JPH07233896A - 断熱体とその製造方法 - Google Patents

断熱体とその製造方法

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JPH07233896A
JPH07233896A JP6023933A JP2393394A JPH07233896A JP H07233896 A JPH07233896 A JP H07233896A JP 6023933 A JP6023933 A JP 6023933A JP 2393394 A JP2393394 A JP 2393394A JP H07233896 A JPH07233896 A JP H07233896A
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JP
Japan
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halide
wall surface
volatile
foaming agent
bubble
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JP6023933A
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English (en)
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Yoshio Kishimoto
良雄 岸本
Masaaki Suzuki
正明 鈴木
Taku Hashida
卓 橋田
Fumihiro Inagaki
文拓 稲垣
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、冷蔵庫、冷凍室等に用いられる断
熱体とその製造方法に関するもので、新規で高性能な断
熱体を提供することを第一の目的としている。第二の目
的は安全性が高く、現場発泡の容易な優れた製造方法を
提供することにある。 【構成】 2H-ヘキサフロロー2ープロパノール(沸点58
゜C)を揮発性ハロゲン化物として用い、容器中に整泡
剤と酸化防止剤とを溶解分散したポリエーテル系ポリオ
ールと、ポリイソシアネートとを混合・注入して硬質ウ
レタン発泡体を発泡成形した。その後容器を密封し65
゜Cの炉中で気泡中のガス化した2H-ヘキサフロロー2ープ
ロパノールを残留ポリイソシアネートと反応させて固体
化し、気泡内を減圧化して断熱体を得た。得られた断熱
体の断熱特性を測定したところ、フロンR11を発泡剤
としたものに比べて、約2.1倍の優れた断熱性を示し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍室等に用
いられる断熱体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫、冷凍室等に用いられる断
熱体は、ウレタンフォーム、スチレンフォームなどによ
る樹脂発泡体がおもに用いられてきた。これらは、独立
気泡体を構成しているものが多く、気泡ガスとして発泡
適性が良く熱伝導率の低いフロンガスが用いら優れた断
熱体が構成されてきた。
【0003】さらに、断熱性能のよいものとして、真空
断熱体がある。これは、容器中を真空あるいは減圧にす
ることによって熱伝導率をさらに低下させたものであっ
て、きわめて高い断熱性を有する。
【0004】この真空断熱体の構造および材料として、
金属・プラスチックスラミネートフィルムの容器中にパ
ーライト、シリカ等の無機系微粒状断熱粉体や、連続気
泡ウレタンフォーム、ハニカムなどを吸着剤とともにコ
ア材として入れ真空封止した多くの特許が開示されてい
る。
【0005】その一例として、特開昭57−13387
0号公報あるいは特開平2−772293号公報に開示
されているような、硬質フェノールウレタンフォームを
コアとし、金属・プラスチックスラミネートフィルムを
容器とする真空断熱体の構成がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の断熱性
の高い独立気泡の硬質ウレタンフォームは気泡中のガス
を抜くことができないため、真空断熱には使えないとい
う問題点があった。そのため、連続気泡のフォームにし
て減圧真空化できるように改良し真空断熱体に供されて
いた。
【0007】また、真空断熱体は断熱性は優れているも
のの、内部を真空に保つためにガスバリヤー性の容器が
