JP3154381B2 - 発泡断熱体およびその製造方法 - Google Patents

発泡断熱体およびその製造方法

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JP3154381B2 JP02515895A JP2515895A JP3154381B2 JP 3154381 B2 JP3154381 B2 JP 3154381B2 JP 02515895 A JP02515895 A JP 02515895A JP 2515895 A JP2515895 A JP 2515895A JP 3154381 B2 JP3154381 B2 JP 3154381B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍室等に用
いられる発泡断熱体とその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫、冷凍室等に用いられる断
熱体は、ウレタンフォーム、スチレンフォームなどによ
る樹脂発泡体が主であった。これの多くは、独立気泡体
を構成している。そして、気泡を形成する発泡剤として
は、発泡適性が良く熱伝導率の低いフロンガスが用いら
れ、優れた断熱体が構成されてきた。また、ウレタン樹
脂は、現場発泡成形ができるため、広く用いられてい
る。このウレタン樹脂の原料であるイソシアネートは、
水と反応して二酸化炭素を発生して尿素結合を形成する
ことから、水発泡ポリウレタン樹脂としても構成され、
例えば特開平2−205582公報に開示されているよ
うに、同様に断熱材として用いられている。さらに、断
熱性能の優れた断熱体として真空断熱体がある。これ
は、容器中を真空あるいは減圧にすることによって熱伝
導率をさらに低下させたものであって、きわめて高い断
熱性を有する。この真空断熱体の構造および材料とし
て、金属・プラスチックスラミネートフィルムやプラス
チック多層フィルムなどのガスバリヤー性の高い容器中
に、パーライト、シリカ等の無機系微粒状断熱粉体やウ
レタンフォーム、ハニカム構造体などを吸着剤とともに
コア材として入れ、真空封止した多くの特許が開示され
ている。その一例として、特開昭57−133870号
公報や特開平2−772293号公報に開示されている
ような硬質フェノールウレタンフォームをコアとし、金
属・プラスチックスラミネートフィルムを容器とする真
空断熱体がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱伝導率の低いフロン
を用いた発泡断熱体は、オゾン層破壊や地球温暖化など
の環境破壊問題によって使用が規制されており、代替フ
ロン発泡剤の検討が進められている。さらに、真空断熱
体は、断熱性は優れているが、定まった形状をしてお
り、ウレタンの現場発泡断熱体のように様々な形状の箱
体中に任意に注入できるという簡便なものではなく、真
空断熱体を箱体に張り付けるという工程が必要であると
いう課題があった。また、この真空断熱体と箱体との隙
間を詰めるため、ウレタン発泡を併用しなければならな
いという問題点もあった。また、真空装置による真空化
工程を要し、さらに、ガスバリヤー性の容器が伸縮しな
いため複雑な形状の真空断熱体がうまく成形できないと
いう問題点もあった。本発明は、以上の課題を解決する
新規な構成の発泡断熱体を提供することを目的としてい
る。さらに本発明は、そのような発泡断熱体の新規な製
造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の発泡断熱体は、
気泡内が揮発性発泡剤の充填状態あるいは真空減圧状態
にある尿素結合含有の発泡ポリウレタン樹脂組成物から
なり、二酸化炭素固定化触媒と、気泡中の二酸化炭素を
固体化して形成されたウレタン構造およびピロン構造よ
りなる群から選ばれる少なくとも一種とを含むものであ
る。
【0005】本発明の発泡断熱体の製造方法は、少なく
とも二酸化炭素を含む気泡を形成する工程を有する、尿
素結合含有発泡ポリウレタン樹脂組成物からなる発泡断
熱体の製造方法であって、前記気泡中の二酸化炭素を、
