するため、吸湿性物質が溶媒に侵され吸着性能が低下していた。特に、溶媒が水系場合には、吸着性能の低下が顕著であった。
【0010】
更に、サイジング剤に溶媒を使用しない場合は、サイジング剤をガラス繊維に均一塗布できないため、ガラス繊維相互の結着を良好にすることが困難であった。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、初期及び経年時の断熱性能に優れ、かつ真空断熱材の生産性を向上することが可能な真空断熱材を提供することを目的とするものである。
【0012】
更に、本発明による真空断熱材を用いた機器として、熱漏洩の少ない断熱容器や断熱箱体、及び消費電力量の少ない電気給湯器や冷蔵庫等を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の真空断熱材は、芯材と、水分吸着性物質と、外被材とを有し、前記芯材は前記吸着性物質が無機繊維相互を結着してボード状に成形されているもので、水分吸着性物質が結合材として無機繊維と一体化しているため脱落することはなく、芯材自身が水分吸着性能を有することができる。
【0014】
よって、減圧封止直後の初期内部圧力を低減し、かつ経時的にも内部圧力を維持することが可能となり高品質な真空断熱材が得られる。
【0015】
また、芯材と水分吸着性物質が一体化しているため、水分吸着性物質の挿入工程が省略できると共に、水分吸着剤の位置決め、或いはその固定といった工数も省略できることから、生産性にも優れた真空断熱材となる。
【0016】
また、水分吸着性物質が少なくとも金属酸化物からなるものであるため、真空断熱材の芯材や外被材のアウトガスとして発生する水分、或いは真空断熱材の外部から透過侵入する水分は、水分吸着性物質として作用する金属酸化物と化学的に反応して除去される。よって、減圧封止時の内部圧力を低減すると共に、経時的にも内部圧力を維持することができ、高品質な真空断熱材が得られる。
【0017】
更には、金属酸化物の金属イオンが無機繊維の融点降下作用を有するため、金属酸化物と無機繊維との界面においては、物理的な結着である融着作用以外にも化学的な反応が一部進行し、結着力が増大することから無機繊維成形体の剛性増大に寄与する。
【0018】
また、無機繊維がホウ珪酸ガラスであるため、水分吸着性物質である金属酸化物との親和性が高く、無機繊維相互における結着力が一層増大し、無機繊維の集合体は剛性のある高品質なボード状成形体が得られる。
【0019】
更には、ホウ珪酸ガラスは、熱膨張率が小さいとともに耐熱耐酸性が良好であるため、無機繊維として微細繊維を適用した場合にも加熱成形時の繊維の劣化やボード状成形体のソリや割れといった問題が殆どない。
【0020】
また、芯材の表面層に存在する水分吸着性物質濃度を内側の層よりも大きくすることにより、濃度が小さい内側層部分は固体熱伝導を小さくすることができ、断熱性能が向上するとともに、濃度が小さい部分の排気抵抗が小さくなり、排気時の真空度を下がりやすくすることができ、真空断熱材の生産性を向上することができる。更には、表面の平面性が優れた芯材を得ることができ、外観的にも優れた真空断熱材を得ることができる。
【0021】
更に、本発明の真空断熱材をそれぞれの機器の形態に合わせて適用することにより、機器としても保温保冷時間の延長、保温保冷電力及び消費電力の低減、機器の表面温度の低下、並びに製品信頼性の向上を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の真空断熱材の実施の形態について説明する。
【0023】
本発明は、芯材と、水分吸着性物質と、外被材とを有し、前記芯材は前記水分吸着性物質が無機繊維相互を結着してボード状に成形されたものである。
【0024】
よって、芯材自身が水分吸着性能を有しており、減圧封止直後の初期内部圧力を低減し、かつ経時的にも内部圧力を維持することが可能となり高品質な真空断熱材が得られる。
【0025】
また、芯材と水分吸着剤が一体化しているため、水分吸着剤の挿入工程が省略できると共に、水分吸着剤の位置決め、或いはその固定といった工数も省略できることから、生産性にも優れた真空断熱材となる。
【0026】
前記真空断熱材の芯材に利用できる無機繊維としては、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、及び炭化ケイ素繊維等が利用できる。これらのうち望ましくは、生産性や取り扱い性を考慮すると、シート状、或いはマット状のグラスウールが良好である。特に望ましくは、ホウ珪酸ガラスからなるグラスウールマットが、水分吸着剤との親和性が良好なため無機繊維相互において高い結着力が得られると共に、芯材の生産性にも優れた高品質なボード状成形体が得られる。
【0027】