必要で定まった形状となり、ウレタンの現場発泡による
断熱体のように様々な形状の箱体中に任意に注入できる
という簡便なものではなく、真空断熱体を箱体に張り付
けるという工程が必要であった。
【0008】また、この真空断熱体と箱体との隙間を詰
めるために、ウレタン発泡を併用しなければならないと
いう問題点もあった。
【0009】また、容器を構成する金属・プラスチック
スラミネートフィルムが伸縮しないため複雑な形状の真
空断熱体がうまく成形できないという問題点もあった。
【0010】そこで、本発明は新規で高性能な断熱体を
提供することを第一の目的としている。第二の目的は安
全性が高く、現場発泡の容易な優れた製造方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の断熱体は、減圧化された独立気泡に
よって構成された硬質発泡ウレタン樹脂組成物であっ
て、前記独立気泡の壁面に分岐状または末端基状のハロ
ゲン化炭化水素鎖を有することを特徴としている。
【0012】上記第二の目的を達成するために、本発明
は次の二種類の製造方法によって構成される。
【0013】第一の製造方法は、容器中に揮発性ハロゲ
ン化物よりなる反応性発泡剤、ポリオール、およびポリ
イソシアネートを混合・注入して前記ポリオールと前記
ポリイソシアネートとの反応熱により前記揮発性ハロゲ
ン化物よりなる前記反応性発泡剤を気化させてウレタン
発泡体を形成し、それに遅れて気泡中の前記揮発性ハロ
ゲン化物を前記気泡の壁面と反応させて、前記気泡の壁
面に分岐状または末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形
成させて前記揮発性ハロゲン化物を固体化し、気泡内を
減圧化する方法である。
【0014】第二の製造方法は、揮発性ハロゲン化物よ
りなる反応性発泡剤をコアとし、熱可塑性樹脂を壁材と
するマイクロカプセルをポリオール中に分散し、これと
ポリイソシアネートとを容器中に混合・注入し、その反
応熱によって前記揮発性ハロゲン化物よりなる前記反応
性発泡剤を気化発泡させ、前記マイクロカプセルを膨張
破裂させてウレタン樹脂発泡体を形成させ、それに遅れ
て気泡中のガス化した前記揮発性ハロゲン化物を前記気
泡の壁面と反応させて、前記気泡の壁面に分岐状または
末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形成させて前記揮発
性ハロゲン化物を固体化し、気泡内を減圧化する方法で
ある。
【0015】本発明に用いる揮発性ハロゲン化物よりな
る反応性発泡剤としては、次の3種類の化合物が望まし
い。
【0016】第一は、アミノ基あるいは水酸基の少なく
とも何れかを含有するハロゲン化物で、気泡の壁面に尿
素結合、ウレタン結合、ビュレット結合またはアロファ
ネート結合の少なくとも何れかで結合したハロゲン化炭
化水素鎖を形成させて固体化させる。
【0017】第二は、炭素・炭素不飽和結合を有するハ
ロゲン化物で、前記炭素・炭素不飽和結合を気泡の壁面
に付加反応させて分岐状または末端基状のハロゲン化炭
化水素鎖を形成させて固体化させる。
【0018】第三は、エポキシ基を有するハロゲン化物
で、前記エポキシ基を気泡の壁面と反応させて分岐状ま
たは末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形成させて固体
化させる。
【0019】
【作用】本発明は、上記の構成よりなり、揮発性ハロゲ
ン化物よりなる反応性発泡剤を用いて減圧化された独立
気泡よりなる硬質発泡ウレタン断熱体を構成することに
特徴があり、この発泡剤がハロゲン化された化合物であ
るため不燃性あるいは難燃性で、発泡してウレタン発泡
体を形成する際に、その製造工程で火災、爆発などの危
険性がなく好ましい。
【0020】さらに、気泡の壁面に分岐状または末端基
状のハロゲン化炭化水素鎖を形成して前記揮発性ハロゲ
ン化物が固体化されると、その壁面は上記と同様ハロゲ
ン化炭化水素鎖により不燃性あるいは難燃性となり、ウ
レタン発泡体をより難燃性にできる。
【0021】本発明には上記二種類の製造方法があり、
これらに用いる揮発性ハロゲン化物よりなる反応性発泡
剤は、ハロゲン化物であるためそのハロゲン化度が高い
ほど不燃性が増す。この具体的な化合物として上記3種
類の化合物が望ましく、次のような作用をする。
【0022】第一のアミノ基あるいは水酸基の少なくと
も何れかを含有するハロゲン化物は、気泡の壁面の未反
応のイソシアネート基と反応し、尿素結合、ウレタン結