二酸化炭素固定化触媒の存在下で、アルキレンイミン構
造およびジイン構造よりなる群から選ばれる少なくとも
一種の構造を有する二酸化炭素固定用原料と反応させ、
前記構造に対応してウレタン構造およびピロン構造の少
なくとも一種を形成させることにより、二酸化炭素を固
定化する工程を有するものである。ここにおいて、アル
キレンイミンとは、窒素含有の異節環状イミンをいい、
アルキレンイミン構造を有する二酸化炭素固定用原料と
しては、エチレンイミン、プロピレンイミン、トリメチ
レンイミン、ピロリジン、ピペラジン、トリエチレンジ
アミン、ヘキサメチレンテトラミン、およびそれらのN
置換誘導体よりなる郡から選ばれる環状アルキレンイミ
ンであることが好ましい。また、アルキレンオキシドに
は、環状と鎖状の分子があるが、環状のものはエポキシ
ドともいう。アルキレンオキシド構造のアルキレンは、
メチレン、エチレン、およびプロピレンよりなる郡から
選ばれる一種であることが好ましい。
【0006】
【作用】本発明の発泡断熱体は、その製造時に次の
(A)、(B)、(C)に示すような反応によって二酸
化炭素を固体化する。 (A)アルキレンイミンによる二酸化炭素固定化反応 式(1)にイミンの環状ウレタン形成反応を、また式
(2)にイミンのウレタン重合反応をそれぞれ示す。
【0007】
【化1】
【0008】式(1)では、イミンは3員環イミンで記
しているが、上記のような4員環以上のイミン化合物で
も同様な反応が進行し、二酸化炭素が固定化される。式
(2)のRは水素原子または置換基であり、この反応に
よって、発泡樹脂組成物中において気泡中の二酸化炭素
と交互共重合してポリウレタン樹脂となり、固体化す
る。
【0009】(B)環状アルキレンオキシド(エポキシ
ド)による二酸化炭素固定化反応 式(3)にエポキシドの環状カーボネート形成反応を示
す。
【0010】
【化2】
【0011】式(3)では、エポキシド化合物を3員環
エーテルで記しているが、上記のような4員環以上の環
状アルキレンオキシドでも同様な反応が進行する。エポ
キシドとは、環状エーテルをいい、一般には1,2ーエ
ポキシド(3員環)をいう。例として3員環には、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド
などがあり、1,2ーエポキシドは、エポキシ環にひず
みがあり反応性が高い。1,3ーエポキシド(4員環)
は、あまり知られていないが、不安定で同様に反応しや
すい。1,4(5員環)と1,5(6員環)ーエポキシ
ドは安定で、反応性が低くエーテル同様の性質を示す。
【0012】(C)ジイン二分子間に二酸化炭素を取り
込む固定化反応 式(4)にジインのピロン環形成反応を示す。
【0013】
【化3】
【0014】ここで、R1、R2、R3は置換基である。
上記(A)〜(C)の二酸化炭素の固定化反応は、反応
速度を高めることが必要であることから、活性の高い二
酸化炭素固定化触媒の存在下で行う。
【0015】
【実施例】次に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく
説明する。本発明の発泡断熱体は、気泡内が揮発性発泡
剤の充填状態あるいは真空減圧状態にある尿素結合含有
の発泡ポリウレタン樹脂組成物中に、二酸化炭素固定化
触媒と、気泡中の二酸化炭素を固体化して形成したウレ
タン構造、カーボネート構造およびピロン構造の少なく
とも一種とを含んでいる。ウレタン発泡成形では、一般
にポリオールとイソシアネートとを原料としてポリウレ
タンを反応・発泡させるが、フロンでない揮発性発泡
剤、即ち炭化水素などの揮発性発泡剤による発泡成形の
場合には、発泡時の気泡形成を制御するために、多くの
場合水を反応性発泡剤として併用する。加えた水は、次
の式(5)のように、原料であるイソシアネートと反応
し、尿素結合を有するウレタン樹脂を形成し、同時に二
酸化炭素を生成して発泡に寄与する。また、水を添加し
ない場合でも一部のイソシアネート同士が反応するカル
ボジイミド反応により二酸化炭素が発生する。
【0016】
【化4】
【0017】本発明は、この二酸化炭素を、ポリウレタ