また、これら無機繊維の繊維径は、平均繊維径が0.1μm〜10μmのものが利用できる。特に望ましくは、無機繊維製造時のエネルギー効率の良好な遠心法により効率的に製造できる繊維径1μm〜7μmの無機繊維が良い。しかし、真空断熱材の経時断熱性能や生産安定性の観点からは、平均繊維径が0.1μm〜1μmのものがより望ましく、これらは必要に応じて選択して利用できる。
【0028】
水分吸着性物質としては、金属酸化物が利用できる。その中でも、水分吸着性能、無機繊維の結着力、及びその取り扱い性等に優れた酸化ホウ素がより望ましい。
【0029】
なお、無機繊維成形体は無機繊維の集合体を加熱圧縮成形によりボード状成形体とするが、この時、加熱圧縮前の無機繊維集合体の表面には、予め、加熱成形後に水分吸着性を発現する物質を結合材として塗布しておく。この結合材は、100℃〜500℃の加熱により水分吸着性を発現する材料が選択できる。その一例としては、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化リチウム等の金属水酸化物、酸化ホウ素、酸化バリウム、酸化カルシウム、及び酸化リチウム等の金属酸化物、ホウ酸、リン酸等の酸やそれらの塩等が、更には前記化合物を混合して利用できる。また、結合材は、無機繊維に塗布するため水溶性、或いは水分散性に優れた材料であることが望ましいが、前記物質の微細粉末を直接、無機繊維の集合体に噴霧分散させて利用することもできる。
【0030】
外被材は、ガスバリヤ性に優れたラミネートフィルムが利用できる。その構成の一例としては、最外層が衝撃からの保護や剛性を付与させる表面保護層、中間層がガスバリヤ性を有するガスバリヤ層、最内層にフィルムの熱融着によって密封(ヒートシール)する機能を有する熱融着層等の3層以上のフィルムからなるものが望ましい。
【0031】
前記表面保護層としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び延伸ポリプロピレンフィルム等が利用できる。
【0032】
前記ガスバリヤ層としては、アルミニウム、ステンレス、及び鉄等の金属箔が高ガスバリヤ性材料として利用できる。しかし、真空断熱材の適用方法や芯材の性能に応じて、金属、金属酸化物、及び硬質炭素を蒸着したプラスチックフィルム等を利用することもでき、これらは用途に応じて選択できる。
【0033】
熱融着層としては、高密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びこれらの混合物等が利用できるが、ヒートシール性、ガスバリヤ性、耐ケミカルアタック性、及びコストなどの観点からはポリエチレンフィルムが好ましい。また、真空断熱材の使用環境温度が60℃〜100℃の場合には、耐熱性に優れたポリプロピレンフィルムを利用するのがより望ましい。また、減圧封止工程における封止品質の安定性やシール強度を重視する場合には、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを利用するのがより望ましい。
【0034】
また、外被材の袋形状は、四方シール袋、三方シール袋、ガゼット袋、ピロー袋、リボンシール袋等があるが、特に指定するものではない。
【0035】
更に、真空断熱材の初期断熱性能、及び経時断熱性能をより一層向上させるためには、無機繊維を結着させる水分吸着性物質以外に、ガス吸着剤や水分吸着剤等のゲッター物質を使用することもできる。
【0036】
次に、本発明の真空断熱材を用いた機器の一例として真空断熱材を用いた冷蔵庫について説明する。
【0037】
真空断熱材を冷蔵庫に適用する一例としては、冷蔵庫の外箱と内箱とからなる空間の外箱側又は内箱側のいずれかに真空断熱材を貼付し、残りの空間に発泡断熱材を充填して使用することができる。また、真空断熱材と発泡断熱材とを一体発泡した断熱パネルを冷蔵庫の外箱と内箱の間の空間に配設しても良い。また、外箱と内箱とからなる空間に発泡断熱材を充填せずに真空断熱材を配設して使用することも可能である。
【0038】
更に、適用箇所としては、冷蔵庫の筐体の他に、ドア部、冷凍室と冷蔵室等の仕切り板部等にも使用できる。
【0039】
一方、真空断熱材は広範囲に使用するほど使用電力量が低減できるが、温度差の大きい機械室と内箱との間、或いは冷凍室周囲に使用する場合において特に断熱効率に優れ、より効率に真空断熱材を使用できる。
【0040】
空間に充填する発泡断熱材の一例としては、硬質ウレタンフォーム、フェノールフォーム、及びスチレンフォーム等を利用することができるが、特に指定するものではない。
【0041】
また、これら発泡断熱材の発泡剤としては、特に指定するものではないが、オゾン層保護、地球温暖化防止の観点から、シクロペンタン、イソペンタン、n−ペンタン、イソブタン、n−ブタン、水(炭酸ガス発泡)、アゾ化合物、及びアルゴン等が望ましく、特に、断熱性能や経済性の観点からシクロペンタンの利用が望ましい。
【0042】
また、冷却装置に利用する冷媒としては、フロン134a、イソブタン、n−ブタン、プロパン、アンモニア、二酸化炭素、及び水等が利用できるが、特に、経済性や地球温暖化防止の観点から、炭化水素系化合物のイソブタンの利用が望ましい。