合のほか、ビュレット結合、アロファネート結合などを
形成し、上記ハロゲン化物のハロゲン化炭化水素鎖が分
岐状または末端基状に結合され上記ハロゲン化物が固体
化される。
【0023】第二の炭素・炭素不飽和結合を有するハロ
ゲン化物は、前記炭素・炭素不飽和結合が気泡の壁面の
ラジカルあるいはイオンと付加反応し、分岐状または末
端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形成して固体化され
る。
【0024】反応性の低い場合は、樹脂添加剤として触
媒成分をポリオールなど樹脂原料中に含ませることも可
能である。
【0025】第三のエポキシ基を有するハロゲン化物
は、前記エポキシ基が気泡の壁面のカルボキシル基やア
ミノ基と反応して開環し、分岐状または末端基状のハロ
ゲン化炭化水素鎖を形成して固体化される。
【0026】また、本発明の断熱体の製造方法は、次の
ような好ましい作用と特徴を持つ。 1)従来のような減圧真空化工程なしで真空断熱体を形
成できる。 2)揮発性ハロゲン化物よりなる反応性発泡剤を用いる
ため、発泡剤が難燃性で現場発泡工程が安全ある。 3)任意の形状の容器中で直接発泡成形して自由な形状
の真空断熱体を得ることができる。 4)従来のウレタンの現場発泡とほぼ同様の工数で形成
できる。 5)ウレタン樹脂発泡体が独立気泡であり、たとえ容器
にピンホールが生じてもその真空度低下の全体への影響
がきわめて少なく高断熱性を維持できる。
【0027】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明を説明する。
【0028】本発明の断熱体は、減圧化された独立気泡
によって構成された硬質発泡ウレタン樹脂組成物であっ
て、前記独立気泡の壁面に分岐状または末端基状のハロ
ゲン化炭化水素鎖を有することを特徴としている。この
本発明の断熱体は、上記の二種類の製造方法によって形
成される。各々について次に詳しく説明する。
【0029】第一の製造方法は、容器中に揮発性ハロゲ
ン化物よりなる反応性発泡剤、ポリオール、およびポリ
イソシアネートを混合・注入して前記ポリオールと前記
ポリイソシアネートとの反応熱により前記揮発性ハロゲ
ン化物よりなる前記反応性発泡剤を気化させてウレタン
発泡体を形成し、それに遅れて気泡中の前記揮発性ハロ
ゲン化物を前記気泡の壁面と反応させて、前記気泡の壁
面に分岐状または末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形
成させて前記揮発性ハロゲン化物を固体化し、気泡内を
減圧化する方法である。
【0030】ここで用いる揮発性ハロゲン化物よりなる
反応性発泡剤としては、次の3種類の化合物が望まし
い。
【0031】第一の化合物は、アミノ基あるいは水酸基
の少なくとも何れかを含有するハロゲン化物で、気泡の
壁面に尿素結合、ウレタン結合、ビュレット結合または
アロファネート結合の少なくとも何れかで結合したハロ
ゲン化炭化水素鎖を形成させて固体化させる。
【0032】このハロゲン化物としては、クロロアルキ
ルアミン、フルオロアルキルアミン、およびフロロアル
キルアルコールなどが好ましく、具体的なクロロアルキ
ルアミンおよびフルオロアルキルアミンとしては、クロ
ロエチルアミン、フルオロエチルアミン、トリフルオロ
エチルアミン、ペンタフルオロプロピルアミン、ヘプタ
フルオロブチルアミン(沸点68゜C)などが好まし
い。また、具体的なフロロアルキルアルコールとして
は、2,2,2-トリフロロエタノール(沸点75゜C)、2,
2,3,3,3-ペンタフロロプロパノール(沸点82゜C)、2
H-ヘキサフロロー2ープロパノール(沸点58゜C)、2,2-
ビス(トリフロロメチル)プロパノール(沸点90゜
C)、1H,1Hーヘプタフルオロブタノール(沸点95゜
C)などが好ましい。
【0033】第二の化合物は、炭素・炭素不飽和結合を
有するハロゲン化物で、前記炭素・炭素不飽和結合を気
泡の壁面に付加反応させて分岐状または末端基状のハロ
ゲン化炭化水素鎖を形成させて固体化させる。
【0034】この炭素・炭素二重結合を有するハロゲン
化物としては、オレフィン、ビニリデン、およびアクリ
ルより選ばれた付加重合性単量体が好ましく、具体的な
化合物として、イ)ハロプロペン、ハロブテン、ハロイ
ソブテン、ハロペンテンなどのハロオレフィン、ロ)ハ
ロスチレン、塩化ビニル、弗化ビニル、フロロアクリレ
ート、フロロメタアクリレートなどのビニル化合物、
