JPH07173314A - 発泡断熱体およびその製造方法 - Google Patents

発泡断熱体およびその製造方法

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JPH07173314A
JPH07173314A JP5289015A JP28901593A JPH07173314A JP H07173314 A JPH07173314 A JP H07173314A JP 5289015 A JP5289015 A JP 5289015A JP 28901593 A JP28901593 A JP 28901593A JP H07173314 A JPH07173314 A JP H07173314A
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Taku Hashida
卓 橋田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 気泡中が減圧化されてなる優れた断熱性能の
発泡断熱体を提供する。 【構成】 ポリエーテルポリオール、シリコーン系整泡
剤、アミン系触媒の混合液に、発泡剤として水、プロピ
レンオキシドと付加反応触媒のよう化トリブチル錫/よ
う化テトラブチルホスホニウムとの混合調製液を混合
し、ポリイソシアネートを混合した後、容器1中に注入
し、発泡反応させて独立気泡の発泡ウレタン樹脂組成物
2を得た。発泡反応では、水とポリイソシアネートとの
尿素結合を形成する際に二酸化炭素ガスを発生し独立発
泡のウレタン樹脂組成物2が形成される。気泡中の二酸
化炭素は、付加反応触媒によってプロピレンオキシドと
反応して環状カーボネート成分を生成し、気泡中が減圧
真空化された発泡断熱体を得られ、その断熱性能は時間
とともに減衰せず、むしろ向上する傾向を示した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍室等に用
いられる発泡断熱体とその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫等、冷凍室に用いられる断
熱体は、ウレタンフォーム、スチレンフォームなどによ
る樹脂発泡体がおもに用いられてきた。これらは、独立
気泡体を構成しているものが多く、気泡を形成する発泡
剤として発泡適性が良く熱伝導率の低いフロンガスが用
いられ優れた断熱体が構成されてきた。
【0003】また、ウレタン樹脂は現場発泡成形ができ
るため、広く用いられているが、このウレタン樹脂の原
料であるイソシアネートは水と反応して二酸化炭素を発
生して尿素結合を形成することから、水発泡ポリウレタ
ン樹脂としても構成され、特開平2−205582号公
報に開示されているように同様に断熱材として用いられ
ている。
【0004】さらに、断熱性能の優れた断熱体として、
真空断熱体がある。これは、容器中を真空あるいは減圧
にすることによって熱伝導率をさらに低下させたもので
あって、きわめて高い断熱性を有する。この真空断熱体
の構造および材料として、金属ープラスチックスラミネ
ートフィルムやプラスチック多層フィルムなどのガスバ
リヤー性の高い容器中にパーライト、シリカ等の無機系
微粒状断熱粉体やウレタンフォーム、ハニカムなどを吸
着剤とともにコア材として入れ真空封止した多くの特許
が開示されている。その一例として、特開昭57−13
3870号公報や特開平2−772293号公報に開示
されているような、硬質フェノールウレタンフォームを
コアとし、金属ープラスチックスラミネートフィルムを
容器とする真空断熱体の構成がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱伝導率の低
いフロンを用いた発泡断熱体は、オゾン層破壊や地球温
暖化などの環境破壊問題によってその使用が規制されて
おり、代替発泡剤の検討が進められている。
【0006】さらに、真空断熱体は断熱性は優れている
けれども定まった形状をしており、ウレタンの現場発泡
断熱体のように様々な形状の箱体中に任意に注入できる
という簡便なものではなく、真空断熱体を箱体に張り付
けるという工程が必要であった。
【0007】また、この真空断熱体と箱体との隙間を詰
