JPH11130888A - 真空断熱体、断熱箱体、断熱パネル、及び真空断熱体の製造方法 - Google Patents

真空断熱体、断熱箱体、断熱パネル、及び真空断熱体の製造方法

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JPH11130888A
JPH11130888A JP9300161A JP30016197A JPH11130888A JP H11130888 A JPH11130888 A JP H11130888A JP 9300161 A JP9300161 A JP 9300161A JP 30016197 A JP30016197 A JP 30016197A JP H11130888 A JPH11130888 A JP H11130888A
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JP
Japan
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adsorbent
crystal lattice
vacuum heat
vacuum
heat insulator
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JP9300161A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Takushima
司 宅島
Yasuaki Tanimoto
康明 谷本
Tomonao Amayoshi
智尚 天良
Noriyuki Miyaji
法幸 宮地
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時劣化の無い真空断熱体を得ようとする場
合、吸着剤の適用が必要となるが、炭酸ガス吸着剤とし
て、金属水酸化物を適用すると、炭酸ガスとの反応時に
水が生成されるため、新たな水分吸着剤の添加が必要と
なり効率が悪い。炭酸ガス吸着容量が十分でなく、吸着
剤の添加量が増大するため、吸着剤自身が有する固体熱
伝導率の悪化、及び吸着剤原料コストの増大といった問
題があった。 【解決手段】 本発明は、ドーソナイト及びハイドロタ
ルサイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオン、及び結晶水の一部又は、
全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じ
させた化合物からなる吸着剤を真空断熱体に適用するこ
とにより、真空断熱体の内部圧力上昇を抑制し、経時的
な断熱性能の劣化のない真空断熱体を得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫又は建築物
の断熱材として使用可能な真空断熱体及び断熱箱体及び
断熱パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の観点から、冷蔵庫
用断熱材の発泡剤として長年使用されてきたCFC11
が全廃となり、その代替物質としては、HCFC141
b、非フロン系では、シクロペンタンなどが候補として
選ばれ、現在、実用化に至っている。
【0003】しかしながら、これらの新規発泡剤は、い
ずれも、CFC11より気体熱伝導率が大きく、冷蔵庫
の断熱性能低下は避けられない状況下にある。一方、将
来のエネルギー規制に対し、冷蔵庫の省エネルギー化は
避けられない問題であり、断熱性能向上は達成すべき大
きな課題である。
【0004】このような課題を解決する手段として、ガ
スバリア性のフイルム状プラスチック容器に連続気泡構
造の硬質ウレタンフォームなどの有機材料をコア材とし
て、内部を0.1〜1mmHgまで減圧後密閉すること
により、高断熱性の真空断熱材を得る試みがある。
【0005】しかし、このような真空断熱材において、
コア材である連続気泡を有する硬質ウレタンフォーム
は、製造過程において、原料であるイソシアネートと水
分の反応により生成する炭酸ガスがウレタン樹脂中に存
在するため、減圧後も経時的に断熱体の内部に拡散し内
部圧力の上昇による断熱性能の劣化が起こる。また、ウ
レタン樹脂中に残存する水分も同様に断熱体の内部に拡
散し内部圧力の上昇による断熱性能の劣化が起こる。よ
って、これら発生ガスを取り除くための吸着剤の添加が
必要不可欠となっていた。
【0006】この課題を解決するため、特開昭63−1
72878号公報で、連続気泡を有する硬質ウレタンフ
ォームをコア材とし、各種吸着剤を含む真空断熱体が提
案されている。ここで適用している吸着剤は、有機ガス
吸着物質として活性炭、炭酸ガス吸着剤として金属水酸
化物、水分吸着剤として、金属塩化物などからなってい
る。
【0007】また、特開平6−11247号公報では、
連続気泡からなる硬質ウレタンフォームやパーライト粉
末などの無機多孔質体からなる芯材と吸着剤として炭酸
イオンを分子構造中に有するアルミナ化合物を含む真空
断熱体が提案されている。これは、炭酸ガス吸着時に新
たなガス発生が無く、断熱性能の劣化のない真空断熱体
を提供するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術では、次のような問題がある。
【0009】特開昭63−172878号公報の公知技
術では、炭酸ガス吸着剤として金属水酸化物を適用する
と、炭酸ガスとの反応時、水が生成される。その結果、
新たに水分吸着剤の添加が必要となり、効率の点で大き
な問題がある。
【0010】また、合成ゼオライトは、代表的な炭酸ガ
ス,水の吸着剤として知られているが、水分との吸着性
が高いため、水分との吸着が優先的に行われ、炭酸ガス
と水の共存ガス系では炭酸ガス吸着が効果的に行われな
いという問題があった。
【0011】特開平6−11247号公報の公知技術で
は、吸着剤として、炭酸イオンを分子構造中に有するア
ルミナ化合物を適用すると、吸着時、新たなガス発生が
無く、炭酸ガスを効率良く除去できると述べている。
【0012】しかし、冷蔵庫及び建材などの廃棄によっ
て不要になった硬質ウレタンフォームなどを含むウレタ
ン粉末を真空断熱体に適用した場合、従来の経時発生ガ
ス量の多い連続気泡構造の硬質ウレタンフォームと比較
して、更にコア材の比表面積が増大するため、表面エネ
ルギーが増大し、大気中の水分を容易に取り込み真空排
気時に除去することが困難になるため、外被材中に真空
減圧包装を行った後も、ウレタン粉末からの経時的な水
分の発生により、真空度が大きく悪化する。また、この
水分とウレタン粉末中に残存するイソシアネートとの反
応により、経時的に炭酸ガスが発生する。
【0013】このウレタン粉末特有の問題点を解決する
ため、特開平6−11247号公報の公知技術の炭酸イ
オンを分子構造中に有するアルミナ化合物を適用した場
合、吸着容量が十分でなく、吸着剤の添加量を増大する
必要が生じた。よって、吸着剤自身が有する固体熱伝導
率に起因した断熱性能の悪化、及び吸着剤原料コストの
増大といった問題があった。
【0014】本発明は、上記課題を解決するため、炭酸
ガス及び水分の吸着能力を向上させた吸着剤、前記吸着
剤を適用した真空断熱体、前記真空断熱体を適用した断
熱箱体及び断熱パネル、真空断熱体の製造方法を提供す
るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の真空断熱体は、
ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なく
ともドーソナイトを予め250℃以上の温度で加熱する
ことにより、結晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全て
が結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせ
た化合物と、ガスバリア性の外被材とから構成される真
空断熱体である。
【0016】これは、従来技術における炭酸イオンを分
子構造中に有するアルミナ化合物のように、炭酸イオン
と炭酸ガスとの親和性により炭酸ガスを吸着するメカニ
ズムに加え、ドーソナイトを250℃以上まで加熱し、
結晶格子中に炭酸イオンの空孔を形成させることによ
り、反応活性が大きくなり、炭酸ガスの吸着容量が増加
した本発明の化合物を真空断熱体に適用することによっ
て、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガスを迅速に
除去でき、真空断熱体の内部圧力増加に伴う断熱性能の
劣化を抑制する断熱体を得ることができるものである。
【0017】この時、吸着容量が増大することから、吸
着剤の添加量を低減させることができ、吸着剤自身の有
する熱伝導率の低減、及び吸着剤原料コストの低減を実
現できる。
【0018】また、適用する真空断熱体の芯材がウレタ
ン粉末であり、冷蔵庫の硬質ウレタンフォームや住宅断
熱壁に使用されている硬質ウレタンフォームの廃材を利
用することが可能となることから、真空断熱体の課題で
あるコストが低減できる。
【0019】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハイドロタル
サイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又は、全
てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさ
せた化合物と、ガスバリア性の外被材とから構成される
真空断熱体である。
【0020】これは、従来技術における炭酸イオンを分
子構造中に有するアルミナ化合物のように、炭酸イオン
と炭酸ガスとの親和性により炭酸ガスを吸着するメカニ
ズムに加え、ハイドロタルサイトを250℃以上まで加
熱し、結晶格子中に炭酸イオン及び結晶水の空孔を形成
させることにより、反応活性が大きくなり、炭酸ガス及
び水の吸着容量が増加した本発明の化合物を真空断熱体
に適用することによって、真空断熱体内部の発生ガスで
ある炭酸ガスを迅速に除去できると共に、ウレタン粉末
からの経時的な水分の発生も除去できるため、真空断熱
体の内部圧力増加に伴う断熱性能の劣化を抑制する断熱
体を得ることができるものである。
【0021】この時、吸着容量が増大することから、吸
着剤の添加量を低減させることができ、吸着剤自身の有
する熱伝導率の低減、及び吸着剤原料コストの低減を実
現できる。
【0022】また、適用する真空断熱体の芯材がウレタ
ン粉末であり、冷蔵庫の硬質ウレタンフォームや住宅断
熱壁に使用されている硬質ウレタンフォームの廃材を利
用することが可能となることから、真空断熱体の課題で
あるコストが低減できる。
【0023】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材とガス吸着剤として少なくともドーソナイトを
予め250℃以上の温度で加熱することにより、結晶格
子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶格子外部へ転
移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物を芯材重量
の0.1〜10wt%含む吸着剤とガスバリア性の外被
材とから構成される真空断熱体である。
【0024】芯材重量の0.1wt%以下の吸着剤量で
は、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガスを除去す
ることができない。また、10wt%以上の吸着剤量で
は、吸着剤自身が持つ表面付着水や、吸着剤自身が有す
る固体熱伝導率の影響が大きくなり、真空断熱体の熱伝
導率は悪化する。
【0025】よって、吸着剤の充填量を芯材重量の0.