ンの発泡・成形の後に固定して固体化し、気泡内のガス
組成を二酸化炭素比率の殆どないものにすることを特徴
とし、これによって優れた断熱性能を有する断熱発泡体
を形成するものである。二酸化炭素が固定化される結
果、気泡内は、他に揮発性物質が存在しないときは減圧
真空化される。一方、揮発性発泡剤を含む場合には、こ
のガスが大部分を占めることになり、当初の二酸化炭素
をそのまま含む場合に比べて気泡内気体の熱伝導率が低
下し、何れの場合も断熱体の断熱性を向上させることと
なる。二酸化炭素の固定反応は、発泡樹脂を形成した後
に起こる方が好ましい。従って、二酸化炭素固定用原料
をマイクロカプセルに入れておき、それをポリウレタン
の反応熱で熱膨張・破裂させる方法をとれば、二酸化炭
素を固定化させてウレタン構造、カーボネート構造およ
びピロン構造などを形成させるのを遅らせることも可能
である。反応性発泡剤としては水が適しているが、他の
揮発性発泡剤と混合して使用してもよい。他の揮発性発
泡剤としては、例えば1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン(フロン134a)などの代替フロン化合物、シ
クロペンタン、ブタンなどの炭化水素化合物等が適して
いる。この揮発性発泡剤は、上記のような一般に二酸化
炭素より気体熱伝導率のかなり低い物質であるため、本
発明の二酸化炭素の固定化により断熱性を大きく向上さ
せることができる。
【0018】本発明に用いるアルキレンイミンには、上
記のような環状アルキレンイミンのほかに、次の式
(6)に示すような鎖状イミンのウレタン形成反応反応
がある。
【0019】
【化5】
【0020】この反応によって、発泡樹脂組成物中にお
いて気泡中の鎖状イミンは、二酸化炭素と交互共重合し
てポリウレタンとなり固体化する。しかし、鎖状イミン
は、イミン結合部に分子ひずみをもっていないため、低
温では反応効率が高くない。そのためあまり実際的な系
ではない。また、本発明に用いるアルキレンオキシドに
は、上記のような環状アルキレンオキシドのほかに、複
数個の酸素を含む環状エーテルや、次の式(7)に示す
ような鎖状アルキレンオキシドのカーボネート形成反応
反応がある。複数個の酸素を含む環状エーテルには、ジ
オキサン、トリオキサン、パラアセトアルデヒド(環状
3量体)、およびテトラオキサン等がある。
【0021】
【化6】
【0022】この反応によって、発泡樹脂組成物中にお
いて気泡中の二酸化炭素と交互共重合してポリカーボネ
ートとなり、固体化する。しかし、鎖状アルキレンオキ
シドは、エーテル結合部に分子ひずみをもっていないた
め、反応効率が高くない。そのためあまり実際的な系で
はない。この鎖状アルキレンオキシドには、パラホルム
アルデヒド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシドなどがある。本発明に用いるアルキレンイミン構
造、アルキレンオキシド構造、およびジイン構造より選
ばれる少なくとも一種の構造を有する二酸化炭素固定用
原料は、発泡樹脂組成物の形成の際に、二酸化炭素固定
化触媒と共に原料に混合しておくことができる。特に、
沸点が60℃程度以下の化合物の場合には、ポリオール
とイソシアネートとの反応熱によって常圧で気化するた
め、揮発性発泡剤としての働きも示し、二酸化炭素と反
応するために気泡中から減少して気泡が減圧化される。
また、この二酸化炭素固定用原料は、室温ではポリオー
ル、イソシアネートとの反応性は低い。この二酸化炭素
固定用原料が粘度調整等の希釈剤の働きをする場合もあ
る。さらに、発泡反応時に発生する熱によって、混合し
た一部のこれら二酸化炭素固定用原料が、ポリオールま
たはイソシアネートと重合反応してウレタン樹脂組成物
の一部を形成する。この反応によって、発泡ウレタン樹
脂組成物の強度が高められる効果がある。
【0023】二酸化炭素固定用原料を二酸化炭素と反応
させる二酸化炭素固定化触媒には、金属化合物、特に遷
移金属化合物を用いることが多く、ルイス酸の性質を持
つ金属ハロゲン化物が用いられることが多い。具体的に
はその金属として亜鉛、コバルト、アルミニウム、錫な