めるためにウレタン発泡を併用しなければならないとい
う問題点もあった。
【0008】また、真空装置による真空化工程を要し、
さらに、ガスバリヤー性の容器が伸縮しないため複雑な
形状の真空断熱体がうまく成形できないという問題点も
あった。
【0009】そこで、本発明は新規な構成の発泡断熱体
を提供することを第1の目的としている。さらに、第2
の目的はこの発泡断熱体の新規な製造方法を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の発泡断熱体は、エポキシド化合物と
二酸化炭素とが付加反応してなる環状カーボナート成分
を含む尿素結合含有の発泡ウレタン樹脂組成物から構成
される。
【0011】また、エポキシド化合物と二酸化炭素とが
付加反応してなる環状カーボナート成分は、含まれる付
加反応触媒によって生じ、その付加反応触媒は少なくと
もオニウム化合物を含んで構成される化合物であるのが
適している。
【0012】また、第2の目的を達成するために、ポリ
オールと、水と、エポキシド化合物と、付加反応触媒
と、イソシアネートを混合する混合工程と、発泡反応さ
せて発泡ウレタン樹脂組成物を形成させる発泡工程とを
含み、この発泡工程によって発生した二酸化炭素とエポ
キシド化合物とが、付加反応触媒によって反応して環状
カーボナート組成物を形成して、気泡を減圧真空化する
製造方法によって構成される。
【0013】エポキシド化合物は、付加反応触媒と予め
混合しておくことで交互重合が良好に進む。
【0014】
【作用】本発明は上記のような構成よりなり、発泡ウレ
タン樹脂組成物において、二酸化炭素をエポキシド化合
物との付加反応によって固定化することに特徴的な作用
がある。
【0015】この付加反応は、二酸化炭素とエポキシド
化合物とが(化1)式に示すような合成反応を生じるも
のであり、触媒の存在の下、常圧下で容易に反応する。
【0016】
【化1】
【0017】この反応によって、発泡樹脂組成物中にお
いて気体の二酸化炭素が環状カーボネート化して高い分
子量の液体または固体となり、蒸気圧が非常に低くなり
固定化する。なお、液体状態ではウレタン樹脂組成物と
の相溶性があるために樹脂に溶け込んでいる。
【0018】ポリオールとイソシアネートとを原料とす
るウレタン樹脂では、水を発泡剤として用いた際に、水
が(化2)式のように原料であるイソシアネートと反応
して、尿素結合を有するウレタン樹脂を形成し、同時に
二酸化炭素を生成して発泡に寄与する。
【0019】
【化2】
【0020】この二酸化炭素は、上記のようにエポキシ
ド化合物と反応して環状カーボネート組成物を形成す
る。このようにして、発泡ウレタン樹脂組成物中の二酸
化炭素が反応するため、発泡により形成された気泡中の
二酸化炭素がなくなり減圧化される。
【0021】エポキシド化合物は発泡樹脂組成物の形成
の際に、付加反応触媒と共に原料に混合しておくことが
できる。特に、沸点が60℃程度以下の化合物の場合に
は、ポリオールとイソシアネートとの反応熱によって常
圧で気化するため、発泡剤としての働きも示し、二酸化
炭素と反応するために気泡中から減少して気泡が減圧化
される。
【0022】この反応は、エポキシド化合物が環状カー
ボネート化合物になる付加反応であり、二酸化炭素分の
分子量が増加する。
【0023】液状のエポキシド化合物の場合には、飽和
蒸気圧が1/100以下にまで低下するし、化合物によ
っては固体化する。
【0024】いずれにしても、本発明では気泡内のガス
が少ない必要があるため、高分子量のエポキシド化合物
の方が減圧効果が大きくなり適している。
【0025】また、エポキシド化合物は、室温ではポリ
オール、イソシアネートとの反応性が低く、粘度調整等
の希釈剤の働きをする。
【0026】さらに、発泡反応時に発生する熱によっ
て、混合した一部のエポキシド化合物が、ポリオールま
たはイソシアネートと重合反応してウレタン樹脂組成物
の一部を形成する。この反応によって、発泡ウレタン樹
脂組成物の強度が高められる効果がある。
【0027】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明を説明する。
【0028】本発明の断熱体は、図1に示すように容器
1中に、発泡ウレタン樹脂組成物2と、二酸化炭素とエ