1〜10wt%にすることにより、請求項1記載の真空
断熱体の断熱性能を最も引き出す効果を有する。
【0026】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハイドロタル
サイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又は、全
てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさ
せた化合物を芯材重量の0.1〜10wt%含む吸着剤
と、ガスバリア性の外被材とから構成される真空断熱体
である。
【0027】芯材重量の0.1wt%以下の吸着剤量で
は、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガス及び水を
除去することができない。また、10wt%以上の吸着
剤量では、吸着剤自身が持つ表面付着水や、吸着剤自身
が有する固体熱伝導率の影響が大きくなり、真空断熱体
の熱伝導率は悪化する。
【0028】よって、吸着剤の充填量を芯材重量の0.
1〜10wt%にすることにより、請求項2記載の真空
断熱体の断熱性能を最も引き出す効果を有する。
【0029】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材と、ガス吸着剤として少なくともドーソナイト
を予め250℃以上の温度で加熱することにより、結晶
格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶格子外部へ
転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物とガスバ
リア性の外被材から構成される真空断熱体において、ウ
レタン粉末と前記吸着剤を混合分散させた芯材であるこ
とを特徴とする真空断熱体である。
【0030】これは、吸着剤粒子とウレタン粉末中に存
在する炭酸ガスとの接触距離、つまり、吸着に要する移
動距離が小さくなることから、炭酸ガスの物質移動が効
果的に行われるものである。
【0031】よって、吸着剤の添加量を低減できること
から、吸着剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤
原料コストの低減を実現できる。
【0032】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハイドロタル
サイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又は、全
てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさ
せた化合物と、ガスバリア性の外被材とから構成される
真空断熱体において、ウレタン粉末と前記吸着剤を混合
分散させた芯材であることを特徴とする真空断熱体であ
る。
【0033】これは、吸着剤粒子とウレタン粉末中に存
在する炭酸ガス及び結晶水との接触距離、つまり、吸着
に要する移動距離が小さくなることから、炭酸ガス及び
水の物質移動が効果的に行われるものである。
【0034】よって、吸着剤の添加量を低減できること
から、吸着剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤
原料コストの低減を実現できる。
【0035】本発明の真空断熱体の製造方法は、ウレタ
ン粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともド
ーソナイトを予め250℃以上の温度で加熱することに
より、結晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶
格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合
物とガスバリア性の外被材から構成される真空断熱体に
おいて、ウレタン粉末と前記吸着剤を混合分散させた芯
材を120℃から250℃の温度で加熱脱水を行うこと
を特徴とする真空断熱体の製造方法である。
【0036】これにより、吸着剤の前処理とウレタン粉
末の前処理を別々に行っていた工程を、同時に行うこと
で、製造時の作業効率の向上するものである。
【0037】これは、ドーソナイトを予め250℃以上
の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イオン
の一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中
に空孔を生じさせた化合物からなる吸着剤を使用する
際、表面付着水を取り除く必要が生じる。この表面付着
水の除去は、120℃から250℃程度で十分に可能で
あることから、ゼオライトなどのように300℃以上の
加熱乾燥工程が必要でない。よって、コア材であるウレ
タン粉末と吸着剤を同時に加熱乾燥することが可能とな
り、結局、製造時の作業効率が大幅に向上するものであ
る。
【0038】本発明の真空断熱体の製造方法は、ウレタ
ン粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハ
イドロタルサイトを予め250℃以上の温度で加熱する
ことにより、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部
又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔
を生じさせた化合物とガスバリア性の外被材から構成さ
れる真空断熱体において、ウレタン粉末と前記吸着剤を
混合分散させた芯材を120℃から250℃の温度で加
熱脱水を行うことを特徴とする真空断熱体の製造方法で
ある。
【0039】これにより、吸着剤の前処理とウレタン粉
末の前処理を別々に行っていた工程を、同時に行うこと
で、製造時の作業効率の向上するものである。
【0040】これは、ハイドロタルサイトを予め250
℃以上の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸
イオンの一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶
格子中に空孔を生じさせた化合物からなる吸着剤を使用
する際、表面付着水を取り除く必要が生じる。この表面
付着水の除去は、120℃から250℃程度で十分に可
能であることから、ゼオライトなどのように300℃以
上の加熱乾燥工程が必要でない。よって、コア材である
ウレタン粉末と吸着剤を同時に加熱乾燥することが可能
となり、結局、製造時の作業効率が大幅に向上するもの
である。
【0041】本発明の断熱箱体は、発泡合成樹脂と内箱
と外箱と真空断熱体とによって構成された断熱箱体にお
いて、前記真空断熱体が請求項3の真空断熱体であるこ
とを特徴とする断熱箱体である。
【0042】これにより、真空断熱体の製造後、イソシ
アネートとウレタン粉末の表面付着水分との反応から経
時的に発生する炭酸ガスによる真空度の悪化がなく、断
熱性能の劣化を抑制することができる。よって、断熱箱
体に適用した場合、長期に亘って使用しても、断熱性能
を維持することができる。この結果、これを冷蔵庫に適
用した場合も良好な断熱性能を得る事ができる。
【0043】本発明の断熱箱体は、発泡合成樹脂と内箱
と外箱と真空断熱体とによって構成された断熱箱体にお
いて、前記真空断熱体が請求項4の真空断熱体であるこ
とを特徴とする断熱箱体である。
【0044】これにより、真空断熱体の製造後、イソシ
アネートとウレタン粉末の表面付着水分との反応から経
時的に発生する炭酸ガス及び、ウレタン粉末の表面付着
水分、吸蔵水の離脱による真空度の悪化がなく、断熱性
能の劣化を抑制することができる。よって、断熱箱体に
適用した場合、長期に亘って使用しても、断熱性能を維
持することができる。この結果、これを冷蔵庫に適用し
た場合も良好な断熱性能を得る事ができる。
【0045】本発明の断熱パネルは、発泡合成樹脂と面
材と真空断熱体を備え、前記真空断熱体が複数個あり、