ハ)塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのビニリデ
ン化合物などがある。エステル、アミドなどを形成する
縮合重合は、縮合で水が生成することなどから、本発明
にあまり好ましくない。
【0035】第三の化合物は、エポキシ基を有するハロ
ゲン化物で、前記エポキシ基を気泡の壁面と反応させて
分岐状または末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形成さ
せて固体化させる。
【0036】このエポキシ基を有するハロゲン化物とし
ては、ハロエチレンオキシド、ハロプロピレンオキシ
ド、1,2-エポキシフロロブタン、2,3-エポキシフロロブ
タン、フロロブタジエンモノオキサイドのほか、エポキ
シフロロヘキサン、エポキシフロロオクタンなどのハロ
アルキレンオキシド化合物などがある。さらに、エポキ
シフロロヘキセン、エポキシフロロオクテンなどのエポ
キシ基と2重結合不飽和基を有するハロゲン化物や、グ
リシジルハロメチルエーテル、グリシジルフロロイソプ
ロピルエーテル、グリシジルフロロアクリレート、フェ
ニルフロログリシジルエーテルなどのグリシジル基を有
するハロゲン化物、エポキシフロロプロピルベンゼン、
フロロスチレンオキシドなどの芳香族エポキシド化合物
なども利用することができる。
【0037】また、上記のポリオール、イソシアネート
としては、一般の硬質ウレタン発泡に用いられる材料を
用いることができる。本発明の硬質発泡ウレタン樹脂組
成物では、発泡成形の後独立気泡内が減圧化されるた
め、硬質の変形し難いウレタン樹脂を形成するポリオー
ル、ポリイソシアネート等の原料を選択するのが好まし
い。これに添加剤として、下記に示すような整泡剤、酸
化防止剤、難燃化剤、水、ウレタン反応触媒などを加え
ることができる。
【0038】また、上記のポリオールとポリイソシアネ
ートのほかに、さらに水を加えて発泡反応させて尿素結
合含有の水発泡ウレタン樹脂組成物を生成させ、これに
よって発生する二酸化炭素で発泡作用を助ける構成も可
能である。
【0039】本発明の第二の製造方法は、揮発性ハロゲ
ン化物よりなる反応性発泡剤をコアとし、熱可塑性樹脂
を壁材とするマイクロカプセルをポリオール中に分散
し、これとポリイソシアネートとを容器中に混合・注入
し、その反応熱によって前記揮発性ハロゲン化物よりな
る前記反応性発泡剤を気化発泡させ、前記マイクロカプ
セルを膨張破裂させてウレタン樹脂発泡体を形成させ、
それに遅れて気泡中のガス化した前記揮発性ハロゲン化
物を前記気泡の壁面と反応させて、前記気泡の壁面に分
岐状または末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形成させ
て前記揮発性ハロゲン化物を固体化し、気泡内を減圧化
する方法である。
【0040】この時マイクロカプセルは膨張破裂する
が、全体としては独立気泡の硬質ウレタンフォームを形
成するため、気泡の独立性は高い。
【0041】ここで用いる揮発性ハロゲン化物よりなる
反応性発泡剤、ポリオール、ポリイソシアネートには、
上記の第一の製造方法に示したと同じ材料を用いる。
【0042】容器内の脱気、密封等の工程は、必要に応
じて発泡成形工程中に適時入れればよい。この第二の製
造方法では、揮発性化合物が気化して発泡体を形成した
後に、遅れてイソシアネトとの反応によって固体化させ
ることができるため、成形と減圧化が区別して進むため
好ましい。
【0043】この熱膨張性マイクロカプセルを作る方法
は、木田末男、「高分子」、40巻、4月号、248−
251頁、1991年に開示されているように、主にin
situ法を用いて同様に作ることができる。
【0044】このマイクロカプセルの壁材に用いる熱可
塑性樹脂としては、塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルより選
ばれた一種を主成分とする共重合樹脂であることが好ま
しく、熱膨張性のよい優れた成形特性を持つ共重合体が
望ましい。熱膨張させた後、硬化剤によって架橋でき硬
度や熱変形性を高められるものは、なお好ましい。
【0045】これらのアミノ基あるいは水酸基の少なく
とも何れかを有する揮発性化合物は、一般にウレタン樹
脂の発泡成形の際に発泡剤として用いられるフロン、炭
化水素、二酸化炭素、水などに希釈して適した反応特性
にして用いることも可能である。
【0046】本発明は、従来の真空断熱体のようにコア
を詰めた後に脱気して真空化するものではなく、コア材