ポキシド化合物とが付加反応した環状カーボネート組成
物3とによって構成されており、付加反応触媒も含まれ
てなる。
【0029】容器1内は、発泡成形時には二酸化炭素ガ
スが発泡体を形成し、その気泡中は二酸化炭素ガスで満
たされているが、その後原料に含まれていたエポキシド
化合物との反応によって環状カーボネート組成物3を形
成し、気泡内は減圧真空化される。
【0030】そのため、ここで用いる発泡ウレタン樹脂
組成物2は減圧真空化によって大きく変形しない硬質の
発泡材料である必要があり、水を発泡剤として二酸化炭
素を発生する尿素結合を有する発泡ウレタン樹脂が最も
適している。
【0031】本発明は適切な形状の密封可能な金属層含
有剛体容器中で直接、加熱発泡成形して真空断熱体を形
成することができる。それ故、本発明の発泡断熱体は電
気冷蔵庫用の断熱箱体に用いるのが適しており、金属性
外箱と硬質樹脂性内箱を組み合せて構成された注入口を
有する密閉性の冷蔵庫用箱体中に充填すれば、きわめて
優れた断熱性の電気冷蔵庫を構成できる。
【0032】本発明の発泡断熱体は次のような製造方法
で作製することができる。すなわち、ポリオールと、水
と、エポキシド化合物と、付加反応触媒と、イソシアネ
ートを混合して、発泡反応させて発泡ウレタン樹脂組成
物を形成する。
【0033】この反応で発生した二酸化炭素とエポキシ
ド化合物とが、付加反応触媒によって環状カーボネート
組成物を形成することで、二酸化炭素を固定化し、気泡
中を減圧真空化する製造方法である。
【0034】発泡剤として水が適しているが、水とエポ
キシド化合物とを混合して用いてもよい。また、他の発
泡剤と混合して構成されてもよい。他の発泡剤として
は、例えばトリクロロフルオロメタン(フロン11)、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(フロン141
b)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(フロン
134a)などのフロン化合物、ペンタン、ブタンなど
の炭化水素化合物等が適している。
【0035】冷蔵庫などの断熱箱体への注入発泡は、通
常ポリオール、発泡剤、その他触媒等の添加剤を混合し
た液と、イソシアネート液の2液を注入混合して、その
重合反応熱によって発泡剤を気化して発泡断熱材を形成
する。
【0036】エポキシド化合物を用いる場合にも、エポ
キシド化合物をポリオール混合液、またはイソシアネー
ト液の何れかに混合して2液注入発泡を行うことができ
る。
【0037】しかし、エポキシド化合物はポリオール、
イソシアネートのどちらとも室温では反応性が低いが反
応をするため、原料調製液の保存安定性が悪くなる。そ
こで注入直前に混合する方法もあるが作業性の点で、エ
ポキシド化合物液とポリオール混合液とイソシアネート
液での3液注入発泡が適している。
【0038】注入発泡では、まず水とイソシアネートが
反応して二酸化炭素を発生して発泡をすると共に、ポリ
オールとイソシアネートの重合反応が進行する。このと
きの反応熱によってエポキシド化合物は、一部はポリオ
ール、イソシアネートと重合反応して形成されるウレタ
ン樹脂組成物の硬化剤として働く。
【0039】しかし、反応熱はすぐに下がるため、大部
分は二酸化炭素との付加反応によって高分子量化する。
特に、エージング過程で急速に反応が進んで減圧化する
と共に、その後徐々に減圧真空化が進行する。
【0040】本発明のエポキシド化合物としては、少な
くともエポキシ基を1個有する化合物であることが好ま
しい。エポキシ基を1個有するエポキシド化合物のう
ち、沸点が約60℃以下であり発泡剤としての働きもす
る化合物としては、エチレンオキシド(11℃)、プロ
ピレンオキシド(34℃)、1,2-エポキシブタン(63
℃)、シス2,3-エポキシブタン(60℃)、トランス2,
3-エポキシブタン(54℃)、ブタジエンモノオキサイ
ド(65℃)などがある。ただし、()内は化合物の沸
点である。
【0041】その他のエポキシ基を1個有するエポキシ
ド化合物としては、エポキシヘキサン、エポキシオクタ
ン、エポキシデカン、エポキシドデカン、エポキシヘキ
サデカン、エポキシオクタデカンなどのアルキレンオキ
シド化合物が適している。
【0042】さらに、エポキシヘキセン、エポキシオク