かつ、それぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂によって覆
われている断熱材パネルにおいて、前記真空断熱体が請
求項3記載の真空断熱体であることを特徴とする断熱パ
ネルである。
【0046】これにより、真空断熱体の断熱性能が非常
に優れているため、硬質ウレタンフォームなどの発泡合
成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬
質ウレタンフォームなどを単独で使用した場合よりも優
れたものとなる。
【0047】また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われ
ているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることが無
く、破袋などによって真空断熱体の断熱性能が著しく悪
化するといった問題がない。
【0048】さらに、現場施工によって断熱パネルを切
断する場合なども、複数個の真空断熱体を有するため、
破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪
化することがない。
【0049】本発明の断熱パネルは、発泡合成樹脂と面
材と真空断熱体を備え、前記真空断熱体が複数個あり、
かつ、それぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂によって覆
われている断熱材パネルにおいて、前記真空断熱体が請
求項4記載の真空断熱体であることを特徴とする断熱パ
ネルである。
【0050】これにより、真空断熱体の断熱性能が非常
に優れているため、硬質ウレタンフォームなどの発泡合
成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬
質ウレタンフォームなどを単独で使用した場合よりも優
れたものとなる。
【0051】また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われ
ているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることが無
く、破袋などによって真空断熱体の断熱性能が著しく悪
化するといった問題がない。
【0052】さらに、現場施工によって断熱パネルを切
断する場合なども、複数個の真空断熱体を有するため、
破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪
化することがない。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なく
ともドーソナイトを予め250℃以上の温度で加熱する
ことにより、結晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全て
が結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせ
た化合物とガスバリア性の外被材から構成される真空断
熱体である。
【0054】これは、従来技術における炭酸イオンを分
子構造中に有するアルミナ化合物のように、炭酸イオン
と炭酸ガスとの親和性により炭酸ガスを吸着するメカニ
ズムに加え、ドーソナイトを250℃以上まで加熱し、
結晶格子中に炭酸イオンの空孔を形成させることによ
り、反応活性が大きくなり、炭酸ガスの吸着容量が増加
した本発明の化合物を真空断熱体に適用することによっ
て、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガスを迅速に
除去でき、真空断熱体の内部圧力増加に伴う断熱性能の
劣化を抑制する断熱体を得ることができるものである。
【0055】この時、吸着容量が増大することから、吸
着剤の添加量を低減させることができ、吸着剤自身の有
する熱伝導率の低減、吸着剤原料コストの低減を実現で
きる。
【0056】また、適用する真空断熱体の芯材がウレタ
ン粉末であり、冷蔵庫の硬質ウレタンフォームや住宅断
熱壁に使用されている硬質ウレタンフォームの廃材を利
用することが可能となることから、真空断熱体の課題で
あるコストが低減できる。
【0057】本発明の請求項2記載の発明は、ウレタン
粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハイ
ドロタルサイトを予め250℃以上の温度で加熱するこ
とにより、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又
は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を
生じさせた化合物とガスバリア性の外被材から構成され
る真空断熱体である。
【0058】これは、従来技術における炭酸イオンを分
子構造中に有するアルミナ化合物のように、炭酸イオン
と炭酸ガスとの親和性により炭酸ガスを吸着するメカニ
ズムに加え、ハイドロタルサイトを250℃以上まで加
熱し、結晶格子中に炭酸イオン及び結晶水の空孔を形成
させることにより、反応活性が大きくなり、炭酸ガス及
び水の吸着容量が増加した本発明の化合物を真空断熱体
に適用することによって、真空断熱体内部の発生ガスで
ある炭酸ガスを迅速に除去できると共に、ウレタン粉末
からの経時的な水分の発生も除去できるため、真空断熱
体の内部圧力増加に伴う断熱性能の劣化を抑制する断熱
体を得ることができるものである。
【0059】この時、吸着容量が増大することから、吸
着剤の添加量を低減させることができ、吸着剤自身の有
する熱伝導率の低減、吸着剤原料コストの低減を実現で
きる。
【0060】また、適用する真空断熱体の芯材がウレタ
ン粉末であり、冷蔵庫の硬質ウレタンフォームや住宅断
熱壁に使用されている硬質ウレタンフォームの廃材を利
用することが可能となることから、真空断熱体の課題で
あるコストが低減できる。
【0061】本発明の請求項3記載の発明は、ウレタン
粉末からなる芯材とガス吸着剤として少なくともドーソ
ナイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶格
子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物
を芯材重量の0.1〜10wt%含む吸着剤とガスバリ
ア性の外被材から構成される真空断熱体である。
【0062】芯材重量の0.1wt%以下の吸着剤量で
は、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガスを除去す
ることができない。また、10wt%以上の吸着剤量で
は、吸着剤自身が持つ表面付着水や、吸着剤自身が有す
る固体熱伝導率の影響が大きくなり、真空断熱体の熱伝
導率は悪化する。
【0063】よって、吸着剤の充填量を芯材重量の0.
1〜10wt%にすることにより、請求項1記載の真空
断熱体の断熱性能が良好なものとなる。
【0064】本発明の請求項4記載の発明は、ウレタン
粉末からなる芯材とガス吸着剤として少なくともハイド
ロタルサイトを予め250℃以上の温度で加熱すること
により、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又
は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を
生じさせた化合物を芯材重量の0.1〜10wt%含む
吸着剤とガスバリア性の外被材から構成される真空断熱
体である。
【0065】芯材重量の0.1wt%以下の吸着剤量で
は、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガス及び水を
除去することができない。また、10wt%以上の吸着
剤量では、吸着剤自身が持つ表面付着水や、吸着剤自身
が有する固体熱伝導率の影響が大きくなり、真空断熱体
の熱伝導率は悪化する。
【0066】よって、吸着剤の充填量を芯材重量の0.