どが用いられる。また、同様に有機金属ハロゲン化物や
有機遷移金属化合物も二酸化炭素固定化触媒として用い
られ、ジアルキル亜鉛などの有機金属亜鉛化合物は優れ
た触媒である。特に第4級オニウム塩と有機金属ハロゲ
ン化物、あるいは第4級オニウム塩と金属ハロゲン化物
などの混合触媒を用いると、高い反応収率が得られる。
オニウム化合物としては、ハロゲン化テトラアルキルホ
スホニウム、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムな
どが適しており、よう化テトラブチルホスホニウム、臭
化テトラブチルホスホニウム、よう化テトラブチルアン
モニウム、臭化テトラブチルアンモニウムが高い触媒作
用を有する。また、有機金属ハロゲン化物としては錫化
合物が適しており、よう化トリブチル錫、臭化トリブチ
ル錫、塩化トリブチル錫、よう化トリメチル錫、よう化
トリフェニル錫などを用いることができる。
【0024】二酸化炭素を固定化する重合触媒として
は、有機亜鉛化合物と2価以上の活性水素を有する化合
物との混合物、金属酸化物担持の有機亜鉛化合物、亜鉛
酢酸塩、水酸化亜鉛と脂肪族ジカルボン酸の反応混合
物、または金属酸化物を担持した亜鉛ハロゲン化物など
が適している。亜鉛化合物を担持する金属酸化物とし
て、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタンなど
が用いられ、さらに酸化マグネシウムなどの金属水酸化
物も用いることができる。アルキレンイミン構造、アル
キレンオキシド構造、およびジイン構造より選ばれる少
なくとも一種の構造を有する二酸化炭素固定用原料は、
主としてポリオール混合液に混合して2液注入発泡を行
う場合が多い。しかし、二酸化炭素固定用原料は、ポリ
オール、イソシアネートのどちらとも室温では反応性が
低いが反応をするため、原料調製液の保存安定性が悪く
なる。そこで、注入直前に混合する方法もある。しか
し、作業性の点から、二酸化炭素固定用原料液とポリオ
ール混合液とイソシアネート液での3液注入発泡が適し
ている。注入発泡では、まず水とイソシアネートが反応
して二酸化炭素を発生して発泡をすると共に、ポリオー
ルとイソシアネートの重合反応が進行する。次いで、二
酸化炭素固定用原料と二酸化炭素との反応によって、環
化あるいは高分子化の反応をする。特に、エージング過
程で急速に二酸化炭素固定反応が進んで減圧化すると共
に、その後徐々に減圧化が進行する。
【0025】本発明のアルキレンイミン構造、アルキレ
ンオキシド構造、およびジイン構造より選ばれる少なく
とも一種の構造を有する二酸化炭素固定用原料は、室温
では反応性は低いが、加熱時に一部ポリオールやイソシ
アネートと反応することがあるため、発泡ウレタン樹脂
組成物と結合して構成されることもある。この反応によ
って形成される発泡ウレタン樹脂組成物の機械的な強度
が高まる硬化剤としての効果を示す場合もある。また、
二酸化炭素固定用原料として、臭素化物を用いると、減
圧作用と共に発泡ウレタン樹脂組成物の難燃化を行うこ
とができる。さらに、発泡ウレタン樹脂組成物の形成時
には添加剤として、整泡剤、酸化防止剤、難燃化剤、ウ
レタン反応触媒などを加えることができるが、発泡成形
後に減圧下で揮発しないように選択して用いる必要があ
る。
【0026】本発明は適切な形状の密封可能な金属層含
有剛体容器中で直接、加熱発泡成形して高性能の断熱体
を形成することができる。それ故、本発明の発泡断熱体
は電気冷蔵庫用の断熱箱体に用いるのが適しており、金
属性外箱と硬質樹脂性内箱を組み合せて構成された注入
口を有する密閉性の冷蔵庫用箱体中に充填すれば、きわ
めて優れた断熱性の電気冷蔵庫を構成できる。本発明の
発泡断熱体は、従来の真空断熱体のようにコアを詰めた
後に脱気して真空化するものではなく、コア材自身が容
器内で発泡構造体を形成した後減圧化作用を有するもの
であるため、断熱体形状として種々の高性能断熱体が容
易に得られる。この特徴を利用すると、容器を適切な形
状の金型中にセットし、加熱によって発泡成形して発泡
構造体を形成し真空断熱体にもすることができる。次に
具体的な実施例を示す。