テンなどのエポキシ基と2重結合不飽和基を有する化合
物や、グリシジルメチルエーテル、グリシジルエチルエ
ーテル、グリシジルブチルエーテル、グリシジルイソプ
ロピルエーテル、グリシジルアクリレート、フェニルグ
リシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのグ
リシジル基を有する化合物、エポキシプロピルベンゼ
ン、スチレンオキシドなどの芳香族エポキシド化合物な
ども利用することができる。
【0043】また、エポキシ基を2個有するジエポキシ
ブタン、ジエポキシオクタンなどの化合物や、さらに複
数のエポキシ基を有する化合物や、各種エポキシ基を両
末端に有するオリゴマーなど、さらにオキセタン(沸点
50℃)やその誘導体の利用もできる。
【0044】エポキシド化合物は、室温では反応性は低
いが、加熱時に一部ポリオールやイソシアネートと反応
することがあるため発泡ウレタン樹脂組成物と結合して
構成されることもある。特に、この反応によって形成さ
れる発泡ウレタン樹脂組成物の機械的な強度を高める硬
化剤としての効果が得られる。
【0045】また、エポキシド化合物として、臭素化フ
ェニルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する反
応型難燃剤を併用すると、減圧真空化作用と共に発泡ウ
レタン樹脂組成物の難燃化を行うことができる。
【0046】二酸化炭素とエポキシド化合物との付加反
応触媒としては、ホスホニウム塩、アンモニウム塩、ス
ルホニウム塩、オキソニウム塩、アルソニウム塩、スチ
ボニウム塩、セレノニウム塩、ヨードニウム塩、スタン
ノニウム塩などのオニウム化合物を含んで成る組成物が
用いられ、特に第4級オニウム塩と有機金属ハロゲン化
物、あるいは第4級オニウム塩と金属ハロゲン化物の混
合触媒が高い反応収率が得られる。
【0047】オニウム化合物としては、ハロゲン化テト
ラアルキルホスホニウム、ハロゲン化テトラアルキルア
ンモニウムなどが適しており、よう化テトラブチルホス
ホニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、よう化テト
ラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム
が高い触媒作用が得られる。
【0048】また、有機金属ハロゲン化物としては錫化
合物が適しており、よう化トリブチル錫、臭化トリブチ
ル錫、塩化トリブチル錫、よう化トリメチル錫、よう化
トリフェニル錫などが用いることができる。
【0049】さらに、金属ハロゲン化物は亜鉛化合物が
適しており、塩化亜鉛、臭化亜鉛などが用いることがで
きる。混合触媒の混合比率は、オニウム化合物に対して
有機金属ハロゲン化物あるいは金属ハロゲン化物が等量
もしく1/10から5倍の範囲内が適用できる。そし
て、これらの触媒量はエポキシド化合物に対して1/1
0から1/50で十分な活性を示すことができる。
【0050】二酸化炭素とエポキシド化合物との反応
は、原料を全て混合して発泡樹脂化しても生じるが、具
体的にはエポキシド化合物と付加反応触媒とを予め混合
しておくことによって触媒活性が高くなり、高い収率で
付加反応が進行するので好ましい。ただし、この場合に
注意しなくてはならないのは、エポキシド化合物と付加
反応触媒とが混合しているため、保存時に空気中の二酸
化炭素と反応が進行してしまうおそれがある。
【0051】さらに、発泡ウレタン樹脂組成物の形成時
には添加剤として、整泡剤、酸化防止剤、難燃化剤、ウ
レタン反応触媒などを加えることができるが、発泡成形
後に減圧下で揮発しないように選択して用いる必要があ
る。
【0052】本発明の発泡断熱体は、従来の真空断熱体
のようにコアを詰めた後に脱気して真空化するものでは
なく、コア材自身が容器内で発泡構造体を形成した後真
空化作用を有するものであるため、断熱体形状として種
々の真空断熱体が容易に得られる。この特徴を利用する
と、容器を適切な形状の金型中にセットし、加熱によっ
て発泡成形して発泡構造体を形成し真空断熱体にするこ
とができる。
【0053】本発明に用いる二酸化炭素は、上記のよう
なウレタン原料のイソシアネートの水発泡反応によって
生成されるものに限られず、一般の発泡成形用発泡剤と