1〜10wt%にすることにより、請求項2記載の真空
断熱体の断熱性能が良好なものとなる。
【0067】本発明の請求項5記載の発明は、ウレタン
粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともドー
ソナイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶格
子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物
とガスバリア性の外被材から構成される真空断熱体にお
いて、ウレタン粉末と前記吸着剤を混合分散させた芯材
であることを特徴とする真空断熱体である。
【0068】これは、吸着剤粒子とウレタン粉末中に存
在する炭酸ガスとの接触距離、つまり、吸着に要する移
動距離が小さくなることから、炭酸ガスの物質移動が効
果的に行われるものである。
【0069】よって、吸着剤の添加量を低減できること
から、吸着剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤
原料コストの低減を実現できる。
【0070】本発明の請求項6記載の発明は、ウレタン
粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハイ
ドロタルサイトを予め250℃以上の温度で加熱するこ
とにより、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又
は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を
生じさせた化合物とガスバリア性の外被材から構成され
る真空断熱体において、ウレタン粉末と前記吸着剤を混
合分散させた芯材であることを特徴とする真空断熱体で
ある。
【0071】これは、吸着剤粒子とウレタン粉末中に存
在する炭酸ガス及び結晶水との接触距離、つまり、吸着
に要する移動距離が小さくなることから、炭酸ガス及び
水の物質移動が効果的に行われるものである。
【0072】よって、吸着剤の添加量を低減できること
から、吸着剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤
原料コストの低減を実現できる。
【0073】本発明の請求項7記載の発明は、ウレタン
粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともドー
ソナイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶格
子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物
とガスバリア性の外被材から構成される真空断熱体にお
いて、ウレタン粉末と前記吸着剤を混合分散させた芯材
を120℃から250℃の温度で加熱脱水を行うことを
特徴とする真空断熱体の製造方法である。
【0074】これにより、吸着剤の前処理とウレタン粉
末の前処理を別々に行っていた工程を、同時に行うこと
で、製造時の作業効率の向上するものである。
【0075】これは、ドーソナイトを予め250℃以上
の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イオン
の一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中
に空孔を生じさせた化合物からなる吸着剤を使用する
際、表面付着水を取り除く必要が生じる。この表面付着
水の除去は、120℃から250℃程度で十分に可能で
あることから、ゼオライトなどのように300℃以上の
加熱乾燥工程が必要でない。よって、コア材であるウレ
タン粉末と吸着剤を同時に加熱乾燥することが可能とな
り、結局、製造時の作業効率が大幅に向上するものであ
る。
【0076】本発明の請求項8記載の発明は、ウレタン
粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハイ
ドロタルサイトを予め250℃以上の温度で加熱するこ
とにより、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又
は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を
生じさせた化合物とガスバリア性の外被材から構成され
る真空断熱体において、ウレタン粉末と前記吸着剤を混
合分散させた芯材を120℃から250℃の温度で加熱
脱水を行うことを特徴とする真空断熱体の製造方法であ
る。
【0077】これにより、吸着剤の前処理とウレタン粉
末の前処理を別々に行っていた工程を、同時に行うこと
で、製造時の作業効率の向上するものである。
【0078】これは、ハイドロタルサイトを予め250
℃以上の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸
イオンの一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶
格子中に空孔を生じさせた化合物からなる吸着剤を使用
する際、表面付着水を取り除く必要が生じる。この表面
付着水の除去は、120℃から250℃程度で十分に可
能であることから、ゼオライトなどのように300℃以
上の加熱乾燥工程が必要でない。よって、コア材である
ウレタン粉末と吸着剤を同時に加熱乾燥することが可能
となり、結局、製造時の作業効率が大幅に向上するもの
である。
【0079】本発明の請求項9記載の発明は、発泡合成
樹脂と内箱と外箱と真空断熱体とによって構成された断
熱箱体において、前記真空断熱体が請求項3の真空断熱
体であることを特徴とする断熱箱体である。
【0080】これにより、真空断熱体の製造後、イソシ
アネートとウレタン粉末の表面付着水分との反応から経
時的に発生する炭酸ガスによる真空度の悪化がなく、断
熱性能の劣化を抑制することができる。よって、断熱箱
体に適用した場合、長期に亘って使用しても、断熱性能
を維持することができる。この結果、これを冷蔵庫に適
用した場合も良好な断熱性能を得る事ができる。
【0081】本発明の請求項10記載の発明は、発泡合
成樹脂と内箱と外箱と真空断熱体とによって構成された
断熱箱体において、前記真空断熱体が請求項4の真空断
熱体であることを特徴とする断熱箱体である。
【0082】これにより、真空断熱体の製造後、イソシ
アネートとウレタン粉末の表面付着水分との反応から経
時的に発生する炭酸ガス及び、ウレタン粉末の表面付着
水分、吸蔵水の離脱による真空度の悪化がなく、断熱性
能の劣化を抑制することができる。よって、断熱箱体に
適用した場合、長期に亘って使用しても、断熱性能を維
持することができる。この結果、これを冷蔵庫に適用し
た場合も良好な断熱性能を得る事ができる。
【0083】本発明の請求項11記載の発明は、発泡合
成樹脂と面材と真空断熱体を備え、前記真空断熱体が複
数個あり、かつ、それぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂
によって覆われている断熱材パネルにおいて、前記真空
断熱体が請求項3記載の真空断熱体であることを特徴と
する断熱パネルである。
【0084】これにより、真空断熱体の断熱性能が非常
に優れているため、硬質ウレタンフォームなどの発泡合
成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬
質ウレタンフォームなどを単独で使用した場合よりも優
れたものとなる。
【0085】また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われ
ているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることが無
く、破袋などによって真空断熱体の断熱性能が著しく悪
化するといった問題がない。
【0086】さらに、現場施工によって断熱パネルを切
断する場合なども、複数個の真空断熱体を有するため、
破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪
化することがない。
【0087】本発明の請求項12記載の発明は、発泡合
成樹脂と面材と真空断熱体を備え、前記真空断熱体が複
数個あり、かつ、それぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂
によって覆われている断熱材パネルにおいて、前記真空
断熱体が請求項4記載の真空断熱体であることを特徴と
する断熱パネルである。
【0088】これにより、真空断熱体の断熱性能が非常
に優れているため、硬質ウレタンフォームなどの発泡合
成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬
質ウレタンフォームなどを単独で使用した場合よりも優
れたものとなる。
【0089】また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われ
ているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることが無
く、破袋などによって真空断熱体の断熱性能が著しく悪
化するといった問題がない。
【0090】さらに、現場施工によって断熱パネルを切
断する場合なども、複数個の真空断熱体を有するため、
破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪
化することがない。
【0091】
【実施例】以下、実施例によって、この発明を図面など
を参照しながら詳細に説明する。
【0092】(実施例1)図1は本発明の一実施例にお
ける真空断熱体の断面図であり、1は真空断熱体、2は
硬質ウレタンフォーム粉末からなる芯材、3は吸着剤、
4は金属箔または金属蒸着層を有するプラスチックラミ
ネートフィルムからなる外被材である。
【0093】芯材2は、硬質ウレタンフォーム粉末であ
り、ポリイソシアネートとポリオールに添加剤を充填し
て発泡したものであり、現在工業的に広範囲で使用され
ている硬質ウレタンフォームを粉砕したものである。添
加剤は、発泡剤,整泡剤,アミン系触媒等、発泡の反応
性の調整やフォーム強度を確保するためのものである。
【0094】また、粉末は、断熱性を考慮して、粒径が
300μm以下となるように微粉砕を行ったものを使用
し、予め不織布からなる袋に充填されている。
【0095】また、吸着剤3は、一般に、結晶性の鉱物
で堆積性炭酸塩岩に分類され、一般式
【0096】
【化1】
【0097】で表されるドーソナイト200gをステン