自身が容器内で発泡構造体を形成した後真空化作用を有
するものであるため、断熱体の形状として種々の形状の
断熱体が容易に得られる。適切な形状の密封可能な金属
層含有剛体容器中で直接、発泡成形して真空断熱体を形
成することができる。
【0047】特に、この金属層含有剛体容器を金属性外
箱と硬質樹脂性内箱を組み合せて構成された注入口を有
する密閉性の冷蔵庫用箱体で構成すれば、本発明によっ
て容易に真空断熱体を得ることができ、電気冷蔵庫の断
熱箱として好適に用いることができる。
【0048】樹脂性内箱には、発泡ポリウレタン断熱体
によって樹脂が侵されないことが望ましく、高ニトリル
含有ABS樹脂等が適している。
【0049】本発明に用いるポリオールは、従来使われ
ているポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリ
オールのほか、硬度を得るためまた、反応性を制御する
目的で、多価アルコールから合成される水酸基を多く分
子内に有するポリオールが適している。
【0050】本発明に用いるイソシアネートは、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)系、トリレンジ
イソシアネート(TDI)系、キシリレンジイソシアネ
ート(XDI)、メタキシリレンジイソシアネート(M
XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI),トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート(TMDI)、ダイマー酸ジイソ
シアネート(DDI)等がある。
【0051】本発明において、ゲル化触媒、泡化触媒、
遅延触媒等ウレタン原料の反応性を制御できる効果的な
添加剤を選ぶ必要がある。
【0052】一般には三級アミン、有機金属化合物など
がウレタン反応触媒として用いられるが、本発明では揮
発性ハロゲン化物が反応の中心的な働きをするため、こ
れとの相互作用も良く考慮して、選択して用いる必要が
ある。
【0053】また、整泡剤としては、アルキルシラン・
ポリオキシアルキレンコポリマーが一般的である。シリ
コン系整泡剤は、その効果が異なるが、優れた添加効果
を示す。そのほか、原料の相溶性を高め、気泡核とな
り、表面張力を低下させて発泡中の気泡を安定化させる
ものであれば利用できる。
【0054】難燃剤には、有機リン化合物、有機臭素化
合物等がある。また、加水分解防止剤、酸化防止剤など
の添加剤を加えることによって、長期の物性安定効果が
得られる。
【0055】現場発泡によるポリウレタンの物性は、処
方、撹拌、加熱条件によってもかなり変化するので、最
適条件を詳しく検討する必要がある。特に、本発明の発
泡剤を用いた発泡体の形成においては、現場発泡形成時
に発泡剤がポリウレタン反応と共に気化しなければなら
ないので、充分適性化された条件が必要である。
【0056】次に具体的実施例を示す。 (実施例1)2H-ヘキサフロロー2ープロパノール(沸点5
8゜C)を揮発性ハロゲン化物として用い、容器中に整
泡剤と酸化防止剤とを溶解分散したポリエーテル系ポリ
オールと、ポリイソシアネートとを混合・注入して、硬
質ウレタン発泡体を発泡成形した。
【0057】その後容器を密封し65゜Cの炉中で気泡
中のガス化した2H-ヘキサフロロー2ープロパノールを残留
ポリイソシアネートと反応させて固体化し、気泡内を減
圧化して断熱体を得た。
【0058】得られた断熱体の断熱特性を測定したとこ
ろ、フロンR11を発泡剤としたものに比べて、約2.
1倍の優れた断熱性を示した。
【0059】(実施例2)2H-ヘキサフロロー2ープロパノ
ール(沸点58゜C)をコアとし、ポリ塩化ビニリデン
共重合体(軟化温度110゜C)を壁材とする熱膨張性
マイクロカプセルをポリエーテル系ポリオール中に分散
し、これとポリイソシアネートとを容器の中に混合注入
し、反応熱によってカプセル中の2H-ヘキサフロロー2ープ
ロパノールを気化させ、熱膨張性マイクロカプセルを発
泡・破裂させてウレタン発泡体を成形した。
【0060】この容器を密封した後、65゜Cの炉中で
気泡中の気化している2H-ヘキサフロロー2ープロパノール
を残留ポリイソシアネートと反応させて固体化し、気泡
内を減圧化して断熱体を得た。
【0061】得られた断熱体の断熱特性を測定したとこ
ろ、フロンR11を発泡剤としたものに比べて、約1.
9倍の優れた断熱性を示した。
【0062】(実施例3)塩化ビニリデン(沸点31.