【0027】[実施例1]OH価500mgKOH/g
のポリエーテルポリオール100重量部(以下、単に部
で表す。)、シリコーン系整泡剤3部およびアミン系触
媒3部の混合液に、発泡剤として水5部、さらにアルキ
レンイミン構造の二酸化炭素固定用原料としてフェニル
エチレンイミン50部、および二酸化炭素固定化触媒の
塩化亜鉛/よう化テトラブチルアンモニウム(モル比1
/4)混合物1部を混合してポリオール混合液を調製し
た。次に、この混合液に、アミン当量170のポリイソ
シアネート180部を混合した後、容器中に注入し、発
泡反応させて独立気泡の尿素結合含有の発泡ウレタン樹
脂組成物を得た。発生した気泡中の二酸化炭素は、二酸
化炭素固定化触媒によってフェニルエチレンイミンと反
応して環状ウレタン成分を生成し、気泡中が次第に減圧
真空化された発泡断熱体が得られた。容器を密閉後、得
られた断熱体の断熱特性として平均温度24℃の熱伝導
率を測定したところ、0.010W/(m・K)の優れ
た断熱性能を示し、その断熱性能の変化を一ヶ月にわた
って測定したところ、断熱性能は時間とともにむしろ向
上する傾向を示した。
【0028】[実施例2]実施例1と同じポリエーテル
ポリオール100部、シリコーン系整泡剤3部、アミン
系触媒3部、および反応性発泡剤としての水3.5部の
ポリオール混合液を調製した。さらに、フェニルエチレ
ンイミン35部、揮発性発泡剤としてシクロペンタン1
0部、および実施例1と同様の二酸化炭素固定化触媒1
部を混合してポリオール混合液を調製した。次にこの混
合液に、実施例1と同じポリイソシアネート180部を
混合した後、ガスバリア性ラミネートフィルムからなる
容器中に注入し、発泡反応させて独立気泡の尿素結合含
有の発泡ウレタン樹脂組成物を得た。発生した気泡中の
二酸化炭素は、前記二酸化炭素固定化触媒によってフェ
ニルエチレンイミンと反応して環状ウレタンを生成し、
気泡中の二酸化炭素分圧が下がり、次第にシクロペンタ
ン分圧の高い発泡断熱体が得られた。容器を密閉後、得
られた断熱体の断熱特性として平均温度24℃の熱伝導
率を測定したところ、0.014W/(m・K)の優れ
た断熱性能を示した。
【0029】[実施例3]実施例1と同じポリエーテル
ポリオール100部、シリコーン系整泡剤3部、アミン
系触媒3部、および反応性発泡剤としての水3.5部よ
りなるポリオール混合液Aを調製した。さらに、二酸化
炭素固定用原料としてN−メチルピロリジン42部、揮
発性発泡剤シクロペンタン10部、および二酸化炭素固
定化触媒としてヨウ化トリブチル錫/ヨウ化テトラブチ
ルホスホニウム(モル比1/2)混合物2部よりなる混
合液B、および実施例1と同じポリイソシアネート16
0部の溶液Cを得た。次に、液A、B、Cを混合した
後、ガスバリア性ラミネートフィルムからなる容器中に
注入し、発泡反応させて独立気泡の尿素結合含有の発泡
ウレタン樹脂組成物を得た。この発泡反応では、水とイ
ソシアネートとの反応によって発生する二酸化炭素ガス
で発泡を生じ、独立気泡のウレタン樹脂組成物が形成さ
れた。発生した気泡中の二酸化炭素は、ポリカーボネー
ト成分を生成し、気泡中が次第に減圧され、シクロペン
タンが多く充填された発泡断熱体が得られた。容器を密
閉後、得られた断熱体の断熱特性として平均温度24℃
の熱伝導率を測定したところ、0.015W/(m・
K)の優れた断熱性能を示した。この断熱性能の変化を
一ヶ月にわたって測定したところ、断熱性能は時間の経
過とともにむしろ向上した。
【0030】[実施例4]実施例1のフェニルエチレン
イミンの代わり、1,3ージオキソランをアルキレンオ
キシド構造の二酸化炭素固定用原料として用いて、実施
例1と同様に容器中で発泡反応させた。二酸化炭素の固
定速度はかなり遅かったが、次第に減圧され、同様に断
熱発泡体が得られた。
【0031】[実施例5]実施例1のフェニルエチレン
イミンの代わりに、3,11ーテトラデカジインをジイ
ン構造の二酸化炭素固定用原料として、また二酸化炭素
固定化触媒にはニッケルトリエチルフォスフィン錯体を
用いて、実施例1と同様に容器中で発泡反応させた。二
酸化炭素の固定速度は同様にかなり遅かったが、次第に
減圧され、断熱発泡体が得られた。