レス製容器に充填し、電気乾燥炉中で400℃、3時間
温風加熱を行った後、五酸化燐20gを置いたデシケー
ター中にこのステンレス製の容器を移し、0.01mm
Hgまで真空引きを行い、室温まで放置することによっ
て得る事ができる。
【0098】ここで、加熱温度については、400℃以
上であることが望ましいが、250℃であれば、上記で
得られる化合物に比べて、約90%以上の炭酸ガス吸着
効果が維持できる。
【0099】この吸着剤3も、予め不織布からなる袋に
充填されている。このような構成を有する真空断熱体
は、コア材であるウレタンフォーム粉末から発生する炭
酸ガスを吸着剤3が効率的に除去する。これは、ドーソ
ナイト結晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶
格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせること
で、反応活性が大きくなり、炭酸ガスの吸着容量が増大
したためである。よって、吸着剤量も大幅に低減するこ
とができる。
【0100】また、吸着剤3は、一部脱水反応を起こし
ており、水分吸着能力を有するが、望ましくは、塩化カ
ルシウム,活性アルミナ,ゼオライト,酸化カルシウ
ム,酸化バリウム,酸化リチウム,酸化マグネシウム,
硫酸カルシウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウム,
炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化亜鉛など汎用水分
吸着剤をブレンドして用いると、断熱性能の優れた真空
断熱材が得られる。この時、経時1ヶ月後の熱伝導率の
劣化が無く、断熱性能が良好な真空断熱体が得られる。
【0101】(実施例2)実施例1におけるドーソナイ
トの代わりに、結晶性の鉱物で結晶水を含む
【0102】
【化2】
【0103】で表されるハイドロタルサイトを用いる以
外は、全く実施例1と同様にして請求項2の化合物を得
た。
【0104】また、ハイドロタルサイトの代わりに同構
造の鉱物である
【0105】
【化3】
【0106】で表されるショグレナイト属鉱物を用いて
も同様の方法で得られる。このような構成を有する真空
断熱体は、コア材であるウレタンフォーム粉末から発生
する炭酸ガス及び水を吸着剤3が効率的に除去する。こ
れは、ハイドロタルサイト結晶格子中の炭酸イオン及び
結晶水の一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶
格子中に空孔を生じさせることで、反応活性が大きくな
り、炭酸ガス及び水の吸着容量が増大したためである。
よって、吸着剤量も大幅に低減することができる。
【0107】ここで、吸着剤3は水分吸着剤としての性
能が請求項1記載の吸着剤よりも優れているため、新た
に水分吸着剤をブレンドする必要はないが、塩化カルシ
ウム,活性アルミナ,ゼオライト,酸化カルシウム,酸
化バリウム,酸化リチウム,酸化マグネシウム,硫酸カ
ルシウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウム,炭酸ナ
トリウム,炭酸カリウム,塩化亜鉛など汎用水分吸着剤
をブレンドして用いても問題ない。また、この時、経時
1ヶ月後の熱伝導率の劣化は全く無く、断熱性能が良好
な真空断熱体が得られる。
【0108】(実施例3)吸着剤の充填量が、硬質ウレ
タンフォームからなる芯材2重量の1.5wt%とする
こと以外は、全く実施例3と同様にして請求項5記載の
真空断熱体を得た。
【0109】芯材重量の0.1wt%以下の吸着剤量で
は、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガスの30%
以下しか除去することができない。それに伴い、熱伝導
率の経時劣化も20%以上進行する。また、10wt%
以上の吸着剤量では、吸着剤自身が持つ表面付着水や、
吸着剤自身が有する固体熱伝導率の影響が大きくなり、
真空断熱体の熱伝導率が上記添加量の場合と比較し、1
0%以上の悪化を引き起こす。
【0110】よって、より望ましくは、吸着剤の充填量
を芯材重量の1.5wt%にすることにより、請求項3
記載の真空断熱体は、最も断熱性能が優れたものとな
る。
【0111】また、吸着剤3は、一部脱水反応を起こし
ており、水分吸着能力を有するが、望ましくは、塩化カ
ルシウム,活性アルミナ,ゼオライト,酸化カルシウ
ム,酸化バリウム,酸化リチウム,酸化マグネシウム,
硫酸カルシウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウム,
炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化亜鉛など汎用水分
吸着剤をブレンドして用いると、断熱性能の優れた真空
断熱材が得られる。この時、経時1ヶ月後の熱伝導率の
劣化が無く、断熱性能が良好な真空断熱体が得られる。
【0112】(実施例4)実施例3における吸着剤3が
実施例1記載の化合物の代わりに実施例2記載の化合物
を用いる以外は、全く実施例3と同様にして、請求項4
記載の真空断熱体を得ることができた。
【0113】芯材重量の0.1wt%以下の吸着剤量で
は、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガスの30%
以下しか除去することができない。それに伴い、熱伝導
率の経時劣化も20%以上進行する。また、10wt%
以上の吸着剤量では、吸着剤自身が持つ表面付着水や、
吸着剤自身が有する固体熱伝導率の影響が大きくなり、
真空断熱体の熱伝導率が上記添加量の場合と比較し、1
0%以上の悪化を引き起こす。
【0114】よって、望ましくは、吸着剤の充填量を芯
材重量の1.5wt%にすることにより、請求項4記載
の真空断熱体は、最も断熱性能が優れたものとなる。
【0115】また、ここで、吸着剤3は水分吸着剤とし
ての性能が請求項1記載の吸着剤よりも優れているた
め、新たに水分吸着剤をブレンドする必要はないが、塩
化カルシウム,活性アルミナ,ゼオライト,酸化カルシ
ウム,酸化バリウム,酸化リチウム,酸化マグネシウ
ム,硫酸カルシウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウ
ム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化亜鉛など汎用
水分吸着剤をブレンドして用いても問題ない。
【0116】この時、経時1ヶ月後の熱伝導率の劣化は
全く無く、断熱性能が良好な真空断熱体が得られる。
【0117】(実施例5)図2は本発明の一実施例にお
ける真空断熱体の断面図であり、1は真空断熱体、2は
硬質ウレタンフォーム粉末からなる芯材、3は吸着剤、
4は金属箔または金属蒸着層を有するプラスチックラミ
ネートフィルムからなる外被材である。
【0118】硬質ウレタンフォーム粉末からなる芯材2
と、実施例3記載の吸着剤3をホモミキサーで1分間混
合した後、不織布からなる袋に充填し、これをプラスチ
ックラミネートフィルム4に挿入し、請求項5の真空断
熱体を得た。
【0119】これにより、吸着剤粒子とウレタン粉末中
に存在する炭酸ガスとの接触距離、つまり、吸着に要す
る移動距離が小さくなることから、炭酸ガスの物質移動
が効果的に行われるものである。
【0120】よって、吸着剤の添加量を低減でき、吸着
剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤原料コスト
の低減を実現できる。
【0121】また、吸着剤3は、一部脱水反応を起こし
ており、水分吸着能力を有するが、効果が小さいため、
塩化カルシウム,活性アルミナ,ゼオライト,酸化カル
シウム,酸化バリウム,酸化リチウム,酸化マグネシウ
ム,硫酸カルシウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウ
ム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,塩化亜鉛など汎用
水分吸着剤をブレンドして用いると更に断熱性能の優れ
た真空断熱材が得られる。
【0122】(実施例6)実施例5記載の吸着剤3が実
施例1記載の化合物の代わりに実施例2記載の化合物を
用いること以外は全く実施例3記載と同様にして請求項
6の真空断熱体を得た。
【0123】これにより、吸着剤粒子とウレタン粉末中
に存在する炭酸ガスと水との接触距離、つまり、吸着に
要する移動距離が小さくなることから、炭酸ガス、及び
水の物質移動が効果的に行われるものである。
【0124】よって、吸着剤の添加量を低減でき、吸着
剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤原料コスト
の低減を実現できる。
【0125】ここで、吸着剤3は、水分吸着剤としての
性能が請求項1記載の吸着剤よりも優れているため、新
たに水分吸着剤をブレンドする必要はないが、塩化カル
シウム,活性アルミナ,ゼオライト,酸化カルシウム,
酸化バリウム,酸化リチウム,酸化マグネシウム,硫酸
カルシウム,硫酸マグネシウム,硫酸ナトリウム,炭酸
ナトリウム,炭酸カリウム,塩化亜鉛などの水分吸着剤
とブレンドしても問題ない。
【0126】(実施例7)図3は、本発明の一実施例に
おける真空断熱体の減圧密封前の断面図である。図にお
いて、5は真空包装機で、6は真空チャンバー7内に設
けたヒートシール機で、外被材4の開口部端面8をはさ
んで熱溶着するものである。9はヒートシール機11の
溶着板であり、10は真空包装機5の真空ポンプであ
る。
【0127】図1の構成において、まず、硬質ウレタン
フォームを粒径分布として平均約300μmまで微粉砕
したウレタン粉末2と実施例3記載の吸着剤3とをホモ
ミキサーにて1分間混合した後、不織布からなる袋に充
填する。
【0128】また、これを160℃の温度で2時間加熱
脱水を行った後、三辺に隣接する端面を熱溶着により袋
状にした外被材4に挿入する。その後、これを真空包装
機5のチャンバー7内に入れ、かつ、外被材4の開口部
端面8をヒートシール機6の上下の溶着板9間に設置す
る。次に、真空チャンバー7内が10-2mmHgに減圧
された状態で5分間維持した後、ヒートシール機6が作
動し、外被材4の開口部端面8は密封される。
【0129】これにより、吸着剤の前処理とウレタン粉
末の前処理を別々に行っていた工程を、同時に行うこと
で、製造時の作業効率の向上するものである。
【0130】これは、ドーソナイトを予め250℃以上