7゜C)よりなる揮発性ハロゲン化物として用い、これ
と整泡剤と酸化防止剤とを溶解分散したポリエーテル系
ポリオールと、ポリイソシアネートとを容器中に混合・
注入して、硬質ウレタン発泡体を発泡成形した。
【0063】その後容器を密封し、80゜Cの炉中で揮
発性ハロゲン化物を気泡壁面と反応させ、壁面にジクロ
ロエチル基を形成させ発泡剤を固体化し、気泡内を減圧
真空化して真空断熱体を得た。
【0064】得られた真空断熱体の断熱特性を測定した
ところ、フロンR11を発泡剤としたものに比べて、約
1.8倍の優れた断熱性を示した。
【0065】(実施例4)1-クロロプロペン(沸点35
゜C)よりなる揮発性ハロゲン化物をコアとし、ポリメ
タクリル酸エステルを壁材とする熱膨張性マイクロカプ
セルと、整泡剤と酸化防止剤とを溶解分散したポリエー
テル系ポリオールと、ポリイソシアネートとを容器中に
混合・注入して硬質ウレタン発泡体を発泡成形した。
【0066】その後容器を密封し100゜Cの炉中で、
揮発性ハロゲン化物を気泡壁面と反応させ壁面にクロロ
プロピル基を形成させ発泡剤を固体化し、気泡内を減圧
真空化して真空断熱体を得た。
【0067】得られた真空断熱体の断熱特性を測定した
ところ、フロンR11を発泡剤としたものに比べて、約
1.7倍の優れた断熱性を示した。
【0068】(実施例5)ペンタフロロエチルエポキシ
プロパンをコアとし、ポリ塩化ビニリデン共重合体(軟
化温度110゜C)を壁材とする熱膨張性マイクロカプ
セルをポリエーテル系ポリオール中に分散し、これとポ
リイソシアネートとを容器の中に混合注入し、反応熱に
よってカプセル中のペンタフロロエチルエポキシプロパ
ンを気化させ、熱膨張性マイクロカプセルを発泡・破裂
させてウレタン発泡体を成形した。
【0069】この容器を密封した後、65゜Cの炉中で
気泡中の気化しているペンタフロロエチルエポキシプロ
パンを残留ポリイソシアネートと反応させて固体化し、
気泡内を減圧化して断熱体を得た。
【0070】得られた断熱体の断熱特性を測定したとこ
ろ、フロンR11を発泡剤としたものに比べて、約2.
2倍の優れた断熱性を示した。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明の断熱体は、減圧化
された独立気泡によって構成された硬質発泡ウレタン樹
脂組成物であって、前記独立気泡の壁面に分岐状または
末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を有することに特徴を
有している。
【0072】この本発明の断熱体の製造方法は、揮発性
ハロゲン化物よりなる反応性発泡剤を気化させてウレタ
ン発泡体を形成し、さらに揮発性ハロゲン化物の前記官
能基を気泡の壁面と反応させて揮発性化合物を固体化
し、気泡内を減圧真空化して高性能な断熱体を得る方法
である。
【0073】本発明は、従来の定まった形状の真空断熱
体に代わって、現場発泡によって様々な形状の箱体中
に、任意に発泡成形でき、断熱体を構成できるという特
徴を持つ。
【0074】それ故、従来のような真空断熱体と箱体と
の隙間を詰めるためにウレタン発泡を併用するという面
倒な工程がなく、優れた断熱性の断熱体が構成できると
いう効果がある。
【0075】本発明は、このように減圧化工程なしで一
般の発泡成形体の成形と同様に簡単な方法で断熱体を構
成することができるとともに、用いる揮発性ハロゲン化
物よりなる反応性発泡剤が難燃性であるため、爆発や火
災の危険がなく安全な製造工程で現場発泡工程ができる
効果もある。
【0076】また、この揮発性ハロゲン化物は、発泡断
熱体の気泡中で固体化されるため、ハロゲン元素を含ん
でいても廃棄時に大気中に拡散することなく、容易に回
収できるもので、地球環境の観点からも優れた技術であ
り、このように本発明は工業的価値の大なるものであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F25D 23/06 X //(C08G 18/08 101:00) C08L 75:04 (72)発明者 稲垣 文拓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】減圧化された独立気泡によって構成された
    硬質発泡ウレタン樹脂組成物であって、前記独立気泡の
    壁面に分岐状または末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を
    有することを特徴とする断熱体。
  2. 【請求項2】硬質発泡ウレタン樹脂組成物が、金属性外
    箱と硬質樹脂性内箱を組み合せて構成された注入口を有
    する密閉性の冷蔵庫用箱体中に、充填された請求項1記
    載の断熱体。
  3. 【請求項3】容器中に揮発性ハロゲン化物よりなる反応