して二酸化炭素を用いてもよい。その二酸化炭素として
は、液化二酸化炭素や超臨界流体状態の二酸化炭素を本
発明に用いても同様に発泡成形することができる。
【0054】(実施例1)OH価500mgKOH/g
のポリエーテルポリオール70部、シリコーン系整泡剤
3部、アミン系触媒3部の混合液に、発泡剤として水1
0部、エポキシド化合物のプロピレンオキシド20部と
付加反応触媒のよう化トリブチル錫/よう化テトラブチ
ルホスホニウム(1/1)0.8部との混合調製液を混
合した。
【0055】次に、この混合液にアミン当量170のポ
リイソシアネート300部を混合した後、容器中に注入
し、発泡反応させて独立気泡の尿素結合含有の発泡ウレ
タン樹脂組成物を得た。この発泡反応では、水とポリイ
ソシアネートとが反応して尿素結合を形成する際の二酸
化炭素ガスの発生と、ポリオールとポリイソシアネート
とのウレタン結合形成時の反応熱によってプロピレンオ
キシドが気化することによって、発泡を生じ、独立気泡
のウレタン樹脂組成物が形成される。
【0056】発生した気泡中の二酸化炭素は、付加反応
触媒によってプロピレンオキシドと反応して環状カーボ
ネート成分を生成し、気泡中が次第に減圧真空化された
発泡断熱体を得られた。
【0057】容器を密閉後、得られた断熱体の断熱特性
として平均温度24℃の熱伝導率を測定したところ、
0.010W/(m・K)の優れた断熱性能を示し、そ
の断熱性能の変化を一ヶ月にわたって測定したところ、
その断熱性能は時間とともに減衰せず、むしろ向上する
傾向を示した。
【0058】比較のために、同じポリオール、整泡剤、
触媒、ポリイソシアネートを用い、発泡剤としてフロン
11を用いて作製した発泡ウレタン断熱体では、平均2
4℃の熱伝導率が0.014W/(m・K)であり、本
発明の発泡断熱体の方が約1.4倍の断熱性能を有して
いた。
【0059】(実施例2)実施例1と同じポリエーテル
ポリオール70部、シリコーン系整泡剤3部、アミン系
触媒3部、発泡剤の水10部のポリオール混合液Aを調
製した。さらに、エポキシド化合物の1,2-エポキシブタ
ン30部と、付加反応触媒としてよう化トリブチル錫/
よう化テトラブチルホスホニウム(1/2)1.8部と
の混合液B、および実施例1と同じポリイソシアネート
330部の溶液Cを得た。
【0060】次に、液A、B、Cを混合した後、ガスバ
リア性ラミネートフィルムからなる容器中に注入し、発
泡反応させて独立気泡の尿素結合含有の発泡ウレタン樹
脂組成物を得た。この発泡反応では、水とイソシアネー
トとの反応によって発生する二酸化炭素ガスで発泡を生
じ、独立気泡のウレタン樹脂組成物が形成される。
【0061】発生した気泡中の二酸化炭素は、付加反応
触媒によって1,2-エポキシブタンと反応して環状カーボ
ネート成分を生成し、気泡中が次第に減圧真空化された
発泡断熱体を得られる。
【0062】容器を密閉後、得られた断熱体の断熱特性
として平均温度24℃の熱伝導率を測定したところ、
0.010W/(m・K)の優れた断熱性能を示した。
【0063】(実施例3)エポキシド化合物としてフェ
ニルグリシジルエーテルと、付加反応触媒として塩化亜
鉛/よう化テトラブチルアンモニウムを用いた他は、実
施例1と同様に独立気泡のウレタン樹脂組成物を得た。
発生した気泡中の二酸化炭素は環状カーボネート成分を
生成し、気泡中が次第に減圧された真空発泡断熱体が得
られる。
【0064】容器を密閉後、得られた断熱体の断熱特性
として平均温度24℃の熱伝導率を測定したところ、
0.012W/(m・K)の優れた断熱性能を示した。
この断熱性能の変化は一ヶ月にわたって測定したとこ
ろ、時間とともに減衰せず、むしろ向上した。
【0065】(実施例4)エポキシド化合物としてアリ
ルグリシジルエーテルと、付加反応触媒としてよう化ト
リブチル錫/よう化テトラブチルホスホニウムとのペン
タン溶液を用いた他は、実施例1と同様に独立気泡のウ
レタン樹脂組成物を得た。発生した気泡中の二酸化炭素
は環状カーボネート成分を生成し、気泡中が次第に減圧
されたペンタンが残った発泡断熱体が得られる。
【0066】容器を密閉後、得られた断熱体の断熱特性
として平均温度24℃の熱伝導率を測定したところ、
0.018W/(m・K)の優れた断熱性能を示した。
【0067】(実施例5)実施例1と同様のウレタン原