【0032】[実施例6]実施例1と同様のウレタン原
料を、金属性外箱と硬質樹脂性内箱を組み合せて構成さ
れた注入口を有する密閉性の冷蔵庫用箱体中に混合・注
入して、独立気泡の尿素結合含有の発泡ウレタン樹脂組
成物を断熱材とする電気冷蔵庫用真空断熱箱体を得た。
得られた真空断熱箱体の断熱特性を測定したところ、フ
ロンR11を発泡剤としてものに比べて、約1.3倍の
優れた断熱性能を示した。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、尿素結合
含有の発泡ポリウレタン樹脂組成物からなる断熱体の気
泡中の二酸化炭素は、二酸化炭素固定化触媒の存在下、
二酸化炭素固定用原料と反応して固体化し、ウレタン構
造、カーボネート構造およびピロン構造の少なくとも一
種を形成し、気泡内は揮発性発泡剤の充填状態あるいは
真空減圧状態となる。従って、本発明によれば、揮発性
発泡剤を使用しない場合は、二酸化炭素の共重合反応に
よって気泡内が減圧され、やがて真空化されるので、従
来のような減圧真空化工程なしで真空断熱体を形成でき
る。このため、従来のようにコア材を必ずしも連通フォ
ームにする必要はなく、独立気泡の断熱性の高い発泡体
を真空断熱体とすることができる効果がある。さらに、
任意の形状の容器中で直接発泡成形するため、自由な形
状の真空断熱体あるいは低圧断熱体を、従来のウレタン
の現場発泡とほぼ同様に形成できるなどの効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F25D 23/06 F25D 23/06 V // C08L 75:04 (72)発明者 稲垣 文拓 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−53757(JP,A) 特開 平7−173314(JP,A) 特開 平8−127666(JP,A) 特開 平8−169976(JP,A) 特開 平8−319364(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 B65D 81/38 C08G 18/00 - 18/87 F16L 59/06 F25D 23/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気泡内が揮発性発泡剤の充填状態あるい
    は真空減圧状態にある尿素結合含有の発泡ポリウレタン
    樹脂組成物からなり、二酸化炭素固定化触媒と、気泡中
    の二酸化炭素を固定化して形成されたウレタン構造お
    びピロン構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種と
    を含むことを特徴とする発泡断熱体。
  2. 【請求項2】 少なくとも二酸化炭素を含む気泡を形成
    する工程を有する、尿素結合含有発泡ポリウレタン樹脂
    組成物からなる発泡断熱体の製造方法であって、前記気
    泡中の二酸化炭素を、二酸化炭素固定化触媒の存在下
    で、アルキレンイミン構造およびジイン構造よりなる群
    から選ばれる少なくとも一種の構造を有する二酸化炭素
    固定用原料と反応させ、前記構造に対応してウレタン構
    造およびピロン構造の少なくとも一種を形成させること
    により、二酸化炭素を固定化する工程を有することを特
    徴とする発泡断熱体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルキレンイミン構造を有する二酸化炭
    素固定用原料が、エチレンイミン、プロピレンイミン、
    トリメチレンイミン、ピロリジン、ピペラジン、トリエ
    チレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、およびそ
    れらのN置換誘導体よりなる群から選ばれる環状アルキ
    レンイミンである請求項2に記載の発泡断熱体の製造方
    法。
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