の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イオン
の一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中
に空孔を生じさせた化合物からなる吸着剤を使用する
際、表面付着水を取り除く必要が生じる。この表面付着
水の除去は、120℃から250℃程度で十分に可能で
あることから、ゼオライトなどのように300℃以上の
加熱乾燥工程が必要でない。よって、コア材であるウレ
タン粉末と吸着剤を同時に加熱乾燥することが可能とな
り、結局、製造時の作業効率が大幅に向上するものであ
る。
【0131】(実施例8)実施例7における吸着剤3が
実施例3記載の化合物の代わりに、実施例4記載の化合
物を用いること以外は、全く実施例7と同様にして請求
項8記載の製造方法を得た。
【0132】これにより、吸着剤の前処理とウレタン粉
末の前処理を別々に行っていた工程を、同時に行うこと
で、製造時の作業効率の向上するものである。
【0133】これは、ハイドロタルサイトを予め250
℃以上の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸
イオン及び結晶水の一部又は、全てが結晶格子外部へ転
移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物からなる吸
着剤を使用する際、表面付着水を取り除く必要が生じ
る。この表面付着水の除去は、120℃から250℃程
度で十分に可能であることから、ゼオライトなどのよう
に300℃以上の加熱乾燥工程が必要でない。よって、
コア材であるウレタン粉末と吸着剤を同時に加熱乾燥す
ることが可能となり、結局、製造時の作業効率が大幅に
向上するものである。
【0134】(実施例9)図4は、本発明の一実施例に
おける断熱箱体の断面図であり、11は断熱箱体であ
り、1は真空断熱体、3は実施例3の吸着剤、12は発
泡合成樹脂である。
【0135】真空断熱体1は、冷蔵庫側面に2枚,天面
に1枚,背面に1枚,合計4枚埋設している。適用枚数
については特に指定はなく、箱体吸熱量を低減するのに
効果がでるよう設計し枚数を決定するのが好ましい。真
空断熱体1は、実施例5記載と同様の真空断熱体であ
る。
【0136】外被材としては、片面に、表面保護層がポ
リエチレンテレフタレート(12μm)、中間層がアル
ミ箔(6μm)、熱溶着層が高密度ポリエチレン(50
μm)、もう片面に、表面保護層がポリエチレンテレフ
タレート(12μm)、中間層がアルミ蒸着ポリエチレ
ン・ビニルアルコール共重合体(15μm)、熱溶着層
が高密度ポリエチレン(50μm)をラミネートした積
層フィルムを用いている。両面とも、ガスバリヤ性を有
するアルミを中間層に有しているため、外被材から侵入
してくるガス量を小さくし、真空断熱体1の経時的断熱
性能の悪化を抑制している。また、片面はアルミの層が
非常に薄い蒸着層を形成したバリヤフィルムであるた
め、アルミを伝わる熱が小さく外被材を伝わる熱による
断熱性能の悪化をもたらすことがない。前記構成は、一
例であり、表面保護層には、突き刺し強度、曲げ強度等
に優れた二軸延伸ナイロン等も適用可能である。また、
熱溶着層には、熱溶着性に優れたポリプロピレン,ポリ
アクリロニトリル,低密度ポリエチレン等も適用可能で
ある。
【0137】また、発泡合成樹脂12は、シクロペンタ
ンを発泡剤とする硬質ウレタンフォームであり、冷蔵庫
の断熱壁の中に真空断熱体1を覆うように充填され一体
に発泡されている。
【0138】したがって、この断熱箱体を発泡合成樹脂
とともに冷蔵庫の断熱壁に使用すれば、真空断熱体の断
熱性能が優れているため、コンプレッサーの運転率を低
減することができ、電力消費量を低減することができ
る。
【0139】(実施例10)実施例9における吸着剤3
が実施例3記載の化合物の代わりに、実施例4記載の化
合物を用いること以外は、全く実施例9と同様にして請
求項10記載の断熱箱体を得る。
【0140】ここで、吸着剤3は、水分吸着剤としての
性能が請求項1記載の吸着剤よりも優れているため、新
たに水分吸着剤をブレンドする必要が無い。
【0141】よって、吸着剤の添加量を低減できると共
に、吸着剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤原
料コストの低減を実現できる。
【0142】また、この断熱箱体を発泡合成樹脂ととも
に冷蔵庫の断熱壁に使用すれば、真空断熱体の断熱性能
が優れているため、コンプレッサーの運転率を低減する
ことができ、電力消費量を低減することができる。
【0143】(実施例11)図5は、本発明の一実施例
における断熱パネルの断面図であり、13は断熱パネル
であり、1は真空断熱体、3は実施例1記載の吸着剤、
5は硬質ウレタンフォームからなる発泡合成樹脂、14
は石膏ボードからなる面材である。
【0144】以上のような構成からなる断熱パネル13
は、発泡合成樹脂12と真空断熱体1を併用しているた
め、従来の硬質ウレタンフォームからなる断熱パネルに
比較して優れた断熱性能を有する。
【0145】その結果、断熱パネルの壁厚を低減でき、
施工性が著しく改善できる。また、真空断熱体1が発泡
合成樹脂6によって覆われているため、外的衝撃が真空
断熱体1に直接加わることがない。この結果、施工時な
どの衝撃において真空断熱体が破袋し、断熱パネルの性
能を悪化することが原因で、結露が生じるといった問題
が解決される。
【0146】(実施例12)実施例11における吸着剤
3が実施例3記載の化合物の代わりに、実施例4記載の
化合物を用いること以外は、全く実施例11と同様にし
て請求項12記載の断熱パネルを得る。
【0147】ここで、吸着剤3は水分吸着性能も有する
ため、実施例11からなる断熱パネルに比べ優れた断熱
性能を有する。
【0148】その結果、断熱パネルの壁厚を更に低減で
き、施工性が著しく改善できる。また、真空断熱体1が
発泡合成樹脂6によって覆われているため、外的衝撃が
真空断熱体1に直接加わることがない。この結果、施工
時などの衝撃において真空断熱体が破袋し、断熱パネル
の性能を悪化することが原因で、結露が生じるといった
問題が解決される。
【0149】
【発明の効果】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末か
らなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともドーソナイ
トを予め250℃以上の温度で加熱することにより、結
晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶格子外部
へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物とガス
バリア性の外被材から構成される真空断熱体である。
【0150】これは、従来技術における炭酸イオンを分
子構造中に有するアルミナ化合物のように、炭酸イオン
と炭酸ガスとの親和性により炭酸ガスを吸着するメカニ
ズムに加え、ドーソナイトを250℃以上まで加熱し、
結晶格子中に炭酸イオンの空孔を形成させることによ
り、反応活性が大きくなり、炭酸ガスの吸着容量が増加
した本発明の化合物を真空断熱体に適用することによっ
て、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガスを迅速に
除去でき、真空断熱体の内部圧力増加に伴う断熱性能の
劣化を抑制する断熱体を得ることができるものである。
【0151】この時、吸着容量が増大することから、吸
着剤の添加量を低減させることができ、吸着剤自身の有
する熱伝導率の低減、吸着剤原料コストの低減を実現で
きる。
【0152】また、適用する真空断熱体の芯材がウレタ
ン粉末であり、冷蔵庫の硬質ウレタンフォームや住宅断
熱壁に使用されている硬質ウレタンフォームの廃材を利
用することが可能となることから、真空断熱体の課題で
あるコストが低減できる。
【0153】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハイドロタル
サイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又は、全
てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさ
せた化合物とガスバリア性の外被材から構成される真空
断熱体である。
【0154】これは、従来技術における炭酸イオンを分
子構造中に有するアルミナ化合物のように、炭酸イオン
と炭酸ガスとの親和性により炭酸ガスを吸着するメカニ
ズムに加え、ハイドロタルサイトを250℃以上まで加
熱し、結晶格子中に炭酸イオン及び結晶水の空孔を形成
させることにより、反応活性が大きくなり、炭酸ガス及
び水の吸着容量が増加した本発明の化合物を真空断熱体
に適用することによって、真空断熱体内部の発生ガスで
ある炭酸ガスを迅速に除去できると共に、ウレタン粉末
からの経時的な水分の発生も除去できるため、真空断熱
体の内部圧力増加に伴う断熱性能の劣化を抑制する断熱
体を得ることができるものである。
【0155】この時、吸着容量が増大することから、吸
着剤の添加量を低減させることができ、吸着剤自身の有
する熱伝導率の低減、吸着剤原料コストの低減を実現で
きる。
【0156】また、適用する真空断熱体の芯材がウレタ
ン粉末であり、冷蔵庫の硬質ウレタンフォームや住宅断
熱壁に使用されている硬質ウレタンフォームの廃材を利
用することが可能となることから、真空断熱体の課題で
あるコストが低減できる。
【0157】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材とガス吸着剤として少なくともドーソナイトを
予め250℃以上の温度で加熱することにより、結晶格
子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶格子外部へ転
移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物を芯材重量
の0.1〜10wt%含む吸着剤とガスバリア性の外被
材から構成される真空断熱体である。
【0158】芯材重量の0.1wt%以下の吸着剤量で
は、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガスを除去す
ることができない。また、10wt%以上の吸着剤量で
は、吸着剤自身が持つ表面付着水や、吸着剤自身が有す
る固体熱伝導率の影響が大きくなり、真空断熱体の熱伝
導率は悪化する。
【0159】よって、吸着剤の充填量を芯材重量の0.