【0043】
以下、本発明による真空断熱材の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0044】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による真空断熱材の断面図である。また、図2は本発明の実施の形態1による真空断熱材の芯材の要部拡大模式図である。
【0045】
図1において、真空断熱材1は芯材2を外被材3の中に密封して構成している。 図2において、無機繊維4の集合体における無機繊維の交点、或いは接近した無機繊維間において、水分吸着性物質5により結着してボード状の無機繊維成形体である芯材2を形成している。
【0046】
芯材2は、ホウ珪酸ガラスからなる繊維径0.1μm〜10μmの繊維が、予め、配向するように形成したグラスウールシートを厚み方向に対して垂直に所定目付量まで積層し、その積層体の表面にホウ酸水溶液を噴霧により塗布し、350℃20分で厚さ15mmに圧縮成形したものである。
【0047】
このようにして作製したボード状の成形体は、ガラス繊維とガラス繊維の交点、或いは接近したガラス繊維間において、ガラス繊維相互が酸化ホウ素で結着され一体化している。ただし、噴霧ではホウ酸水溶液が積層体の内部まで浸透していないこともあり、芯材2の中心層は酸化ホウ素が少なく、表面層に近いほど多量の酸化ホウ素が硬化しているのが確認でき、密度は、0.1g/cm3〜0.3g/cm3であった。なお、繊維径はSEM(走査電子顕微鏡)像をもとに算出した。
【0048】
真空断熱材1は、芯材2を幅300mm×長さ400mmの寸法に切り出して130℃で1時間乾燥後、袋状の外被材3に挿入し、外被材3の内部を10Pa以下まで減圧し、外被材3の開口部を熱融着により密封して作製した。
【0049】
次に、真空断熱材1の構成材料について説明する。
【0050】
外被材3は、最外層からポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、ナイロンフィルム(15μm)、ガスバリヤ層にアルミ箔(6μm)、及び熱融着層に直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)にて構成したラミネートフィルムを2枚重ね合わせた四方シール袋である。
【0051】
このようにして作製した真空断熱材の熱伝導率をAuto−λ(英弘精機(株)製)を用いて平均温度24℃で測定したところ、初期熱伝導率は0.0020W/mKで、40℃90%RH雰囲気下で30日間放置後の熱伝導率は0.0024W/mKであった(実施例1:平均繊維径4μm)。
【0052】
このように、40℃90%RH雰囲気下においても、経時的な熱伝導率の悪化がほとんどないことから、酸化ホウ素が水分を吸着し、真空断熱材の内圧を維持していることが判る。
【0053】
また、加圧成形により作製したボード状の無機繊維成形体は、ガラス繊維や水分吸湿性物質である酸化ホウ素が脱落することなく、しっかりした剛性を有するものであり芯材の割れ等も無く、効率的に真空断熱材を作製することができた。
【0054】
なお、実施例として無機繊維の種類、繊維径、及び水分吸着性物質等を変更した場合、更に、水分吸着性物質以外にゲッター剤を利用した場合を確認した。
【0055】
(実施例2)
実施の形態1において、平均繊維径を8μmとした。
【0056】
初期熱伝導率は0.0020W/mK、30日間放置後の熱伝導率は0.0028W/mKとなり、経時的な悪化はほとんどなかった。
【0057】
(実施例3)
実施の形態1において、平均繊維径を0.8μmとした。
【0058】
初期熱伝導率は0.0020W/mK、30日間放置後の熱伝導率は0.0020W/mKとなり、経時的な悪化は認められなかった。
【0059】
(実施例4)
実施の形態1において、ゲッター剤を追加した。
【0060】
初期熱伝導率は0.0020W/mK、30日間放置後の熱伝導率は0.0020W/mKとなり、経時的な悪化は認められなかった。
【0061】
(実施例5)
実施の形態1において、水分吸着性物質を酸化バリウムとした。
【0062】
初期熱伝導率は0.0020W/mK、30日間放置後の熱伝導率は0.0021W/mKとなり、経時的な悪化はほとんどなかった。
【0063】
(実施例6)
実施の形態1において、水分吸着性物質を酸化カルシウムとした。
【0064】
初期熱伝導率は0.0020W/mK、30日間放置後の熱伝導率は0.0022W/mKとなり、経時的な悪化はほとんどなかった。結着力が比較的弱いことから一部層割れが発生したが、問題となるほどではなかった。
【0065】
(実施例7)
実施の形態1において、無機繊維を珪酸塩ガラスとした。
【0066】
初期熱伝導率は0.0020W/mK、30日間放置後の熱伝導率は0.0024W/mKとなり、経時的な悪化はほとんどなかった。結着力が比較的弱いことから一部層割れが発生したが、問題となるほどではなかった。