    性発泡剤、ポリオール、およびポリイソシアネートを混
    合・注入して、前記ポリオールと前記ポリイソシアネー
    トとの反応熱により前記揮発性ハロゲン化物よりなる前
    記反応性発泡剤を気化させてウレタン発泡体を形成し、
    それに遅れて気泡中の前記揮発性ハロゲン化物を前記気
    泡の壁面と反応させて、前記気泡の壁面に分岐状または
    末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形成させて前記揮発
    性ハロゲン化物を固体化し、気泡内を減圧化することを
    特徴とする断熱体の製造方法。
  4. 【請求項4】揮発性ハロゲン化物よりなる反応性発泡剤
    をコアとし、熱可塑性樹脂を壁材とするマイクロカプセ
    ルをポリオール中に分散し、これとポリイソシアネート
    とを容器中に混合・注入し、その反応熱によって前記揮
    発性ハロゲン化物よりなる前記反応性発泡剤を気化発泡
    させ、前記マイクロカプセルを膨張破裂させてウレタン
    樹脂発泡体を形成させ、それに遅れて気泡中のガス化し
    た前記揮発性ハロゲン化物を前記気泡の壁面と反応させ
    て、前記気泡の壁面に分岐状または末端基状のハロゲン
    化炭化水素鎖を形成させて前記揮発性ハロゲン化物を固
    体化し、気泡内を減圧化してなることを特徴とする断熱
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】マイクロカプセルの壁材を形成する熱可塑
    性樹脂が、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリ
    ル酸エステル、メタクリル酸エステルより選ばれた一種
    を主成分とする共重合樹脂よりなる、請求項4記載の断
    熱体の製造方法。
  6. 【請求項6】揮発性ハロゲン化物よりなる反応性発泡剤
    が、アミノ基あるいは水酸基の少なくとも何れかを含有
    するハロゲン化物で、気泡の壁面に尿素結合、ウレタン
    結合、ビュレット結合またはアロファネート結合の少な
    くとも何れかで結合したハロゲン化炭化水素鎖を形成さ
    せてなる、請求項3あるいは4何れかに記載の断熱体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】ハロゲン化物が、クロロアルキルアミン、
    フルオロアルキルアミン、およびフロロアルキルアルコ
    ールより選ばれた少なくとも一種である、請求項5に記
    載の断熱体の製造方法。
  8. 【請求項8】揮発性ハロゲン化物よりなる反応性発泡剤
    が、炭素・炭素不飽和結合を有する化合物で、前記炭素
    ・炭素不飽和結合を気泡の壁面に付加反応させて分岐状
    または末端基状のハロゲン化炭化水素鎖を形成させてな
    る、請求項3あるいは4何れかに記載の断熱体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】炭素・炭素不飽和結合を有する化合物が、
    オレフィン、ビニリデン、およびアクリルより選ばれた
    付加重合性単量体である、請求項8記載の断熱体の製造
    方法。
  10. 【請求項10】揮発性ハロゲン化物よりなる反応性発泡
    剤が、エポキシ基を有する化合物で、前記エポキシ基を
    気泡の壁面と反応させて分岐状または末端基状のハロゲ
    ン化炭化水素鎖を形成させてなる、請求項3あるいは4
    何れかに記載の断熱体の製造方法。
JP6023933A 1993-08-10 1994-02-22 断熱体とその製造方法 Pending JPH07233896A (ja)

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CN94116169A CN1061063C (zh) 1993-08-10 1994-08-10 绝热体及其生产方法
EP94112506A EP0638607B1 (en) 1993-08-10 1994-08-10 Thermal insulator and method for producing the same
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003155077A (ja) * 2001-11-20 2003-05-27 Toppan Printing Co Ltd 紙容器
JP2011027379A (ja) * 2009-07-29 2011-02-10 Tada Plastic Kogyo Kk タンク用断熱材

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