1〜10wt%にすることにより、請求項1記載の真空
断熱体の断熱性能を最も引き出す効果を有する。
【0160】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材とガス吸着剤として少なくともハイドロタルサ
イトを予め250℃以上の温度で加熱することにより、
結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又は、全てが
結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた
化合物を芯材重量の0.1〜10wt%含む吸着剤とガ
スバリア性の外被材から構成される真空断熱体である。
【0161】芯材重量の0.1wt%以下の吸着剤量で
は、真空断熱体内部の発生ガスである炭酸ガス及び水を
除去することができない。また、10wt%以上の吸着
剤量では、吸着剤自身が持つ表面付着水や、吸着剤自身
が有する固体熱伝導率の影響が大きくなり、真空断熱体
の熱伝導率は悪化する。
【0162】よって、吸着剤の充填量を芯材重量の0.
1〜10wt%にすることにより、請求項2記載の真空
断熱体の断熱性能を最も引き出す効果を有する。
【0163】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材と、ガス吸着剤として少なくともドーソナイト
を予め250℃以上の温度で加熱することにより、結晶
格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶格子外部へ
転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物とガスバ
リア性の外被材から構成される真空断熱体において、ウ
レタン粉末と前記吸着剤を混合分散させた芯材であるこ
とを特徴とする真空断熱体である。
【0164】これは、吸着剤粒子とウレタン粉末中に存
在する炭酸ガスとの接触距離、つまり、吸着に要する移
動距離が小さくなることから、炭酸ガスの物質移動が効
果的に行われるものである。
【0165】よって、吸着剤の添加量を低減できること
から、吸着剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤
原料コストの低減を実現できる。
【0166】本発明の真空断熱体は、ウレタン粉末から
なる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハイドロタル
サイトを予め250℃以上の温度で加熱することによ
り、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部又は、全
てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさ
せた化合物とガスバリア性の外被材から構成される真空
断熱体において、ウレタン粉末と前記吸着剤を混合分散
させた芯材であることを特徴とする真空断熱体である。
【0167】これは、吸着剤粒子とウレタン粉末中に存
在する炭酸ガス及び結晶水との接触距離、つまり、吸着
に要する移動距離が小さくなることから、炭酸ガス及び
水の物質移動が効果的に行われるものである。
【0168】よって、吸着剤の添加量を低減できること
から、吸着剤自身の有する固体熱伝導率の低減、吸着剤
原料コストの低減を実現できる。
【0169】本発明の真空断熱体の製造方法は、ウレタ
ン粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともド
ーソナイトを予め250℃以上の温度で加熱することに
より、結晶格子中の炭酸イオンの一部又は、全てが結晶
格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合
物とガスバリア性の外被材から構成される真空断熱体に
おいて、ウレタン粉末と前記吸着剤を混合分散させた芯
材を120℃から250℃の温度で加熱脱水を行うこと
を特徴とする真空断熱体の製造方法である。
【0170】これにより、吸着剤の前処理とウレタン粉
末の前処理を別々に行っていた工程を、同時に行うこと
で、製造時の作業効率の向上するものである。
【0171】これは、ドーソナイトを予め250℃以上
の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イオン
の一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中
に空孔を生じさせた化合物からなる吸着剤を使用する
際、表面付着水を取り除く必要が生じる。この表面付着
水の除去は、120℃から250℃程度で十分に可能で
あることから、ゼオライトなどのように300℃以上の
加熱乾燥工程が必要でない。よって、コア材であるウレ
タン粉末と吸着剤を同時に加熱乾燥することが可能とな
り、結局、製造時の作業効率が大幅に向上するものであ
る。
【0172】本発明の真空断熱体の製造方法は、ウレタ
ン粉末からなる芯材と、ガス吸着剤として少なくともハ
イドロタルサイトを予め250℃以上の温度で加熱する
ことにより、結晶格子中の炭酸イオン及び結晶水の一部
又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に空孔
を生じさせた化合物とガスバリア性の外被材から構成さ
れる真空断熱体において、ウレタン粉末と前記吸着剤を
混合分散させた芯材を120℃から250℃の温度で加
熱脱水を行うことを特徴とする真空断熱体の製造方法で
ある。
【0173】これにより、吸着剤の前処理とウレタン粉
末の前処理を別々に行っていた工程を、同時に行うこと
で、製造時の作業効率の向上するものである。
【0174】これは、ハイドロタルサイトを予め250
℃以上の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸
イオンの一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶
格子中に空孔を生じさせた化合物からなる吸着剤を使用
する際、表面付着水を取り除く必要が生じる。この表面
付着水の除去は、120℃から250℃程度で十分に可
能であることから、ゼオライトなどのように300℃以
上の加熱乾燥工程が必要でない。よって、コア材である
ウレタン粉末と吸着剤を同時に加熱乾燥することが可能
となり、結局、製造時の作業効率が大幅に向上するもの
である。
【0175】本発明の断熱箱体は、発泡合成樹脂と内箱
と外箱と真空断熱体とによって構成された断熱箱体にお
いて、前記真空断熱体が請求項3の真空断熱体であるこ
とを特徴とする断熱箱体である。
【0176】これにより、真空断熱体の製造後、イソシ
アネートとウレタン粉末の表面付着水分との反応から経
時的に発生する炭酸ガスによる真空度の悪化がなく、断
熱性能の劣化を抑制することができる。よって、断熱箱
体に適用した場合、長期に亘って使用しても、断熱性能
を維持することができる。この結果、これを冷蔵庫に適
用した場合も良好な断熱性能を得る事ができる。
【0177】本発明の断熱箱体は、発泡合成樹脂と内箱
と外箱と真空断熱体とによって構成された断熱箱体にお
いて、前記真空断熱体が請求項4の真空断熱体であるこ
とを特徴とする断熱箱体である。
【0178】これにより、真空断熱体の製造後、イソシ
アネートとウレタン粉末の表面付着水分との反応から経
時的に発生する炭酸ガス及び、ウレタン粉末の表面付着
水分、吸蔵水の離脱による真空度の悪化がなく、断熱性
能の劣化を抑制することができる。よって、断熱箱体に
適用した場合、長期に亘って使用しても、断熱性能を維
持することができる。この結果、これを冷蔵庫に適用し
た場合も良好な断熱性能を得る事ができる。
【0179】本発明の断熱パネルは、発泡合成樹脂と面
材と真空断熱体を備え、前記真空断熱体が複数個あり、
かつ、それぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂によって覆
われている断熱材パネルにおいて、前記真空断熱体が請
求項3記載の真空断熱体であることを特徴とする断熱パ
ネルである。
【0180】これにより、真空断熱体の断熱性能が非常
に優れているため、硬質ウレタンフォームなどの発泡合
成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬
質ウレタンフォームなどを単独で使用した場合よりも優
れたものとなる。
【0181】また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われ
ているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることが無
く、破袋などによって真空断熱体の断熱性能が著しく悪
化するといった問題がない。
【0182】さらに、現場施工によって断熱パネルを切
断する場合なども、複数個の真空断熱体を有するため、
破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪
化することがない。
【0183】本発明の断熱パネルは、発泡合成樹脂と面
材と真空断熱体を備え、前記真空断熱体が複数個あり、