料を、金属性外箱と硬質樹脂性内箱を組み合せて構成さ
れた注入口を有する密閉性の冷蔵庫用箱体中に混合・注
入して、独立気泡の尿素結合含有の発泡ウレタン樹脂組
成物を断熱材とする電気冷蔵庫用真空断熱箱体を得た。
【0068】得られた真空断熱箱体の断熱特性を測定し
たところ、フロンR11を発泡剤としてものに比べて、
約1.3倍の優れた断熱性能を示した。
【0069】(実施例6)液状ポリオール、整泡剤、酸
化防止剤、難燃化剤、アミン系触媒とを混合して混合液
を調製した。次にこの混合液にエポキシド化合物として
ジエポキシオクタン、付加反応触媒としてよう化トリブ
チル錫/よう化テトラブチルホスホニウムを混合した。
続いて、ポリイソシアネートとともに容器中に混合・注
入し、発泡反応させて微細な独立気泡を有する発泡ウレ
タン樹脂組成物を得た。この時発生した気泡中の二酸化
炭素は、ジエポキシオクタンと反応して脂肪族環状カー
ボネートを生成し、気泡は次第に減圧真空化され優れた
発泡断熱体が得られた。
【0070】この発泡断熱体はエポキシド化合物が硬化
剤の働きを示し、発泡ウレタン樹脂を架橋して優れた機
械強度を持つ断熱体を形成した。断熱体の断熱性能とし
ては、エポキシド化合物を混合しない水発泡ウレタン樹
脂に比べて、約3倍の優れた断熱性能を示した。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明の発泡断熱体は、二
酸化炭素とエポキシド化合物とが付加反応した成分を有
する発泡ウレタン樹脂組成物から構成され、二酸化炭素
ガスの固定化によって、気泡中が減圧真空化されてなる
真空発泡断熱体を構成する。
【0072】本発明の製造方法としては、エポキシド化
合物と、付加反応触媒とを混合して形成することによっ
て、発泡時に発生した二酸化炭素を反応させて、気泡内
が減圧真空化された断熱体を得ることができる。
【0073】本発明の発泡断熱体は、二酸化炭素の付加
反応によって気泡内が減圧されやがて真空化でき、従来
のような減圧真空化工程なしで真空断熱体を形成できる
ため、従来のようにコア材を必ずしも連通フォームにす
る必要はなく、独立気泡の断熱性の高い発泡体を真空断
熱体とすることができる。
【0074】さらに、任意の形状の容器中で直接発泡成
形するため、自由な形状の真空断熱体を、従来のウレタ
ンの現場発泡とほぼ同様に形成できるなどの特長があ
り、このように本発明は工業的価値の大なるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空断熱体の構成の一例を示す図
【符号の説明】
1 容器 2 発泡ウレタン樹脂組成物 3 二酸化炭素とエポキシド化合物の付加環状カーボネ
ート成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 良雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発泡樹脂組成物が、エポキシド化合物と二
    酸化炭素とが付加反応してなる環状カーボナート成分を
    含む尿素結合含有の発泡ウレタン樹脂組成物であること
    を特徴とする発泡断熱体。
  2. 【請求項2】発泡ウレタン樹脂組成物が、付加反応触媒
    を含んでなり、前記付加反応触媒が少なくともオニウム
    化合物を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の発
    泡断熱体。
  3. 【請求項3】ポリオールと、水と、エポキシド化合物
    と、付加反応触媒と、イソシアネートを混合する混合工
    程と、発泡反応させて発泡ウレタン樹脂組成物を形成さ
    せる発泡工程とを含み、前記発泡工程によって発生した
    二酸化炭素と前記エポキシド化合物とが、前記付加反応
    触媒によって反応して環状カーボナート組成物を形成し
    て、気泡を減圧真空化してなることを特徴とする発泡断
    熱体の製造方法。
  4. 【請求項4】エポキシド化合物と付加反応触媒とを、予
    め混合しておくことを特徴とする請求項3記載の発泡断
    熱材の製造方法。
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