【0067】
以上の結果を(表1)まとめて示す。これらの実施例からも判るように、高品質な芯材が成形できると共に、真空断熱材においても、初期、及び40℃90%RH雰囲気下の経時熱伝導率は良好であった。
【0068】
【表1】
【0069】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2による断熱箱体の正面断面図である。図4は、本発明の実施の形態2による断熱箱体を備えた冷蔵庫の側面断面図である。
【0070】
図3及び図4において、6は断熱箱体であり、断熱箱体6はドア7を含めて構成され、8は冷蔵庫本体で、断熱箱体6を含めて構成される。
【0071】
断熱箱体6は、合成樹脂からなる内箱9と金属からなる外箱10とから形成される空間11に硬質ウレタンフォーム12と真空断熱材13が複層構造で配設されている。断熱箱体6の製造にあたっては、真空断熱材13を予め外箱10、或いは内箱9に接着固定(図示せず)し、内箱9と外箱10とから形成される空間11に硬質ウレタンフォーム12の原料を注入して一体発泡を行う。
【0072】
真空断熱材13は、断熱箱体6の両側面、天面、背面、底面、及びドア面の各面に配置され、外箱10の表面積の60%を占めて配設されている。
【0073】
14は冷凍室、15は冷蔵室、16は野菜室であり、これら3室で冷却室を構成している。冷凍室14は概ね−15℃〜−25℃の冷凍領域に、冷蔵室15、野菜室16は概ね0℃〜10℃の冷蔵領域に温度設定されている。17は圧縮機、18は凝縮器、19は冷却器であり、これらにより冷却装置を構成している。
【0074】
冷蔵庫本体8は、断熱箱体6と、冷凍室14、冷蔵室15、野菜室16と、これら冷却室を冷却する圧縮機17、凝縮器18、冷却器19を備えた冷却装置により構成されている。
【0075】
このようにして製造した冷蔵庫は、本発明の真空断熱材が、初期及び経時共に優れた断熱性能を有するため、断熱箱体の断熱性能に起因する熱負荷が効率的に低減し、省エネルギーとコストパフォーマンスに優れた高品質で高耐久性を有する冷蔵庫を提供することができる。
【0076】
また、省エネルギーを追求しない場合には断熱壁の薄壁化が可能となるため、冷蔵庫の省スペース化、或いは冷蔵庫の庫内容積向上が達成できる。
【0077】
また、真空断熱材の芯材に適用した無機繊維成形体は不燃性であるため冷蔵庫安全性の面からも優れており、冷媒として炭化水素系化合物を適用した場合にも製品安全性が優れたものとなる。
【0078】
なお、本発明の真空断熱材を用いた機器としては、冷蔵庫に限らずクーラーボックスや冷温蔵庫等にも利用できる。
【0079】
更には、本発明の真空断熱材を用いた機器としては、電気給湯器や給湯器等の保温用断熱材としても利用できる
【0080】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、初期及び経年時の断熱性能に優れ、かつ真空断熱材の生産性を向上することが可能な真空断熱材を提供することができる。
【0081】
更に、本発明による真空断熱材を用いた機器として、熱漏洩の少ない断熱容器や断熱箱体、及び消費電力量の少ない冷蔵庫や電気給湯器等を提供することができ、同様に断熱を必要とする自動販売機や車両、住宅機器等の断熱パネルなどにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による真空断熱材の断面図
【図2】本発明の実施の形態1による真空断熱材の芯材の要部拡大模式図
【図3】本発明の実施の形態2による断熱箱体の正面断面図
【図4】本発明の実施の形態2による断熱箱体を備えた冷蔵庫の側面断面図
【符号の説明】
1 真空断熱材
2 芯材
3 外被材
4 無機繊維
5 水分吸湿性物質
6 断熱箱体
8 冷蔵庫本体
9 内箱
10 外箱
11 空間
13 真空断熱材
Claims (5)
- 芯材と、水分吸着性物質と、外被材とを有し、前記芯材は前記水分吸着性物質が無機繊維相互を結着してボード状に成形されている真空断熱材。
- 水分吸着性物質が少なくとも金属酸化物からなる請求項1記載の真空断熱材。
- 無機繊維がホウ珪酸ガラスである請求項1又は請求項2記載の真空断熱材。
- 芯材の表面層に存在する水分吸着性物質の濃度が、内側層よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項記載の真空断熱材。
- 外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱によって形成される空間に配設された真空断熱材とを備え、前記真空断熱材が請求項1から請求項4のうちいずれか一項記載のものであることを特徴とする真空断熱材を用いた機器。
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