かつ、それぞれの真空断熱体が発泡合成樹脂によって覆
われている断熱材パネルにおいて、前記真空断熱体が請
求項4記載の真空断熱体であることを特徴とする断熱パ
ネルである。
【0184】これにより、真空断熱体の断熱性能が非常
に優れているため、硬質ウレタンフォームなどの発泡合
成樹脂と併用した場合、断熱パネル全体の断熱性能が硬
質ウレタンフォームなどを単独で使用した場合よりも優
れたものとなる。
【0185】また、真空断熱体が発泡合成樹脂で覆われ
ているため、真空断熱体に直接衝撃が加わることが無
く、破袋などによって真空断熱体の断熱性能が著しく悪
化するといった問題がない。
【0186】さらに、現場施工によって断熱パネルを切
断する場合なども、複数個の真空断熱体を有するため、
破袋する真空断熱体は一部にすぎず断熱性能を大きく悪
化することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による真空断熱体の断面図
【図2】本発明の一実施形態による真空断熱体の断面図
【図3】本発明の一実施形態による真空断熱体の減圧密
封前の断面図
【図4】本発明の一実施形態による断熱箱体の断面図
【図5】本発明の一実施形態による断熱パネルの断面図
【符号の説明】
1 真空断熱体 2 ウレタン粉末 3 水分吸着剤 4 外被材 5 真空包装機 6 ヒートシール機 7 真空チャンバー 8 開口部端面 9 溶着板 10 真空ポンプ 11 断熱箱体 12 発泡合成樹脂 13 断熱パネル 14 面材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮地 法幸 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着
    剤として少なくともドーソナイトを予め250℃以上の
    温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イオンの
    一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に
    空孔を生じさせた化合物と、ガスバリア性の外被材とか
    ら構成される真空断熱体。
  2. 【請求項2】 ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着
    剤として少なくともハイドロタルサイトを予め250℃
    以上の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イ
    オン及び結晶水の一部又は、全てが結晶格子外部へ転移
    し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物と、ガスバリ
    ア性の外被材とから構成される真空断熱体。
  3. 【請求項3】 ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着
    剤として少なくともドーソナイトを予め250℃以上の
    温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イオンの
    一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に
    空孔を生じさせた化合物を芯材重量の0.1〜10wt
    %含む吸着剤と、ガスバリア性の外被材とから構成され
    る真空断熱体。
  4. 【請求項4】 ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着
    剤として少なくともハイドロタルサイトを予め250℃
    以上の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イ
    オン及び結晶水の一部又は、全てが結晶格子外部へ転移
    し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物を芯材重量の
    0.1〜10wt%含む吸着剤と、ガスバリア性の外被
    材とから構成される真空断熱体。
  5. 【請求項5】 ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着
    剤として少なくともドーソナイトを予め250℃以上の
    温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イオンの
    一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に
    空孔を生じさせた化合物と、ガスバリア性の外被材とか
    ら構成される真空断熱体において、ウレタン粉末と前記
    吸着剤を混合分散させた芯材であることを特徴とする真
    空断熱体。
  6. 【請求項6】 ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着
    物質として少なくともハイドロタルサイトを予め250
    ℃以上の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸
    イオン及び結晶水の一部又は、全てが結晶格子外部へ転
    移し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物と、ガスバ
    リア性の外被材とから構成される真空断熱体において、
    ウレタン粉末と前記吸着剤を混合分散させた芯材である
    ことを特徴とする真空断熱体。
  7. 【請求項7】 ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着
    剤として少なくともドーソナイトを予め250℃以上の
    温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イオンの
    一部又は、全てが結晶格子外部へ転移し、結晶格子中に
    空孔を生じさせた化合物と、ガスバリア性の外被材とか
    ら構成される真空断熱体において、ウレタン粉末と前記
    吸着剤を混合分散させた芯材を120℃から250℃の
    温度で加熱脱水を行うことを特徴とする真空断熱体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 ウレタン粉末からなる芯材と、ガス吸着
    剤として少なくともハイドロタルサイトを予め250℃
    以上の温度で加熱することにより、結晶格子中の炭酸イ
    オン及び結晶水の一部又は、全てが結晶格子外部へ転移
    し、結晶格子中に空孔を生じさせた化合物と、ガスバリ
    ア性の外被材とから構成される真空断熱体において、ウ
    レタン粉末と前記吸着剤を混合分散させた芯材を120
    ℃から250℃の温度で加熱脱水を行うことを特徴とす
    る真空断熱体の製造方法。
  9. 【請求項9】 発泡合成樹脂と内箱と外箱と真空断熱体
    とによって構成された断熱箱体において、前記真空断熱
    体が請求項3の真空断熱体であることを特徴とする断熱
    箱体。
  10. 【請求項10】 発泡合成樹脂と内箱と外箱と真空断熱
    体とによって構成された断熱箱体において、前記真空断
    熱体が請求項4の真空断熱体であることを特徴とする断
    熱箱体。
  11. 【請求項11】 発泡合成樹脂と面材と真空断熱体を備
    え、前記真空断熱体が複数個あり、かつ、それぞれの真
    空断熱体が発泡合成樹脂によって覆われている断熱材パ
    ネルにおいて、前記真空断熱体が請求項3記載の真空断
    熱体であることを特徴とする断熱パネル。
  12. 【請求項12】 発泡合成樹脂と面材と真空断熱体を備
    え、前記真空断熱体が複数個あり、かつ、それぞれの真
    空断熱体が発泡合成樹脂によって覆われている断熱材パ
    ネルにおいて、前記真空断熱体が請求項4記載の真空断
    熱体であることを特徴とする断熱パネル。
JP9300161A 1997-10-31 1997-10-31 真空断熱体、断熱箱体、断熱パネル、及び真空断熱体の製造方法 Pending JPH11130888A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006102296A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 保温槽及び電気湯沸かし器
JP2007139184A (ja) * 2005-10-17 2007-06-07 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 真空断熱構造体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006102296A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 保温槽及び電気湯沸かし器
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